JP4334032B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遅延制御により送信及び受信の指向性を超音波に付与し、この指向性を付与した超音波で被検体内部を走査して超音波画像を得る超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波の医学的な応用としては種々の装置があるが、その主流は超音波パルス反射法を用いて生体の軟部組織の断層像を得る超音波診断装置である。この超音波診断装置は無侵襲検査法で、組織の断層像を表示するものであり、X線診断装置、X線CT装置、MRIおよび核医学診断装置などの他の診断装置に比べて、リアルタイム表示が可能、装置が小型で安価、X線などの被曝がなく安全性が高く、さらに超音波ドプラ法により血流イメージングが可能であるなどの独自の特徴を有している。
【0003】
このため心臓、腹部、乳腺、泌尿器、および産婦人科などでその活用範囲は広い。特に、超音波プローブを体表から割り当てるだけの簡単な操作で心臓の拍動や胎児の動きの様子がリアルタイム表示で得られ、かつ安全性が高いため繰り返して検査が行えるほか、ベッドサイドへ移動していっての検査も容易に行えるなど簡便である。
【0004】
ところで、周知の通り、図17に示すように超音波プローブ上には複数の振動子が1次元又は2次元上に配列されており、これら複数の振動子から生体に向けて超音波を送波させるための励振信号や、これらの振動子が生体からの超音波反射波を受波して得られる受信信号に、各振動子の幾何学的位置情報に応じて遅延時間を個別に与え(いわゆる遅延制御)、各振動子からの送信超音波及び受信信号において集束点を形成することがなされている。以下、送信時の励振の遅延操作、受信時の整相加算操作をそれぞれ、送信ビーム形成、受信ビーム形成と称する。
【0005】
これら送信ビーム形成や受信ビーム形成を全ての振動子を使って行うではなく、振動子を選択的に使って行う場合があり、この場合、送受信の口径((送受信に使われる振動子数)×振動子ピッチ)や口径内の各振動子に割り当てるゲイン配分は、画像化する対象の位置や、装置の最大駆動素子数、使用される超音波の周波数帯域等に基づいて、装置開発者が最適と考える値に予め設定されている。
【0006】
例えば、図18に示すように、口径を大きくすると、集束点でのビームはより細くなり、分解能の高い画像が得られるようになるが、その反面、集束点以外の所では逆にビームが広がってしてしまい、分解能が悪くなってしまう。このようなビーム形成原理に基づいて、送受信のビーム形成条件は事前に決定され、その条件で装置が動作し画像が得られる。
【0007】
このような事前に決定されるビーム形成の動作条件は、生体中の音響的な特性が均一であることを前提にして決定されている。しかし、生体中の媒体の音響特性は均一ではなく、その不均一性により、実際の生体中では、ビーム形成の動作条件から予想されるビームの形状よりも劣化したビームになってしまっていると予想される。この点を裏付ける現象として、超音波画像の画質が被検体によって良かったり悪くなったりする点が指摘される。
【0008】
画質の依存性の原因には、振動子間での音速の著しい不均一性があり、この原因に着目して、実際の受信信号の受波タイミングを計測し、それにより送信及び受信の遅延時間を補正する手法が提案されている。
【0009】
しかし、音速不均一性の程度が強くなれば、各振動子への超音波の伝搬時間がバラツクだけでなく、図19に示すように、音響インピーダンスの境界での屈折が強く表れるようになり、この屈折の影響により、受信信号の波形が大きく歪み、それにより、整相加算により得られるビームが劣化する場合も考えられる。
【0010】
また、音速の不均一性だけでなく、図20に示すように、心臓の検査を想定して、プローブを胸壁上においた場合において、音響インピーダンスが周囲の軟部組識と大きく異なる肋骨の存在により、プローブと肋骨の間で多重反射が発生し、同様に受信信号の波形が大きく歪んでしまう場合も考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前者の音速の著しいバラツキの補正ではなく、後者のように屈折や多重反射等により、口径内の一部の振動子の受信信号が著しく歪んでしまった場合に、その画質への影響を低減することができる超音波診断装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、配列された複数の振動子それぞれの励振信号に個別に遅延時間を与え、これらの振動子が被検体からの超音波反射波を受波して得られた受信信号に個別に遅延時間を与えて加算することにより送信及び受信の指向性を超音波に付与し、この指向性を付与した超音波で被検体内部を走査して超音波画像を得る超音波診断装置において、事前に決定される口径内の全振動子の受信信号パワーの平均値に前記各振動子の指向性に応じたパラメータを乗算した値に対する前記各振動子の受信信号パワーの比を前記各振動子ごとに計算する手段と、前記励振信号の強度と前記受信信号の増幅率の少なくとも一方に関する補正係数を前記比に応じて連続的に変化する値に設定する手段と、前記補正係数に従って前記励振信号の強度と前記受信信号の増幅率の少なくとも一方を制御する手段とを具備する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る超音波診断装置を好ましい実施形態により説明する。