JP5352255B2 - キノキサリン系化合物またはその塩、および工業用殺菌組成物 - Google Patents

キノキサリン系化合物またはその塩、および工業用殺菌組成物 Download PDF

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Description

本発明は、キノキサリン系化合物またはその塩、その製造方法、およびそれを含有する工業用殺菌組成物に関する。
従来、例えば、製紙パルプ工場の抄紙工程、各種工場の冷却水循環工程などにおける種々の産業用水や、金属加工油剤(切削油など)、カゼイン、澱粉糊、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤などの各種の産業製品には、細菌、カビ、酵母、藻などの有害な微生物が繁殖しやすく、生産性や品質の低下、悪臭の発生などの原因となっている。そのため、このような有害微生物の繁殖を防除すべく、産業用水や産業製品には、抗菌、防カビ、防腐、防藻効果などを発現する種々の工業用殺菌組成物を添加することが、広く実施されている。
例えば、特許文献1に記載されるように、2,3−ジブロモ−6−ニトロキノキサリンなどのキノキサリン系化合物に殺菌効果があることが知られている。
特開2007−84473号公報
しかし、上記した公知のキノキサリン系化合物では殺菌効果が発現できない耐性菌なども現われており、新規な有効成分の開発が望まれている。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、細菌、かび、酵母または藻などの有害微生物に対する優れた防除効果を発現する新規な有効成分、および、その有効成分を含有する工業用殺菌組成物を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らは、新規な有効成分について鋭意検討したところ、新規なキノキサリン系化合物またはその塩が、細菌、かび、酵母または藻などの有害微生物に対する優れた防除効果を発現する知見を見出し、さらに研究を進めた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 下記一般式(1)で示されることを特徴とする、キノキサリン系化合物またはその塩、
一般式(1):
(式中、R〜Rは、少なくとも1つがシアノ基であり、残りが水素、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アリールカルボニル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、スルホ基またはチオール基である。さらに、R〜Rは、キノキサリン系化合物が縮合環を形成するように、R〜Rのうちの隣接する少なくとも2つによって環形成してもよい。RおよびRは、同一または互いに異なる炭素数1〜12のハロゲノアルキル基である。)
(2) 前記一般式(1)に示すRおよびRが、同一または互いに異なる炭素数1〜3のハロゲノアルキル基であることを特徴とする、前記(1)に記載のキノキサリン系化合物またはその塩、
(3) 前記一般式(1)に示すRおよびRが、ハロゲノメチル基であることを特徴とする、前記(1)または(2)に記載のキノキサリン系化合物またはその塩、
(4) 前記一般式(1)に示すR〜Rが、少なくとも1つがシアノ基であり、残りが水素であることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のキノキサリン系化合物またはその塩、
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかに記載のキノキサリン系化合物またはその塩を含有することを特徴とする、工業用殺菌組成物、
(6) 下記一般式(2)で示される芳香族ジアミンと、下記一般式(3)で示されるα−ジケトンとを縮合することにより、下記一般式(1)で示されるキノキサリン系化合物を製造することを特徴とする、キノキサリン系化合物またはその塩の製造方法、
一般式(2):
(式中、R〜Rは、少なくとも1つがシアノ基であり、残りが水素、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アリールカルボニル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、スルホ基またはチオール基である。さらに、R〜Rは、キノキサリン系化合物が縮合環を形成するように、R〜Rのうちの隣接する少なくとも2つによって環形成してもよい。)
一般式(3):
(式中、RおよびRは、同一または互いに異なる炭素数1〜12のハロゲノアルキル基である。)
一般式(1):
(式中、R〜Rは、少なくとも1つがシアノ基であり、残りが水素、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アリールカルボニル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、スルホ基またはチオール基である。さらに、R〜Rは、キノキサリン系化合物が縮合環を形成するように、R〜Rのうちの隣接する少なくとも2つによって環形成してもよい。RおよびRは、同一または互いに異なる炭素数1〜12のハロゲノアルキル基である。)
を提供するものである。
本発明のキノキサリン系化合物またはその塩は、細菌、かび、酵母または藻などの有害微生物に対する防除効果を発現するため、工業用殺菌組成物の有効成分として用いることができる。
そして、本発明のキノキサリン系化合物またはその塩を有効成分として含有する本発明の工業用殺菌組成物は、優れた、抗菌、防かび、防腐、防藻作用などを発現し、細菌、かび、酵母、藻などに対する防除剤として用いることができる。
本発明のキノキサリン系化合物は、下記一般式(1)で示される。
一般式(1)
(式中、R〜Rは、少なくとも1つがシアノ基であり、残りが水素、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アリールカルボニル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、スルホ基またはチオール基である。さらに、R〜Rは、キノキサリン系化合物が縮合環を形成するように、R〜Rのうちの隣接する少なくとも2つによって環形成してもよい。RおよびRは、同一または互いに異なる炭素数1〜12のハロゲノアルキル基である。)
