JP5354806B2 - 重合反応槽の沈着を減少させる方法 - Google Patents

重合反応槽の沈着を減少させる方法 Download PDF

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    • C08F210/12Isobutene with conjugated diolefins, e.g. butyl rubber

Description

この出願は2007年8月31日に出願した「重合反応槽の沈着物を減少させる方法」という発明の名称の米国仮出願第60/969268号に関連し、かつ該出願に基づく優先権を主張する。
発明の分野
本発明は重合反応の間に生じるポリマーの沈着を減少させる方法に関する。より具体的には、本発明は溶解された触媒を使用する反応槽の内壁のポリマーの蓄積を減少させる方法に関する。さらに具体的には、本発明は溶解した触媒を用いる低温重合において反応槽の内壁に沈着したポリマーの薄膜を減少させる方法に関する。
本発明の背景
イソオレフィンポリマーは炭素カチオン重合法で、一般的に0℃から-150℃の範囲の低温下で合成される。重合中熱が発生するため、重合中に発生する熱を除くため、種々の方法が使用される。これらの種々の方法は全て、重合反応のスラリーの温度が一定又はほぼ一定であるため、熱の移動のための大きな表面積を必要とする。
しかし、いくつかの重合では、工程中に多くの問題が生じえる。第一に、反応槽の表面にポリマーが形成される又は沈着する傾向がある。このようなポリマーの形成と又は沈着はポリマーが反応槽表面に直接に蓄積するとき生じ、本明細書では「フィルム沈着」又は「沈着」と呼ばれる。この反応槽表面へのポリマー薄膜沈着の速度は一般的に、重合の速度に比例し、粒子の凝集は当該スラリー、流動条件、粒子の付着等の性質に比較的大きい影響を受ける。薄膜の沈着が蓄積するとき、反応スラリーと冷却剤の間の伝熱係数は減少し、当該反応スラリーの重合温度の上昇をもたらす。当該反応スラリーの温度が上昇すると、当該重合製品の所望の分子量を達成することがより困難になるため、この重合方法は安定性が低下する。
加えて、炭素カチオン重合法では、反応槽のポリマー粒子が互いに凝集し、反応槽の壁、伝熱面、インペラー及び撹拌機/ポンプに集まる傾向が生じ得る。これは、本明細書では「ポリマー凝集」、「粒子凝集」又は「凝集」と呼ばれる。凝集の速度は反応温度が上昇するとともに、迅速に大きくなる。凝集した粒子はそれらが接触する全表面に付着、成長しそして板状になってはがれる(plate-out)。当該表面は、例えば反応器排出ライン、また、重合の発熱を除くため(これは、低温反応条件が維持されなければならないので決定的に重要)に用いられている全ての伝熱装置である。これらの問題に対処するために他のことが試みられた。いくつかの例は、米国特許出願第2005/0095176(Hottovy)、米国特許出願2005/0277748(Kimotoら)及びEP0107127A1(Sumitomo)である。
Hottovyは、エチレンとより高級な1-オレフィンの共重合に適したオレフィンの重合の間、微粒子又は微粉の生成を防ぐことを目的とするループ反応器を開示している。最初に、重合により反応槽の壁に実際に薄膜/被膜が形成され、その結果、所望の重合反応中に形成されるより大きな粒子は滑らかでない反応壁によって砕かれたり、切断されることがなくなる。
Kimotoらは、触媒によるオレフィンモノマー系を重合する方法を開示している。このオレフィンモノマー系は単一のモノマー又は2以上のモノマーの組み合わせからなり、ここでモノマーはエチレンとより高級な1-オレフィンであると定義される。当該重合反応器は相加平均の表面の凸凹が1.0μm以下である内表面を有している。開示された重合反応において、凝集と薄膜の沈着もまた固体触媒の使用により避けられた。
Sumitomoは反応槽が2.5μm以下の凹凸を有する規定の表面に仕上げられたオレフィン重合用の製造法を開示している。Sumitomoは、重合方法が固体触媒を用い、特にこの触媒は反応槽での蓄積を最小にするため定めた大きさでなければならないことを述べている。加えて、試薬がポリマーの蓄積を減少させることを補助するために反応槽へ加えられる。開示された重合反応においては、モノマー系はモノマーとしてエチレンとより高級な1-オレフィンを使用する。
関連する追加の参考文献は、米国特許第3,923,765号;4,049,895号;及び4,192,934号を含む。
発明の要約
本発明は、反応槽の壁上のフィルム沈着と凝集と伝熱表面を減少させた重合方法と重合系に関する。一実施態様では、本発明は、溶解した触媒を使用する重合系におけるフィルムの沈着と凝集の減少に関する。別の実施態様では、本発明は低温重合系でのフィルムの沈着と凝集の減少に関する。
本明細書では、重合によるイソオレフィンポリマーの生産法を開示する。本法は、a)触媒系を溶解する工程、b)反応槽に少なくとも1モノマー又はコモノマー混合物を加える工程、c)反応槽へ溶解触媒を導入する工程、及びd)少なくとも1つのモノマー又はコモノマー混合物を重合しイソオレフィンポリマーを生産する工程、を含む。反応器の重合接触表面の大部分は相加平均で0.3μm未満の表面の凹凸を有している。
