JP5364803B2 - レンズアレイの製造方法、成形型組立体 - Google Patents
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Description
このレンズアレイの製造方法としては、ガラスやプラスチックなどの材料からできた単一の平行平板状の成形素材を軟化させながら成形型で押圧し、レンズアレイを製造する方法が従来から知られている。
また、特許文献2には、金型における複数のマイクロレンズキャビティの配列領域の中心にガラスプリフォームが載置される中心ネストを設け、この中心ネストに単一のガラスプリフォームを配置し、加熱状態で金型を押圧し、溶融したガラスプリフォームが中心ネスト部分から周囲のマイクロレンズキャビティに広がるように変形させてレンズアレイを成形した後、中心ネスト部分がレンズアレイから取り除かれるように小レンズ部を切り出してマイクロレンズアレイを得る製造方法が提示されている。
前記上型および下型の前記成形面の間で前記成形素材を挟圧し、前記配列中心部から周辺方向に前記成形素材が広がるように変形させる工程と、
を含み、
前記成形面には、隣り合う前記光学機能凹面の境界部が前記配列中心に一致するように複数の前記光学機能凹面が配列され、
個々の前記光学機能凹面の最小曲率半径をRaとし、前記成形素材の前記頂部の曲率半径をRpとしたとき、Rp≦2Raを満足するように前記成形素材の形状が設定されているレンズアレイの製造方法を提供する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の一実施の形態であるレンズアレイの製造方法が実施される成形装置の構成の一例を示す略側面図である。
まず、図2Dを参照して、本実施の形態のレンズアレイの製造方法にて製造されるレンズアレイ40Aについて説明する。
基板部41aは円形の平行平板形状である。個々の小レンズ部42aの形状は凸形状で、主に一定の曲率半径を持つ球面になっている。
レンズアレイ40Aの材料、すなわち、このレンズアレイ40Aの成形に用いられる後述の平凸状成形素材40(成形素材)としては、可視域において透明な光学ガラスが用いられる。本実施の形態では光学ガラスとして市販のL−BSL7(ガラス転移点498℃、屈伏点549℃)を用いた例を説明する。
成形ステージ110の上に下側プレート120が配置され、この下側プレート120と上下方向に対向する位置に、加圧装置140によって上下方向に駆動される上側プレート130が設けられている。
上述のように、下側プレート120は成形ステージ110に固定された状態にあり、上側プレート130には、加圧装置140が連結されている。
上型13および下型12は、各々の成形面13a、成形面12aが対向するようにスリーブ11の両端から挿入されることによってスリーブ11に嵌合可能になっている。
なお、以下では、上型13と下型12の対向方向の前記中心軸を中心軸CZとし、この中心軸CZに直交する平面内で直交する二つの軸を中心軸CXおよび中心軸CYとする。
個々の小レンズ成形凹面13bは対応する個々の小レンズ部42aに合わせるように形成され、形状は凹形状で一定の曲率半径R0を有している。この場合、小レンズ成形凹面13bの配置数は9個(L11〜L33)で、正方格子の格子点に小レンズ成形凹面13bの各々の中心が一致する配列状態に配置されている。
上述のような円柱形の上型13の成形面13aは外形が円形を呈しており、外形の円の中心部(中心軸CZ)を成形面13aの中心部に設定する。下型12の成形面12aの中心部も同様に設定する。
本実施の形態の上型13の場合、成形面13aの中心部(中心軸CZ)に対して、小レンズ成形凹面13b(L22)の頂点(凹面頂点13c(配列中心部))が一致するように、複数の小レンズ成形凹面13bを整列して配置する。
本実施の形態の場合、成形型組立体10の上型13、下型12、スリーブ11を構成する材料としては、例えば、超硬合金、炭化珪素、ステンレス鋼などが利用できる。
次に、本実施の形態において用いられる成形素材について説明する。
ここで、本実施の形態の平凸状成形素材40では、凸状表面42の曲率半径Rpを以下のように設定する。
Rp≦Ra ………(1)
この平凸状成形素材40は、予め、研削加工、研磨加工、あるいは、溶融ガラスのプレス加工によって、上述の形状に製作される。
以下、本実施の形態におけるガラス成形によるレンズアレイの製造方法の作用を説明する。