上記一般式(1)において、R〜Rで示されるハロゲン原子としては、例えば、臭素、塩素、フッ素、ヨウ素などが挙げられる。
上記一般式(1)において、R〜Rで示されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、sec−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、n−オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、イソデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
上記一般式(1)において、R〜Rで示されるアリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、ビフェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、アズレニルなどの炭素数6〜14のアリール基が挙げられる。
上記一般式(1)において、R〜Rで示されるアリールカルボニル基としては、例えば、ベンゾイル基、ナフトイル基などの炭素数7〜11のアリールカルボニル基が挙げられる。
上記一般式(1)において、R〜Rで示されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ネオペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどの炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルコキシ基が挙げられる。
上記一般式(1)において、RおよびRで示されるハロゲノアルキル基としては、例えば、ブロモメチル、ブロモエチル、ブロモプロピル、イソブロモプロピル、ブロモブチル、イソブロモブチル、ブロモペンチル、ブロモヘキシル、ブロモヘプチル、ブロモオクチル、ブロモノニル、ブロモデシル、ブロモドデシルなどの臭化アルキル基、例えば、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル、イソクロロプロピル、クロロブチル、イソクロロブチル、クロロペンチル、クロロヘキシル、クロロヘプチル、クロロオクチル、クロロノニル、クロロデシル、クロロドデシルなどの塩化アルキル基、例えば、フルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、イソフルオロプロピル、フルオロブチル、イソフルオロブチル、フルオロペンチル、フルオロヘキシル、フルオロヘプチル、フルオロオクチル、フルオロノニル、フルオロデシル、フルオロドデシルなどのフッ化アルキル基、例えば、ヨードメチル、ヨードエチル、ヨードプロピル、イソヨードプロピル、ヨードブチル、イソヨードブチル、ヨードペンチル、ヨードヘキシル、ヨードヘプチル、ヨードオクチル、ヨードノニル、ヨードデシル、ヨードドデシルなどのヨウ化アルキル基などの炭素数1〜12のハロゲノアルキル基が挙げられ、好ましくは、ブロモメチル、ブロモエチル、ブロモプロピル、イソブロモプロピル、クロロメチル、クロロエチル、クロロプロピル、イソクロロプロピル、フルオロメチル、フルオロエチル、フルオロプロピル、イソフルオロプロピル、ヨードメチル、ヨードエチル、ヨードプロピル、イソヨードプロピルなどの炭素数1〜3のハロゲノアルキル基、さらに好ましくは、ブロモメチル、クロロメチル、フルオロメチル、ヨードメチルなどのハロゲノメチル基が挙げられる。
上記一般式(1)において、R〜Rは、隣接する少なくとも2つ、すなわち、RとR、RとR、RとR、R〜RまたはR〜Rのいずれかの組み合わせで、互いに縮合し、環形成していてもよい。
このようなキノキサリン系化合物としては、例えば、2,3−ジ(ブロモメチル)−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−ブロモ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−クロロ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−メチル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−エチル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−n−プロピル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−イソプロピル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−フェニル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−ベンゾイル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−メトキシ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−ニトロ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−アミノ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−カルボキシ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−ヒドロキシ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−ホルミル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−スルホ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−7−メルカプト−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−6,7−ジメチル−5−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ブロモメチル)−5−シアノ−ベンゾ[g]キノキサリン(キノキサリン系化合物のRとRとが縮合してベンゼン環を形成している。)、2,3−ジ(ブロモメチル)−5−シアノ−6,11−ジオキソ−6,11−ジヒドロ−ナフト[2,3−g]キノキサリン(キノキサリン系化合物のRとRとが縮合して環形成している。)