開示された方法の別の面では、反応器の重合反応により接触する壁は相加平均で0.2μm未満の表面の凹凸を有す。別の実施態様では、接触表面は相加平均で0.1μm未満の表面の凹凸を有す。さらに別の実施態様では、この重合反応接触表面は相加平均で0.10μmから0.2μmの範囲で表面の凹凸を有する。
開示された重合方法の別の実施態様では、当該重合方法は炭素カチオン重合である。
開示された重合方法のさらに別の実施態様では、当該重合はスラリー重合法である。
開示された重合の一局面、及び上記に開示された実施態様又は局面のいずれかと組み合わせて、当該重合において使用される当該触媒は希釈剤に溶解され、希釈剤に少なくとも95%の溶解度をもつ。別の実施態様では、当該触媒は、選択された希釈剤に少なくとも99%の溶解度をもつ。
開示された重合の別の一局面では、上記に開示された実施態様または局面のいずれかと組み合わせて、当該重合が0℃未満の温度で起こる。一実施態様では、重合温度は-10℃と重合混合物の凝固点の間である。
開示された重合の別の実施態様で、当該上記に開示された実施態様又は局面のいずれかと組み合わせて、触媒系を与える工程は、重合原料と当該触媒を混合する前に当該触媒を溶解することを含む。
開示された重合の別の局面において、上記で開示された実施態様または局面のいずれかと組み合わせて、当該モノマーまたはコモノマーの混合物は炭化水素モノマー、ホモポリマー、コポリマー、インターポリマー及びターポリマーからなる群から選択される。一実施態様では、当該コモノマー混合物はC4からC6のイソオレフィンモノマーとマルチオレフィンを含む。
低温での重合によるイソオレフィンポリマーを製造する方法もまた本明細書で開示される。本法はa)触媒系を与える工程、b)反応槽に少なくとも1モノマー又はコモノマー混合物を加える工程、c)当該触媒系と当該重合原料を混合して当該反応槽へ送る工程、及びd)当該モノマー又はコモノマー混合物を重合しイソオレフィンポリマーを製造する工程、を含む。当該重合法は0℃未満の温度で起こる。さらに、当該反応槽の当該重合接触表面の大部分は相加平均0.3μm未満の表面の凹凸を有する。
開示された低温重合法の一局面において、当該重合接触表面は、相加平均で0.2μm未満の表面の凹凸を有する。
低温重合のさらに別の局面では、当該反応槽の当該重合接触表面は相加平均で0.1μm未満の凹凸を有する。
低温重合のさらに別の局面では、当該反応槽の当該重合接触表面は相加平均で0.10μmから0.2μmの範囲で表面の凹凸を有する。
上記の低温重合又はそれについて上記で記載された局面のいずれかにおいて、当該重合温度は-10℃と重合混合物の凝固点の間にある。一実施態様では、当該重合温度は-25℃と-120℃の間にある。
本発明は実施例と反応槽表面の凹凸対薄膜の比率のグラフである添付した図面を参照して説明される。

詳細な説明
本発明の種々の具体的実施態様、応用、発明の実施例は、請求項の発明を理解するため、本明細書に記載されている好ましい実施態様と定義を含め、以下に説明される。侵害を判断するため、「発明」の範囲は、添付された請求項のいずれか一またはそれ以上の発明をいい、その均等物、及び記載されているものと同等の特定事項又は限定を含む。
本発明は、反応槽の壁の薄膜沈着と凝集と伝熱表面が低減されている重合法と重合系に関する。別の実施態様では、本発明は低温重合系における薄膜沈着と凝集の低減に関する。さらに別の実施態様では、本発明は錯体形成したまたは溶解した触媒を用いる重合系におけるフィルム沈着と凝集の低減に関する。
炭素カチオンオレフィン重合で有用なモノマーは本発明を用いて重合できるいずれかの炭化水素モノマーを含む。好ましいモノマーは1以上のオレフィン、アルファ-オレフィン、二置換オレフィン、イソオレフィン、共役ジエン、非共役ジエン、スチレン性モノマー及び/又は置換スチレン系モノマー、及びビニルエーテルを含む。イソオレフィンは同一の炭素に2置換を有するいずれかのオレフィンモノマーをいい、マルチオレフィンは2個の二重結合をもついずれかのモノマーをいう。スチレン系のモノマーはアルキル、アリール、ハロゲン又はアルコキシド基により(環上に)置換されても良い。好ましくは、当該モノマーは2個から20個の炭素原子、さらに好ましくは、2個から9個の、さらにより好ましくは3個から9個の炭素原子を含む。好ましいオレフィンの例はスチレン、パラ-アルキルスチレン、パラ-メチルスチレン、アルファ-メチルスチレン、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、イソブチレン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ペンテン、イソプレン、ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、β-ピネン、ミルセン、6,6-ジメチル-フルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、ピペリレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル等を含む。モノマーはまた、2以上のコモノマーと組み合わされても良い。スチレン系ブロックコポリマーはモノマーとしても使用されても良い。好ましいブロックコポリマーはスチレン系モノマーを含む。例えばスチレン、パラ-メチルスチレン、アルファ-メチルスチレン、及びC4からC30のジオレフィン、例えば、イソプレン、ブタジエン等を含む。特に好ましいモノマーの組み合わせはイソブチレンとパラ-メチルスチレン;イソブチレンとイソプレン;及びイソブチレンのホモポリマーを含む。