本発明は、屈折や多重反射等による受信信号の歪みの程度を、整相加算前の受信信号に基づいて振動子ごとに評価し、そこである振動子に関して歪みが比較的大きいと評価したとき、その振動子で受けた受信信号の増幅率(以下、“受信増幅率”と称する)を、歪みが比較的小さい他の振動子で得た受信信号より低下させたり、またその振動子への励振信号の強度(以下、“励振強度”と称する)を、歪みの程度が比較的小さい他の振動子より低く抑えることにより、歪みの大きい受信信号が画質を劣化するという悪影響を低減しようとするものである。
【0014】
すなわち、屈折や多重反射等に起因して波形の歪みが大きい場合、その受信信号は受信ビーム形成に好ましくないとして、その受信増幅率を他の受信増幅率より低くして、その受信信号の歪みの画質への悪影響をあまり受けないように制御するわけである。もちろん受信増幅率を実質的にゼロにして、その受信信号を整相加算から除外することで、その受信信号の悪影響を完全に断つことができる。
【0015】
また、受信信号が整相加算(受信ビーム形成)に好ましくないということは、その振動子から送波される超音波も、送信ビーム形成に好ましくないと予想され、その振動子に対する励振強度を小さくする。もちろん、その振動子の励振強度をゼロにして、その振動子を送信ビーム形成から除外することにより、同様にその振動子での歪みの悪影響を完全になくすこともできる。
【0016】
しかし一方で、受信増幅率を完全にゼロにしたり、励振強度を完全にゼロにすることは、口径の減少をもたらすことと、制御が急激に変わることが画像に違和感を与える可能性があることとを考え合わせると、必ずしも良いとは限らない。そこで、受信信号の歪みが大きくなる振動子の受信増幅率を完全にゼロにしたり、励振強度を完全にゼロにするのではなく、受信増幅率や励振強度をある程度の低下に止めることが好ましいとも言える。
【0017】
ところで、屈折や多重反射等による受信信号波形の歪みの程度を評価する、つまり受信信号がビーム形成に好ましいか否かを評価するために、発明者は以下の2通りの評価法を提案している。
(1)振動子間での受信信号波形の類似性
(2)受信信号のパワー
以下、それぞれの評価の意図する所を述べると共に実際の評価方法について説明する。
(1)受信信号波形の類似性
図1は、口径中心線上に固定した点音源に対して、受信ビームを少しずつ偏向していった場合の受信ビーム指向性の角度依存性を示している。図1(b)の縦軸は、整相加算信号の強度、例えば振幅を表している。また、図1(b)の細線は、均一な媒質の場合の理想特性であり、伝搬媒質中に肋骨のような音響特性が極端に異なる媒質が存在する場合には、太線で描いたように指向性に乱れが生じてしまうと予想される。なお、図中、A点は点音源と受信の集束点と一致しており、指向性は最大であり、B点は指向性上利得が小さくなることが望まれる場所である。その詳細な過程を図2と図3を用いて定性的に説明する。
【0018】
図2は、均一な媒質を超音波で伝搬してきた場合を想定しており、口径内の各振動子で得られる受信信号は、基本的に同じ波形で、伝搬時間に応じて時間軸上の位置が少しずつ異なるという関係にある。集束のための受信遅延制御により、信号の時間軸上の位置を同じに、つまり位相が揃うように制御され、加算される。この操作がいわゆる整相加算といわれる操作である。
【0019】
この場合、全ての信号の位相があっているため(例えば信号の時間軸上で、正の頂点同士が同じ位置にある)、加算により信号同士が強調され、A点においては大きな利得が得られる。それに対して、B点においては、受信の遅延操作はB点に集束するように行われているので、点音源からの信号は位相が合わず、相互に打ち消し合うように働くため、利得が低くなる。
【0020】
このように、口径内の各振動子からの受信信号の位相が揃っている所が強調され、それ以外の所では位相が打ち消しあう要素が強くなる程、利得が下がることにより、図1に示すような指向性パターンが得られるわけである。
【0021】
図3では、口径の一端付近に存在する肋骨の影響で主に多重反射により、この一端付近の振動子で得られる受信信号の波形が、他の振動子の受信信号の波形と比べて極端に歪んでしまった様子を示している。このような場合、たとえA点に集束を行っても、一端の振動子の受信信号が歪んで他の振動子の受信信号と波形が異なっているため、整相加算しても受信信号同士で必ずしも強調しあわなくなり、利得としては低下してしまう。また、B点に集束する場合では、逆に、波形に相違により、位相の打ち消しがうまくいかず、意に反して、利得は見かけ上大きくなってしまう。
【0022】
このように、波形の類似性が失われることは、伝搬時間がバラツクことにより遅延時間が適切でなくなることと同様に、シャープなビーム形成を損なってしまう。本発明の主旨は、これらの歪んだ波形の受信信号を、ビーム形成のための整相加算から除外する、もしくは受信増幅率を低くして整相加算に参加させることでその画質への悪影響を低減しようとするものである。
