以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され、外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図4参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、第3図柄表示装置81(図2参照)で表示される変動表示の演出パターンを変更したり、リーチ演出時の演出内容を変更したりする場合などに、遊技者により操作される。
加えて、前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。
また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ(図示せず)と、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、前述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14cを通じて内枠13の前面側から視認することができる。以下に、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数のLED37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。
複数のLED37aは、パチンコ機10が、確変中であるか、時短中であるか、通常中であるかを、点灯状態により示したり、変動中であるか否かを点灯状態により示したり、停止図柄が確変大当たりに対応した図柄か、普通大当たりに対応した図柄か、外れ図柄であるかを、点灯状態により示したり、保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示装置37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。LED37aは、それぞれLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組合わせにより、少ない数のLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
なお、上述したパチンコ機10が確変中であるとは、大当たり確率がアップして特別遊技状態へ移行し易い状態である。本実施の形態の確変中は、更に、第2図柄の当たり確率がアップして第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態である。また、パチンコ機10が時短中であるとは、大当たり確率がそのままで第2図柄の当たり確率のみがアップして第1入球口64へ球が入球し易い状態の遊技中であり、パチンコ機10が通常中であるとは、確変中および時短中でない遊技中(大当たり確率も第2図柄の当たり確率もアップしていない状態)である。また、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放する時間や、1回の当たりで開放する回数を変更するものとしても良い。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入賞をトリガとして第3図柄を変動表示する液晶ディスプレイ(以下「LCD」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄を変動表示する発光ダイオード(以下「LED」と略す。)で構成される第2図柄表示装置82とが設けられている。
第3図柄表示装置81は、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御され、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。また、本実施の形態では、第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型のLCDで構成され、可変表示装置ユニット80には、この第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、LCDに代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成しても良い。
第1図柄表示装置37にて停止図柄(確変大当たり図柄、普通大当たり図柄、外れ図柄のいずれか1つ)が表示されるまでの間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留回数は第1図柄表示装置37により示されると共に保留ランプ85の点灯個数においても示される。保留ランプ85は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の上方に左右対称に配設されている。なお、本実施形態においては、第1入球口64への入賞は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留ランプ85を削除し、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留回数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留回数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ85による点灯表示を行わないものとしても良い。
第2図柄表示装置82は、第2図柄の表示部83と保留ランプ84とを有し、球が第2入球口67を通過する毎に、表示部83において表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とが交互に点灯して変動表示が行われ、その変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留回数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に保留ランプ84においても点灯表示される。なお、第2図柄の変動表示は、本実施の形態のように、表示部83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留回数が示されるので、保留ランプ84による点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば16回(16ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するためのソレノイドとを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際にはソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35を通じて視認することができる。
さらに、遊技盤13には、アウト口66と第2入球口(スルーゲート)67とが設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主制御基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、ボックスベースとボックスカバーとを連結して、各制御装置や各基板を収納している。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)を貼着している。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図4参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には、状態復帰スイッチ120と7セグメントLED121が設けられている。発射制御装置112には、可変抵抗器の操作つまみ122が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ123が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図4参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作されるスイッチであり、7セグメントLED121は、払出制御装置111の状態を報知するための表示器である。また、操作つまみ122は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される可変抵抗器である。RAM消去スイッチ123は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作されるスイッチである。
次に、図4を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示したブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などの周辺制御装置(サブ制御装置)に対して動作を指示するために、データ送受信回路によって、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドが送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
RAM203は、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、コネクタ290,330を介して払出制御装置111が、また、コネクタ291,331を介して音声ランプ制御装置113が、それぞれ接続されている。その他、入出力ポート205には、第1図柄表示装置37や、第2図柄表示装置82、外部出力端子板261、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ206が接続されている。外部出力端子板261には、ホールコンピュータ262が接続可能に構成されており、主制御装置110からホールコンピュータ262へ外部出力端子板261を介してデータ等を出力することができる。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを備えている。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを備えている。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
RAM213の作業エリアには、総賞球個数メモリ213aと、上位コマンド記憶バッファ213bと、払出エラーフラグ213cと、払出許可フラグ213dとが設けられている。
総賞球個数メモリ213aは、払出制御装置111が払い出すべき、未払いの賞球の総個数を記憶するメモリである。遊技領域へ打ち込まれた球が、いずれかの入賞口63,64,65aへ入賞し、これが主制御装置110で検出されると、その入賞に応じた数の賞球の払い出しが、賞球コマンド(図7参照)によって、主制御装置110から払出制御装置111に対して指示される。総賞球個数メモリ213aには、該賞球コマンドで指示された賞球の払い出し数が加算され記憶される。総賞球個数メモリ213aの値が0でなければ、賞球の払い出しが行われ、払い出された賞球が1個検出される毎に、その値が1減算される。賞球の払い出しは、総賞球個数メモリメモリ213aの値が0になるまで行われる。
上位コマンド記憶バッファ213bは、図7に示す主制御装置110から払出制御装置111へ出力される2バイトのコマンドのうち、上位コマンド(1バイト目のコマンド)を記憶するバッファである。主制御装置110から払出制御装置111へは、払出復帰コマンドと、払出初期化コマンドと、15種類の賞球コマンドとが出力されるが、上位コマンド記憶バッファ213bには、これらの上位コマンド(99H,AAH,F0H〜FEH)のいずれかが記憶される。上位コマンド記憶バッファ213bの内容は、下位コマンド(2バイト目のコマンド)を入力すると、0クリアされる。
払出エラーフラグ213cは、図7に示す主制御装置110から払出制御装置111へ出力される2バイトのコマンドを、払出制御装置111が正常に入力できない場合にオンされるフラグである。払出エラーフラグ213cがオンされると、状態報知処理(図17、図21のS906)により、7セグメントLED121に「C」の文字が表示され、コマンドエラーの発生が報知される。一旦オンされた払出エラーフラグ213cは、2バイトの正常なコマンドを入力すると、オフされる。なお、払出エラーフラグ213cがオフされると、7セグメントLED121のエラー表示も解除される。
払出許可フラグ213dは、賞球や貸出球の払い出しを許可するためのフラグであり、立ち上げ処理においてオフされる一方(図16のS808,S811,S812)、主制御装置110から出力された正常なコマンド(払出初期化コマンド、払出復電コマンド、賞球コマンドなど)を入力すると、オンされる。即ち、払出許可フラグ213dは、主制御装置110が立ち上がっていることを確認するためのフラグである。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、コネクタ290,330を介して主制御装置110が接続されると共に、7セグメントLED121や、払出モータ216、発射制御装置112、外部出力端子板261などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
7セグメントLED121は、払出制御装置111の状態を報知するための表示器(表示手段)である。払出制御装置111が主制御装置110から出力されたコマンドを入力し、そのコマンドが規定外のコマンド(無効なコマンド)であると判断された場合には、7セグメントLED121により「C」の文字が表示され、コマンドエラーの発生が報知される。また、外部出力端子板261には、ホールコンピュータ262が接続可能に構成されており、払出制御装置111からホールコンピュータ262へ外部出力端子板261を介してデータ等を出力することができる。払出制御装置111で発生したエラー等も、外部出力端子板262を介して、ホールコンピュータ262へ出力することができる。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など)における点灯および消灯の出力、表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを備えている。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、コネクタ291,331を介して主制御装置110が接続されると共に、表示制御装置114や、音声出力装置226、ランプ表示装置227などがそれぞれ接続されている。
表示制御装置114は、第3図柄表示装置(LCD)81における第3図柄の変動表示を制御するものである。表示制御装置114は、MPU231と、ROM(プログラムROM)232と、ワークRAM233と、ビデオRAM234と、キャラクタROM235と、画像コントローラ236と、入力ポート237と、出力ポート238と、バスライン239,240とを備えている。入力ポート237の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート237の出力側には、MPU231、ROM232、ワークRAM233、画像コントローラ236が接続されている。画像コントローラ236には、ビデオRAM234、キャラクタROM235が接続されると共に、バスライン240を介して出力ポート238が接続されている。出力ポート238の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
表示制御装置114のMPU231は、音声ランプ制御装置113から入力された図柄表示用のコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御する。ROM232は、MPU231により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。ワークRAM233は、MPU231による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。キャラクタROM235は、第3図柄表示装置81に表示される図柄(背景図柄や第3図柄)などの演出用のデータを記憶したメモリである。ビデオRAM234は、第3図柄表示装置81に表示される演出データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM234の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置81の表示内容が変更される。
