図1は、熱交換器1を概略的に示したものであり、(a)は分解斜視図、(b)は縦断面図を示している。なお(a)においては、熱交換器1を構成する側面部の一部を取り外して、熱交換器の内部が見えるように示している。なお、以降の図において同一の部材については同一の番号を付するものとする。
図1において、熱交換器1は、ガスと水とで熱交換を行う熱交換ユニット2、熱交換ユニット2を収納する収納容器3とから構成されており、収納容器3は、熱交換ユニット2を収納する内側筒状容器4、内側筒状容器4と空間部を有して配置された外側筒状容器5より構成されている。なお、以降収納容器3という場合には、熱交換器1を構成する収納容器3を意味するものとする。
ガスと水とで熱交換を行う熱交換ユニット2は、ガスの流れ方向を軸として蛇行形状に水が流通する配管6と、ガス流れ方向に平行に配管6の外壁に接して複数のフィン7が設けられている。なお、図1においては、収納容器3の上部から下部に向かってガスが流れ(図1においては太い矢印にて示す)、逆に収納容器3の下部から上部に向かって水が流れる(図1においては細い矢印にて示す)、いわゆる対向流となっている。
ここで配管6は、熱交換の効率を向上するため、収納容器3内に密に収納されているのが好ましく、例えば、蛇行形状、螺旋形状、波型形状等の形状にて作製することができるが、熱交換器1の形状をコンパクトにする上で蛇行形状であるのが好ましい。なお、配管6の材質としては、ガスの熱を効率的に回収するため、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属類を用いることができる。
さらに、ガスから配管6の内側を流れる水への伝熱面積を増加させるために、配管6の外壁に接してフィン7が設けられることが好ましく、より効率的に伝熱面積を増加すべく複数のフィン7が設けられることが好ましい。
また、フィン7は、収納容器3内を流れるガスの圧力損失を少なくするよう、配管6の屈曲部位には設けられずに、ガス流れ方向に垂直な方向の直線部位に、ガス流れ方向に平行に配置されている。
複数のフィン7が設けられる場合には、ガスの圧力損失を防止すべく、これらフィン7は所定の間隔で配置されることが好ましい。ここで、この間隔が狭すぎる場合には、ガス中の水蒸気が液化して生じる凝縮水がフィンの間隙に溜まり、熱交換率が低下するおそれがあり、間隔が広すぎる場合には、排熱の回収効率が悪く、熱交換率が低下するおそれがある。したがって、フィン7の間隔は、1〜数mm程度とするのが好ましい。
また、フィン7の形状としては、熱交換ユニット2全体で均等に熱交換が行なわれるよう設計すればよく、例えば、正方形状、長方形状、円盤状等のフィンを適宜選択して使用することができる。さらに、フィン7の材質としては、銅、アルミニウム、ステンレス等の金属類を用いることができる。
また、熱交換ユニット2の配管6を流れる水の流量としては、熱交換後に得られる湯水の温度が予め設定された温度範囲となるよう適宜設定される。
例えば、収納容器3(内側筒状容器4)に流入するガス温度が212℃の場合、そのガス熱量は66.1KJ/minと計算される。この場合、熱交換ユニット2の配管6を流れる水の流量を0.2リットル/分以下とすることにより、熱交換器1出口での水温を80℃〜90℃とすることができる。
ここで収納容器3は、熱交換ユニット2を収納するための内側筒状容器4と、内側筒状容器4と空間部を有して配置された外側筒状容器5との二重構造であり、両端部は開口端とされている。そして、内側筒状容器4の一端部(図1においては一端側開口部10である上端側)と外側筒状容器5の一端部とが接合(溶接)されている。さらに図1においては、内側筒状容器4の他端部側(図1においては他端側開口部11である下端側)は、外側筒状容器5の底部を貫通して(突出部9を有して)配置されている。それにより、内側筒状容器4と外側筒状容器5とが空間部8を有して接合(溶接)されている。