【0023】
一般に信号間の類似性を評価する場合、相関関数ρxy(Z)のピークの値(最大値)を用いる。但し、以下、相関関数のピーク値のことを単に“相関係数”と称するものとする。以下に、相関関数の定義式を記す。
【0024】
【数1】
【0025】
図4を参照して、この類似性が意味するところを説明する。2つ受信信号の波形の類似性が高いとき、相関関数のピークの位置が2つの波形の時間ずれを表し、そのピーク値が両波形の間の類似性を反映している。つまり、完全に同じ波形間で相関関数を導出した場合には、両者の位相が不一致でも、そのピーク値は、最大の類似性を示す“1.0”になる。一方、波形の類似性が低い場合には、ピーク値は低くなる。
【0026】
このような意味合いのあるピーク値、つまり相関係数を用いて、ビーム形成に好ましいか否かを振動子ごとに評価しようという訳であるが、ここで問題となるのは、どのような位置関係にあるペアの振動子の間で相関係数を求めるのかということである。この点に関して、最初に明記しておかないといけないのが、口径内で得られる2つの受信信号の類似性は、それらを得た振動子の間隔が広くなるほど低下するということである。基本的には、2つの振動子の受信信号の類似性は、これら2つの振動子の間隔が広くなる程低下していき(相関係数が低くなり)、しかも、その程度は、送信ビームが太いほど低下は急速に進むという性質がある。そしてある程度離れると受信信号同士はまったく無相関になってしまう(相関係数がゼロに近似する)。
【0027】
図5には、口径内の中心振動子と他の振動子それぞれとの間で求めた相関係数を、当該他の振動子の位置にプロットして求めた相関係数の位置分布を概念的に示している。例えば中心振動子(A)と、振動子(B)との間で得た相関係数を、振動子(B)の位置にプロットする。この図5から分かることは、相関係数は、中心振動子からの距離に対して非常に強く依存することである。このことより、例えば口径の中心にある振動子の受信信号と、他の振動子の受信信号との間で相関係数を求めることは、好ましくないことがわかる。
【0028】
また、あまり近接した振動子間、例えば隣接した振動子間で相関係数を求めても、生体内構造物による波形の変化が極端に急に起こる場合を除いては、殆どの相関係数が“1.0”に近似してしまい、屈折や多重反射の影響を捉えることができないということも予想される。
【0029】
この点を考慮すると、送信条件、観測点の深さ等から予想される理論上の相関係数のパターンより、相関係数が適当に分散するように振動子間隔を選ぶことが良い。適切な間隔がいくつであるかについては、多分に経験的な蓄積が必要になるであろうし、被検体によっても異なってくるであろうし、従ってここでは特定値に限定はできない。もちろん、相関係数の理論値とは無関係に経験的に最適な振動子間隔を決定してもよいが、理論値を用いた方が理論的に振動子間隔を決定できる。
【0030】
このように経験的又は理論的に決定した振動子間隔で、受信信号間の相関係数を求め、その相関係数の値を両振動子の中央の位置に当てはめる。この作業を、振動子のペアを、1つずつシフトさせて繰り返すことで、図6に一例を示すような相関係数の口径上の位置分布を得ることができる。もちろん、口径の端部においては、所定の振動子間隔を確保できないので、振動子間隔を随時狭める等の特殊な操作が必要になる。
【0031】
このように得られた相関係数の分布を用いて、どのように受信増幅率や、送信時の励振強度を制御するかについては、様々な方法が考えられる。ひとつの方法としては、図6に示すように、上記の均一媒質を想定した導出した理論値に基づいて閾値を決定し、相関係数がこの閾値以下の振動子を対象に、その受信増幅率や励振強度を実質的にゼロにしたり、或いはその相関係数の値に応じて連続的に変化させても良い。
【0032】
(2)受信信号の強度又はパワー
以上、受信信号の類似性を考慮する方式についてのべたが、この相関係数を用いる方法は計算量が多い。この点を考慮し、計算量を減らして、より簡便にして、しかも、ある程度の効果を維持できる方法として、受信信号の強度(振幅)やパワー(振幅の二乗を時間積分して、その値を単位時間で規格化した値)に基づく方式も考えられる。なお、ここでは、パワーとして説明する。
【0033】
図7は、心臓を経胸壁的に検査する状況を想定している。同図(a)、(b)に示すように、口径の右端(図中領域B)は、その下に肺が入り込んでおり、その影響で領域B内に位置する振動子の受信信号はビーム形成に好ましくない程度まで歪んでいる。この不適切は、先の相関係数を用いる方式で辿り着くことができると考えられる。しかし、受信信号のパワーも肺による散乱により低下していると仮定すると、振動子それぞれの受信信号やパワーを口径軸上に分布させることにより、図6と同様な分布を得ることができる。このようなパワーの位置分布を得た後は、相関係数を用いた場合と同様に、パワーが、均一媒質を想定した導出した理論値に基づいて決定した閾値以下を示す振動子を対象に、その受信増幅率や励振強度を実質的にゼロにしたり、或いはその相関係数の値に応じて連続的に変化させるのである。