当該モノマーは、一実施態様では75重量%から0.01重量%の範囲の量で重合媒体に含まれても良く、または別の実施態様では、60重量%から0.1重量%、または40重量%から0.2重量%、または30から0.5重量%、または20重量%から0.8重量%、または15重量%から1重量%の範囲の量で含まれても良い。
イソオレフィンポリマーは炭素カチオン重合法で調製される。少量のイソプレンとイソブチレンのコポリマーであるブチルゴムは特に重要である。ブチルゴムは、高分子量ブチルゴムを調製するため、イソブチレンが99.5重量%より高い純度をもち、イソプレンが98.0重量%より高い純度をもつことを一般的に必要とする低温カチオン重合により作られる。
一実施態様では、ブチルポリマーはコモノマー混合物(この混合物は、少なくとも(1)イソブチレンのようなC4からC6のイソオレフィンモノマー成分と(2)マルチオレフィン、または共役ジエンモノマー成分を有する)を反応させることにより調製される。C4からC6イソオレフィンはイソブチレン、2-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン、及び4-メチル-1-ペンテンのうち1以上でも良い。当該マルチオレフィンはイソプレン、ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、β-ピネン、ミルセン、6,6-ジメチル-フルベン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン及びピペリレンのようなC4からC14共役ジエンでも良い。
当該開示された重合法は、また、上記のモノマーのいずれかの組み合わせを含むターポリマーとテトラポリマーを製造しても良い。好ましいターポリマーとテトラポリマーはイソブチレン、イソプレンとジビニルベンゼンを含むポリマー;イソブチレン、パラ-アルキルスチレン(好ましくはパラメチルスチレン)及びイソプレンを含むポリマー;シクロペンタジエン、イソブチレン、及びパラ-アルキルスチレン(好ましくは、パラ-メチルスチレン)を含むポリマー;イソブチレン、シクロペンタジエン及びイソプレンのポリマー;シクロペンタジエン、イソブチレン、メチルシクロペンタジエンを含むポリマー;イソブチレン、パラメチルスチレン及びシクロペンタジエンを含むポリマーを含む。
開示された重合法に有用な触媒系は上記のモノマーの重合を触媒するために使用されるいずれかのルイス酸又は他の金属錯体を含み、少なくとも1つの開始剤、任意に他の少量の触媒成分を含んでも良い。さらに、当該触媒系の成分は、当該重合に使用される希釈剤に溶解できる。触媒成分の溶解度についていうとき、その意味するものは、当該成分の、当該希釈剤中で溶解し又は均一に混合し、当該希釈剤に分子として又はイオンとして分散する能力である。当該触媒成分は当該成分の少なくとも95%が当該稀釈剤中に分子として又はイオンとして分散するような当該希釈剤での溶解度をもつべきである。別の実施態様では、当該触媒は、少なくとも98%の溶解度をもつ。;またさらに別の実施態様では、当該触媒成分は少なくとも99%の溶解度をもつ。;またさらに別の実施態様では、当該触媒成分は少なくとも99.5%の溶解度をもつ。
ルイス酸(補助開始剤または触媒ともいわれる)は、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、チタン、ジルコニウム、スズ、バナジウム、ヒ素、アンチモニー及びビスマス等の周期律表の第4、5、13,14及び15族の金属に基づくいずれのルイス酸であっても良い。本技術分野の技術者はいくつかの元素が本発明の実施により良く適していることを認識するであろう。一実施態様では、この金属はアルミニウム、ホウ素、チタンであり、アルミニウムが好ましい。具体例はAlCl3、(アルキル)AlCl2、(C2H52AlCl、(C2H53Al2Cl3、BF3、SnCl4及びTiCl4である。特に好ましいルイス酸は、イソブチレンコポリマーのカチオン重合で有用ないずれのものでも良く、3塩化アルミニウム、3臭化アルミニウム、2塩化エチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、塩化ジエチルアルミニウム、2塩化メチルアルミニウム、メチルアルミニウムセスキクロリド、塩化ジメチルアルミニウム、3フッ化ホウ素、4塩化チタン等を含み、2塩化エチルアルミニウムとエチルアルミニウムセスキクロリドが好ましい。メチルアルモキサン(MAO)とB(C6F5)3のような特にデザインされた弱く配位するルイス酸も本発明との関連で適したルイス酸である。
