JP5367823B2 - 通信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、通信装置に係り、さらに詳しくは、伝送媒体を介して接続された相手先機器と半二重方式で通信し、アダプティブイコライザを用いて伝送媒体上のストリーム信号について波形調整を行う通信装置の改良に関する。
監視カメラなどの入力装置と、録画機器やモニター装置などの出力装置との間で画像データや制御データの送受信を同軸ケーブルで互いに接続された通信装置に中継させる通信システムがある。この様な通信システムにおいて、同軸ケーブルなどの伝送媒体による伝送距離が長くなると、減衰特性が劣化し、信号が伝送距離に応じて減衰するだけでなく、データビットの遷移時間が長くなって信号波形が崩れてしまうということが従来から知られている。
そこで、相手先機器から同軸ケーブルを介して入力される信号をアダプティブイコライザに波形調整を行わせることにより、通信品質を低下させることなく伝送距離を長くする技術が提案されている(例えば、特許文献1)。アダプティブイコライザは、信号状態に応じて周波数成分ごとのゲインを自動調整する適応型のイコライザであり、伝送媒体上の信号についてデータビットの遷移時間を測定し、その測定結果に基づいてゲインが調整される。しかしながら、この様なアダプティブイコライザを備えた通信装置では、送信状態から受信状態への切り替え後、アダプティブイコライザにおける波形調整のためのフィードバック動作が安定するまでに受信したデータを誤認識してしまうという問題があった。
特開2008−135947号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、伝送媒体を介して接続された相手先機器と半二重方式で通信する際の通信品質を低下させることなく伝送距離を長くすることができ、送信状態から受信状態への切り替え後に受信データを誤認識するのを抑制することができる通信装置を提供することを目的とする。
第1の本発明による通信装置は、伝送媒体を介して接続された相手先機器と送信フェーズ及び受信フェーズを交互に切り替えながら半二重方式で通信する通信装置であって、送信バッファに蓄積された送信データに基づいて連続するデータビットからなるデータストリーム信号を生成し、上記伝送媒体を介して上記相手先機器へ送信する送信手段と、データビットの遷移時間に基づいて、上記伝送媒体上のストリーム信号について波形調整を行うアダプティブイコライザと、波形調整後のストリーム信号から受信データを抽出する受信手段とを備え、上記送信手段が、プリアンブルストリーム信号を生成するプリアンブルストリーム信号生成手段を有し、データストリーム信号の送信フェーズでは、上記送信手段が、上記プリアンブルストリーム信号を送信してから上記データストリーム信号の送信を開始し、データストリーム信号の受信フェーズでは、上記アダプティブイコライザが、上記相手先機器から入力される上記プリアンブルストリーム信号及び上記データストリーム信号について波形調整を行い、上記受信手段が、上記アダプティブイコライザを介して入力されるデータストリーム信号から受信データを抽出し、上記アダプティブイコライザが、上記相手先機器からのストリーム信号が入力される可変型イコライザと、上記可変型イコライザの出力が入力される遷移時間測定器と、上記遷移時間測定器による遷移時間の測定結果に基づいて上記可変型イコライザを制御する積分器とからなり、上記プリアンブルストリーム信号生成手段が、上記可変型イコライザの出力の一部を上記遷移時間測定器及び上記積分器で順に処理させて当該可変型イコライザに帰還させる制御ループに対応する時間長のプリアンブルストリーム信号として、上記積分器の時定数よりも時間長の長いプリアンブルストリーム信号を生成し、上記送信手段が、送信フェーズに切り替えられるごとに、プリアンブルストリーム信号を送信するように構成される。
この通信装置では、プリアンブルストリーム信号を送信してからデータストリーム信号の送信を開始するので、プリアンブルストリーム信号によって相手先機器のアダプティブイコライザのフィードバック動作を安定させてからデータストリーム信号を当該アダプティブイコライザに入力することができる。この様な構成によれば、プリアンブルストリーム信号によってアダプティブイコライザのフィードバック動作を安定させてからデータストリーム信号が入力されるので、送信フェーズから受信フェーズへの切り替え後にストリーム信号から受信データを抽出する際の誤認識を抑制することができる。また、アダプティブイコライザの制御ループに対応する時間長のプリアンブルストリーム信号が生成されるので、アダプティブイコライザの制御ループからなるフィードバック動作を十分に安定させることができる。
第2の本発明による通信装置は、上記構成に加え、上記プリアンブルストリーム信号生成手段が、最初の送信フェーズでは、上記積分器の時定数よりも時間長の長いプリアンブルストリーム信号を生成し、その後の送信フェーズでは、上記時定数よりも時間長の短いプリアンブルストリーム信号を生成するように構成される。
第3の本発明による通信装置は、上記構成に加え、上記伝送媒体を介して上記相手先機器へ順次に送信されるプリアンブルストリーム信号及びデータストリーム信号がいずれも上記アダプティブイコライザに入力され、これらのストリーム信号の送信中にも当該アダプティブイコライザが波形調整を行うように構成される。
この様な構成によれば、伝送媒体を介して相手先機器へ順次に送信されるプリアンブルストリーム信号及びデータストリーム信号が自局のアダプティブイコライザに入力され、波形調整を行わせるので、これらのストリーム信号によって当該アダプティブイコライザのフィードバック動作を安定させておくことができる。従って、相手先機器よりも前にデータストリーム信号の送信を開始する場合に当該データストリーム信号に付加するプリアンブルストリーム信号に比べて、相手先機器からのデータストリーム信号を受信した後にデータストリーム信号を送信する場合に当該データストリーム信号に付加するプリアンブルストリーム信号の時間長を短くすることができる。つまり、プリアンブルストリーム信号及びデータストリーム信号の送信によって自局のアダプティブイコライザのフィードバック動作が安定するので、相手先機器からのデータストリーム信号を受信した後にデータストリーム信号を送信する場合には、データストリーム信号に付加するプリアンブルストリーム信号の時間長を短くしても、相手先機器のアダプティブイコライザのフィードバック動作を十分に安定させることができる。