まず、成形型組立体10の組み立て工程について説明する。
このとき、平凸状成形素材40の位置は、下型12の成形面12aの中心部に対して、平凸状成形素材40の中心が一致するように位置決めする。
上型13と下型12は、スリーブ11に挿入されると、上型13の中心部と下型12の中心部とがスリーブ11の孔の中心軸(中心軸CZ)上に整列された状態になる。
図2Bに示されるように、平凸状成形素材40が下型12と上型13の間に挟み込まれた状態では、上型13における複数の小レンズ成形凹面13bの配列の中央に位置する小レンズ成形凹面13b(L22)の凹面頂点13cと平凸状成形素材40の凸状表面42の表面中心部43とが接触している。
次に、上述のように構成された成形型組立体10の加熱工程について説明する。
この下側プレート120と上側プレート130を介して、成形型組立体10および内部の平凸状成形素材40が、当該平凸状成形素材40の素材に応じた成形温度に達するように所定時間だけ加熱する。
次に、成形工程について説明する。
成形型組立体10において下型12と上型13で挟圧される平凸状成形素材40は変形しながら、下型12の成形面12aと上型13の成形面13aとの間の空間部に充満していく。
このようにして、平凸状成形素材40から得られるレンズアレイ40Aの個々の小レンズ部42aの表面、すなわち光学面には、ほとんど空気が残らない状態に成形することができる。
レンズアレイ40Aの冷却工程では、加熱された光学ガラスを軟化状態から固化状態に移行させ、レンズアレイ40Aの形状を安定させる。
冷却時は、成形されたレンズアレイ40Aの転写精度の確保と歪の低減のため、加圧状態が必要になる場合もある。
成形型組立体10および成形されたレンズアレイ40Aが常温付近まで冷却された時点で冷却が完了する。
本実施の形態において成形された上述のレンズアレイ40Aの形状は一例であり、上述の図2Dに例示したレンズアレイ40Aにおける基板部41aの形状、小レンズ部42aの形状と数、さらには、平凸状成形素材40(レンズアレイ40A)を構成するガラスの種類、上型13における小レンズ成形凹面13bの配置、平凸状成形素材40の形状、製造工程の順序等については、上述の例示内容に限定されない。
また、レンズアレイ40Aにおける小レンズ部42aの形状および数は、要求される光学的性能や仕様に応じて変更可能である。
また、成形型組立体10において、小レンズ成形凹面13bは上型13でなく、下型12の成形面12aに形成してもよい。
例えば、上型13の場合、成形面13aを有する基本部品に小レンズ成形凹面13bを有する入れ子型部品を嵌合させるように構成したものを使用してもよい。
例えば、両凸レンズ形状、ボール形状、卵形、ラグビーボール形状、ゴブ形状等のものが利用できる。
あるいは、芯取り作業をなくすためにスリーブ11の内径および下型12と上型13の外径を調整しておき、スリーブ11の内壁面を、基板部41aの外形を規定する変形規制部として利用することも可能である。
軟化した成形素材は外径方向の変形が変形規制部で規制される。成形完了時に、スリーブ11の内壁面、上型13、下型12で囲まれた空間が、変形した成形素材で充填され、所望の外形寸法を有するレンズアレイ40Aが得られる。
本実施の形態のレンズアレイの製造方法によれば、平凸状成形素材40の表面中心部43を、上型13の成形面13aにおける複数の小レンズ成形凹面13bの配列中心に位置する小レンズ成形凹面13bの凹面頂点13cに一致させるとともに、表面中心部43の曲率半径Rpを、小レンズ成形凹面13bの最小曲率半径Raよりも小さい形状とすることで、平凸状成形素材40の変形による成形中に、小レンズ成形凹面13bの内部の空気を、平凸状成形素材40の表面中心部43から外周方向へと確実に排除でき、単一の平凸状成形素材40を使用しても空気溜りのない良好な品質のレンズアレイ40Aを製造することができる。
(第2実施の形態)
上述の実施の形態1では、成形面13aにおける複数の小レンズ成形凹面13bの配列中心の小レンズ成形凹面13bの凹面頂点13cに、平凸状成形素材40の表面中心部43を当接させるように成形型組立体10を組み立てる例を示したが、この実施の形態2では、隣接する複数の小レンズ成形凹面のエッジ状の境界部に平凸状成形素材40の表面中心部43を一致させるように成形型組立体10を組み立てる場合を例示する。