本発明で有用な開始剤は、適した希釈剤に選択されたルイス酸と共に溶解し、選択されたモノマーと迅速に反応し生長するポリマー鎖を形成する錯体を与える開始剤である。具体例はH2O、HCl、RCOOH(Rはアルキル基である)のようなブレーンステッド酸、(CH3)3CCl、C6H5C(CH3)2Cl及び2-クロロ-2,4,4-トリメチルペンタンのようなハロゲン化アルキルを含む。比較的最近、遷移金属錯体(例えば、単一部位触媒系として作用しうるメタロセンと他のそのような物質)が、弱く配位したルイス酸又はルイス酸塩により活性化されてイソブチレン重合を開始するために使用されている。
好ましい実施態様では、当該ルイス酸は用いられる開始剤の約0.1倍モルから約200倍モルまでのいずれかで含まれる。さらに好ましい実施態様では、ルイス酸は用いられる開始剤の約0.8倍モルから約20倍モルまでのいずれかで含まれる。好ましい実施態様では、開始剤は1リットル当たり約0.1モルから約10-6モルまでのいずれかで含まれる。より多い又はより少ない量の開始剤も依然、本発明の範囲内であることは当然理解される。
使用される触媒量は、製造するポリマーの望む分子量と分子量分布により変わる。通常は、その範囲は1リットル当たり約1x10-6モルから1リットル当たり3x10-2モルであり、最も好ましくは、1リットル当たり1x10-4から1x10-3モルであろう。
一実施態様では、反応器と触媒系は実質的に水を含まない。実質的に水を含まないとは30ppm未満(触媒系の総重量に対して)、好ましくは20ppm未満、好ましくは10ppm未満、好ましくは5ppm未満、好ましくは1ppm未満であると定義される。しかし、開始剤として水が選択されるとき、水は30ppmより多く含まれるように、好ましくは40ppmより多く、及びさらに好ましくは50ppm(触媒系の総重量に対して)より多く含まれるように加えられる。
希釈剤又は稀釈混合物はポリマーにおける溶解度に基づいて選択される。ある希釈剤はポリマーに溶解性である。好ましい希釈剤はポリマーを殆どあるいは全く溶解しない。
本開示において適した希釈剤はハロゲン化された炭化水素を含み、特に塩素化された及び/又はフッ素化された炭化水素等を含む。具体例は、ハロゲン化された、プロパン、イソブタン、ペンタン、メチルシクロペンタン、イソヘキサン、2-メチルペンタン、3-メチルペンタン、2-メチルブタン、2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、3-エチルペンタン、2,2-ジメチルペンタン、2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン、3,3-ジメチルペンタン、2-メチルヘプタン、3-エチルヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン、2,2,4-トリメチルペンタン、オクタン、ヘプタン、ブタン、エタン、メタン、ノナン、デカン、ドデカン、ウンデカン、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、1,1-ジメチルシクロペンタン、シス-1,2-ジメチルシクロペンタン、トランス-1,2-ジメチルシクロペンタン、トランス-1,3-ジメチルシクロペンタン、エチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、オルト-キシレン、パラ-キシレン、メタ-キシレン、好ましくは上記化合物の塩素化物、より好ましくは上記化合物全てのフッ素化化合物を非限定的に含む。上記化合物の臭化物も有用である。具体例は、塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチル、塩化プロピル、塩化ブチル、クロロホルム等を含む。
ハイドロフルオロカーボンは、それのみで又は希釈剤と組み合わせて本開示において希釈剤として使用できる。本開示と特許請求の範囲に関し、ハイドロフルオロカーボン(“HFCs”又は“HFC”)は、必ず水素、炭素及びフッ素からなる飽和または不飽和化合物で、少なくとも1炭素、少なくとも1水素及び少なくとも1フッ素を含むと定義される。具体例はフルオロメタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,1-ジフルオロエタン、1,1,1-トリフルオロメタン及び1,1,1,2-テトラフルオロエタンを含む。一実施態様では、HFCは塩化メチルのような塩素化された炭化水素と組み合わせて使用される。他の実施態様はヘキサンと組み合わせて又は塩化メチルとヘキサンを組み合わせてHFCを使用することを含む。別の実施態様ではHFCsのような希釈剤は、好ましくは反応器に入るときには液体である二酸化炭素、窒素、水素、アルゴン、ネオン、ヘリウム、クリプトン、キセノン、及び/又は他の不活性ガスのような重合反応に不活性な1以上のガスと組み合わせて使用される。好ましいガスは二酸化炭素及び/又は窒素である。
