JP5371846B2 - ドラムユニットおよびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トナー像が形成される感光体ドラムを有するドラムユニット、およびそれを備えた画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置は、画像データに基づく光照射によって静電潜像が形成される感光体ドラムと、感光体ドラム上の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、感光体ドラム上のトナー像を用紙上に転写する転写部とを含む。感光体ドラムは、他の構成要素と共にユニット化されて、ドラムユニットが形成されている。
ドラムユニットとして、特許文献1のものが知られている。特許文献1のドラムユニットは、感光体ドラムと、感光体ドラムの端部開口に嵌入されるフランジ部材と、フランジ部材における感光体ドラムの内部に向く取付面に取り付けられたアース板と、感光体ドラムと同軸でフランジ部材を貫通するドラムシャフトとを含む。アース板は感光体ドラムとドラムシャフトとを電気的に接続している。
フランジ部材には、ドラムシャフトが挿通される挿通孔が形成されている。また、フランジ部材の取付面には、挿通孔と同軸に設定されたボスと、ボスを挟んで対向する一対の突起とが形成されている。アース板は、ボスに対応するボス孔と、一対の突起に対応する突起孔とを有する。アース板は、ボス孔にボスが挿通されることで位置決めがなされると共に、突起孔に突起が挿通されることで回り止めがなされている。このようにしてアース板を取り付けることで、アース板を感光体ドラムの内周面に接触させ、感光体ドラムをアースしている。
特開平8−6438号公報
しかしながら、特許文献1のドラムユニットでは、フランジ部材の一対の突起およびアース板の突起孔の寸法公差や幾何公差に起因して、一対の突起が対応する突起孔に挿通された状態において突起と突起孔との間に若干の隙間が形成される場合がある。そのような隙間が形成された状態で感光体ドラムが回転すると、アース板がフランジ部材の取付面に対して前記隙間の範囲内で動いてしまう。そのため、感光体ドラムの回転速度が一定せず、感光体ドラムがフレやすくなる。その結果、トナー像の色ずれ等の不都合が発生する。
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、アース板をフランジ部材に固定して感光体ドラムのフレを抑制することが可能なドラムユニット、およびそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るドラムユニットは、筒状の感光体ドラムと、前記感光体ドラムに挿通されたドラムシャフトと、前記感光体ドラムの端部に嵌入可能な形状を有し、前記感光体ドラムが前記ドラムシャフトと一体回転するように前記感光体ドラムおよび前記ドラムシャフトを支持する支持部材と、前記支持部材における前記感光体ドラムの内部に向く取付部に取り付けられ、前記感光体ドラムと前記ドラムシャフトとを電気的に接続するアース板と、を備え、前記支持部材の前記取付部には、前記アース板を位置決めするための位置決め突起と、前記位置決め突起の周囲に位置し、周面を備え、前記アース板を回り止めするための回り止め突起とが形成されており、前記アース板は、前記位置決め突起が挿通される位置決め孔と、前記回り止め突起が挿通される回り止め孔と、前記回り止め孔の縁部から前記回り止め突起に向かって傾斜して延び、その端部が前記回り止め突起に当接することで、前記回り止め突起を前記回り止め孔に固定する固定部材と、前記取付部に取り付けられると共に、前記位置決め孔および前記回り止め孔を有する可撓性のアース板本体と、を有し、前記固定部材は、前記アース板本体に切れ目を入れて形成した一対の係止片であり、各係止片は、前記アース板本体と繋がった基端部と、前記基端部に対して持ち上げ可能な遊端部とを有しており、一方の係止片の遊端部と他方の係止片の遊端部とは、互いに対向しており、前記一対の係止片の遊端部の先端が、それぞれ前記回り止め突起の前記周面に沿った湾曲形状からなり、前記周面に当接していることを特徴とする。
