JP5355194B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

本発明は超音波診断装置に関し、特に、パルス圧縮回路を有する超音波診断装置に関する。
近時、超音波診断の分野において、透過力の改善等を目的として、パルス圧縮技術が利用されている。典型的なパルス圧縮技術においては、生体に対してチャープ波が送波され、生体内からの反射波を受波して得られる受信信号がパルス圧縮処理される。チャープ波は、周波数変調(FM)波であり、第1周波数(スタート周波数)から第2周波数(エンド周波数)へ時間的に変化する波である。一方、受信時におけるパルス圧縮処理は時間軸上に引き伸ばされた信号成分を圧縮する処理(畳み込み演算)である。
生体組織は、周波数が高いほど減衰する性質を有する。これは周波数依存減衰と称されており、その程度は減衰係数[dB/cm/MHz]によって表される。この減衰係数は均質な組織であれば深さに依存しない定数となる。上記のチャープ波も当該性質の影響を受ける。つまり、送信チャープ波の全体音圧が仮に一定(フラット)であっても、受信チャープ波を観測すると、音圧が一定でなくなり、高い周波数成分ほど音圧が下がる傾向が認められる。そのような周波数依存減衰の影響を受けた受信信号をそのままパルス圧縮回路に送ると、適正なパルス圧縮を行えずに圧縮後の波形が鈍ってサイドローブが生じてしまう。これは画質低下の大きな要因となる。
特許文献1には、その問題に対処する技術が開示されている。すなわち、パルス圧縮前に受信信号を補正して周波数依存減衰を補償するものである。しかし、補正特性の決定の仕方については具体的に記載されておらず、個々の生体組織に応じて(つまり被検者に応じて)適切な補正を行えない可能性を指摘できる。生体組織についての周波数依存減衰係数がわかれば、そこから適切な補正関数を導出することが可能であるが、従来の超音波診断装置には周波数依存減衰係数を自動的に求める回路は搭載されていない。
特開平2−107987号公報
本発明の目的は、診断対象となった被検者中の生体組織の特性、特に周波数依存減衰係数を測定できる超音波診断装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、実際に測定された周波数依存減衰係数を利用して超音波診断装置の動作条件を最適化することにある。
本発明の他の目的は、チャープ波の送信技術及び受信信号のパルス圧縮技術をそのまま利用して周波数依存減衰係数を測定するようにし、しかも測定された周波数依存減衰係数をパルス圧縮前の周波数減衰補正に生かすことにある。
本発明に係る超音波診断装置は、周波数変調波であるチャープ波を被検者へ送波し、被検者からの反射波を受波して受信信号を出力する送受信部と、前記受信信号に対して生体組織の周波数依存減衰を補償するために受信点の深さに応じた動的な補正処理を施す補正処理部と、前記補正処理後の受信信号に対してパルス圧縮処理を適用するパルス圧縮処理部と、前記パルス圧縮処理後の受信信号に基づいて超音波画像を形成する画像形成部と、複数の周波数依存減衰係数に対応した複数の補正特性を前記補正処理部に順番に設定しながら前記パルス圧縮処理部を試行的に動作させることにより複数のパルス圧縮処理結果を得て、その中から最良の処理結果を判定することにより、前記被検者中の生体組織についての周波数依存減衰係数を推定する係数推定部と、を含むことを特徴とする。
上記構成によれば、既存のチャープ波送信技術及びパルス圧縮技術を利用して、被検体中の生体組織についての周波数依存減衰係数(それに相当する情報であれば足りる)を自動的に演算することが可能となる。すなわち、周波数依存減衰によりチャープ波のパルス圧縮処理結果にサイドローブが生じるという現象(問題)を逆に利用して、減衰係数の試行的な設定とそれに基づく試行的な周波数補正を繰り返し、パルス圧縮結果の中で最良の結果が得られた時点での減衰係数をもって被検者中の生体組織についての実際の減衰係数であるとみなすものである。実際の減衰係数が判明するならばそれから周波数補正関数を定めることができ、特に当該周波数補正関数の傾きを受信点の深さに応じて動的に変化させることが可能である。
