JP5352772B2 - ルームミラー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用のルームミラー装置に関するもので、そのルームミラー装置のミラー部の一部に表示部を備えた構造のルームミラー装置に関する。
ルームミラー装置(ルームミラー)は、バックミラーとも称され、ドライバーの後方の視野を確保するために自動車の車内前方(フロントガラスの上部中央付近)に設置される。これにより、ドライバーは、前方を見つつ後方・後側方を確認することができる。
図1に示すように、最近のルームミラー装置1は、単に後方の視野を確保するものだけでなく、ミラー部2の一部の領域に表示装置3を設け、その表示装置3に運転時に必要な各種の情報を表示する機能を備えたものがある。この必要な情報としては、例えば、車速などの走行している自動車の状態,現在時刻,現在位置,車両速度測定装置等の目標物への接近報知,緊急車両の接近報知,後方車載カメラの画像等、各種のものがある。
このように、ルームミラー装置に表示装置を設け、各種の情報を表示すると、ドライバーは、その表示された情報を見るために比較的視線の移動が少なくて済むので、安全運転に有効である。また、表示する情報として、例えば、“車両速度測定装置への接近”とした場合、その速度測定装置の存在をドライバーに知らせることで、ドライバーが知らず知らずのうちに速度を出しすぎてしまうのを予防することに貢献している。特に、車両速度測定装置は、一般的に速度を超過しやすい場所等に設置されていることが多いため、危険性のある場所で、ドライバーに対して速度超過への注意を喚起することができる。このように、こうした車両用警報装置は、安全運転に寄与している。また、後方車載カメラの場合、ルームミラー装置のミラー部に映っている後方の視野と、ミラーの死角になる後方車載カメラで撮像した映像を同時に並べてみることができ、車両後方の状況をより正確に漏れなく見ることができ、安全運転に寄与できる。このようなルームミラー装置としては、例えば、特許文献1に開示された発明がある。
また、ルームミラー装置に限定するものではないが、車両速度測定装置から送出されるマイクロ波を検知したり、車両速度測定装置の位置情報を記憶保持しておき、GPSにより検出した自車の位置から自車が車両速度測定装置に接近した場合に、車両速度測定装置に接近していることを知らせたりする速度測定装置への接近警報を報知する速度測定装置接近警報報知機能を備えた装置としては、特許文献2等に開示されたものがある。
警報装置が知られている。
特開2005−335410号公報 特開2007−285858号公報
ところで、ルームミラー装置1のミラー部2の一部に表示装置3を設けると、表示装置3に情報を表示している場合、当該表示装置3はミラーとしての機能がなく、ルームミラー本来の後方視界の確保が制限される。そして、上記のような速度測定装置接近警報報知機能を備えた装置では、より多くの情報を報知したり、報知内容を見やすくしたりするために、表示装置における表示領域のサイズも大きくなり、後方視界の確保がより難しくなる。一方、後方視界を確保するためにルームミラー自体を大型化すると、前方視界の妨げや、サンバイザーの使用に制約が発生する。
そこで本発明は、自動車を運転・乗車する上で有用な情報を、運転者は視線移動が少なく安全に情報を確認でき、且つ、全ての乗車員(運転者含む)が、情報を正確に確認できる表示機能付きのルームミラー装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明に係るルームミラー装置は、(1)ケース本体と、そのケース本体の前面側に取り付けられた凸形状の曲面鏡と、前記ケース本体内に収納された表示パネルと、を備え、前記曲面鏡の一部の領域に前記表示パネルの表示内容を視認可能とする窓部を設け、前記表示パネルは、前記窓部の裏面側に配置した。
ケース本体は、実施形態では、リアケース11とフロントケース18とで二分割して構成したが、三分割以上としても良いし、単独で構成しても良い。曲面鏡は、例えば、球面(曲率半径は600mm以上)または非球面とし、平面鏡に比べて視野が広がればよい。表示パネルに表示する情報は、例えば、車両速度測定装置等の目標物への接近や、緊急車両の接近等を報知するものや、後方車載カメラで撮像した画像等、各種のものがあり、必要に応じてそれらの情報を報知するための制御部(接近を検知する機能等)や、情報を収集するための機能(アンテナ・受信機等)をケース本体内に更に組み込むことができる。また、後方車載カメラのように、外部に設置した機器とケーブル等で接続することもできるし、アンテナ等もケース本体の外部に設置しても良い。そして、外部に設置した機器等との通信は、有線・無線のいずれでも良い。また、本発明のルームミラー装置は、自動車に標準で付いている平面のルームミラーに、クランプ機構やベルト等で後付するタイプのルームミラーでも良いし、そのルームミラーとは別に取り付ける後付タイプでも良いし、さらには、標準に設置されるルームミラーに適用しても良い。