本発明に係るドラムユニットによれば、固定部材によって回り止め突起は回り止め孔に固定されているので、寸法公差や幾何公差に起因して回り止め突起と回り止め孔との間に隙間が形成されている場合であっても、感光体ドラムの回転中にアース板が支持部材の取付部に対して前記隙間の範囲内で動くことを抑制できる。これにより、感光体ドラムのフレ、ひいてはトナー像の色ずれ等の不都合を抑制することができる。
本発明の好ましい実施形態では、前記回り止め突起は、持ち上げられた状態の一方の前記遊端部と、持ち上げられた状態の他方の前記遊端部との間で、一方の前記遊端部および他方の前記遊端部が前記基端部と略同一の平面レベルに戻ろうとする復帰力によって挟まれている。
この構成によれば、一対の係止片の復帰力を利用して回り止め突起を一方の遊端部と他方の遊端部との間に挟みこむだけで、回り止め突起を回り止め孔に固定することができる。
本発明の他の好ましい実施形態では、前記アース板本体は、前記感光体ドラムの内周面に接触しない程度の寸法に設定された外周部を有しており、前記外周部には、該外周部から外方に突出して前記感光体ドラムの前記内周面に接触する爪部が突設されている。
本発明に係るドラムユニットでは、アース板が支持部材の取付部に対して動くことが抑制されているので、アース板の爪部が感光体ドラムの内周面に適正に接触した状態を維持することができる。
本発明に係る画像形成装置は、トナー像が形成される感光体ドラムを有するドラムユニットと、前記感光体ドラムにトナーを供給して該感光体ドラム上に前記トナー像を形成する現像装置とを含み、前記ドラムユニットとして、請求項1〜3のいずれか一項に記載のドラムユニットが用いられている。
本発明に係るドラムユニットおよびそれを備えた画像形成装置によれば、アース板をフランジ部材に固定して感光体ドラムのフレを抑制することが可能である。その結果、トナー像の色ずれ等の不都合を抑制することができる。
本発明の実施形態に係るドラムユニットが適用された画像形成装置の断面視の説明図である。 ドラムユニットの一部切り欠き分解斜視図である。 ドラムユニットの一部切り欠き組み立て斜視図である。 ドラムユニットのフランジ部材にアース板が取り付けられた状態を示す斜視図である。 図4のV−V線に沿って切断した断面図であり、一対の係止片によって回り止め突起が回り止め孔に固定された状態を示している。 一対の係止片によって回り止め突起が回り止め孔に固定された状態を示す平面図である。
まず、本発明の実施形態に係るドラムユニットが適用された画像形成装置について説明する。図1は、ドラムユニットが適用された画像形成装置の一実施形態を示す断面視の説明図である。図1に示すように、画像形成装置10は、例えば複写機として使用されるものであって、胴内排紙型と称される箱形を呈した装置本体11と、装置本体11の上部に設けられた、原稿画像を読み取る画像読取部16とを含む。
画像読取部16は、外装カバー体170の内部に装着された画像読取装置17と、外装カバー体170の上部に配置された原稿自動供給装置18とを含む。
一方、装置本体11には、画像読取装置17によって読み取られた原稿の画像データに基づき画像を形成する画像形成部12と、画像形成部12によって形成され、用紙Pに転写された画像に定着処理を施す定着部13と、転写用の用紙Pを貯留する用紙貯留部14とが内装されている。装置本体11の頂部には、排出された定着処理後の用紙Pを受ける胴内排紙トレイ151を有する排紙部15が設けられている。
原稿自動供給装置18は、画像読取装置17の上面開口に嵌め込まれたコンタクトガラス180を覆う原稿押えカバー181と、原稿押えカバー181上に配置された原稿送り込み部182と、原稿送り込み部182に延設された給紙トレイ183とを含む。
原稿送り込み部182は、画像読取装置17による原稿面の読み取りのために、給紙トレイ183に載置された原稿束から原稿を1枚ずつコンタクトガラス180上に供給する。原稿画像の読み取りが完了した原稿は、原稿押えカバー181上に排出される。画像読取部16で読み取られた原稿の画像データは、電気信号に変換され、その変換された電気信号は、画像形成部12へ向けて出力される。