補正処理部は動的にフィルタ特性を変化させる機能をもったダイナミックフィルタによって構成されるのが望ましいしが、それとは別のフィルタ等を別途設けるようにしてもよい。パルス圧縮処理結果の評価は様々な観点から行うことができるが、いずれにしてもパルス圧縮後の圧縮度あるいはサイドローブ成分の量を定量可能なものであるのが望ましい。パルス圧縮処理が適切に行われない場合には画像の尖鋭さが劣化して各輝度点がぼけることにより平均輝度の増加が認められるような状況下ではその平均輝度(あるいは輝度値の総和)を評価値として利用することができる。その場合には、試行的な補正の間でパルス圧縮後のピーク輝度を揃える規格化処理を適用した上で、平均輝度を評価値として利用するのが望ましい。あるいは、画像の空間周波数や分散値からぼけ度合いを評価するようにしてもよい。係数演算量を削減するため、また、注目する部位での補正結果を最良とするために、関心領域を設定し、その関心領域内の画像だけを評価対象とするようにしてもよい。対象となった生体係数の減衰係数が見出せるなら、その減衰係数をそのまま利用して被検者についての実際の超音波診断(チャープ送信及びパルス圧縮の組み合わせによる画像形成)を行うことができる。減衰係数を決定するプロセスは、実際の超音波診断前の事前調査工程と位置付けられる。事前調査工程は、被検者ごとに行うようにしてもよいし、診断部位ごとに行うようにしてもよい。あるいは、定期的に割り込み処理によって減衰係数を求めるようにしてもよい。
望ましくは、前記係数推定部は、前記複数のパルス圧縮処理結果を個別的に評価して評価値を求める評価部を有し、前記評価値は、パルス圧縮後におけるサイドローブ含有度合いを示す値である。望ましくは、前記評価値は、ピークレベル規格化処理後における関心領域内の輝度値の総和である。望ましくは、前記係数推定部により推定された周波数依存減衰係数に基づいて前記補正処理部に対して前記被検者に適合した補正特性を設定する特性設定部を含む。望ましくは、前記補正特性は、前記受信点の深さに応じて傾きが変化する関数である。
なお、生体組織は厳密には一様でないので、減衰係数は深さに依存して(あるいは組織性状の違いにより)変化すると言える。そこで、近距離から遠距離まで複数の関心領域を直列に設定し、各深さ(深さ区分)ごとに減衰係数を求めるようにしてもよい。その場合には受信点の深さに応じてよりきめ細かく周波数補正を行える。同様に、走査面上に二次元的に複数の関心領域を設定し、各領域ごとに減衰係数を求めるようにしてもよい。いずれにしても減衰係数が求められるならば、それを利用してパルス圧縮前の周波数補正処理を行うことができるので、超音波画像の画質を高めることができる。減衰係数が求まったならば、パルス圧縮を行わない通常の動作時においてその減衰係数を利用してフィルタリング等を行うこともできるし、当該情報を輝度やコントラスト等の画質自動調整に利用できる可能性があり、更には組織性状の計測それ自体に利用することもできる。
本発明によれば、診断対象となった被検者中の生体組織の特性、特に周波数依存減衰係数を測定できる。あるいは、本発明によれば、実際に測定された周波数依存減衰係数を利用して超音波診断装置の動作条件を最適化できる。あるいは、本発明によれば、チャープ波の送信技術及び受信信号のパルス圧縮技術をそのまま利用して周波数依存減衰係数を測定するようにし、測定された周波数依存減衰係数をパルス圧縮前の周波数減衰補正に生かせる。
本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態を示す概念図である。 図1に示した超音波診断装置における動作例を示すフローチャートである。 評価値の決定と評価値関数の作成を説明するための図である。 評価値関数に基づく減衰係数の決定を説明するための図である。 送信チャープ波の一例を示す図である。 周波数依存減衰を伴う受信チャープ波を示す図である。 パルス圧縮後に生じるサイドローブを説明するための図である。 周波数依存減衰を補正するための関数(フィルタ特性)を示す図である。 周波数補正を行った後の受信チャープ波を示す図である。 