以下に本発明の液晶表示装置を、その一実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明の液晶表示装置は、バックライトとして赤色LED、緑色LED、青色LEDを組み合わせて混色させた白色バックライトを用いている。この白色LEDは、図1に示されるような発光特性を有しており、従来の液晶表示装置に用いられてきた冷陰極蛍光管(CCFL)とは発光のスペクトル特性が異なる。
このCCFLは図2に示すような発光スペクトルを有しているが、青色と緑色の境界490nm付近及び赤色と緑色の境界580nm付近に存在する副発光が色純度を低下させており、高い色再現を実現するためには、純度の高い蛍光体に変更するか、あるいは組み合わせるカラーフィルタの分光特性の半値幅を狭くする必要があるが、どちらの方法でも大きく輝度を低下させなければ実現できない問題があった。
これに対して、図1のような発光特性を有する赤色LED、緑色LED、青色LEDを組み合わせて混色させた白色LEDの発光ピークは、副発光のない3波長光源となるため
、輝度を低下させずに色再現性を向上させることが可能である。液晶表示装置にこのようなバックライトを用い、更にそれにマッチングしたカラーフィルタを組み合わせることで、高い色再現性を維持し、高輝度化を実現することができる。
そこで本発明における液晶表示装置は、バックライトとして赤色LED、緑色LED、青色LEDを組み合わせて混色させた白色バックライトと、このバックライトにマッチングした赤色、緑色、青色の画素の着色層を具備したカラーフィルタを備えることにより、高い色再現性を維持しながら、高輝度化を実現させた。この液晶表示装置の色再現可能範囲は、CIE1931−XYZ表色系であるxy色度図における色再現可能範囲が、NTSC比で72%以上であり、且つ、バックライト及びカラーフィルタを組み合わせて白表示させた際の三刺激値XYZにおける刺激値Yが33以上であることを特徴とする。
NTSC比は、アメリカテレビジョン標準化委員会(National Television Standards Committee)により、CIE1931−XYZ表色系の色度(x,y)にて定められた標準方式の3原色、赤(0.670,0.330)、緑(0.210,0.710)、青(0.410,0.080)を結ぶ三角形を基準として、表示デバイスの赤、緑、青単色の色度を結んで得られる三角形を比較した面積比のことであり、この面積比が即ち色再現範囲に定義され、比率が高い程、色再現性が高いと判定される。通常放送規格ではNTSC72%が標準となっているため、NTSC72%以下の場合、放送規格に届かず、表示不可能な範囲が存在するため好ましくない。
またバックライトとカラーフィルタを組み合わせて白表示させた際の3刺激値XYZにおいて、刺激値Yは明度と呼ばれる明るさを定義する値であり、液晶表示装置における輝度と同じく定義できるものである。
また、本発明の液晶表示装置は上記条件を満たすため、前記カラーフィルタの緑色画素の着色形成に用いる緑色感光性着色組成物中の有機顔料に、C.I.ピグメントナンバーPG58及びC.I. ピグメントナンバーPY138を含み、緑色感光性着色組成物の固形分中の有機顔料にC.I.ピグメントナンバーPY138を50質量%以上86質量%以下、好ましくは69質量%以上83質量%以下含むものを用いる。この際、前記カラーフィルタの緑色画素における透過スペクトルは、530nm<λ<555nmに極大ピーク波長をもって92%以上の光を透過させ、655nmの波長を有する光を、3%以上21%以下透過させる。
上記カラーフィルタの緑色感光性着色組成物の固形分中の有機顔料比率は、赤色LED、緑色LED、青色LEDを組み合わせて混色させた白色バックライトと、このバックライトにマッチングした赤色、緑色、青色の画素の着色層を具備したカラーフィルタとを組み合わせた際の色再現範囲NTSC比、およびカラーフィルタとを組み合わせ白表示させた際の刺激値Y(明度)に基づいている。
緑色感光性着色組成物の固形分中の有機顔料比率においては、C.I.ピグメントナンバーPY138の比率が低くなりすぎると、白表示させた際の刺激値Y(明度)が低下する。さらに、輝度が低くなる問題を生じるのに加えて655nmの波長領域の透過率が低下するため、色度が青み化しすぎてしまう。またPY138の比率が高くなりすぎると緑表示の色度が黄み化しすぎることにより色純度低下の問題が生じる。そのため、高い色再現性を維持しつつ高輝度な液晶表示装置を得るためには、カラーフィルタの緑色画素着色形成に用いる緑色感光性着色組成物中の有機顔料は、C.I.ピグメントナンバーPG58及びC.I.ピグメントナンバーPY138を含み、その有機顔料中にC.I.ピグメントナンバーPY138を50質量%以上86質量%以下、好ましくは69質量%以上83質量%以下含むものが好ましい。
上記発光特性を有する赤色LED、緑色LED、青色LEDを組み合わせて混色させた3波長型の白色バックライトについて、以下に詳述する。
本発明で用いられるバックライト装置はその一実施形態例として、液晶パネルの背面に設置され、透過または半透過のカラー液晶表示装置の背面光源手段として用いられる面状光源装置を指す。
従来のカラー液晶表示装置に用いられる一般的なバックライト装置は、そのバックライトの構成としては、冷陰極蛍光管又は熱陰極蛍光管のいずれか一方、もしくは両方の組み合わせからなる光源と、この光源光をほぼ均一な面光源に変換する光均一化手段とを具備するもの、紫外線又は青色、深青色を発光するLED、冷陰極管、熱陰極管、平面状発光素子のうち1種あるいは2種以上組み合わせてなる光源と、この光源光により可視光を発光する蛍光体を基板面に設けることにより可視光に変換する機能を有する基板とを具備するもの、あるいは赤、緑、青の波長領域に発光する3色のLEDを組み合わせる手法などが挙げられる。