画像読取装置17は、箱形を呈した筐体171と、図1では左右方向に往復移動可能に筐体171に内装され、かつ、原稿面に光を照射してその反射光を得る読取ユニット172と、読取ユニット172からの反射光を集光して画像データとして取り込むCCDユニット173とを含む。読み取られた画像データは、ディジタル信号に変換された後、後述の露光装置123へ向けて出力される。
画像形成部12は、用紙貯留部14から給紙された用紙にトナー像を形成するものであって、上流側(図1では右側)から下流側(図1では左側)へ向けて順次配設されたマゼンタ用ユニット12Mと、シアン用ユニット12Cと、イエロー用ユニット12Yと、ブラック用ユニット12Kとを含む。
各ユニット12M,12C,12Y,12Kは、感光体ドラム30を有するドラムユニット20と、現像装置121とを含む。ドラムユニット20の感光体ドラム30は、図1では反時計方向に回転しつつ対応する現像装置121からトナーの供給を受けて、その周面にトナー像を形成する。
各感光体ドラム30の直下位置には帯電器122が設けられていると共に、各帯電器122の下方位置には露光装置123が設けられている。各感光体ドラム30は、その周面が帯電器122によって一様に帯電される。露光装置123は、画像読取部16で入力された画像データに基づき、各色M、C、Y、Kに対応したレーザー光を、感光体ドラム30の帯電した周面に照射する。これにより、各感光体ドラム30の周面に静電潜像が形成される。各感光体ドラム30の周面上の静電潜像に現像装置121からトナーが供給されると、各感光体ドラム30の周面にトナー像が形成される。
感光体ドラム30の上方位置には、該感光体ドラム30に接触するように駆動ローラ124aおよび従動ローラ124b間に張設された転写ベルト124が設けられている。転写ベルト124は、各感光体ドラム30に対応して設けられた転写ローラ125によって感光体ドラム30の周面に押し付けられた状態で、各感光体ドラム30の回転と同期しながら駆動ローラ124aと従動ローラ124bとの間を周回する。
転写ベルト124が周回すると、転写ベルト124の表面に、マゼンタ用ユニット12Mの感光体ドラム30によってマゼンタのトナー像の転写が行なわれる。以下、マゼンタトナー像の上に、順次、シアン用ユニット12Cの感光体ドラム30によってシアンのトナー像、イエロー用ユニット12Yの感光体ドラム30によってイエローのトナー像、最後にブラック用ユニット12Kの感光体ドラム30によってブラックのトナー像が重ね塗りされる。これにより、転写ベルト124の表面にカラーのトナー像が形成され、このカラートナー像は、用紙貯留部14から搬送されてきた用紙Pに転写される。
画像形成部12の左方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路111が形成されている。用紙搬送路111には、搬送ローラ対112が設けられていると共に、転写ローラ124aと対向した位置に転写ベルト124の表面と当接した第2転写ローラ113が設けられている。用紙貯留部14からの用紙Pは、搬送ローラ対112の回転によって転写ベルト124と第2転写ローラ113との間のニップ部へ向けて搬送される。用紙Pは、転写ベルト124と第2転写ローラ113との間で押圧挟持されることにより、転写ベルト124上のトナー像が用紙Pに転写される。
用紙貯留部14は、露光装置123の下方位置で挿脱自在に装着された用紙トレイ141を有している。用紙トレイ141には、積載された用紙Pからなる用紙束が貯留される。用紙Pは、ピックアップローラ142によって用紙束から1枚ずつ繰り出されて用紙搬送路111へ導入される。
定着部13は、用紙Pに転写されたトナー像に対し定着処理を施すものであって、加熱源である通電発熱体を有する定着ローラ131と、定着ローラ131と対向配置された加圧ローラ132とを含む。転写処理済の用紙Pは、定着ローラ131および加圧ローラ132間に押圧挟持されつつ定着ローラ131による熱処理で加熱される。これにより、用紙P上にトナー像が定着され、用紙Pに安定した状態のカラー画像が形成される。