【0034】
ところで、受信信号のパワーが小さいので、その画質への悪影響は小さいと考えがちだが、超音波画像のダイナミックレンジは、40−80dBとかなり広く、パワーが小さからといって、画質への悪影響も少ないとは限らないのである。
【0035】
このように受信信号の類似性やパワーを取り扱う場合に共通する問題として、受信信号の全部を使ってこれらの値を求めるようにすると、その相関係数は過度に低下しすぎたり、またパワーが過度に高くなってしまうので、これらの値が良好に分散しなくなり、適当な評価ができなくなってしまうという問題がある。従って、受信信号の一部分を使って、相関係数やパワーを求める必要がある。
【0036】
図8(a)は、心臓の超音波画像を描いたものであるが、心空内部からは基本的に信号を得ることはできず、その心空内部に相当する深さの受信信号の一部分を用いて評価すると、電気的ノイズの類似性を評価してしまう結果となって、当然、相関係数は低下してしまう。この場合、殆どの振動子が図6に示した閾値以下となってしまい、走査不能という事態に陥ってしまいかねない。
【0037】
このような事態を回避するため、評価に用いる受信信号の一部分を生体内臓器からの反射で構成されている適切な領域に設定することを必要がある。図8にはその方法を記している。
【0038】
まず、適切な領域の選択には、整相加算後の信号を用いる。1フレーム前の信号を用いるのが、実際の装置構成から信号処理の流れを考えると良いと思われる。図8(b)に、同図(a)の画像中に太線で示されている走査線に対応する整相加算後の信号波形を示した。この整相加算信号に対し、まず検波によって振幅を抽出し(包絡線を検出し)、さらに細かなスペックル変動の影響をなくすために、時間方向にスムージングする。このスムージング後の包絡線を同図(c)に細線で示している。
【0039】
この包絡線に、生体内での減衰の深度依存性を補正するために、平均的な生体減衰量に相当する量を増幅量として作用させる(減衰補正)。この減衰補正後の包絡線を、図8(c)に太線で示している。
【0040】
この包絡線に対し、ある閾値を越える複数の領域を候補として選び、この候補の中から予め設定してある基準深度に最も近い領域を選択する。つまり、各振動子からの受信信号の中の選択された領域に対応する部分を用いて、相関係数やパワーを求める。
【0041】
なお、評価及び口径の制御は、前記のような1箇所の信号のみを用いて行う必要はなく、同様に複数の領域に対して、評価を行い、その結果に基づいて、送信受信の制御を行っても良い。
【0042】
このような原理は次の実施形態の記述から、より理解が深まると思われる。 (第1実施形態)
図9に第1実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す。超音波プローブ1は、電気信号を扱う側と、超音波に振幅変調や周波数変調をかけて内部情報を付与する被検体側との間を媒介するために、その先端部分に複数の振動子を配列している。なお、このプローブ1の形態としては、セクタ対応、リニア対応、コンベックス対応等のいずれでもよいが、ここではセクタを例にとって説明する。
【0043】
このプローブ1には送信用駆動部3と受信用増幅器6とが、送受信切替器2によって送信時と受信時とで択一的に接続される。送信用駆動部3は、クロック回路、レートパルス発生器、送信遅延回路、パルサとから一般的に構成されている。クロック回路から発振されたクロックを分周してレートパルス発生器で超音波の送信レート(毎秒送信回数)を決定するためのレートパルスが作られる。このレートパルスは、例えば100チャネルに分配されて、送信遅延回路に送られ、そこで超音波の指向性を決めるために必要な遅延時間を個別に与えられ、パルサに供給される。パルサは、いわゆる電力増幅器であり、レートパルスを増幅してプローブ1の振動子それぞれに印加する。
【0044】
送信遅延回路で各チャネルのレートパルスに与える遅延時間は、超音波パルスが1回又は所定回数送信されるごとに少しずつ変化される。これにより送信ビームの向きが少しずつ動いていく。このような遅延制御は、送信用遅延制御部4により行われている。
【0045】
また、パルサでのレートパルスの増幅率は、チャネルごとに送信用口径制御部5で任意に制御される。この送信用口径制御部5は、振動子列の中の端側の幾つかの振動子に対応するレートパルスの増幅率を極端に小さくして、その振動子から超音波が実質的に出ないようにすることにより、口径を任意に変えることができる。本実施形態では、この口径制御を流用して、上述したような相関係数やパワーに応じた励振強度の制御を行っている。
【0046】
プローブ1の振動子はこの励振信号により励振され、超音波を発生する。この超音波は生体内を伝播し、その途中にある音響インピーダンスの不連続面で次々と反射する。この反射強度は音響インピーダンスの差に主に依存していることから、この動きは振幅変調に近いものと言える。また、超音波は心臓壁や血球でも反射するが、これら移動体での反射には、そのドップラ効果による周波数変調の動きが含まれている。