本発明では、鏡を凸形状の曲面鏡とすることで、広い範囲の後方視界を得ることが出来る。つまり、表示パネルによる表示機能を鏡面内の一部の領域に持たせたため少なくとも表示パネルの動作中は、鏡の一部(表示領域)が後方確認用のミラー本来の用途で使えなくなるが、曲面鏡とすることで、表示機能を持たない平面鏡のルームミラーと同じサイズの製品であっても、同等、または、それ以上の後方視界を確保することができる。また、ルームミラーが大型化されない為、サンバイザーの使用に制約が発生せず、太陽光など前方から眩しい光があっても、安全に運転することができる。
(2)前記表示パネルは、前記曲面鏡に沿うように配置するとよい。この発明によれば、表示パネルを曲面鏡に沿った状態(例えば、曲面の接平面に略平行)で配置したため、曲面鏡と表示パネルとの隙間を全体にわたって少なくすることができ、表示パネルを斜めから見た場合でも表示欠けを減らすことができる。これにより、ドライバーはもとより、助手席・後方座席に乗車している人も、表示されている内容を正確に見ることができる。
(3)前記表示パネルは、前記ケース本体に対して固定部材を用いて直接固定されるようにしてもよい。この発明は、第2実施形態で実現される。固定部材(固定する手段)としては、爪・ねじ止め・両面テープ・クッション材による押し等、各種のものにより実現できる。直接ケース本体に固定するため、ホルダーなどの部品が必要なく、コストを抑えることができる。
(4)前記表示パネルは、表示パネルホルダに取り付けられ、その表示パネルホルダを、固定部材を用いて前記ケース本体に固定するようにしてもよい。この発明は、第1,第3実施形態により実現されている。このように表示パネルホルダを用いることで、組み立て作業性が良好になると共に、異なるサイズの表示パネルに対しても、ケース本体を共通化することができる。
(5)前記表示パネルホルダは、前記表示パネルの取付面と反対側に回路基板を取り付けるとともに、前記表示パネルを前記回路基板に対して斜めに配置するようにしてもよい。このようにすると、表示パネルと基板を斜めに配置できることで、曲面鏡を使ったルームミラー装置の正面に対して回路基板を平行(曲面鏡の接平面に対しては傾斜)に配置できる。これにより、例えばルームミラー装置に、情報入力用の各種SDカードメモリ用スロット部や、操作用ボタンを持つ場合、回路基板が製品の平面に対して平行に配置されることで、SDカードメモリの抜き差しや、ボタン操作も、製品(部品)に対して平行または垂直方向となり、違和感無く製品を扱うことができる。すなわち、ルームミラー装置に内蔵される回路基板には、表示パネルに情報等を表示するための回路のみならず、たとえば、ケース本体の外部からアクセス可能な部品を備えることができる。係るアクセス可能な部品としては、たとえば、上述したSDカードメモリ用スロット部のように記録媒体が挿入される部品や、スイッチ等の操作部のようにユーザが触れて操作する(所定の方向に付勢する)対象となる部品などがある。このような場合、ユーザの操作は、ルームミラー装置に対して水平方向や垂直方向に行えると取り扱いが容易となる。そこで、表示パネルをルームミラー装置に対して回路基板を平行に配置すれば、その回路基板に取り付けられた部品に対する操作の方向も、ルームミラー装置に対して垂直あるいは平行な方向になるので、操作が容易に行える。また、回路基板とケースの固定も平行方向に行うことができ、ケースの金型構成が簡単になる。
(6)前記表示パネルは、前記曲面鏡の短手方向の中心に配置するとよい。曲面鏡の曲率半径が小さく、表示機能部を傾ける角度が大きくなる場合は、曲面鏡の短手方向についても角度を設けないと、表示欠けが発生する。しかし、表示パネルを曲面鏡の短手方向の中心に置くことで、短手方向に対称形状となり、傾きを考える必要がなくなる。よって、一方向のみを傾けるだけで良く、表示機能の固定するケース・ホルダーの形状を複雑にせずに済み、ケース・ホルダーを作るための金型のコストを抑えることができる。
