JP5366663B2 - テラヘルツ発振素子 - Google Patents

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    • H03B7/08Generation of oscillations using active element having a negative resistance between two of its electrodes with frequency-determining element comprising lumped inductance and capacitance active element being semiconductor device being a tunnel diode

Description

本発明は、テラヘルツ発振素子に関し、特に電磁波を基板に水平方向に取り出すことが可能で、集積化の容易なテラヘルツ発振素子に関する。
近年、トランジスタなどの電子デバイスの微細化が進み、その大きさがナノサイズになってきたため、量子効果と呼ばれる新しい現象が観測されるようになっている。そして、この量子効果を利用した超高速デバイスや新機能デバイスの実現を目指した開発が進められている。
一方、そのような環境の中で、特に、テラヘルツ帯と呼ばれる、周波数が1THz(1012Hz)〜10THzの周波数領域を利用して大容量通信や情報処理、あるいはイメージングや計測などを行う試みが行われている。この周波数領域は、光と電波の中間の未開拓領域であり、この周波数帯で動作するデバイスが実現されれば、上述したイメージング、大容量通信・情報処理のほか、物性、天文、生物などのさまざまな分野における計測など、多くの用途に利用されることが期待されている。
テラヘルツ帯の周波数の高周波電磁波を発振する素子としては、トランジスタやダイオードなどの能動デバイスに微細スロットアンテナを集積する構造のものが知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
また、アンテナ両端のスロット線路上に金属と絶縁体層を付加して高周波的に短絡した構造を持つ素子が開示されている(例えば、非特許文献1、2参照)。この発振素子は、作製が簡単であって、微細化に適するなどの特徴を有している。
また、高周波電磁波の漏れを防ぐために、アンテナ両端のスロット線路に共振スタブを設けて高周波的に短絡を完全に行い、漏れを反射させる方法が提案されている。この共振スタブによる方法は、伝送線路の一部に波長の4分の1の長さのスタブ線路からなる共振回路を付加することにより、伝送線路に入射した電磁波がスタブの位置で等価的に短絡されることを利用する方法である。この方法によれば、入力される電磁波の波長に対してスタブの長さが4分の1波長と決まっているために、特定の周波数に対してのみ強い共振を示し、その周波数のみを短絡し強く反射するという効果がある。
図38は、RTD(Resonant Tunneling Diode:共鳴トンネルダイオード)とスロットアンテナを組み合わせて作製した発振素子の模式的鳥瞰図である。スロットアンテナ100の中央付近にRTDからなる能動素子109が配置され、スロットアンテナ100の両端には、金属と絶縁体が積層され、絶縁体を上下の電極金属によって挟み込んだMIM(Metal Insulator Metal)構造が形成されている。ここで、MIM構造は、第2の電極104/絶縁層103/第1の電極102からなり、高周波的に短絡されるようになっている。
第2の電極104は、第1の電極102と絶縁層103を介して重なっている部分の中央部に2箇所の凹部105、106が形成されており、この2つの凹部105、106に挟まれた状態で凸部107が形成されている。そして、第2の電極104の凸部107の略中央部には突起部108が形成され、この突起部108の下側に第1の電極102と挟まれるようにして能動素子109が配置されている。なお、第2の電極104と第1の電極102には直流電源115が接続されるとともに、寄生発振を防止するために、ビスマス(Bi)などの材料で形成された寄生発振抑圧抵抗114が接続されている。
半導体基板101の構成材料としては、半絶縁性(SI:Semi-Insulating)のInPが用いられる。RTDの両側に作られるスロットアンテナ100は、共振器と電磁波の放射アンテナとを兼ねている。この発振素子においては、半導体基板101に対して上方向と下方向の2方向に電磁波が放射される構造になっている。このため、例えば、図39に示すように、上下垂直方向に放射する電磁波(hν)を集光するためのシリコン半球レンズ120を新たに設ける必要がある。
図38に示す従来のテラヘルツ発振素子は、絶縁層103と同じ平面上に配置されるトランジスタやダイオードなどの能動素子109をスロットアンテナ100の中央部に配置し、スロット線路の両端を直角に曲げ、この部分を金属/絶縁体/金属の層構造で覆うようにしている。このため、金属/絶縁体/金属の層構造で覆った部分は、RF反射部150a,150bを構成し、高周波的に短絡になり、スロットアンテナ100が構成される。このスロットアンテナ100は、直流的には開放状態になっているため、能動素子109に直流を供給することができる。
図38および図39において、スロットアンテナ100の上方は空気であるため、比誘電率εair=1である。スロットアンテナ100の下方は、半導体基板101として、InP基板を使用するため、比誘電率εInP=12.1である。ここで、全体の発振出力に対するスロットアンテナ100の下方への発振出力の割合は、εInP 3/2/(εair 3/2+εInP 3/2)=0.97で表される。すなわち、全体の発振出力の内、約97%は、InP基板側に放射されている。
この構造の発振素子によって、室温でテラヘルツ帯1.02THz(1012Hz)の発振が実現されている(非特許文献3を参照)。すなわち、試作された素子によれば、基本波の発振周波数を342GHzとし、出力が23μWであった。そして、基本波の第3高調波として1.02THzの電磁波が同時に出力され、この第3高調波の出力は0.59μWであったと報告されている(非特許文献3を参照。)。
しかしながら、これら非特許文献1、2、3で提案した発振素子は、高周波短絡構造が不十分なため、高周波電磁波が発振する方向とは直角の方向(つまり横方向)に漏れてしまうという損失が生じ、高出力が得られないという問題があった。つまり、図38に示すような構造のテラヘルツ発振素子では、目的方向に発振される電磁波の電力が3%程度しかないため、実用に供されるものではなかった。
また、アンテナの両端のスロット線路に共振スタブを設けて高周波の漏れを反射させる方法においては、発振素子に使用する能動素子が周波数可変の特徴を有する場合であって、比較的広い帯域幅を持つ電磁波を発振させる場合には、発振する周波数の全域にわたり漏れを反射して高出力の発振を行わせることはできなかった。すなわち、電磁波の漏れが生じるスロット通路上に、4分の1波長のスタブ線路を設ける方法では、特定の周波数の短絡及び反射には有効であっても、広帯域の周波数帯を有する電磁波に対しては、これを有効に反射させることはできないという問題があった。
この理由は、発振される電磁波の波長に対して付加するスタブ線路が、電磁波の波長の4分の1の長さに一致しない場合は、完全な共振にはならないために、短絡および反射が不十分となるからである。しかし、スタブ線路の長さが、電磁波の波長の4分の1でない場合であっても、ある程度の弱い反射が起こることが確かめられている。したがって、このようなスタブ線路を、伝送線路の途中に決まった間隔を置いて多段に付加すれば、それらによる反射が合成され、あるいは、ある程度位相がそろっていれば強めあうようにすることができて、特定の周波数のみでなく、幅を持った周波数に対して強い反射を可能とすることができる。
一方、周波数可変の発振素子から発振される比較的広い帯域幅を持った周波数帯の電磁波であっても、その発振周波数全域にわたりスロット線路からの漏れを無くして高効率かつ高出力の電磁波を発振することができるテラヘルツ発振素子についても開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1においては、RTDなどで構成される能動デバイスを備えた微細スロットアンテナの両端部に多段のスタブを設け、この多段スタブから比較的広い帯域幅を持った電磁波の周波数帯を反射させ、この多段スタブ回路を設けたことにより、能動素子から発振される電磁波の漏れが反射されて能動素子に戻るため、帯域の広い高出力の発振出力が得られ、発振素子に用いる能動素子が周波数可変の場合にも、それに対応して高出力の発振出力が得られる。
特開2007−124250号公報
