この種の従来の固体撮像素子としてのカメラモジュールについて、図面を参照しながら説明する。
図9(a)は従来のカメラモジュールの構成例を示す縦断面図であり、図9(b)は図9(a)のカメラモジュールの裏面図であって、図9(a)は図9(b)のAA ’線の縦断面図である。
図9(a)および図9(b)に示すように、従来のカメラモジュール100は、撮像レンズ101,102と、これらを保持するカメラケース103と、被写体光が入射される撮像素子104を有している。
撮像レンズ101,102は、球面レンズまたは非球面レンズなどの凸レンズからなり、撮像素子104の光入射側に配置されている。この2枚の撮像レンズ101,102によって外部からの入射光(被写体光)が撮像素子104上に結像される。なお、撮像レンズ101,102は、凸レンズなど複数のレンズで構成されていてもよいが、説明を簡略化するために、ここでは2枚構成の撮像レンズ101,102で表現している。
赤外線カットフィルタは、撮像素子104と2枚の撮像レンズ101,102との間に配置された支持体ガラス105に薄膜を蒸着することにより形成されるか、またはガラス基材105内に特殊な金属を含有させることによって形成されている。この赤外線カットフィルタによって、人間の可視領域に合わせるべく、入射光(被写体光)から赤外線がカットされて撮像素子104に入射されるようになっている。
カメラケース103は、2枚の撮像レンズ101,102と、その下の赤外線カットフィルタが配置された支持体ガラス105と、その下の撮像素子104を表面側に有するセンサチップ106とを覆う筐体部分に該当しており、撮像レンズ101,102とセンサチップ106とを一体化して組み立てると共に、それらの部品全体を覆って内部を保護すると共に遮光している。
撮像素子104としては、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサが一般的に用いられる。この撮像素子104が中央表面部に設けられたセンサチップ106は、センサ面にある電極端子パッド106a(ボンディングパッド)を貫通電極106bにより電極を裏側へと引き出して配線パターン17に接続し、センサ面の裏側の配線パターン17上に半田ボール106cが並ぶBGA(Ball Grid Array)を有するウエハーレベルチップであり、半田ボール106cをモジュール基板に実装することにより電気的接続が為される。
このモジュール基板(一般にセラミック基板、ガラスエポキシ基板およびフレキシブル基板などの材料)には、カメラモジュールおよび、カメラモジュールの機能として必要なDSPを含む電子機器が搭載されて一体化して信号処理が為されるが、図9ではその説明を簡略化のために図示を省略している。
このように構成された従来のカメラモジュール100をカメラ付き携帯電話装置に利用した場合、カメラ部以外の携帯電話装置本体からの電気信号、および携帯電話装置以外の電気機器からの電気信号をカメラモジュール100が受けると、撮像画像に対して画質の悪化が生じるかまたは、カメラ自体が誤動作するという問題が発生する。また、カメラモジュール100(主として撮像素子104)からの電気信号が外部に出ると、他の電気機器に対してそれがノイズとして悪影響を及ぼし、誤動作を引き起こす原因となる。
これらの対策として、例えば特許文献1には、カメラケース103は電気的なシールドや機械的補強を目的としてアルミニウム、ステンレス、Fe−Ni合金(42アロイなど)などからなる導電性材料で構成され、外部ノイズを内部に通さずに電磁シールドして外部ノイズを遮断する方法が記載されている。
また、特許文献2では、カメラケース103は支持体ガラス105や、センサチップ106の側面に直接固定される方法が取られている。
さらに、特許文献3では、カメラケース103はモジュール基板に直接実装が為されてシールドが為されている。
上述したように、従来のカメラモジュール100をカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器に利用した場合に、以下の(1)〜(3)のような問題が生じる。
(1)携帯電話装置内部および携帯電話装置外部からの電気信号がカメラモジュール100内に入り、それが撮像素子104の電気信号にノイズとして加えられて、撮像画像の画質を悪化させている。特に、携帯電話装置の場合には、高周波(RF)部の信号がカメラモジュール100内に入ると、画質が悪化し易い。これは、携帯電話装置の動作周波数が高いことと、その出力パワーが大きいことによっている。
(2)撮像素子104で発生した信号がノイズとなり、カメラモジュール100以外の携帯電話装置本体の信号にも悪影響を及ぼす。
(3)撮像素子104で発生した信号がノイズとなり、携帯電話装置の外部に存在する他の電気機器を誤動作させる虞がある。
上記(1)の問題は、カメラモジュール100以外の携帯電話装置本体からのノイズおよび携帯電話装置以外の電気機器からのノイズをカメラモジュール100が受けることによるものであり、(2)および(3)の問題は、カメラモジュール100からのノイズが他の電子機器を誤動作させることによるものである。