一実施態様では、希釈剤はペルフルオロ化されていない化合物を含み又は希釈剤はペルフルオロ化されていない希釈剤である。ペルフルオロ化合物は炭素とフッ素からなる。しかし、別の実施態様で、当該希釈剤は混合物を含む場合、当該混合物はペルフルオロ化合物、好ましくは、触媒、モノマー、希釈剤が単一相に含まれ、または先に述べた成分は、後に更に詳細に述べられるような希釈剤と混合できる。別の実施態様では、この混合物は塩素、フッ素及び炭素からなる化合物を含んでも良い。
別の実施態様では、非反応性オレフィンはHFSsのような他の希釈剤と組み合わせて希釈剤として使用されても良い。実施例はエチレン、プロピレン等を非限定的に含む。
別の実施態様では、HFCs等の希釈剤は、1以上のニトロ化されたアルカンと組み合わせて使用される。これには、C1からC40のニトロ化された直鎖、環状又は分岐したアルカンが含まれる。好ましい、ニトロアルカンは、ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロプロパン、ニトロブタン、ニトロペンタン、ニトロヘキサン、ニトロヘプタン、ニトロオクタン、ニトロデカン、ニトロノナン、ニトロドデカン、ニトロウンデカン、ニトロシクロメタン、ニトロエタン、ニトロシクロプロパン、ニトロシクロブタン、ニトロシクロペンタン、ニトロシクロヘキサン、ニトロシクロヘプタン、ニトロシクロオクタン、ニトロシクロデカン、ニトロシクロノナン、ニトロシクロドデカン、ニトロシクロウンデカン、ニトロベンゼン、及び先の化合物のジ-及びトリ-ニトロ置換体を非限定的に含む。
重合方法は連続式又はバッチ式方法で行われても良い。本法の反応器には、連続流通撹拌槽反応器、プラグフロー反応器、管状反応器及びオートリフレージレーテドボイリングプール反応器(autorefrigerated boiling-pool reactor)からなる群から選択されたいずれの反応装置も含み得る。
重合中、熱は伝熱表面の使用により除去され、重合は伝熱表面の片側で起こり、冷却剤が他の側にある。冷却剤を含む管が反応器の重合ゾーンの中を通っている反応器が例である。別の例は、重合が、装置筐体中の管の内側で起こり、冷却剤がその管の外側にあるものである。
本発明はバッチ反応装置中でも行っても良く、モノマー、希釈剤及び触媒が反応器に投入され、重合が終了(例えば失活させることにより)まで進行し、次にポリマーが回収される。
ある実施態様では、本発明はスラリー重合法を用いて行われる。本重合は触媒、モノマー及び希釈剤が単一相として含まれる連続式重合法で行われる。スラリー重合では、モノマー、触媒及び開始剤は全て希釈剤又は希釈剤混合液に溶解している、つまり、連続相を形成している。他方、ポリマーはこの希釈剤から良く分離して沈殿する。
連続流通撹拌槽反応器を使用すると、反応器は、例えばターボ-ミキサー又はインペラー、のような一般的に効率の良い撹拌手段、好ましい反応温度を維持するための外部冷却ジャケット及び/又は内部冷却管及び/又はコイル又は重合熱除去の他の手段、モノマー、希釈剤と触媒(組合わせて、又は別々に)の投入装置(例えば、投入管)、温度検出装置、及び貯留タンク又は失活タンクに、ポリマー、希釈剤及び未反応モノマー等を流す流出液オーバーフロー又はアウトフロー管が備えられている。好ましくは、反応器からは空気と湿度が除去される。
反応器は、反応器内で触媒とモノマーの良好な混合が行われ、伝熱管又はコイル全体又は内部で十分乱流が生じ、過剰なポリマーの蓄積又は希釈剤からの分離を避けるため、反応器の容量全体に十分な流量があるように設計される。
本発明に従い、反応槽の伝熱表面上での薄膜の沈着と凝集を減少させるために、伝熱表面が大きな反応槽の内表面/壁であるか、又は反応槽の熱交換管の内部又は外部壁/表面であっても、伝熱表面は相加平均で0.5μm(20マイクロインチ)以下、好ましくは、0.3μm(12マイクロインチ)以下の表面の凹凸(Ra)をもつように仕上げられる。さらに別の実施態様では、熱交換器表面の相加平均の表面の凹凸は0.20μm(7.5マイクロインチ)以下である。さらに別の実施態様では、表面の凹凸の相加平均は0.10μm(4マイクロインチ)以下である。
反応槽の伝熱表面は、本発明によれば、重合直前、重合中、重合後に本重合系の成分と接触するかもしれずかつ熱を伝えることのできる、反応槽(いずれかの供給流投入口、オーバーフロー、又は排出配管を除く)内に含まれる全表面を含む。少なくとも、反応槽の全伝熱表面の少なくとも50%は、表面の凹凸が先に述べた好ましい相加平均値になるように仕上げられる。好ましくは、反応槽の全伝熱表面の少なくとも80%は、好ましい仕上げをされる。さらに好ましくは、反応槽の全伝熱表面の少なくとも95%は好ましい仕上げをされる。大きい反応槽では、比較的低いスラリーレベルについては、反応槽の伝熱表面全てが、当該スラリーと伝熱的な接触をするわけでなくとも良い。本スラリーと接触する表面は、重合接触表面として定義されても良い。大部分の重合接触表面は、表面の凹凸が先に述べた相加平均であるように仕上げられる。一実施態様では、少なくとも80%の重合接触表面は、表面の凹凸が上記の好ましい相加平均であるように仕上げられる。別の実施態様では、少なくとも90%、最も好ましくは、少なくとも97%の重合接触表面が、表面の凹凸が上記の好ましい相加平均であるように仕上げられる。