第4の本発明による通信装置は、上記構成に加え、上記送信手段が、上記送信バッファ内に送信データが蓄積されていない場合であっても、プリアンブルストリーム信号を上記相手先機器へ送信するように構成される。
第5の本発明による通信装置は、上記構成に加え、上記送信手段が、上記送信バッファのデータ蓄積量に基づいて、フロー制御ストリーム信号を上記データストリーム信号に付加して上記相手先機器へ送信する一方、上記相手先機器から受信したデータストリーム信号にフロー制御ストリーム信号が付加されているか否かに応じて、データ送信量を制御するように構成される。
本発明による通信装置によれば、プリアンブルストリーム信号によってアダプティブイコライザのフィードバック動作を安定させてからデータストリーム信号が入力されるので、送信フェーズから受信フェーズへの切り替え後にストリーム信号から受信データを抽出する際の誤認識を抑制することができる。従って、伝送媒体を介して接続された相手先機器と半二重方式で通信する際の通信品質を低下させることなく伝送距離を長くすることができ、送信状態から受信状態への切り替え後に受信データを誤認識するのを抑制することができる。
本発明の実施の形態による通信装置を含む通信システムの一構成例を示したシステム図であり、通信システムの一例として監視システム100が示されている。 図1の通信装置20a,20bの一構成例を示したブロック図である。 図2の通信装置20a,20bにおけるアダプティブイコライザ25の一構成例を示した図である。 図1の監視システム100における送受信動作の一例を示した図であり、送信データなしの期間と一定レベル以下のデータ蓄積がある場合とが示されている。 図1の監視システム100における送受信動作の一例を示した図であり、送信バッファ23に一定レベルを越えるデータ蓄積がある場合が示されている。 図1の監視システム100における通信装置20a,20b間の送受信動作の一例を示したタイミングチャートである。 図2の通信装置20a,20bにおける送信動作の一例を示した図であり、同軸ケーブル30を介して相手先機器に送信されるストリーム信号が示されている。 図2の通信装置20a,20bにおける送受信時の動作の一例を示したフローチャートである。 本発明の他の実施の形態による通信装置の送受信動作の一例を示した図であり、送信中のストリーム信号をイコライザ25に入力しない場合が示されている。 本発明の他の実施の形態による通信装置の送受信動作の一例を示した図であり、無データ期間にはストリーム信号を送信しない場合が示されている。 本発明の他の実施の形態による通信装置の送受信動作の他の一例を示した図である。
<監視システム>
図1は、本発明の実施の形態による通信装置を含む通信システムの一構成例を示したシステム図であり、通信システムの一例として監視システム100が示されている。監視システム100は、物理的に離れた機器間のデータ送受信を通信装置20a,20bに中継させる通信システムであり、伝送媒体を介して互いに接続された通信装置20a及び20b間において画像データや制御データが半二重方式で送受信される。
この監視システム100では、通信装置20a,20bが同軸ケーブル30を介して接続されている。一方の通信装置20aには、カメラ11がLAN(ローカルエリアネットワーク)12を介して接続され、他方の通信装置20bには、モニター装置13及び録画機器14がLAN12を介して接続されている。
カメラ11は、建物の壁や天井などに設置され、設置場所周辺の監視エリアを撮影して画像データを生成する撮像装置である。カメラ11によって生成された画像データは、LAN12を介して通信装置20aにシリアル伝送される。
カメラ11が接続された通信装置20aは、モニター装置13及び録画機器14が接続された通信装置20bと1本の同軸ケーブル30を介して半二重方式で双方向通信を行い、画像データやカメラ11を制御するための制御データがシリアル伝送される。モニター装置13は、カメラ11からの画像データに基づいて監視映像を画面表示する表示装置である。録画機器14は、カメラ11からの画像データをHDDなどに記録する記録装置である。
この様にして、通信装置20a,20bは、カメラ11などの入力装置やモニター装置13などの出力装置がLAN12を介して接続され、同軸ケーブル30を介して接続された相手先機器と画像データや制御データなどを送受信する。画像データや制御データは、連続するデータビットからなるデータストリーム信号として同軸ケーブル30上を送受信される。通信装置20a,20bは、データストリーム信号の送受信を相手先機器との間で交互に繰り返すことにより、半二重通信を行っている。
<通信装置>
図2は、図1の通信装置20a,20bの一構成例を示したブロック図である。この通信装置20a,20bは、LANI/F21、バッファ制御部22、送信バッファ23、送信部24、アダプティブイコライザ25及び受信部26により構成される。LANI/F21は、LAN12に接続され、LAN12上の他の機器と通信するための通信制御部である。
バッファ制御部22は、送信バッファ23を用いて送信データをバッファリングする動作を行っている。具体的には、LANI/F21を介して他の機器から順次に入力される送信データを送信バッファ23に書き込み、同軸ケーブル30を介して行われるデータ送受信の転送レートや送受信状態に応じて送信バッファ23から送信データを読み出して送信部24へ出力する。送信バッファ23は、FIFO(先入れ先出し)方式で送信データを一時的に保持する記憶装置である。