N. Orihashi, S. Hattori, and M. Asada: "Millimeter and Submillimeter Oscillators Using Resonant Tunneling Diode and Slot Antenna with Stacked-Layer Slot Antenna", Jpn.J.Appl.Phys. vol.67, L1309(2004). N. Orihashi, S. Hattori, and M. Asada: "Millimeter and Submillimeter Oscillator Using Resonant Tunneling Diode and Slot Antenna with a novel RF short structure", Int. Conf. Infrared and Millimeter Waves (IRMMW2004), (赤外とミリ波国際会議)Karlsruhe (Germany), M5.3 (Sept. 2004) pp.121-122. N. Orihashi, S. Suzuki, and M. Asada:"HarmonicGeneration of 1THz in Sub-THz Oscillating Resonant Tunneling Diode"[IRMMW2005/THz2005(The Joint 30th International Conference on Infrared and Millimeter Waves and 13th Infrared Conference on Terahertz Electronics)2005.9.19-23]
しかしながら、非特許文献3および特許文献1に開示された発振素子は、基板に対して垂直な方向に電磁波を放射するため、図39に示すように、上下垂直方向に放射する電磁波(hν)を集光するためのシリコン半球レンズ120を新たに設ける必要があり、基板上に集積化する上で問題点があった。
本発明の目的は、周波数可変の発振素子から発振される比較的広い帯域幅を持った周波数帯の電磁波を、その発振周波数全域にわたり、高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に発振することができ、集積化の容易なテラヘルツ発振素子を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の一態様によれば、半導体基板と、前記半導体基板上に配置された第1の電極と、前記第1の電極上に配置された絶縁層と、前記第1の電極に対して前記絶縁体層を介して配置され、かつ前記半導体基板上に前記第1の電極に対向して配置された第2の電極と、前記絶縁層を挟み前記第1の電極と前記第2の電極間に形成されたMIMリフレクタと、前記MIMリフレクタに隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置された共振器と、前記共振器の略中央部に配置された能動素子と、前記共振器に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置された導波路と、前記導波路に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置されたホーン開口部とを備えるテラヘルツ発振素子が提供される。
本発明の他の態様によれば、半導体基板と、前記半導体基板上に配置された第1の電極と、前記第1の電極上に配置された絶縁層と、前記第1の電極に対して前記絶縁層を介して配置され、かつ前記半導体基板上に前記第1の電極に対向して配置された第2の電極と、前記半導体基板上に前記第1の電極に隣接し、かつ前記第2の電極とは反対側に前記第1の電極に対向して配置された第1スロットライン電極と、前記半導体基板上に前記第2の電極に隣接し、かつ前記第1の電極とは反対側に前記第2の電極に対向して配置された第2スロットライン電極と、前記絶縁層を挟み前記第1の電極と前記第2の電極間に形成されたMIMリフレクタと、前記MIMリフレクタに隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置された共振器と、前記共振器の略中央部に配置された能動素子と、前記共振器に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置された第1導波路と、前記第1導波路に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置された第1ホーン開口部と、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第1スロットライン電極間に配置された第2導波路と、前記第2導波路に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第1スロットライン電極間に配置された第2ホーン開口部と、前記半導体基板上に対向する前記第2の電極と前記第2スロットライン電極間に配置された第3導波路と、前記第3導波路に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第2の電極と前記第2スロットライン電極間に配置された第3ホーン開口部とを備えるテラヘルツ発振素子が提供される。
本発明によれば、周波数可変の発振素子から発振される比較的広い帯域幅を持った周波数帯の電磁波を、その発振周波数全域にわたり、高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に発振することができ、集積化の容易なテラヘルツ発振素子を提供することができる。
本発明によれば、単に開口部を持たせるだけではなく、導波路とホーン開口部を持たせることで基板に水平な方向に効率良く、電磁波を取り出すことが可能となるテラヘルツ発振素子を提供することができる。
本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の模式的鳥瞰図。 図1に対応した電極パターン構造の模式的平面図。 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子において、(a)図1のI−I線に沿う模式的断面構造図、(b)図1のII−II線に沿う模式的断面構造図。 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子に用いられる共鳴トンネルダイオード(RTD)の模式的断面構造図。 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子に用いられる共鳴トンネルダイオード(RTD)近傍のSEM写真。 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーションを適用する電極パターン構成例1。 図6に示す電極パターン構成例1の電磁界シミュレーション結果。 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーションの適用する電極パターン構成例2。 図8に示す電極パターン構成例2の電磁界シミュレーション結果。 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーションの適用する電極パターン構成例3。 図10に示す電極パターン構成例3の電磁界シミュレーション結果。 本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の発振スペクトルの特性例。 (a)本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の模式的回路構成図、(b)本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の等価回路構成図。 (a)本発明の第1の実施の形態の変形例1に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図、(b)本発明の第1の実施の形態の変形例2に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 本発明の第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の模式的鳥瞰図。 図15に示す第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子のY−Z平面上における電界パターンのシミュレーション結果。 図15に示す第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーション結果。 (a)図1に示す第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子のY軸方向放射強度と発振周波数との関係を示す図、(b)図15に示す第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子のY軸方向放射強度と発振周波数との関係を示す図。 本発明の第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 (a)図19のIII−III線に沿う模式的断面構造図、(b)図19のIV−IV線に沿う模式的断面構造図、(c)図19のV−V線に沿う模式的断面構造図。 図19に示す第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子のX−Y平面上における電界パターンのシミュレーション結果。 本発明の第3の実施の形態の変形例1に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 本発明の第3の実施の形態の変形例2に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 本発明の第3の実施の形態の変形例3に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 図19に示す第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子のY軸方向放射強度と発振周波数との関係を示す図。 (a)本発明の第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーションを適用する電極パターン構成例1(比較例)、(b)図26(a)に示す電極パターン構成例1(比較例)の電磁界シミュレーション結果。 (a)本発明の第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーションを適用する電極パターン構成例2、(b)図27(a)に示す電極パターン構成例2の電磁界シミュレーション結果。 (a)本発明の第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーションを適用する電極パターン構成例3、(b)図28(a)に示す電極パターン構成例3の電磁界シミュレーション結果。 本発明の第4の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 (a)図29のVI−VI線に沿う模式的断面構造図、(b)図29のVII−VII線に沿う模式的断面構造図、(c)図29のVIII−VIII線に沿う模式的断面構造図。 本発明の第4の実施の形態の変形例1に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 本発明の第4の実施の形態の変形例2に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 本発明の第4の実施の形態の変形例3に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 本発明の第4の実施の形態の変形例4に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 本発明の第4の実施の形態の変形例5に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 本発明の第4の実施の形態の変形例6に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 本発明の第4の実施の形態の変形例7に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面図。 従来のテラヘルツ発振素子の構造を示す模式的鳥瞰図。 シリコン半球レンズ上に配置した従来のテラヘルツ発振素子の構造を示す模式的鳥瞰図。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下において、同じブロックまたは要素には同じ符号を付して説明の重複を避け、説明を簡略にする。図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施の形態は、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の模式的鳥瞰図は、図1に示すように表され、また、図1に対応した電極パターン構造の模式的平面図は、図2示すように表される。
第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子は、図1および図2に示すように、半導体基板1と、半導体基板1上に配置された第1の電極2と、第1の電極2上に配置された絶縁層3と、第1の電極2に対して絶縁層3を介して配置され、かつ半導体基板1上に第1の電極2に対向して配置された第2の電極4と、絶縁層3を挟み第1の電極2と第2の電極4間に形成されたMIMリフレクタ50と、MIMリフレクタ50に隣接して、半導体基板1上に対向する第1の電極2と第2の電極4間に配置された共振器60と、共振器60の略中央部に配置された能動素子90と、共振器60に隣接して、半導体基板1上に対向する第1の電極2と第2の電極4間に配置された導波路70と、導波路70に隣接して、半導体基板1上に対向する第1の電極2と第2の電極4間に配置されたホーン開口部80とを備える。
能動素子90としてはRTDが代表的なものであるが、これ以外のダイオードやトランジスタでも構成可能なものである。その他の能動素子としては、例えば、タンネット(TUNNETT:Tunnel Transit Time)ダイオード、インパット(IMPATT:Impact Ionization Avalanche Transit Time)ダイオード、GaAs系電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)、GaN系FET、高電子移動度トランジスタ(HEMT:High Electron Mobility Transistor)、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:Heterojunction Bipolar Transistor)などを適用することもできる。
ホーン開口部80は、開口ホーンアンテナから構成される。ホーン開口部の開口角θは、例えば、10度程度以下に設定することが、電磁波(hν)の放射方向に指向特性を持たせる上で望ましい。ホーン開口部80の長さL3は、例えば、約700μm程度以下である。ホーン開口部80の先端部における開口幅は、例えば、約160μm程度である。
導波路70は、共振器60の開口部に配置されている。導波路70の長さL2は、例えば、約700μm程度以下である。また、導波路70における第1の電極2と第2の電極4間の間隔は、例えば、約24μm程度である。
なお、ホーン開口部80のホーン形状は、電磁波を空気中に取り出すために必要な構造である。ホーン形状によって、インピーダンス整合性良く電磁波を空気中に効率よく取り出すことができる。尚、ホーンの形状は、直線性形状に限らず、非直線性形状、曲線形状、2次曲線形状、放物線形状、階段状形状などであっても良い。
共振器60には、2箇所の凹部5、6が形成されており、この2つの凹部5、6に挟まれて、凸部7が形成されている。そして、第2の電極4の凸部7の略中央部には突起部8が形成され、この突起部8の下側に第1の電極2と挟まれるように、能動素子90が配置される。
共振器60の長さL1は、例えば、約30μm程度以下である。突起部8の長さは、例えば、約6μm程度以下である。また、凹部5、6の幅(第1の電極2と第2の電極4との間隔)は、例えば、約4μm程度である。能動素子90の寸法は、例えば、約1.4μm2程度である。但し、能動素子90のサイズは、この値に限定されず、例えば、約5.3μm2程度以下であってもよい。能動素子90の詳細構造については後述する。共振器60の各部のサイズは、上記寸法に限定されるものではなく、発振する電磁波の周波数に応じて設計上適宜設定されるものである。
また、図1に示すように、導波路70における第1の電極2と第2の電極4間の間隔に比べて、共振器60が形成されている部分の第1の電極2と第2の電極4間の間隔は、狭い。
MIMリフレクタ50は共振器60の開口部と反対側の閉口部に配置されている。金属/絶縁体/金属からなるMIMリフレクタ50の積層構造により、第2の電極4と第1の電極2は高周波的に短絡されるようになっている。
なお、ここで、MIMリフレクタ50は、直流的には開放(オープン)でありながら、高周波を反射させることが可能となるという効果を有する。