冷陰極管、熱陰極管、LED等の光源の設置方法としては、液晶素子の背面直下に光源を配設する方法(直下方式)と、側面に光源を配設してアクリル板等の透光性の導光体を用いて光を面状に変換して面光源を得る方法(サイドライト方式)が代表的である。中でも、薄型且つ輝度分布の均一性に優れた面光源としては、サイドライト方式が適しており、現在広く用いられている。このようなバックライトの光源としては、冷陰極蛍光管、熱陰極蛍光管、LED、有機エレクトロルミネッセンス光源、無機エレクトロルミネッセンス光源、平面蛍光ランプ、メタルハライドランプなどが挙げられる。しかし本発明の目的とするところの透過表示での高輝度をえるためには、赤、緑、青に対応するピーク以外に不純物成分となるサイドピークがなく、あるいは小さく、スペクトル形状が急峻である3波長型のLED光源が適している。
本発明の液晶表示装置で、白色LEDバックライトを光源とする一例における各構成要素については以下に説明する。
<チップ型発光装置>
[発光素子]
発光素子には、赤を発光するGaAsP系LED、緑を発光するGaP系LED、青を発光するGaN系LED及びInGaN系LEDチップを始めとして、種々のものがある。
[発光素子搭載筐体]
筐体は、発光素子からの光を外部に漏らさないために遮光率の高い材料からなること、また外部電極を含むため絶縁性を有する材料からなることが求められる。具体的材料としては、ガラスエポキシ積層板、BTレジン積層板(BTレジン:三菱ガス化学の商標名でビスマレイミドトリアジン樹脂等からなる熱硬化性樹脂)、セラミックス、液晶ポリマー、ポリイミド等が挙げられる。この筐体は、金型内に外部電極となる金属片を配置させた後、前記した材料を注入させてインサート形成し、冷却後金型から取り出すことにより形成できる。
[外部電極]
外部電極としては、筐体内に載置された発光素子を筐体外部と電気的に接続させるものであるため、電気伝導性に優れたものが好ましい。具体的材料としては、ニッケル等の金属膜をメタライズしたもの、あるいはリン青銅、鉄、銅等の電気良導体を挙げることができる。
[光反射材]
光反射材としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂等の樹脂中に、反射材としてチタン酸バリウム、酸化アルミニュウム、酸化チタン、酸化珪素、燐酸カルシュウム等を含有させて形成したフィルム状部材が挙げられる。また、Al、Ag、Cu等の金属膜を筐体側壁の内面または外面、または両面に、メッキ、スパッタリングにより形成させても良い。これら光反射材はシリコーン樹脂やエポキシ樹脂等によって筐体側壁に装着することができる。
[ダイボンド剤]
ダイボンド剤は、発光素子を筐体内に載置し固着させるものであり、また発光素子から放出される熱にもその特性を破壊されないものである。具体的材料としては、エポキシ樹脂、Agペースト、共晶材料等が挙げられる。
[導電性ワイヤ]
導電性ワイヤとしては、発光素子の電極とのオーミック性、機械的接続性、電気伝導性及び熱伝導性がよいものが求められる。このような導電性ワイヤとして具体的には、金、銅、白金、アルミニウム等の金属及びそれらの合金を用いた導電性ワイヤが挙げられる。
[透光性樹脂]
筐体内に充填する透光性樹脂は、発光素子、導電性ワイヤなどを外部応力から保護するためである。この封止樹脂は、各種樹脂を用いて形成させることができる。具体的材料としては、主としてエポキシ樹脂、ユリア樹脂、シリコーンなどの耐候性に優れた透明樹脂が
好適に用いられる。また、封止樹脂に拡散剤を含有させることによって発光素子からの指向性を緩和させ視野角を増やすことができる。拡散剤の具体的材料としては、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化珪素等が好適に用いられる。また、発光素子の発光色に応じて封止樹脂に種々の蛍光体を選択して含有させ、任意の発光色のチップ型発光装置とすることができる。
<導光板>
導光板としては、発光素子からの光を効率よく導き、面状にさせるものであり、透過率、耐熱性に優れ均一に形成できることが求められる。また、導光板の形状は所望に応じて長方形や多角形等種々の形状とすることができる。具体的な構成材料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、硝子等が挙げられる。導光板の厚みは、板厚が厚いほど光の利用効率が高くなるが、チップ型発光装置の配置や種類等から10mm以下が好ましい。また特に、面状発光装置として種々の小型機器等に利用され機器全体の薄型化も望まれる場合には、それら機器に合わせて2mm以下が好ましい。
導光板の端面にチップ型発光装置を密着させて設けることにより、導光板とチップ型発光装置とが光学的に接続されている。また、導光板が四角形であれば主面以外である四方の端面全てにチップ型発光装置を接続してもよい。導光板端面とチップ型発光装置の傾斜面とが平行になるように設置する。
なお、チップ型発光装置と導光板端面とが光学的に接続されているとは、導光板の端部からチップ型発光装置が発光する光を導入することをいう。具体的には、チップ型発光装置を導光板端面に光透過性樹脂などにより接着させることをいう。
<反射材>