画像コントローラ236は、MPU231、ビデオRAM234、出力ポート238のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM234に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置81に表示させるものである。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ123を有するRAM消去スイッチ回路253とを備えている。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給するものである。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチや、ソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ123が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアするためのRAM消去信号SG2を出力する回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力すると、バックアップデータ(RAM203の内容)をクリアする。
ここで、図5を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図5は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図5(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図5(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄と、この主図柄より小さく形成された花びら形状の1種類の副図柄とにより構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にお守り、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、主制御装置110による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。ここで、高確率状態とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動(確変)の時をいう。また、通常状態(低確率状態)とは、確変でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。
図5(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出やキャラクタを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmには、左・中・右の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、前述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配列されている。このため、各図柄列には、10個の主図柄と10個の副図柄の計20個の第3図柄が設定され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。従って、第3図柄表示装置81には、3段×3列の計9個の第3図柄が表示される。この主表示領域Dmには、5つの有効ライン、即ち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5が設定されている。そして、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、その停止時にいずれかの有効ライン上に大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの予告領域Ds1〜Ds3に等区分されている。ここで、左右の予告領域Ds1,Ds3は、ソレノイド(図示せず)で電気的に開閉される両開き式の不透明な扉で通常覆われており、時としてソレノイドが励磁されて扉が手前側に開放されることにより遊技者に視認可能となる表示領域となっている。中央の予告領域Ds2は、扉で覆い隠されずに常に視認できる表示領域となっている。
図5(b)に示すように、実際の表示画面では、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄と副図柄とが合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、左右の扉が閉鎖された状態となっており、左右の予告領域Ds1,Ds3が覆い隠されて表示画面が視認できない状態となっている。変動表示の途中において、左右のいずれか一方、または両方の扉が開放されると、左右の予告領域Ds1,Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の予告領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。なお、第3図柄表示装置81の表示画面は、原則として上下の表示領域Dm,Dsに区分されているが、各表示領域Dm,Dsを跨いでより大きく第3図柄やキャラクタ等を表示して表示演出を行うことができる。
次に、図6を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定、第2図柄表示装置82の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別図柄カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1,CS2,CS3とが用いられる。また、第2図柄表示装置82の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、メイン処理(図10参照)の実行間隔である4ms間隔、またはタイマ割込処理(図13参照)の実行間隔である2ms間隔で更新され、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリアが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への球の入賞タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜738の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり738)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜738)、タイマ割込処理(図13参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図10参照)の残余時間内で繰り返し更新される。第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。大当たりとなる乱数の値の数は、低確率時と高確率時とで2種類設定されており、低確率時に大当たりとなる乱数の値の数は2で、その値は「373,727」であり、高確率時に大当たりとなる乱数の値の数は14で、その値は「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」である。
第1当たり種別カウンタC2は、大当たりの際の第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、本実施の形態では、0〜4の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり4)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。なお、大当たり後に高確率状態となる乱数の値は「1,2,3」であり、大当たり後に低確率状態となる乱数の値は「0,4」であり、2種類の当たり種別が決定される。よって、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、高確率状態と低確率状態との2種類の大当たりに対応した表示態様と、はずれに対応した1種類の表示態様との合計3種類の表示態様のうち、いずれか1つが選択される。
停止パターン選択カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。本実施の形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される演出のパターンが選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば0〜8の範囲)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば9〜38の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば39〜238の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施の形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリアに格納される。
また、停止パターン選択カウンタC3には、停止パターンの選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか(即ち保留個数)等に応じて、停止パターンの選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が10〜238と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が0〜5と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も6〜9と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態で保留球格納エリアに各乱数値が格納されていなければ、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が51〜238と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止パターンに対応した乱数値の範囲が9〜50と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、第1入球口64への球の入球時間を確保できるので、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。
2つの変動種別カウンタCS1,CS2のうち、一方の変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっており、他方の変動種別カウンタCS2は、例えば0〜240の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり240)に達した後0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS1を「第1変動種別カウンタ」、CS2を「第2変動種別カウンタ」ともいう。
第1変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。また、第2変動種別カウンタCS2によって、リーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)が決定される。変動種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に基づいて、表示制御装置114により第3表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。従って、これらの変動種別カウンタCS1,CS2を組み合わせることで、変動パターンの多種多様化を容易に実現できる。また、第1変動種別カウンタCS1だけで図柄変動態様を決定したり、第1変動種別カウンタCS1と停止図柄との組み合わせで同じく図柄変動態様を決定したりすることも可能である。変動種別カウンタCS1,CS2の値は、後述するメイン処理(図10参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。
変動種別カウンタCS3の値は、例えば、0〜162の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり162)に達した後に0に戻る構成となっている。以下の説明では、CS3を「第3変動種別カウンタ」ともいう。本実施の形態の第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示態様に応じた装飾的な演出を行うものであり、図柄の変動以外に、変動している図柄を滑らせたり、リーチ演出の発生を予告するための予告キャラクタを通過させるなどの予告演出が行われる。その予告演出の演出パターンが変動種別カウンタCS3により選択される。具体的には、予告演出に必要となる時間を変動時間に加算したり、反対に変動表示される時間を短縮するために変動時間を減算したり、変動時間を加減算しない演出パターンが選択される。なお、変動種別カウンタCS3は、停止パターン選択カウンタC3と同様に、演出パターンが選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブルが設けられ、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか、保留球格納エリアのどのエリアに各乱数値が格納されているか等に応じて、各演出パターンの選択比率が異なるよう構成されている。
上述したように、変動種別カウンタCS1,CS2により図柄変動の変動時間が決定されると共に、変動種別カウンタCS3により変動時間に加減算される時間が決定される。よって、最終停止図柄が停止するまでの最終的な変動時間は、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3により決定される。
第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施の形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図13参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図10参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
次に、図7を参照して、主制御装置110から払出制御装置111へ出力されるコマンドについて説明する。図7は、主制御装置110から払出制御装置111へ出力されるコマンドを示した図である。該コマンドは、2バイトで構成され、8ビットのパラレルデータとしてコネクタ290,330を介して、1バイト目、2バイト目の順に、主制御装置110から払出制御装置111へ出力される。コマンドの1バイト目は、最上位ビットがセット(「1」)され、2バイト目は最上位ビットがリセット(「0」)されている。よって、払出制御装置111は、最上位ビットのセット又はリセットにより、入力したデータがコマンドの1バイト目か、2バイト目かを判断することができる。
なお、パチンコ機10では、図7に示すコマンドのすべてが必ずしも使用されるものではない。即ち、図7に示すコマンドの一部のみを使用するパチンコ機10も存在する。例えば、払出復帰コマンドと、払出初期化コマンドと、5個賞球払出コマンドと、15個賞球払出コマンドだけが使用されるパチンコ機10も存在する。
主制御装置110と払出制御装置111とのデータの入出力は、主制御装置110から払出制御装置111への一方向にのみ行われる。遊技の主制御を行う主制御装置110への入力信号を極力少なくして、主制御装置110に対する不正行為を抑制するためである。このため、出力したコマンドのデータが、ノイズや、信号線の断線或いはショート、不正行為などによって変化しても、主制御装置110は、それを検出することができず、異常を発見できない。