これらの問題を防ぐために、特許文献1では、カメラケースに導電化材料を用いてカメラモジュールを電磁波的にシールドすることが記載されているが、このシールド方法では、カメラモジュールのカメラケースがシールドされているだけで、撮像レンズ部などの光学的開口部はシールドされていない。このため、撮像レンズ部からノイズが入出力されることにより、撮像画像に悪影響を及ぼす。
また、特許文献2では、カメラケースとガラス支持体または、センサチップ側面とが固定されているが、電気的な接続が為されていないので安定した電磁シールドはできていない。
さらに、特許文献3では、モジュール基板に実装した形態において、カメラケースはシールドされるものの、カメラケースとセンサチップのアース端子とが接続されておらず電磁シールドが完結していない。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、入出力される電気ノイズを低減して良好な撮像画像を得ることができるカメラモジュールおよびその製造方法、このカメラモジュールを画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器を提供することを目的とする。
本発明のカメラモジュールは、複数の画素に対応した複数の受光部からなる撮像素子が表面側に設けられ、貫通孔が表面と裏面間に設けられて該表面と該裏面が導通したセンサチップと、該センサチップの撮像素子上を覆うように貼り付けられ、赤外線カットフィルムが表面に蒸着されるかまたは赤外線カット用の金属が含有された透明支持板と、該透明支持板上に設けられ、該撮像素子に入射光を集光させるための一または複数枚のレンズと、該一または複数枚のレンズのうちの最上位置のレンズの中央部のレンズ領域を光開口部として開口すると共に、それ以外の表面部分および、該レンズおよび該透明支持板の側面部分から該センサチップの側面部分までを遮光および電磁シールドするカメラケースとを有し、該カメラケースの導電部分と、該センサチップのアース端子とが電気的に接続されており、該センサチップは、裏面から表面の電極端子下に貫通する複数の貫通孔が設けられており、該貫通孔の側壁と該裏面側を絶縁膜で覆い、該電極端子に電気的に接続する配線層が該貫通孔を介して裏面まで形成され、該裏面の配線層上に各外部接続端子がそれぞれ配設され、該各外部接続端子のうちの前記アース端子に前記カメラケースの導電部分が電気的に接続されており、該各外部接続端子はそれぞれ、該電極端子のそれぞれに接続され、該貫通孔から引き出された配線層と電気的に接続する第1外部接続端子と、該第1外部接続端子よりも端子高さを低くした端子サイズが小さい第2外部接続端子とを有し、該第2外部接続端子は該各第1外部接続端子のうちのアース端子に接続されて基板外周縁部に形成され、該第2外部接続端子と前記カメラケースの導電部分が電気的に接続されているものであり、そのことにより上記目的が達成される。
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける各外部接続端子は、半田印刷または、表面に導電性膜が形成された樹脂ボール搭載により形成されている。
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける各外部接続端子の材料は、半田材または低抵抗金属材料である。
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける第1外部接続端子の大きさは直径Φ200〜500μm、前記第2外部接続端子の大きさは直径Φ100〜300μmである。
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおける第2外部接続端子の設置場所は撮像素子基板のエッジから10μm〜50μm内側の領域に設けられている。
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるカメラケースは、導電性材料からなる部材であるかまたは、非導電性材料からなる部材の外面および内面の少なくともいずれかに導電性樹脂膜が設けられている。
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるカメラケースは、ポリカーボネイト、ABS(アクロルニトリル・ブタジエン・スチレン)、ナイロン、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、液晶ポリマーおよびノリルの少なくとも一種類を含む非導電性樹脂にカーボンおよび金属フィラーの少なくとも一種類を混入させて導電性を付与した材料であるかまたは、カーボンが混入された樹脂材料である。
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールにおけるカメラケースは、入射光が入る光開口部が形成された面の対向面が開放された形状かまたは、折り返しの入った展開形状から箱型に組立てる。
本発明の電子情報機器は、本発明の上記カメラモジュールを画像入力デバイスとして撮像部に用いたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