さらに、発光素子からの光をより効率よく出射面へと導かせるべく、反射面のさらに下には反射材を設けることができる。この反射材は、チップ型発光装置が設けられた端面と対向する端面にも連続させて設けることができる。また、反射面や反射材に凹凸を形成させることで、発光素子からの光をより効率よく散乱させることができる。
<拡散シート>
拡散シートは、導光板表面の輝度を均一にすることができる。具体的材料としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)やPC(ポリカーボネート)材料に拡散ビーズが含有されたものが用いられる。
<プリズムシート>
プリズムシートは、導光板の出射面とは逆側の面に光制御面であるプリズム面が形成される。ここでプリズム面は、導光板の入射面とほぼ平行に延長する1対の斜面による突起が入射面側より楔型先端に向かって繰り返されて形成され、この1対の斜面により導光板から出射される照明光の指向性を出射面の正面方向に補正する。続く2枚目のプリズムシートは、導光板の出射面とは逆側の面に、1枚目のプリズムシートと同様の突起がプリズムシートの突起の延長方向とほぼ直交する方向に延長するように繰り返し形成される。これにより2枚目のプリズムシートは、1枚目のプリズムシートより出射される照明光の指向性を出射面の正面方向に強調して射出する。
次に、本発明の液晶表示装置に具備するカラーフィルタを得るための方法を詳述する。本実施形態に係る液晶表示装置におけるカラーフィルタは、透明基板上に少なくとも赤色、緑色、青色の画素を備えるカラーフィルタであって、これらの画素は、有機顔料と透明樹脂を主成分としたものである。
透明基板の材質は特に限定されるものは無いが、可視光に対してある程度の透過率を有するものが好ましく、より好ましくは80%以上の透過率を有するものを用いることができる。さらに材質としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等の熱可塑性プラスチックシート、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂等の熱硬化性プラスチックシート、あるいは各種ガラス等があげられる。この中でも、耐熱性の点からガラス板、耐熱性プラスチックが望ましい。また、透明基板には、表面の接着性等の物性を改良するために、予めコロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤や各種ポリマーの薄膜処理等を行っておいても良い。
ブラックマトリクスはクロム等の金属薄膜または遮光性樹脂によるパターンを、公知の手法で透明基板上に形成することにより作成する。
透明基板上への画素の形成は公知のインクジェット法、印刷法、フォトレジスト法、エッチング法など何れの手法で作成してもよい。しかし、高精細、分光特性の制御性及び再現性を考慮した場合、フォトレジスト法が望ましい(以下、フォトリソ法と略称する)。このフォトリソ法を用いたカラーフィルタ画素の形成は、透明樹脂中に顔料、光開始剤、重合性モノマーと共に適当な溶媒に分散させた着色組成物を、ブラックマトリクスを形成した透明基板上に塗布製膜して着色層を形成し、この塗膜の上にフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して画像露光、現像、必要に応じて熱硬化あるいは光硬化により画素画像を形成させ、着色層を形成する。この操作を赤色、緑色、青色の3色の着色組成物に対して各々行うことで、カラーフィルタ画素を形成する。以上の一連の工程を、感光性着色組成物およびパターンを替え、必要な数だけ繰り返すことで必要な色数が組み合わされた着色パターンすなわち複数色の画素を備えるカラーフィルタを得ることができる。
カラーフィルタが備える画素を構成する着色層は、フォトリソ法により形成する場合、着色剤となる顔料を色素担体に分散させた後、光開始剤、重合性モノマーと共に適当な溶剤と混合させて得られる着色組成物を用いて形成される。このように着色組成物に含有される有機顔料としては、一般に市販されているものを用いることができ、形成するカラーフィルタ画素の色相に応じて、染料、天然色素、無機顔料を併用することができる。また、有機顔料は単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
以下に、着色組成物に使用可能な有機顔料の具体例を、カラーインデックス(C.I.)番号で示す。
赤色カラーフィルタ画素を形成するための赤色着色組成物にはC.I. Pigment Red C.I. 7、9、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、81:1,81:2,81:3、97,122,123,146,149,168,177,178,179,180,184,185,187,192、200,202,208,210,215,216,217,220,223,224,226,227,228,240,246,254,255,264,272,292等の赤色顔料を用いることができる。赤色着色組成物には、黄色、オレンジ色顔料を併用することができる。
黄色顔料としては、C.I.Pigment Yellow 150、138の他に、PY 1,2,3,4,5,6,10,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35、35:1、36,36:1,37,37:1,40,42,43、53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100、101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,139,144,146,147,148,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168、169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214等が挙げられる。オレンジ色顔料としてはC.I.Pigment Orangee 36、43,51,55,59,61,71,73等が挙げられる。