図7は、本実施の形態2における成形素材の変形過程を説明するための説明図である。
図5Cに例示されるように、本実施の形態のレンズアレイ40Bでは、小レンズ部42aの数は2×2の4個で、基板部41aの片面上に等間隔Xpで正方の配列として配置される。
個々の小レンズ成形凹面14bは対応するレンズアレイ40Bの個々の小レンズ部42aの形状が転写されるように形成される。
上型14の成形面14aは外形が円形をしており、円の中心を成形面14aの中心部に設定する。
次に、本実施の形態2にて用いられる平凸状成形素材40について説明する。
すなわち、上述の上型14に形成された複数の小レンズ成形凹面14bの最小曲率半径Raに着目すると、個々の小レンズ成形凹面14bは一定の曲率半径R0を有しているため、最小曲率半径Raは個々の曲率半径R0と一致している。
Rp≦2Ra ………(2)
まず、成形型組立体10Aの組み付け工程について説明する。
このとき、平凸状成形素材40の位置は、下型12の成形面12aの中心部(中心軸CZ)に対して、平凸状成形素材40の中心(この場合、表面中心部43)が一致するように位置決めする。
平凸状成形素材40の凸状表面42の中心部の頂点に位置する表面中心部43は、上型14の成形面14aの中心部、つまり、成形面14aの中央に位置する隣接交点14d(P1)に当接し、中心軸CZ上に整列する。
成形型組立体10Aの内部において、平凸状成形素材40が上型14と下型12の間に挟み込まれた状態では、成形面14aの中央に位置する隣接交点14d(P1)と平凸状成形素材40の凸状表面42の表面中心部43とはほぼ点接触している。
次に、上述のように組み立てられた成形型組立体10Aを用いる成形工程について説明する。
変形が進行し、平凸状成形素材40の下端の外周部がスリーブ11の内周面に到達すると、レンズアレイ40Bの基板部41aと複数の小レンズ部42aとが形成される。
この条件としては、着目する隣接交点14dに対して隣の隣接交点(隣接境界14c)の位置で、小レンズ成形凹面14bの球面が作る接線T1と、平凸状成形素材40の凸状表面42の球面が作る接線T2を交差させないことが必要である。
これにより、本実施の形態2の場合には、レンズアレイ40Bの個々の小レンズ部42aの表面(光学面)にはほとんど空気が残らない状態にすることができる。
本実施の形態2においても、上述の説明で例示したレンズアレイ40Bの基板部41aの形状、小レンズ部42aの形状および総数、素材ガラスの種類、上型14における複数の小レンズ成形凹面14bの配置、平凸状成形素材40の形状、製造工程の順序等については上述の例示内容に限定されることはない。
レンズアレイ40Bにおいて、基板部41aと個々の小レンズ部42aは同一のガラス素材で構成され、ガラス素材の種類が限定されることはない。
成形素材は表面に凸状の曲面を有していれば、平凸状成形素材40のような断面が平凸のレンズ形状以外でも構わない。
本実施の形態2のレンズアレイの製造方法によれば、上型14の成形面14aに配列された複数の小レンズ成形凹面14bの配列中心に位置する隣接境界14cの隣接交点14dに対して、平凸状成形素材40の表面中心部43が当接するように配置する場合、表面中心部43の曲率半径Rpと、小レンズ成形凹面14bの最小曲率半径Raの関係が、Rp≦2Raの関係を満足するように曲率半径Rpを設定することで、単一の平凸状成形素材40を使用して成形しても空気溜りのない良好な品質のレンズアレイ40Bを製造することができる。
この変形例では、スリーブの内周面を任意の形状に設定した変形規制部を設け、さらに、成形素材としてボール状成形素材を使用して矩形のレンズアレイを製造する方法を説明する。
そして、この基板部52の片面に複数の小レンズ部53が格子状に等間隔で配列されている。小レンズ部53の総数は4×4の16個である。
図8Aおよび図8Bに例示されるように、成形型組立体20は、スリーブ21と、下型22および上型23で構成されている。
一方、下型22の成形面22aは、矩形の平坦面である。
個々の位置決め部材25の長さは、治具孔21bへ挿入した際、位置決め部材25の先端部が、中心部に配置された成形素材と接するように設定される。
本変形例の成形型組立体20における組み立て工程を説明する。
下型22の成形面22aの中心部にボール状成形素材50を載置する。
この状態で、上型23をスリーブ21に嵌合させれば、上型23と下型22とでボール状成形素材50を挟み込んだ成形型組立体20が得られる。