【0047】
このような反射波はプローブ1に返ってきて、各振動子を振動する。これにより、振動子それぞれから、微弱な受信信号が発生する。これらの受信信号は、受信用増幅器6で個別に増幅された後、アナログディジタルコンバータ(A/D)7を介して整相加算処理部8と適応口径制御部20とに送られる。
【0048】
受信用増幅器6での受信信号の増幅率は、チャネルごとに受信用口径制御部9で任意に制御される。この受信用口径制御部9は、振動子列の中の端側の幾つかの振動子からの受信信号の増幅率を極端に小さくして、口径を任意に変えることができる。この口径制御は、主として、反射深度に応じて口径を動的に変えるいわゆるダイナミックアパーチャーや、ビームのサイドローブレベルを下げるための重み付け処理、いわゆるアポタイゼイション処理に用いられている。本実施形態では、この口径制御を流用して、上述したような相関係数やパワーに応じた受信増幅率の制御を行っている。
【0049】
整相加算処理部8は、受信遅延回路と加算器とから一般的に構成されている。増幅された受信信号は、受信遅延回路に送られ、そこで超音波の受信指向性を決めるために必要な遅延時間を個別に与えられ、加算器で加算される。受信遅延回路で各受信信号に与える遅延時間は、送信遅延制御に同期して少しずつ変化される。これにより送信ビームに従って受信ビームの向きが少しずつ動いていき、セクタ走査が実現されるのである。このような遅延制御は、送信用遅延制御部4により行われている。遅延時間を与えられた受信信号は加算器で加算される。
【0050】
この整相加算信号は、Bモード用処理部11とカラーフローマッピング(CFM)用処理部12とスペクトラムドプラ用処理部13の他に、新規的な適応口径制御部20にも送り込まれる。Bモード用処理部11は、検波回路と対数増幅器とから一般的に構成される。まず、検波回路で整相加算信号の包絡線を検波し、その次に対数増幅器で対数増幅する。
【0051】
カラーフローマッピング用処理部12は、ミキサとローパスフィルタとMTIフィルタと自己相関器と演算部とから一般的に構成されている。ミキサとローパスフィルタとは直交位相検波回路を構成し、送信周波数と同じ中心周波数の参照信号とそれから90゜移相した参照信号とをそれぞれ個別に整相加算信号に掛け合わせ、そしてこの掛け合わせにより得られた信号それぞれから高周波成分を除去することにより、偏移周波数成分を取り出し、これをドプラ信号として出力する。なお、このドプラ信号には、主に血球等の速い移動体での反射により周波数変調を受けた高周波成分と、主に心臓壁等の遅い移動体での反射により周波数変調を受けた低周波成分とが含まれている。
【0052】
MTIフィルタはハイパスフィルタとして機能し、主に血球等の速い移動体での反射により周波数変調を受けた高周波成分(血流成分)だけを通過し、主に心臓壁等の遅い移動体での反射により周波数変調を受けた低周波成分(クラッタ成分)を除去する。そして、この血流成分だけになったドプラ信号を自己相関器により周波数解析して、血球による偏移周波数を求める。この偏移周波数に基づいて、演算部では血流速度(平均速度)と、その分散と、主に血流量を反映しているパワー(ドプラ信号の振幅の二乗)とを演算する。
【0053】
スペクトラムドプラ用処理部13は、ミキサとローパスフィルタとサンプルホールド回路と帯域フィルタと周波数分析器とから一般的に構成されている。カラーフローマッピング用処理部12の場合と同様に、ミキサとローパスフィルタとで整相加算信号から偏移周波数成分を取り出し、このドプラ信号から指定されたサンプルボリュームの深度に相当する一部分を切り出し、この一部分の信号から帯域フィルタで高周波成分(血流成分)だけを取り出し、そして、この血流成分だけになったドプラ信号を高速フーリエ変換(FFT)により周波数解析して、血球による偏移周波数を求める。
【0054】
これら各処理部11,12,13からの出力信号は表示系14で1画面に適当に合成され、またTV走査方式に並び替えられ、モニタ15に供給され、断層組織像(濃淡画像)、血流画像(カラー画像)、血流Mモード像として表示される。
【0055】
適応口径制御部20は、送信用口径制御部5及び受信用口径制御部9を制御して、生体内組識により好ましくない影響を受ける振動子に対して励振強度や受信増幅率を制御して、その歪みによる画質への悪影響を小さくするために設けられ、評価領域選択部21と受信信号評価部22と口径制御部23とから構成されている。
【0056】
基本的な動作を簡単に説明する。まず、整相加算信号を使って評価領域選択部21で、受信信号間の相関係数を求めるのに最適な領域を選択する。この選択された最適な領域に関する情報は一旦メモリに格納され、次のフレームの受信信号の評価に用いられる。そして、受信信号評価部22では、現フレームの受信信号を用いて上述したように振動子間で相関係数を計算し、その結果に従って口径制御部23で励振強度と受信増幅率の制御を行う。
【0057】