周波数補正を行ないさらにパルス圧縮処理を行った後の受信信号を示す図である。 図1に示した超音波診断装置における減衰補正関数の深さに応じた傾き変化を示す図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態が示されており、図1はその全体構成を示すブロック図である。図1に示す超音波診断装置は、医療の分野において用いられ、生体に対して超音波の送受波を行って受信信号を取得し、その受信信号に基づいて超音波画像を形成する装置である。本実施形態の超音波診断装置はチャープ波送信機能及びパルス圧縮機能を有している。
プローブ10は超音波探触子すなわち超音波送受波器である。本実施形態において、プローブ10は1Dアレイ振動子を有している。1Dアレイ振動子は複数の振動素子からなり、それによって超音波ビームBが形成される。超音波ビームBを電子的に走査することにより、走査面Sが構成される。その走査面Sは二次元データ取込領域に相当する。図1においてrは深さ方向を示しており、θは電子走査方向を示している。電子走査方式としては電子セクタ走査、電子リニア走査等が知られている。プローブ10に2Dアレイ振動子を設けるようにしてもよい。
図1に示されるように、本実施形態においては走査面S上に、実際には断層画像上に、関心領域(ROI)12が設定される。図1においては矩形の領域として関心領域12が示されている。関心領域12の位置及びサイズは後に説明する入力部32を用いてユーザーにより設定される。関心領域12は後に説明する減衰係数の決定にあたって受信信号を参照するエリアである。もちろん走査面Sの全体を参照領域として定めることも可能であるし、複数の関心領域を設定し、それぞれについて減衰係数の決定を行うことも可能である。
送信部14は送信ビームフォーマであり、送信部14は複数の振動素子に対して並列的に複数の送信信号を供給する。各送信信号15は本実施形態においてチャープ波すなわちチャープ送信信号である。チャープ波は時間軸上において周波数を動的に変化させた波であり、その具体例については後に図5を用いて説明する。プローブ10から送信パルスが送り出されると、生体内における各深さにおいてエコーが生じそれらがプローブ10にて受波される。これにより複数の振動素子から複数の受信信号が並列的に受信部16へ出力される。受信部16は受信ビームフォーマであり、複数の受信信号に対して整相加算処理を実行し、これにより整相加算後の受信信号すなわちビームデータを得る。但し、本実施形態においてはチャープ波が送信されているため、受信信号を構成する各成分はチャープ波に対応したものとなる。ある受信点からのエコーを受信して得られる受信信号の波形については後に図6を用いて説明する。
受信部16から出力される受信信号はパルス圧縮部22に送られるわけであるが、本実施形態においては、パルス圧縮部22の前段に補正部18が設けられている。この補正部18は、周波数依存減衰を補償するための受信ダイナミックフィルタとして構成されている。本実施形態においては、チャープ波固有の問題としての周波数に依存したチャープ波の崩れによる問題を改善あるいは解消するために、この補正部18が機能している。補正部18において設定される周波数特性補正関数は減衰係数αに基づいて決定され、その減衰係数αは減衰係数決定部20から出力されている。
ちなみに関心領域12内の受信信号をいったんメモリ17に格納し、メモリ17から関心領域内の受信信号を繰り返し読み出しながら上述した減衰定数の仮設定及び評価値の取得を繰り返し行うようにしてもよい。
パルス圧縮部22は時間軸上において畳み込み演算を行うことにより受信信号のパルス圧縮を行うものである。パルス圧縮処理が周波数軸上において行われてもよい。
画像形成部24は、本実施形態においてデジタルスキャンコンバータによって構成され、すなわち入力される受信信号に対して座標変換処理及び補間処理を適用し、これによって二次元断層画像であるBモード画像を構成する。もちろんBモード画像以外の超音波画像が構成されてもよい。その画像データは表示部26に送られる。表示部26には超音波画像が表示される。その一方において、画像形成部24により形成された画像のデータは評価部28に出力されている。