(7)前記曲面鏡の曲率半径は、1000〜4000mmとするとよい。ドライバーとルームミラーの位置関係にもよるが、平面鏡と比較して、曲率半径が1400mmで約2倍、曲率半径が3000mmで約1.5倍の後方視界が確保できる。よって、上記の範囲にすることで、平面鏡よりも広い視野が確保できると共に、あまりにも視野が広くなりすぎて見にくくなるのが抑制できる。
(8)前記ケース本体の長手方向両端に、前記曲面鏡の長手方向の端部と前記ケース本体とを前後から挟み込むサイドカバーを取り付けるとよい。サイドカバーで挟み込むことで、曲面鏡の外れ(前方への離脱)を確実に防止できる。そして、曲面鏡を用いたので、長手方向両端部は、中央部に比べて奥に下がっている。その結果、仮にサイドカバーを装着し、係る長手方向両端部の厚みが増してその厚み分だけ手前側に飛び出てきたとしても、ルームミラー装置全体として見た場合にはサイドカバーの飛び出しが目立たないで済む。
本発明では、自動車を運転・乗車する上で有用な情報を、運転者は視線移動が少なく安全に情報を確認でき、且つ、全ての乗車員(運転者含む)が、情報を正確に確認できる。
図2は、本発明の好適な基本実施形態を示している。この図2に基づき、基本構成を説明すると、従来の製品はミラー部に平面鏡を使用していたが、本実施形態では、ミラーとして曲面鏡(凸状の球面、または、非球面)19を使用するようにした。具体的には、薄型で細長な前面開放したリアケース11内の右側に、表示基板12,表示パネルホルダ13,表示パネル14を積層して配置する。
すなわち、表示パネル14は、例えばLCD・有機EL等から構成されるので、その表示パネル14に所定の情報(文字・画像等)を表示するための表示基板(画像制御基板)12を更に備える。そして、それら表示パネル14や表示基板12をリアケース11内の所定位置に取り付けるため、表示パネルホルダ13を用いる。つまり、表示パネルホルダ13の表裏面にそれぞれ表示基板12と表示パネル14を取り付けて一体化するとともに、その表示パネルホルダ13をねじ等にてリアケース11に固定することで、表示基板12,表示パネルホルダ13,表示パネル14をリアケース11内の所望位置に組み付けることができる。
さらに、ルームミラー装置10内には、この表示パネル14に表示する具体的な内容を決定するための制御部、つまり、マイクロ波を検出したり、GPS信号を受信して現在位置を特定し周囲に検出対象の目標物がないかを判断したりし、警報・報知の必要が生じた場合には、表示パネル14に対応する警報・報知を行う旨の制御信号を送る制御部や、電源回路等を備えたメイン基板15も内蔵される。この例では、このメイン基板15は、リアケース11内の中央に配置されている。
そして、リアケース11の前面をフロントケース18で閉塞し、上記の各部品12〜15を収納する。また、このフロントケース18の前面に、曲面鏡19を装着する。この曲面鏡19の一部に透明な窓部19aを設け、その窓部19aに対向するように表示パネル14を配置する。表示基板12,表示パネル13,表示パネル14並びにメイン基板15は、リアケース11に積層するように組み付けることから、リアケース11に対してそれぞれ平行に配置する。これにより、ルームミラー装置10が構成される。
曲面鏡は、平面鏡と比較して、曲率半径が1400mmで約2倍、3000mmで約1.5倍の後方視界が確保できる。逆に考えると曲面鏡を使用することで、従来のサイズよりも小型の製品を作ることができる。これにより、実質的なミラー部5の面積が小さくても、後方視界を確保することが可能となり、後方視界が改善される。つまり、表示パネル14(窓部19a)の寸法形状を大きくしても、ルームミラー装置10全体の寸法形状を広くすることなく十分な後方視野を確保することができる。
ところで、この基本構成の実施形態では、後方視界を広く取るために表示パネル14をルームミラー装置10(曲面鏡19)の右端または左端に配置されている。そして、上述のように、表示パネル14は、リアケース11に対して平行に配置している。そのため、図2(a)さらには表示パネル14の設置側の領域を拡大した図2(b)に示すように、表示パネル14と曲面鏡19の隙間が均一ではなく、ルームミラー装置の中央よりでは、隙間が大きくなってしまう。しかも、表示パネル14は、後方視界を広く効率よく確保するためにルームミラー装置の左右の端(長手方向の端)に配置されることになり、より隙間が大きくなる。換言すると、その中央よりの表示パネル14の一部が奥まることになり、乗車位置によって表示パネル14の表示領域の一部が隠れて見えなくなる場合がある。