次に、上述のように組み立てられた成形型組立体20の成形工程について説明する。
上述のように、スリーブ21の変形規制面21aの断面は矩形形状をしており、変形するボール状成形素材50が上型23、下型22、スリーブ21で構成される空間に充満すると、成形されるレンズアレイ50Aの外形は矩形形状になる。
そして、成形温度から室温までの冷却工程を経ると、基板部52の一つの面の全体に小レンズ部53が配列された矩形形状のレンズアレイ50Aが得られる。
また、位置決め部材25が装着される治具孔21bおよび位置決め部材25の数を4つにしているが、2つ以上あればよい。
図10Aに例示されるように、凸レンズ断面成形素材60の形状は棒形状であり、棒の長さ方向の断面が一定で凸レンズ断面の形状を有している。すなわち、平坦な底面61と反対側に円筒面62が設けられた、いわゆる蒲鉾形を呈している。
凸レンズ断面をなす円筒面62の曲率半径Rpは、上型23の小レンズ成形凹面23bの最小曲率半径Raに対して、Rp≦2Raの関係を満足するように設定される。
次に、上述の凸レンズ断面成形素材60を用いる場合の成形型組立体20の組み立て工程について説明する。
下型22の成形面22aの中心部に凸レンズ断面成形素材60を載せる。
成形面22aの中心部に載置された凸レンズ断面成形素材60は、各位置決め部材の先端部と接して位置調整が行われることにより、位置が固定されて安定する。
このとき、成形型組立体20の内部では、凸レンズ断面成形素材60の表面中心部63が、上型23の複数の小レンズ成形凹面23bの隣接交点23d(P2)に一致し、かつ中心軸CYの方向が、隣接交点23dを通る中央の隣接境界23cに一致するように位置決めされた状態となる。
次に、上述のように組み立てられた成形型組立体20の成形工程について説明する。
凸レンズ断面成形素材60の変形が進行すると、レンズアレイ60Aの基板部61aと複数の小レンズ部62aとが凸レンズ断面成形素材60に転写されて形成される。
上述のように、変形規制面21aの断面は矩形形状をしており、凸レンズ断面成形素材60が上型23、下型22、スリーブ21で構成される成形空間に充填されると、成形されたレンズアレイ60Aの外形は矩形形状になる。
ここで、凸レンズ断面成形素材60を用いる場合における空気溜りの抑制効果について説明する。
これによって、凸レンズ断面成形素材60から成形されるレンズアレイ60Aの小レンズ部62aの光学面にはほとんど空気が残らない状態にすることができる。
本変形例において、上述のレンズアレイ60Aにおける基板部61aの形状、小レンズ部62aの形状および数、素材ガラスの種類、さらには、上型23における小レンズ成形凹面23bの配置、成形素材の形状、製造工程の順序等については上述の例示内容に限定されない。
次に、さらに別の変形例として、棒形状の成形素材を使用し、半円筒面の小レンズ部を有したレンズアレイを得る製造方法を説明する。
このレンズアレイ60Bを成形するための成形型組立体としては、上述の成形型組立体20を使用する。
この上型24の成形面24aには、複数の小レンズ成形凹面24b(光学機能凹面)(L1〜L6)が、軸方向を平行にして所定のピッチで隣接して配列されている。隣り合う小レンズ成形凹面24bの間には、直線状のエッジからなる隣接境界24cが形成されている。
上型24および下型22の外周形状は、スリーブ21の矩形の内周面(変形規制面21a)に嵌合するよう矩形形状に形成されている。
成形素材としては、上述の図10Aに例示した棒形状の凸レンズ断面成形素材60を用いる。
成形型組立体20の組み立て工程では、凸レンズ断面成形素材60は、成形面24aの中心部に、凸レンズ断面の方向(中心軸CY)が、小レンズ成形凹面24bの長手方向に平行となるように配置する。
このように凸レンズ断面成形素材60が挟み込まれた状態の成形型組立体20では、中央に位置する隣接境界24c(E4)、すなわち中央隣接境界24dと、凸レンズ断面成形素材60の円筒面62の表面中心部63を通る中心線(中心軸CY)とが全長にわたって線接触している。
所望の形状が得られた段階で成形型組立体20の加圧を止めれば、レンズアレイ60Bの成形が完了する。
本変形例において、上述のレンズアレイ60Bの基板部61aの形状、シリンドリカル小レンズ部62bの形状および数、素材ガラスの種類、さらには、上型24における小レンズ成形凹面24bの配置、成形素材の形状、製造工程の順序等については、上述の例示内容に限定されることはない。