送信部24は、データストリーム信号生成部24a、プリアンブルストリーム信号生成部24b及び送信制御部24cからなるトランスミッターであり、同軸ケーブル30を介して相手先機器へ送信データからなるデータストリーム信号やプリアンブルストリーム信号を送信する。
データストリーム信号生成部24aは、バッファ制御部22により送信バッファ23から読み出された送信データに基づいて、連続するデータビットからなるデータストリーム信号を生成し、送信制御部24cへ出力する動作を行っている。上記データストリーム信号は、「0」又は「1」を示す複数のデータビットの配列によって構成されるビットストリーム信号である。
プリアンブルストリーム信号生成部24bは、所定のビット配列からなるプリアンブルストリーム信号を生成し、送信制御部24cへ出力する動作を行っている。このプリアンブルストリーム信号は、アダプティブイコライザ25の応答特性に基づいて生成され、例えば、アダプティブイコライザ25の応答時間に対応する時間長のビットストリーム信号によって構成される。
送信制御部24cは、データストリーム信号を送信する場合に、プリアンブルストリーム信号を送信してからデータストリーム信号の送信を開始し、ストリーム信号の送信終了後に、受信部26に対して受信データの抽出を指示する動作を行っている。ここでは、送信制御部24cが、同軸ケーブル30の信号線を駆動することによって、送信データがデジタルベースバンド伝送方式で伝送されるものとする。
アダプティブイコライザ25は、同軸ケーブル30上のストリーム信号について波形調整を行い、波形調整後のストリーム信号を受信部26へ出力する適応型のケーブルイコライザである。ストリーム信号の波形調整は、データビットの遷移時間に基づいて行われる。アダプティブイコライザ25により、同軸ケーブル30の伝送ロス、送信部24の出力波形の歪み、信号線と受信部26とのマッチングによって減衰したストリーム信号の高周波成分が増幅され、送信時の信号波形を再現することができる。
このアダプティブイコライザ25では、同軸ケーブル30を介して相手先機器から入力されるプリアンブルストリーム信号及びデータストリーム信号について波形調整が行われる。つまり、データ受信時には、プリアンブルストリーム信号によってアダプティブイコライザ25における波形調整のためのフィードバック動作を安定させてから、データストリーム信号が当該アダプティブイコライザ25に入力される。
また、同軸ケーブル30を介して相手先機器に順次に送信されるプリアンブルストリーム信号及びデータストリーム信号は、いずれも自局のアダプティブイコライザ25に入力され、これらのストリーム信号の送信中にも当該アダプティブイコライザ25が波形調整を行う。つまり、自局のアダプティブイコライザ25は、次のデータ受信に備えて、データ送信時にもプリアンブルストリーム信号及びデータストリーム信号によってフィードバック動作の安定化が図られる。
受信部26は、アダプティブイコライザ25による波形調整後のストリーム信号から受信データを抽出し、LANI/F21へ出力するレシーバーである。受信データのLANI/F21への送出は、送信制御部24cからの抽出指示に基づいて行われる。
送信部24では、相手先機器よりも前にストリーム信号の送信を開始する場合とその他の場合とでストリーム信号に付加するプリアンブルストリーム信号の時間長を異ならせている。具体的には、相手先機器よりも前にストリーム信号の送信を開始する場合に当該ストリーム信号に付加するプリアンブルストリーム信号に比べて、相手先機器からのストリーム信号を受信した後にストリーム信号を送信する場合に当該ストリーム信号に付加するプリアンブルストリーム信号の時間長を短くする動作が行われる。
ここで、通信装置20a,20bは、電源が投入されれば受信状態となり、その後、ランダムなタイミングでストリーム信号の送信を開始する。つまり、電源投入による通信開始後に、同軸ケーブル30を最初に伝送されるビットストリーム信号に付加されるプリアンブルストリーム信号に比べて、2回目以降に伝送されるビットストリーム信号に付加されるプリアンブルストリーム信号は、その時間長が短くなっている。この様に構成することにより、2回目以降の伝送に係るデータ送信に要する時間を短縮することができる。
また、送信部24では、送信バッファ23のデータ蓄積量に基づいて、所定のビット配列からなるフロー制御ストリーム信号をストリーム信号に付加し、相手先機器からのフロー制御ストリーム信号に基づいてデータ送信量を制御する動作が行われる。
フロー制御ストリーム信号は、フロー制御用のダミーデータからなるビットストリーム信号であり、例えば、送信バッファ23のデータ蓄積量がデータ送信時に一定レベル以下である場合に、送信データからなるデータストリーム信号の末尾に付加される。この場合、送信部24では、受信部26により相手先機器からのストリーム信号にフロー制御ストリーム信号が付加されていないことが検知されれば、データ送信量を制限する動作が行われる。
具体的には、相手先機器からのストリーム信号にフロー制御ストリーム信号が付加されていれば、次にデータ送信する際に、送信バッファ23内の全送信データが送信される。一方、相手先機器からのストリーム信号にフロー制御ストリーム信号が付加されていない場合には、送信データの絞り込みが行われる。
この様に構成することにより、送信バッファ23のデータ蓄積量に基づいてフロー制御ストリーム信号をデータストリーム信号に付加するので、相手先機器の送信バッファ23のデータ蓄積量が一定レベルを越えているか否かをフロー制御ストリーム信号の有無によって識別することができる。
また、送信部24では、データ送信時、送信バッファ23内に送信データが蓄積されていなければ、プリアンブルストリーム信号及びフロー制御ストリーム信号のみを相手先機器へ送信する動作が行われる。つまり、この監視システム100では、送信バッファ23内に送信データが存在しない無データ期間であっても、プリアンブルストリーム信号及びフロー制御ストリーム信号からなるビットストリーム信号が同軸ケーブル30を介して送受信される。この様に構成することにより、無データ期間経過後のデータ受信に備えて、アダプティブイコライザ25のフィードバック動作を安定させておくことができる。
