JP5368747B2 - 鉄骨構造物の制振ダンパー機構及び立体駐車塔 - Google Patents

鉄骨構造物の制振ダンパー機構及び立体駐車塔 Download PDF

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Description

本発明は、立体駐車塔等の鉄骨構造物における制振ダンパー機構と、それを備えた立体駐車塔に関する。
従来、鉄骨構造物としては、倉庫や塔状鉄骨構造体の内部に機械式駐車装置を組み込んで設置する立体駐車塔等がある。この鉄骨構造物として、以下の説明では立体駐車塔を例に説明する。立体駐車塔は、一般の建物(ビル)とは異なり、胴縁及び外装板程度の鉛直荷重しかかからないので、地震や風雨・ビル風の風圧などによる横方向の外力に耐えるべく、一般的にH形鋼等の鉄骨材の柱が鉛直方向に設けられ、この柱の間をH形鋼等の鉄骨材の梁で水平方向に連結されて骨格が形成されている。
そして、各梁と柱とで形成される架構面領域内に斜めのブレースを配設することで、地震・風などの横からの力に対してブレースの引張力により立体駐車塔が変形するのを防止している。このブレースは、一般的に、柱と梁の間に「ハ」の字に組合わされた2本のブレースが設けられ、各端部は柱と梁の接合部にガセットプレートを介し結合されている。
図9は、従来のブレースと梁との連結部を示す正面図であり、図10は、図9に示すX−X矢視断面図である。例えば、ウエブ部101が水平状に配置されて使用される梁102とガセットプレート105との上端合流部104(梁側合流部)は、その梁102のウエブ部101の下面幅方向中心に上記ガセットプレート105が溶接等で固着され、そのガセットプレート105の両面と梁102のフランジ部103との間に直角配置の補強板106が一体的に固着されている。そして、図10に示すように、ブレース107は、端部がエンドプレートで塞がれたパイプ状ブレース本体108の切込みに基部が挿入されて固着されたブレース取付板109が、上記ガセットプレート105とボルト110で固定されている。
一方、上記上端合流部のガセットプレートと梁との間にダンパーを組み込んで、耐震性向上を図ろうとしたものがある。例えば、柱と梁で形成される架構面内でせん断力を受ける低降伏応力度鋼部材を介して梁とブレースとを連結し、この低降伏応力度鋼部材の塑性変形によって地震や強風時のエネルギを吸収しようとする制振構造体がある(例えば、特許文献1参照)。
また、他の従来技術として、せん断パネル型ダンパーであるダンパーウエブを構造物の梁に重ねて固定し、このダンパーウエブにガセットプレートを固定することにより、構造物に作用する横力を、ガセットプレートと梁との間に組み込んだダンパーウエブのせん断塑性変形によってエネルギ吸収しようとしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
特許第3016634号公報 特開2007−100404号公報
ところで、上記特許文献1,2に示されている制振ダンパー機構は、何れも下端が面状となった梁の下面から下方に向けて設けられている。そのため、上記図9に示すように梁102のウエブ部101が水平配置の構成で上記特許文献1,2の構造を適用するには、以下のようにする必要がある。
すなわち、上記特許文献1の制振構造体を上記図9,10に示す構成に適用しようとした場合、図11のブレースと梁との連結部を示す正面図、及び図12に示す図11のXII−XII矢視断面図に示すような構造とする必要がある。即ち、特許文献2の図1に示された構造を適用する場合、梁102のフランジ部103の下面に取付ベース111を設け、この取付ベース111とフランジ部103とウエブ部101との間を補強材112で補強し、上記取付ベース111の下面に、上下に設けられたフランジ部113の間をウエブ部114と板状部115とで連結した吸振構造体116、及び結合部材117を設けると共に、これら吸振構造体116及び結合部材117との下面に支持部材118を設け、この支持部材118に接手部材119を介してブレース120を取付けることとなる。そのため、吸振構造体116及び結合部材117と支持部材118とが梁102の下方に大きく突出することになり、その強度低下を補うために支持部材118を、図12に示すように大きくせざるを得なくなる。