上述の各実施の形態では、レンズアレイの片面に小レンズ部やシリンドリカル小レンズ部を形成した場合を例示したが、両面に形成してもよい。
図12Aは、凸形状の小レンズ部が基板部の両面に配置されたレンズアレイを示す断面図であり、図12Bは、このレンズアレイの成形に用いられる成形素材の一例を示す側面図である。
小レンズ部72bおよび小レンズ部73bの数は、基板部71aの片面に4×4の16個づつ、両面に合計で32個が配置されている。
成形型組立体としては、上述の成形型組立体20を用いることができる。ただし、この場合には、下型22の代わりに、下型26を用いる。図8Bのように、この下型26には、上型23と同様な小レンズ成形凹面26b(光学機能凹面)(成形面26a)が形成されている。
成形型組立体20のように、矩形の変形規制面21aに嵌合する上型23および下型26の場合には、自動的に、上下の小レンズ成形凹面23bおよび小レンズ成形凹面26bの位置合わせが行われる。
この場合には、図12Bに例示されるような両凸状成形素材70(成形素材)が用いられる。この両凸状成形素材70は、円柱形の胴部71の両端に、たとえば球面からなる凸状表面72および凸状表面73が設けられた形状を呈している。両凸状成形素材70の体積は製造されるレンズアレイ70Aの体積と一致させる。
Rp1≦2Ra1 かつ Rp2≦2Ra2、 ………(3)
成形型組立体20の組み立て工程では、両凸状成形素材70は、下型26の成形面26aの中心部(図8CのP3)に表面中心部72a(頂部)が一致するように配置する。
この組立状態では、上型23(下型26)の成形面23a(成形面26a)の中央に位置する隣接交点P2(P3)と、両凸状成形素材70の表面中心部73a(表面中心部72a)(頂部)とが接触している。
所望の成形温度に加熱された成形型組立体20を加圧すると、下型26と上型23で挟まれた両凸状成形素材70は変形しながら、成形面23aと成形面26aの間の空間に充満していく。
そして、室温までの冷却工程を経ると、図12Aに例示される矩形形状のレンズアレイ70Aが得られる。
Rp≦2Ra1、かつ、Rp≦2Ra2、 ………(4)
上型23および下型26の各々の小レンズ成形凹面23b、小レンズ成形凹面26bの配列方向を合わせる手段として用いられるガイド形状とキー形状に制約はなく、様々な形状のものが利用できる。
以上説明したように、本発明の各実施の形態によれば、成形素材の形状を工夫することで、単一の成形素材を使用して成形しても空気溜りのない良好な品質のレンズアレイを製造することができる。
上型と下型とで単一の成形素材を成形して、凸形状を有する複数の小レンズ部の配列が基板部の少なくとも一方の面に配置されたレンズアレイを製造する方法において、
上型および下型はそれぞれ成形面を有し、上型および下型の少なくとも一方には、複数の小レンズ部にそれぞれ対応した小レンズ成形面が設けられ、
成形素材の表面は凸形状の曲面を有しており、
成形素材の表面中心部を小レンズ成形面が設けられた成形面の中心部に整列配置して上型と下型の間に組み込む工程と、
加熱軟化した成形素材を上型と下型とで押圧して中心方向から外周方向へ変形するようにレンズアレイを成形する工程と、
を有することを特徴とするレンズアレイの製造方法。
複数の小レンズ成形面を有する成形面は、成形面の中心部に対し、各小レンズ成形面の配列の中央に位置する小レンズ成形面の面頂を整列して配置しており、
複数の小レンズ成形面は凹形状の曲面を有し、各曲面の最小曲率半径をRaとしたとき、
成形素材には曲率半径Rpの曲面が形成され、
曲率半径Rpは最小曲率半径Raとの関係がRp≦Raを満足するように設定されている、
ことを特徴とする付記1に記載のレンズアレイの製造方法。
複数の小レンズ成形面を有する成形面は、成形面の中心部に対し、各小レンズ成形面の配列の中央に位置して隣接する小レンズ成形面で作られる隣接部を整列して配置しており、
各小レンズ成形面は凹形状の曲面を有し、各曲面の最小曲率半径をRaとしたとき、
成形素材には曲率半径Rpの曲面が形成され、
曲率半径Rpは最小曲率半径Raとの関係がRp≦2Raを満足するように設定されている、
ことを特徴とする付記1に記載のレンズアレイの製造方法。
レンズアレイは基板部の両面に凸形状を有する複数の小レンズ部の配列が配置されており、