緑色カラーフィルタ画素を形成するための緑色着色組成物にはC.I.Pigment
Green 7,10,36,37,58等の緑色顔料を用いることができる。緑色着色組成物には、赤色着色組成物に用いる黄色顔料を併用することができる。
青色カラーフィルタ画素を形成するための青色着色組成物にはC.I.PigmentBlue 15、15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,80等の青色顔料を用いることができる。青色着色組成物には、紫色顔料を併用することができる。紫色顔料としては、C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,29,30,32,37,40,42,50等が挙げられる。
また着色組成物には、彩度と明度のバランスを取りつつ、良好な塗布性、感度、現像性等を確保するために、上記有機顔料と組み合わせて、無機顔料を用いることができる。無機顔料としては、酸化チタン、硫酸バリウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑等の金属酸化物粉、金属硫化物粉、金属粉等が挙げられる。さらに、調色のため、耐熱性を低下させない範囲内で染料を含有させることができる。
また本発明の液晶表示装置に用いるカラーフィルタ用着色組成物に含まれる色素担体は、色素を分散させるものであり、透明樹脂及びその前駆体またはそれらの混合物によって構成される。透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂である。透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれ、その前駆体には、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂の例としては、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
また、熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
感光性樹脂としては、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン-無水マレイン酸共重合物やα−オレフィン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
光架橋剤として用いることのできる重合性モノマーとしては、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートなどの各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルなどが代表例に挙げられる。これらは単独または2種以上混合して用いることができ、さらに光硬化性を適正に保つ目的で、必要に応じ、他の重合性モノマーおよびオリゴマーを混合して用いることが出来る。
その他の重合性モノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これらについても、単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等が添加される。光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系光重合開始剤、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ-ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4'−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系光重合開始剤、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)〕、o−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4'−メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系光重合開始剤、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系光重合開始剤、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系光重合開始剤、ボレート系光重合開始剤、カルバゾール系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、チタノセン系光重合開始剤等が用いられる。
上記光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いられるが、増感剤を併用することもできる。増感剤としてはトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系化合物を併用することもできる。これらの増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。