、2,3−ジ(ヨードメチル)−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−ブロモ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−クロロ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−メチル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−エチル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−n−プロピル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−イソプロピル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−フェニル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−ベンゾイル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−メトキシ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−ニトロ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−アミノ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−カルボキシ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−ヒドロキシ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−ホルミル−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−スルホ−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−7−メルカプト−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−6,7−ジメチル−5−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−5−シアノ−ベンゾ[g]キノキサリン(キノキサリン系化合物のRとRとが縮合してベンゼン環を形成している。)、2,3−ジ(ヨードメチル)−5−シアノ−6,11−ジオキソ−6,11−ジヒドロ−ナフト[2,3−g]キノキサリン(キノキサリン系化合物のRとRとが縮合して環形成している。)、などが挙げられる。好ましくは、2,3−ジ(ブロモメチル)−6−シアノキノキサリン、2,3−ジ(ヨードメチル)−6−シアノキノキサリンなどが挙げられる。
上記一般式(1)で示されるキノキサリン系化合物は、特に限定されないが、例えば、下記反応式(I)で示されるように芳香族ジアミン(2)と、α−ジケトン(3)とを、脱水剤の存在下に、反応溶媒中で、縮合反応させることによって得られる。
反応式(I):
(式中、n、R、RおよびRは、上記一般式(1)のn、R、RおよびRと同意義を示す。)
芳香族ジアミン(2)としては、例えば、4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−ブロモ−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−クロロ−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−メチル−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−エチル−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−n−プロピル−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−イソプロピル−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−フェニル−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−ベンゾイル−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−メトキシ−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−ニトロ−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−アミノ−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−カルボキシ−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−ヒドロキシ−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−ホルミル−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−スルホ−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、5−メルカプト−4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、4,5−ジメチル−3−シアノ−1,2−フェニレンジアミン、1−シアノ−2,3−ナフチレンジアミン、1−シアノ−2,3−ジアミノアントラキノンなどが挙げられる。好ましくは、4−シアノ−1,2−フェニレンジアミンが挙げられる。
α−ジケトン(3)としては、好ましくは、1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオン、1,4−ジヨード−2,3−ブタンジオンなどが挙げられる。
反応溶媒としては、芳香族ジアミンとα−ジケトンとを溶解することができれば特に限定されず、例えば、プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒などが使用できる。プロトン性極性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどが挙げられ、好ましくは、メタノールが挙げられる。非プロトン性極性溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
