JP5366807B2 - T細胞のTh1細胞への分化抑制剤 - Google Patents

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Description

本発明は、多発性硬化症、I型糖尿病、リウマチ様関節炎等の発症進展において中心的役割を果たすT細胞のTh1細胞への分化を抑制する医薬に関する。
リンパ球には、T細胞と抗体(免疫グロブリン)を産生するB細胞とがある。T細胞には、さらに単球、マクロファージから抗原を提示され、免疫反応を調節するヘルパーT細胞(CD4抗原陽性)と、ウィルス感染細胞などを傷害する、キラーT細胞(CD8抗原陽性)とがある。ヘルパーT細胞には、Th1細胞(T helper 1 cell)とTh2細胞(T helper 2 cell)とがある。抗原提示細胞がIL−12を産生するか、IL−4を産生するかが、Th1細胞(細胞性免疫)と、Th2細胞(液性免疫)のどちらが優位になるのかを決定している。
このように、Th1細胞とTh2細胞は、それぞれ免疫機能を担っており、生体防御をしているが、Th1細胞が分化誘導され、Th1細胞の活性化が過剰になった場合に種々の疾患が引き起こされることが知られている。Th1細胞が過剰誘導されることによる疾患としては、多発性硬化症、I型糖尿病、リウマチ様関節炎等が知られている。
このうち、多発性硬化症は、脳及び脊髄の脱髄による中枢性機能不全を呈し、視覚障害、運動障害等を引き起こす疾患で、厚生労働省から特定疾患に指定されている原因不明の難病である。欧米では、若年成人を侵す神経疾患の中で最も有病率が高く、人口10万人あたり50人程度である。日本での有病率は人口10万人あたり8〜9人程度と推定され、約1万2000人の患者が存在すると推測されている。多発性硬化症を発症すると、多くの場合、病状は寛解と反復する再燃が繰り返し起こる(再発寛解型)。多発性硬化症は、特に30歳前後での発症が多く、加齢とともに再発は減少するが、一部の患者では急速に病状が進行する(慢性進行型)。患者の病変部ではT細胞やマクロファージの浸潤が確認されており、これらの細胞が中枢神経内でミエリン蛋白を破壊し髄鞘を破壊する結果、神経障害を引き起こすと考えられている(非特許文献1)。脱髄巣は中枢神経系全般に広がるが、高発部位は視神経、脳幹、脊髄、小脳等である。病状は神経に障害が起こる位置により異なり、四肢の麻痺や震え、疲労、視神経の障害、排尿・排便障害等様々な症状を呈する。
現在多発性硬化症の治療としては、急性期にはステロイド剤が用いられ、再発予防にはインターフェロンβ(IFNβ)製剤やグラチラマー製剤が用いられるが後者は本邦では認可されていない。IFNβ製剤はT細胞に作用してインターフェロンγ産生量を調節し、また抗原提示細胞からの抗原提示を低下させる(非特許文献2)ことにより免疫応答の増強を抑制し、多発性硬化症の症状の進行遅延や再発頻度の減少に関与すると考えられている。しかし、これらの薬剤を投与しても、平均して年に0.8回程度の再発が起こり、再発を確実に防止する方法は今のところないのが現状である(非特許文献3)。またこれらは頻回の皮下投与の必要があり、発熱・皮下潰瘍等の副作用が問題となり、コンプライアンスの面でも患者の大きな負担となるため、経口投与可能な薬剤は大きな意味を有すると考えられる。一方、重症進行性の患者に対し、免疫抑制剤シクロホスファミドのパルス療法が有効であるという報告があるが、白血球減少、脱毛等の副作用が強く、慎重な投与が要求される。このような状況において、有効な治療法の開発が強く望まれている。
ところで、HMG−Coリダクターゼ阻害剤であるスタチン類は、種々の薬理作用を有することが知られており、例えばアトルバスタチンやシンバスタチンは、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルに有効であり、T細胞増殖抑制作用及びTh2細胞への分化誘導作用を有し、多発性硬化症に有効である可能性があることが知られている(非特許文献4〜5)。
Noseworthyら;N Engl J Med.343巻13号938−52頁(2000) Josephら;J Neuroimmunol.20巻1号39−44頁(1988) The IFNB Multiple Sclerosis Study Group;Neurology 43巻4号655−61頁(1993) Nature,420,78−84,2002 Lancet,363,1607−1608,2004
しかしながら、スタチン類のうち、ピタバスタチンについては、多発性硬化症やTh1細胞に対してどのような作用をするかについては何ら検討されていない。
本発明の目的は、Th1細胞への分化誘導を選択的に抑制し、Th1細胞の活性化に起因する疾患の治療に有用な医薬を提供することにある。
そこで本発明者らは、スタチン類のうち、多発性硬化症やTh1細胞に対する作用が知られていないピタバスタチンに着目して種々検討した結果、ピタバスタチン又はその塩は、アトルバスタチンの約10倍強力なT細胞からTh1細胞への分化抑制作用を有し、かつTh1細胞の活性化抑制作用を有することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ピタバスタチン又はその塩を有効成分とするT細胞のTh1細胞への分化抑制剤を提供するものである。