本発明のカメラモジュールの製造方法は、表面中央部に撮像素子が設けられ、該撮像素子の周囲に電極端子が設けられた撮像素子基板上にIRカットフィルタ機能を有する透明支持板を貼り付ける透明支持板貼付工程と、該撮像素子基板の裏面側から該電極端子下に向かって貫通孔を形成する貫通孔形成工程と、該電極端子と該貫通孔を通して接続する配線パターンを裏面に形成する配線パターン形成工程と、該配線パターンと接続して設けられた第1外部接続端子および、該第1外部接続端子よりも端子高さを低くした端子サイズが小さい第2外部接続端子を形成する外部接続端子形成工程と、該透明支持板上に、該撮像素子と対応する位置に一または複数枚の撮像レンズを取り付けるレンズ取付工程と、遮光および磁気シールド機能を持つカメラケースを取り付けて、該一または複数枚の撮像レンズの光開口部以外の表面および側面、該透明支持板および該撮像素子基板の側面を覆うカメラケース取付工程と、該透明支持板の裏面において、該カメラケースの導電部分を、アース端子に接続された第2外部接続端子に対して電気的に接続するカメラケースアース電位接続工程とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明のカメラモジュールの製造方法における外部接続端子形成工程は、前記第1外部接続端子および前記第2外部接続端子を同時に形成する。
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールの製造方法における外部接続端子形成工程は、外部接続端子位置に半田印刷した後に熱処理するかまたは、表面に導電性膜が形成された樹脂ボールを該外部接続端子位置に搭載して熱処理を行うことにより前記第1外部接続端子および前記第2外部接続端子を形成する。
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールの製造方法における透明支持板貼付工程後で前記貫通孔形成工程前に、前記撮像素子基板を裏面から薄板化する薄板化工程を更に有する。
さらに、好ましくは、本発明のカメラモジュールの製造方法におけるカメラケース取付工程は、入射光が入る光開口部を底面として前記カメラケースを所定位置に載置して該カメラケースの開放口に、前記一または複数枚の撮像レンズから挿入するかまたは、前記撮像素子基板、前記透明支持板および該一または複数枚の撮像レンズの組立体に対して、折り返しの入った展開形状から箱型に折り曲げて、該一または複数枚のレンズのうちの最上位置のレンズの中央部のレンズ領域を光開口部に一致させると共に、それ以外の表面部分および、該レンズおよび該透明支持板の側面部分から該撮像素子基板の側面部分までを覆って遮光および電磁シールドする。
上記構成により、以下に、本発明の作用について説明する。
本発明にあっては、表面に複数の画素に対応した複数の受光部からなる撮像素子が設けられ、貫通孔が表面と裏面間に設けられて表面と裏面が導通したセンサチップと、センサチップ上を覆うように貼り付けられた透明支持板と、透明支持板上に設けられ、撮像素子に入射光を集光させるための一または複数枚のレンズと、一または複数枚のレンズのうちの最上位置のレンズの中央レンズ領域を光開口部として開口すると共に、それ以外の表面部分および、レンズおよび透明支持板の側面部分からセンサチップの側面部分までを遮光および電磁シールドするカメラケースとを有し、カメラケースの導電部分と、センサチップのアース端子とを電気的に接続している。
これによって、少なくとも撮像素子上を覆っているカメラケース部材の内面または外面の少なくとも一方が導電性材料で覆われているかまたはカメラケース自体が導電性材料であるため、外部からのノイズに対してカメラモジュールは電気的に電磁シールドされている。しかし、撮像レンズなどの光学的開口部はシールドされていないため、撮像レンズ部からのノイズが入出力されることにより、カメラモジュールから発生する電気ノイズが他の電子機器に入るかまたは、撮像画像に対して悪影響を及ぼす。そこで、本発明では、磁気シールド効果をより安定化させるために、カメラケースの導電性材料で覆われた部分と、撮像素子基板の基準電位であるGND電位(アース電位)に落とした第2BGA(第2外部接続端子)とを電気的に接続させることによって、携帯電話装置などの外部からカメラモジュールに入力される電気信号が、撮像素子にノイズとして悪影響を及ぼすことをより防ぐと共に、携帯電話装置などのカメラモジュール以外の部分からの電気信号がノイズとして撮像素子に悪影響を及ぼすことをもより防ぐことが可能となる。また、カメラモジュール本体からの電気信号が、他の携帯電話装置の外部に存在する電気機器に悪影響を及ぼすことをも防ぐことが可能となる。
このように、小型、薄型および低背化のカメラモジュールの外部筐体であるカメラケースを電磁シールドし、かつ撮像素子基板のアース端子とカメラケースを電気的に接続してカメラモジュールおよび撮像素子基板をアース電位に落とすことによって、カメラモジュールの外部からの電気信号ノイズが撮像素子に影響を及ぼすことおよび、カメラモジュールの撮像素子からの電気信号が他の周辺電気機器に影響を及ぼすことを防ぐことが可能となる。
以上により、本発明によれば、カメラモジュールの外部筐体であるカメラケースを電磁シールドしかつ撮像素子基板自体を電気的にシールドするため、携帯電話装置などの外部からカメラモジュールに入力される電気信号が撮像素子にノイズとして悪影響を及ぼすことを防ぐと共に、携帯電話装置などのカメラモジュール以外の部分からの電気信号がノイズとして撮像素子に悪影響を及ぼすことも防ぐことができる。
