JP5360849B2 - 安定同位体2Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンを用いた腸管吸収後動態観察用プローブ - Google Patents

安定同位体2Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンを用いた腸管吸収後動態観察用プローブ Download PDF

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Description

本発明は、安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン、これを用いた腸管に吸収された後の動態を観察するためのプローブならびに安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの製造方法に関する。
βグルカンは、D−グルコースを構成糖として構成される多糖類であり、例えば、β−1,3グルカンとは、β−ピラノース型の環状D−グルコース同士がグルコース1位の炭素に結合している水酸基部位とグルコース3位の炭素に結合している水酸基部位との間で縮合してβ−1,3グルコシド結合を形成し、環状β−ピラノース型のD−グルコースが重合するように構成されている多糖類である。
βグルカンのような多糖類は、エネルギー源である糖の貯蔵分子や細胞壁などの構造分子として自然界の生物中に多種多様に存在している。例えば、キノコ類であるアガリクス茸や霊芝(レイシ)、舞茸(マイタケ)、椎茸(シイタケ)などが含有するβグルカンは、健康を維持増進するための様々な生理活性を有していることが知られており、免疫増強作用や抗腫瘍活性、ガン細胞増殖抑制作用、抗アレルギー作用、抗炎症作用、コレステロール低下作用、抗血栓作用、食物繊維作用、血圧降下作用、血糖降下作用、肝機能亢進などを目的とする機能性素材や医薬品などとして利用する試みが数多くなされている。また、難消化性を利用した便秘の予防・改善のための整腸剤、あるいはその保湿性を利用した化粧品などの機能性素材としても幅広い応用が期待されている。
有益な活性を有するβグルカンとして、β−1,3グルコシド結合からなる主鎖に加えて、グルコース6位の炭素からのD−グルコースの側鎖を有するβ−1,3−1,6グルカンがよく知られており、ラミナランともいわれている物質である。しかしながら、その枝分かれ構造が活性に影響を与えていると考えられているものの、その作用機序は必ずしも明らかではなく、また、βグルカンは天然物から得られる高分子ポリマーであることから、分岐の度合や主鎖の長さ、側鎖の長さなどの構造の他、アミノ化やリン酸化、メチル化、アセチル化などによるD−グルコース水酸基における修飾の有無や度合は均一ではないため、その構造や化学修飾が活性に与える影響についても未だ解明されていない。そのため、これまでは経験的にキノコ類由来のβグルカンが好んで用いられ、他の生物種由来のβグルカンが利用されることは少なかった。
近年、自然界に広く存在する不完全菌である、通称、黒酵母と呼ばれているアウレオバシジウム属(Aureobasidium sp.)に属する菌が産生するβ−1,3−1,6グルカンが、キノコ類由来のβグルカンと同等またはそれ以上の機能を有することが知られるようになり、様々な機能が見出されている。例えば、本願発明者らにより、アウレオバシジウム属に属する菌が産生するβ−1,3−1,6グルカンを含有する培養物などが、便秘改善機能(特許文献1)、皮膚保湿機能(特許文献2)、あるいは免疫賦活機能(特許文献3)を有することが見出され、飲食物などとして提供されている。
このように、β−1,3−1,6グルカンについて様々な機能が見出されるに伴い、生体内におけるβ−1,3−1,6グルカンの動態を観察したい、特に、腸管に吸収された後の動態を観察したいというニーズが生じていた。なお、生体内における物質の動態を観察したいというニーズは、β−1,3−1,6グルカンに限らず様々な物質について存在し、例えば、安定同位体標識アミノ酸(特許文献4)や安定同位体標識酵母(特許文献5)、安定同位体標識オリゴヌクレオチド(特許文献6)、安定同位体標識抗体(特許文献7)などが開発されている。
特開2004−269407号公報 特開2004−269408号公報 特開2005−220065号公報 国際公開WO2003/053910号パンフレット 特開平6−261743号公報 特開2000−290291号公報 特開2003−96098号公報
しかしながら、安定同位体で標識されたβ−1,3−1,6グルカンはこれまでに報告がされておらず、安定同位体Hや安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンも同様である。一方、プローブとしては、従来、安定性ではない同位体標識や蛍光標識のものの感度が良く、好まれてはいるが、安定性ではない同位体標識のプローブは生体への影響が懸念され、この影響により生体内において正確なトレースができない可能性がある。また、蛍光標識については、標識物質の分だけ分子量が異なるため、生体内での動向が異なり、同位体標識のプローブと同様、生体内において正確なトレースができない可能性がある。これらのことから、生体内における正確なトレースを実現するためには、安定性同位体標識のプローブが有効であるいえる。
本発明は、安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン、これを用いた腸管に吸収された後の動態を観察するためのプローブならびに安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cを含む液体栄養培地においてアウレオバシジウム属に属する菌を培養することにより、安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンが産生されること、さらには、産生された安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンを用いることにより小腸に吸収された後のβ−1,3−1,6グルカンの動態を観察することができることを見出し、下記の各発明を完成した。