<アダプティブイコライザ>
図3は、図2の通信装置20a,20bにおけるアダプティブイコライザ25の一構成例を示した図である。このアダプティブイコライザ25は、信号入力部42、可変型イコライザ43、遷移時間測定器44及び積分器46により構成される。
相手先機器からのストリーム信号は入力端子41に入力され、データビットの遷移時間に基づく波形調整後のストリーム信号は出力端子45から出力される。信号入力部42は、プルアップ抵抗やオペアンプからなり、入力端子41に入力されたストリーム信号を増幅して可変型イコライザ43へ出力する動作を行っている。
可変型イコライザ43は、周波数成分ごとのゲインが変更可能なイコライザであり、微分器43a、ゲイン可変アンプ43b及び加算器43cからなる。入力信号は、分岐点で分岐され、一方はそのまま加算器43cに入力され、他方は微分器43a、ゲイン可変アンプ43bを経て加算器43cに入力される。加算器43cは、これらの信号を加算処理して遷移時間測定器44へ出力する動作を行っている。
遷移時間測定器44は、コンパレータ44a、微分器44b、全波整流器44c及び減算器44dからなり、可変型イコライザ43の出力が入力され、データビットの遷移時間を測定して、遷移時間の測定結果に基づく波形調整後のビットストリーム信号を出力端子45へ出力する動作を行っている。
コンパレータ44aは、加算器43cからの入力信号の信号レベルを所定の閾値と比較し、その比較結果に基づいて所定レベルの信号を生成し、出力端子45へ出力する量子化器である。コンパレータ44aへの入力信号は、微分器44b、全波整流器44cを経て減算器44dに入力される。また、コンパレータ44aの出力信号は、微分器44b、全波整流器44cを経て減算器44dに入力される。減算器44dは、これらの信号を減算処理して積分器46へ出力する動作を行っている。
積分器46は、アンプ46a、抵抗素子46b及びコンデンサー46cからなり、遷移時間測定器44による遷移時間の測定結果に基づいて可変型イコライザ43のゲイン可変アンプ43bを制御し、周波数成分ごとのゲインを調整する動作を行っている。減算器44dからの入力信号は、アンプ46aで増幅され、一端がそれぞれ接地された抵抗素子46b、コンデンサー46cを経てゲイン可変アンプ43bの制御端子へ出力される。
遷移時間の測定結果に基づくゲイン可変アンプ43bの制御により、コンパレータ44aへの入力信号とコンパレータ44aの出力信号との間で遷移時間が一致するようにゲインが調整される。
送信部24のプリアンブルストリーム信号生成部24bでは、積分器46の時定数よりも時間長の長いプリアンブルストリーム信号を生成する動作が行われる。積分器46の時定数は、アダプティブイコライザ25の応答時間を決めるパラメータであり、抵抗素子46bの抵抗値と、コンデンサー46cの容量値とにより決定される。
アダプティブイコライザ25では、可変型イコライザ43の出力の一部を遷移時間測定器44及び積分器46で順に処理させ、可変型イコライザ43に帰還させる制御ループからなるフィードバック動作が行われる。アダプティブイコライザ25における波形調整のためのフィードバック動作とは、この制御ループを用いて可変型イコライザ43が行うゲインの調整動作のことであり、データストリーム信号に先立ってプリアンブルストリーム信号を入力させることにより、制御ループに基づくゲインの調整動作を安定させることができる。
電源投入直後や無データ期間、通常のデータ送信時において、プリアンブルストリーム信号生成部24bにより生成されるプリアンブルストリーム信号には、以下の(1)及び(2)が考えられる。
(1)電源投入後、相手先機器よりも前にストリーム信号の送信を開始する場合には、アダプティブイコライザ25の応答時間に応じた時間長、すなわち、積分器46の時定数よりも長い時間長T1のプリアンブルストリーム信号が生成される。
(2)時間長T1のプリアンブルストリーム信号の送信後、次にプリアンブルストリーム信号を送信する場合、或いは、相手先機器から時間長T1のプリアンブルストリーム信号を受信した後にプリアンブルストリーム信号を送信する場合には、T1よりも短い時間長T2のプリアンブルストリーム信号が生成される。
上記(1)の場合、データストリーム信号やフロー制御ストリーム信号に先立って時間長T1のプリアンブルストリーム信号を送信することにより、相手先機器では、アダプティブイコライザ25のフィードバック動作が安定してからデータストリーム信号やフロー制御ストリーム信号を受信することができる。
無データ期間及び通常の半二重方式によるデータ送信時に送信されるプリアンブルストリーム信号やデータストリーム信号、フロー制御ストリーム信号は、自局のアダプティブイコライザ25にも入力される。つまり、これらのストリーム信号の送信終了時点では、自局のアダプティブイコライザ25のフィードバック動作が十分に安定していることとなる。
このため、プリアンブルストリーム信号やデータストリーム信号の送信終了後、受信動作に切り替えられた際に、受信されるプリアンブルストリーム信号は、その時間長がT1よりも短くて良い。具体的には、ストリーム信号の送信終了後、受信動作に切り替えられてから、相手先機器からのプリアンブルストリーム信号を受信するまでの期間に応じた時間長T2のプリアンブルストリーム信号が生成される。
ここで、上記期間中のコンデンサー46cの放電によって自局のアダプティブイコライザ25のフィードバック動作が不安定となった際に、当該フィードバック動作の安定化に要する時間T3は、積分器46の時定数よりも短い。このため、時間長T2が時間T3よりも十分に長ければ、その様な時間長T2のプリアンブルストリーム信号を受信することにより、自局のアダプティブイコライザ25を安定化させることができる。