半導体基板1は、例えば、半絶縁性のInP基板によって形成され、厚さは、例えば、約600μm程度である。
第1の電極2および第2の電極4は、いずれも例えば、Au/Pd/Tiのメタル積層構造からなり、Ti層は半絶縁性のInP基板との接触状態を良好にするためのバッファ層である。第1の電極2および第2の電極4の厚さは、例えば、約数100nm程度である。なお、第1の電極2、第2の電極4は、いずれも真空蒸着法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
絶縁層3は、例えば、SiO2膜で形成することができる。その他、Si34膜、SiON膜、HfO2膜、Al23膜などを適用することもできる。なお、絶縁層3の厚さは、MIMリフレクタ50の幾何学的な平面寸法と、回路特性上の要求されるキャパシタ値を考慮して決めることができ、例えば、数10nm〜数100nm程度である。絶縁層3は、化学的気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子において、図1のI−I線に沿う模式的断面構造は、図3(a)に示すように表され、図1のII−II線に沿う模式的断面構造は、図3(b)に示すように表される。
MIMリフレクタ50は、図3(a)に示すように、第1の電極2と第2の電極4間に絶縁層3を介在させた構造から形成されている。また、図3(b)から明らかなように、RTDからなる能動素子90は、半絶縁性の半導体基板1上に配置されている。RTDのn+GaInAs層91aの一部分をエッチングした表面上に接触して、第1の電極2が配置されている。第2の電極4は、RTDのn+GaInAs層91b上に接触して配置されている。さらに、第2の電極4は、半絶縁性の半導体基板1上に延在して配置されている。
このように、第2の電極4が、半絶縁性の半導体基板1上に延在して配置されていることから、互いに短絡されることがなく、RTDのn+GaInAs層91aとn+GaInAs層91b間に所定の直流バイアス電圧を印加できる構成を提供している。
なお、第1の電極2と第2の電極4には、直流電源15が接続されるとともに、寄生発振を防止するための抵抗(図示省略)が接続されている。
(共鳴トンネルダイオード)
第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子に用いられる能動素子90の模式的断面構造は、図4に示すように表される。また、能動素子90近傍のSEM写真は、図5に示すように表される。
第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子に用いられる能動素子90としてRTDの構成例は、図4に示すように、半絶縁性のInP基板からなる半導体基板1上に配置され,n型不純物を高濃度にドープされたGaInAs層91aと、GaInAs層91a上に配置され,n型不純物をドープされたGaInAs層92aと、GaInAs層92a上に配置されたアンドープのGaInAs層93bと、GaInAs層93b上に配置されたAlAs層94a/GaInAs層95/AlAs層94bから構成されたRTD部と、AlAs層94b上に配置されたアンドープのGaInAs層93bと、GaInAs層93a上に配置され,n型不純物をドープされたGaInAs層92bと、GaInAs層92b上に配置され,n型不純物を高濃度にドープされたGaInAs層91bと、GaInAs層91b上に配置された第2の電極4と、GaInAs層91aのエッチングされた表面上に配置された第1の電極2とを備える。
図4に示すように、RTD部は、GaInAs層95をAlAs層94a、94bで挟んで形成されている。このように積層されたRTD部は、スペーサとして用いられるアンドープGaInAs層93a、93bを介在させてn型のGaInAs層92a、92b、及びn+型のGaInAs層91a、91bを介して、下側に位置する第1の電極2と上側に位置する第2の電極4にオーミックに接続される構造となっている。
ここで、各層の厚さは、例えば以下の通りである。
+型のGaInAs層91aおよび91bの厚さは、それぞれ例えば、約400nmおよび30nm程度である。n型のGaInAs層91aおよび91bの厚さは、略等しく、例えば、約50nm程度である。アンドープGaInAs層93aおよび93bの厚さは、略等しく、例えば、約5nm程度である。AlAs層94aおよび94bの厚さは、等しく、例えば、約1.5nm程度である。GaInAs層95の厚さは、例えば、約4.5nm程度である。
なお、図4に示す積層構造の側壁部には、SiO2膜、Si34膜、SiON膜、HfO2膜、Al23膜など、若しくはこれらの多層膜からなる絶縁膜を堆積することもできる。絶縁層は、CVD法、或いはスパッタリング法などによって形成することができる。
(電極パターン構成と電磁界シミュレーション結果)
第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーションを適用する電極パターン構成例1は図6に示すように表される。図6に示す電極パターン構成例1において、表示されたXYZ軸方向における3次元の電磁界シミュレーション結果は、図7に示すように表される。同様に、第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーションを適用する電極パターン構成例2は図8に示すように表される。図8に示す電極パターン構成例2において、XYZ軸方向における3次元の電磁界シミュレーション結果は、図9に示すように表される。同様に、第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーションを適用する電極パターン構成例3は図10に示すように表される。図10に示す電極パターン構成例3において、XYZ軸方向における3次元の電磁界シミュレーション結果は、図11に示すように表される。
構成例1〜3は、テラヘルツ発振素子を構成する第1の電極2,第2の電極4の幅を変化させた構造に対応している。それぞれホーン開口部80の先端部分における第1の電極2,第2の電極4の幅を構成例1では、W1、構成例2ではW2、構成例3ではW3と設定した例が示されている。第1の電極2,第2の電極4の幅の関係は、W1<W2<W3としている。構成例1〜3のそれぞれの電磁界シミュレーション結果から明らかなように、この幅を狭くすることで、所望の電磁波の発振方向であるY方向への指向性を向上させることができる。逆に、第1の電極2,第2の電極4の幅の関係上、W1<W2<W3となるように大きくするにしたがって、Y方向への指向性は低下し、―Z軸方向への電磁界放射パターン強度が増大する傾向が現れる。なお、構成例1〜3のそれぞれの電極の幅、ホーン開口部の寸法、導波路の寸法は、電磁波の発振周波数に応じて適宜設定することができる。
(発振スペクトル)
第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の発振スペクトルの特性例は、図12に示すように表される。図12において、縦軸は出力パワー(a.u.)を表し、横軸は発振周波数を表している。能動素子90を構成するRTDの寸法は、約1.4μm2程度以下である。室温で観測した発振周波数は、約460GHz程度である。発振時におけるテラヘルツ発振素子の電流密度Jpは、約7mA/μm2程度である。
第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の模式的回路構成は、図13(a)に示すように、能動素子90を構成するダイオードと、MIMリフレクタ50を構成するキャパシタCMの並列回路によって表される。第1の電極2にはダイオードのカソードが接続され、第2の電極4には、ダイオードのアノードが接続され、第1の電極2にはプラスの電圧、第2の電極4にはマイナスの電圧が印加される。発振状態においては、ホーン開口部の開口方向であるY軸方向に電磁波(hν)が指向性良く伝播される。図
13(a)に対応する第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の等価回路構成は、図13(b)に示すように表される。図13(b)に示すように、能動素子90を構成するRTDは、キャパシタC01とインダクタL01の並列回路で表わすことができ、MIMリフレクタ50のキャパシタCMがさらに並列に接続されるため、テラヘルツ電磁波(hν)の発振周波数fは、f=1/[2π(L01(C01+CM)1/2)で表される。
(変形例)