さらに、着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。
また必要に応じて用いる熱架橋剤の例としては、アルキル化メラミン樹脂(メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂等)、混合エーテル化メラミン樹脂等のメラミン樹脂、グリセロール・ポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパン・ポリグリシジルエーテル、レゾルシン・ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコール・ジグリシジルエーテル、1,6−壁支持オール・ジグリシジルエーテル、エチレングリコール(ポリエチレングリコール)・ジグリシジルエーテル等がある。これらの熱架橋剤は1種または2種類以上混合して使用することができる。
さらに本発明の液晶表示装置に具備するカラーフィルタ用着色組成物には、色素を十分に色素担体中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してカラーフィルタ画素を形成することを容易にするために溶剤を含有することができる。この溶剤の例としては、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーエル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられ、これらを1種あるいは2種以上混合して用いる。
着色組成物は、1種または2種以上の色素を必要に応じて上記光重合開始剤と共に、色素担体および有機溶剤中に、三本ロール、二本ロール、サンドミル、ニーダー、アトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、2種以上の色素を含む着色組成物は、各色素を別々に色素担体および有機溶媒中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。色素として顔料を色素担体および有機溶媒に分散する際には、適宜、樹脂型顔料分散剤、界面活性剤、顔料誘導体等の分散助剤を含有させることができる。分散助剤は、顔料の分散に優れ、分散後の顔料の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて顔料を色素担体および有機溶剤中に分散してなる着色組成物を用いた場合には、透明性に優れたカラーフィルタが得られる。
樹脂型顔料分散剤としては、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、色素担体と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着して顔料の色素担体への分散を安定化する働きをするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレートなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、燐酸エステル系等が用いられ、これらは単
独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
顔料誘導体は、有機色素に置換基を導入した化合物であり、用いる顔料の色相に近いものが好ましいが、添加量が少なければ色相の異なるものを用いても良い。有機色素には、一般に色素とは呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。顔料誘導体としては、特開昭63−305173号公報、特公昭57−15620号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5−9469号公報等に記載されているものを使用できる。特に、塩基性基を有する顔料誘導体は、顔料の分散効果が大きいため、好適に用いられる。これらは単独でまたは2種類以上を混合して用いることができる。
着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。貯蔵安定剤としては、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、2,5ジ−tert−ブチルハイドロキノン、tert−ブチルハイドロキノン、tert−ブチル−βベンゾキノン、tert−ブチルハイドロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノンなどのハイドロキノン系化合物、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチルエーテル、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィンなどのホスフィン化合物、トリオクチルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイドなどのホスフィンオキサイド化合物、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイトなどのホスファイト化合物、t−ブチルピロカテコールなどが挙げられる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン
、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等が挙げられる。
着色組成物は、グラビアオフセット用印刷インキ、水なしオフセット印刷インキ、シルクスクリーン印刷用インキ、溶媒現像型あるいはアルカリ現像型着色レジストの形態で調整することができる。着色レジストは、透明樹脂とモノマー、光重合開始剤、有機溶媒とを含有する組成物中に色素を分散させたものである。また、着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、0.5μm以上の粗大粒子及び混入した塵の除去を行うことが好ましい。
本発明の液晶表示装置に用いるカラーフィルタは、上記の各色着色組成物を用いて形成される赤色、緑色、青色画素を具備しており、以下のような手順で形成される。まず透明基板上に、上記の感光性着色組成物を塗布し、減圧乾燥をする。塗布する手段はスピンコート、ディップコート、ダイコートなどが通常用いられるが、ガラス等の基板上に均一な膜厚で塗布可能な方法ならばこれらに限定されるものではない。塗布膜厚は任意であるが、分光透過率などを考慮すると通常はベーク後の膜厚で2μm程度である。2μm以上の膜厚となると、パターンを形成し難くなる等、不具合が発生するため好ましくない。感光性着色組成物を塗布し着色層を形成した基板に、パターンマスクを介して露光を行う。画像露光に用いる光源は特に限定されるものではないが、キセノンランプ、ハロゲンランプ及び高圧水銀灯等のランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー等のレーザー光源等が用いられるが、通常は高圧水銀灯等を用いればよい。
このような光源で画像露光を行った後、有機溶剤、または界面活性剤とアルカリ剤を含有する水溶液を用いて現像を行うことにより、基板上に画像を形成することができる。この水溶液には、更に有機溶剤、緩衝材、染料又は顔料を含有することができる。
現像処理方法については、特に制限は無いが、通常は10〜50℃、好ましくは15〜45℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像の方法がとられる。現像で用いるアルカリ剤の例としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、重炭酸ナトリウム等の無機のアルカリ剤、あるいはトリメチアミン、ジエチルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム等の有機アミン類が挙げられ、これらは1種あるいは2種以上混合して用いることができる。このような現像液を用いて現像後、水洗、乾燥を行うことにより任意の一色の画素が得られる。
また現像で用いる界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類等のノニオン系界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類等のアニオン性界面活性剤、アルキルベタイン類、アミノ酸類等の両性界面活性剤を挙げることができる。
さらに、現像で用いる有機溶剤の例としては、単独で用いられる場合及び水溶液と併用される場合共に、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等を挙げることができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジストを塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
以上の一連の工程を、感光性着色組成物およびパターンを替え、必要な数だけ繰り返すことにより、所望の色数が組み合わされた着色パターンつまり複数色の画素を備えたカラーフィルタを得ることができる。
次に本発明の、カラーフィルタを備えた液晶表示装置の一例について説明する。図3には、本発明の、カラーフィルタを具備した液晶表示装置の概略断面図を示している。図3に示す装置10は、ノート型パソコン用のTFT駆動型液晶表示装置の典型例である。離間対向して配置された一対の透明基板11および21を備え、それらの間には、液晶(LC)40が封入されている。液晶は、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、VA(Vertical Alignment)、OCB(Optically Compensated Birefringence)等の駆動モードに応じて配向される。
第1の透明基板11の内面には、TFT(薄膜トランジスタ)アレイ12が形成されており、その上には例えばITOからなる透明電極層13が形成されている。透明電極層13の上には、配向層14が設けられている。また、透明基板11の外面には、偏光板15が形成されている。
他方、第2の透明基板21の内面には、本発明に係るカラーフィルタ22が形成されている。カラーフィルタ22を構成する赤色、緑色および青色の画素は、ブラックマトリックスにより分離されている。カラーフィルタ22を覆って、必要に応じて透明保護膜(図示せず)が形成され、さらにその上に、例えばITOからなる透明電極層23が形成され、透明電極層23を覆って配向層24が設けられている。また、透明基板21の外面には、偏光板25が形成されている。なお、偏光板15の下方には、三波長ランプ31を備えたバックライトユニット30が設けられている。