評価部28は、補正部18における周波数特性の補正結果について評価を行う手段であり、本実施形態においては規格化処理を前提として関心領域内における輝度値の総和が評価値として求められている。減衰係数を仮設定(変更)しながら評価値を取得することにより、評価関数A(α)を得ることができ、それが減衰係数決定部20に与えられる。減衰係数決定部20は評価関数の中から最も良い評価値を特定し、その評価値が得られた時点の減衰係数として実際に使用する減衰係数を判定している。
制御部30は図1に示される各構成の動作制御を行うコントローラである。制御部30には入力部32が接続されている。入力部32はキーボードやトラックボールなどを含む操作パネルによって構成されている。入力部32を用いてユーザーは関心領域を任意の箇所に任意のサイズで設定することが可能である。なお、本実施形態において、減衰係数決定部20において決定された減衰係数が補正部18に送られ、その減衰係数に基づいて周波数特性補正用の補正関数が設定されているが、減衰係数の利用形態はそれには限られない。例えば決定された減衰係数に基づいて受信条件や画像処理条件を変更するようにしてもよい。また減衰係数それ自体が組織性状を表すものであるため組織性状の計測に減衰係数を利用することも可能である。また決定された減衰係数を利用してパルス圧縮処理を行わない通常の超音波診断時において受信ダイナミックフィルタの動作条件を定めるようにしてもよい。
図2には図1に示される装置の動作例がフローチャートとして示されている。図示されるフローチャートには事前調査工程S101と超音波診断の実行工程S109とが含まれる。前者は事前に生体組織の減衰係数を決定する工程であり、後者は実際に被検体の超音波診断を行う工程である。
S102においては、まず画面上にBモード断層画像が表示され、この断層画像上においてユーザーにより関心領域が設定される。もちろん関心領域をデフォルトの位置及びサイズで設定するようにしてもよいし、関心領域を設定することなく走査面の全体を評価対象とするようにしてもよい。S103では、減衰係数αを試行的に設定しながら評価値を取得するために、まず最初の減衰係数が設定される。S104では、設定された減衰係数を用いて図1に示した補正部において仮補正が実行される。すなわち通常の補正処理と同じ処理が行われる訳であるが、事前調査行程において行われる補正という意味において当該補正は仮補正と位置づけられる。S105では、図1に示したパルス圧縮部において仮パルス圧縮処理が実行される。それと同時に、その前にまたはその後に、パルス圧縮により生じるピークを各減衰係数の設定間において揃える規格化処理を適用するのが望ましい。
S106においては、形成された画像中の関心領域内の画像部分が切り出され、それが評価部に送られる。本実施形態においては関心領域内の輝度値の総和をもって評価値とされており、S106ではそのような総和が演算されることになる。S107では、現在設定されている減衰係数が最低値から始まって最高値に到達したのか否かが判断され、到達していなければS103以降の工程が減衰係数を順次増加させながら繰り返し実行される。S108においては、複数の減衰係数に対応する複数の評価値に基づいて減衰係数評価関数が構成され、そのプロファイルを参照することにより、具体的には後に説明するように最低のピーク値を探索することにより、そのピーク値が生じた時点の減衰係数をもって実際に使用する減衰係数α1であると決定される。このように事前調査工程S101において減衰係数が定められた上で、S109において超音波診断が実行されることになる。この超音波診断においては、上述したチャープ送信及びパルス圧縮処理が実行され、その場合においてはパルス圧縮前に生体組織に最適な減衰係数に基づく周波数特性補正関数が適用されて、パルス圧縮処理が行われることになる。これによって従来技術において説明したサイドローブの問題を解消または軽減でき、超音波画像の画質を著しく高めることが可能である。