第1の実施の形態の変形例1に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造は、図14(a)に示すように模式的に表され、変形例2に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造は、図14(b)に示すように模式的に表される。
変形例1に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造は、MIMリフレクタ50を構成する第2の電極4にスタブ構造を備える例であり、変形例2に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造は、MIMリフレクタ50を構成する第1の電極2にスタブ構造を備える例である。
すなわち、図14(a)に示すように、MIMリフレクタ50を構成する部分において、第2の電極は、複数のスタブ13Aを備えていてもよい。
また、図14(b)に示すように、MIMリフレクタを構成する部分において、第1の電極は、複数のスタブ13Bを備えていてもよい。
複数のスタブ13Aまたは13Bは、共振器60に面して等間隔に配置されていてもよく、或いは、その間隔が変化するように配置されていてもよい。
上記の変形例1と変形例2を組み合わせて、第1の電極2と第2の電極4の両方に複数のスタブを備えていてもよい。
電磁波の伝送線路の一部に電磁波の波長の4分の1の長さのスタブを設けて、その中に電磁波を引き込み、それを反射させて伝送線路に戻すことにより共振回路が形成されることが分かっている。これは、伝送線路に入射した電磁波のうち、スタブの長さの4倍の波長を持つ電磁波のみが、スタブの位置で等価的に短絡され、これによって当該電磁波が反射されるため、その電磁波の伝送線路からの漏れが少なくなるという現象である。この方法によれば、入力される電磁波の波長に対してスタブの長さが4分の1波長と決まっているために、電磁波の波長がスタブの長さの4倍になる電磁波に対しては強く共振して反射させることができるが、帯域幅の広い電磁波についてはその反射効果は少ない。
第1の実施の形態の変形例1のスタブ13Aの長さは、帯域を持った入射電磁波の中心部分の電磁波の4分の1波長としないで、4分の1からずれた長さにする。例えば、反射させたい周波数幅があったときその周波数幅の中央値の周波数を持つ電磁波を一部反射させるための2波長〜3波長以上の長さのスタブ13Aを多く設けることにより、反射させたい周波数幅の電磁波を幅広い範囲で反射させることが可能である。
当然のことながら、電磁波の反射率は4分の1波長のときと比べると小さくなるのであるが、それでもスタブがない場合と比較するとかなりの反射が起こる。そして、共振条件がゆるい分だけ、ある帯域を持った周波数(ある波長の幅を持った電磁波)に対して、満遍なく反射する効果がある。また、多段スタブの間隔は、反射させたい電磁波の周波数幅の中央値の周波数を持つ電磁波に対して、波長の半分程度の長さとすることにより各スタブからの反射の間に強め合う干渉(ブラッグ反射)が起こり、反射波が重ねあわされて、反射率がほぼ100%の大きな値になる。スタブの長さ、数、間隔によって、反射する周波数幅、中心周波数は総合的に決定される。
所定の帯域幅を有する電磁波の中心波長をλとして、スタブの間隔をλ/2とすると、反射率が100%に近い電磁波の波長範囲Δλを得ることができる。このとき、スタブの長さは、2〜3λ以上に設計するのがよい。また、スタブの幅がスタブの間隔の半分のとき、スタブ数5〜10個程度の少ない数で100%に近い大きな反射率となる。スタブ幅がそれ以外のときは大きな反射率を得るためにはスタブ数を増やす必要があり、また、周波数幅も狭くなる。しかしながら、これらの長さは限定されるものではなく反射する帯域幅との関係で設計的に規定されるものである。
なお、第1の実施形態の変形例1では、スタブ13AおよびMIMリフレクタにより、閉口部側に伝送する漏れ電磁波が反射され、開口側に戻される。そして、反射された電磁波が出力として放射されるために、能動素子90から発振される電磁波は高出力となる。
第1の実施形態の変形例2においてもスタブ13Bの動作は、スタブ13Aと同様であるため、重複する説明は省略する。
なお、両側の電極に多段のスタブを設けることにより、片方だけの場合に比べ約半分のスタブ数で同等の大きな反射率を得ることができる。また、周波数幅や中心周波数を決める際の設計の自由度を上げることができるので、設計上極めて有効である。なお、第1の電極2と第2の電極4の双方に付けるスタブの長さ、数、間隔は必ずしも等しい必要はなく、設計上自由に変更することができる。
第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子によれば、周波数可変の発振素子から発振される比較的広い帯域幅を持った周波数帯の電磁波を、その発振周波数全域にわたり、高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に発振することができ、しかも集積化が容易となる。
本発明の第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子によれば、単に開口部を持たせるだけではなく、導波路とホーン開口部を持たせることで基板に水平な方向に効率良く、電磁波を取り出すことができる。
第1の実施の形態の変形例に係るテラヘルツ発振素子によれば、MIMレフレクタを構成する電極にスタブ構造を組み合わせることによって、周波数可変の発振素子から発振される比較的広い帯域幅を持った周波数帯の電磁波を、その発振周波数全域にわたり、さらに高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に発振することができ、しかも集積化が容易である。
第1の実施の形態の変形例に係るテラヘルツ発振素子によれば、MIMレフレクタを構成する電極にスタブ構造を組み合わせることによって、基板に水平な方向にさらに効率良く、電磁波を取り出すことが可能となる。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の模式的鳥瞰図は、図15に示すように表される。
第2の実施の形態においては、図15に示すように、半導体基板1は、共振器60,導波路70,およびホーン開口部80を形成する第1の電極2および第2の電極4の配置される領域において薄層化されている。さらに、図15に示すように、第1の電極2と第2の電極4間の導波路70,およびホーン開口部80の半導体基板1aは、完全に除去されていても良い。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、各部の説明は省略する。
図15において、薄層化された半導体基板1aの厚さは、例えば、約20μm程度である。また、導波路70の長さは、例えば、約700μm程度以下であり、ホーン開口部80の長さも例えば、約700μm程度以下である。MIMリフレクタ50を含む第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の全体の長さは、例えば、約1600μm程度以下でる。
また、ホーン開口部80の開口角は、例えば、約10度以下である。
図15に示す第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子のY−Z平面上における電界パターンのシミュレーション結果は、図16に示すように表される。また、図15に示す第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子のXYZ軸方向における3次元の電磁界シミュレーション結果は、図17に示すように表される。
図16に示すように、第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーション結果によれば、薄層化された半導体基板1a上のY軸方向に延伸する電極パターンに沿って、Y軸方向に一定の間隔で電界パターンが発生しており、半導体基板1aに垂直方向(−Z軸方向)の電界の漏れはほとんどない。また、XYZ軸方向における3次元の電磁界シミュレーション結果によれば、図17に示すように、Y軸方向の指向性が顕著に良好となることがわかる。
図1に示す第1の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子のY軸方向放射強度(a.u.)と発振周波数(THz)との関係は、図18(a)に示すように表され、図15に示す第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子のY軸方向放射強度(a.u.)と発振周波数(THz)との関係は、図18(b)に示すように表される。図18(a)および図18(b)から明らかなように、第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子においては、高調波成分が抑制され、指向性が向上している。しかもY軸方向放射強度(a.u.)は増大化されている。また、第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子においては、Y軸方向放射強度(a.u.)のピーク値が、より高い発振周波数側にシフトしている。ここで、Y軸方向放射強度(a.u.)とは、アンテナから放射される電力のうち、放射パターン上、Y軸方向へ出射される割合を相対的な強度として示している。