また、本発明は、ピタバスタチン又はその塩を有効成分とするTh1細胞の活性化抑制剤を提供するものである。
また、本発明は、ピタバスタチン又はその塩、並びに薬学的に許容される担体を含有してなるT細胞のTh1細胞への分化抑制用医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、ピタバスタチン又はその塩、並びに薬学的に許容される担体を含有してなるTh1細胞の活性化抑制用医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、ピタバスタチン又はその塩のT細胞のTh1細胞への分化抑制剤製造のための使用を提供するものである。
また、本発明は、ピタバスタチン又はその塩のTh1細胞の活性化抑制剤製造のための使用を提供するものである。
また、本発明は、ピタバスタチン又はその塩を投与するT細胞のTh1細胞への分化抑制方法を提供するものである。
また、本発明は、ピタバスタチン又はその塩を投与するTh1細胞の活性化抑制方法を提供するものである。
また、本発明は、T細胞のTh1細胞への分化抑制のためのピタバスタチン又はその塩を提供するものである。
さらに、本発明は、Th1細胞の活性化抑制のためのピタバスタチン又はその塩を提供するものである。
ピタバスタチン又はその塩による、T細胞のTh1細胞への分化抑制効果及びTh1細胞の活性化抑制効果は極めて顕著であり、Th1細胞の過剰分化誘導に起因する疾患の治療薬として有用である。
ピタバスタチン及びアトルバスタチンのTh1細胞活性化抑制作用を示す図である(NK=ピタバスタチン、アトルバ=アトルバスタチン)。 ピタバスタチン及びアトルバスタチンのTh1細胞への分化抑制とTh2細胞への分化促進作用の対比を示す図である。
本発明で使用するピタバスタチン又はその塩は、ピタバスタチン(((3R,5S,6E)−7−[2−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−3−キノリル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸):米国特許第5856336号、特開平1−279866号公報)又はその塩であり、これらの水和物、医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も包含される。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;フェネチルアミン塩等の有機アミン塩又はアンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、ピタバスタチンの塩が好ましく、特にカルシウム塩が好ましい。
ピタバスタチン又はその塩は、米国特許第5856336号、特開平1−279866号公報に記載の方法により製造することができる。
ピタバスタチン又はその塩は、後記実施例に示すように、ヒトT細胞からTh1細胞への分化誘導を顕著に抑制する作用を有する。Th1細胞への分化を抑制し、Th1/Th2バランスを顕著に改善する。また、Th1細胞の活性化も強力に抑制する。そして、かかるピタバスタチンの作用は、従来スタチン類の中で多発性硬化症に有効である可能性が示唆されているアトルバスタチンの10倍強力であり、当該アトルバスタチンの作用からは予想できない程度に強力である。従って、ピタバスタチン又はその塩は、Th1細胞の分化又は活性化に起因する疾患、例えば多発性硬化症、I型糖尿病、リウマチ様関節炎等の治療薬として有用である。
本発明の医薬の投与形態は、特に限定されず治療目的に応じて適宜選択でき、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、フィルムコーティング剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は注射剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤等による非経口投与が挙げられる。経口投与製剤とするのが好ましい。