ここで、内側筒状容器4と外側筒状容器5とを接合(溶接)した後、空間部内の空気を脱気することにより、空間部8が真空となる。それにより、ガスの熱が、空間部8(真空)により熱交換器1の外部に拡散することを抑制(防止)でき、熱交換器1(収納容器3)の内部や外部に断熱材を設けることなく、熱交換ユニット2による熱交換を効率よく行うことができるとともに、熱交換器1を安価なものとすることができる。また、ガスの熱を熱交換器1の外部に拡散することが抑制できることから、熱交換器1の安全性を向上することもできる。なお、本発明において真空とは、通常の大気圧より低い圧力で満たされた空間内の状態をいう(JIS Z8126−1:1999参照)。
また、内側筒状容器4と外側筒状容器5との空間部8を真空とするにあたっては、外側筒状容器5の底部や側面部に小さな孔を設けておき、内側筒状容器4と外側筒状容器5とを接合(溶接)した後その小さな孔より脱気を行い、脱気完了後その小さな孔を塞ぐことにより真空とすることができる。
なお、収納容器3は、例えばアルミニウム、チタン、ステンレス等の金属のほか、例えばポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリカーボネート、ABS等の一般的に知られている耐熱性樹脂により形成することができる。
なお、収納容器3を上記金属で形成する場合には収納容器3(熱交換器1)を安価に形成することができ、収納容器3を耐熱性樹脂にて形成した場合には、ガスの熱交換に伴って生じる凝縮水により収納容器3が腐食することを抑制できる。
図2は、収納容器3の一端側開口部10側を抜粋して拡大した断面図であり、(a)は内側筒状容器4の一端部側が螺子形状(雌)12である場合を、(b)は外側筒状容器5の一端部側が螺子形状(雄)12である場合を示している。
このような収納容器3においては、収納容器3の一端側開口部10の内面または外面が螺子形状となっていることから、熱交換器1を取り付ける他の部材においても対応する螺子形状とすることで、熱交換器1を回転して螺合させるだけで、容易に熱交換器1を着脱することができる。それゆえ、熱交換器1の着脱において作業効率を向上することができる。
なお、例えば内側筒状容器4の一端側開口部を外側筒状容器5の一端側開口部に対して突出した形状とした場合においては、内側筒状容器4の一端側開口部の内面または外面を螺子形状とすればよく、逆に外側筒状容器5の一端側開口部を内側筒状容器4の一端側開口部に対して突出した形状とした場合においては、外側筒状容器5の一端側開口部の内面または外面を螺子形状とすればよい。
ここで、熱交換器1と他の部材とが螺合により接続されることから、熱交換器1と他の部材とは強固に接続される。それゆえ、熱交換器1と他の部材との接続部より、ガスが漏出することを抑制できるが、特に図2に示したように内側筒状容器4の一端部と外側筒状容器5の一端部とが接合(溶接)されている熱交換器1においては、図2(a)に示したように内側筒状容器4の一端部を螺子形状(雌)12とした場合に、さらに排ガスの漏出を抑制することができる。なお、さらにガスの漏出を抑制すべく、熱交換器1と他の部材との螺合部にガスケット部材(シール部材)を設けることも可能である。
以上、熱交換器1について詳述したが、熱交換器1は、燃料電池装置の稼動に伴って生じる排ガスと水とでの熱交換のために用いる場合により有効となり、熱交換器1を燃料電池装置に具備することにより、メンテナンスにおける作業効率が向上した燃料電池装置とすることができる。以下に、熱交換器1を具備する燃料電池装置について詳述する。
図3は、熱交換器1を具備する燃料電池装置13を模式的に示した断面図である。
図3において、燃料電池装置13は、外装ケース14内に仕切部材16を有し(なお、仕切部材16を外装ケース14の一部とすることもできる)、仕切部材16の上部に、複数の燃料電池セルを収納してなる燃料電池モジュール15(以下、モジュールと略す)が配置された燃料電池モジュール収納室17(以下、モジュール収納室と略す)が形成されている。また、仕切部材16の下部にはモジュール15を動作させるにあたり必要な補機類を収納するための補機収納室18が形成されている。
なお、仕切部材16は、モジュール収納室17と補機収納室18とを区画することができればよく、例えば、内部に空気が流通することが可能な空洞部を有する板状の部材や、モジュール15を載置するためのモジュール載置台を枠状の部材の一部に接続してなる形状が挙げられる。