また、カメラモジュールからの電気信号が携帯電話装置など装置本体の信号や携帯電話装置などの外部に存在する他の電気機器や電子情報機器に悪影響を及ぼすことをも防ぐことができる。したがって、今後、益々高画素化および高画質化が要求されるカメラモジュールにおいて、電気信号ノイズに影響されることのない小型、薄型、低背化なカメラモジュールを実現することが可能となる。
以下に、本発明の固体撮像素子の実施形態1、2としてカメラモジュールに適用した場合および、このカメラモジュールの実施形態1、2を画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器の実施形態3について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図における構成部材のそれぞれの厚みや長さなどは図面作成上の観点から、図示する構成に限定されるものではない。また、貫通電極や外部接続端子の個数も実際のデバイスと一致していなくてもよく、図示および説明の便宜を考慮した個数としたものであり、図示する構成に限定されるものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1におけるカメラモジュールの要部構成例を示すブロック図である。
図1(a)は、本発明の固体撮像素子に適用されるカメラモジュールの実施形態1の要部構成例を示す縦断面図であり、図1(b)は、図1(a)を下側から見た裏面図であって、図1(a)は図1(b)のBB’線縦断面図である。
図1(a)および図1(b)に示すように、本実施形態1のカメラモジュール1は、表面に複数の画素に対応した各光電変換部(フォトダイオード)である複数の受光部からなる撮像素子2が電子素子として設けられ、貫通孔3が表面と裏面間に設けられて導通したセンサチップ4と、このセンサチップ4の撮像素子2の平面視中央部の周囲上に形成された樹脂接着層5と、この樹脂接着層5およびセンサチップ4上を覆う透明支持板としてのガラス板6と、このガラス板6上に設けられ、撮像素子2に入射光を集光させるための光学素子としての複数枚のレンズ板が積層された撮像レンズ7,8(ここでは2枚)と、これらの撮像レンズ7,8を接着して固定するためのレンズ接着層(図示せず)と、各撮像レンズ7,8のうちの最上位置のレンズ板の中央部を正方形または円形の光取入口(窓開口部)として開口すると共に、それ以外の表面部分および、各撮像レンズ7,8およびガラス板6の側面部分からセンサチップ4の側面部分までを遮光および電磁シールドするカメラケース9とを有しており、センサチップ4上に、ガラス板6および撮像レンズ7,8がこの順に互いにアライメントを取って樹脂接着層5およびレンズ接着層(図示せず)などにより上下に貼り合わされ、カメラケース9の導電部分と、センサチップ4のアース端子とを電気的に接続している。
本実施形態1のカメラモジュール1は、センサチップ4と、樹脂接着層5と、ガラス板6と、撮像レンズ7,8とが貼り合わされたウエハレベルのセンサウエハモジュールをブレードやワイヤなどで一括切断した後にこれにカメラケース9を上側から装着することにより個々に一括して製造されている。
センサチップ4は、表面側中央部に撮像素子2(複数の画素を構成する複数の受光部がマトリクス状に配列されている)が設けられている。撮像素子2としては、CCDイメージセンサまたはCMOSイメージセンサが一般的に用いられる。そのセンサチップ4の裏面から表面の電極端子としてのパッド10(ボンディングパッド)下に貫通する複数の貫通孔3が明けられている。この貫通孔3の側壁と裏面側は絶縁膜で覆われており、パッド10にコンタクトを持つ金属配線層11が貫通孔3を介して裏面まで形成されている。この金属配線層11上および裏面には絶縁層12(ソルダーレジスト)が形成され、金属配線層11上に半田ボール13が形成される部分は絶縁層12(ソルダーレジスト)が窓明けされて半田ボール13が外部に露出して形成されている。表面のパッド10(ボンディングパッド)下を貫通孔3により貫通電極として電極を裏側へと引き出して、センサ面(表面)の裏側に半田ボール13が並ぶBGA(Ball Grid Array)を有している。この場合の各層の形成方法は通常の半導体プロセスに使われるフォトリソ、エッチング、メッキおよびCVD法などの各種の技術によって形成が可能である。
樹脂接着層5は、センサチップ4上の撮像素子2の周囲に通常のフォトリソ技術により形成され、その上にガラス板6が接着されるが、このフォトリソ技術の他にスクリーン印刷手法またはディスペンス手法を用いて形成することができる。
ガラス板6は、センサチップ4の支持体を構成するだけではなく、赤外線カットフィルタがガラス板6の表面に薄膜を蒸着することにより形成されるか、またはガラス板6に特殊な金属を含有させることによって形成することができる。この赤外線カットフィルタによって、人間の可視領域に合わせるべく、入射光(被写体光)から赤外線がカットされて撮像素子2に入射されるようになっている。