これらの投与形態に適した医薬製剤には、薬学的に許容される担体、例えば、デンプン類、ラクトース、ショ糖、マンニトール、珪酸等の賦形剤や増量剤;寒天、炭酸カルシウム、バレイショ又はタピオカデンプン、アルギン酸、複合珪酸塩等の崩壊剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖、アラビアゴム等の結合剤;タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固形ポリエチレングリコール類、ラウリル硫酸ナトリウム又はその混合物等の滑沢剤;乳糖、トウモロコシデンプン等の希釈剤;クエン酸、リン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸、塩酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン類等の緩衝剤;パラオキシ安息香酸エステル類、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム等の陽イオン性界面活性剤、モノステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤等の乳化剤;亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸等の安定化剤のほか、必要に応じて更に矯臭剤、分散剤、保存剤、香料等を適宜組み合わせて用いてもよい。
本発明において、ピタバスタチン又はその塩の投与量は、患者の体重、年令、性別、症状等を考慮して適宜選択できるが、通常成人の場合、1日当たり0.01〜50mg、好ましくは0.1〜20mg、さらに好ましくは1〜10mgを、1回又は数回に分けて投与される。
以下に、実施例を挙げてこの発明を更に具体的に説明するが、この発明の技術的範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
(方法)
C57BL/6マウス5匹をミエリンオリゴデンドロサイトグリコプロテイン(MOG)で免疫し、型のごとく多発性硬化症のモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を作成した。免疫後14日目の脾臓細胞を取り出し、CD3抗体及びCD28抗体でコートした24ウェル培養プレートで培養し、ピタバスタチン、アトルバスタチン存在下で、MOGで刺激し、Th1細胞を活性化し、その上清中のTh1サイトカイン(IFN−γ)の濃度をELISA法により測定した。
(結果)
ピタバスタチン(図中、NKと表記)は10μM以上の濃度で、MOG免疫マウスの脾臓細胞由来のTh1細胞が産生するIFN−γの産生量を有意に低下させ、Th1細胞の活性化を抑制することが示された。アトルバスタチン(図中、アトルバと表記)は25μMで有意にTh1細胞のINF−γ産生を抑制した(図1)。
実施例2
(方法)
健康成人6名の末梢血より10mLヘパリン採血し、定法に従いFicol−Hypaque法にて単核球を分離した。これらを1×10/mLに調整した後、CD3、CD28抗体でコートした24ウェル培養プレート(Falcon)にまき、IL−12(100ng/mL)存在下で4日間培養し、Th1細胞への分化を誘導した。培養開始時からアトルバスタチン、ピタバスタチン0.01〜10μMを添加し、Th1細胞分化に及ぼすそれぞれの薬剤の効果を検討した。培養終了後、細胞をPBSにて3回洗浄し、型のごとく細胞内のサイトカイン(IFN−γ、IL−4)と細胞表面のCD4を染色し、フローサイトメトリーによりTh1(CD4陽性IFN−γ陽性細胞)、Th2(CD4陽性IL−4陽性細胞)の全CD4陽性T細胞中の比率を求めた。
すなわち、リンパ球を抗CD3抗体と抗CD28抗体で刺激し、細胞内のINF−γ(Th1サイトカイン)とIL−4(Th2サイトカイン)をフローサイトメトリーで測定することにより、ピタバスタチン及びアトルバスタチンの末梢血T細胞のTh1細胞への分化抑制作用とTh2細胞への分化促進作用を比較検討した。
(結果)
すなわち、その結果、図2に示す如く、アトルバスタチンは10μMでやっとTh1細胞への分化抑制及びTh2細胞への分化促進作用を示したが、ピタバスタチンは1μMから有意にTh1細胞への分化抑制及びTh2細胞への分化促進作用を示した。従って、ピタバスタチンはアトルバスタチンの10倍強力なTh1分化抑制作用及びTh2細胞への分化促進作用を有することが明らかとなった。
以上より、まず、Th1細胞の活性化作用(INF−γ量)を測定した結果、ピタバスタチンはアトルバスタチンの2.5倍強力であることが判明した(図1)。
またピタバスタチンとアトルバスタチンのヒトのT細胞のTh1細胞への分化抑制作用とTh2細胞への分化促進作用を比較した結果、ピタバスタチンは、アトルバスタチンに比べて10倍強力にTh1細胞への分化を抑制し、Th2細胞への分化を促進し、Th1/Th2比の改善作用を有することがわかる(図2)。

Claims (6)

  1. ピタバスタチン又はその塩を有効成分とするT細胞のTh1細胞への分化抑制剤。
  2. ピタバスタチン又はその塩を有効成分とするTh1細胞の活性化抑制剤。
  3. ピタバスタチン又はその塩、並びに薬学的に許容される担体を含有してなるT細胞のTh1細胞への分化抑制用医薬組成物。
  4. ピタバスタチン又はその塩、並びに薬学的に許容される担体を含有してなるTh1細胞の活性化抑制用医薬組成物。
  5. ピタバスタチン又はその塩のT細胞のTh1細胞への分化抑制剤製造のための使用。
  6. ピタバスタチン又はその塩のTh1細胞の活性化抑制剤製造のための使用。
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