(1)安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン。
(2)独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物センター(NITE−IPOD)に寄託された寄託番号FERM BP−10014のアウレオバシジウム プルランス M−2(Aureobasidium pullulans M−2)を、安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cを含む液体培地中で培養することにより得られる、(1)に記載の安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン。
(3)培地のpHが3.0〜8.0である、(2)に記載の安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン。
(4)安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されていないβ−1,3−1,6グルカンと物性に差がない、(1)から(3)のいずれかに記載の安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン。
(5)(1)から(4)のいずれかに記載の安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンを用いた腸管吸収された後の動態を観察するためのプローブ。
(6)独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物センター(NITE−IPOD)に寄託された寄託番号FERM BP−10014のアウレオバシジウム プルランス M−2(Aureobasidium pullulans M−2)を、安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cを含むpHが3.0〜8.0の液体培地中で培養する工程を有する安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの製造方法。
本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンによれば、生体内におけるβ−1,3−1,6グルカンの動態、特に、β−1,3−1,6グルカンが腸管に吸収された後の動態を観察することができ、β−1,3−1,6グルカンの新たな機能の発見や創出に寄与することができる。また、本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの製造方法によれば、安定同位体Hや安定同位体13Cで標識されたにもかかわらず、安定同位体で標識されていないβ−1,3−1,6グルカンと物性に遜色がない標識されたβ−1,3−1,6グルカンを得ることができる。さらに、本発明に係るプローブによれば、生体への影響が懸念されない、生体内において正確なトレースが可能性となる。
コントロール、安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカンおよび安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの各3試料についてのサイクルごとの安定同位体H/H比および安定同位体13C/12C比の平均値および標準偏差値を示す図である。 マウスから採取した小腸および大腸を分割する様子を示す図である。 HE染色したリンパ節を示す図である。 分割した小腸3における、リンパ節組織を採取する様子とリンパ節における安定同位体H/H比および安定同位体13C/12C比を示す図である。 分割した小腸3の異なる位置おける、リンパ節組織を採取する様子とリンパ節における安定同位体H/H比および安定同位体13C/12C比を示す図である。
以下、本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン、これを用いたプローブ、ならびに本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの製造方法について詳細に説明する。
安定同位体とは、電子や陽子、中性子を放出して原子番号が変遷し得る放射性同位体とは異なり、自然界で一定の割合をもって安定に存在する同位体であり、例えばHや13Cの他、15Nや17O、18Oなどを挙げることができる。
本発明における「で標識された」は、「が取り込まれた」、「を構成元素として有する」と交換可能に用いられる。
本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンは、安定同位体Hないし安定同位体13Cを含有する液体培地中で微生物を培養し、産生させることができる。そのような液体培地は、当業者によって適宜調製可能な液体培地を用いることができ、特に限定されないが、例えば、安定同位体H標識D−グルコースおよび/または安定同位体13C標識D−グルコース、安定同位体Hおよび安定同位体13C標識D−グルコース、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識L−グルコースなどの安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識単糖、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識マルトースや安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識スクロース、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識ラクトース、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識セロビオース、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識トレハロース、