そこで、本実施形態では、主制御装置110から払出制御装置111へ出力されるコマンドを2バイトで構成し、これらを1バイトずつ加算または排他的論理和した場合に、演算後の最下位1バイトがFFHとなるようにしている。よって、払出制御装置111では、入力した2バイトのコマンドを1バイトずつ加算または排他的論理和し、その結果がFFHでなければ、該コマンドは正常なコマンドでないと判断して、該コマンドの入力を無効化すると共に、払出制御装置111に設けられた7セグメントLED121に「C」の文字を表示して、コマンドエラーを報知する。
主制御装置110から払出制御装置111へ出力されるコマンドには、賞球の払い出しを指示する賞球コマンドがある。賞球コマンドは、遊技者や遊技場へ多大な影響を与えるので、該コマンドの出力が主制御装置110から払出制御装置111への一方向のみであっても、払出制御装置111において、入力したコマンドが正常であるか否かを判断できるように構成している。
賞球コマンドを出力する信号線に断線がある場合には、上記方式(加算または排他的論理和の結果がFFH)によって確実に検出することができる。即ち、いずれかの信号線に断線があると、その信号線のデータ(ビット)は、1バイト目も2バイト目も、必ず同じデータ(「0と0」または「1と1」)となるので、コマンドの1バイト目と2バイト目とを加算または排他的論理和した場合には、その断線した信号線に対応したビットは0となり、加算または排他的論理和の結果はFFHとならないからである。
また、本実施形態では、払出制御装置111の立ち上げ時に、必ず主制御装置110から出力される払出復帰コマンドと払出初期化コマンドとを使用して、これらのコマンドを送信する信号線や、その信号線を接続するコネクタ290,330にショート(半田ブリッジ)があるか否かを検出できるようにしている。
図8(a)は、主制御装置110に設けられた入出力ポート205の信号ピン270〜277から出力されるコマンドデータ信号を払出制御装置111に設けられた入出力ポート215の信号ピン310〜317へ入力させるための接続を示した図である。図8(a)の主制御装置110側の接続は、信号ピン270〜277を備える主制御装置110に設けられた入出力ポート205と、この信号ピン270〜277から出力されるコマンドデータ信号を伝える信号線280〜287と、この信号線280〜287から伝えられたコマンドデータ信号を入力させるための信号ピン300〜307を備える1列メスコネクタ290とから構成される。
次に、図8(a)の払出制御装置111側の接続は、信号ピン340〜347を備える2列メスコネクタ330と、信号ピン340〜347から出力されたコマンドデータ信号を伝える信号線320〜327と、この信号線320〜327から伝えられたコマンドデータ信号を入力させる信号ピン310〜317を備える払出制御装置111に設けられた入出力ポート215とから構成される。
最後に、図8(a)の1列メスコネクタ290と2列メスコネクタ330の接続は、信号ピン360〜367を備える1列オスコネクタ350と、信号ピン360〜367から出力されたコマンドデータ信号を伝える信号線390〜397と、この信号線390〜397から伝えられたコマンドデータ信号を入力させる信号ピン380〜387を備える2列オスコネクタ370とから構成される。
このように、主制御装置110に設けられた1列メスコネクタ290と払出制御装置111に設けられた2列メスコネクタ330とを接続する手段は、コネクタ350,370と信号線390〜397により構成されているため、容易に作成することができる。また、コネクタや信号線が劣化したとしても取り換えが容易である。
ここで、入出力ポート205の信号ピン270〜277と入出力ポート215の信号ピン310〜317とに記載のある0〜7はピン番号を示しており、このピン番号0〜7は図8(b)〜(e)にも同様に用いている。そして、ピン番号が同じである信号ピンは、信号線を介して電気的に接続される。例えば、ピン番号3については、図8(a)〜(e)に示すように、入出力ポート205の信号ピン273と、1列メスコネクタ290の信号ピン303と、1列オスコネクタ350の信号ピン363と、2列オスコネクタ370の信号ピン383と、2列メスコネクタ330の信号ピン343と、入出力ポート215の信号ピン313とが電気的に接続される。
図8(b)は、主制御装置110に設けられた入出力ポート205に接続される1列メスコネクタ290の信号ピンの配列を差し込み口を正面にして見た図である。図8(c)は、2列オスコネクタ370に信号線390〜397を介して接続されると共に、1列メスコネクタ290に接続される1列オスコネクタ350の信号ピンの配列を差し込み口を正面にして見た図である。図8(d)は、1列オスコネクタ350に信号線390〜397を介して接続されると共に、2列メスコネクタ330に接続される2列オスコネクタ370の信号ピンの配列を差し込み口を正面にして見た図である。図8(e)は、払出制御装置111に設けられた入出力ポート215に接続される2列コネクタ330の信号ピンの配列を差し込み口を正面にして見た図である。
ここで、図8(a)を参照して、主制御装置110に設けられた入出力ポート205の信号ピン270〜277から出力されたコマンドデータ信号が、払出制御装置111に設けられた入出力ポート215の信号ピン310〜317へ入力されるまでを説明する。
まず、主制御装置110に設けられた入出力ポート205の信号ピン270〜277から出力されたコマンドデータ信号は、信号線280〜287を介して、1列メスコネクタ290の信号ピン300〜307に出力される。ここで、この1列メスコネクタ290に1列オスコネクタ350を接続していれば、1列メスコネクタ290の信号ピン300〜307から出力されたコマンドデータ信号は、1列オスコネクタ350の信号ピン360〜367に伝えられる。
そして、1列オスコネクタ350の信号ピン360〜367に伝えられたコマンドデータ信号は、信号線390〜397を介して、2列オスコネクタ370の信号ピン380〜387へ伝えられる。そして、この2列オスコネクタ370に2列メスコネクタ330を接続していれば、2列オスコネクタ370の信号ピン380〜387から出力されたコマンドデータ信号は、2列メスコネクタ330の信号ピン340〜347に伝えられる。2列メスコネクタ330の信号ピン340〜347に伝えられたコマンドデータ信号は、信号線320〜327を介して、払出制御装置111に設けられた入出力ポート215の信号ピン310〜317へ入力されることとなる。
さて、信号ピンまたは信号線のショートや半田ブリッジは、隣接する信号ピンや信号線で発生する。主制御装置110に設けられた入出力ポート205に接続される1列メスコネクタ290は、図8(b)に示すように、信号ピン300〜307(ピン番号0〜7)がビット順に隣り合って配列される。そして、1列メスコネクタ290の信号ピン300〜307は、主制御回路110に設けられた入出力ポート205の信号ピン270〜277に信号線280〜287を介して、ピン番号0〜7の同じ番号の信号ピン同士が接続される配列構成となっている。
よって、主制御回路110に設けられた入出力ポート205の信号ピン270〜277から、信号線280〜287を介して1列メスコネクタ290へ出力される払出初期化コマンドの1バイト目をAAH(1010B)とし、2バイト目を55H(0101B)とすることにより、入出力ポート205の横方向の隣接する信号ピン270〜277を交互にセット又はリセットすることができ、1列メスコネクタ290の横方向の隣接する信号ピン300〜307または信号線280〜287も交互にセット又はリセットすることができる。
次に、主制御回路110に設けられた1列メスコネクタ290に接続される1列オスコネクタ350と、この1列オスコネクタ350に信号線390〜397を介して接続される2列オスコネクタ370とを、図8(c)と図8(d)に示す。1列オスコネクタ350は信号ピンが1列に、2列オスコネクタ370は信号ピンが2列に配列されている。そして、1列オスコネクタ350の信号ピン360,362,364,366(各ピン番号は0,2,4,6であり、何れも入出力ポート205のピン番号0番目の端から数えて奇数番目にある各信号ピン)に、信号線390,392,394,396を介して接続される2列オスコネクタ370の信号ピン380,382,384,386は、図8(d)に示すように配列される。
つまり、信号ピン380が2列オスコネクタ370の下面から数えて1列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて1番目、信号ピン384が2列オスコネクタ370の下面から数えて1列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて3番目(2列オスコネクタ370の一方の面から1列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピン)に配置され、信号ピン382が2列オスコネクタ370の下面から数えて2列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて2番目、信号ピン386が2列オスコネクタ370の下面から数えて2列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて4番目(2列オスコネクタ370の一方の面から2列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピン)に配置されている。
加えて、信号ピン361,363,365,367(各ピン番号は1,3,5,7であり、何れも入出力ポート205のピン番号0番目の端から数えて偶数番目にある各信号ピン)に、信号線391,393,395,397を介して接続される信号ピン381,383,385,387も、図8(d)に示すように配列される。
つまり、信号ピン381が2列オスコネクタ370の下面から数えて2列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて1番目、信号ピン385が2列オスコネクタ370の下面から数えて2列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて3番目(2列オスコネクタ370の一方の面から2列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピン)に配置され、信号ピン383が2列オスコネクタ370の下面から数えて1列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて2番目、信号ピン387が2列オスコネクタ370の下面から数えて1列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて4番目(2列オスコネクタ370の一方の面から1列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピン)に配置されている。
よって、主制御回路110に設けられた入出力ポート205の信号ピン270〜277から、2列オスコネクタ370へ出力される払出初期化コマンドの1バイト目をAAH(1010B)とし、2バイト目を55H(0101B)とすることにより、この2列オスコネクタ370の縦および横方向の隣接する信号ピン380〜387または信号線390〜397を交互にセット又はリセットすることができる。
最後に、払出制御装置111に設けられた入出力ポート215の信号ピン310〜317に、信号線320〜327を介して接続される2列メスコネクタ330は、図8(e)に示すように、信号ピンが2列に配列されている。そして、入出力ポート215の信号ピン310,312,314,316(各ピン番号は0,2,4,6であり、何れも入出力ポート215のピン番号0番目の端から数えて奇数番目にある各信号ピン)に、信号線320,322,324,326を介して接続される2列メスコネクタ330の信号ピン340,342,344,346は、図8(e)に示すように配列される。
つまり、信号ピン340が2列メスコネクタ330の下面から数えて1列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて1番目、信号ピン344が2列メスコネクタ330の下面から数えて1列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて3番目(2列メスコネクタ330の一方の面から1列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピン)に配置され、信号ピン342が2列メスコネクタ330の下面から数えて2列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて2番目、信号ピン346が2列メスコネクタ330の下面から数えて2列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて4番目(2列メスコネクタ330の一方の面から2列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピン)に配置されている。
加えて、信号ピン311,313,315,317(各ピン番号は1,3,5,7であり、何れも入出力ポート215のピン番号0番目の端から数えて偶数番目にある各信号ピン)に、信号線321,323,325,327を介して接続される信号ピン341,343,345,347も、図8(e)に示すように配列される。
つまり、信号ピン341が2列メスコネクタ330の下面から数えて2列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて1番目、信号ピン345が2列メスコネクタ330の下面から数えて2列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて3番目(2列メスコネクタ330の一方の面から2列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピン)に配置され、信号ピン343が2列メスコネクタ330の下面から数えて1列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて2番目、信号ピン347が2列メスコネクタ330の下面から数えて1列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて4番目(2列メスコネクタ330の一方の面から1列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピン)に配置されている。
よって、主制御回路110に設けられた入出力ポート205の信号ピン270〜277から、信号線280〜287を介して1列メスコネクタ290へ出力される払出初期化コマンドの1バイト目をAAH(1010B)とし、2バイト目を55H(0101B)とすることにより、この2列メスコネクタ330の縦および横方向の隣接する信号ピン340〜347または信号線320〜327を交互にセット又はリセットすることができ、入出力ポート215の横方向の隣接する信号ピン310〜317も交互にセット又はリセットすることができる。
このように、入出力ポート205からコマンドデータ信号を出力するときには信号ピン300〜307の横方向の隣接する信号ピンが反転しており、このコマンドデータ信号が2列オスコネクタ370により2列のコマンドデータ信号となったとしても、2列オスコネクタ370の構成によって信号ピン380〜387の縦および横方向の隣接する信号ピンを反転させることができる。そして、2列メスコネクタ330によって再び、入出力ポート215の信号ピン310〜317の横方向の隣接する信号ピンが反転したコマンドデータとすることができる。
よって、入出力ポート205,215やコネクタ290,330,350,370の異常、或いはその周辺の信号線の異常をチェックする場合に、入出力ポート205,215の信号ピンの列数と各コネクタ290,330,350,370の信号ピンの列数とが異なっていたとしても、入出力ポート205,215には特に手を加える必要はなく、入出力ポート205,215からは横方向の隣接するピンの信号が反転したコマンドデータを出力すればよい。