図3には、S106において実行される2つの工程が示されている。S201においては、関心領域内における各画素の輝度値の2乗和が演算されている。ここでx及びyは各画素のxアドレス及びyアドレスを示しており、αはその時に設定されている減衰係数の値を示しており、それらの3つのパラメータによりある画素における輝度値Bが定義される。関心領域内における輝度値の2乗和を求めることで、評価値A(α)が求められる。S202においては、αごとに求められる評価値A(α)により評価関数が構成される。
その一例が図4に示されている。横軸は仮設定される減衰係数αを示しており、縦軸は評価値A(α)を表している。このような評価値関数が得られた場合、その中における
最低ピーク値A(α)minが特定され、それに対応する減衰係数α1が特定される。そして、その減衰係数α1が実際の超音波診断で利用される減衰係数であると見なされ、その減衰係数α1に従って補正部における周波数特性補正関数が定められることになる。
図5には、シュミレーションによって生成された送信チャープ波が示されている。この送信チャープ波における開始周波数は3MHzであり、終了周波数は7MHzである。振幅は時間軸上に沿って一定である。
図6には、受信チャープ波のシュミレーション結果が示されている。横軸は時間軸であり縦軸は振幅Eを表している。図示されるように生体組織の周波数依存減衰特性に従い、特に高い周波数成分程振幅が小さくなっており、すなわち減衰が大きくなってる(符号100参照)。
そのような周波数依存減衰を受けた受信チャープ波に対してそのままパルス圧縮処理を適用すると、図7に示すようなパルス圧縮後の波形が得られることになる。符号101はパルス圧縮後の受信信号(RF信号)を示しており、符号102は受信信号のエンベロープを表している。横軸は時間軸であり、縦軸は振幅を表している。符号103及び符号104で示されるようにパルス圧縮後のピークの両側に不要成分すなわちサイドローブが生じており、そのようなサイドローブが画質を劣化させる要因となる。
そこで、図8に示されるような周波数特性補正関数を適用をすることが望まれる。横軸は周波数を表しており、縦軸は周波数減衰を補償する利得、つまりフィルタリングを行うレベルあるいは補正レベルを表している。高い周波数成分ほどより持ち上げることにより、図9に示されるような補正後の受信チャープ波を得ることが可能である。すなわち図9に示す受信チャープ波は図8に示した周波数特性補正関数を適用した後の受信チャープ波であり、符号105に示されるように高域側の落ち込みがなくなってむしろそれが増強されている。これもシュミレーション結果である。このように図8に示した周波数特性補正関数は周波数が高くなればなるほど利得をより大きくする右肩上がりの傾きを有している。
そのような補正後の受信チャープ波に対してパルス圧縮処理を行った結果が図10に示されている。符号106は受信信号(RF信号)を示しており、符号107はそのエンベロープを示している。符号108及び符号109に示すように、パルス圧縮後のピークの両側における不要な成分はかなり抑圧されている。従って画質の向上を図ることができる。
以上のようなシュミレーションに基づく波形の補正はある一定の深さからの受信を前提として行われているわけであり、実際の超音波診断にあたっては各深さに存在する受信点からのエコーが連続的に観測されてくることになる。従って受信点の深さに応じて動的に周波数特性補正関数を変化させる必要がある。しかも、生体組織ごとに減衰係数は異なるため、上述したような事前の減衰定数の調査を行った上で、実際の減衰係数に基づいて周波数特性補正関数を動的に変化させる必要がある。そのような変化が図11に示されている。図に示されるように周波数特性補正関数Fは受信点の深さに応じて動的に可変されている。すなわちその傾きが動的に変更されている。浅い領域においては小さな傾きとなり、深い部位については大きな傾きが設定される。このように受信点の深さが深くなればなるほど周波数特性補正関数Fの傾きがより大きくなるように構成されている。但し関数Fを定義する一つのパラメータである減衰係数αは深さによらずに一定の値であり、そのような値が上述した事前調査工程によって実測により定められる。