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識シクロデキストリン、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識グリコーゲン、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識アミロペクチン、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識アミロース、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識デンプン、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識セルロースなどの安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識多糖、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識エタノールなどの安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識アルコール、安定同位体Hおよび/または安定同位体13C標識アミノ酸、安定同位体H標識HO、安定同位体13C標識COなどのうちから選択される1または2以上の他、米糠、乳酸菌溶液、アスコルビン酸ナトリウムを含む液体培地を挙げることができる。また、そのような微生物もまた、パン酵母や黒酵母(アウレオバシジウム属に属する菌)などを挙げることができるが、アウレオバシジウム属に属する菌が好ましく、独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物センター(NITE−IPOD;茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6、郵便番号305−8566、日本)に、2004年4月22日に寄託された寄託番号FERM BP−10014のアウレオバシジウム プルランス M−2(Aureobasidium pullulans M−2)がより好ましい。
なお、本発明における液体培地のpHは3.0〜8.0の範囲が好ましいが、3.5〜7.5の範囲がより好ましく、4.0〜7.0の範囲がさらに好ましく、4.5〜7.0の範囲がよりさらに好ましい。
本発明において、生成された安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン(培養物の形態を含む)は、精製して用いることができる。そのような精製は、当業者によって適宜選択可能な手法や器具を用いて行うことができ、特に限定されないが、本実施例においては、エタノール沈殿法を好適な精製方法として用いている。
β−1,3−1,6グルカンが安定同位体H,13Cで標識されているか否かを確認する方法としては、例えば、安定同位体H,13Cで標識されていないβ−1,3−1,6グルカンとの比較により、安定同位体H/H比ないし安定同位体13C/12C比を測定する方法により確認することができる。そのような方法には、投影型二次イオン質量分析装置や二次元固体撮像素子を組み合わせた同位体顕微鏡を用いることができる。なお、本実施例においては、投影型二次イオン質量分析装置と発明者らが独自に開発した二次元固体撮像素子を組み合わせた同位体顕微鏡が用いられている。
本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンは、腸管に吸収されることが確認されていることから、生体内におけるβ−1,3−1,6グルカンの動態、特に、β−1,3−1,6グルカンが腸管に吸収された後の動態を観察するためのプローブとして用いることができ、本発明に包含される。
本発明に係るプローブは、哺乳動物において用いることができ、そのような哺乳動物としては、ヒト、サル(ヒトを除く霊長目)、ウシ、ウマ、ブタ、ミニブタ、フェレット、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、スナネズミなどを挙げることができるが、ヒトにおける代謝試験は可能であるものの安全性の問題が解決しない限り、ヒトを除く哺乳動物において用いるのが好ましい
なお、一般に哺乳動物は、βアミラーゼなどのβ−1,3−1,6グルカンを消化し得る酵素を有していないため、β−1,3−1,6グルカンは哺乳動物の消化器官ではほとんど分解されないが、本発明に係るプローブには、本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの分解産物が含まれる。
生体内に取り込まれた本発明に係るプローブを検出する方法としては、例えば、安定同位体H/H比ないし安定同位体13C/12C比を測定する方法により検出することができる。そのような方法には、投影型二次イオン質量分析装置や二次元固体撮像素子を組み合わせた同位体顕微鏡を用いることができる。なお、本実施例においては、投影型二次イオン質量分析装置と発明者らが独自に開発した二次元固体撮像素子を組み合わせた同位体顕微鏡が用いられている。
また、本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの製造方法は、
(i)独立行政法人独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物センター(NITE−IPOD)に寄託された寄託番号FERM BP−10014のアウレオバシジウム プルランス M−2(Aureobasidium pullulans M−2)を、安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cを含むpHが3.0〜8.0の液体培地中で培養する工程
上記(i)の工程を有している。なお、本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの製造方法において、上述した本発明に係る本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンおよびこれを用いたプローブの構成と同等または相当する構成については再度の説明を省略する。