しかし、この支持部材118を大きくすると、この支持部材118が柱と梁102の間の限られた架構面領域内に収まらなくなり、その架構面領域内に支持部材118がはみ出ることになる。そのため、この支持部材118が架構面領域の外方に配設される胴縁や外装板、内方に配設される棚柱やガイド柱などのレイアウトに支障を来し、これらの新たな設計等に多大な時間と費用を要することになる。しかも、これら胴縁や外装板等の取付作業にも支障を来す場合もある。
また、上記特許文献2に記載された構成を上記図9,10に示す構成に適用しようとした場合も、ブレース107の支持部材が架構面領域を大きく占めるため、新たなブレースの設計やダンパーウエブ等の構成に関する設計等が必要となり、多大な時間と労力を要することになる。
そこで、本発明は、鉄骨構造物に対する大きな設計変更を伴うことなく耐震化できる制振ダンパー機構と、それを備えた立体駐車塔を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る鉄骨構造物の制振ダンパー機構は、ウエブ部とフランジ部とを有する鉄骨材で鉄骨構造物を形成し、該鉄骨材で形成される架構面領域に傾斜配置のブレースを設けた鉄骨構造物の制振ダンパー機構であって、前記鉄骨材は、前記ブレースとの連結部側に前記フランジ部の開放部を有し、前記ブレースは、該開放部で、所定の外力で変形するダンパー構造体を介在させたガセットプレートを介して前記鉄骨材と連結されていることを特徴とする。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「ダンパー構造体」は、鉄骨材とブレースとの間で変形して外力のエネルギを吸収する構造体をいう。これにより、鉄骨材のフランジ部の開放部とブレースとの間でダンパー構造体が変形することによって外力のエネルギを吸収することができる耐震化した鉄骨構造物を構成することができる。
また、前記ダンパー構造体は、前記ガセットプレートの端部両面と前記フランジ部の内面との間で対向する少なくとも1組のダンパー構造体を具備していてもよい。このようにすれば、ガセットプレートの両面に具備したダンパー構造体によって外力を吸収することができる。
さらに、前記各ダンパー構造体は、前記ウエブ部と直交する方向に開口して外面を前記ガセットプレートとフランジ部とに固着する筒材と、該筒材の開口を塞ぐように固着するせん断変形板とを具備していてもよい。このようにすれば、筒体とその内部に設けられたせん断変形板が塑性変形して外力によるせん断力を吸収し、鉄骨材とブレースとの間で外力のエネルギを吸収することができる。
また、前記ガセットプレートの端部と前記フランジ部との連結を、前記ダンパー構造体と前記フランジ部との間にスペーサを配置し、該フランジ部とスペーサ及びダンパー構造体とを一体的にボルト締結してもよい。このようにすれば、ガセットプレートは、鉄骨材の開放部の凹所であるフランジ部間に内包されて適宜スペーサを介して拘束され、このガセットプレートと鉄骨材との間に設けられたダンパー構造体によって耐震化改造とすることができる。
さらに、前記鉄骨材は、鉛直方向に配置した柱と水平方向に配置した梁とを有し、前記ブレースは、前記架構面領域の1面に、一端が前記梁の中央部に位置し、他端が該梁と前記柱との連結部側に位置する傾斜配置の2本を有し、該2本のブレースの梁側合流部を、前記ガセットプレートに固定して前記梁に連結するようにしてもよい。このようにすれば、傾斜配置の2本のブレースによって架構面領域をトラス構造として構造強度を上げ、そのトラスの梁側合流部で制振機能を発揮するようにできる。
その上、前記ブレースの梁側合流部における軸心延長線の交点を、該梁のウエブ部の前記柱間中央部に位置するように配置してもよい。このようにすれば、上記ガセットプレートの曲げモーメントが小さくなり、外力のエネルギを曲げによらずダンパー構造体のせん断抵抗によって吸収することができる。