反応溶媒は、例えば、芳香族ジアミン100重量部に対して、200〜3000重量部、好ましくは、500〜1000重量部の割合で使用される。
脱水剤としては、芳香族ジアミンとα−ジケトンとを脱水縮合させることができれば特に限定されず、例えば、硫酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、塩化マンガン(II)、ポリリン酸などが挙げられ、好ましくは、p−トルエンスルホン酸が挙げられる。
脱水剤は、例えば、芳香族ジアミン1等量に対して、0.01〜2等量、好ましくは、0.1〜0.5等量の割合で使用される。
上記の合成反応において、芳香族ジアミンとα−ジケトンとの割合は、芳香族ジアミン1等量に対してα−ジケトン1〜2等量が好ましく、1.1〜1.5等量がより好ましい。また、反応は、常圧下、例えば、室温〜120℃で、2〜50時間、好ましくは、50〜100℃で、2〜24時間反応させる。
また、上記の合成反応は、還流下で実施してもよい。また、大気雰囲気または不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気のいずれにおいても実施できる。好ましくは、不活性ガス雰囲気で実施する。
上記の合成反応により得られた反応生成物(粗生成物)は、キノキサリン系化合物の他、不純物を含むが、そのまま用いることができ、また、単離精製を経た上で用いることもできる。
反応生成物は、例えば、濃縮、減圧濃縮、蒸留、分留、溶媒抽出、液性変換、転溶、クロマトグラフィー、結晶化、再結晶などの公知の分離手段により(必要に応じて、単一の分離手段による分離精製を繰り返し、または、2以上の分離手段による分離精製を組み合わせることにより)、単離精製することができる。
さらに、このようにして合成されたキノキサリン系化合物は、上記一般式(1)においてRおよびRとして示すハロゲノアルキル基のハロゲン原子を置換することができる。例えば、ハロゲン交換反応により、ハロゲノアルキル基のハロゲン原子を異種のハロゲン原子に置換することができる。具体的には、キノキサリン系化合物と、例えば、ヨウ素、ヨウ化水素、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化銅などのヨウ素化剤、フッ素、フッ化水素、フッ化銀、フッ化カリウム、フッ化ホウ酸塩などのフッ素化剤、臭化水素、臭化カリウム、臭化銀などの臭素化剤などのハロゲン化剤とを反応させる。
上記のハロゲン交換反応においては、キノキサリン系化合物とハロゲン化剤とを、キノキサリン系化合物1モルに対して、ハロゲン化剤を、例えば、5〜20モル、好ましくは、8〜12モルの割合で反応させる。また、ハロゲン交換反応においては、例えば、室温〜100℃、好ましくは50〜80℃の反応温度で、例えば、0.5〜6時間、好ましくは、2〜4時間反応させる。
これにより、例えば、2,3−ジ(ブロモメチル)−6−シアノキノキサリンとヨウ化ナトリウムとを反応させて、2,3−ジ(ヨードメチル)−6−シアノキノキサリンを得ることができる。
また、キノキサリン系化合物は、所望により塩にすることもできる。好ましい塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などの無機塩、例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、イソ酪酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、アジピン酸塩、クエン酸塩などの有機酸塩などが挙げられる。
そして、このような本発明のキノキサリン系化合物またはその塩は、細菌、カビ、酵母、藻などの有害微生物に対する防除効果を発現するため、工業用殺菌組成物の有効成分として用いることができる。
本発明のキノキサリン系化合物またはその塩を、工業用殺菌組成物として用いる場合には、特に限定されず、上記したキノキサリン系化合物またはその塩を単独で配合してもよく、2種以上を併用して配合してもよい。また、本発明のキノキサリン系化合物またはその塩を含有する工業用殺菌組成物は、種々の剤型に調製することができる。
本発明の工業用殺菌組成物の製剤化は、特に制限されることなく、その目的および用途に応じて、例えば、液剤(水懸濁剤および油剤を含む。)、ペースト剤、粉剤、粒剤、マイクロカプセルなどの公知の種々の剤型に製剤化することができる。また、包接化合物として調製してもよく、さらに、層状ケイ酸塩などのモンモリロナイト(スメクタイト類など)などに担持させ、あるいは、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルクなどに吸着させることにより調製することもできる。
また、本発明のキノキサリン系化合物またはその塩は、剤型、目的および用途などに応じて、工業用殺菌組成物に対して、0.1〜99重量%の範囲から適宜選択して配合することができる。より具体的には、例えば、本発明の工業用殺菌組成物を液剤として製剤化する場合には、液剤に対してキノキサリン系化合物またはその塩を、例えば、0.1〜50重量%の範囲で配合することができる。また、ペースト剤として製剤化する場合には、ペースト剤に対してキノキサリン系化合物またはその塩を、例えば、5〜70重量%の範囲で配合することができる。また、粉剤、粒剤として製剤化する場合には、粉剤、粒剤に対してキノキサリン系化合物またはその塩を、例えば、20〜100重量%の範囲で配合することができる。
また、液剤として調製する場合など、本発明のキノキサリン系化合物またはその塩の溶解を向上させる観点より、溶媒を配合してもよい。
溶媒としては、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノールなどのアルコール系溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒、例えば、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素系溶媒、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルなどの極性溶媒、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコール系溶媒、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテートなどのエステル系溶媒、例えば、キシレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、エチルビフェニル、ソルベントナフサ、ミネラルスピリットなどの芳香族系溶媒などが挙げられる。これら溶媒は、単独または2種以上併用してもよく、好ましくは、グリコール系溶媒や芳香族系溶媒が挙げられる。