本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの製造方法においては、必要とする安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの純度や態様などに応じて、上述の(i)の工程の他に、精製工程、凍結乾燥工程、粉砕工程、洗浄工程、安定同位体Hや安定同位体13Cで標識されているか否かの確認工程などを1または2回以上行ってもよい。
以下、本発明に係る安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン、これを用いたプローブならびにその製造方法について、実施例に基づいて説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される特徴に限定されない。
<実施例1>安定同位体Hまたは安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの調製
(1)安定同位体H含有培地においてアウレオバシジウム プルランス M−2を培養することによるβ−1,3−1,6グルカンの調製
[1−1]安定同位体H含有培地の調製
300mL三角フラスコに、下記の組成および終濃度となるように蒸留水に溶解し、これを液体栄養培地(pH3.0〜8.0)とした。
安定同位体H標識D−グルコース{D−Glucose−1,2,3,4,5,6,6−d7(98%);和光純薬社}1.5%(w/v)
微細化米糠(オリザジャームDLS;オリザ油化社)0.2%(w/v)
乳酸菌溶液1.0%(v/v)
これにアスコルビン酸ナトリウムが0.15%(w/v)かつpHが3.0〜8.0、好ましくは4.5〜7.0となるように10%アスコルビン酸ナトリウム溶液を添加した。
[1−2]アウレオバシジウム プルランス M−2の培養
オートクレーブ(LSX−700;トミー精工社)を用いて121℃の条件下で15分間滅菌した後、あらかじめ−80℃で凍結保存しておいたアウレオバシジウム プルランス M−2(Aureobasidium pullulans M−2;独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物センター(NITE−IPOD)に寄託、寄託番号FERM BP−10014)0.5mLを植菌し、振盪培養装置(BR−40LE;TAITEC社)を用いて攪拌回転数150rpm、培養温度24.5℃の条件下で5日間、回転振盪培養した。下記に培養結果を示す。
<安定同位体H含有培地における培養結果>
全糖濃度 0.93g/dL
D−グルコース残糖濃度 0
多糖濃度 0.93g/dL
β−1,3−1,6グルカン 0.65g/dL
[1−3]β−1,3−1,6グルカンの精製
培養物30mLを回収し、蒸留水で10倍希釈した後、高速遠心分離機(6930;久保田商事社)を用いて回転数14500rpm、6℃の条件下で30分間、遠心分離を行い、培養物上清約300mLを回収した。続いて、ロータリーエバポレーター(RE111;柴田化学社)を用いて、回収した培養物上清を100mLに減圧濃縮した。以下、エタノール沈殿法を用いて濃縮した培養物上清に含まれるβ−1,3−1,6グルカンを精製した。
濃縮した培養物上清にエタノール(特級;関東化学社)を66%(v/v)になるまで添加し、一晩6℃の冷蔵庫内に静置した後、高速遠心分離機(6930;久保田商事社)を用いて回転数14500rpm、6℃の条件下で30分間、遠心分離を行い、β−1,3−1,6グルカンを含む沈殿物を回収した。得られた沈殿物を蒸留水に溶解し、沈殿物水溶液を40mL調製した。前述したエタノール添加工程〜冷蔵庫内静置工程〜遠心分離工程〜沈殿物回収工程〜40mL沈殿物水溶液の調製工程〜エタノール添加工程〜冷蔵庫内静置工程〜遠心分離工程〜沈殿物回収工程の各工程を経て、β−1,3−1,6グルカンを含む沈殿物を得た。
得られたβ−1,3−1,6グルカンを含む沈殿物を蒸留水に溶解し、沈殿物水溶液を150mL調製し、ロータリーエバポレーター(RE111;柴田化学社)を用いて沈殿物水溶液を30mLに減圧濃縮するとともに残存するエタノールを除去した。オートクレーブ(LSX−700;トミー精工社)を用いて濃縮した沈殿物水溶液30mLを90℃の条件下で30分間滅菌し、β−1,3−1,6グルカン精製物を得た。
(2)安定同位体13C含有培地においてアウレオバシジウム プルランス M−2を培養することによるβ−1,3−1,6グルカンの調製
安定同位体H標識D−グルコース{D−Glucose−1,2,3,4,5,6,6−d7(98%);和光純薬社}の代わりに安定同位体13C標識D−グルコース{D−glucose−U−13C6(99%);和光純薬社}を同量用いた他は、本実施例(1)[1−1]〜[1−3]の手法に基づいてβ−1,3−1,6グルカン精製物を得た。なお、アウレオバシジウム プルランス M−2の培養結果を下記に示す。
<安定同位体13C含有培地における培養結果>
全糖濃度 1.13g/dL
D−グルコース残糖濃度 0
多糖濃度 1.13g/dL
β−1,3−1,6グルカン 0.79g/dL
(3)β−1,3−1,6グルカンが安定同位体H,13Cで標識されているか否かの確認
本実施例(1)または(2)で得られたβ−1,3−1,6グルカンについて、安定同位体Hまたは安定同位体13Cで標識されているか否かを確認した。安定同位体H標識D−グルコース{D−Glucose−1,2,3,4,5,6,6−d7(98%);和光純薬社}の代わりにD−グルコースを同量用いた他は、本実施例(1)[1−1]〜[1−3]の手法に基づいてβ−1,3−1,6グルカン精製物を得、これをコントロールとした。