一方、本発明に係る立体駐車塔は、上記いずれかの鉄骨構造物の制振ダンパー機構を備えた立体駐車塔であって、前記立体駐車塔を、柱と梁とを組合わせた鉄骨材で形成し、該柱と梁とで形成される架構面領域に前記制振ダンパー機構を具備させたことを特徴とする。これにより、立体駐車塔を形成する柱と梁とによって形成される架構面領域の制振ダンパー機構によって外力を吸収することができる立体駐車塔を構成することができる。
また、前記制振ダンパー機構を、前記架構面領域の使用対象部位に応じた制振力に調整してもよい。このようにすれば、立体駐車塔の各架構面領域において作用する外力のエネルギに適した制振力で吸収することができるので、鉄骨構造物の全体で大きな外力に対する耐力を発揮することができる。
本発明は、以上説明したような手段により、鉄骨構造物に作用する外力のエネルギを吸収して鉄骨構造物の耐震化を図れると共に、耐震化した立体駐車塔を容易に構成することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る制振ダンパー機構を組み込んで設置した機械式駐車装置の立体駐車塔を示す全体正面図であり、図2は、図1に示すII−II矢視側面図、図3は、図1に示すIII−III矢視拡大平面図である。この実施の形態では、内部に機械式駐車装置が設けられる立体駐車塔を例にしており、エレベータ式駐車装置における立体駐車塔の外装板を除外した状態で示している。また、以下の実施の形態では、鉄骨材としてH形鋼の柱と梁とを例に説明する。
図1,2に示すように、エレベータ式駐車装置の立体駐車塔1(鉄骨構造物)は、鉛直方向に設けられた柱2と水平方向に設けられた梁3との鉄骨材によって形成されている。この立体駐車塔1の外面には、外装板5が設けられる(図3)。上記柱2と梁3とが鉄骨材であり、これらの間に架構面領域50(梁3の間の柱2間に形成される領域)が形成されている。上記柱2の内側には棚柱6が設けられており、この棚柱6から突設された棚受具9(図3)に水平方向の棚レール7が設けられている。この棚レール7が設けられた位置が、車両Mを搭載するパレット10の格納位置である複数段の駐車棚8となっている。この駐車棚8の間には、駐車棚8の間の昇降路12(図1)を昇降するエレベータ11が設けられており、このエレベータ11と駐車棚8との間で上記パレット10が移載(格納又は受取り)される。
エレベータ11は、上部の梁3に設けられたプーリ13を介して昇降駆動部14の駆動シーブ15に巻かれた昇降用ワイヤロープ16によって昇降させられるようになっており、この昇降用ワイヤロープ16の他端には、エレベータ11の巻上げ力を軽減させるカウンタウエイト17が吊下げられている。また、図3に示すように、エレベータ11は、昇降フレーム18が鉛直方向に設けられたガイド柱19にガイドされて昇降するようになっている。
さらに、図1,3に示すように、地上床20に通じる乗り入れ部21には入出庫口22が設けられ、その側方に運転盤23が設けられている。さらに、上記昇降路12の最下部には、上記エレベータ11が乗り入れ部21に位置する時の空間となるピット24が形成されている。
そして、図1,2に示すように、上記柱2と梁3とによって形成された架構面領域50に、ブレース40が設けられている。このブレース40は、柱2と梁3との連結部に下端が位置し、梁3の幅方向中央部に上端が位置するように傾斜配置されている。この例では、一部の架構面領域50(入出庫口22位置、最上部位置等)を除く各架構面領域50に、梁3の中央部と、柱2と梁3とが連結された角部との間に2本のブレース40が傾斜配置されている。このブレース40の上端と梁3との連結部に、後述するダンパー構造体36を具備する制振ダンパー機構35が備えられている。
また、図3に示すように、各梁3の角部には、火打ち梁25が設けられており、水平力に対する耐力向上を図っている。さらに、この実施の形態では、上記エレベータ11にパレット移載兼旋回装置26が設けられている。このパレット移載兼旋回装置26は、パレット10をエレベータ11上で旋回させる機能と、パレット10をエレベータ11と駐車棚8との間で移載する機能とを兼ね備えている。