以下に、本発明の具体的実施例と、比較例を説明する。なお、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例中の「部」および「%」は、それぞれ「質量部」および「質量%」を表す。
[顔料分散体の調整]
顔料分散体は、表1に示すように顔料、顔料誘導体及びアクリル樹脂溶液の混合物と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMEAと称する)を均一に攪拌混合した後、直径1.0mmのジルコニアビーズを用いて、サンドミルにて3時間分散した後、5μmのフィルタで濾過し、顔料分散体を作製した。
[着色組成物の調整]
着色組成物は、各成分を表2に示す割合で調合し、スターラーにて各成分が完全に溶解するまで攪拌混合し、1μmのフィルタで濾過することにより作製した。なお、表2中の成分を以下に示す。
DPCA30 日本化薬社製「カヤラッドDPCA30」
M402 東亜合製社製「アロニックスM402」
OXE−02 チバ・スペシャリティケミカルズ社製「イルガキュアOXE−02」
DETX−S 日本化薬社製「カヤキュアーDETX−S」
TPO BASF社製「ルシリンTPO」
Ing.379 チバ・スペシャリティケミカルズ社製「イルガキュア379」
PGMAc 2−アセトキシ−1−メトキシ−プロパン
EEP エチル−3−エトキシプロピオネード
[バックライト]
バックライトには、赤色LED、緑色LED、青色LEDを組み合わせて混色させた3波長型の白色バックライトをバックライト(1)として使用し、また従来用いられてきた赤、緑、青の波長領域に発光波長を有する冷陰極蛍光管(CCFL)をバックライト(2)として使用した。バックライト(1)とバックライト(2)それぞれの、最大発光強度を1とした場合の相対発光スペクトルを図4に示した。
[赤色画素の作製]
上記バックライトに組み合わせるカラーフィルタにおいて、赤色着色画素の作製には赤色着色組成物として、表3に示すような顔料比率の着色組成物R−1を用いた。
[緑色画素の作製]
上記バックライトに組み合わせるカラーフィルタにおいて、緑色着色画素の作製には緑色着色組成物として、表4に示すような顔料比率の着色組成物G−1〜G19を用いた。
[青色画素の作製]
上記バックライトに組み合わせるカラーフィルタにおいて、青色着色画素の作製には青色着色組成物として、表5に示すような顔料比率の着色組成物B−1を用いた。
[カラーフィルタの作製]
ガラス基板にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤色着色組成物R−1を塗布し、着色組成物の被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、高圧水銀ランプを用いて50mJ/cm
2の紫外線露光を行った。次いで2質量%の炭酸ナトリウム水溶液からなるアルカリ現像液によりスプレー現像を行って未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で洗浄し、この基板を230℃で20分加熱することにより、膜厚2.0μmの赤色画素を形成した。緑色画素、青色画素についても同様の手法により形成した。
下記する組み合わせにて、実施例および比較例として用いる、3色カラーフィルタを作成した。
<実施例1〜3及び参考例1〜8>
カラーフィルタの作製には赤色着色組成物としてR−1を、緑色着色組成物としてはG−1〜G−3、G−6、G−7、G10〜G12,G15〜G17各々を、青色着色組成物としてはB−1を用いた。バックライト(1)と組み合わせにて液晶表示装置を作製した。このカラーフィルタとバックライトを組み合わせた結果を各々参考例1〜8及び実施例1〜3とした。
<比較例1〜8>
また赤色着色組成物としてR−1を、緑色着色組成物としてはG−4、G−5、G−8、G−9、G−13,G−14,G−18,G−19を、青色着色組成物としてはB−1を用いて3色カラーフィルタを作成し、バックライト(1)と組み合わせにて液晶表示装置を作製した。このカラーフィルタとバックライトを組み合わせた結果を各々比較例1〜8とした。
<比較例9〜27>
また赤色着色組成物としてR−1を、緑色着色組成物としてG−1〜G−19を、青色着色組成物としてはB−1を用いて3色カラーフィルタを作成し、バックライト(2)と組み合わせにて液晶表示装置を作製した。このカラーフィルタとバックライトを組み合わせた結果を各々比較例9〜27とした。
<評価項目>
[カラーフィルタの緑色着色層形成に用いた緑色感光性着色組成物の顔料比率]
(a)PG36/PY150=63/37〜58/42、又は
PG58/PY150=79/21〜31/69,又は
PG58/PY138=75/25〜31/69。
(b)PG36/PY150=58/42〜43/57、又は
PG36/PY138=50/50〜42/58、又は
PG58/PY150=31/69〜18/82、又は
PG58/PY138=31/69〜17/83。
(c)PG36/PY150=43/57〜33/67、又は
PG36/PY138=42/58〜34/66、又は
PG58/PY150=18/82〜15/85、又は
PG58/PY138=17/83〜14/86。
(d)PG36/PY150=100/0〜63/37、又は
PG36/PY138=100/0〜50/50、又は
PG58/PY150=100/0〜79/21、又は
PG58/PY138=100/0〜75/25。
(e)PG36/PY150=33/67〜0/100又は
PG36/PY138=34/66〜0/100、又は
PG58/PY150=15/85〜0/100、又は