この様な観点から、通常の半二重方式によるデータ送受信期間中に、相手先機器よりも前にストリーム信号の送信を開始して時間長T1のプリアンブルストリーム信号を送信した後、次にプリアンブルストリーム信号を送信する場合や、相手先機器から時間長T1のプリアンブルストリーム信号を受信した後にプリアンブルストリーム信号を送信する場合には、時間長T2のプリアンブルストリーム信号が生成される。
また、無データ期間中においても通常のデータ送受信期間中と同様に、相手先機器よりも前にストリーム信号の送信を開始して時間長T1のプリアンブルストリーム信号を送信した後、次にプリアンブルストリーム信号を送信する場合や、相手先機器から時間長T1のプリアンブルストリーム信号を受信した後にプリアンブルストリーム信号を送信する場合には、時間長T2のプリアンブルストリーム信号が生成される。
さらに、本実施の形態では、無データ期間であっても、プリアンブルストリーム信号やフロー制御ストリーム信号が送受信される。つまり、無データ期間中、これらのストリーム信号の送信終了時点では、常に、自局のアダプティブイコライザ25のフィードバック動作が十分に安定していることとなる。
このため、無データ期間を経て半二重方式によるデータ送受信が開始された際、最初に送信されるプリアンブルストリーム信号は、その時間長がT1よりも短くて良い。ここでは、無データ期間の最後にストリーム信号を送信した後、受信動作に切り替えられてから、相手先機器からのプリアンブルストリーム信号を受信するまでの期間に応じた時間長T2のプリアンブルストリーム信号が生成される。
図4及び図5は、図1の監視システム100における送受信動作の一例を模式的に示した説明図であり、半二重方式の通信態様が示されている。図4(a)には、送信データなしの無データ期間が示されている。
通信装置A及びBの送信バッファ23内に送信データが蓄積されていない場合、プリアンブルストリーム信号1,3及びフロー制御ストリーム信号2のみが送受信される。すなわち、通信装置Aは、プリアンブルストリーム信号1を送信した後、フロー制御ストリーム信号2を送信する。通信装置Bは、これらのストリーム信号を受信し、受信終了後、所定のタイミングで送信を開始し、プリアンブルストリーム信号3、フロー制御ストリーム信号2を順次に送信する。無データ期間中は、この様な動作が繰り返される。
この例では、通信装置Aが、通信相手の通信装置Bよりも前にストリーム信号の送信を開始する場合が示されており、最初に送信されるストリーム信号には、2回目以降のストリーム信号に付加されるプリアンブルストリーム信号3よりも時間長の長いプリアンブルストリーム信号1が付加されている。
無データ期間中に電源が投入され、通信装置Aが通信装置Bよりも前にストリーム信号の送信を開始する場合、通信装置Aから最初に送信されるストリーム信号には、アダプティブイコライザ25の応答時間に応じた時間長、すなわち、積分器46の時定数よりも長い時間長T1のプリアンブルストリーム信号1が付加される。
通信装置Aが時間長T1のプリアンブルストリーム信号1の送信後、次にプリアンブルストリーム信号を送信する場合、或いは、通信装置Bが時間長T1のプリアンブルストリーム信号を受信した後にプリアンブルストリーム信号を送信する場合には、相手先機器のアダプティブイコライザ25がストリーム信号の送信によって安定化されているので、T1よりも短い時間長T2のプリアンブルストリーム信号3が付加される。
図4(b)には、送信バッファ23に一定レベル以下のデータ蓄積がある場合が示されている。通信装置A及びBの送信バッファ23に一定レベル以下の送信データが蓄積されている場合には、通常送信モードとして、プリアンブルストリーム信号3、データストリーム信号4及びフロー制御ストリーム信号2が送受信される。すなわち、通信装置Aは、プリアンブルストリーム信号3を送信した後、送信バッファ23内に蓄積された送信データからなるデータストリーム信号4を送信する。そして、送信バッファ23内の全送信データを送信した後、フロー制御ストリーム信号2を送信する。
通信装置Bは、これらのストリーム信号を受信し、受信終了後、所定のタイミングで送信を開始し、プリアンブルストリーム信号3、データストリーム信号4、フロー制御ストリーム信号2を順次に送信する。送信バッファ23のデータ蓄積量が一定レベル以下である期間中は、この様な動作が繰り返される。
この例では、送信バッファ23内に蓄積された送信データがパケット化され、データパケットからなるデータストリーム信号4が送受信されている。1つのデータパケットは、例えば、所定の開始コードと、一定サイズの送信データと、所定の終了コードによって構成され、その様な複数のデータパケットが時系列に送信される。
無データ期間であっても、プリアンブルストリーム信号1,3やフロー制御ストリーム信号2が送受信される。このため、無データ期間を経て半二重方式によるデータ送受信が開始された際に、通信装置Aが最初に送信するプリアンブルストリーム信号3は、その時間長T2がT1よりも短くて良い。
図5には、通信装置Aの送信バッファ23に一定レベルを越えるデータ蓄積がある場合が示されている。通信装置Aの送信バッファ23に一定レベルを越える送信データが蓄積されている場合、通信装置Aは、フロー制御ストリーム信号2を付加せずにプリアンブルストリーム信号3及びデータストリーム信号4のみを送信する。
一方、通信装置Bは、通信装置Aからのストリーム信号を受信した後、データストリーム信号4にフロー制御ストリーム信号2が付加されていないことから通信装置Aのデータ蓄積量が一定レベルを越えていると判断し、データ送信量を制限する。
例えば、自局の送信バッファ23のデータ蓄積量に関わらず、送信データは1パケット分だけ送信する。或いは、送信データを付加せずに、プリアンブルストリーム信号3及びフロー制御ストリーム信号2のみを送信する。一方の通信装置の送信バッファ23のデータ蓄積量が一定レベルを越えている期間中は、この様な動作が繰り返される。