撮像レンズ7、8は、球面レンズまたは非球面レンズなどの凸レンズからなり、撮像素子2の光入射側に配置されている。この2枚の撮像レンズ7、8によって外部からの入射光(被写体光)が撮像素子2上に結像される。撮像レンズ7、8はそれぞれ、透明樹脂レンズ板であり、レンズ機能を有するレンズ領域の中央部分と、スペーサ機能を有するスペーサ部としての周囲部分とで構成され、全体は同じ種類の樹脂材料で形成されている。
カメラケース9は、2枚の撮像レンズ7、8の光入射口以外の表面および側面と、その下の赤外線カットフィルタが配置されたガラス板6の側面と、その下の撮像素子2を表面側に有するセンサチップ4の側面を覆う筐体で構成されており、それらの部品全体を覆って内部を保護すると共に遮光および電磁シールドしている。
このカメラケース9は、導電性材料からなる部材であるかまたは、非導電性材料からなる部材の外面および内面の少なくともいずれかに導電性樹脂膜が設けられていればよい。カメラケース9は、ポリカーボネイト、ABS(アクロルニトリル・ブタジエン・スチレン)、ナイロン、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、液晶ポリマーおよびノリルの少なくとも一種類を含む非導電性樹脂にカーボンおよび金属フィラーの少なくとも一種類を混入させて導電性を付与した材料であるかまたは、カーボンが混入された樹脂材料である。
ここで、センサチップ4とガラス板6とが樹脂接着層5で貼り合わされたセンサユニット20の製造方法について詳細に説明する。
図2(a)〜図6(c)は、図1のセンサユニット20の製造方法の各ステップを説明するための工程断面図である。
図2( a )に示すように、CCD/CMOSデバイスの半導体装置は撮像素子基板21を具備している。撮像素子基板21にはシリコン(Si)基板などが用いられる。撮像素子基板21は第1主面21a(表面)とそれとは反対側の第2主面21b(裏面)とを有している。第1主面(表面)21aは、中央部に撮像素子2が設けられた撮像素子領域と、撮像素子領域の周辺回路や画素毎のデータ読み出し回路などに用いられるトランジスタ、抵抗およびコンデンサなどの各種半導体素子(図示せず)が電気的に接続された導電層(金属配線)の形成面となっており、金属配線がパッド10に接続されている。第2主面(裏面)21bは、パッド10下の貫通孔3を介して電極が金属配線層11により引き出されて、後述する外部接続端子(半田ボール13)の形成面となる。
その後、図2( b )に示すように、第1主面21aの撮像素子2の外周部上に接着樹脂層5を配置して、その上に光透過性保護部材からなる支持体であるガラス板6を接着樹脂層5により貼り付ける。光透過性保護部材は、例えば石英ガラス、ホウ珪酸ガラス、ソーダ石灰ガラスなどで構成される。さらに、これらのガラス板6の表面にはIRC(赤外線カット)フィルタ膜が施されている。
続いて、図2( c )に示すように、図3(a)以降に形成する貫通孔3の形成前に、撮像素子基板21の第2主面21b(裏面)を研磨により、撮像素子基板21の厚さを予め機械的な加工で薄層化(薄板化)する。例えば撮像素子基板21の元厚725μm(8“Φ)を、研磨機による研削により厚さ50μm〜200μm程度まで研削を行う。さらに研磨面を平坦化するため、研削後にCMP(Chemical Mechanical Polishing)を追加して平坦化してもよい。
さらに、図3(a)〜図3(c)に示すように、撮像素子基板21の第2主面21b(裏面)側から第1主面21a(表面)に向けてパッド10下に貫通孔3を形成する。撮像素子基板21の第2主面21b側に所定開口パターンのマスク22を用いて、開口径Φ10〜100μm程度のパターンニング後、プラズマエッチング法などでエッチングを行う。この場合の開口部の位置とパッド10の位置とが対応している。貫通孔3の形状は、テーパ状とされていることが好ましい。エッチング用のガスとしては、例えば撮像素子基板21がSi基板である場合には例えばSF6、O2、フロロカーボンガス、HBrなどを含むガス、SiO2の場合はCF4とO2の混合ガスを使用する。最終的に、図3(c)に示すように、マスク22を除去してパッド10下に貫通孔3を形成する。
次に、図4(a)に示すように、貫通孔3の内壁面、底面、および撮像素子基板21の第2主面21b(裏面)を覆うように、CVD法、スプレーコート法、スピンコート法、フィルムラミネート法などを適用して絶縁層23を形成する。この絶縁層23には、例えばシリコン酸化物(SiOx)やシリコン窒化物(SiNx)などの無機絶縁物かまたは、ポリイミド樹脂、BCB(ベンゾシクロブテン)樹脂、エポキシ樹脂などの有機絶縁物で構成される。
さらに、図4(a)に示すように、貫通孔3の底部に相当する底部絶縁層23aだけを、所定パターンのマスク(図示せず)を用いてプラズマエッチングして、図4(b)に示すように、貫通孔3の底部から底部絶縁層23aを除去して開口させて、電極パッド10を裏面側に露出させる。
この底部絶縁層23aを貫通孔3の底部からエッチング除去するに当たって、プラズマ中にエッチング用のガスを導入してプラズマエッチングを行う。エッチング用のガスとしては、例えばCF4とO2の混合ガスを使用する。