コントロール、本実施例(1)および(2)で得られたβ−1,3−1,6グルカンをそれぞれ室温下で48時間静置して流動性を失わせ、イオン照射による帯電を押さえるために、流動性を失ったβ−1,3−1,6グルカンに厚さ30nmの金蒸着を施した後、1インチサイズの試料ホルダにマウントして試料を作成した。試料はそれぞれ3つずつ作成した。続いて、投影型二次イオン質量分析装置(IMS 1270;CAMECA社)と独自に開発した二次元固体撮像素子を組み合わせた同位体顕微鏡を用いて、作成した試料について安定同位体Hおよび安定同位体13Cの二次元分布を各々19サイクル観察し、安定同位体H/H比および安定同位体13C/12C比ならびにそれらの平均値および標準偏差値を試料ごとに算出した。さらにこれら試料ごとの安定同位体H/H比および安定同位体13C/12C比の平均値および標準偏差値から、コントロール、本実施例(1)および(2)で得られたβ−1,3−1,6グルカンの各3試料についての安定同位体H/H比および安定同位体13C/12C比の平均値ならびに標準偏差値をサイクルごとに算出した。
試料ごとの安定同位体Hおよび安定同位体13Cの二次元分布19サイクルの値、安定同位体H/H比および安定同位体13C/12C比ならびにそれらの平均値および標準偏差値を表1〜9に、コントロール、本実施例(1)および(2)で得られたβ−1,3−1,6グルカンの各3試料についてのサイクルごとの安定同位体H/H比および安定同位体13C/12C比の平均値および標準偏差値を図1に示す。
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表1〜9および図1に示すように、安定同位体H含有培地においてアウレオバシジウム プルランス M−2を培養することにより調製したβ−1,3−1,6グルカン(図1中の2Hglucan)は、コントロール(図1中のcontrol)と比較して安定同位体H/H比の値(図1中のH/H)が顕著に上昇し、安定同位体13C含有培地においてアウレオバシジウム プルランス M−2を培養することにより調製したβ−1,3−1,6グルカンは(図1中の13Cglucan)、コントロールと比較して安定同位体13C/12C比の値(図1中の13C/12C)が顕著に上昇していることが明らかとなった。このことから、安定同位体H含有培地あるいは安定同位体13C含有培地においてアウレオバシジウム プルランス M−2を培養することにより、安定同位体Hまたは安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンを調製することができることが示された。
なお、上述したアウレオバシジウム プルランス M−2の培養結果に基づき、精製物について、安定同位体H標識D−グルコースからの安定同位体Hの収率および安定同位体13C標識D−グルコースからの安定同位体13Cの収率を算出したところ、安定同位体Hの収率が42.13%、安定同位体13Cの収率が34.66%であった。
<実施例2>安定同位体Hまたは安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの物性の確認
(1)pHの測定
pH計(744型;メトロノームジャパン社)を用いて、実施例1で作成したコントロール、安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカンおよび安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンのpHを測定した。その結果を下記に示す。
<pH測定結果>
コントロール 6.62
安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカン 6.64
安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン 6.69
(2)粘度の測定
振動式粘度計(VM−10A;セコニック社)を用いて、実施例1で作成したコントロール、安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカンおよび安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの粘度を測定した。その結果を下記に示す。
<粘度測定結果(mPa・s)>
コントロール 41.3
安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカン 47.8
安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン 41.4
上述したpHおよび粘度の測定結果より、コントロール、安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカンおよび安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンのいずれも物性に差がないことが明らかとなった。すなわち、安定同位体H含有培地あるいは安定同位体13C含有培地においてアウレオバシジウム プルランス M−2を培養することにより調製したβ−1,3−1,6グルカンは、安定同位体Hまたは安定同位体13Cで標識されたにもかかわらず、アウレオバシジウム プルランス M−2が産生する安定同位体で標識されていないβ−1,3−1,6グルカンと物性に遜色がないことが示され、安定同位体Hまたは安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンは、例えば、腸管で吸収されるか否かを調べるため、および腸管で吸収された場合のその後の動態を観察するためのプローブとして役立つことが示された。
<実施例3>小腸における安定同位体Hまたは安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンの吸収後の動態観察
小腸におけるβ−1,3−1,6グルカンの吸収後の動態を調べるために、実施例1で作成した安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカンおよび安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンを用いて観察した。
(1)安定同位体Hまたは安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンのマウスへの投与