定着処理の完了したカラー印刷済みの用紙Pは、定着部13の上部から延設された排紙搬送路114を通って胴内排紙トレイ151へ向けて排出される。
以下、図2および図3を参照しながらドラムユニットについて説明する。図2は、ドラムユニットの一部切り欠き分解斜視図であり、図3は、ドラムユニットの一部切り欠き組み立て斜視図である。なお、図2および図3では、感光体ドラム30の厚み寸法を誇張して示している。
図2および図3に示すように、ドラムユニット20は、周面に静電潜像やトナー像が形成される筒状の感光体ドラム30と、感光体ドラム30の一方の端部(図2では左端部)の開口に嵌入されるフランジ部材40(支持部材)と、感光体ドラム30の他方の端部(図2では右端部)の開口に嵌入される軸支円板60と、フランジ部材40および軸支円板60に同心でフランジ部材40および軸支円板60と一体回転可能に貫通されたドラムシャフト70とを含む。
感光体ドラム30は、アルミニウムまたはアルミニウム合金製の金属素管31と、金属素管31の外周面の全面に積層された有機感光層32と、金属素管31の内周面の全面に積層された絶縁被膜33とを有する。金属素管31は、厚み寸法が数mmであるのに対し、有機感光層32および絶縁被膜33は、数μm〜数10μmと極めて薄く形成されている。
有機感光層32は、電荷輸送剤、電荷発生剤、および結着樹脂(バインダー樹脂)等の有機感光体材料によって形成される。有機感光体には、主として単層型感光体と積層型感光体とがあるが、特に正負いずれの帯電型感光体に使用できること、構造が簡単であって、製造が容易であること、感光体層を形成する際の被膜欠陥を効果的に抑制できること、層間の界面が少なく、光学的特性を向上させやすい等の理由から、単層型感光体が好ましい。
絶縁被膜33は、金属素管31に電流が流れて微小な放電破壊(リーク)が発生し、それが原因でトナー像が画像黒点となるのを防ぐため、および防錆のためのものである。絶縁被膜33は、本実施形態においては、アルミニウムの酸化被膜(Al)によって形成されている。絶縁被膜33は、電解液としてシュウ酸、硫酸あるいはクロム酸水溶液を用い、金属素管31の内周面側に陽極酸化処理を施すことにより得ることができる。
フランジ部材40は、感光体ドラム30の左端部の開口に嵌入可能な形状を有する筒状の本体部41と、筒状本体部41における感光体ドラム30の軸方向外方に向く面に一体に形成されたフランジ43とを有する。筒状本体部41およびフランジ43には、それらを同心で貫通すると共に、感光体ドラム30と同心に設定された挿通孔44が形成されている。フランジ部材40については後でさらに詳述する。
軸支円板60は、感光体ドラム30の右端部の開口を閉止するためのものである。軸支円板60は、感光体ドラム30の内径寸法より僅かに大きい外径寸法を有する円筒状の円板本体61と、円板本体61の一方の端部(図2では右端部)に同心で形成されたフランジ62とを有する。フランジ62は、外径寸法が感光体ドラム30の外径寸法と等しく設定されている。
軸支円板60の円板本体61の外径寸法は、感光体ドラム30の内径寸法より数μm〜数10μm大きく設定されている。従って、円板本体61を感光体ドラム30に圧入することで、軸支円板60が感光体ドラム30に固定される。また、軸支円板60には、感光体ドラム30と同心に設定された軸孔63が貫設されている。
ドラムシャフト70は、感光体ドラム30と一体回転可能に感光体ドラム30に装着されるものであって、大径軸71と、大径軸71の両端部から同心で互いに反対方向に向けて突設された一対の小径軸72とからなる。
大径軸71は、フランジ部材40の筒状本体部41および軸支円板60が感光体ドラム30に装着された状態において、感光体ドラム30と同心で感光体ドラム30内に延在する。
これに対し、一方の小径軸72(図2では左側)は、フランジ部材40の挿通孔44に挿通されてフランジ43側から外部に突出している。他方の小径軸72(図2では右側)は、軸支円板60の軸孔63に挿通されてフランジ62側から外部に突出している。