ここでは、通信装置A,Bの送信バッファ23内に送信データが蓄積されていない状態で通信が開始され、最初に送信されるストリーム信号に、その後に送信されるストリーム信号に付加されるプリアンブルストリーム信号3よりも時間長の長いプリアンブルストリーム信号1が付加される場合の例について説明したが、いずれかの通信装置の送信バッファ23に送信データが蓄積されている状態で通信が開始される場合も同様である。すなわち、少なくとも一方の通信装置の送信バッファ23内に送信データが蓄積されている状態で通信が開始される場合、最初に送信されるストリーム信号には、その後に送信されるストリーム信号に付加されるプリアンブルストリーム信号3よりも時間長の長いプリアンブルストリーム信号1が付加される。
図6は、図1の監視システム100における通信装置20a,20b間の送受信動作の一例を示したタイミングチャートであり、各通信装置A,Bの状態遷移の様子が模式的に示されている。通信装置A,Bは、電源が投入されると、受信状態となり、その後、相手先機器からの受信がなければ、所定のタイミングで送信を開始する。この例では、通信装置Aが、通信装置Bよりも前に送信を開始する場合が示されている。
通信装置Aは、まず、プリアンブルストリーム信号(時間長T1)を送信し、その後、所定の送信マーカを送信する。送信マーカは、所定の通信制御コードからなるビットストリーム信号である。このとき、送信バッファ23内に送信データが蓄積されていなければ、ダミーデータからなるフロー制御ストリーム信号を次に送信する。
通信装置Aは、フロー制御ストリーム信号の送信終了後、受信状態への切り替えのための待機状態となり、一定時間Tの経過後、受信状態となる。通信装置Bは、通信装置Aがビットストリーム信号を送信している間、受信状態となり、通信装置Aからのビットストリーム信号の受信が終了すると、待機状態を経て所定のタイミングで送信を開始する。
このとき、通信装置Bは、まず、プリアンブルストリーム信号(時間長T2)を送信し、その後、所定の送信マーカを送信する。通信装置Bは、送信バッファ23内に送信データが蓄積されていれば、送信データからなるデータストリーム信号を次に送信し、再度送信マーカを送信してからダミーデータからなるフロー制御ストリーム信号を送信する。そして、通信装置Bは、フロー制御ストリーム信号の送信終了後、受信状態への切り替えのための待機状態となり、一定時間Tの経過後、受信状態となる。
通信開始後、最初に送信されるストリーム信号に通信装置Aが付加するプリアンブルストリーム信号の時間長T1は、次に送信されるストリーム信号に通信装置Bが付加するプリアンブルストリーム信号の時間長T2に比べて長くなっている。
図7(a)〜(d)は、図2の通信装置20a,20bにおける送信動作の一例を示した図であり、同軸ケーブル30を介して相手先機器に送信されるビットストリーム信号が示されている。図7(a)には、無データ期間中に最初に送信されるビットストリーム信号が示され、図7(b)には、無データ期間中の2回目以降に送信されるビットストリーム信号が示されている。
送信バッファ23内に送信データが蓄積されていない無データ期間中は、プリアンブルストリーム信号1,3、送信マーカ5,6及びフロー制御ストリーム信号2が順次に送信される。相手先機器よりも前にビットストリーム信号の送信を開始する場合、最初に送信されるビットストリーム信号には、2回目以降に送信されるビットストリーム信号に付加されるプリアンブルストリーム信号3よりも時間長の長いプリアンブルストリーム信号1が付加される。
この例では、転送レートを60Mbpsとし、最初に送信されるビットストリーム信号には、12ms程度の時間長のプリアンブルストリーム信号1が付加されている。また、2回目以降に送信されるビットストリーム信号には、16μs程度の時間長のプリアンブルストリーム信号3が付加されている。
プリアンブルストリーム信号1,3のビット配列は、アダプティブイコライザ25のフィードバック動作を安定させるのに適切なものが選択される。例えば、積分器46による学習効果が持続するようなビット配列が選択される。
無データ期間中、プリアンブルストリーム信号1,3及びフロー制御ストリーム信号2を送信することにより、データ受信に備えて自局のアダプティブイコライザ25のフィードバック動作を安定させておくことができる。また、ビットストリーム信号の送信によって自局のアダプティブイコライザ25のフィードバック動作が安定するので、相手先機器からのビットストリーム信号を受信した後にビットストリーム信号を送信する場合には、プリアンブルストリーム信号の時間長を短くしても、相手先機器のアダプティブイコライザ25のフィードバック動作を十分に安定させることができる。
図7(c)には、送信バッファ23に一定レベル以下のデータ蓄積がある場合に送信されるビットストリーム信号が示されている。送信バッファ23内に一定レベル以下の送信データが蓄積されている場合には、プリアンブルストリーム信号3、送信マーカ6、データストリーム信号4及びフロー制御ストリーム信号2が送信される。この例では、プリアンブルストリーム信号3、送信マーカ6、データパケット、送信マーカ6、データパケット、送信マーカ6、フロー制御ストリーム信号2の順で送信されている。
図7(d)には、送信バッファ23に一定レベルを越えるデータ蓄積がある場合に送信されるビットストリーム信号が示されている。送信バッファ23内に一定レベルを越える送信データが蓄積されている場合には、プリアンブルストリーム信号3、送信マーカ6及びデータストリーム信号4が送信される。この例では、プリアンブルストリーム信号3、送信マーカ6、データパケット、送信マーカ6、データパケット、送信マーカ6の順で送信されている。
送信バッファ23のデータ蓄積量に基づいてフロー制御ストリーム信号2をビットストリーム信号に付加するので、相手先機器の送信バッファ23のデータ蓄積量が一定レベルを越えているか否かを受信したビットストリーム信号にフロー制御ストリーム信号2が付加されているか否かによって識別することができる。