図4は、図1に示すIV部拡大正面図であり、図5は、図4に示すV−V矢視底面図、図6は、図4に示すVI−VI矢視拡大縦断面図、図7は、制振ダンパー機構付きガセットプレートの斜視図である。図4は、本発明の要部を示しており、一部を断面で示している。これらの図に基いて、梁3の下部に連結されたブレース40の制振ダンパー機構35を説明する。また、これらの図では、図6に示す方向を上下・左右方向として説明する。
図4,6に示すように、この実施の形態では鉄骨材の梁3にH形鋼が用いられており、ウエブ部31を水平状にして設けられている。そして、このウエブ部31から下方に向けて突出するフランジ部32の開放部33に上記制振ダンパー機構35が備えられている。この制振ダンパー機構35は、ダンパー構造体36を具備したガセットプレート34によって上記ブレース40の上部と梁3とを連結したものである。この例では、鉛直配置のガセットプレート34の左面と右面とにダンパー構造体36が設けられている。
図6,7に示すように、この実施の形態のダンパー構造体36は、上下方向に貫通する角パイプ材37と、この角パイプ材37の上部開口を塞ぐように固着されたせん断変形板38とを有している。このダンパー構造体36は、角パイプ材37の内側面がガセットプレート34に溶接等で一体的に固着されている。角パイプ材37は、ガセットプレート34の上端から僅かに下方にずれた位置から下方に設けられており、図6に示すように、ガセットプレート34の上端をフランジ部32の開放部33に挿入してウエブ部31に近接させた状態で、角部アール部分に掛らない位置からフランジ部32の下端と一致する長さに設定されている。この角パイプ材37の外側面には取付穴39が設けられており、この外側面とフランジ部32との間に所定厚のスペーサ48を挿入した状態で、上記せん断変形板38の下方で上記フランジ部32に高力ボルト45で固定される。
また、この実施の形態では、長方形状断面の角パイプ材37を用い、長手方向がガセットプレート34及びフランジ部32に接するようにしている。この角パイプ材37の断面形状としては、正方形状、多角形状、長円形状等、構造設計に応じた強度を有する形状であればよく、この実施の形態に限定されるものではない。
さらに、図5,7に示すように、この実施の形態では、ダンパー構造体36がガセットプレート34の両面に4組設けられている。これらのダンパー構造体36は、ガセットプレート34の両面で対向するように、ガセットプレート34の水平方向にほぼ等間隔で設けられている。
また、ダンパー構造体36が固定される部分の梁3には、上方向のフランジ部32の間に補強リブ46が固着されており、ダンパー構造体36から梁3に作用する荷重を受けるようにしている。
さらに、図9に示すように、上記ガセットプレート34の下方に突出する部分には、傾斜配置のブレース40の上端が固定されている。この実施の形態のブレース40は、パイプ状ブレース本体41の端部がエンドプレート42で塞がれ、その中央部に所定長さの切込み43が設けられ、この切込み43にブレース取付板44の基部が挿入されて固着されたものである。このブレース取付板44の先端部が、上記ガセットプレート34に高力ボルト45で固定される。
また、この実施の形態では、上記各架構面領域50に2本のブレース40が設けられており、それらのブレース40の軸心延長線Lの交点Cが上記梁3の柱間中央部のウエブ部31の位置となるようにしている。この2本のブレース40の軸心延長線Lの交点Cを梁3の水平状ウエブ部31の中央に位置させることにより、上記制振ダンパー機構35付きのガセットプレート34の曲げモーメントが小さくなり、外力のエネルギーを曲げによらずダンパー構造体36(角パイプ材37+せん断変形板38)のせん断抵抗によって吸収できるようにしている。
このように、立体駐車塔1を形成する鉄骨材である水平配置の梁3のウエブ部31から下方に延びるフランジ部32の開放部33である凹所に、ブレース40の上端合流部(梁側合流部)を固定するガセットプレート34にダンパー構造体36を具備した制振ダンパー機構35が備えられている。