また、例えば外装ケース14を仕切部材16により左右に区画するとともに、一方が燃料電池モジュール15を収納する燃料電池モジュール収納室17、他方が補機類を収納する補機収納室18とした燃料電池装置とすることもできる。
なお、図3に示したような仕切部材16を用いて、外装ケースを上下に区画した形状とすることにより、燃料電池装置をコンパクトな形状とすることができる。
ここで、燃料電池装置13の稼動に伴って生じる排ガス(モジュール15より排気される排ガス)は、排ガス中に含まれる一酸化炭素などの有害成分を排ガス処理装置にて処理する必要があり、排ガス処理装置で処理された後の排ガスと水とで熱交換が行われることとなる。それゆえ、図3においては、モジュール15より排気される排ガスは排ガス処理装置19に供給され、排ガス処理装置19で処理された後の排ガス(以降、処理後排ガスという場合がある)が続いて熱交換器1に供給され、熱交換器1にて熱交換器1内を流れる水と処理後排ガスとで熱交換される場合の燃料電池装置13を示している。
なお、熱交換器1としては、上述したような、熱交換ユニット2と、収納容器3とを具備し、収納容器3が、熱交換ユニット2を収納するための内側筒状容器4と、内側筒状容器4との間に空間部8(真空)を有して配置された外側筒状容器5との二重構造である熱交換器1を用いることが好ましい。
それにより、熱交換器1の内部や外部に断熱材を設けなくとも、排ガスの熱の拡散を抑制することができることから、熱交換率を向上した燃料電池装置13とできるとともに、燃料電池装置13のコストを低減することができる。
排ガス処理装置19としては、内部をモジュール15より排気される排ガスが流通可能な容器(例えば、ガス導入用開口部とガス排出用開口部を有する容器等)に、例えば一般的に知られている燃焼触媒を含有したものを用いることができる。燃焼触媒としては、担持体に、例えば、白金、パラジウム等の貴金属類の他、マンガン、コバルト、銀、銅、ニッケル等を担時させた燃焼触媒等を用いることができ、適宜選択して使用することができる。
そして、燃料電池装置13においては、モジュール15、排ガス処理装置19、熱交換器1が順に接続されている構成とすることが好ましく、図3においては、モジュール15の底面に、排ガス処理装置19と熱交換器1とを順に接続し、モジュール15より排気される排ガスが、熱交換器1の内部を上から下に向けて流通する構成を示している。それにより、処理後排ガスが熱交換器1の内部をスムーズに流れることができ、より効率よく熱交換を行うことができる。
それゆえ、図3に示す燃料電池装置13においては、少なくとも熱交換器1は補機収納室18に位置することとなり(排ガス処理装置19の一部も補機収納室18に位置する場合もある。なお、図3においては、排ガス処理装置19の全体がモジュール収納室17内に収納されている場合を示している。)、外装ケースの大きさ(横幅や奥行き)をよりコンパクトとすることができる。なお、熱交換器1と排ガス処理装置19との接続については、後に詳述するものとする。
なお、図には示していないが、仕切部材16の上部で、モジュール15の側面に排ガス処理装置19および熱交換器1を順に接続するように配置することもできる。この場合においては、モジュール15の排ガスが熱交換器1の内部を左右に流れるよう、熱交換器1を横向きに並置することができる。
また図3においては、補機収納室18内に、モジュール15に酸素含有ガス(通常は空気である)を供給するためのブロア21が設けられており、酸素含有ガス供給管22を通じて、ブロア21より酸素含有ガスがモジュール15に供給される。
そしてモジュール15の周囲には、モジュール15の発電により生じる輻射熱を断熱すべく断熱材20が設けられており、図3においてはモジュール15の底面に断熱材20が設けられている例を示している。ここで断熱材20は、モジュール15の発電量(輻射熱の温度)に合わせて適宜設けることができるが、より効率よく輻射熱の伝熱を抑制するため、モジュール15の全面に設けることが好ましい。