これは、ガラス板の表面または裏面に銀・アルミ・クロムなどの金属膜を蒸着した鏡面部が透過しない鏡を使用する場合、表示パネル14と対向する部位は、蒸着膜が付かない窓部分となる。また、鏡面がハーフミラー状態のものは、鏡の裏面に表示パネル14の表示領域以外の内部が見えない様に黒印刷等が施され表示パネル14の表示領域に対向する部位のみに印刷のない窓部分がある。そのため、表示パネル14が奥まっていると、窓枠の影になり表示の一部が見えなくなるのである。さらに、表示される内容の多様化により、ドライバーはもちろんのこと、他の乗車している人にも、表示欠けがなく、情報を正確に伝える必要があるので、どの方向から見ても陰になって見えなくなる部分がないようにするのが好ましいが、この基本構成の実施形態では、特に、ルームミラー装置10の中央側から斜めに見た人にとって見えなくなる部分が大きくなるという現象がある。係る事象の発生をさらに解決するため、以下の各実施形態がある。
図3〜図14は、本発明の好適な第1実施形態を示している。図3に示すように、薄型で細長な前面開放したリアケース11内の右側に、表示基板12,表示パネルホルダ13,表示パネル14を積層して配置する。また、リアケース11内の中央には、メイン基板15を配置する。このメイン基板15の背面側に、パッチアンテナを取り付けている。メイン基板15は、パッチアンテナからの受信信号その他の情報に基づき、警報対象の検出対象物(速度測定装置等の目標物)の有無を判断し、報知装置に対する指示を出力したり、各種の演算処理を実行したりするための制御部(MPU)その他の回路を実装する電子回路や、電源回路等が組み込まれたで基板である。もちろん、このメイン基板15上には、パッチアンテナからの信号を処理するための高周波回路を有し、その高周波回路はシールドされるようになっている。この高周波回路は、メイン基板15上に直接形成しても良いし、別基板で形成してモジュール化したものをメイン基板15上に実装しても良い。さらにリアケース11内の左側には、報知装置の一態様であるスピーカー16を配置する。さらに、リアケース11の端に、GPSモジュール17を配置する。このGPSモジュール17で検出した現在位置情報は、メイン基板15の制御部に送られ、そこにおいて位置情報に基づく警報の要否を判断し、警報が必要な場合にはスピーカー16や表示パネル14を用いた警報を行う。なお、このようにメイン基板15の制御部で行う各種の検出・警報機能は、例えば、特許文献2等に開示された技術を用いることができる。
そして、上記の各構成部品の前方にフロントケース18を配置する。フロントケース18とリアケース11とは、ネジにて固定され、両ケース11,18内の空間の適宜位置に、上述した各部品が内蔵される。なお、表示基板12とメイン基板15とを別基板に分けて構成したが、1枚でまとめて構成しても良いし、逆に3枚以上に分けて構成しても良い。
さらに本実施形態では、フロントケース18の前面に、曲面鏡19を取り付けている。そして、この曲面鏡19の一部は、透明な窓部19aとし、この窓部19aに対向するように表示パネル14を配置する。これにより、表示パネル14が外部から視認可能となる。このルームミラー装置10は、リアケース11の背面中央側の上下に配置した標準装備のルームミラーへの固定用クランプ部20(図3では上側のみ見えている)にて標準装備のルームミラーを上下から挟み込むことで固定することになる。この曲面鏡19の曲率半径は、1400mm(視野は2倍)或いは3000mm(視野は1.5倍)等とすることができる。もちろん、必要とする視野に合わせて上記の範囲(1400mm〜3000mm)内或いは範囲外としてもよい。
次に、各構成部品の組み立て(組み付け)構造を説明する。図4(a)は、ルームミラー装置10の正面図を示し、図4(b)は、そのルームミラー装置10の分解底面図である。また、図5(a)は、図4(b)におけるD部分の拡大図であり、図5(b)は、表示装置部分の分解斜視図である。図6(a)は、図4(a)におけるA−A線矢視断面図であり、図6(b)は、図6(a)におけるC部分の拡大図である。図7(a)は、図4(a)におけるB−B線矢視断面図であり、図7(b)は、図7(a)におけるE部分の拡大図である。また、図8(a)は、組み立てられたルームミラー装置10の正面図を示し、図8(b)は、図8(a)におけるF−F線矢視断面図である。図9は、図8(b)におけるH部分の拡大図である。図10は、図8(a)におけるG−G線矢視断面図である。図11(a)は、図8(a)におけるJ−J線矢視断面図であり、図11(b)は、図8(a)におけるK−K線矢視断面図である。図12は、本実施形態の要部を模式的に示した図である。図13は、曲面鏡の接続構造(ミラーはずれ防止構造)を説明する図である。図14(a)は、図8(a)におけるL−L線矢視断面図であり、図14(b)は、図8(a)におけるM−M線矢視断面図である。