図8のステップS101〜S113は、図2の通信装置20a,20bにおける送受信時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、送信部24は、電源投入後、受信中でなければ、所定のタイミングで送信を開始する。このとき、送信バッファ23内に送信データがなければ、ダミーデータからなるフロー制御ストリーム信号にプリアンブルストリーム信号を付加して相手先機器に送信し、受信状態に切り替える(ステップS101,S102,S105,S106)。
一方、送信バッファ23内に送信データがあり、かつ、そのデータ蓄積量が一定レベル以下である場合には、プリアンブルストリーム信号を送信してからデータストリーム信号を送信し、送信バッファ23内の送信データを全て送信し終えると、フロー制御ストリーム信号を送信して受信状態に切り替える(ステップS101〜S106)。
また、送信バッファ23内に送信データがあり、かつ、そのデータ蓄積量が一定レベルを越えている場合には、プリアンブルストリーム信号を送信してからデータストリーム信号を送信し、送信バッファ23内の送信データを全て送信し終えると、フロー制御ストリーム信号を送信せずに受信状態に切り替える(ステップS101〜S103,S107,S106)。
次に、受信部26は、アダプティブイコライザ25から入力されるストリーム信号から受信データを抽出してLANI/F21へ出力する動作を受信が終了するまで繰り返す(ステップS108,S109)。受信部26は、受信終了時に、相手先機器から受信したストリーム信号にダミーデータからなるフロー制御ストリーム信号が付加されていれば、通常送信モードに切り替える(ステップS110,S111)。
一方、相手先機器から受信したストリーム信号にフロー制御ストリーム信号が付加されていない場合には、データ送信量を制限する送信量制限モードに切り替える(ステップS110,S113)。
ステップS101で受信中であれば、ステップS108以降の処理手順が実行される。また、ステップS102からステップS111又はS113の処理手順は、通信が終了するまで繰り返される(ステップS112)。
本実施の形態によれば、プリアンブルストリーム信号によってアダプティブイコライザ25のフィードバック動作を安定させてからデータストリーム信号が入力されるので、送信状態から受信状態への切り替え後にストリーム信号から受信データを抽出する際の誤認識を抑制することができる。また、相手先機器からのフロー制御ストリーム信号に基づいてデータ送信量を制御するので、相手先機器の送信バッファ23のデータ蓄積量が一定レベルを越えている場合に、データ送信量を制限することによって、当該相手先機器の受信処理に係る負荷の増大を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、ストリーム信号の送信時に当該ストリーム信号が自局のアダプティブイコライザ25に入力される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、ストリーム信号の送信時に当該ストリーム信号を自局のアダプティブイコライザ25に入力しないものも本発明には含まれる。
図9(a)及び(b)は、本発明の他の実施の形態による通信装置の送受信動作の一例を示した図であり、送信中のストリーム信号を自局のアダプティブイコライザ25に入力しない場合が示されている。図9(a)には、送信データなしの無データ期間が示され、図9(b)には、送信バッファ23に一定レベル以下のデータ蓄積がある場合が示されている。
プリアンブルストリーム信号やデータストリーム信号、フロー制御ストリーム信号を自局のアダプティブイコライザ25に入力しない場合、通信装置Aや通信装置Bが最初に送信するストリーム信号には、時間長T1のプリアンブルストリーム信号1が付加される。
そして、通信装置A及び通信装置Bは、時間長T1のプリアンブルストリーム信号1を付加したストリーム信号の送信後、次にストリーム信号を送信する際に、T1よりも短く、T2よりも長い時間長T4のプリアンブルストリーム信号3aを付加する。
つまり、通信装置A及びBは、最初の送信フェーズにおいて、時間長T1のプリアンブルストリーム信号1を付加してストリーム信号を送信し、その後の送信フェーズでは、時間長T4のプリアンブルストリーム信号3aを付加してストリーム信号を送信する。
この時間長T4は、プリアンブルストリーム信号やデータストリーム信号の受信が終了してから、相手先機器からのプリアンブルストリーム信号を次に受信するまでの期間に応じて決定される。すなわち、上記期間中のコンデンサー46cの放電によって自局のアダプティブイコライザ25のフィードバック動作が不安定となった際に、当該フィードバック動作の安定化に要する時間T5は、積分器46の時定数よりも短く、T3よりも長い。このため、時間長T4が時間T5よりも十分に長ければ、その様な時間長T4のプリアンブルストリーム信号を受信することにより、自局のアダプティブイコライザ25を安定化させることができる。
また、本実施の形態では、無データ期間であってもプリアンブルストリーム信号1,3やフロー制御ストリーム信号2が送受信される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、無データ期間中にはこれらのストリーム信号を送信しないものも本発明には含まれる。
図10(a)及び(b)は、本発明の他の実施の形態による通信装置の送受信動作の一例を示した図であり、無データ期間にはストリーム信号を送信しない場合が示されている。図10(a)には、送信データなしの無データ期間が示され、図10(b)には、送信バッファ23に一定レベル以下のデータ蓄積がある場合が示されている。
無データ期間中、プリアンブルストリーム信号やフロー制御ストリーム信号が送受信されない場合、無データ期間を経て半二重方式によるデータ送受信が開始された際、通信装置Aが通信装置Bよりも前に送信を開始するプリアンブルストリーム信号は、時間長がT1のプリアンブルストリーム信号1である。
通信装置Aが時間長T1のプリアンブルストリーム信号1の送信後、次にプリアンブルストリーム信号を送信する際、或いは、通信装置Bが時間長T1のプリアンブルストリーム信号を受信した後にプリアンブルストリーム信号を送信する際には、T1よりも短い時間長T2のプリアンブルストリーム信号3bが付加される。