安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカンおよび安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンをそれぞれマウスに投与した。13週齢の雄のC57BL−6マウス(日本クレア社)を5匹用意し、実施例1(1)および(2)で得られた粘性を有する液状の安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカンおよび安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンを同量混ぜたものを、ゾンテを用いて1匹当たり200μLずつ、1時間おきに計5回経口投与した。
(2)観察用切片の作成
最初の投与から6時間後にマウスを解剖し、洗浄を行わないままで大腸および小腸を採取し、採取した小腸は図2に示すように2〜5の4つに分割した。続いて、β−1,3−1,6グルカンは小腸組織であるパイエル板に存在するM細胞から取り込まれると発明者らは考え、分割した小腸2〜5から、小腸組織に存在するリンパ節組織をそれぞれ採取した。ヘマトキシリン・エオジン(Hematoxylin−Eosin;HE)染色したリンパ節を図3に矢印で示す。図3において、左下方向の部分が小腸管内を示している。また、分割した小腸3における、リンパ節組織を採取する様子を図4および図5の左側図および中央図に示す。左側図からの矢印で示された中央図において四角で囲まれた枠内の組織が、採取されたリンパ節組織を示している。
続いて、100mLの蒸留水にParaformaldehyde(PFA)8gを溶解して得られた8%(w/v)PFA水溶液30mLに、0.05mol/Lリン酸緩衝液に0.1mol/LのL−lysineを加えて得られた溶液(pH7.4)を90mL加え、さらにメタ過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)を0.257g加えて攪拌することにより、PLP固定液を調製した。下記にPLP固定液の最終濃度を示す。
<PLP固定液>
0.01mol/L NaIO
0.075mol/L L−lysine
0.075mol/L リン酸緩衝液
2%(w/v)PFA
調製したPLP固定液に採取した組織を浸漬し、24時間静置した後、組織を水道水で軽く洗浄した後、パラフィン置換器(Tissue−Tek UIP 5 Jr;SAKURA社)を用いてパラフィン置換した。その後、パラフィン包埋器(Tissue−Tek TEC Jr;SAKURA社)を用いて組織をパラフィンで包埋したブロックを作成し、切片作成器(Tissue−Tek Crosstome Jr;SAKURA社)を用いて組織を厚さ4μmにスライスした。スライスした組織をスライドガラス上に載せ、ウォーマー(Tissue−Tek Slide Warmer Jr;SAKURA社)を用いて42℃で一晩静置した。続いて、実施例1(3)と同様の手法に基づいて、1インチサイズの試料ホルダにマウントして試料を作成した後、投影型二次イオン質量分析装置(IMS 1270;CAMECA社)と独自に開発した二次元固体撮像素子を組み合わせた同位体顕微鏡を用いて安定同位体Hおよび安定同位体13Cの二次元分布を測定し、安定同位体H/H比および安定同位体13C/12C比を測定した。その結果を図4および図5に示す。
上述の通り、採取された組織はリンパ節組織であり、図4および図5の右側図に示すように、リンパ節において安定同位体H/H比および安定同位体13C/12C比の値が極めて高いことから、安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカンおよび安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンがリンパ節に取り込まれていることが示された。
以上の結果から、安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカンおよび安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカン、すなわちβ−1,3−1,6グルカンは、パイエル板を通じて腸管に点在するリンパ組織に取り込まれることが明らかとなった。また、パイエル板の近傍には腸間膜リンパ節が存在しており、β−1,3−1,6グルカンによる免疫細胞の刺激がパイエル板や腸間膜リンパ節で起こっている可能性が示唆された。なお、パイエル板以外の小腸上皮では、安定同位体Hで標識されたβ−1,3−1,6グルカンおよび安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンはいずれも検出されなかった(図示しない)。

Claims (4)

  1. β−1,3−1,6グルカンが腸管吸収された後の動態を観察するための腸管吸収後動態観察用プローブであって、
    独立行政法人産業技術総合研究所 特許微生物センター(NITE−IPOD)に寄託された寄託番号FERM BP−10014のアウレオバシジウム プルランス M−2(Aureobasidium pullulans M−2)を安定同位体 Hおよび/または安定同位体 13 Cを含む液体培地中で培養することにより得られる安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンを用いた前記腸管吸収後動態観察用プローブ。
  2. 腸管のリンパ節に取り込まれる、請求項1に記載の腸管吸収後動態観察用プローブ。
  3. 前記液体培地のpHが3.0〜8.0である、請求項1または請求項2に記載の腸管吸収後動態観察用プローブ。
  4. 前記安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンが安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されていないβ−1,3−1,6グルカンと物性に差がない安定同位体Hおよび/または安定同位体13Cで標識されたβ−1,3−1,6グルカンである、請求項1から請求項のいずれかに記載の腸管吸収後動態観察用プローブ。
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