図8(a),(b) は、図7に示すダンパー構造体の組合わせ例を示す模式図である。上記図4〜7に示すダンパー構造体36は、4組全てのダンパー構造体36の角パイプ材37にせん断変形板38を設けた例を示しているが、各ダンパー構造体36の形状や組数は、立体駐車塔1の使用対象部位における構造設計で決められ、一律とは限らない。すなわち、立体駐車塔1(鉄骨構造物)は、使用条件や構造等によって梁3の大きさや形状寸法、材質等が異なるので、ダンパー構造体36は、その立体駐車塔1の使用対象部位(上位・中位・下位)における梁3の大きさや形状寸法、材質等に応じて大きさや組数の増減の調整を行って制振力を調整してもよい。
例えば、立体駐車塔1の上位・中位・下位に設けられるダンパー構造体36の組数を上記図5と全て同一にし、図8(a) に示すように、上位の対象部位では適宜数の組でせん断変形板38を設けないようにして調整してもよい(図示する両端部はせん断変形板38無し)。また、図8(b) に示すように、ダンパー構造体36の組数を、上位は少なくし、下位は多くするようにしてもよい。このような調整は、構造設計に応じて適宜決定すればよい。
一方、大きな大地震で、ブレース40の座屈耐力がせん断変形板38の耐力を上まわった場合には、せん断変形板38が破壊されてブレース40等の架構構造体(架構面領域50における構造体)全体が破損することになり、この事態に至っては大掛かりな復旧工事が必要となる。
そこで、上記図5に二点鎖線で示すように、ガセットプレート34の配置位置から適宜所定距離の位置のフランジ部32の開放部33にストッパ47を固設するようにしてもよい。このストッパ47を設けておけば、ブレース40等の架構構造体の全体が破損することに至ったとしても、ダンパー構造体36含むガセットプレート34をある程度の変位で抑えることができるので、破損したブレース40等の架構構造体が梁3から脱落するのを回避することができる。
以上のように構成された制振ダンパー機構35を備えた立体駐車塔1によれば、この立体駐車塔1内に設置される機械式駐車装置(上記エレベータ11等の装置部分)の駆動、立体駐車塔1の外装板5に受ける軽い風圧(ビル風など)、及び中地震程度では、ブレース40の歪みが許容座屈応力以下となり、ブレース40を含む架構構造体の弾性変形域内で抵抗して外力エネルギを受けることができる。
一方、台風時の風雨などによる強い風圧や大地震では、ブレース40の許容座屈応力を超えたとしても、ダンパー構造体36の角パイプ材37及びせん断変形板38の塑性変形によって、大きな外力エネルギを吸収することができるダンパー機能を発揮することができる。
また、上記実施の形態では、各ダンパー構造体36は、ガセットプレート34を挟んで両面1組となったものを配列するようにしているので、対象とする梁3(鉄骨材)の大きさ形状等に合わせて製作すれば、梁3の左右幅寸法内に収めることができ(内包)、梁3から突出することが無いことによってブレース40の長さは従来設計通りとすることができる。
さらに、このブレース40の長さを設計通りとすることができることにより、既設の立体駐車塔1におけるガセットプレート34を、上記制振ダンパー機構35を備えたガセットプレート34に交換することによって、既設の立体駐車塔1(鉄骨構造物)においても耐震化改造を容易に行うことができる。
また、上記したように架構構造体の全体が破損することなく、せん断変形板38のみの破損で留まれば、ダンパー構造体36を含むガセットプレート34を一式で交換することで、この部位の復旧を簡単に行うことができる。
しかも、上記実施の形態のように、2本のブレース40の軸心延長線Lの交点Cを、梁3の水平状ウエブ部31の中央に位置するように配置することにより、上記制振ダンパー機構35付きのガセットプレート34の曲げモーメントが小さくなり、外力のエネルギを曲げによらずダンパー構造体36(角パイプ材37+せん断変形板38)のせん断抵抗によって吸収できる。
なお、上記実施の形態では、本発明を適用する鉄骨構造物の一例として、内部に機械式駐車装置を組み込む立体駐車塔1を例にしているが、立体倉庫や一般建物の鉄骨構造物にも適用でき、上記実施の形態に限定されるものではない。
また、上記実施の形態では、ウエブ部31が水平配置の梁3を適用対象として説明したが、ウエブ部31が鉛直配置の梁3も部位によっては適用可能(ブレースは水平面領域に配設となる)であり、梁3の配置形態や、上記鉄骨構造物の適用対象は、上記実施の形態に限定されるものではない。