ところで、モジュール15内に収納される燃料電池セルが、固体酸化物形燃料電池セルである場合、燃料電池セルの発電時における温度が非常に高温となるため、モジュール15から排気される排ガスの温度も非常に高温となる。それゆえ、熱交換器1を有効に利用することができるが、排ガス処理装置19の周囲には断熱材を設けることが好ましい。そ
の際、モジュール15の底面側に設けられる断熱材20により、排ガス処理装置19の周囲を覆うように設けることが、燃料電池装置13のメンテナンスを容易とする上で好ましい。
なお、収納容器3(内側筒状容器4)に流入するモジュール15より排気される排ガスの温度としては、250℃以下であるのが好ましく、さらには200℃以下であるのがより好ましい。この温度域であれば、ボイラーと定義されるものではないため、熱交換器を具備する燃料電池装置13において、より安全な燃料電池装置13とすることができる。以降、まず燃料電池装置13におけるモジュール15について説明する。
図4は、図3に示したモジュール15を抜粋して示した外観斜視図である。モジュール15は、直方体状の収納容器23の内部に、内部をガスが流通するガス流路を有する燃料電池セル24を立設させた状態で配列し、隣接する燃料電池セル24間に集電部材(図示せず)を介して電気的に直列に接続するとともに、燃料電池セル24の下端をガラスシール材等の絶縁性接合材(図示せず)でマニホールド25に固定してなる燃料電池セルスタック26(以下、セルスタックという場合がある。)を収納して構成されている。なお、以降収納容器23という場合には、モジュール15を構成する収納容器23を意味するものとする。また、図4においては、燃料電池セル24として、燃料電池セル24の内部に設けられたガス流路を長手方向に燃料ガスが流れる中空平板型で、支持体の表面に、燃料側電極、固体電解質及び酸素側電極を順に設けてなる固体酸化物形燃料電池セル24を例示している。
また、燃料電池セル24にて使用する水素ガスを得るために、天然ガスや灯油等の燃料を改質して燃料ガス(水素含有ガス)を生成するための改質器27をセルスタック26の上部に配置している。そして、改質器27で生成された燃料ガスは、ガス流通管28によりマニホールド25に供給され、マニホールド25を介して燃料電池セル24の内部に設けられたガス流路に供給される。そして、これらの構成により燃料電池セルスタック装置29が構成されている。
なお、図4においては、収納容器23の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されている燃料電池セルスタック装置29を後方に取り出した状態を示している。ここで、図4に示したモジュール15においては、燃料電池セルスタック装置29を、収納容器23内にスライドして収納することが可能である。
図5は、図4で示すモジュール15の断面図である。モジュール15を構成する収納容器23は、内壁31と外壁32を有する二重構造で、外壁32により収納容器23の外枠が形成されるとともに、内壁31によりセルスタック26(燃料電池セルスタック装置29)を収納する発電室30が形成されている。
さらにモジュール15においては、内壁31と外壁32との間を、燃料電池セル24に導入する反応ガスの流路としており、例えば、燃料電池セル24に導入する酸素含有ガス等の反応ガスが流れる。
ここで内壁31には、内壁31の上面よりセルスタック26の側面側にまで延び、セルスタック24の配列方向における幅に対応し、内壁31と外壁32とで形成される流路に連通して、セルスタック26に反応ガスを導入するための反応ガス導入部材34が備えられている。また、反応ガス導入部材34の下端側(燃料電池セル24の下端側)には、燃料電池セル24に反応ガスを導入するための吹出口35が設けられている。
なお図5において、反応ガス導入部材34は、互いに所定間隔を空けて並設された一対の板部材により反応ガス導入流路を形成し、下端側で底部材に接合して形成されている。また、図5においては、反応ガス導入部材34は、収納容器23の内部に並置された2つのセルスタック26(燃料電池セルスタック装置29)間に位置するように配置されている。なお、反応ガス導入部材34は、収納されるセルスタック26の数により、例えばセルスタック26を挟み込むように配置してもよい。