上記の薄層化された半導体基板1aを形成する技術としては、メムス(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)素子の形成技術を適用することができる。
第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子によれば、半導体基板を薄層化することによって、基板の影響を抑制することが可能となり、周波数可変の発振素子から発振される比較的広い帯域幅を持った周波数帯の電磁波を、その発振周波数全域にわたり、指向性を向上させ、高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に、発振することができ、しかも集積化が容易である。
第2の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子によれば、半導体基板を薄層化することによって、基板の影響を抑制することが可能となり、基板に水平な方向に指向性を向上させ、効率良く、電磁波を取り出すことが可能となる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面構成は、図19に示すように表される。また、図19のIII−III線に沿う模式的断面構造は、図20(a)に示すように表され、IV−IV線に沿う模式的断面構造は、図20(b)に示すように表され、V−V線に沿う模式的断面構造は、図20(c)に示すように表される。
第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子においても第1の電極2、第2の電極4、MIMリフレクタ50、共振器60、能動素子90の構成は、図1〜図4に示した第1の実施の形態と同様であるため、以下において、重複説明は省略する。
第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子は、図19および図20に示すように、半導体基板1と、半導体基板1上に配置された第1の電極2と、第1の電極2上に配置された絶縁層3(図1)と、第1の電極2に対して絶縁層3を介して配置され、かつ半導体基板1上に第1の電極2に対向して配置された第2の電極4と、半導体基板1上に第1の電極2に隣接し、かつ第2の電極4とは反対側に第1の電極2に対向して配置されたスロットライン電極21と、半導体基板1上に第2の電極4に隣接し、かつ第1の電極2とは反対側に第2の電極4に対向して配置されたスロットライン電極41と、絶縁層3を挟み第1の電極2と第2の電極4間に形成されたMIMリフレクタ50と、MIMリフレクタ50に隣接して、半導体基板1上に対向する第1の電極2と第2の電極4間に配置された共振器60と、共振器60の略中央部に配置された能動素子90と、共振器60に隣接して、半導体基板1上に対向する第1の電極2と第2の電極4間に配置された導波路70と、導波路70に隣接して、半導体基板1上に対向する第1の電極2と第2の電極4間に配置されたホーン開口部80と、半導体基板1上に対向する第1の電極2とスロットライン電極21間に配置された導波路71と、導波路71に隣接して、半導体基板1上に対向する第1の電極2とスロットライン電極21間に配置されたホーン開口部81と、半導体基板1上に対向する第2の電極4とスロットライン電極41間に配置された導波路72と、導波路72に隣接して、半導体基板1上に対向する第2の電極4とスロットライン電極41間に配置されたホーン開口部82とを備える。
第1の実施の形態と同様に、能動素子90としてはRTDが代表的なものであるが、これ以外のダイオードやトランジスタでも構成可能なものである。その他の能動素子としては、例えば、TUNNETTダイオード、IMPATTダイオード、GaAsFET、GaN系FET、HEMT、HBTなどを適用することもできる。
ホーン開口部80〜83は、開口ホーンアンテナを構成する。
第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子においては、図19に示すように、出力端におけるスロットライン電極21および41の幅W4は、例えば、160μm程度である。また、図19に示すように、出力端におけるホーン開口部80の幅D20およびホーン開口部81および82の幅D10、および、スロットライン電極21および41の幅W4は、後述するように、適宜変更可能である。
導波路70は、共振器60の開口部に配置される。
MIMリフレクタ50は共振器60の開口部と反対側の閉口部に配置される。
MIMリフレクタ50を構成する部分において、第1の電極2は、図14(a)に示された第1の実施の形態の変形例1と同様に、複数のスタブを備えていても良い。
同様に、MIMリフレクタ50を構成する部分において、第2の電極4は、図14(b)に示された第1の実施の形態の変形例2と同様に、複数のスタブを備えていても良い。
また、上記において、複数のスタブは、共振器60に面して等間隔に配置されていても良く、また、間隔が変化するように配置されていても良い。
(定在波パターン)
図19に示す第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子のX−Y平面上における電界パターンのシミュレーション結果は、図21に示すように表される。
第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子においては、能動素子90に接続された第1の電極2および第2の電極4からなるテーパスロットアンテナの両サイドに、同じ形状をしたテーパ形状の1対のスロットライン電極21、41を配置することで、第1〜第2の実施の形態に比べ、指向性がさらに向上する。
第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子によれば、第1の電極2および第2の電極4からなるテーパスロットアンテナの両サイドに、テーパ形状の1対のスロットライン電極21、41を並列化配置することで、半導体基板1上にテーパスロットアンテナを集積化しても、半導体基板1の影響を抑制し、充分な指向性を得ることができる。
中央部の第1の電極2および第2の電極4からなるテーパスロットアンテナから広がった電界が、両サイドに設けた1対のスロットライン電極21、22に引き込まれて、スロットライン電極21、41の端面で反射され、中央部の第1の電極2および第2の電極4に戻ってくる。このとき、中央部の第1の電極2および第2の電極4およびスロットライン電極21、41内には、定在波が形成され、反射してきた電界によって、外部に電磁波が放射される。中央部の第1の電極2および第2の電極4および1対のスロットライン電極21、41からの放射電磁界が、干渉し合うことによって、指向性が向上する。
(変形例)
第3の実施の形態の変形例1に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造は、図22に示すように表され、変形例2に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造は、図23に示すように表され、変形例3に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造は、図24に示すように表される。
図22において、出力端におけるホーン開口部80の幅D21は、例えば160μm程度であり、およびホーン開口部81,82の幅D11は、例えば300μm程度である。スロットライン電極21,41の幅W5は、適宜変更可能である。
図23において、出力端におけるホーン開口部80の幅D22は、例えば160μm程度であり、およびホーン開口部81,82の幅D12は、例えば220μm程度である。スロットライン電極21,41の幅W6は、適宜変更可能である。
図24において、出力端におけるホーン開口部80の幅D23は、例えば160μm程度であり、およびホーン開口部81,82の幅D13は、例えば200μm程度である。スロットライン電極21,41の幅W7は、適宜変更可能である。