上記したように、フランジ部材40の筒状本体部41が感光体ドラム30の左端部の開口に嵌入されると共に、軸支円板60が感光体ドラム30の右端部の開口に嵌入されることで、かつ、ドラムシャフト70がフランジ部材40および軸支円板60によって支持されることで、感光体ドラム30はドラムシャフト70と一体回転する。装置本体11内の適所に配置された図略のモータの駆動力が例えば右側の小径軸72に伝達されることで、ドラムシャフト70、ひいては感光体ドラム30が回転する。また、左側の小径軸72は、装置本体11内の適所に配置された図略のベアリングによって回転可能に支持されている。
上記構成のドラムユニット20では、感光体ドラム30とドラムシャフト70とを電気的に接続するためにアース板50を用いている。図4はアース板50が取り付けられた状態を示す斜視図である。アース板50は、図4に示すように、フランジ部材40に取り付けられている。
フランジ部材40は、上述したように筒状本体部41とフランジ43とを有する。筒状本体部41は、筒状の嵌入部45と、アース板50が取り付けられる取付部46とを有する。
嵌入部45は、フランジ43よりも小径に設定された部分であり、嵌入部45とフランジ43との間には段差部47が形成されている。嵌入部45の外形寸法は、感光体ドラム30の内径寸法より数μm〜数10μm大きく設定されている。したがって、嵌入部45を感光体ドラム30に圧入することで、フランジ部材40が感光体ドラム30に固定される。嵌入部45が圧入された状態では、段差部47は感光体ドラム30の端面に当接している。
取付部46は、嵌入部45よりも小径に設定され、嵌入部45の内側に位置する筒状の部分であって、感光体ドラム30と同心でフランジ部材40の軸方向(つまり、感光体ドラム30の軸方向)に突出する筒状のボス42(位置決め突起)を一体に有している。筒状ボス42は、ドラムシャフト70が挿通される挿通孔44の一部を構成する孔を有している。
取付部46は、筒状ボス42の周囲に配置された複数の突起48,49をさらに有する。突起48は、筒状ボス42を挟んで一対設けられており、位置決め突起として構成されている。一方、突起49は、筒状ボス42を挟んで一対設けられており、回り止め突起として構成されている。突起48および回り止め突起49も、筒状ボス42と同様に、フランジ部材40の軸方向に突出している。また、突起48および回り止め突起49は、筒状ボス42を中心に、取付部46の周方向に、つまり、感光体ドラム30の回転方向に互いに等間隔で位置している。
アース板50は、可撓性を備えた、例えばステンレススチールや真鍮等の金属材料から形成された板状部材であって、アース板本体51と、アース板本体51に突設された複数の爪部52と、アース板本体51に突設された一対の接続片53とを有する。
アース板本体51は、嵌入部45よりも小径に設定された外形寸法を有する円形の部分であって、その中心位置に、取付部46の筒状ボス42が挿通可能な第1位置決め孔65が形成されている。また、アース板本体51には、第1位置決め孔65を挟んで一対の第2位置決め孔66と、第1位置決め孔65を挟んで一対の回り止め孔67とが形成されている。第2位置決め孔66および回り止め孔67は、第1位置決め孔65を中心に互いに等間隔で位置している。
アース板本体51は、第1位置決め孔65に筒状ボス42が挿通されると共に、第2位置決め孔66に突起48が挿通されることで取付部46に対して位置決めがなされる。また、アース板本体51は、回り止め孔67に対応する回り止め突起49が挿通されることで取付部46に対して回り止めがなされている。
爪部52は、アース板本体51が感光体ドラム30内に位置した状態でアースのために金属素管31との間で電気的な接続状態を得るためのものであって、アース板本体51の外周部51aから径方向外方に複数が突出している。爪部52は、例えば、アース板本体51の外周部51aに沿って互いに等間隔で位置している。また、各爪部52は、アース板本体51の外周部51aを底辺とした略二等辺三角形状に形成されており、その先端は先鋭端とされている。さらに、各爪部52は、アース板本体51に対して傾斜した状態でフランジ部材40の感光体ドラム30への嵌入方向とは反対の方向に延びている。