次に、図4(c)に示すように、貫通孔3内から撮像素子基板21の第2主面21bの配線形成領域に亘ってバリア/シード層24に金属配線材料を成膜し、図5(a)で、バリア/シード層24上に配線パターンに合ったマスクをした後に、図5(b)でマスク以外のバリア/シード層24上にカッパーメッキが施されて、図5(c)に示すように金属配線層11を形成する。このようにして、金属配線層11は、絶縁層23及び、バリア/シード層24を介して貫通孔3内および撮像素子基板21の第2主面21bの配線形成領域に形成される。貫通孔3の底部は、予め絶縁層23を開口させているため、金属配線層11は電極端子であるパッド10と電気的に接続されて、パッド10が金属配線層11によって裏面側に引き出されることになる。
金属配線層11は、所定の配線パターンのマスクを用いて、スパッタ法、CVD法、蒸着法、めっき法、印刷法などを適用して形成される。金属配線層11は撮像素子基板21の第2主面21bの配線形成領域に設けられたバリア/シード層24上に形成される。金属配線層材料11、24、には、例えば高抵抗金属材料(Ti、TiN、TiW、Ni、Cr、TaN、CoWPなど)や低抵抗金属材料(Al、Al−Cu、Al−Si−Cu、Cu、Au、Ag、半田材など)が用いられる。これらは単層または多層構造で導電層を構成する。
この後、図6(a)に示すように、撮像素子基板21の第2主面21b(裏面)を覆うように保護層12(ソルダーレジスト)を設け、さらに保護層12に外部接続端子形成用の開口を形成する。保護層12はポリイミド樹脂やエポキシ樹脂、またはソルダーレジスト材などで形成される。
この後、図6(b)に示すように、この開口部に金属配線層11と接続する外部接続端子である第1BGA(半田ボール13)と、この第1BGA(半田ボール13)よりは端子高さを低くした端子サイズが小さい外部接続端子である第2BGA(半田ボール14)を撮像素子基板21の最外周部(外周縁部)に第1BGAと同時に形成する。第1BGA(半田ボール13)、第2BGA(半田ボール14)の材料は、例えば半田材または、低抵抗金属材料などの導電体材で形成される。第1BGA(半田ボール13)、第2BGA(半田ボール14)の大きさは、例えば第1BGA(半田ボール13)はΦ200〜500μm、第2BGA(半田ボール14)はΦ100〜300μmで、端子高さの差を100〜300μm程度となるような端子サイズで形成する。また、第2BGA(半田ボール14)の設置場所は撮像素子基板21のエッジから10μm〜50μm程度内側のエリアに設ける。この場合、この外部接続端子形成工程において、外部接続端子位置に半田印刷した後に熱処理してボール状にするかまたは、表面に導電性膜として半田膜が形成された樹脂ボール(芯材)を外部接続端子位置に搭載してこれに熱処理を加えることにより、第1外部接続端子(半田ボール13)および第2外部接続端子(半田ボール14)を形成する。なお、この半田ボール14は撮像素子基板21上に直接搭載されているのではなく、撮像素子基板21上に形成された絶縁膜上に搭載されている。
図6(c)に示すように、これら一連の工程(ウェハ工程)が終了した後、撮像素子基板21を光透過性保護部材であるガラス板6と共にブレードVまたはワイヤで一括切断して個片化することによって、図1(a)に示すカメラモジュール1のセンサユニット20が作製される。
図1(a)に示すカメラモジュール1の撮像素子基板21が作製された後、撮像レンズ7、8の2枚を組み合せて、センサユニット20のガラス板6上に接着樹脂を用いて撮像素子2の位置に対応するように接合させる。
さらに、これらを保持するためにケース部材であるカメラケース9で覆った後、カメラケース9の導電性材料部分と、撮像素子基板21の基準電位であるGND電位に落とした図1(a)の第2BGA(半田ボール14)とを導電性樹脂15または半田材料などを用いてパターンニング(図示せず)を行い電気的な接続を行う。
以上により、本実施形態1のカメラモジュール1の製造方法は、表面中央部に撮像素子2が設けられ、撮像素子2の周囲に複数の電極端子としてのパッド10が設けられた撮像素子基板21上に、IRカットフィルタ機能を有する透明支持板としてのガラス板6を貼り付ける透明支持板貼付工程と、撮像素子基板21を裏面から研磨して薄板化する薄板化工程と、撮像素子基板21の裏面側から電極端子としてのパッド10下に向かって貫通孔3を形成する貫通孔形成工程と、電極端子としてのパッド10と貫通孔3を通して接続する金属配線層11(配線パターン)を裏面に形成する配線パターン形成工程と、各金属配線層11と接続して設けられた複数の第1外部接続端子(半田ボール13)および、この第1外部接続端子よりも端子高さを低くした端子サイズが小さい複数の第2外部接続端子(半田ボール14)を、これらの第1外部接続端子(半田ボール13)および第2外部接続端子(半田ボール14)で同時に形成する外部接続端子形成工程と、透明支持板としてのガラス板6上に、撮像素子2と対応する位置に一または複数枚の撮像レンズ7,8を取り付けるレンズ取付工程と、 遮光および磁気シールド機能を持つカメラケース9を取り付けて、一または複数枚の撮像レンズ7,8の光開口部(窓部)以外の表面および側面、透明支持板としてのガラス板6および撮像素子基板21の側面を覆うカメラケース取付工程と、撮像素子基板21の裏面において、カメラケース9の導電部分を、複数の第1外部接続端子のうちのアース端子に接続された第2外部接続端子に対して電気的に接続するカメラケースアース電位接続工程とを有している。