図3,図4(a)に示すように、曲面鏡19の右端側所定位置には、透明な窓部19aが形成されている。曲面鏡19は、所定の曲率半径のガラス板の表面または裏面に銀・アルミ・クロムなどの金属膜を蒸着して形成され、表面の一部に金属膜を蒸着しない領域を設定し、係る領域が、窓部19aとなる。また、フロントケース18は、この窓部19aの形成位置に対向する位置に矩形状に開口した窓孔18aが形成される。そして、これら窓部19a,窓孔18aに対向する位置に、表示パネル14を設置することで、表示パネル14の表示領域が、窓部19aを介して外部から視認可能となる。
表示パネル14の設置位置ともなる窓部19aの形成位置は、曲面鏡19の短手方向の中心に配置している。これは、曲面鏡19は、上下方向にも所定の曲率半径で湾曲している。従って、窓部19a(表示パネル14)を曲面鏡19の短手方向の中心に置くことで、その窓部19aは、短手方向に対称形状となる。よって、表示パネル14をリアケース11に対して傾けることなく配置した場合、長手方向同一位置における表示パネル14の上端近傍と窓部19aの上辺の枠との間にできる隙間と、表示パネル14の下端近傍と窓部19aの下辺の枠との間にできる隙間とは、均一にすることができる。よって、窓枠の影になり表示の一部が見えなくなることが上下で異なることもなく、ドライバーはもちろんのこと、他の乗車している人にも、表示パネル14に表示された情報は、表示欠けをすることなく正確に伝えることができる。
なお、厳密に言うと、上記のように上下方向の中央に表示パネルを配置することで、表示パネル14の上端と下端における曲面鏡19(窓部19a)との隙間は等しくすることができるものの、上下方向中央部では隙間が生じてしまう。しかし、本実施形態のように、表示パネル14を横長に配置した場合、短手方向の影となる部分の差は小さいため、その影響は少なく、無視しても良い程度となる。特に曲面鏡19の曲率半径が、1000mm以上であると優れた効果を発揮する。
なお、曲率半径が大きくなればなるほど、上下方向中央部から外れても影の影響を受けにくくなる。例えば、曲率半径が3000mmであれば上下方向の端部付近に配置しても影響はほとんどない。
表示パネル14は、LCDや有機ELから構成される。この表示パネル14は、両面接着テープ22を用いて表示パネルホルダ13に貼り付けられて、一体化される。また、表示パネルホルダ13は、その長手方向の外周壁13cの外側に複数の突片13aが外方に向けて突出するように形成される。この各突片13aには、貫通孔13dが形成されている。
表示パネルホルダ13の底面側(表示基板12に対向する面)の外周縁(短手方向の外周壁13cの底面側)には、係止爪13bが形成される。この係止爪13bは、表示パネルホルダ13を表示基板12上に被せた際に、その表示基板12の適宜位置に設けられたスリット12a,凹状切欠部12bと嵌め合って連結され、表示パネルホルダ13と表示基板12とが一体化される。
LCDからなる表示パネル14は、両端近傍でアースに接続するのが好ましい。そこで本実施形態では、図5(b),図11に示すように、表示基板12の周辺近傍所定位置(本例では、四隅)に、アース(GND)接続用の接続端子12dを取り付ける。この接続端子12dは、表示基板12に設けられたアースパターンに接続されている。また、この接続端子12dは、金属板を適宜折り曲げて形成しており、バネ性を持たせている。そして、表示パネルホルダ13には、この接続端子12dに対向する位置に円形,矩形状の貫通孔13fを設けている。これにより、図11に示すように、表示基板12と表示パネルホルダ13と表示パネル14とを接続した状態では、接続端子12dは、表示パネル14の裏面のアース面に接触する。
また、本実施形態のように、表示パネル14を表示パネルホルダ13に取り付けるようにしたので、表示パネル14の寸法形状が異なる製品においても、それに合わせた表示パネルホルダを用意すれば良く、リアケース11やフロントケース18の共通化を図ることができる。