溶媒の配合割合は、有効成分1重量部に対して、通常、1〜100重量部である。なお、キノキサリン系化合物またはその塩の種類や、後述する添加剤の種類によっては、溶媒の比率を大幅に変えて調製することもできる。
さらに、本発明の工業用殺菌組成物には、その目的、用途などに応じて、公知の添加剤、例えば、防藻剤および/または防かび剤(有効成分)、界面活性剤、酸化防止剤、光安定剤などを添加してもよい。
防藻剤および/または防かび剤としては、例えば、イソチアゾリン系化合物、ニトロアルコール系化合物、ジチオール系化合物、チオフェン系化合物、ハロアセチレン系化合物、フタルイミド系化合物、ハロアルキルチオ系化合物、ピリチオン系化合物、フェニルウレア系化合物、トリアジン系化合物、グアニジン系化合物、トリアゾール系化合物、ベンズイミダゾール系化合物、四級アンモニウム塩系化合物などが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4−クロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オンが挙げられる。
ニトロアルコール系化合物としては、例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2,2−ジブロモ−2−ニトロ−1−エタノールなどが挙げられる。
ジチオール系化合物としては、例えば、4,5−ジクロロ−1,2−ジチオール−3−オンがなど挙げられる。
チオフェン系化合物としては、例えば、3,3,4−トリクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド、3,3,4,4−テトラクロロテトラヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドなどが挙げられる。
ハロアセチレン系化合物としては、例えば、N−ブチル−3−ヨードプロピオール酸アミド、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメートなどが挙げられる。
フタルイミド系化合物としては、例えば、N−1,1,2,2−テトラクロロエチルチオ−テトラヒドロフタルイミド(Captafol)、N−トリクロロメチルチオ−テトラヒドロフタルイミド(Captan)、N−ジクロロフルオロメチルチオフタルイミド(Fluorfolpet)、N−トリクロロメチルチオフタルイミド(Folpet)などが挙げられる。
ハロアルキルチオ系化合物としては、例えば、N−ジメチルアミノスルホニル−N−トリル−ジクロロフルオロメタンスルファミド(Tolylfluanide)、N−ジメチルアミノスルホニル−N−フェニル−ジクロロフルオロメタンスルファミド(Dichlofluanide)などが挙げられる。
ピリチオン系化合物としては、例えば、ナトリウムピリチオン、ジンクピリチオンなどが挙げられる。
フェニルウレア系化合物としては、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレアなどが挙げられる。
トリアジン系化合物としては、例えば、2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジンなどが挙げられる。
グアニジン系化合物としては、例えば、1,6−ジ−(4’−クロロフェニルジグアニド)−ヘキサン、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩などが挙げられる。
トリアゾール系化合物としては、例えば、α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−4−n−プロピル−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:プロピコナゾール)、1−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イル]メチル]−1H−1,2,4−トリアゾール(慣用名:アザコナゾール)、α−(4−クロロフェニル)−α−(1−シクロプロピルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:シプロコナゾール)などが挙げられる。
ベンズイミダゾール系化合物としては、例えば、メチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート、エチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾールなどが挙げられる。
四級アンモニウム塩系化合物としては、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウム、ジ−n−デシル−ジメチルアンモニウムクロライド、1−ヘキサデシルピリジニウムクロライドなどが挙げられる。
また、他の防藻剤および/または防かび剤として、その他に、例えば、ジヨードメチル−p−トルイルスルホン、p−クロロフェニル−3−ヨードプロパルギルフォルマールなどの有機ヨウ素系化合物、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィドなどのチオカーバメート系化合物、例えば、2,4,5,6−テトラクロロイソフタロニトリルなどのニトリル系化合物、例えば、2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォニル)ピリジンなどのピジリン系化合物、例えば、2−(4−チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾールなどのベンゾチアゾール系化合物、例えば、3−ベンゾ[b]チエン−2−イル−5,6−ジヒドロ−1,4,2−オキサチアジン−4−オキサイドなどのオキサチアジン系化合物、例えば、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロパンアミドなどのシアノアセトアミド系化合物、例えば、メチレンビスチオシアネートなどのチオシアネート系化合物などが挙げられる。