上記の構成により、払出制御装置111が払出初期化コマンドや払出復帰コマンドを正常に入力できた場合には、図8(a)に示すこれらの信号ピンまたは信号線にショートや半田ブリッジが無いことを検出することができる。そして、かかる異常の無い状態で遊技を実行できるので、主制御装置110から払出制御装置111へ正常にコマンドを出力して、遊技の払出制御を正常に行わせることができる。
また、1列メスコネクタ290の横方向の幅と比較して、2列メスコネクタ330の幅は短いので、1列メスコネクタ290を横方向に基板に実装する場合よりも、2列メスコネクタ330を横方向に基板に実装する場合のほうが、コネクタ実装によって占有される基板の幅が少なくなる。よって、1列メスコネクタ290を基板に実装する場合と比較して、2列メスコネクタ330を用いると、コネクタ実装の自由度を高めることができる。
なお、図8(b)に示す信号ピンの配列で、コネクタ330を構成しても良いし、図8(e)に示す配列で、コネクタ290を構成しても良い。更には、図8(b)又は図8(e)に示す配列以外のコネクタを用いて、主制御装置110と払出制御装置111とを接続するようにしてもよい。かかる場合には、主制御装置110に接続されるコネクタと払出制御装置111に接続されるコネクタとを、払出初期化コマンドと払出復帰コマンドとが入出力される場合に、コネクタの縦および横方向の隣接する信号ピンまたは信号線を交互にセット又はリセットするような信号ピン配置構成とする。
次に、図9から図15のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では2ms周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図13は、タイマ割込処理を示したフローチャートである。タイマ割込処理は、主制御装置110のMPU201により例えば2ms毎に実行される。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S501)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S502)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738)に達した際0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では250)に達した際0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S503)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態ではそれぞれ、738,4,238,250)に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
その後は、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理(図14参照)を実行し(S504)、発射制御処理を実行して(S505)、タイマ割込処理を終了する。発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサにより検出し、発射を停止させるための発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示がなされる。
図14のフローチャートを参照して、S504の処理で実行される始動入賞処理を説明する。まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S601)。球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S601:Yes)、第1図柄表示装置37の作動保留球数Nが上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判別する(S602)。第1入球口64への入賞があり、且つ作動保留球数N<4であれば(S602:Yes)、作動保留球数Nを1加算し(S603)、更に、前記ステップS503で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリアの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S604)。一方、第1入球口64への入賞がないか(S601:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S602:No)、S603及びS604の各処理をスキップし、始動入賞処理を終了してタイマ割込処理へ戻る。
図15は、NMI割込処理を示したフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S701)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出発射制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
図9は、主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は、電源投入時のリセット割込処理により起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S101)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウェイト処理(本実施の形態では1秒)を実行する。次いで、RAM203のアクセスを許可する(S103)。
その後は、電源装置115に設けられたRAM消去スイッチ123がオンされているか否かを判別し(S104)、オンされていれば(S104:Yes)、処理をS110へ移行する。一方、RAM消去スイッチ123がオンされていなければ(S104:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S105)、記憶されていなければ(S105:No)、バックアップデータは記憶されていないので、この場合にも、処理をS110へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S105:Yes)、RAM判定値を算出し(S106)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S107:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS110へ移行する。なお、図10のS213の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S110の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンド(図7参照)を送信する(S110)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる(図20参照)。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S111、S112)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ123を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ123が押されていれば、RAMの初期化処理(S111、S112)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S111、S112)を実行する。RAMの初期化処理(S111、S112)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S111)、その後、RAM203の初期値を設定する(S112)。RAM203の初期化処理の実行後は、S113の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ123がオンされておらず(S104:No)、電源遮断の発生情報が記憶されており(S105:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S107:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S108)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンド(図7参照)を送信し(S109)、S113の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる(図20参照)。
S113の処理では、割込みを許可して、後述するメイン処理に移行する。
次に、図10のフローチャートを参照してメイン処理を説明する。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4ms周期の定期処理としてS201〜S206の各処理が実行され、その残余時間でS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、前回の処理で更新されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する(S201)。具体的には、S501のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。賞球コマンドは、図7に示すように、FE01H〜F00FHの15種類の各2バイトのコマンドによって構成され、この外部出力処理により、コネクタ290,330を介して、1バイトずつ連続して計2バイトが払出制御装置111へ送信(出力)される。また、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止図柄コマンド、停止コマンド、演出時間加算コマンド等が、コネクタ291,331を介して、音声ランプ制御装置113へ送信(出力)される。さらに、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号が送信(出力)される。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の各値を更新する(S202)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S203)、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行する(S204)。なお、変動処理の詳細は、図11を参照して後述する。
変動処理の終了後は、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S205)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置82による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S206)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)67を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置82の表示部83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S207)、RAM203に電源遮断の発生情報が記憶されていなければ(S207:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施の形態では4ms)が経過したか否かを判別し(S208)、既に所定時間が経過していれば(S208:Yes)、処理をS201へ移行し、前述したS201以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S208:No)、所定時間に至るまでの、即ち次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を繰り返し実行する(S209,S210)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S209)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施の形態では738、250)に達した際0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
次に、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新を実行する(S210)。具体的には、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3を1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施の形態では198,240,162)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1,CS2,CS3の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。
ここで、S201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1,CS2,CS3についてもランダムに更新することができる。
また、S207の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S207:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図15のNMI割込処理が実行されたということなので、S211以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S211)、電源が遮断されたことを示す電源遮断通知コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S212)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S213)、RAM203のアクセスを禁止して(S214)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S207の処理は、S201〜S206で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS209とS210の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS201の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS201の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S101)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S201の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図11及び図12のフローチャートを参照して、変動処理(S204)を説明する。変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S301)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S301:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S301:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S302)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S302:No)、作動保留球数Nが0よりも大きいか否かを判別する(S303)。作動保留球数Nが0であれば(S303:No)、そのまま本処理を終了する。作動保留球数N>0であれば(S303:Yes)、作動保留球数Nを1減算し(S304)、保留球格納エリアに格納されたデータをシフト処理する(S305)。このデータシフト処理は、保留球格納エリアの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S306)。なお、変動開始処理については、図12を参照して後述する。