そして、反応ガス導入部材34の内部に、温度センサ36の測温部37が位置するよう、温度センサ36が収納容器23の上面側より挿入されている。なお、温度センサ36としては、例えば熱電対を用いることができる。
ここで、燃料電池セル24は所定の温度範囲で運転されるため、発電室30内(好ましくはセルスタック26もしくはその近傍)の温度を測定するとともに、その温度管理を行なうことが必要となる。特に燃料電池セル24が、固体酸化物形燃料電池セル24の場合においては、その運転温度が非常に高く、燃料電池セル24(セルスタック26)の温度が過度に上昇すると、発電量が低下する、さらには劣化や熱応力により燃料電池セル24(セルスタック26)に破損等を生じるおそれがあるため、セルスタック26近傍の温度を効果的に測定するとともに、その温度管理を行なうことが特に必要となる。それゆえ、温度センサ36は、測温部37がセルスタック26の最も高い温度となる中央部側(セルスタック26の配列方向の中央部で、かつ燃料電池セル24の長手方向における中央部に位置する部位)を測定できるように配置することが好ましい。
また発電室30内には、モジュール15内の熱が極端に放散され、燃料電池セル24(セルスタック26)の温度が低下して発電量が低減しないよう、モジュール15内の温度を高温に維持するための断熱材38が適宜設けられている。
ここで、燃料電池セル24(セルスタック26)の温度を高温で維持すべく、断熱材38をセルスタック26の近傍に配置することが好ましく、特には、燃料電池セル24の配列方向に沿ってセルスタック26の側面側に並設するとともに、セルスタック26の側面の外形と同等またはそれ以上の大きさを有する断熱材38を並設することが好ましい。なお、好ましくは、セルスタック26の両側面側に並設することが好ましい。それにより、セルスタック26の温度が低下することを効果的に抑制できる。
また、セルスタック26の側面側に、セルスタック26の側面の外形と同等またはそれ以上の大きさを有する断熱材38を設けることにより、反応ガス導入部材34より供給されるガスが、セルスタック26の側面側より排出されることを抑制でき、セルスタック26を構成する燃料電池セル24間の反応ガスの流れを促進することができる。
なお、反応ガス導入部材34側に配置する断熱材38の下端側には、反応ガスを燃料電池セル24に供給するための切り欠き部を有していることが好ましい。
また、内壁31により形成される底面(内部底面)および燃料電池セル24の配列方向に沿って形成された側面(内部側面)に対して所定間隔を空けて併設された排ガス用内壁33により排ガス流路が形成され、さらに収納容器23の底部に設けられた排気孔39と排ガス流路が通じている。
それにより、燃料電池装置13の稼動(起動処理時、発電時、停止処理時)に伴って生じる排ガスは、排ガス流路を流れた後、排気孔39より排気される構成となっている。
なお、排気孔39は収納容器23の底(底面)の一部を切り欠くようにして形成してもよく、また管状の部材を設けることにより形成してもよい。
そして、図3に示したように、排気孔39より排気される排ガスは、後述する排ガス処理装置19にて処理された後、処理後の排ガスと水とで熱交換する熱交換器1に供給されて熱交換が行われる。そして、排気孔39を収納容器23の底に設けることにより、収納容器23の底面に直接または後述する排ガス処理装置を介して熱交換器1を接続することができ、燃料電池装置13をコンパクトとすることができる。
なお、排ガス流路を流れる排ガスは非常に高温であることから、内壁31と外壁32との間を流れる反応ガスと熱交換することができ、さらに効率よく熱交換するにあたり、例えば、排ガス流路や、内壁31と外壁32とで形成される空間を蛇行流路とすることもできる。なお、図4においては、排ガス流路や、内壁31と外壁32とで形成される空間に、蛇行流路を形成するための部材を設けている例を示している。
ところで、燃料電池装置13の稼動に伴って生じる排ガスには、一酸化炭素等の有害成分を含む場合があり、これらの有害成分を含む排ガスが燃料電池装置13の外部に排気されないよう、排ガス処理装置19等にて処理した後に、外部に排気する必要がある。