各爪部52のアース板本体51からの突出量は、フランジ部材40を感光体ドラム30に嵌入したときに、先端が感光体ドラム30の絶縁皮膜33と干渉して絶縁被膜33を削って金属素管31に到達し得るように設定されている。爪部52の先端が絶縁皮膜33を削ることで、爪部52、ひいてはアース板本体51が感光体ドラム30と電気的に接続された状態となる。なお、アース板本体51の外周部51aは、感光体ドラム30の内周面に接触しない程度の寸法に設定されている。
一対の接続片53は、アース板本体51の外周部51aから立ち上がり、挿通孔44に挿通されたドラムシャフト70に向かって延びる細長片である。なお、図4では、図の簡略化のためにドラムシャフト70を省略している。一対の接続片53は、アース板本体51の外周部51aにおける対向する位置から延びているため、それらの先端部はドラムシャフト70を挟み込むようにしてドラムシャフト70に接触している。これにより、感光体ドラム30はアース板50を介してドラムシャフト70と電気的に接続されている。
上記した感光体ドラム30およびドラムシャフト70間の電気的接続により、有機感光層32内で発生した電荷は、アース板50の爪部52、アース板本体51、接続片53およびドラムシャフト70の順に通ってアースされる。
本実施形態では、上記した構成のアース板50に、感光体ドラム30の回転方向においてフランジ部材40の回り止め突起49を回り止め孔67に固定するための固定部材80をさらに設けている。固定部材80は、アース板本体51に切り目を入れて形成した一対の係止片から構成されている。
各係止片80は、図4に示すように、基端部81と、遊端部82とからなる。基端部81は、回り止め孔67の縁部においてアース板本体51と一体に繋がっていると共に、アース板本体51の略周方向、つまり感光体ドラム30の略周方向において回り止め突起49に対向している。また、一方の係止片80の基端部81と他方の係止片80の基端部81とは回り止め突起49を挟んで互いに対向している。
遊端部82は、基端部81からアース板本体51の略周方向に延び、基端部81と同一の平面レベルから基端部81に対して持ち上げ可能な細片部である。一方の係止片80の遊端部82と他方の係止片80の遊端部82とは回り止め突起49を挟んで互いに対向している。係止片80は可撓性の材料から形成されているので、遊端部82は、持ち上げられた場合、持ち上げられた状態から自身の復帰力によって基端部と同一の平面レベル、つまり元の位置に戻る特性を有する。
図5は、図4のV−V線に沿って切断した断面図であり、一対の係止片80によって回り止め突起49が回り止め孔67に固定された状態を示しており、図6は、一対の係止片80によって回り止め突起49が回り止め孔67に固定された状態を示す平面図である。
図4および図5に示すように、回り止め突起49によって持ち上げられた状態の一方(右側)の遊端部82は、右方から左方に回り止め突起49に向かって傾斜して延び、その先端82aが回り止め突起49に当接している。また、回り止め突起49によって持ち上げられた状態の他方(左側)の遊端部82は、左方から右方に回り止め突起49に向かって傾斜して延び、その先端82aが回り止め突起49に当接している。各遊端部82の先端82aは、回り止め突起49の周面と一致する湾曲形状を有している。
このような状態において、右側の遊端部82は、基端部81と略同一の平面レベルに戻ろうとする復帰力を回り止め突起49に対して左斜め下方に作用させている。一方、左側の遊端部82は、基端部81と略同一の平面レベルに戻ろうとする復帰力を回り止め突起49に対して右斜め下方に作用させている。そのため、回り止め突起49は、一対の遊端部82間で挟まれた状態となっている。これにより、回り止め突起49は回り止め孔67に固定されている。
なお、図4は、一方の係止片80と他方の係止片80とをアース板本体51の略周方向に対向させた構成を示しているが、これに限定されず、一方の係止片80と他方の係止片80とをアース板本体51の径方向に対向させてもよい。