S302の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S302:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S307)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1,CS2により選択された変動パターンと変動種別カウンタCS3により選択された加算時間とに応じて決められており、この変動時間が経過していなければ(S307:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新する(S308)。本実施の形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。なお、変動処理は、4ms毎に実行されるが、その変動処理毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者にLEDの点灯色の変化を確認させるために、変動処理は、実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行い、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたらリセット(0クリア)される。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S307:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様が設定される(S309)。停止図柄の設定は、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に高確率状態となる図柄か低確率状態となる図柄かが決定される。本実施の形態では、大当たり後に高確率状態になる場合には赤色のLEDを点灯させ、低確率状態になる場合には緑色のLEDを点灯させ、外れである場合には青色のLEDを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S309の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動停止を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調させるために停止コマンドが設定される(S310)。音声ランプ制御装置113は、この停止コマンドを受信すると、表示制御装置114に対して停止指示をする。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、停止コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における1の変動演出が終了する。
次に、図12のフローチャートを参照して、変動開始処理を説明する。変動開始処理(S306)では、まず、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する(S401)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタ値とその時々のモードとの関係に基づいて判別される。前述した通り、通常の低確率時には第1当たり乱数カウンタC1の数値0〜738のうち「373,727」が当たり値であり、高確率時には「59,109,163,211,263,317,367,421,479,523,631,683,733」が当たり値である。
大当たりであると判別された場合(S401:Yes)、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値を確認して、大当たり時の表示態様が設定される(S402)。S402の処理では、第1当たり種別カウンタC2の値に基づき、大当たり後に高確率状態に移行するか低確率状態に移行するかが設定される。大当たり後の移行状態が設定されると、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81の大当たりの停止図柄が表示制御装置114で設定される。即ち、S402の処理で、大当たり後の移行状態を設定することで、第3図柄表示装置81における停止図柄を設定できる。なお、第1当たり種別カウンタC2の数値0〜4のうち、「0,4」の場合は以後低確率状態に移行し、「1,2,3」の場合は高確率状態に移行する。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S403)。S403の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
なお、第1変動種別カウンタCS1の数値と変動時間との関係、第2変動種別カウンタCS2の数値と変動時間との関係は、それぞれにテーブル等により予め規定されている。但し、上記変動時間は、第2変動種別カウンタCS2の値を使わずに第1変動種別カウンタCS1の値だけを用いて設定することも可能であり、第1変動種別カウンタCS1の値だけで設定するか又は両変動種別カウンタCS1,CS2の両値で設定するかは、その都度の第1変動種別カウンタCS1の値や遊技条件などに応じて適宜決められる。
S401の処理で大当たりではないと判別された場合には(S401:No)、外れ時の表示態様が設定される(S404)。S404の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリアの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる演出を、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施の形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるか、及び作動保留個数Nに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンが決定され(S405)、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S403の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1,CS2の値を確認し、第1変動種別カウンタCS1の値に基づいてノーマルリーチ、スーパーリーチ、プレミアムリーチ等の大まかな図柄変動の変動時間を決定すると共に、第2変動種別カウンタCS2の値に基づいてリーチ発生後に最終停止図柄(本実施の形態では中図柄Z2)が停止するまでの変動時間(言い換えれば、変動図柄数)を決定する。
S403の処理またはS405の処理が終わると、第1及び第2種別カウンタCS1,CS2により決定された変動時間に加減算される演出時間が決定される(S406)。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている第3種別カウンタCS3の値に基づいて演出時間の加減算が決定され、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81の変動時間が設定される。本実施の形態では、演出時間の加減算の決定は、第3変動種別カウンタCS3の値に応じて、変動表示の時間を変更しない場合と変動表示時間を1秒加算する場合、変動表示時間を2秒加算する場合、変動表示時間を1秒減算する場合との4種類の加算値が決定される。
なお、変動表示時間が加減算される場合には、第3図柄表示装置81で大当たりの期待値が高くなる予告演出(例えば、変動図柄の変動時間を通常より長くしてスベリを伴わせるスベリ演出や予告キャラを表示させる演出、1の変動図柄の変動時間を通常より短くして即停止させる演出など)が行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりである場合は、2秒の加算値が選択される確率が高く設定されているので、遊技者は予告演出を確認することで大当たりを期待することができる。
次に、S403又はS405の処理で決定された変動パターン(変動時間)に応じて変動パターンコマンドを設定し(S407)、S402又はS404の処理で設定された停止図柄に応じて停止図柄コマンドを設定する(S408)。そして、S406の処理で決定された演出時間の加算値に応じて演出時間加算コマンドを設定して(S409)、変動処理へ戻る。
次に、図16から図21を参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行される払出制御について説明する。図16は、払出制御装置111の立ち上げ処理を示したフローチャートであり、この立ち上げ処理は電源投入時に実行される。まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定すると共に、割込みモードを設定する。そして、RAMアクセスを許可すると共に(S802)、外部割込ベクタの設定を行う(S803)。
その後は、MPU211内のRAM213に関してデータバックアップの処理を実行する。具体的には、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S804)、記憶されていなければ(S804:No)、バックアップデータは記憶されていないので、処理をS811へ移行する。RAM213に電源断の発生情報が記憶されていれば(S804:Yes)、RAM判定値を算出し(S805)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S805:No)、即ち算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS811へ移行する。図17のS917の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM213の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM213の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S811,S812のRAMの初期化処理では、RAM213の全ての領域を0クリアした後(S811)、RAM213の初期値を設定する(S812)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断の発生情報が設定されており(S804:Yes)、且つRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S806:Yes)、RAM213にバックアップされたデータを保持したまま、電源遮断の発生情報をクリアすると共に(S807)、賞球の払い出しを待機させるために、払出許可フラグ213dをオフする(S808)。その後、MPU211の周辺デバイスの初期設定を行い(S809)、割込みを許可して(S810)、メイン処理へ移行する。
次に、図17のフローチャートを参照して、払出制御装置111内のMPU211により実行されるメイン処理を説明する。このメイン処理は、まず主制御装置110からの賞球コマンドや払出復帰コマンド、払出初期化コマンドを受信し、それらコマンドの種別を判定するコマンド判定処理を行う(S901)。コマンド判定処理の詳細については後述するが、該処理では、主制御装置110から送信された正常なコマンドを受信すると、払出許可フラグ213dがオンされ、賞球や貸出球の払い出しが許可される。
即ち、コマンド判定処理(S901)の実行後、払出許可フラグ213dの状態が判別され(S902)、払出許可フラグ213dがオンされていなければ(S902:No)、未だ主制御装置110は立ち上がった状態にないので、かかる場合には、コマンド判定処理(S901)において払出許可フラグ213dがオンされるまで、コマンド判定処理(S901)を繰り返し実行する。一方、S902の処理において、払出許可フラグ213dがオンされていれば(S902:Yes)、既に主制御装置110は立ち上がった状態にあるので、かかる場合には、状態復帰スイッチ120をチェックし、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する(S903)。
その後、下皿50の状態の変化に応じて下皿満タン状態又は下皿満タン解除状態の設定を実行する(S904)。即ち、下皿満タンスイッチの検出信号により下皿50の満タン状態を判別し、下皿満タンになった時に、下皿満タン状態の設定を実行し、下皿満タンでなくなった時に、下皿満タン解除状態の設定を実行する。また、タンク球の状態の変化に応じてタンク球無し状態又はタンク球無し解除状態の設定を実行する(S905)。即ち、タンク球無しスイッチの検出信号によりタンク球無し状態を判別し、タンク球無しになった時に、タンク球無し状態の設定を実行し、タンク球無しでなくなった時に、タンク球無し解除状態の設定を実行する。その後、報知する状態の有無を判別し、報知する状態が有る場合には、払出制御装置111に設けた7セグメントLED121により報知する(S906)。なお、状態報知処理については、図21を参照して後述する。
次に、S907からS909の各処理により、賞球払出の処理を実行する。即ち、賞球の払出不可状態でなく且つ、賞球数を記憶する総賞球個数メモリ213aの値が0でなければ(S907:No,S908:No)、賞球の払い出しを行うために賞球制御処理を開始する(S909)。一方、賞球の払出不可状態(S907:Yes)または総賞球個数メモリ213aの値が0であれば(S908:Yes)、貸球払出の処理に移行する。
S910からS912の貸球払出の処理では、貸球の払出不可状態でなく且つカードユニットからの貸球払出要求を受信していれば(S910:No,S911:Yes)、貸球を払い出すために貸球制御処理を開始する。一方、貸球の払出不可状態(S910:Yes)または貸球払出要求を受信していない場合には(S911:No)、処理をS913へ移行する。また、貸球制御処理(S912)の終了後も、同様に、処理をS913へ移行する。
S913の処理では、球詰まり状態であることを条件にバイブレータ134の制御(バイブモータ制御)を実行する(S913)。その後は、RAM213に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S914)、電源断の発生情報が記憶されていなければ(S914:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていないので、かかる場合には、処理をS901へ移行して、S901からS913のメイン処理を繰り返し実行する。
一方、S914の処理において、電源断の発生情報が記憶されていれば(S914:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図15のNMI割込処理が実行されたということである。よって、かかる場合には、各割込処理の発生の禁止をし(S915)、主制御装置110から送信されるコマンドの受信漏れを防止するために、再度コマンド判定処理を実行する(S916)。そして、RAM判定値を算出してRAM213に保存し(S917)、RAM213のアクセスを禁止して(S918)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、例えば、RAM判定値は、RAM213のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S914の処理は、払出制御装置111のメイン処理の1サイクルが終わるタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断前の状態から復帰する場合には、処理を立ち上げ処理の終了後、S901の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、メイン処理を開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU211が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S801)において、スタックポインタを所定値(初期値)に設定することで、処理をS901から開始することができる。従って、払出制御装置111の制御負担を軽減することができると共に、払出制御装置111が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。また、各処理が終わったタイミングで電源断の処理が実行されるので、RAM213にバックアップする情報量を少なくすることができる。