リアケース11とフロントケース18とは、リアケース11側から装着された複数のネジ21により連結されて一体化される。このとき、いくつかのネジ21は、表示パネルホルダ13の突片13aに設けた貫通孔13d内を貫通して、対応するフロントケース18に設けたボス部18cのねじ穴18dにて締結される。より具体的には、リアケース11の所定位置にボス部11aを設ける。このボス部11aは、その奥面に貫通孔11bを備えるとともに、その奥面の前側には貫通孔11bの周縁に沿って前方に突出するリング状の凸部11cを備えている。そして、図9,図10に示すように、この凸部11cが、表示パネルホルダ13に設けた突片13aの凹部13e内に符合する。このように凸部11cと凹部13eとが符合することで、表示パネルホルダ13はリアケース11に対して相対的に位置決めされる。そして、この突片13aは、リアケース11とフロントケース18とにそれぞれ設けたボス部11a,18c間で挟み込まれ、前後方向の移動が抑制される。突片13aを両ボス部11a,18c間で挟み込んだ状態で、ネジ21の先端部を、フロントケース18のボス部18cに締結する。これにより、ネジ21をしっかりと締め付けたならば、突片13aは両ボス部11a,18c間にて固定される。
さらに、本実施形態では、固定ネジ24を用い、その固定ネジ24を突片13aの前側から貫通孔13d内に挿入すると共に、その先端をリアケース11の前側所定位置(当該突片13aに対向する位置)に設けたボス部11dのねじ穴11eにて締結する。このように、表示パネルホルダ13の前後両側からネジを装着し、締結することで、表示パネルホルダ13ひいては表示パネル14・表示基板12をしっかりとリアケース11,フロントケース18にて挟み込んで固定できる。なお、メイン基板15に対する固定も、ほぼ同様の構造で行える。
ここで本実施形態では、リアケース11に形成する複数のボス部11aの高さを異ならせている。つまり、リアケース11の長手方向の端部側のボス部11aは低く、リアケース11の長手方向中央側のボス部11aは高くなるようにしている。また、フロントケース18に設けたボス部18cの高さは、ほぼ等しくなるようにしている。表示パネルホルダ13の取付面と、ボス18cの先端部の面は、所定の角度を有する。そのため、表示パネルホルダ13の突片13aは、ボス18cの先端部の面と平行となるように、表示パネル14に対して傾けて形成する。例えば曲率半径が3000mm、ミラーの長手方向の大きさが270mm、表示パネル14のサイズが2〜3インチ程度の場合、約2度傾けて形成すればよい。その結果、表示パネルホルダ13ひいては表示パネル14は、フロントケース18(曲面鏡19)の前面に沿って配置することができる。
なお、本実施形態では、ボス部11aの高さを変えることにより曲面鏡19に沿って表示パネル14を配置するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、例えば、ボス部11aの高さは一定にしておき、突片13dの高さ方向の位置を変えるようにしても良い。ただし、表示パネルホルダ13の突片13dの高さの差を大きくすると、金型を作る上でパーティングラインが複雑になってしまう。そこで、本実施形態のように、ケース側のボス部11aの高さを変えると、こうした複雑さが発生せず簡単にできるので、特によい。
これを模式的に示すと、図12のようになる。つまり、曲面鏡19と表示パネル14との隙間を、曲面鏡19の長手方向に沿って全体的に均一に少なくすることができる。つまり、図1(c)と比較すると明らかなように、曲面鏡19の長手方向の端部側はもとより、長手方向中央側においても曲面鏡19(窓部19aの境界)と表示パネル14との隙間を狭くすることができ、表示を斜めから見た場合の表示欠けを減らすことができる。その結果、ドライバーはもとより、助手席・後方座席に乗車している人も、表示されている内容を正確に見ることができる。
また、この図12では、SDカードメモリ用スロット部25を取り付け、リアケース11の側面に開口した挿入口11fからSDカードメモリ用スロット部25に対してSDカードメモリ26を抜き差しできるようにしている。このSDカードメモリ26には、検出対象の目標物の位置情報等のデータ(最新データ)が格納され、データの更新等を行なうようにしている。なお、係るSDカードメモリ用スロット部25は、設けなくてももちろん良い。