このとき、外部接続端子形成工程は、外部接続端子位置に半田印刷した後に熱処理するかまたは、表面に導電性膜が形成された樹脂ボールを外部接続端子位置に搭載して熱処理を行うことにより第1外部接続端子(半田ボール13)および第2外部接続端子(半田ボール14)を形成する。また、カメラケース取付工程は、入射光が入る光開口部を底面としてカメラケース9を載置し、カメラケース9の開放口に、撮像レンズ8,7から挿入することにより、撮像レンズ7,8のうちの最上位置の撮像レンズ8の中央部のレンズ領域を光開口部として開口すると共に、それ以外の表面部分および、撮像レンズ7,8および透明支持板としてのガラス板6の側面部分から撮像素子基板21の側面部分までを遮光および電磁シールドする。
したがって、カメラケース9は、導電性樹脂15から第2BGA(半田ボール14)、さらに金属配線層11からパッド10に接続されることになり、パッド10が、撮像素子2およびその信号読み出し回路、周辺回路などのアース端子になっている。
このように、本実施形態1の撮像素子基板21において、配線回路上の基準電位であるGND電位(アース端子)に相当する第1BGA(半田ボール13)と第2BGA(半田ボール14)は図1(b)の金属配線層11で接続されているため、回路のGND電位に接続されている。
これによって、携帯電話装置の外部からカメラモジュール1に入力される電気信号が、撮像素子2にノイズとして悪影響を及ぼすことを防ぐと共に、携帯電話装置などのカメラモジュール1以外の部分からの電気信号がノイズとして撮像素子2に悪影響を及ぼすことも防ぐことが可能となる。
また、カメラモジュール1本体からの電気信号が、他の携帯電話装置などの外部に存在する電気機器に悪影響を及ぼすことも防ぐことが可能となり、カメラケース9の磁気シールド効果が安定化する。したがって、撮像素子2からまたは撮像素子2への電気的ノイズの影響を抑制することが可能であり、高性能で高画質な電子情報機器を実現することができる。
(実施形態2)
上記実施形態1では、貫通電極である貫通孔3を有する撮像素子基板21と、一般的な絞り加工形状のカメラケース9とを用いた場合に、カメラケース9内に対して入出力される電気ノイズを低減し、良好な撮像画像を得ることが可能なカメラモジュール1のシールド構造で、その具体的方法は、カメラケース9の導電性部分と撮像素子基板21の最外周部分にGND電位に落とした第2BGA(半田ボール14)を設け、それぞれを導電性樹脂15または、半田材料などを用いて電気的な接続を行うことにより、モジュール基板実装前にカメラモジュール単体の形態でシールドされるように構成される。
本実施形態2でも、モジュール基板実装前にカメラモジュール単体の形態としてシールド構成したもので、撮像素子基板21の最外周部分にGND電位に落とした第2BGA(半田ボール14)を設ける所までは上記実施形態1の場合と同じであるが、カメラケース9の形状を組み立て可能に変更した場合のシールド方法について説明する。
図7(a)は、図1のカメラケースの変形例を示すカメラケースの展開図、図7(b )は、図7( a )のカメラケースを用いてカメラモジュールの実施形態2として組立てた縦断面図、(c)は図7( b )を下側から見た裏面図である。
図7(a)に示すように、カメラケース9Aでは、上記実施形態1のカメラケース9の場合のように一般的に使用される絞り加工形状(入射光が入る窓開口部が形成された面の対向面が開放された形状)ではなく、折り返し31,32の入った典型形状から箱型に組立てタイプのカメラケース9Aに、上記実施形態1で使用した半導体基板の最外周部分に第2BGA(半田ボール14)を設けた同一の撮像素子基板21に、導電性樹脂15または半田材料などを用いて電気的な接続を行なって形成される。
カメラケース9のシールド接続部分に相当する折り返し32を折り返し、第2BGA(半田ボール14)に近接させてこれを覆うように形成することにより、電気的接続の信頼性を上げることができる。ただし、この場合には折り返したカメラケース9Aの肉厚が第1BGA(半田ボール13)の高さより高くなると、モジュール基板に実装の際に、実装不良になる虞があるため、カメラケース9Aの肉厚または、第1BGA(半田ボール13)および第2BGA(半田ボール14)の高さは実用的な高さでそれぞれ形成することが好ましい。
本実施形態2の撮像素子基板21は、上記実施形態1において、図2〜図6で示した通り同一の形成方法で形成する。次いで、図7(a)に示すような折り返して組立てるタイプのカメラケース9Aを用いて、図7(b)に示すように、センサチップ4の撮像素子基板21上に接着樹脂5を用いてガラス板6を接合させた後に、これに撮像レンズ7、8を組み合せ、カメラケース9Aの折り返し31、32を折り返して組立て、折り返し32と第2BGA(半田ボール14)とを導電性樹脂15または半田材料などを用いて電気的な接続を行なって形成される。
カメラケース取付工程は、撮像素子基板21、透明支持板としてのガラス板6および撮像レンズ7,8の組立体に対して、レンズ領域と光開口部とを位置合わせして、折り返しの入った展開形状から箱型に折り曲げて、撮像レンズ7,8のうちの最上位置の撮像レンズ8の中央部のレンズ領域を光開口部とすると共に、それ以外の表面部分および、撮像レンズ7,8および透明支持板としてのガラス板6の側面部分から撮像素子基板21の側面部分までを遮光および電磁シールドする。