さらに、上述した実施の形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。
本発明に係る制振ダンパー機構は、立体駐車塔のように、柱と梁を含む鉄骨材で形成された鉄骨構造物を耐震化させるために利用できる。
本発明の一実施の形態に係る制振ダンパー機構を組み込んで設置した機械式駐車装置の立体駐車塔を示す全体正面図である。 図1に示すII−II矢視側面図である。 図1に示すIII−III矢視拡大平面図である。 図1に示すIV部拡大正面図である。 図4に示すV−V矢視底面図である。 図4に示すVI−VI矢視拡大縦断面図である。 制振ダンパー機構付きガセットプレートの斜視図である。 (a),(b) は、図7に示すダンパー構造体の組合わせ例を示す模式図である。 従来のブレースと梁との連結部を示す正面図である。 図9に示すX−X矢視断面図である。 従来のブレースと梁との連結部を示す正面図である。 図11に示すXII−XII矢視断面図である。
符号の説明
1 立体駐車塔(鉄骨構造物)
2 柱(鉄骨材)
3 梁(鉄骨材)
10 パレット
11 エレベータ
21 乗り入れ部
22 入出庫口
25 火打梁
31 ウエブ部
32 フランジ部
33 開放部
34 ガセットプレート
35 制振ダンパー機構
36 ダンパー構造体
37 角パイプ材(筒材)
38 せん断変形板
40 ブレース
41 パイプ状ブレース本体
42 エンドプレート
43 切込み
44 ブレース取付板
45 高力ボルト
47 ストッパ
50 架構面領域
C 交点
L 軸心延長線

Claims (8)

  1. ウエブ部とフランジ部とを有する鉄骨材で鉄骨構造物を形成し、該鉄骨材で形成される架構面領域に傾斜配置のブレースを設けた鉄骨構造物の制振ダンパー機構であって、
    前記鉄骨材は、前記ブレースとの連結部側に前記フランジ部の開放部を有し、
    前記ブレースは、該開放部で、所定の外力で変形するダンパー構造体を介在させたガセットプレートを介して前記鉄骨材と連結されていることを特徴とする鉄骨構造物の制振ダンパー機構。
  2. 前記ダンパー構造体は、前記ガセットプレートの端部両面と前記フランジ部の内面との間で対向する少なくとも1組のダンパー構造体を具備している請求項1に記載の鉄骨構造物の制振ダンパー機構。
  3. 前記各ダンパー構造体は、前記ウエブ部と直交する方向に開口して外面を前記ガセットプレートとフランジ部とに固着する筒材と、該筒材の開口を塞ぐように固着するせん断変形板とを具備している請求項1又は請求項2に記載の鉄骨構造物の制振ダンパー機構。
  4. 前記ガセットプレートの端部と前記フランジ部との連結を、
    前記ダンパー構造体と前記フランジ部との間にスペーサを配置し、該フランジ部とスペーサ及びダンパー構造体とを一体的にボルト締結した請求項2又は請求項3に記載の鉄骨構造物の制振ダンパー機構。
  5. 前記鉄骨材は、鉛直方向に配置した柱と水平方向に配置した梁とを有し、
    前記ブレースは、前記架構面領域の1面に、一端が前記梁の中央部に位置し、他端が該梁と前記柱との連結部側に位置する傾斜配置の2本を有し、
    該2本のブレースの梁側合流部を、前記ガセットプレートに固定して前記梁に連結するようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の鉄骨構造物の制振ダンパー機構。
  6. 前記ブレースの梁側合流部における軸心延長線の交点を、該梁のウエブ部の前記柱間中央部に位置するように配置した請求項5に記載の鉄骨構造物の制振ダンパー機構。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の鉄骨構造物の制振ダンパー機構を備えた立体駐車塔であって、
    前記立体駐車塔を、柱と梁とを組合わせた鉄骨材で形成し、該柱と梁とで形成される架構面領域に前記制振ダンパー機構を具備させたことを特徴とする立体駐車塔。
  8. 前記制振ダンパー機構を、前記架構面領域の使用対象部位に応じた制振力に調整した請求項7に記載の立体駐車塔。
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