図10に評価領域選択部22の詳細構成を示している。簡便のため、1フレームに限った操作について説明するが、各フレームで同様の操作が繰り返される。整相加算信号が、各走査線において随時、検波部211に入力され、この整相加算信号の振幅成分が抽出される。振幅信号はローパスフィルタ212で時間方向(深さ方向)にスムージング処理され、細かな変動が平らに均される。さらにこの信号に対して増幅器213にて、平均的な生体内減衰を補正するために、増幅が行われる。但し、この生体内減衰を補正するための増幅量は、Bモード画像の輝度を合わせるために操作者が行う、深さごとの増幅率制御いわゆるSTCの値に応じて変化させて、減衰の深さ依存性を補正するようにしてもよい。
【0058】
閾値判定部214では、減衰量の補正を行われた振幅信号を予め設定されている閾値に比較し、振幅信号の中の閾値を越える複数の領域を、相関係数を求める部分の候補として抽出する。領域決定部215では、これら抽出された複数の領域の中から、評価予定領域(基準深度)に最も近い領域を選択する。領域記憶部216では、この選択された領域に関する情報を、当該フレームに含まれる全ての走査線ごとに記憶し、この情報を次のフレームで受信信号評価部22に供給する。もちろん、整相加算前の各振動子の受信信号を最低1走査線分記憶するようにすれば、通常の整相加算処理を行ったあと、この評価領域選択部で領域を決定し、受信信号の評価を行った後、再度同一走査線に対して口径の制御をして表示画像用の整相加算処理を行うこともできる。
【0059】
図11に、受信信号評価部22と口径制御部23の詳細構成を示している。バッファメモリ221は、1走査線(1本の超音波ビーム)を形成するために駆動される振動子数分用意されており、それぞれ対応する振動子からの受信信号を記憶する容量があるメモリ要素を2つ有して、これらをトグル的に切り替えることで、振動子からの信号の書き込みと、相関演算部222へ1つ前の走査線の受信信号を供給するための読み出しとを同時に行えるようにしている。この相関演算部222も、バッファメモリ221と同様に、1走査線(1本の超音波ビーム)を形成するために駆動される振動子数分用意されており、振動子ごとに相関係数を求めることができるようになっている。
【0060】
相関演算部222へは、ある振動子の受信信号がバッファメモリ221から直接的に供給され、また他の振動子の受信信号がスイッチ223を介して供給される。このスイッチ223の切替によって、相関係数演算の対象とする振動子の間隔を任意に変えることができるようになっている。この図11ではこの間隔を0から3個の中で選択できる構成で書かれている。
【0061】
相関係数演算部222は、バッファメモリ221の読み出し制御の機能も持っており、評価領域選択部21で選択した領域に従って、相関係数演算に用いる信号部分を受信信号から切り出して、相関係数を演算する。得られた各相関係数は口径制御部23に送られる。
【0062】
口径制御部23では、まず、パラレルシリアル変換部231で、通常100以上ある相関係数演算部222からパラレルに出力される相関係数値をシリアルに変換する。その後、安定化処理部232で相関係数値を安定化させるような処理、例えば、
(1)周囲の数点で平均する処理
(2)周囲の数点を用いてメディアンフィルタ処理
を行う。この様子を図12に示す。図中、細線で表しているのが、安定化処理前の相関係数値の位置分布である。受信信号の統計的変動やノイズのために、相関係数値に変動が強く表れている様子が伺える。このままでは、歪みが少なくて好ましい振動子であってもその相関係数が閾値以下となり、その振動子の励振強度や受信増幅率が下げられてしまったり、また歪みが大きくて好ましくない振動子であってもその相関係数が閾値を超えてしまって、その振動子の励振強度や受信増幅率が下げずに基準値に維持されてしまう事態が起こり良好な制御ができない可能性がある。これに対し、相関係数を安定化させるために、周囲の数点を用いて平均等のローパスフィルタ処理をかけたり、メディアンフィルタ処理をかけたりすることで、太線に示すような係数分布を得ることができ、良好な口径制御が可能となる。
【0063】
安定化された相関係数の位置分布を用い、送信及び受信に対する口径制御を行うのがそれぞれ送信用口径補正部233A及び受信用口径補正部233Bである。口径制御は例えば図13に示すような予め決められている相関係数と励振強度や受信増幅率の基準値に対する補正係数との関係により行われ、この間系は例えばテーブル化されて口径補正部233A,Bに保持されている。
【0064】
なお、横軸は、相関係数値でも良いし、送信条件や相関係数演算に用いた振動子の間隔等により求められる理論値で計測値を割って規格化してもよい。後者の場合、送信条件等により、テーブルの内容を変える必要がないと予想され、より簡便に制御可能である。縦軸は元々設定されている受信の増幅率や、送信の励振信号の強度に対して、どの程度の補正を行うかという係数である。例えばこの係数が0.5と決定された振動子に対しては、受信信号の増幅率を半分にするわけである。図中、細線は係数を0又は1.0にする。つまりON/OFF動作をさせる制御を示してあり、太線は連続的に相関係数を評価する場合である。
【0065】