第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子のY軸方向放射強度(a.u.)と発振周波数(THz)との関係は、図25に示すように表される。図25から明らかなように、周波数可変の発振素子から発振される比較的広い帯域幅を持った周波数帯の電磁波を、その発振周波数全域にわたり、高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に発振することができる。しかも集積化が容易となる。
(電極パターン構成と電磁界シミュレーション結果)
比較例として、第1の電極2と第2の電極4のみを有する場合の電磁界シミュレーションを適用する電極パターン構成例1(比較例)は、図26(a)に示すように表される。図26(a)に示す電極パターン構成例1(比較例)の電磁界シミュレーション結果は、図26(b)に示すように表される。また、1対のスロットライン電極21,41を有する第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーションを適用する電極パターン構成例2は、図27(a)に示すように表される。図27(a)に示す電極パターン構成例2の電磁界シミュレーション結果は、図27(b)に示すように表される。図26および図27においては、発振周波数はいずれも0.64THzであり、スロットライン電極21,41を有する第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の指向性が向上していることがわかる。
第3の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電磁界シミュレーションを適用する電極パターン構成例3は、図28(a)に示すように表される。図28(a)に示す電極パターン構成例3の電磁界シミュレーション結果は、図28(b)に示すように表される。
図28(a)の電極パターン構成例3を有するテラヘルツ発振素子は、図19に示す電極パターン構成に対して、さらに、1対のスロットライン電極22,42を並列化配置した点に特徴を有する。すなわち、半導体基板1上にスロットライン電極21に隣接し、かつ第1の電極2とは反対側にスロットライン電極21に対向して配置されたスロットライン電極22と、半導体基板1上にスロットライン電極41に隣接し、かつ第2の電極4とは反対側にスロットライン電極41に対向して配置されたスロットライン電極42と、半導体基板1上に対向するスロットライン電極21とスロットライン電極22間に配置された導波路73と、導波路73に隣接して、半導体基板1上に対向するスロットライン電極21とスロットライン電極22間に配置されたホーン開口部83と、半導体基板1上に対向するスロットライン電極41とスロットライン電極42間に配置された導波路74と、導波路74に隣接して、半導体基板1上に対向するスロットライン電極41とスロットライン電極42間に配置されたホーン開口部84とを備える。
図28においても、発振周波数は0.64THzであり、スロットライン電極21,41の外側に1対のスロットライン電極22,42をさらに並列化配置することによって、指向性がさらに向上していることがわかる。
第3の実施の形態の変形例に係るテラヘルツ発振素子によれば、スロットライン電極を並列化配置して定在波を有効に発生させることによって、周波数可変の発振素子から発振される比較的広い帯域幅を持った周波数帯の電磁波を、その発振周波数全域にわたり、さらに高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に発振することができ、しかも集積化が容易である。
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造の模式的平面構成は、図29に示すように表される。また、図29のVI−VI線に沿う模式的断面構造は、図30(a)に示すように表され、VII−VII線に沿う模式的断面構造は、図30(b)に示すように表され、VIII−VIII線に沿う模式的断面構造は、図30(c)に示すように表される。
半導体基板1は、共振器60,導波路70〜72,およびホーン開口部80〜82を形成する領域において、薄層化されていることを特徴とする。さらに、図29および図30に示すように、導波路70〜72,およびホーン開口部80〜82の半導体基板1は、完全に除去されていても良い。その他の構成は、第3の実施の形態と同様であるため、各部の説明は省略する。
第4の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子においては、図29に示すように、出力端におけるスロットライン電極21および41の幅W4は、例えば、160μm程度である。また、図29に示すように、出力端におけるホーン開口部80の幅D20およびホーン開口部81および82の幅D10、および、スロットライン電極21および41の幅W4は、後述するように、適宜変更可能である。
(変形例)
第4の実施の形態の変形例1〜変形例7に係るテラヘルツ発振素子の電極パターン構造は、それぞれ図31〜図37に示すように表される。
半導体基板1は、共振器60,導波路70〜72,およびホーン開口部80〜82を形成する領域において、薄層化されていることを特徴とする。図31〜図37に示すように、導波路70〜72,およびホーン開口部80〜82の半導体基板1は、完全に除去されていても良い。
図31において、出力端におけるホーン開口部80の幅D22は、例えば160μm程度であり、ホーン開口部81,82の幅D12は、例えば220μm程度である。スロットライン電極21,41の幅W6は、適宜変更可能である。
図32において、出力端におけるホーン開口部80の幅D21は、例えば160μm程度であり、ホーン開口部81,82の幅D11は、例えば300μm程度である。スロットライン電極21,41の幅W5は、適宜変更可能である。
図33において、出力端におけるホーン開口部80の幅D23は、例えば160μm程度であり、ホーン開口部81,82の幅D13は、例えば200μm程度である。スロットライン電極21,41の幅W7は、適宜変更可能である。
図34に示される変形例4においては、第1の電極2および第2の電極4のテーパ形状が片側がフラットな台形形状を有する。出力端におけるホーン開口部80の幅D24、ホーン開口部81,82の幅D14、スロットライン電極21,41の幅W8、および第1の電極2および第2の電極4の幅W9は、適宜変更可能である。
図35に示される変形例5においては、第1の電極2および第2の電極4のみがテーパ形状を備え、スロットライン電極21および41は、テーパ形状を備えず、矩形形状を有する。出力端におけるホーン開口部80の幅D25、ホーン開口部81,82の幅D15、スロットライン電極21,41の幅W10は、適宜変更可能である。
図36に示される変形例6においては、導波路70〜72の長さを相対的に短く設定し、ホーン開口部80〜82の長さを相対的に長く設定している。出力端におけるホーン開口部80の幅D26、ホーン開口部81,82の幅D16、スロットライン電極21,41の幅W11は、適宜変更可能である。
図37に示される変形例7においては、導波路70〜72の長さを相対的に長く設定し、ホーン開口部80〜82の長さを相対的に短く設定している。出力端におけるホーン開口部80の幅D26、ホーン開口部81,82の幅D16、スロットライン電極21,41の幅W11は、適宜変更可能である。
第4の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子によれば、スロットライン電極を並列化配置して定在波を有効に発生させ、かつ半導体基板を薄層化することによって、基板の影響を抑制することが可能となり、周波数可変の発振素子から発振される比較的広い帯域幅を持った周波数帯の電磁波を、その発振周波数全域にわたり、指向性を向上させ、高効率かつ高出力に、基板に対して横方向に、発振することができ、しかも集積化が容易である。
第4の実施の形態に係るテラヘルツ発振素子によれば、スロットライン電極を並列化配置して定在波を有効に発生させ、かつ半導体基板を薄層化することによって、基板の影響を抑制することが可能となり、基板に水平な方向に指向性を向上させ、効率良く、電磁波を取り出すことが可能となる。
[その他の実施の形態]
上記のように、本発明は第1〜第4の実施の形態およびその変形例によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
第3の実施の形態および第4の実施の形態においては、スロットライン電極を1対若しくは2対並列化配置して定在波を有効に発生させる例が開示されているが、スロットライン電極は、さらに3対以上の複数対配置しても良い。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態などを含む。