これら防藻剤および/または防かび剤は、単独または2種以上併用してもよく、好ましくは、イソチアゾリン系化合物(2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン)、ハロアセチレン系化合物(3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート)、ピリチオン系化合物(ジンクピリチオン)、フェニルウレア系化合物(3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア)、トリアジン系化合物(2−メチルチオ−4−t−ブチルアミノ−6−シクロプロピルアミノ−s−トリアジン)トリアゾール系化合物(α−[2−(4−クロロフェニル)エチル]−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−エタノール(慣用名:テブコナゾール))、ベンズイミダゾール系化合物(メチル−2−ベンズイミダゾールカルバメート)と併用することで、相乗的な微生物の防除効果を発現させることができる。
また、防藻剤および/または防かび剤の配合割合は、剤型、目的および用途によって適宜選択されるが、例えば、キノキサリン系化合物100重量部に対して、1〜9000重量部、好ましくは、3〜8000重量部である。
界面活性剤としては、例えば、石鹸類、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン界面活性剤、高分子界面活性剤など公知の界面活性剤が挙げられる。これら界面活性剤は、単独または2種以上併用してもよく、好ましくは、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアリールフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、酸化エチレンと酸化プロピレンブロック共重合物などが挙げられる。
また、アニオン系界面活性剤としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸金属塩、アルキルナフタレンスルホン酸金属塩、ポリカルボン酸型界面活性剤、ジアルキルスルホコハク酸エステル金属塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルサルフェートアンモニウム塩、リグニンスルホン酸金属塩、リグニンスルホン酸金属塩などが挙げられ、金属塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。
これら、界面活性剤は、単独または2種以上併用してもよく、その配合割合は、特に制限されず、剤型、目的および用途によって適宜選択されるが、例えば、液剤として製剤化される場合には、その液剤100重量部に対して0.1〜5重量部添加される。
酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのフェノール系酸化防止剤、例えば、アルキルジフェニルアミン、N,N’−ジ−s−ブチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン系酸化防止剤などが挙げられる。
これら、酸化防止剤は、単独または2種以上併用してもよく、その配合割合は、特に制限されず、剤型、目的および用途によって適宜選択されるが、例えば、液剤として製剤化される場合には、その液剤100重量部に対して0.1〜5重量部添加される。
また、光安定剤としては、例えば、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケートなどのヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられる。光安定剤は、単独または2種以上併用してもよく、その配合割合は、特に制限されず、剤型、目的および用途によって適宜選択されるが、例えば、液剤として製剤化される場合には、その液剤100重量部に対して0.1〜10重量部添加される。
このような、本発明のキノキサリン系化合物またはその塩を有効成分として含有する本発明の工業用殺菌組成物は、優れた、抗菌、防かび、防腐、防藻作用などを発現し、細菌、かび、酵母、藻などに対する防除剤(微生物防除剤)として用いることができる。
本発明の工業用殺菌組成物は、例えば、製紙パルプ工場、冷却水循環工程などの種々の産業用水や、切削油などの金属加工用油剤、カゼイン、澱粉粉、にかわ、塗工紙、紙用塗工液、表面サイズ剤、紙力増強剤、塗料、接着剤、合成ゴムラテックス、インキ、ポリビニルアルコールフィルム、塩化ビニルフィルム、樹脂製品、セメント混和剤、シーリング剤、目地剤などの各種工業製品における工業用殺菌剤として好適に用いられる。
なお、本発明の工業用殺菌組成物は、適用対象、微生物の種類(細菌類、かび類、酵母、藻類など)や防除期間に応じて、添加量を適宜選択すればよいが、例えば、スライムコントロール剤として用いる場合には、0.1〜500mg(有効成分)/kg(製品)、好ましくは、0.5〜100mg(有効成分)/kg(製品)、防腐剤として用いる場合には、1〜5000mg(有効成分)/kg(製品)、好ましくは、10〜1000mg(有効成分)/kg(製品)、防かびまたは防藻剤として用いる場合には、10〜50000mg(有効成分)/kg(製品)、好ましくは、100〜10000mg(有効成分)/kg(製品)となるように添加すればよい。
次に、合成例、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの合成例および実施例により限定されるものではない。
合成例1
4−シアノ−1,2−フェニレンジアミン0.97g(7.4mmol)、1,4−ジブロモ−2,3−ブタンジオン1.95g(8.0mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物152mg(0.8mmol)をメタノール8mlに溶解させ、アルゴン雰囲気下で、2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却して吸引ろ過し、沈殿物として得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:50g、展開溶媒:クロロホルム)で精製し、2,3−ジ(ブロモメチル)−6−シアノキノキサリン(C11Br)を、白色固体として得た。