このようにして得られた口径制御情報は、随時それぞれ図9に示す送信用口径制御部5及び受信用口径制御部9に直接的に送られてもよいし、図11に示すようにメモリ234A,234Bに一旦1フレーム分の口径補正データを格納してから、次のフレームの最初に転送しても良い。いずれにしても、受信信号を評価した次のフレームで実際の口径は制御される。
【0066】
このように本実施形態によると、受信信号間の相関係数により屈折や多重反射等による歪みの程度を評価し、そしてこの求めた相関係数に従って、相関係数が閾値より低いときには、励振強度や受信増幅率を基準値より低くし、相関係数が閾値より高いときには、励振強度や受信増幅率を基準値で維持するように、励振強度と受信増幅率の少なくとも一方を制御することにより、歪みの画質への悪影響を低減することができる。
【0067】
本実施形態では相関係数で歪みの程度を評価したが、受信信号のパワーに基づいてこの評価を行ってもよいのは上述した通りである。次の実施形態では、受信信号のパワーに基づいて歪みの程度を評価するものである。
【0068】
(第2実施形態)
この第2実施形態は、受信信号の歪みの評価に相関係数の代わりに、受信信号のパワーを求めて評価しようとするものであり、ここでは第1実施形態とその構成が相違する受信信号評価部22と口径制御部23についてのみ説明し、第1実施形態とその構成が同じ部分については説明を省略する。
【0069】
図14に、本実施形態の受信信号評価部22と口径制御部23の構成を詳細に示している。信号パワー演算部222では、受信信号の評価領域内の部分のパワーを次式により計算する。
【0070】
【数2】
【0071】
このパワー値は、口径制御部23においては、第1実施形態と同様に、パラレルシリアル変換部231でシリアルに並べ替えられた後、安定化処理部232に送られそこで平滑化される。また、パワー値は、平均演算部235にも送られ、そこでパワーの平均値を求める。これら各振動子のパワー値とその平均値との2つの情報より、送信口径部233A及び受信用口径補正部233Bで口径制御を決定するわけである。まず、以下の式により各振動子のパワーを、平均値と指向性パラメータとで規格化してから、図15の関係に従って補正係数を振動子ごとに決定する。
【0072】
各振動子のパワー/(パワーの平均値×各振動子の指向性パラメータ)
パワーの平均値を用いるのは、対象とする領域からの信号強度を規格化のファクタとして用いる必要があるためであり、それに各振動子の指向性を用いるのは、振動子と焦点の位置関係によって、受信信号のパワーが振動子単体の指向性の影響を受けるのを補正するためである。
【0073】
本実施形態では、信号のパワーを用いているが、たとえば信号振幅のような同様の情報を用いても良い。
その他の動作は基本的に第1実施形態と同様である。
この第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、各振動子の受信信号のパワーに従って歪みの程度を評価し、この歪みが強いものに関しては励振強度や受信増幅率を低下させることにより、歪みの画質への悪影響を低減することができる。しかも、このための処理量は、相関係数を求める第1実施形態より格段に少なくて済む。
【0074】
なお、第1実施形態や第2実施形態は、図17に示したようなプローブ上に振動子が1次元的に並んでいる場合、2次元的に並んでいる場合に限らず適応できる。しかし、上記2つの実施形態は、2次元アレイに特異な制御方法に関して説明していないので、この点に関して以下の第3、第4実施形態で詳述する。
【0075】
(第3実施形態)
この第3実施形態では、2次元アレイに対する制御を、相関係数を用いて行う場合に関している。1次元アレイと2次元アレイの相違点は、2次元アレイにおいて、受信信号の評価に対するグループ分けの方法がさまざまに考えられる点である。図17を再度参照されたい。1次元アレイでは、振動子は1列に図中X軸の方向だけに並んでおり、その方向に、振動子ごとに相関係数で歪みを評価すればよかった。しかし、2 次元アレイにおいては、X軸、Y軸さらには、斜めに振動子を評価していくことも可能である。ここで、評価していく方向とは、相関係数の場合には、相関係数演算に用いる振動子ペアの並びの方向を意味している。
【0076】
2 次元的な評価に対しては、いくつか方法が考えられる。以下に例をあげる。
(方法1)
2 次元的な評価はせず、1 次元アレイがY軸にいくつか並んでいるだけと考え、口径制御はそれぞれの1 次元アレイで行った結果をそのまま用いる。
【0077】
(方法2)
X軸方向、Y軸方向に1 次元アレイとして評価し、その評価結果の値の平均値を用いる。または、どちらかの結果をより重視する場合には、重みづけ平均を次の式により行っても良い。
【0078】
α・ρx +(1−α)・ρy
α:重み付け係数
ρx :当該振動子に対するx方向の相関係数
ρy :当該振動子に対するy方向の相関係数
(第4実施形態)
評価パラメータとして、受信信号の振幅やパワーを用いる場合にはより簡単に評価できる。図14に示す平均値の演算を2次元的に行いその結果を第2実施形態と同様に用いて制御すれば良い。
【0079】
(第5実施形態)