図13,図14は、曲面鏡19の接続構造(ミラーはずれ防止構造)を示している。曲面鏡19は、例えば、フロントケース18の周囲に設けた枠18fに沿って配置され、フロントケース18に、接着剤や両面テープ等を用いて接着して固定される。本実施形態では、ルームミラー装置10の左右両端に、サイドカバー28を装着し、そのサイドカバー28にて曲面鏡19の長手方向の端部と、フロントケース18とを挟み込み、曲面鏡19がフロントケース18から前方に離脱するのを防止している。本実施形態では、曲面鏡19を用いたので、長手方向両端部は、中央部に比べて奥に下がっているので、仮にサイドカバー28を装着し、係る長手方向両端部の厚みが増し、その厚み分だけ手前側に飛び出てきたとしても、ルームミラー装置10全体として見た場合にはサイドカバー28の飛び出しが目立たないで済む。
図15は、本発明の第2実施形態を示している。本実施形態では、表示パネル14の固定構造を変えている。すなわち、表示基板12を構成する回路を含め、表示パネル14を動作(表示)させるための機能の一部または全部を可撓性のあるフレキシブル基板で形成することがあり、最近の表示パネルは係るフレキシブル基板が初めから付いているものがある。そこで、本実施形態のルームミラー装置10は、係るフレキシブル基板付の表示パネル14を、曲面鏡19の接平面と略平行となるように、フロントケース18に直接固定する。この固定は、フロントケース18に設けた爪を使用したり、両面接着テープでケースに貼り付けたり、金具等を使用してねじで固定したりするなど、各種の方法が採れる。そして、このようにしてフロントケース18に表示パネル14を固定した後で、フレキシブル基板を制御用のメイン基板15のコネクタに接続する。
なお、このようにフロントケース18に表示パネル14を直接接続する構成の場合、上述したようにフレキシブル基板に表示用の制御回路等(第1実施形態の表示基板12に対応する機能)を実装したものを用いるのが好ましいが、単純に信号伝達・電源供給のための信号線等の配線のためのフレキシブルケーブルが表示パネルに付いたものを用いても良い。この場合には、第1実施形態の表示基板12に相当するものは別途用意し、リアケース11の所定位置に取り付けたり、メイン基板15と一体化したりする。そして、フロントケース18に取り付けた表示パネル14に付いてあるフレキシブルケーブルを、表示基板或いはメイン基板に設けたコネクタに接続して連結することで対応する。つまり、曲面鏡19に沿って配置するのは、少なくとも、表示パネル14について行えば良く、表示基板12については、曲面鏡19の湾曲面に沿って配置しなくても良いからである。なお、その他の構成並びに作用効果は、第1実施形態と同様にすることができるので、その詳細な説明を省略する。
図16は、本発明の第3実施形態の要部を示している。本実施形態では、第1実施形態と同様に、表示パネル14と表示基板12とを表示パネルホルダ13′に接続して一体化し、その表示パネルホルダ13′を用いて各ケース内に取り付けるようにしている。本実施形態では、表示パネルホルダ13′の高さを長手方向で異ならせている。つまり、ルームミラー装置10の長手方向の端部側に位置する側の高さは低くし、ルームミラー装置10の長手方向の中央部側に位置する側の高さは高くしている。この高さの調整は、表示基板12側に突出する長さを変えることで行う。このように適宜に高さを設定することで、各実施形態と同様に表示パネル14を曲面鏡19に沿って配置するとともに、表示基板12は、従来と同様にリアケース11と平行になり、リアケース11への設置が容易になる。なお、例えば、表示パネルホルダ13′には、図5(b)に示すような突片13aは設けずに、表示基板12を直接リアケース11に固定するようにしてもよい。また、表示基板12と、メイン基板15と、パッチアンテナとを、ほぼ同一平面内に配置することが可能となる。このように配置すれば、ルームミラー装置10の厚さを薄くすることができる。
本実施形態では、ルームミラー装置10の長手方向の端部に配置される表示基板12を、ルームミラー装置10と平行に配置することができるので、例えば、表示基板12上に、SDカードメモリ用スロット部25を配置した場合、そのSDカードメモリ用スロット部25に対するSDカードメモリ26の抜き差し操作の方向がSDカードメモリ用スロット部25ひいては表示基板12と平行になるので、リアケース11(ルームミラー装置10)に対して水平方向または垂直方向になり、違和感も無く、操作性も良くなるので好ましい。このことは、外部に露出する操作ボタン等を表示基板12に設ける場合も、同様である。なお、その他の構成並びに作用効果は、第1実施形態と同様にすることができるので、その詳細な説明を省略する。