本発明のテラヘルツ発振素子は、THz帯の周波数領域で動作する発振・増幅素子として、THzイメージング、大容量通信・情報処理のほか、物性、天文、生物などのさまざまな分野における計測、セキュリティー分野など、幅広い分野に適用することができる。
1…半導体基板
2…第1の電極
3…絶縁層
4…第2の電極
5,6…凹部
7…凸部
8…突起部
13A,13B…スタブ
15…直流電源
21,22,41,42…スロットライン電極
50…MIMリフレクタ
60…共振器
70,71,72,73,74…導波路
80,81,82,83,84…ホーン開口部
90…能動素子

Claims (20)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に配置された第1の電極と、
    前記第1の電極上に配置された絶縁層と、
    前記第1の電極に対して前記絶縁層を介して配置され、かつ前記半導体基板上に前記第1の電極に対向して配置された第2の電極と、
    前記絶縁層を挟み前記第1の電極と前記第2の電極間に形成されたMIMリフレクタと、
    前記MIMリフレクタに隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置された共振器と、
    前記共振器の略中央部に配置された能動素子と、
    前記共振器に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置された導波路と、
    前記導波路に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置されたホーン開口部と
    を備えることを特徴とするテラヘルツ発振素子。
  2. 前記能動素子は共鳴トンネルダイオードであることを特徴とする請求項1に記載のテラヘルツ発振素子。
  3. 前記ホーン開口部は、開口ホーンアンテナを構成することを特徴とする請求項1または2に記載のテラヘルツ発振素子。
  4. 前記導波路は、前記共振器の開口部に配置されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のテラヘルツ発振素子。
  5. 前記MIMリフレクタは前記共振器の開口部と反対側の閉口部に配置されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のテラヘルツ発振素子。
  6. 前記MIMリフレクタを構成する部分において、前記第1の電極は、複数のスタブを備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のテラヘルツ発振素子。
  7. 前記MIMリフレクタを構成する部分において、前記第2の電極は、複数のスタブを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のテラヘルツ発振素子。
  8. 前記複数のスタブは、前記共振器に面して等間隔に配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載のテラヘルツ発振素子。
  9. 前記複数のスタブは、前記共振器に面してその間隔が変化するように配置されていることを特徴とする請求項6または7に記載のテラヘルツ発振素子。
  10. 前記半導体基板は、前記共振器,前記導波路,および前記ホーン開口部を形成する前記第1の電極および前記第2の電極の配置される領域において、薄層化されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のテラヘルツ発振素子。
  11. 前記導波路における前記第1の電極と前記第2の電極間の間隔に比べて、前記共振器が形成されている部分の前記第1の電極と前記第2の電極間の間隔が狭いことを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のテラヘルツ発振素子。
  12. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に配置された第1の電極と、
    前記第1の電極上に配置された絶縁層と、
    前記第1の電極に対して前記絶縁層を介して配置され、かつ前記半導体基板上に前記第1の電極に対向して配置された第2の電極と、
    前記半導体基板上に前記第1の電極に隣接し、かつ前記第2の電極とは反対側に前記第1の電極に対向して配置された第1スロットライン電極と、
    前記半導体基板上に前記第2の電極に隣接し、かつ前記第1の電極とは反対側に前記第2の電極に対向して配置された第2スロットライン電極と、
    前記絶縁層を挟み前記第1の電極と前記第2の電極間に形成されたMIMリフレクタと、
    前記MIMリフレクタに隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置された共振器と、
    前記共振器の略中央部に配置された能動素子と、
    前記共振器に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置された第1導波路と、
    前記第1導波路に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第2の電極間に配置された第1ホーン開口部と、
    前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第1スロットライン電極間に配置された第2導波路と、
    前記第2導波路に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1の電極と前記第1スロットライン電極間に配置された第2ホーン開口部と、
    前記半導体基板上に対向する前記第2の電極と前記第2スロットライン電極間に配置された第3導波路と、
    前記第3導波路に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第2の電極と前記第2スロットライン電極間に配置された第3ホーン開口部と
    を備えることを特徴とするテラヘルツ発振素子。
  13. 前記能動素子は共鳴トンネルダイオードであることを特徴とする請求項12に記載のテラヘルツ発振素子。
  14. 前記第1ホーン開口部、前記第2ホーン開口部、および前記第3ホーン開口部は、開口ホーンアンテナを構成することを特徴とする請求項12または13に記載のテラヘルツ発振素子。
  15. 前記第1導波路は、前記共振器の開口部に配置されたことを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載のテラヘルツ発振素子。
  16. 前記MIMリフレクタは前記共振器の開口部と反対側の閉口部に配置されたことを特徴とする請求項12〜14のいずれか1項に記載のテラヘルツ発振素子。
  17. 前記MIMリフレクタを構成する部分において、前記第1の電極は、複数のスタブを備えたことを特徴とする請求項12〜16のいずれか1項に記載のテラヘルツ発振素子。
  18. 前記MIMリフレクタを構成する部分において、前記第2の電極は、複数のスタブを備えたことを特徴とする請求項12〜17のいずれか1項に記載のテラヘルツ発振素子。
  19. 前記半導体基板上に第1スロットライン電極に隣接し、かつ前記第1の電極とは反対側に前記第1スロットライン電極に対向して配置された第3スロットライン電極と、
    前記半導体基板上に第2スロットライン電極に隣接し、かつ前記第2の電極とは反対側に前記第2スロットライン電極に対向して配置された第4スロットライン電極と、
    前記半導体基板上に対向する前記第1スロットライン電極と前記第3スロットライン電極間に配置された第4導波路と、
    前記第4導波路に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第1スロットライン電極と前記第3スロットライン電極間に配置された第4ホーン開口部と、
    前記半導体基板上に対向する前記第2スロットライン電極と前記第4スロットライン電極間に配置された第5導波路と、
    前記第5導波路に隣接して、前記半導体基板上に対向する前記第2スロットライン電極と前記第4スロットライン電極間に配置された第5ホーン開口部と
    を備えることを特徴とする請求項12に記載のテラヘルツ発振素子。
  20. 前記半導体基板は、前記共振器,前記導波路,および前記ホーン開口部を形成する領域において、薄層化されていることを特徴とする請求項12〜19のいずれか1項に記載のテラヘルツ発振素子。
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