図18は、払出制御装置111のメイン処理の中で実行されるコマンド判定処理を示したフローチャートである。コマンド判定処理は、受信したコマンドが正常なコマンドであるかを判定すると共に、正常なコマンドである場合には、そのコマンドに応じた処理を実行するものである。
まず、新たな受信コマンドがあるかを調べ(S1001)、新たな受信コマンドが無ければ(S1001:No)、この処理を終了する。新たな受信コマンドがあれば(S1001:Yes)、その受信コマンドは、1バイト目のデータか、2バイト目のデータかを判断する(S1002)。図7を参照して前述した通り、最上位ビットがセットされていれば1バイト目のデータであるので(S1002:Yes)、かかる場合には、上位コマンド記憶バッファ213bの値が0であるかを調べる(S1003)。
コマンドを2バイト受信すると、上位コマンド記憶バッファ213bの値は0クリアされるので、正常であれば1バイト目のデータ受信時には、上位コマンド記憶バッファ213bの値は0となっている。よって、上位コマンド記憶バッファ213bの値が0でなければ(S1003:No)、何らかの異常が発生しているので、払出エラーフラグ213cをオンし(S1004)、処理をS1005へ移行する。一方、上位コマンド記憶バッファ213bの値が0であれば(S1003:Yes)、S1004の処理をスキップして、処理をS1005へ移行する。S1005の処理では、受信した1バイト目のデータを、上位コマンド記憶バッファ213bへ書き込んで、これを記憶する(S1005)。
S1002の処理において、受信したコマンドが1バイト目のデータでなく、2バイト目のデータであれば(S1002:No)、受信したコマンドである2バイト目のデータと、S1005の処理で上位コマンド記憶バッファ213bに記憶した値とを、即ち1バイト目のデータとを加算する(S1006)。加算の結果がFFHであれば(S1007:Yes)、受信したコマンドは正常であるので、上位コマンド記憶バッファ213bの値がF0H以上であるかを調べる(S1008)。
図7に示す通り、上位コマンド記憶バッファ213bの値がF0H以上であれば(S1008:Yes)、受信したコマンドは賞球コマンドであるので、かかる場合には、賞球払出個数設定処理を実行する(S1009)。一方、上位コマンド記憶バッファ213bの値がF0H以上でなければ(S1008:No)、受信したコマンドは、払出復帰コマンド又は払出初期化コマンドであるので、かかる場合には、状態設定処理を実行する(S1010)。賞球払出個数設定処理または状態設定処理の実行後は、処理をS1001へ移行し、前述した処理を繰り返す。なお、賞球払出個数設定処理または状態設定処理については後述する。
S1007の処理において、1バイト目のデータと2バイト目のデータとの加算の結果がFFHでなければ(S1007:No)、何らかの異常が発生している。よって、かかる場合には、払出エラーフラグ213cをオンして(S1011)、コマンドエラーの発生を示すと共に、上位コマンド記憶バッファ213bの値を0クリアして(S1012)、受信した2バイトのコマンドを無効化する。これにより、異常なコマンドの受信による払出制御装置111の誤動作を防止することができる。S1012の処理後は、処理をS1001へ移行して、前述した処理を繰り返す。
図19は、コマンド判定処理の中で実行される賞球払出個数設定処理(S1009)を示したフローチャートである。賞球払出個数設定処理では、受信した賞球コマンドに応じて、総賞球個数メモリ213aの値が更新される。
まず、受信した賞球コマンドの賞球数が1以上15以下であるかを調べ(S1101)、それ以外であれば(S1101:No)、誤った賞球コマンドを受信したことになる(図7参照)。よって、かかる場合には、受信したコマンドを無効化して、この処理を終了する。
一方、受信した賞球コマンドの賞球数が1以上15以下であれば(S1101:Yes)、賞球コマンドで指示される賞球数を総賞球個数メモリ213aへ加算する(S1102)。加算された個数の賞球は、前述した賞球制御処理(S909)によって払い出される。その後、上位コマンド記憶バッファ213bの値を0クリアして(S1103)、次のコマンドの受信に備えると共に、払出許可フラグ213dをオンして(S1104)、賞球の払い出しを許可する。更に、払出エラーフラグ213cをオフして(S1105)、この処理を終了する。
このように、正常なコマンドを受信することにより、払出エラーフラグ213cをオフするので、ノイズなどの影響によって、異常なコマンドを一時的に入力した場合にも、正常なコマンドを入力することにより、コマンドエラーの報知を解除して、遊技を正常に続行させることができる。
図20は、コマンド判定処理の中で実行される状態設定処理(S1010)を示したフローチャートである。状態設定処理では、払出復帰コマンドまたは払出初期化コマンドに応じた処理が実行される。
受信したコマンドが払出復帰コマンドであれば(S1201:Yes)、処理をS1206へ移行する。そして、払出許可フラグ213dをオンして(S1206)、賞球の払い出しを許可し、上位コマンド記憶バッファ213bの値を0クリアして(S1207)、次のコマンドの受信に備え、更に、払出エラーフラグ213cをオフして(S1208)、この処理を終了する。
受信したコマンドが払出初期化コマンドであれば(S1201:No、S1202:Yes)、払出許可フラグ213dの状態を調べる(S1203)。払出許可フラグ213dがオフであれば(S1203:No)、払出初期化コマンドの正常な受信であるので、かかる場合には、RAM213の作業領域を0クリアし(S1204)、その作業領域に初期化時の初期値を設定して(S1205)、RAM213の作業領域の初期化を実行する。
その後は、払出復帰コマンドの受信時と同様に、払出許可フラグ213dをオンして(S1206)、賞球の払い出しを許可し、上位コマンド記憶バッファ213bの値を0クリアして(S1207)、次のコマンドの受信に備え、更に、払出エラーフラグ213cをオフして(S1208)、この処理を終了する。
受信したコマンドが払出初期化コマンドであっても(S1201:No、S1202:Yes)、払出許可フラグ213dがオンされていれば(S1203:Yes)、既に、図7に示す、いずれかの正常なコマンドを受信して、賞球の払出制御は可能な状態になっている。よって、かかる場合には、RAM213の作業領域の初期化を回避するべく、S1204からS1206の処理をスキップして、処理をS1207へ移行する。その後は、上位コマンド記憶バッファ213bの値を0クリアして(S1207)、次のコマンドの受信に備え、払出エラーフラグ213cをオフして(S1208)、この処理を終了する。
なお、受信したコマンドが払出復帰コマンドでも無く(S1201:No)、払出初期化コマンドでもなければ(S1202:No)、誤った賞球コマンドを受信したことになるので(図7参照)、かかる場合には、受信したコマンドを無効化して、この処理を終了する。
図21は、メイン処理の中で実行される状態報知処理(S906)を示したフローチャートである。状態報知処理では、まず、払出エラーフラグ213cの状態を確認し(S1301)、オンされていれば(S1301:Yes)、7セグメントLED121に「C」の文字を表示して、コマンドエラーの発生を報知する(S1302)。一方、払出エラーフラグ213cがオンされていない場合(S1302:No)、或いは、S1302の処理後は、下皿50の満タン状態やタンクの球の貯留状態など、その他の払出制御装置111の状態を報知し(S1303)、この処理を終了する。
以上説明したとおり、本実施形態のパチンコ機10によれば、主制御装置110から払出制御装置111へ出力されるコマンドを2バイトで構成し、これらを1バイトずつ加算または排他的論理和した場合に、演算後の最下位1バイトがFFHとなるようにしている。よって、払出制御装置111では、入力した2バイトのコマンドを1バイトずつ加算または排他的論理和し、その結果がFFHでなければ、該コマンドは正常なコマンドでないと判断して、該コマンドの入力を無効化すると共に、払出制御装置111に設けられた7セグメントLED121に「C」の文字を表示して、コマンドエラーを報知する。よって、払出制御装置111は、正常なコマンドだけを有効なコマンドとして入力することができるので、遊技の払出制御を正常に行って、規定外の払い出しや、不正行為による払い出しを防止することができる。
また、正常でないコマンドを入力した場合には、7セグメントLED121により、その旨(コマンドエラーの発生)を報知するので、パチンコ機10に断線などが生じた場合、或いはパチンコ機10に不正行為が行われた場合には、これらをいち早く察知して対処することができる。更に、コマンドエラーの報知中に、正常なコマンドを入力した場合には、コマンドエラーの報知を終了する。よって、ノイズなどの影響によって、異常なコマンドを一時的に入力した場合にも、正常なコマンドを入力することにより、該報知を解除して、遊技を正常に続行させることができる。
また、払出制御装置111の立ち上げ時に、必ず主制御装置110から出力される払出復帰コマンドと払出初期化コマンドとを使用して、これらのコマンドを送信する信号線や、その信号線を接続するコネクタ290,330にショート(半田ブリッジ)があるか否かを検出できるようにしている。よって、かかる異常の無い状態で遊技を実行できるので、主制御装置110から周辺制御装置111へ正常にコマンドを出力して、賞球の払出制御を正常に行わせることができる。
パチンコ機10の出荷前に生産工場で行われる検査において、パチンコ機10の電源オンと、RAMの内容を初期化した後の電源オンとをするだけで、断線やショートをチェックすることができる。よって、検査のために、わざわざ前面枠14を開けて、一般入賞口63や第1入球口(始動口)64へ球を入れるなどの作業が不要となり、検査工程を効率化することができる。
以上、各実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
本実施形態は、主制御装置110から払出制御装置111へ出力されるコマンドについて説明したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、例えば、主制御装置110から音声ランプ制御装置113や他の周辺制御装置へ出力されるコマンドに、本発明を適用しても良い。音声ランプ制御装置113へ出力されるコマンドに適用した場合には、正常な演出コマンドを入力した場合にのみ遊技の演出を行わせるように構成することができるので、遊技の演出制御を正常に行わせることができる。なお、かかる場合には、主制御装置110と音声ランプ制御装置113を接続する、コネクタ291,331の信号ピンの配列に応じて、隣接する信号ピン同士が交互にセット・リセットするように、信号線のショートや半田ブリッジを検出するコマンドを構成する。
また、正常でないコマンドを入力した場合には、7セグメントLED121により、コマンドエラーの発生を報知したが、これに代えて、パチンコ機10の前面に配設されたランプ(ランプ表示装置(電飾部29〜33や表示ランプ34など))を点灯あるいは点滅させて報知したり、スピーカ(音声出力装置226)から所定のエラー音等を出力して報知するようにしても良い。更に、該コマンドエラーの発生を、外部出力端子板261を介して、ホールコンピュータ262へ出力しても良い。コマンドエラーの発生を、ホールコンピュータ262へ出力すれば、該エラーの発生を遊技場の管理者に即座に報せることができる。なお、コマンドエラーの報知を、パチンコ機10では行わず、ホールコンピュータ262に対してのみ出力するように構成すれば、遊技者が不正行為をした結果、正常でないコマンドを入力した場合には、その不正行為をした遊技者に気づかれることなく、該不正行為を遊技場の管理者に報知することができる。よって、不正行為者の摘出に役立てることができる。
更に、本実施形態は、2バイトで構成されるコマンドに適用したが、3バイト以上で構成されるコマンドや、1バイトで構成されるコマンドに、本発明を適用しても良い。例えば、コマンドが3バイト以上で構成される場合には、そのうちの第1所定回目の入力データと第2所定回目の入力データとについて、加算や排他的論理和をして、その結果を判定する。また、コネクタの隣接する信号ピンの出力が交互にセット・リセットされるように、第1所定回目の入力データと第2所定回目の入力データとを設定する。一方、コマンドが1バイトで構成される場合には、例えば上位4ビットのデータと下位4ビットのデータとについて、加算や排他的論理和をして、その結果を判定する。また、かかる場合には、コマンドを4ビットずつ出力して、その4ビットのデータを、コネクタの隣接する信号ピンの出力が交互にセット・リセットされるように設定する。
コマンドは、パラレル方式のデータとして8ビットずつ、主制御装置110から出力された。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、1ビットずつシリアル方式により出力するように構成しても良い。この場合、払出制御装置111などの周辺制御装置で入力したデータを、例えば、4ビット又は8ビット毎にまとめて1のグループのデータとし、そのグループのデータと別のグループのデータとの加算または排他的論理和を行って、出力されたコマンドが正常であるか否かを確認するようにしても良い。
図7に示す、払出復帰コマンドは9966Hで構成され、払出初期化コマンドはAA55Hで構成されたが、これをAA66Hと9955H、5566HとAA99Hで構成しても良い。
また、図4に示す、コネクタ290,291,330,331を2列コネクタで構成し、これらのコネクタ290,291,330,331へコマンドデータ信号を出力する主制御装置111の入出力ポート205の信号ピンと、これらのコネクタ290,291,330,331から出力されるコマンドデータ信号を入力する払出制御装置110や音声ランプ制御装置113の入出力ポート215,225の信号ピンとを、1列に配列して構成してもよい。
ここで、コネクタ290とコネクタ330とを、2列のコネクタで構成し、この2列コネクタ290へコマンドデータ信号を出力する主制御装置110の入出力ポート205の信号ピンと、このコネクタ290から出力されるコマンドデータ信号を入力する払出制御装置111の入出力ポート215の信号ピンとを、1列に配列して構成したときの接続を示した図を図22に示す。
図22(a)は、主制御装置110に設けられる入出力ポート205の信号ピン270〜277から出力されるコマンドデータ信号を払出制御装置111に設けられた入出力ポート215の信号ピン310〜317へ入力させるための接続を示した図である。
図22(a)の主制御装置110側の接続は、主制御装置110に設けられた信号ピン270〜277を備える入出力ポート205と、この信号ピン270〜277から出力されるコマンドデータ信号を伝える信号線400〜407と、この信号線400〜407から出力されたコマンドデータ信号を入力させる信号ピン420〜427を備える2列メスコネクタ410とから構成される。
次に、図22(a)の払出制御装置111側の接続は、信号ピン340〜347を備える2列メスコネクタ330と、信号ピン340〜347から出力された信号を伝える信号線320〜327と、この信号線320〜327から出力された信号を入力させる信号ピン310〜317を備える払出制御装置111に設けられた入出力ポート215とから構成される。
最後に、図22(a)の2列メスコネクタ410と2列メスコネクタ330の接続は、信号ピン440〜447を備える2列オスコネクタ430と、信号ピン440〜447から出力されたコマンドデータ信号を伝える信号線450〜457と、この信号線450〜457から伝えられたコマンドデータ信号を入力させる信号ピン380〜387を備える2列オスコネクタ370とから構成される。