収量:2.16g、収率:97%、融点:157〜159℃
IR(KBr):3022cm−1(νC−H)、2228cm−1(νC≡N)、1359cm−1(νC−N)、915および805cm−1(σC−H)、509cm−1(νC−Br
H−NMR(σ、CDCl、400MHz):4.92(4H、s、2,3−CH)、7.95(1H、dd、J=1.7および8.8Hz、7−CH)、8.18(1H、d、J=8.8Hz、8−CH)、8.45ppm(1H、d、J=1.7Hz、5−CH)
合成例2
合成例1と同様にして得られた2,3−ジ(ブロモメチル)−6−シアノキノキサリン0.62g(1.8mmol)およびヨウ化ナトリウム2.9g(19mmol)をアセトン10mlに溶解し、アルゴン雰囲気下で、2時間加熱還流した。反応液を室温まで冷却し溶媒を減圧留去後、残渣をクロロホルム50mlに溶解した。水50mlで3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:70g、展開溶媒:クロロホルム:アセトン:エタノール=200:5:1)で精製し、2,3−ジ(ヨードメチル)−6−シアノキノキサリン(C11)を褐色固体として得た。
収量:0.42g、収率:54%、融点:126〜129℃
IR(KBr):3046cm−1(νC−H)、2227cm−1(νC≡N)、1356cm−1(νC−N)、916および803cm−1(σC−H)、416cm−1(νC−I
H−NMR(σ、CDCl、400MHz):4.83(4H、s、2,3−CH)、7.90(1H、dd、J=1.7および8.8Hz、7−CH)、8.11(1H、d、J=8.8Hz、8−CH)、8.39ppm(1H、d、J=1.7Hz、5−CH)
元素分析(EA):C11
理論値:C,30.37%、H,1.62%、N,9.66%
実測値:C,30.66%、H,1.57%、N,9.66%
実施例1
2,3−ジ(ブロモメチル)−6−シアノキノキサリン1重量部と、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)20重量部と、水79重量部とを配合して、攪拌混合することにより、液剤を得た。
実施例2
2,3−ジ(ヨードメチル)−6−シアノキノキサリン1重量部と、メチルカルビトール(ジエチレングリコールモノメチルエーテル)20重量部と、水79重量部とを配合して、攪拌混合することにより、液剤を得た。
試験例1(細菌に対するMICの測定)
実施例1および2で得られた液剤をそれぞれ添加したグルコースブイヨン寒天培地(pH6.0)に、ミクロプランタ(佐久間製作所製)を用いて、接種用細菌懸濁液を接種し、33℃で18時間培養した。次いで、培養後の菌の生育を観察して、最小発育阻止濃度MIC(μg/mL)を求めた。
試験例2(カビおよび酵母に対するMICの測定)
実施例1および2で得られた液剤をそれぞれ添加したグルコースブイヨン寒天培地(pH6.0)に、ミクロプランタ(佐久間製作所製)を用いて、カビ胞子懸濁液および接種用酵母を接種し、33℃で18時間培養し、さらに、28℃で2日間培養した。次いで、培養後の菌の生育を観察して、最小発育阻止濃度MIC(μg/mL)を求めた。
MICの測定に使用した細菌、カビおよび酵母の菌株名と、試験例1および2の結果と
を、表1に示す。なお、表中の数値は、最小発育阻止濃度MIC(μg/mL)を示す。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で示されることを特徴とする、キノキサリン系化合物またはその塩。
    一般式(1):

    (式中、R〜Rは、少なくとも1つがシアノ基であり、残りが水素、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アリールカルボニル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、スルホ基またはチオール基である。R およびRは、同一または互いに異なる炭素数1〜12のハロゲノアルキル基である。)
  2. 前記一般式(1)に示すRおよびRが、同一または互いに異なる炭素数1〜3のハロゲノアルキル基であることを特徴とする、請求項1に記載のキノキサリン系化合物またはその塩。
  3. 前記一般式(1)に示すRおよびRが、ハロゲノメチル基であることを特徴とする、請求項1または2に記載のキノキサリン系化合物またはその塩。
  4. 前記一般式(1)に示すR〜Rが、少なくとも1つがシアノ基であり、残りが水素であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のキノキサリン系化合物またはその塩。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のキノキサリン系化合物またはその塩を含有することを特徴とする、工業用殺菌組成物。
  6. 下記一般式(2)で示される芳香族ジアミンと、下記一般式(3)で示されるα−ジケトンとを縮合することにより、下記一般式(1)で示されるキノキサリン系化合物を製造することを特徴とする、キノキサリン系化合物またはその塩の製造方法。
    一般式(2):

    (式中、R〜Rは、少なくとも1つがシアノ基であり、残りが水素、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アリールカルボニル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、スルホ基またはチオール基である。)
    一般式(3):

    (式中、RおよびRは、同一または互いに異なる炭素数1〜12のハロゲノアルキル基である。)
    一般式(1):

    (式中、R〜Rは、少なくとも1つがシアノ基であり、残りが水素、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アリールカルボニル基、アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、カルボキシ基、ヒドロキシ基、ホルミル基、スルホ基またはチオール基である。R およびRは、同一または互いに異なる炭素数1〜12のハロゲノアルキル基である。)
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