カメラケース9Aの折り返し32の部分と、第2BGA(半田ボール14)とが接触に近い形となるので、電気的接続の安定性が増し、カメラモジュール1Aの組立工程での歩留まりを高めることができると共に、機械的信頼性を向上させたカメラモジュール1Aを安定して提供することが可能となる。
以上のように、上記実施形態1,2によれば、カメラモジュール1または1Aの外部筐体であるカメラケース9または9Aに導電性を持たせて電磁シールドし、かつ撮像素子基板21のアース端子とカメラケース9または9Aを電気的に接続してカメラモジュール1または1Aおよび撮像素子基板21を同電位のアース電位に落とすことによって、カメラモジュール1または1Aの外部からの電気信号ノイズが撮像素子2に影響を及ぼすことおよび、カメラモジュール1または1Aの撮像素子2からの電気信号が他の周辺電気機器に影響を及ぼすことを防ぐことができる。
(実施形態3)
図8は、本発明の実施形態3として、本発明の実施形態1、2のカメラモジュール1または1Aを撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
図8において、本実施形態3の電子情報機器90は、上記実施形態1、2のカメラモジュール1または1Aからの撮像信号に対して所定の信号処理をしてカラー画像信号を得る固体撮像装置91と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を記録用に所定の信号処理した後にデータ記録可能とする記録メディアなどのメモリ部92と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示可能とする液晶表示装置などの表示手段93と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を通信用に所定の信号処理をした後に通信処理可能とする送受信装置などの通信手段94と、この固体撮像装置91からのカラー画像信号を印刷用に所定の印刷信号処理をした後に印刷処理可能とするプリンタなどの画像出力手段95とを有している。なお、この電子情報機器90として、これに限らず、固体撮像装置91の他に、メモリ部92と、表示手段93と、通信手段94と、プリンタなどの画像出力手段95とのうちの少なくともいずれかを有していてもよい。
この電子情報機器90としては、前述したように例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラ、ドアホンカメラ、車載用後方監視カメラなどの車載用カメラおよびテレビジョン電話用カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ装置、ファクシミリ装置、カメラ付き携帯電話装置および携帯端末装置(PDA)などの画像入力デバイスを有した電子機器が考えられる。
したがって、本実施形態3によれば、この固体撮像装置91からのカラー画像信号に基づいて、これを表示画面上に良好に表示したり、これを紙面にて画像出力手段95により良好にプリントアウト(印刷)したり、これを通信データとして有線または無線にて良好に通信したり、これをメモリ部92に所定のデータ圧縮処理を行って良好に記憶したり、各種データ処理を良好に行うことができる。
なお、本実施形態1、2において、表面に複数の画素に対応した複数の受光部からなる撮像素子2が設けられ、貫通孔3が表面と裏面間に設けられて表面と裏面が導通したセンサチップ4と、センサチップ4上を覆うように貼り付けられた透明支持板としてのガラス板6と、ガラス板6上に設けられ、撮像素子2に入射光を集光させるための一または複数枚のレンズ(ここでは2枚の撮像レンズ7,8)と、撮像レンズ7,8のうちの最上位置の撮像レンズ8の中央レンズ領域を光開口部(窓部)として開口すると共に、それ以外の表面部分および、撮像レンズ7,8およびガラス板6の側面部分からセンサチップ4の側面部分までを遮光および電磁シールドするカメラケース9または9Aとを有し、カメラケース9または9Aの導電部分と、センサチップ4の複数のパッド10のうちのアース電極端子とを電気的に接続していれば、カメラケース9または9Aの電磁シールド機能も安定して、入出力される電気ノイズをより低減し、より良好な撮像画像を得ることができる。今後益々、高画素化および高画質化が要望されるが、電気的ノイズに影響されることなく高性能化を図ることができる。本発明の実施形態1,2のカメラモジュール1または1Aは、カメラ付き携帯電話装置など、周波数が高く、出力パワーが大きい電子情報機器に対しても、広く利用できて電気的ノイズの影響を抑制することが可能であり、高性能で高画質な電子情報機器を実現することができる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜3を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜3に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜3の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。