重合混合物の成分と接触する反応槽の他の表面、例えばタンクの撹拌機も、上記の平均的な表面の凹凸をもつ仕上げを受けても良い。好ましい平均的な表面の凹凸が、反応槽の表面のミクロ研磨(micropolishing)により達成されても良い。加えて、必要な場合、反応槽がある期間、操作された後、反応槽の伝熱表面を再研磨することが必要かもしれない。そのようなとき、表面は先に述べた表面の凹凸の相加平均にまで再研磨されるべきである。
重合反応温度は、例えば反応速度、温度制御等、製造方法と経済的な考慮のほか、目標とするポリマーの分子量と重合されるべきモノマーに基づいて選択される。
重合のこの温度は、一実施態様では、0℃未満、好ましくは-10℃とスラリーの凝固点の間、及び別の実施態様では-25℃から-120℃までである。さらに別の実施態様では、重合温度は-40℃から-100℃まで、及びさらに別の実施態様では-70℃から-100℃である。更に別の好ましい実施態様では、温度は-80℃から-100℃である。異なる反応条件は異なる分子量の製品を生産する。好ましい反応生成物の合成は反応の間、定期的に採取したサンプルを試験することにより反応の進行をモニターすることにより達成されても良い。
一実施態様では、重合温度は希釈剤の凝固点より上、10℃以内であり、別の実施態様では希釈剤の凝固点より上、8℃以内であり、さらに別の実施態様では、希釈剤の凝固点より上、6℃以内であり、さらに別の実施態様では、希釈剤の凝固点より上4℃以内であり、さらに別の実施態様では、希釈剤の凝固点より上2℃以内であり、別の実施態様では、希釈剤の凝固点より上、1℃以内である。
モノマー供給流、触媒、開始剤、希釈剤と接触する順序は変わっても良い。一実施態様では、開始剤とルイス酸は0.01秒から10時間の範囲の規定時間、選択した希釈剤中で共に混合することにより予め錯体形成され、次に、触媒ノズル又は注入器により連続反応器へ注入される。別の実施態様では、ルイス酸と開始剤は反応器へ別々に加えられる。さらに別の実施態様では、開始剤は反応器へ注入する前に供給モノマーと混合される。好ましくは、モノマーが反応器へ入る前には、モノマーはルイス酸又は開始剤と組み合わされたルイス酸と接触しない。開示された製造法の全てにおいて、この触媒は、導入前にモノマー又はコモノマー混合物と、または導入後にモノマー又はコモノマー混合物とともに溶解される。
開始剤とルイス酸が選択した希釈剤の中で共に混合することにより予め錯体形成する場合、これは80℃と希釈剤の凝固点の間の温度で起こる。これは、0.01秒と数時間の間、及び0.1秒と5分の間、好ましくは、3分未満、好ましくは、0.2秒と1分の間の接触時間で、反応器へ導入前に行われる。
反応器での全滞留時間は変わりえる。この時間は、触媒活性と濃度、モノマー濃度、原料注入速度、生産速度、反応温度、目標とする分子量等を非限定的に含む、多くの因子により変わる。滞留時間は一般的に約数秒と5時間の間、通常、約10分と60分の間である。滞留時間に影響する変動因子はモノマーと希釈剤原料注入速度と全反応器容量を含む。
使用する触媒対モノマー比は炭素カチオン重合反応法について本技術分野で従来から用いられているものである。本発明の一実施態様では、モノマー対触媒のモル比は通常、500から10000であり、別の実施態様では2000から6500の範囲である。更に別の実施態様では、ルイス酸と開始剤のモル比は0.5から10、または0.75から8である。反応器における開始剤の全濃度は通常、5から300ppm又は10から250ppmである。触媒供給流の開始剤の濃度は、一実施態様では通常、50から3000ppmである。反応器における開始剤の量を述べる別の方法は、ポリマーに対する相対量によるものである。一実施態様では、0.25から20モルポリマー/モルの開始剤が含まれ、別の実施態様では、0.5から12モルポリマー/モルの開始剤が含まれる。
反応器は所望の特徴をもつ十分な量のポリマーが生産されるようにモノマーを含む原料流の重合を触媒できる十分な量の触媒系を含む。一実施態様における原料供給流は(モノマー、希釈剤及び触媒系の総重量に基づき)20重量%より多い総モノマー濃度を含み、別の実施態様では25重量%より多い総モノマー濃度を含む。さらに別の実施態様では、この原料供給流は、モノマー、希釈剤及び触媒系の総重量に基づき30重量%から50重量%のモノマー濃度を含む。
反応器における触媒効率(ルイス酸に基づく)は、ルイス酸対開始剤のモル比を調整することにより、触媒1ポンド当たり10,000ポンドのポリマーと触媒1ポンド当たり300ポンドのポリマー間に維持され、好ましくは触媒1ポンド当たり4000ポンドのポリマーから触媒1ポンド当たり1000ポンドのポリマーの範囲に維持される。