以上説明した本実施形態に係るドラムユニット20によれば、固定部材80である一対の係止片80によって回り止め突起49は対応する回り止め孔67に固定されているので、寸法公差や幾何公差に起因して回り止め突起49と回り止め孔67との間に若干の隙間G(図6)が形成されている場合であっても、感光体ドラム30の回転中にアース板50がフランジ部材40の取付部46に対して隙間Gの範囲内で動くことを抑制できる。これにより、感光体ドラム30のフレ、ひいてはトナー像の色ずれ等の不都合を抑制することができる。なお、図6では、隙間Gを誇張して示している。
また、一対の係止片80の復帰力を利用して回り止め突起49を一方の遊端部82と他方の遊端部82との間に挟みこむだけで、回り止め突起49を回り止め孔67に固定しているので、ドラムユニット20の構造が複雑化しない。
さらに、アース板50がフランジ部材40の取付部46に対して動くことが抑制されているので、アース板50の爪部52が感光体ドラム30の金属素管31に適正に接触した状態を維持することができる。これにより、感光体ドラム30のアースが円滑に行われる。
10 画像形成装置
20 ドラムユニット
30 感光体ドラム
40 フランジ部材(支持部材)
42 筒状ボス(位置決め突起)
48 突起
49 回り止め突起
50 アース板
51 アース板本体
52 爪部
65 第1位置決め孔
66 第2位置決め孔
67 回り止め孔
70 ドラムシャフト
80 係止片(固定部材)
81 基端部
82 遊端部
82a 先端

Claims (4)

  1. 筒状の感光体ドラムと、
    前記感光体ドラムに挿通されたドラムシャフトと、
    前記感光体ドラムの端部に嵌入可能な形状を有し、前記感光体ドラムが前記ドラムシャフトと一体回転するように前記感光体ドラムおよび前記ドラムシャフトを支持する支持部材と、
    前記支持部材における前記感光体ドラムの内部に向く取付部に取り付けられ、前記感光体ドラムと前記ドラムシャフトとを電気的に接続するアース板と、
    を備え、
    前記支持部材の前記取付部には、前記アース板を位置決めするための位置決め突起と、前記位置決め突起の周囲に位置し、周面を備え、前記アース板を回り止めするための回り止め突起とが形成されており、
    前記アース板は、前記位置決め突起が挿通される位置決め孔と、前記回り止め突起が挿通される回り止め孔と、前記回り止め孔の縁部から前記回り止め突起に向かって傾斜して延び、その端部が前記回り止め突起に当接することで、前記回り止め突起を前記回り止め孔に固定する固定部材と、前記取付部に取り付けられると共に、前記位置決め孔および前記回り止め孔を有する可撓性のアース板本体と、を有し、
    前記固定部材は、前記アース板本体に切れ目を入れて形成した一対の係止片であり、
    各係止片は、前記アース板本体と繋がった基端部と、前記基端部に対して持ち上げ可能な遊端部とを有しており、
    一方の係止片の遊端部と他方の係止片の遊端部とは、互いに対向しており、
    前記一対の係止片の遊端部の先端が、それぞれ前記回り止め突起の前記周面に沿った湾曲形状からなり、前記周面に当接していることを特徴とするドラムユニット。
  2. 請求項1に記載のドラムユニットにおいて、前記回り止め突起は、持ち上げられた状態の一方の前記遊端部と、持ち上げられた状態の他方の前記遊端部との間で、一方の前記遊端部および他方の前記遊端部が前記基端部と略同一の平面レベルに戻ろうとする復帰力によって挟まれているドラムユニット。
  3. 請求項2に記載のドラムユニットにおいて、前記アース板本体は、前記感光体ドラムの内周面に接触しない程度の寸法に設定された外周部を有しており、
    前記外周部には、該外周部から外方に突出して前記感光体ドラムの前記内周面に接触する爪部が突設されているドラムユニット。
  4. トナー像が形成される感光体ドラムを有するドラムユニットと、
    前記感光体ドラムにトナーを供給して該感光体ドラム上に前記トナー像を形成する現像装置と、
    を備え、
    前記ドラムユニットとして、請求項1〜3のいずれか一項に記載のドラムユニットが用いられている画像形成装置。
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