このように、主制御装置110に設けられた2列メスコネクタ410と払出制御装置111に設けられた2列メスコネクタ330とを接続する手段は、コネクタ430,370と信号線450〜457により構成されているため、容易に作成することができる。また、コネクタや信号線が劣化したとしても取り換えが容易である。
図22(b)は、主制御装置110に設けられた入出力ポート205に接続される2列メスコネクタ410の信号ピンの配列を差し込み口を正面にして見た図である。図22(c)は、2列オスコネクタ370に信号線450〜457を介して接続されると共に、2列メスコネクタ410に接続される2列オスコネクタ430の信号ピンの配列を差し込み口を正面にして見た図である。図22(d)は、2列オスコネクタ430に信号線450〜457を介して接続されると共に、2列メスコネクタ330に接続される2列オスコネクタ370の信号ピンの配列を差し込み口を正面にして見た図である。図22(e)は、払出制御装置111に設けられた入出力ポート215に接続される2列コネクタ330の信号ピンの配列を差し込み口を正面にして見た図である。
ここで、図8にて説明したとおり、図22の接続に使用される2列コネクタ410,430,370,330の各ピン番号0〜7の配列は各コネクタ同士を接続した場合に全て同じとなるように、各信号ピン420〜427,440〜447,380〜387,340〜347が配置されている(図22(b)〜(e)参照)。
図22(a)に記載した、主制御装置110に設けられた入出力ポート205に信号線400〜407を介して接続される2列メスコネクタ410は、図22(b)に示すように、信号ピンが2列に配列されている。そして、入出力ポート205の信号ピン270,272,274,276(各ピン番号は0,2,4,6であり、何れも入出力ポート205のピン番号0番目の端から数えて奇数番目にある各信号ピン)に、信号線400,402,404,406を介して接続される2列メスコネクタ410の信号ピン420,422,424,426は、図8(b)に示すように配列される。
つまり、信号ピン420が2列メスコネクタ410の下面から数えて1列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて1番目、信号ピン424が2列メスコネクタ410の下面から数えて1列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて3番目(2列メスコネクタ410の一方の面から1列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピン)に配置され、信号ピン422が2列メスコネクタ410の下面から数えて2列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて2番目、信号ピン426が2列メスコネクタ410の下面から数えて2列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて4番目(2列メスコネクタ330の一方の面から2列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピン)に配置されている。
加えて、信号ピン271,273,275,277(各ピン番号は1,3,5,7であり、何れも入出力ポート205のピン番号0番目の端から数えて偶数番目にある各信号ピン)に、信号線401,403,405,407を介して接続される信号ピン421,423,425,427も、図8(b)に示すように配列される。
つまり、信号ピン421が2列メスコネクタ410の下面から数えて2列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて1番目、信号ピン425が2列メスコネクタ410の下面から数えて2列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて3番目(2列メスコネクタ410の一方の面から2列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピン)に配置され、信号ピン423が2列メスコネクタ410の下面から数えて1列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて2番目、信号ピン427が2列メスコネクタ410の下面から数えて1列目且つ入出力ポート205のピン番号0番目の端と同じ端から数えて4番目(2列メスコネクタ410の一方の面から1列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピン)に配置されている。
よって、主制御回路110に設けられた入出力ポート205の信号ピン270〜277から2列メスコネクタ410へ出力される払出初期化コマンドの1バイト目をAAH(1010B)とし、2バイト目を55H(0101B)とすることにより、入出力ポート205の横方向の隣接する信号ピン270〜277を交互にセット又はリセットすることができ、2列メスコネクタ410の縦および横方向の隣接する信号ピン420〜427または信号線400〜407も交互にセット又はリセットすることができる。
更には、図22(a)に示すとおり2列メスコネクタ410に接続されるのは2列オスコネクタ430であり、この2列オスコネクタ430は、図22(c)に示すとおり2列メスコネクタ410と接続した場合にピン番号0〜7の配列が同じとなっている。よって、2列オスコネクタ430と2列メスコネクタ410とが接続されている場合は、2列メスコネクタ410の信号ピン420〜427から出力されたコマンドデータ信号は、電気的接続により2列オスコネクタ430の信号ピン440〜447へ入力され、信号線450〜457を介して、2列オスコネクタ370の信号ピン381〜387へ入力されることから、この2列オスコネクタ370の縦および横方向の隣接する信号ピン380〜387または信号線450〜457も交互にセット又はリセットすることができる。
次に、図22(a)に記載した、払出制御装置111に設けられた入出力ポート215の信号ピン310〜317に、信号線320〜327を介して接続される2列メスコネクタ330は、図8(e)に示すように、信号ピンが2列に配列されている。そして、入出力ポート215の信号ピン310〜317と2列メスコネクタ330の信号ピン340〜347の接続は、図8と同じ構成であり、入出力ポート215の信号ピン310,312,314,316(各ピン番号は0,2,4,6であり、何れも入出力ポート215のピン番号0番目の端から数えて奇数番目にある各信号ピン)に、信号線320,322,324,326を介して接続される2列メスコネクタ330の信号ピン340,342,344,346は、図22(e)に示すように配列される。
つまり、信号ピン340が2列メスコネクタ330の下面から数えて1列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて1番目、信号ピン344が2列メスコネクタ330の下面から数えて1列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて3番目(2列メスコネクタ330の一方の面から1列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピン)に配置され、信号ピン342が2列メスコネクタ330の下面から数えて2列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて2番目、信号ピン346が2列メスコネクタ330の下面から数えて2列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて4番目(2列メスコネクタ330の一方の面から2列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピン)に配置されている。
加えて、信号ピン311,313,315,317(各ピン番号は1,3,5,7であり、何れも入出力ポート215のピン番号0番目の端から数えて偶数番目にある各信号ピン)に、信号線321,323,325,327を介して接続される信号ピン341,343,345,347も、図22(e)に示すように配列される。
つまり、信号ピン341が2列メスコネクタ330の下面から数えて2列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて1番目、信号ピン345が2列メスコネクタ330の下面から数えて2列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて3番目(2列メスコネクタ330の一方の面から2列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピン)に配置され、信号ピン343が2列メスコネクタ330の下面から数えて1列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて2番目、信号ピン347が2列メスコネクタ330の下面から数えて1列目且つ入出力ポート215のピン番号0番目の端と同じ端から数えて4番目(2列メスコネクタ330の一方の面から1列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピン)に配置されている。
よって、主制御回路110に設けられた入出力ポート205の信号ピン270〜277から2列メスコネクタ330へ出力される払出初期化コマンドの1バイト目をAAH(1010B)とし、2バイト目を55H(0101B)とすることにより、この2列メスコネクタ330の縦および横方向の隣接する信号ピン340〜347または信号線320〜327を交互にセット又はリセットすることができ、入出力ポート215の横方向の隣接する信号ピン310〜317も交互にセット又はリセットすることができる。
このように、入出力ポート205からコマンドデータ信号を出力するときには信号ピン270〜277の横方向の隣接する信号ピンが反転しており、このコマンドデータ信号が2列メスコネクタ410により2列のコマンドデータ信号となったとしても、2列オスコネクタ410の構成によって信号ピン420〜427の縦および横方向の隣接する信号ピンを反転させることができる。そして、2列オスコネクタ430と2列オスコネクタ370を介して、2列メスコネクタ330によって再び、入出力ポート215の信号ピン310〜317の横方向の隣接する信号ピンが反転したコマンドデータとすることができる。
よって、入出力ポート205,215やコネクタ330,370,410,430の異常、或いはその周辺の信号線の異常をチェックする場合に、入出力ポート205,215の信号ピンの列数と各コネクタ330,370,410,430の信号ピンの列数とが異なっていたとしても、入出力ポート205,215には特に手を加える必要はなく、入出力ポート205,215からは横方向の隣接するピンの信号が反転したコマンドデータを出力すればよい。
上記の構成により、払出制御装置111が払出復帰コマンドや払出初期化コマンドを正常に入力できた場合には、図22(a)に示すこれらの信号ピンまたは信号線にショートや半田ブリッジが無いことを検出することができる。そして、かかる異常の無い状態で遊技を実行できるので、主制御装置110から払出制御装置111へ正常にコマンドを出力して、遊技の払出制御を正常に行わせることができる。
なお、本実施形態では、払出復帰コマンドを9966Hで構成し、払出初期化コマンドをAA55Hで構成したが、これに代えて、払出復帰コマンドをAA55Hで構成し、払出初期化コマンドを9966Hで構成するようにしてもよい。このように、払出復帰コマンドをAA55Hで構成し、これを出力することにより、1列コネクタ(1列メスコネクタ290、1列オスコネクタ350)の横方向の隣接するピンを交互にセット又はリセットできることに加え、2列コネクタ(2列メスコネクタ330、2列メスコネクタ410、2列オスコネクタ370、2列オスコネクタ430)の縦および横方向の隣接するピンを交互にセット又はリセットすることができる。
払出復帰コマンドは、バックアップの有効状態で遊技機10の電源が投入された場合に出力されるコマンドであるので、払出復帰コマンドは、遊技機10の電源が投入された場合のほぼ毎回において出力される。よって、1列コネクタ(1列メスコネクタ290、1列オスコネクタ350)の横方向の隣接するピンや2列コネクタ(2列メスコネクタ330、2列メスコネクタ410、2列オスコネクタ370、2列オスコネクタ430)の縦および横方向の隣接するピン又はその周辺の信号線のショートや断線の検出を、遊技機10の電源が投入された場合においてほぼ毎回行うことができる。
なお、本実施形態では、入賞検出手段により検出される入賞は、遊技領域に打ち込まれた球が、いずれかの入賞口63,64,65aへ入賞することであった。しかし、本発明をスロットマシンや、遊技球を使用して回胴遊技を行う遊技球使用回胴遊技機に適用する場合には、入賞検出手段により検出される入賞は、スタートレバーの操作に応じて遊技機内で行われる抽選結果となる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施しても良い。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
遊技に関する主な制御を行う主制御手段と、その主制御手段から出力されるコマンドに基づいて前記遊技に関する周辺制御を行う周辺制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、複数ビットのデータをパラレル方式により出力する出力回路と、その出力回路から出力されるデータの出力端となる主コネクタと、前記出力回路及び主コネクタを介して前記データを前記周辺制御手段へ出力する出力手段とを備え、前記周辺制御手段は、前記主制御手段の主コネクタから出力されるデータの入力端となる周辺コネクタと、前記主制御手段の出力回路から出力されたデータであって、その周辺コネクタを介して入力されたデータをパラレル方式により入力する入力回路とを備え、前記主制御手段の出力手段は、前記周辺制御手段へ出力するコマンドの少なくとも1つについて、前記出力回路から出力されるデータを、その出力回路の横方向の隣接するピンの信号を反転するデータとするように構成されており、前記出力回路から出力される横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを、前記主コネクタの縦および横方向の隣接するピンの信号が反転するデータとなるように、前記主コネクタは構成されていることを特徴とする遊技機1。
遊技機1によれば、主制御手段の出力手段によって、コマンドは出力回路から主コネクタを介して、パラレル方式により周辺制御装置へ出力される。主制御手段の出力回路から主コネクタを介して出力されたデータは、周辺制御手段の周辺コネクタを介して入力回路によってパラレル方式により入力される。このとき、出力回路のピンの列数と主コネクタのピンの列数とが異なっていたとしても、出力回路は横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを出力すれば、主コネクタで縦および横方向の隣接するピンの信号が反転するデータに変換することができる。このため、出力回路の横方向に隣接する信号や主コネクタの縦および横の隣接する信号が信号線のショートにより、或いは、信号線の断線により極性が反転していない場合には、周辺制御手段はコマンドを正常に受信できないので、出力回路の横方向に隣接するピンや主コネクタの縦および横方向の隣接するピン又はその周辺の信号線がショートしていたり、或いは出力回路や主コネクタのいずれかのピン又はそのピンに繋がる信号線が断線していた場合には、周辺制御手段は、該コマンドを正常に受信することができない。これにより、出力回路や主コネクタの異常、或いはその周辺の信号線の異常を検知することができる。よって、かかる異常の無い状態で遊技を実行できるので、主制御手段から周辺制御手段へ正常にコマンドを出力して、遊技の周辺制御を正常に行わせることができる。
更には、出力回路や主コネクタの異常、或いはその周辺の信号線の異常をチェックする場合には、出力回路のピンの列数と主コネクタのピンの列数とが異なっていたとしても、出力回路には特に手を加える必要はなく、出力回路からは横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを出力すればよいという効果がある。