よって、本実施形態の装置によれば、一律に定めた減衰係数を用いるのではなく、実測された減衰係数しかも既存のチャープ送信及びパルス圧縮の両技術をそのまま利用してつまり超音波診断装置の実際の特性を考慮した上で減衰係数を求めることができるので、従来法よりも画質を大幅に高めることが可能となる。しかも深さに応じて関数を変化させているので、各深さにおいて良好な補正を実現でき、すなわち浅い領域から深い領域まで画質を良好にすることができる。減衰係数の決定にあたっては関心領域内の情報が参照されているため、特に関心領域内における画質を高めることが可能である。従って浅い領域から深い領域の全般にわたって画質を最良にしたいのであれば、複数の関心領域を各深さごとに定めそれぞれについて減衰係数を演算し、それを関数の変化に反映させるようにしてもよい。上述した実施形態においては、パルス圧縮後のピーク値の規格化を前提として関心領域内の輝度値の総和をもって評価値とされていたが、そのような評価値以外の他の情報を利用して画質あるいはサイドローブの発生度合を評価することも可能である。例えば画像の先鋭さを評価する各種の公知技術が確立されているのでそうのような技術を利用して画質を評価するようにしてもよいし、時間軸上の受信信号におけるサイドローブ成分そのものを評価対象とするようにしてもよい。いずれにしてもパルス圧縮後の信号を参照してパルス圧縮処理がどの程度的確に行われているかを表す指標を取得することにより、最適な減衰係数を見極めることが可能となる。
10 プローブ、12 関心領域、14 送信部、16 受信部、18 補正部、20 減衰係数決定部、22 パルス圧縮部、24 画像形成部、28 評価部

Claims (6)

  1. 周波数変調波であるチャープ波を被検者へ送波し、被検者からの反射波を受波して受信信号を出力する送受信部と、
    前記受信信号に対して生体組織の周波数依存減衰を補償するために受信点の深さに応じた動的な補正処理を施す補正処理部と、
    前記補正処理後の受信信号に対してパルス圧縮処理を適用するパルス圧縮処理部と、
    前記パルス圧縮処理後の受信信号に基づいて超音波画像を形成する画像形成部と、
    複数の周波数依存減衰係数に対応した複数の補正特性を前記補正処理部に順番に設定しながら前記パルス圧縮処理部を試行的に動作させることにより複数のパルス圧縮処理結果を得て、その中から最良の処理結果を判定することにより、前記被検者中の生体組織についての周波数依存減衰係数を推定する係数推定部と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記係数推定部は、前記複数のパルス圧縮処理結果を個別的に評価して評価値を求める評価部を有し、
    前記評価値は、パルス圧縮後におけるサイドローブ含有度合いを示す値である、ことを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記評価値は、ピークレベル規格化処理後における関心領域内の輝度値の総和である、ことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置において、
    前記係数推定部により推定された周波数依存減衰係数に基づいて前記補正処理部に対して前記被検者に適合した補正特性を設定する特性設定部を含む、ことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項4記載の装置において、
    前記補正特性は、前記受信信号の利得を周波数に応じて補正する特性であって、周波数が高くなればなるほど利得をより大きくする傾きを有し、
    前記補正特性は、前記受信点の深さに応じて前記傾きが変化する関数である、ことを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項5記載の装置において、
    前記補正特性の傾きは、前記受信点の深さが深くなればなるほどより大きくなる、ことを特徴とする超音波診断装置。
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