一実施態様では、カチオン重合するモノマーの重合(例えば、イソブチレンとイソプレンを重合してブチルゴムを形成する重合)は、幾つかの工程を含んでいる。第一に、アップポンピング(up-pumping)又はダウンポンピング(down-pumping)できるポンプインペラーをもつ反応器が準備される。このポンプインペラーは、通常、適度の電流を用いる電気モーターにより動く。この反応器は、通常液体エチレンを含むジャケットの内側に平行で垂直な反応管を備えている。総内部容量は、反応管を含めて、30から50リットルより大きく、より一般には、5,000から8,000リットルであり、そのため、大容量の重合反応をすることができる。反応器は、生成スラリーから重合反応の熱を除くために液体エチレンを使用する。このポンプのインペラーは反応管を通じてスラリー、希釈液、触媒系及び未反応モノマーの一定の流れを保つ。極性希釈剤中のカチオン重合性のモノマー(例えば、イソプレンとイソブチレン)の原料供給流が反応器へ投入され、当該原料供給流は0.005重量%未満でカチオンを生成性のシリカ化合物を含み、通常、芳香族モノマーを含まない。触媒系は、その後反応器に投入され、当該触媒系は、ルイス酸と開始剤を0.50から10.0までのモル比で含む。反応器内では、モノマーと触媒系の原料供給流は互いに接触し、この反応は、このようにしてポリマー(例えばブチルゴム)のスラリーを形成する。このスラリー中の当該固体は20容量%から50容量%までの濃度をもつ。最後に、このように形成されたポリマー(例えばブチルゴム)は出口ライン又はオーバーフローラインを通って反応器を出る。その間、同時に原料供給流の投入は継続する。そのようにして、連続的スラリー重合反応が構成される。本発明は多くの方法で、例えば、反応器の壁、伝熱表面、撹拌器及び/又はインペラー及び流出ラインまたは出口でのポリマーの蓄積量を最終的に減少させることにより、この製造法を改善する。これは例えば、圧力の不連続又は「ジャンプ」により測定される。
一実施態様では、当該得られたポリマーは約2から5の分子量分布、及び100モルのモノマー当たり0.5から2.5モルの不飽和をもつポリイソブチレン/イソプレンポリマー(ブチルゴム)である。
これより本発明は以下の実施例により説明される。
重合はステンレス鋼から作られた実験室スケールの連続式反応器で行われ、ポリマー製品の連続的除去のほかモノマーと触媒原料の導入ができるように設計されていた。混合はステンレス鋼製の軸に取り付けられた3枚羽根のインペラーにより行われ、外部の電気モーターにより行われた。このモーターは1200から1600rpmで作動した。反応器は反応器の内容物の温度をモニターするため熱電対も取り付けられた。この反応器は、不活性ガス雰囲気のグローブボックス内のペンタン又はイソヘキサンに、組み立てた反応器を浸すことにより好ましい反応温度まで冷却された。撹拌した炭化水素バスの温度は±2℃に調整された。反応媒体と、液体状態で接触するすべての装置は使用前に、120℃で乾燥され、窒素雰囲気で冷却された。
3個の反応器(これらは反応器の内部表面の仕上げのみによって異なる)が下記の重合例で使用された。1反応器は受け取った状態で使用された。他の2個の反応器は、表面凹凸の相加平均Raにより特徴付けられる最終表面仕上げにまで電気的に研磨を受けた。表面凹凸の相加平均はMahr Pocket Surf プロフィロメーターを用いて各反応器について測定された。6と21回の間の別の測定が反応器表面の少なくとも6箇所の異なる領域で行われた。これらの各測定から得られたRa値は平均をとられ、これらの値の標準偏差とともに反応器ごとに表1に示されている。
Figure 0005354806
イソブチレン(Matheson又はExxonMobil)と塩化メチル(Air Gas)が、酸化バリウムを含む3本のステンレス鋼のカラムを通すことにより乾燥され、グローブボックス内で凝縮され、液体として収集された。あるいは、塩化メチルは低温でトリエチルアルミニウムをこの液体に加え、続いてこの溶液から、その蒸気圧で塩化メチルを蒸留することにより乾燥された。1,1,1,2-テトラフルオロエタン(134a)(National Refrigerants)が3Åのモレキュラーシーブを含む3本のステンレス鋼カラムを通すことにより乾燥され、グローブボックス内で凝縮され液体として収集された。イソプレン(Aldrich)は使用前に蒸留されるか又は受け入れたときのままで使用された。イソプレンはイソブチレンに関して2.8重量%でモノマー供給流に加えられた。HCl溶液が塩化メチルまたは134a中に、HClガス(Aldrich, 99%)を低温で凝縮された液体に溶解することにより調製された。これらの調製した溶液のHCl濃度は標準滴定法により決定された。下記の実施例では、「ブレンド」と呼ばれる当該希釈剤組成物は134aと塩化メチルの50/50重量/重量混合物である。
スラリー共重合は最初にモノマー原料と触媒原料を調製することにより行われた。モノマー原料はガラス又は金属貯蔵器で調製されイソブチレン、イソプレン、選択された希釈剤及びエタノールを含んでいた。触媒原料は規定量のHCl原溶液とエチルアルミニウム2塩化物(EADC)の炭化水素溶液を加えることにより調製された。全実施例について触媒原料のEADC/HClモル比は3.0であった。