組み込み工程において、上型の成形面の中心部と下型の成形面の中心部とが同一軸上にあって、上型の各小レンズ成形面の配列と下型の各小レンズ成形面の配列とは配列方向を合わせて配置される、
ことを特徴とする付記1から3に記載のレンズアレイの製造方法。
上型と下型との間に、加熱軟化した成形素材の変形状態を規制して所望の外形形状を得るための変形規制部を設けた、
ことを特徴とする付記1から4に記載のレンズアレイの製造方法。
成形素材の材料は光学ガラスである、
ことを特徴とする付記1から5に記載のレンズアレイの製造方法。
成形素材の形状は、ボール形状、凸レンズ形状、ロッド形状、凸レンズ断面を有する棒形状のいずれかである、
ことを特徴とする付記1から6に記載のレンズアレイの製造方法。
成形素材の体積は、レンズアレイの体積と一致する、
ことを特徴とする付記1から7に記載のレンズアレイの製造方法。
10A 成形型組立体
11 スリーブ
12 下型
12a 成形面
13 上型
13a 成形面
13b 小レンズ成形凹面
13c 凹面頂点
13d 隣接線
14 上型
14a 成形面
14b 小レンズ成形凹面
14c 隣接境界
14d 隣接交点
20 成形型組立体
21 スリーブ
21a 変形規制面
21b 治具孔
22 下型
22a 成形面
23 上型
23a 成形面
23b 小レンズ成形凹面
23c 隣接境界
23d 隣接交点
24 上型
24a 成形面
24b 小レンズ成形凹面
24c 隣接境界
24d 中央隣接境界
25 位置決め部材
26 下型
26a 成形面
26b 小レンズ成形凹面
40 平凸状成形素材
40A レンズアレイ
40B レンズアレイ
41 底面
41a 基板部
42 凸状表面
42a 小レンズ部
43 表面中心部
50 ボール状成形素材
50A レンズアレイ
50B レンズアレイ
51 表面中心部
52 基板部
53 小レンズ部
60 凸レンズ断面成形素材
60A レンズアレイ
60B レンズアレイ
61 底面
61a 基板部
62 円筒面
62a 小レンズ部
62b シリンドリカル小レンズ部
63 表面中心部
70 両凸状成形素材
70A レンズアレイ
71 胴部
71a 基板部
72 凸状表面
72a 表面中心部
72b 小レンズ部
73 凸状表面
73a 表面中心部
73b 小レンズ部
100 成形装置
110 成形ステージ
120 下側プレート
121 ヒータ
130 上側プレート
131 ヒータ
140 加圧装置
Claims (3)
- 上型および下型の少なくとも一方の成形面に配列された複数の光学機能凹面の配列中心部に、凸形状の成形素材の頂部が一致するように位置決めする工程と、
前記上型および下型の前記成形面の間で前記成形素材を挟圧し、前記配列中心部から周辺方向に前記成形素材が広がるように変形させる工程と、
を含み、
前記成形面には、隣り合う前記光学機能凹面の境界部が前記配列中心に一致するように複数の前記光学機能凹面が配列され、
個々の前記光学機能凹面の最小曲率半径をRaとし、前記成形素材の前記頂部の曲率半径をRpとしたとき、Rp≦2Raを満足するように前記成形素材の形状が設定されていることを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 請求項1記載のレンズアレイの製造方法において、
前記上型の前記成形面に配列された前記光学機能凹面の最小曲率半径Ra1と、前記下型の前記成形面に配列された前記光学機能凹面の最小曲率半径Ra2とが互いに異なり、
前記上型および下型の各々の前記成形面には、隣り合う前記光学機能凹面の境界部が前記配列中心に一致するように複数の前記光学機能凹面が配列されている場合、
前記成形素材の、前記上型および下型の各々の前記成形面の前記配列中心に一致する二つの前記頂部の各々の曲率半径Rp1およびRp2が、Rp1≦2Ra1かつRp2≦2Ra2を満たすことを特徴とするレンズアレイの製造方法。 - 請求項1または請求項2に記載のレンズアレイの製造方法において、
各々が半円筒面からなる複数の前記光学機能凹面が、前記半円筒面の軸方向を平行にして前記成形面に配列されているとき、
ロッド形状、または凸レンズ断面を有する棒形状の前記成形素材の軸を前記半円筒面の軸方向と平行に配置することを特徴とするレンズアレイの製造方法。
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