ここで、図6においては、燃料電池装置13のうち、モジュール15に接続される排ガス処理装置19と熱交換器1との接続について概略的に示すために、モジュール15、排ガス処理装置19および熱交換器1を抜粋して示した側面図を示している。
ここで、モジュール15の周囲には断熱材20が設けられており、モジュール15の底面に排ガス処理装置19と熱交換器1とが順に接続され、排ガス処理装置19で処理された後の排ガスが熱交換器1の内部を上から下に流通する。
そして、図6に示した熱交換器1においては、熱交換器1内に設けられた熱交換ユニット(図1等参照)2が設けられており、配管6を水が下から上に流れることとなる。そして、熱交換器1の内部を上から下に流通する排ガスと対向流として配管6を流れて熱交換された水(お湯)は、燃料電池装置13の外部に設けられる貯湯タンクに、熱交換後の水(お湯)が貯水されることとなる。
なお、図6においては、熱交換器1の他端側開口部11(下端部側)に、気液分離部材40が接続されている(詳細は後述する)。ここで、気液分離部材40は、熱交換後の排ガス(以降、熱交換後排ガスという)と、熱交換により生じる凝縮水とを分離して排出するための部材であるため、熱交換器1は、収納容器3の両端部が開口しているとともに、その一端側開口部10と他端側開口部11とは逆方向を向くように開口していることが好ましく、図6に示した燃料電池装置13においては、排ガス処理装置19がモジュール15の底面に固定されるとともに、排ガス処理装置19のガス排出用開口部に、収納容器3の一端側開口部10が接続されている。
それにより、モジュール15より排気される排ガスは、排ガス処理装置19にて処理された後、収納容器3の内部をスムーズに(直線的に)に流れることで、より効率よく熱交換を行うことができる。
ところで、燃料電池装置1においてモジュール15のメンテナンスを行なう必要が生じる場合がある。ここで、図3や図6に示した燃料電池装置においては、モジュール15のメンテナンスを行なうにあたり、モジュール15を仕切部材16より取り外すこととなるが、その際モジュール15を上側に持ち上げて取り外すこととなる。それゆえ、モジュール15の重量や取り外しにおける利便性を考慮して、熱交換器1を取り外した後にモジュール15を仕切部材16より取り外すことで、モジュール15のメンテナンスにおける作業効率が向上するが、図12や図13に示したように、排ガス処理装置107と熱交換器108とがネジにて固定されている場合には、排ガス処理装置107や熱交換器108の周囲に設けられた断熱材を取り除き、排ガス処理装置107と熱交換器108とを接続するネジを取り外す作業が必要となり、作業効率性が悪いという問題がある。
また、排ガス処理装置107と熱交換器108とがネジにて固定される場合においては、排ガス処理装置107と熱交換器108とに板状の固定部材(フランジ等、図13参照)を設けるとともに、その固定部材をネジで固定する形状となるため、モジュール103の底面に設ける断熱材が、排ガス処理装置107の近傍にまで配置することが難しくなり、モジュール103の断熱効果が悪くなるという問題もある。
それゆえ、燃料電池装置13においては、モジュール15のメンテナンスを容易に行なうことができるよう、すなわち熱交換器1を容易に着脱できることが好ましい。
図7は、熱交換器1を容易に着脱できる燃料電池装置13の一例を示したものであり、排ガス処理装置19、熱交換器1および気液分離部材40を抜粋して拡大して示す断面図である。ここで、(a)は収納容器3の一端側開口部10において、内側筒状容器4の一端部が螺子形状(雌)12であり、排ガス処理装置19のガス排出用開口部が雄螺子である場合を、(b)は収納容器3の一端側開口部10において、外側筒状容器5の一端部側が螺子形状(雄)12であり、排ガス処理装置19のガス排出用開口部が雌螺子である場合を示している。すなわち、本発明において各々対応する螺子形状であるとは、一方が雄螺子で他方が雌螺子のようにそれぞれを螺合できる形状であることを意味し、以下同意である。