図11(a)及び(b)は、本発明の他の実施の形態による通信装置の送受信動作の他の一例を示した図であり、送信中のストリーム信号を自局のアダプティブイコライザ25に入力せず、無データ期間にはストリーム信号を送信しない場合が示されている。図11(a)には、送信データなしの無データ期間が示され、図11(b)には、送信バッファ23に一定レベル以下のデータ蓄積がある場合が示されている。
プリアンブルストリーム信号やデータストリーム信号、フロー制御ストリーム信号を自局のアダプティブイコライザ25に入力せず、無データ期間中には、プリアンブルストリーム信号やフロー制御ストリーム信号が送受信されない場合、無データ期間を経て半二重方式によるデータ送受信が開始された際に、通信装置Aや通信装置Bが最初に送信するストリーム信号には、時間長T1のプリアンブルストリーム信号1が付加される。
そして、通信装置A及び通信装置Bは、時間長T1のプリアンブルストリーム信号1を付加したストリーム信号の送信後、次にストリーム信号を送信する際に、T1よりも短く、T2よりも長い時間長T4のプリアンブルストリーム信号3aを付加する。
なお、本実施の形態では、送信部24が受信部26に受信データの抽出を指示することによって送信フェーズから受信フェーズに動作モードが切り替えられる場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。本発明は、何らかのルールに基づいて送信フェーズ及び受信フェーズが交互に切り替えられる半二重方式の通信形態に対して適用することができる。例えば、一定時間ごとに送信フェーズ及び受信フェーズを切り替えるものであっても良い。
1,3,3a,3b プリアンブルストリーム信号
2 フロー制御ストリーム信号
4 データストリーム信号
11 カメラ
12 LAN
13 モニター装置
14 録画機器
20a,20b 通信装置
21 LANI/F
22 バッファ制御部
23 送信バッファ
24 送信部
24a データストリーム信号生成部
24b プリアンブルストリーム信号生成部
24c 送信制御部
25 アダプティブイコライザ
26 受信部
30 同軸ケーブル
42 信号入力部
43 可変型イコライザ
44 遷移時間測定器
46 積分器
100 監視システム
T1,T2,T4 プリアンブルストリーム信号の時間長

Claims (5)

  1. 伝送媒体を介して接続された相手先機器と送信フェーズ及び受信フェーズを交互に切り替えながら半二重方式で通信する通信装置において、
    送信バッファに蓄積された送信データに基づいて連続するデータビットからなるデータストリーム信号を生成し、上記伝送媒体を介して上記相手先機器へ送信する送信手段と、
    データビットの遷移時間に基づいて、上記伝送媒体上のストリーム信号について波形調整を行うアダプティブイコライザと、
    波形調整後のストリーム信号から受信データを抽出する受信手段とを備え、
    上記送信手段が、プリアンブルストリーム信号を生成するプリアンブルストリーム信号生成手段を有し、
    データストリーム信号の送信フェーズでは、上記送信手段が、上記プリアンブルストリーム信号を送信してから上記データストリーム信号の送信を開始し、
    データストリーム信号の受信フェーズでは、上記アダプティブイコライザが、上記相手先機器から入力される上記プリアンブルストリーム信号及び上記データストリーム信号について波形調整を行い、上記受信手段が、上記アダプティブイコライザを介して入力されるデータストリーム信号から受信データを抽出し、
    上記アダプティブイコライザは、上記相手先機器からのストリーム信号が入力される可変型イコライザと、上記可変型イコライザの出力が入力される遷移時間測定器と、上記遷移時間測定器による遷移時間の測定結果に基づいて上記可変型イコライザを制御する積分器とからなり、
    上記プリアンブルストリーム信号生成手段が、上記可変型イコライザの出力の一部を上記遷移時間測定器及び上記積分器で順に処理させて当該可変型イコライザに帰還させる制御ループに対応する時間長のプリアンブルストリーム信号として、上記積分器の時定数よりも時間長の長いプリアンブルストリーム信号を生成し、
    上記送信手段は、送信フェーズに切り替えられるごとに、プリアンブルストリーム信号を送信することを特徴とする通信装置。
  2. 上記プリアンブルストリーム信号生成手段が、最初の送信フェーズでは、上記積分器の時定数よりも時間長の長いプリアンブルストリーム信号を生成し、その後の送信フェーズでは、上記時定数よりも時間長の短いプリアンブルストリーム信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
  3. 上記伝送媒体を介して上記相手先機器へ順次に送信されるプリアンブルストリーム信号及びデータストリーム信号がいずれも上記アダプティブイコライザに入力され、これらのストリーム信号の送信中にも当該アダプティブイコライザが波形調整を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
  4. 上記送信手段は、上記送信バッファ内に送信データが蓄積されていない場合であっても、プリアンブルストリーム信号を上記相手先機器へ送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の通信装置。
  5. 上記送信手段は、上記送信バッファのデータ蓄積量に基づいて、フロー制御ストリーム信号を上記データストリーム信号に付加して上記相手先機器へ送信する一方、上記相手先機器から受信したデータストリーム信号にフロー制御ストリーム信号が付加されているか否かに応じて、データ送信量を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の通信装置。
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