PG58/PY138=14/86〜0/100。
[NTSC比]
NTSC比 72%以上 : ○
NTSC比 72%未満 : ×
[白表示させた際の刺激値Y]
バックライト及びカラーフィルタの組み合わせで、
白表示させた際の刺激値Y 33以上 : ○
白表示させた際の刺激値Y 33未満 : ×
<評価結果>
上記実施例1〜11ならびに比較例1〜8の評価結果を表6に、比較例9〜27の結果を表7に示す。
表6の実施例1〜
3及び参考例1〜8の結果より、バックライトに3波長型の白色バックライトを組み合わせることで、バックライトによる高演色効果が高いため、カラーフィルタの緑色画素形成に用いる緑色着色組成物は、PG36/PY150の顔料組み合わせである場合はPY150を、PG36/PY138の顔料組み合わせである場合はPY138を、PG58/PY150の顔料組み合わせである場合はPY150を、PG58/PY138の顔料組み合わせである場合はPY138を比較的多く含む場合(緑色顔料比率評価:(a)(b)(c))においてもNTSC比72%以上と色再現性が高く、かつバックライトとカラーフィルタを組み合わせて白表示させた際の刺激値Y(明度)も33以上と高く維持することが可能であり、液晶表示装置として優れた性能を示した。
ここで、緑色顔料比率:(a)においては、バックライトとカラーフィルタを組み合わせて白表示させた際の刺激値Y(明度)が低下するため、緑色画素の膜厚を他の色に対して薄くする必要がある。また緑色顔料比率:(c)においては、NTSC比72%以上、バックライトとカラーフィルタを組み合わせて白表示させた際の刺激値Y(明度)が33以上の両立のためには、緑色画素の膜厚を他の色に対して厚くする必要があり、カラーフィルタの作製上好ましくない。そのため緑色顔料の比率としては、緑色顔料比率:(b)が好ましい。
これに対して表6の比較例1〜8の結果においては、バックライトに3波長型の白色バックライトを組み合わせていることから、バックライトによる高演色効果は高いが、カラーフィルタの緑色画素形成に用いる緑色着色組成物が、PG36/PY150の顔料組み合わせである場合はPY150の、PG36/PY138の顔料組み合わせである場合はPY138の、PG58/PY150の顔料組み合わせである場合はPY150の、PG58/PY138の顔料組み合わせである場合はPY138の顔料比率が低い場合(緑色顔料比率評価:(d))、分光透過率の半値幅が狭くなることによりバックライトとカラーフィルタを組み合わせて白表示させた際の刺激値Y(明度)の低下が顕著となり、高明度を維持できない結果となった。
またカラーフィルタの緑色画素形成に用いる緑色着色組成物が、PG36/PY150の顔料組み合わせである場合はPY150の、PG36/PY138の顔料組み合わせである場合はPY138の、PG58/PY150の顔料組み合わせである場合はPY150の、PG58/PY138の顔料組み合わせである場合はPY138の顔料比率が高い場合(緑色顔料比率:(e))、緑表示の色度が黄味化しすぎることにより色純度低下が生じ、色再現性が悪くなる結果となった。
また、表7の比較例9〜27の結果より、バックライトが従来液晶表示装置のバックライトであるCCFLである場合、NTSC比72%以上、バックライトとカラーフィルタを組み合わせて白表示させた際の刺激値Y(明度)が33以上の両立ができず、高色再現性と高明度が両立できない結果となった。
以上の結果より、バックライトには赤色LED、緑色LED、青色LEDを組み合わせて混色させた白色バックライトを用い、且つこのバックライトに組み合わせるカラーフィルタとして、緑色画素における透過ペクトルが、535nm<λ<545nmに極大ピーク波長をもって88%以上の光を透過させ、655nmの波長を有する光を、6%以上20%以下透過させ、その緑色画素着色形成に用いる緑色感光性着色組成物中に、少なくともPG36及びPY150を含み、PY150を37質量%以上67質量%未満含むもの、又は緑色画素における透過スペクトルが、545nm<λ<550nmに極大ピーク波長をもって86%以上の光を透過させ、655nmの波長を有する光を、14%以上18%以下透過させ、その緑色画素着色形成に用いる緑色感光性着色組成物中に、少なくともPG36及びPY138を含み、PY138を50質量%以上66質量%未満含むもの、又は緑色画素における透過スペクトルが、530nm<λ<550nmに極大ピーク波長をもって90%以上の光を透過させ、660nmの波長を有する光を、2%以上22%以下透過させ、その緑色画素着色形成に用いる緑色感光性着色組成物中に、少なくともPG58及びPY150を含み、PY150を21質量%以上85質量%未満含むもの、又は緑色画素における透過スペクトルが、530nm<λ<550nmに極大ピーク波長をもって92%以上の光を透過させ、655nmの波長を有する光を、3%以上21%以下透過させ、その緑色画素着色形成に用いる緑色感光性着色組成物中に、少なくともPG58及びPY138を含み、PY138を50質量%以上86質量%未満含むもの、を用いた場合、NTSC比72%以上で且つバックライトとカラーフィルタを組み合わせて白表示させた際の刺激値Y(明度)が33以上を実現でき、高色再現かつ高輝度な液晶表示装置となった。
10・・・液晶表示装置 11・・・透明基板 12・・・TFTアレイ 13・・・透明電極層 14・・・配向層 15・・・偏光板
21・・・透明基板 22・・・カラーフィルタ 23・・・透明電極層 24・・・配向層 25・・・偏光板 30・・・バックライトユニット 31・・・3波長ランプ(白色LED) 40・・・液晶