初期モノマー原料もまた、重合反応を開始させる目的で調製され、反応器へ投入された。この初期投入におけるモノマー濃度は10重量%のイソブチレンであった。イソプレンもイソブチレンと比較して2.8重量%でこの初期モノマー原料に加えられた。全ての原料はこのグローブボックスの冷却された炭化水素バスを用いて反応器と同一温度にまで冷却された。このブレンドでの重合は約-75℃±3℃の反応器温度で行われた。重合の開始時付近では、バスの温度は2,3℃低くされ、バスと反応器内容物の間の初期の温度差を作った。共重合反応は触媒を導入することにより始められた。触媒供給流の速度は反応用の目標重合温度を得るために反応器とバスの間で一定の温度差があるように調整された。任意にバス温は重合温度目標を得るために低くされた。貯蔵器からの反応器へのモノマーの供給は、反応が開始(ポリマー粒子(スラリー粒子)の沈殿の形成により検出できる)して約10分後に行われた。貯蔵器のモノマー原料が使いされ尽くすまで、又はモノマー原料の目標量が消費されるまで、この反応は続けられた。一般的に、これらの反応での平均的モノマー転換は、75%より高く、時には99%もの高さになる。
反応の終了時に、反応器の内容物は取り出され、蒸気-液体の界面の下の反応槽の壁のポリマーの薄膜が、収集され、乾燥され、秤量された。反応中に生産されたポリマーの総量も収集、乾燥、秤量された。薄膜の比が、実験で生産されたポリマーの総量の質量(グラム、g)で壁の薄膜の質量(ミリグラム、mg)を割ることにより計算された。下記の薄膜の割合は、生産されたポリマー1g当たりのmg量の薄膜という単位をもつ。いくつかの実施例が一定の壁の滑らかさをもつ各反応器について提供され、所与の反応器で生産されたフィルムの比率の範囲を示している。表2を参照せよ。一定の壁の滑らかさをもつ各反応器のデータについて、その後、平均を取り、所与の反応器ごとに得られた高値と低値を示す誤差バーとともにグラフの形で示すことができる。図面参照。
Figure 0005354806
約1.0μmの表面の平均的凹凸は本技術分野の者には滑らかであると考えられているが、表面の平均的凹凸が約0.3μm未満のときは、この薄膜の沈着は有意に減少している。重合の実施例について図面に示すように、薄膜の蓄積は殆ど3分の2まで減少した。実証された表面の平均的凹凸の最高水準0.33μmのとき、顕著な薄膜蓄積がある場合ですら、生産される製品は所望の製品基準の範囲内にあった。約0.18μmの表面の平均的凹凸では、より凹凸の多い表面の反応槽の壁に匹敵する薄膜の蓄積が起こると予想される時点より前により多量の製品が生産され得る。上記の実施例の重合は実験室スケールで行われているが、フルスケールの連続的スラリー重合に関する示唆が得られる。相加平均0.20μm以下の表面の凹凸をもつ反応槽での連続的スラリー重合反応により、反応槽壁の薄膜の蓄積速度は減少する。蓄積が許容できなくなると考えられる時点まで、又は所望の重合反応と干渉しはじめると考えられる時点までの時間が長いので、反応を停止して洗浄する時間に挟まれる間の時間が長くなり、より長い時間、連続式スラリー法を行うことができる。

Claims (7)

  1. スラリー重合法であって、当該方法は、
    a) 触媒系を与える工程、
    b) 反応槽に少なくとも1個のモノマー又はコモノマー混合物を加え、当該反応槽は相加平均で0.3μm(12マイクロインチ)未満の表面の凹凸をもつ、金属製の重合接触表面を持つものである工程、
    c) 当該反応槽で、当該触媒系と当該モノマー又はコモノマー混合物を混合する工程、
    d) 当該モノマー又はコモノマー混合物を重合しポリマーを生産する工程
    を含む方法であって、相加平均で0.3μm以上の表面の凹凸をもつ金属製の重合接触表面を有するほか当該反応槽と同一の反応槽で行う同一の方法と比較して、当該スラリー重合の間に生じる重合接触表面へのポリマーの薄膜沈着が有意に減少しているものである、方法。
  2. イソオレフィンポリマーを生産するものである、請求項1のスラリー重合法。
  3. 請求項1または2の方法であって当該反応槽の当該重合接触表面は相加平均で0.1μm(4マイクロインチ)未満の表面の凹凸を持つものである方法。
  4. 請求項1−3のいずれかの請求項の方法であって、当該重合接触表面の少なくとも80%は相加平均で0.3μm(12マイクロインチ)未満の表面の凹凸を持つものである方法。
  5. 請求項1−4のいずれかの請求項の方法であって、当該触媒は、モノマー又はコモノマー混合物と当該触媒を混合する前に希釈剤に溶解され、かつ当該希釈剤に少なくとも95%の溶解度を持つものである方法。
  6. 請求項1−5のいずれかの請求項の方法であって、当該重合は-10℃と当該重合混合物の凝固点の間の温度で起こるものである方法。
  7. 請求項1−6のいずれかの請求項の方法であって、当該コモノマー混合物はC4からC6イソオレフィンモノマーとマルチオレフィンを含むものである方法。
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