遊技機1において、前記主制御手段の出力回路の各ピンは1列に配列されて構成され、前記主コネクタの各ピンは2列に配列されて構成されており、前記主制御手段の出力回路の各ピンと前記主コネクタの各ピンとの接続においては、前記主制御手段の出力回路の一方の端から奇数または偶数番目の各ピンを、前記主コネクタの一方の面から1列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピンと、前記主コネクタの一方の面から2列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピンとに、各々接続して構成され、前記主制御手段の出力回路の一方の端から偶数または奇数番目の各ピンを、前記主コネクタの一方の面から1列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピンと、前記主コネクタの一方の面から2列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピンとに、各々接続して構成されていることを特徴とする遊技機2。
遊技機2によれば、出力回路のピンが1列であり主コネクタのピンが2列であって列数が異なっていたとしても、出力回路は横方向の隣接するピンの信号が反転した1列のデータを出力すれば、主コネクタで縦および横方向の隣接するピンの信号が反転する2列のデータに変換することができる。
更には、出力回路や主コネクタの異常、或いはその周辺の信号線の異常をチェックする場合には、出力回路のピンが1列であり主コネクタのピンが2列であって列数が異なっていたとしても、出力回路には特に手を加える必要はなく、出力回路からは横方向の隣接するピンの信号が反転する1列のデータを出力すればよいという効果がある。
遊技機1又は2において、前記主コネクタから出力される前記主コネクタの縦および横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを、前記周辺コネクタの横方向の隣接するピンの信号が反転するデータとなるように、前記周辺コネクタは構成されていることを特徴とする遊技機3。
遊技機3によれば、主コネクタのピンの列数と周辺コネクタのピンの列数が異なっていたとしても、出力回路は横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを出力すれば、主コネクタで縦および横方向の隣接するピンの信号が反転するデータに変換することができる。そして、周辺コネクタでは、主コネクタから出力された縦および横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを再び、隣接するピンの信号が反転したデータに戻すことができる。このため、主コネクタや周辺コネクタの隣接する信号が信号線のショートにより、或いは、信号線の断線により極性が反転していない場合には、周辺制御手段はコマンドを正常に受信できないので、主コネクタや周辺コネクタの隣接するピン又はその周辺の信号線がショートしていたり、或いは主コネクタや周辺コネクタのいずれかのピン又はそのピンに繋がる信号線が断線していた場合には、周辺制御手段は、主制御手段の出力手段によって出力されるコマンドを正常に受信することができない。これにより、主コネクタや周辺コネクタの異常、或いはその周辺の信号線の異常を検知することができる。よって、かかる異常の無い状態で遊技を実行できるので、主制御手段から周辺制御手段へ正常にコマンドを出力して、遊技の周辺制御を正常に行わせることができる。
更には、主コネクタによって、出力回路から出力される隣接するピンの信号が反転したデータを、縦および横方向の隣接するピンの信号が反転したデータに変換したとしても、周辺コネクタにより隣接するピンの信号が反転したデータに再び戻し、入力回路へ入力回路の横方向の隣接するピンの信号が反転するデータを出力することができる。よって、入力回路の入力に横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを用いる場合も、周辺コネクタにより横方向の隣接するピンの信号が反転するデータへの変換ができる。
遊技機3において、前記主コネクタの各ピンは2列に配列されて構成され、前記周辺コネクタの各ピンは1列に配列されて構成されており、前記主コネクタの各ピンと前記周辺コネクタの各ピンとの接続においては、前記主コネクタの一方の面から1列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピンと、前記主コネクタの一方の面から2列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピンとを、前記周辺コネクタの一方の端から奇数または偶数番目の各ピンに、各々接続して構成され、前記主コネクタの一方の面から1列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピンと、前記主コネクタの一方の面から2列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピンとを、前記周辺コネクタの一方の端から偶数または奇数番目の各ピンに、各々接続して構成されていることを特徴とする遊技機4。
遊技機4によれば、主コネクタのピンが2列であり周辺コネクタのピンが1列であって列数が異なっていたとしても、出力回路は横方向の隣接するピンの信号が反転した1列のデータを出力すれば、主コネクタで縦および横方向の隣接するピンの信号が反転する2列のデータに変換し、そして再び、周辺コネクタで横方向の隣接するピンの信号が反転する1列のデータに変換することができる。
更には、主コネクタや周辺コネクタの異常、或いはその周辺の信号線の異常をチェックする場合には、主コネクタのピンが2列であり周辺コネクタのピンが1列であって列数が異なっていたとしても、出力回路には特に手を加える必要はなく、出力回路は横方向の隣接するピンの信号が反転した1列のデータを出力すればよいという効果がある。
遊技機1又は2において、前記主コネクタから出力される前記主コネクタの縦および横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを入力し、前記周辺コネクタの縦および横方向の隣接するピンの信号が反転するデータを前記入力回路へ出力するように、前記周辺コネクタは構成され、前記周辺コネクタから出力される前記周辺コネクタの縦および横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを、前記入力回路の横方向の隣接するピンの信号が反転するデータとなるように、前記入力回路は構成されていることを特徴とする遊技機5。
遊技機5によれば、周辺コネクタのピンの列数と入力回路のピンの列数とが異なっていたとしても、出力回路は横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを出力すれば、主コネクタで縦および横方向の隣接するピンの信号が反転するデータに変換し、周辺コネクタは縦および横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを入力回路へ出力し、入力回路では主コネクタから出力された縦および横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを再び、横方向の隣接するピンの信号が反転するデータに戻すことができる。このため、周辺コネクタの縦及び横方向の隣接する信号や入力回路の横方向隣接する信号が信号線のショートにより、或いは、信号線の断線により極性が反転していない場合には、周辺制御手段はコマンドを正常に受信できないので、周辺コネクタの縦及び横方向の隣接するピンや入力回路の横方向の隣接するピン又はその周辺の信号線がショートしていたり、或いは周辺コネクタや入力回路のいずれかのピン又はそのピンに繋がる信号線が断線していた場合には、周辺制御手段は、主制御手段の出力手段によって出力されるコマンドを正常に受信することができない。これにより、周辺コネクタや入力回路の異常、或いはその周辺の信号線の異常を検知することができる。よって、かかる異常の無い状態で遊技を実行できるので、主制御手段から周辺制御手段へ正常にコマンドを出力して、遊技の周辺制御を正常に行わせることができる。
更には、主コネクタによって、出力回路から出力される隣接するピンの信号が反転したデータを、主コネクタの縦および横方向の隣接するピンの信号が反転したデータに変換したとしても、入力回路により再び横方向の隣接するピンの信号が反転したデータに戻すことができる。よって、入力回路の入力に横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを用いる場合も、入力回路により横方向の隣接するピンの信号が反転したデータへの変換ができる。
遊技機5において、前記周辺コネクタの各ピンは2列に配列されて構成され、前記入力回路の各ピンは1列に配列されて構成されており、前記周辺コネクタの各ピンと前記入力回路の各ピンとの接続においては、前記周辺コネクタの一方の面から1列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピンと、前記周辺コネクタの一方の面から2列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピンとを、前記入力回路の一方の端から奇数または偶数番目の各ピンに、各々接続して構成され、前記周辺コネクタの一方の面から1列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピンと、前記周辺コネクタの一方の面から2列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピンとを、前記入力回路の一方の端から偶数または奇数番目の各ピンに、各々接続して構成されているものであることを特徴とする遊技機6。
遊技機6によれば、周辺コネクタのピンが2列であり入力回路のピンが1列であって列数が異なっていたとしても、出力回路は横方向の隣接するピンの信号が反転した1列のデータを出力すれば、周辺コネクタは、主コネクタで変換された縦および横方向の隣接するピンの信号が反転した2列のデータを入力回路へ出力し、入力回路で再び横方向の隣接するピンの信号が反転した1列のデータに変換することができる。
更には、周辺コネクタや入力回路の異常、或いはその周辺の信号線の異常をチェックする場合には、周辺コネクタのピンが2列であり入力回路のピンが1列であって列数が異なっていたとしても、出力回路には特に手を加える必要はなく、横方向の隣接するピンの信号が反転した1列のデータを出力すればよいという効果がある。
遊技に関する主な制御を行う主制御手段と、その主制御手段から出力されるコマンドに基づいて前記遊技に関する周辺制御を行う周辺制御手段とを備えた遊技機において、前記主制御手段は、複数ビットのデータをパラレル方式により出力する出力回路と、その出力回路から出力されるデータの出力端となる主コネクタと、前記出力回路及び主コネクタを介して前記データを前記周辺制御手段へ出力する出力手段とを備え、前記周辺制御手段は、前記主制御手段の主コネクタから出力されるデータの入力端となる周辺コネクタと、前記主制御手段の出力回路から出力されたデータであって、その周辺コネクタを介して入力されたデータをパラレル方式により入力する入力回路とを備え、前記主制御手段の出力手段は、前記周辺制御手段へ出力するコマンドの少なくとも1つについて、前記主コネクタから出力されるデータを、その出力回路の横方向の隣接するピンの信号を反転するデータとするように構成されており、前記主コネクタから出力される横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを、前記周辺コネクタの縦および横方向の隣接するピンの信号が反転するデータとなるように、前記周辺コネクタは構成されていることを特徴とする遊技機7。
遊技機7によれば、主コネクタのピンの列数と周辺コネクタのピンの列数とが違っていたとしても、出力回路は横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを出力すれば、周辺コネクタで縦および横方向の隣接するピンの信号が反転するデータに変換することができる。このため、主コネクタの横方向の隣接する信号や周辺コネクタの縦および横の隣接する信号が信号線のショートにより、或いは、信号線の断線により極性が反転していない場合には、周辺制御手段はコマンドを正常に受信できないので、主コネクタの横方向の隣接するピンや周辺コネクタの縦および横方向の隣接するピン又はその周辺の信号線がショートしていたり、或いは主コネクタや周辺コネクタのいずれかのピン又はそのピンに繋がる信号線が断線していた場合には、周辺制御手段は、主制御手段の出力手段によって出力されるコマンドを正常に受信することができない。これにより、主コネクタや周辺コネクタの異常、或いはその周辺の信号線の異常を検知することができる。よって、かかる異常の無い状態で遊技を実行できるので、主制御手段から周辺制御手段へ正常にコマンドを出力して、遊技の周辺制御を正常に行わせることができる。
更には、主コネクタや周辺コネクタの異常、或いはその周辺の信号線の異常をチェックする場合には、主コネクタのピンの列数と周辺コネクタのピンの列数とが異なっていたとしても、出力回路には特に手を加える必要はなく、出力回路からは横方向の隣接するピンの信号が反転したデータを出力すればよいという効果がある。
遊技機7において、前記主コネクタの各ピンは1列に配列されて構成され、前記周辺コネクタの各ピンは2列に配列されて構成されており、前記主コネクタの各ピンと前記周辺コネクタの各ピンとの接続においては、前記主コネクタの一方の端から奇数または偶数番目の各ピンを、前記周辺コネクタの一方の面から1列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピンと、前記周辺コネクタの一方の面から2列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピンとに、各々接続して構成され、前記主コネクタの一方の端から偶数または奇数番目の各ピンを、前記周辺コネクタの一方の面から1列目で且つ一方の端から偶数番目の各ピンと、前記周辺コネクタの一方の面から2列目で且つ一方の端から奇数番目の各ピンとに、各々接続して構成されているものであることを特徴とする遊技機8。
遊技機8によれば、主コネクタのピンが1列であり周辺コネクタのピンが2列であって列数が異なっていたとしても、出力回路は横方向の隣接するピンの信号が反転した1列のデータを出力すれば、周辺コネクタで縦および横方向の隣接するピンの信号が反転する2列のデータに変換することができる。
更には、主コネクタや周辺コネクタの異常、或いはその周辺の信号線の異常をチェックする場合には、主コネクタのピンが1列であり周辺コネクタのピンが2列であって列数が異なっていたとしても、出力回路には特に手を加える必要はなく、出力回路は横方向の隣接するピンの信号が反転した1列データを出力すればよいという効果がある。
遊技機1から8のいずれかにおいて、前記主制御手段から出力されるコマンドであって、前記出力回路から出力されるデータを、その出力回路の横方向の隣接するピンの信号が反転するデータとするコマンドは、前記遊技機の電源が投入されたときに前記周辺制御手段に出力されるコマンドとされていることを特徴とする遊技機9。
遊技機9によれば、遊技機の電源が投入されたときに主制御手段から周辺制御手段へ出力されるコマンドは、主制御手段の出力回路から出力されるデータを、その出力回路の横方向の隣接するピンの信号が反転するデータとするコマンドとなるように構成されているので、主コネクタや周辺コネクタの異常、或いはその周辺の信号線の異常が発生した場合には、遊技機の電源が投入されたときに、これらを検出することができる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機10。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機11。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機1から9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機12。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。