上述した各実施形態では、リアケース11の後面外側に固定用クランプ部20を設け、その固定用クランプ部20を用いてルームミラー装置を標準装備のルームミラーに取り付ける構成の後付けタイプとした。しかし、本発明のルームミラー装置は、これに限ることはなく、標準装備のルームミラーに取り付けて固定する機構は各種のものをとることができ、また、標準装備のルームミラーに取り付けるのではなく、別途車室内の任意の位置に後付けで取り付けるものでも良いし、標準装備のルームミラーとして実現するものでも良い。
従来例を示す図である。 本発明に係るルームミラー装置の好適な基本構成の実施形態を示す図である。 本発明に係るルームミラー装置の好適な第1実施形態を示す分解斜視図である。 (a)は、本実施形態のルームミラー装置の正面図であり、(b)は、その分解底面図である。 (a)は、図4(b)におけるD部分の拡大図であり、(b)は、表示装置部分の分解斜視図である。 (a)は、図4(a)におけるA−A線矢視断面図であり、(b)は、図(a)におけるC部分の拡大図である。 (a)は、図4(a)におけるB−B線矢視断面図であり、(b)は、図(a)におけるE部分の拡大図である。 (a)は、組み立てられたルームミラー装置の正面図を示し、(b)は、図(a)におけるF−F線矢視断面図である。 図8(b)におけるH部分の拡大図である。 図8(a)におけるG−G線矢視断面図である。 (a)は、図8(a)におけるJ−J線矢視断面図であり、(b)は、図8(a)におけるK−K線矢視断面図である。 本実施形態の要部を模式的に示した図である。 曲面鏡の接続構造(ミラーはずれ防止構造)を説明する図である。 (a)は、図8(a)におけるL−L線矢視断面図であり、(b)は、図8(a)におけるM−M線矢視断面図である。示している。 本発明のルームミラー装置の第2実施形態の要部を示す模式図である。 本発明のルームミラー装置の第3実施形態の要部を示す模式図である。
符号の説明
10 ルームミラー装置
11 リアケース
12 表示基板
13 表示パネルホルダ
14 表示パネル
18 フロントケース
19 曲面鏡
19a 窓部

Claims (8)

  1. ケース本体と、
    そのケース本体の前面側に取り付けられたミラーと、
    前記ケース本体内に収納された表示パネルと、
    を備え、
    前記ミラーは凸形状の曲面鏡であり、
    前記曲面鏡の一部の領域に前記表示パネルの表示内容を視認可能とする窓部を設け、
    前記表示パネルは、前記窓部の裏面側に配置し、
    前記ケース本体の長手方向の中央側の前記曲面鏡と前記表示パネルの隙間が、前記ミラーが平面鏡とした場合に配置する前記表示パネルと前記ケース本体の長手方向の中央側の前記曲面鏡との隙間よりも狭くなるようにしたことを特徴とするルームミラー装置。
  2. 前記表示パネルは、前記曲面鏡に沿うように配置したことを特徴とする請求項1に記載のルームミラー装置。
  3. 前記表示パネルの長手方向両端における前記曲面鏡との隙間を等しくしたことを特徴とする請求項1または2に記載のルームミラー装置。
  4. 前記表示パネルと前記曲面鏡との隙間を、長手方向に沿って全体的に均一にすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のルームミラー装置。
  5. 前記表示パネルは、表示パネルホルダを介して前記ケース本体に固定し、
    前記表示パネルホルダの前記表示パネルの取付面と反対側には回路基板を取り付け、
    前記回路基板を取り付ける面は前記ケース本体と平行にしたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに1項に記載のルームミラー装置。
  6. 前記表示パネルの短手方向両端における前記曲面鏡との隙間を等しくしたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のルームミラー装置。
  7. 前記ケース本体内には、前記回路基板とは別のメイン基板を配置し、
    前記表示パネルは、前記メイン基板に対して傾けて配置したことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のルームミラー装置。
  8. 前記ケース本体の長手方向両端に、前記曲面鏡の長手方向の端部と前記ケース本体とを前後から挟み込むサイドカバーを取り付けたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のルームミラー装置。
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