それにより、内部に熱交換ユニット2を収納してなる収納容器3が、排ガス処理装置19と螺合により強固に接続されるとともに、熱交換器1を回転させるだけで、工具類を使用することなく排ガス処理装置19と熱交換器1とを取り外すことができ、排ガス処理装置19と熱交換器1とを着脱自在に容易に接続することができる。それゆえ、モジュール15のメンテナンスにおける作業効率を向上することができる。
また、排ガス処理装置19と熱交換器1とを螺合により接続することから、排ガス処理装置19と熱交換器1とをネジで固定する場合に必要なフランジ等が必要なくなるため、モジュール15の底面に設ける断熱材20を、排ガス処理装置19の近傍にまで配置することができ、モジュール15の断熱効果を向上することができる。
なお、モジュール15と排ガス処理装置19との固定は、ネジでの固定の他、リベット等や溶接等により適宜固定することができる。
また、熱交換器1と排ガス処理装置19とを螺合により接続することから、熱交換器1と排ガス処理装置19との接続部より、排ガスが漏出することを抑制できるが、さらに排ガスの漏出を抑制すべく、熱交換器1と排ガス処理装置19との螺合部にガスケット部材(シール部材)を設けることも可能である。
図8は、熱交換器1を容易に着脱できる燃料電池装置13の他の一例を一部抜粋して示した正面図(断面図)であり、図9は図8で示した燃料電池装置13のうち、収納容器23の排気孔39に、熱交換器1の一端側開口部10が接続されている状態の一部を抜粋して示したものである。
ここで、図8および図9においては、モジュール15(収納容器23)内部の排ガスを排気するための排気孔39に排ガス処理装置43を設けている例を示している。
このような燃料電池装置13においては、排ガス処理装置43を排気孔39に設けることで、熱交換器1を排気孔39に接続することができ、燃料電池装置13を小型化することができる。
そして、排ガス処理装置43を排気孔39に設けることにより、温度の高い排ガスが排ガス処理装置43に供給され、効率よく排ガスを処理することができる。
なお、このように排気孔39に設けることができる排ガス処理装置43としては、一般的に知られるハニカム型の燃焼触媒(以下、ハニカム触媒と略す)を例示することができる。それにより、効率よく排ガスの処理を行うことができるとともに、安価とすることができる。なお、ハニカム触媒としては、排ガスの温度等により、セラミックスよりなるハニカム触媒や、金属製のハニカム触媒(メタルハニカム触媒)等を適宜使用することができ、特には取り扱い上の容易性等よりメタルハニカム触媒を用いることが好ましい。
そして、収納容器23の排気孔39に排ガス処理装置43を設ける場合にあたっては、熱交換器1を排気孔39に容易に着脱できることが好ましく、それゆえ、排気孔39および熱交換器1の一端側開口部10に各々対応する螺子を設け、排気孔39と熱交換器1(収納容器3)とを螺合にて接続することが好ましい。
それにより、内部に熱交換ユニット2を収納してなる収納容器3が、排気孔39と螺合により強固に接続されるとともに、熱交換器1を回転させるだけで、工具類を使用することなく熱交換器1を取り外すことができ、収納容器23(排気孔39)と熱交換器1とを着脱自在に容易に接続することができる。それゆえ、モジュール15のメンテナンスにおける作業効率を向上することができる。
なお、排気孔39に熱交換器1を螺合にて接続するにあたっては、排気孔39および熱交換器1の一端側開口部10を、適宜雄螺子または雌螺子とすることができる。ただし、熱交換器1を構成する収納容器3の一端側開口部10において、外側筒状容器5の一端部側が雄螺子である場合には、モジュール15より排気される排ガスが、排気孔39と熱交換器1との接続部より漏出することを抑制すべく、排気孔39と熱交換器1との螺合部にガスケット部材(シール部材)を設けることも可能である。
また、熱交換器1が収納容器23(排気孔39)に接続されることから、モジュール15の底面側に設ける断熱材は、熱交換器1を挿入できる孔をくり貫いた形状の断熱材とすればよく、より効果的にモジュール15の断熱効果を向上することができる。