本発明の主旨は、屈折や多重反射等で波形が歪んでしまい、前述の伝搬時間のバラツキの補正を行っても画像が十分解決しないような場合に、好ましくない振動子の影響をビーム形成から低減または削除することである。つまり、本発明により波形の歪みが大きい振動子の影響が低減または削除できれば、残りの振動子に対して、伝搬時間のバラツキの補正を行うことでより大きな改善効果を得ることができると期待される。伝搬バラツキの補正方法は、従来の技術を流用できる。もちろん、その他の手法を用いても差し支えない。
【0080】
図16に第5実施形態による超音波診断装置の構成を示している。適応口径制御部20の情報が、送信受信の口径制御部5、9に伝えられると同時に伝搬時間のバラツキを補正するための適応遅延制御部30の情報が送信及び受信の遅延制御部に伝えられ、生体内の情報を用いて、最適な口径制御並びに遅延制御が行われる。
【0081】
本発明は、上述してきたような実施形態に限定されることなく、種々変形して実施可能であることは言うまでもない。
【0082】
【発明の効果】
本発明によれば、屈折や多重反射等によって受信信号の波形が歪んでしまって画質が劣化してしまう場合にも、良好な超音波ビームを得ることができ、被検体の体質によらず常に良好な画像を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】セクタ走査における受信指向性の角度依存性を示す図。
【図2】整相加算処理の一連の流れとその処理により受信指向性が得られる原理説明図。
【図3】肋骨に起因する受信信号波形の歪みと、その歪みが整相加算処理に与える影響とを示す図。
【図4】2つの受信信号波形の類似性と相関関数との関係を示す図。
【図5】口径内の中心振動子と他の振動子との間で求めた相関係数の位置依存性を示す図。
【図6】適正な間隔を隔てた2つの振動子間で求めた相関係数の口径上の位置分布を示す図。
【図7】肺の受信信号波形への影響に関する説明図。
【図8】歪み評価に用いる深度領域の適正化に関する説明図。
【図9】本発明の第1実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図。
【図10】図9の評価領域選択部の構成を示すブロック図。
【図11】図9の受信信号評価部と口径制御部の構成を示すブロック図。
【図12】図11の安定化処理部で安定化処理された相関係数の位置分布と安定化処理前の相関係数の位置分布との比較図。
【図13】図11の送信用口径補正部や受信用口径補正部において相関係数に対して割り当てられる励振強度や受信増幅率の補正係数を示す図。
【図14】本発明の第2実施形態に係る超音波診断装置の受信信号評価部と口径制御部の構成を示すブロック図。
【図15】図14の送信用口径補正部や受信用口径補正部において相関係数に対して割り当てられる励振強度や受信増幅率の補正係数を示す図。
【図16】第5実施形態に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図。
【図17】超音波プローブの一般的な振動子アレイを示す図。
【図18】送受信の口径の広狭と、ビームの太さとの関係図。
【図19】屈折の受信信号に対する影響を示す図。
【図20】多重反射の受信信号に対する影響を示す図。
【符号の説明】
1…超音波プローブ、
2…送受信切替器、
3…送信用駆動部、
4…送信用遅延制御部、
5…送信用口径制御部、
6…受信用増幅器、
7…アナログディジタルコンバータ、
8…整相加算処理部、
9…受信用口径制御部、
10…受信遅延制御部、
11…Bモード用処理部、
12…カラーフローマッピング用処理部、
13…スペクトラムドプラ処理部、
14…表示系、
15…モニタ、
20…適応口径制御部、
21…評価領域選択部、
22…受信信号評価部、
23…口径制御部、
211…検波部、
212…ローパスフィルタ、
213…増幅器、
214…閾値判定部、
215…領域決定部、
216…領域記録部、
221…バッファメモリ、
222…相関係数演算部、
223…選択スイッチ、
231…パラレルシリアル変換部、
232…安定化処理部、
233A…送信用口径制御部、
233B…受信用口径制御部。
Claims (1)
- 配列された複数の振動子それぞれの励振信号に個別に遅延時間を与え、これらの振動子が被検体からの超音波反射波を受波して得られた受信信号に個別に遅延時間を与えて加算することにより送信及び受信の指向性を超音波に付与し、この指向性を付与した超音波で被検体内部を走査して超音波画像を得る超音波診断装置において、
事前に決定される口径内の全振動子の受信信号のパワーの平均値に前記各振動子の指向性に応じたパラメータを乗算した値に対する前記各振動子の受信信号のパワーの比を前記各振動子ごとに計算する手段と、
前記励振信号の強度と前記受信信号の増幅率の少なくとも一方に関する補正係数を前記比に応じて連続的に変化する値に設定する手段と、
前記補正係数に従って前記励振信号の強度と前記受信信号の増幅率の少なくとも一方を制御する手段とを具備することを特徴とする超音波診断装置。
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