なお、燃料電池装置13の運搬時等に、排気孔39より排ガス処理装置43が脱落することを抑制(防止)すべく、排気孔39に脱落防止部材を設けることもできる。
図10は、上述した排ガス処理装置43を、熱交換器1を構成する収納容器3の内部に設けた場合を示しており、収納容器23の排気孔39に、熱交換器1の一端側開口部10が接続されている状態の一部を抜粋して示したものである。
このような、燃料電池装置13においては、上述したのと同様に、熱交換器1と排気孔39とを容易に着脱できるよう、排気孔39および熱交換器1の一端側開口部10に各々対応する螺子を設け、排気孔39と熱交換器1(収納容器3)とを螺合にて接続することが好ましい。
それにより、内部に熱交換ユニット2を収納してなる収納容器3が、排気孔39と螺合により強固に接続されるとともに、熱交換器1を回転させるだけで、工具類を使用することなく熱交換器1を取り外すことができ、収納容器23(排気孔39)と熱交換器1とを着脱自在に容易に接続することができる。それゆえ、モジュール15のメンテナンスにおける作業効率を向上することができる。
なお、収納容器3の内部には、排ガス処理装置43が落下することを防止すべく、落下防止部材44を設けることが好ましい。
また、熱交換器1が収納容器23(排気孔39)に接続されることから、モジュール15に設ける断熱材は、熱交換器1を挿入できる孔をくり貫いた形状の断熱材とすればよく、より効果的にモジュール15の断熱効果を向上することができる。
ところで、上述した熱交換器1においては、熱交換ユニット2において、排ガスと配管6を流れる水とで熱交換するが、それにより熱交換後の排ガス(以後、熱交換後排ガスという場合がある)と、熱交換により生成される凝縮水とが生じる。それゆえ、収納容器3の他端側開口部11に、気液分離部材40が接続されていることが好ましい。
ここで、図7および図10に示した気液分離部材40においては、熱交換により生じる凝縮水と熱交換後排ガスとを別方向に排出するため、ジャバラ部を有している。それにより、熱交換後排ガスを目的とする部位に排気することができる。
また、気液分離部材40は、熱交換により生じる凝縮水を回収するための凝縮水回収管41と、熱交換後排ガスを排気するための排気部42を具備している。それにより、熱交換により生じる凝縮水は凝縮水回収管41により回収することができ、凝縮水を有効利用することができる。なお、凝縮水回収管41は効率よく凝縮水を回収すべく、気液分離部材40の最も下側となる部位に設けることが好ましい。
図11は、熱交換器1に気液分離部材40を接続する場合の他の態様を示した断面図であり、内側筒状容器4の他端側開口部側11が外側筒状容器5の他端側開口部側11と接合され、外側筒状容器5と気液分離部材40とが接続されている。
熱交換器1と気液分離部材40との接続を、外側筒状容器5と気液分離部材40とが接続される構成とした場合においても、熱交換により生じる凝縮水は凝縮水回収管41により効率よく回収できるとともに、熱交換後排ガスは排気部42より排気することができる。
なお、図7および図10においては、内側筒状容器4の突出部9と気液分離部材40とが嵌合により接続されている場合を、図11においては外側筒状容器5と気液分離部材40とが嵌合により接続されている場合を示しているが、例えば突出部9や外側筒状容器5の他端側開口部11と気液分離部材40の端部を各々対応する螺子形状とし、これらを螺合することにより接続することもできる。
上述したように、本発明の燃料電池装置においては、上述した熱交換器1を具備することにより、熱交換器1を容易に着脱できることから、モジュール15のメンテナンスにおける作業効率が向上するため、熱交換器1を燃料電池装置13に具備するとともに、燃料電池装置13の稼動に伴って生じる排ガスと水とでの熱交換に用いることで、より有効な熱交換器1、さらには燃料電池装置13とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、熱交換器1において、内側筒状容器4と外側筒状容器5との間に空間部8(真空)を設け、排ガスの熱の拡散を抑制しているが、より効率よく熱交換を行うために、収納容器3(外側筒状容器5)の外周に断熱材を設けることもできる。