JP5351631B2 - 太陽電池用封止膜、及びこれを用いた太陽電池 - Google Patents

太陽電池用封止膜、及びこれを用いた太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とする太陽電池用封止膜及びこの封止膜を用いた太陽電池に関し、特に透明性に優れ、発電素子の破損を防止することができる太陽電池用封止膜に関する。
近年、資源の有効利用や環境汚染の防止等の面から、太陽光を電気エネルギーに変換する太陽電池が注目され、開発が進められている。
太陽電池は、一般に、図1に示すように、ガラス基板などからなる受光面側透明保護部材11、受光面側封止膜13A、シリコンなどからなる発電素子14、裏面側封止膜13B、及び裏面側保護部材(バックカバー)12をこの順で積層し、減圧で脱気した後、加熱加圧して受光面側封止膜13A及び裏面側封止膜13Bを架橋硬化させて接着一体化することにより製造される。従来の太陽電池では、高い電気出力を得るために、複数の発電素子14を接続して用いられている。したがって、絶縁性のある封止膜13A、13Bを用いて発電素子を封止することが行われている。これにより、太陽電池内部での電気のリークを防止して、発電した電気を確実に配線を経由して取り出すことが可能となる。
太陽電池の発電効率を向上させるためには、電池内に光をなるべく効率よく入射させて発電素子に集光することが必要である。そのためには、封止膜には高い透明性を有することが求められている。このような観点から、太陽電池用封止膜としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などのエチレン−不飽和エステル共重合体からなるフィルムが用いられている。また、特許文献1では、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレンオキシ基含有化合物を用いることにより、封止膜の透明性を向上できることが開示されている。
このような太陽電池を作製するには、受光面側透明保護部材、受光面側封止膜、発電素子、裏面側封止膜、及び裏面側保護部材(バックカバー)をこの順で積層し、得られた積層体を加圧及び加熱することにより、受光面側封止膜及び裏面側封止膜を架橋硬化させる方法が用いられる。封止膜を架橋硬化させる工程に要する時間は数十分以上を要し、太陽電池の生産性の向上の観点から、架橋硬化時間は短い方が望ましい。このように受光面側封止膜及び裏面側封止膜を架橋硬化させることにより、積層体の各部材が接着一体化される。
特開2008−053379号公報
しかしながら、封止工程における加熱加圧の際にEVAフィルムを発電素子に押し付けるため、この押圧力で発電素子が割れるという問題があった。さらに、近年では、シリコンなどの高価な材料の使用量を少なくするために、発電素子の薄型化が行われ、これにより発電素子の破損率が急速に高まる問題があった。
そこで、本発明の目的は、優れた透明性を有するとともに、封止工程における発電素子の破損を防止することが可能な太陽電池用封止膜を提供することを目的とする。
本発明は、エチレン−不飽和エステル共重合体、架橋剤、及びヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを含み、
前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートは、下記一般式(I)
Figure 0005351631
(式中、R 1 は水素原子又はメチル基であり、R 2 は2−ヒドロキシプロピレン基又は2−ヒドロキシテトラメチレン基であり、R 3 は水素原子、炭素原子数6〜20個のアリールオキシ基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、アクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基である)で示され、
前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの含有量が、前記エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して、0.05〜3.0質量部である太陽電池用封止膜により、上記課題を解決する。
以下に、本発明の太陽電池用封止膜の好ましい形態を列記する。
)前記R3が、アクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基である。
)前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートが、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートよりなる群から選択される少なくとも一種である。
)太陽電池用封止膜が、架橋助剤を、前記エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して、0.5〜2.5質量部含む。
本発明では、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを用いることにより、封止工程における加熱加圧の際に封止膜が軟化して適度に硬度が低下する。このため、発電素子に加わる圧力を緩和することができ、発電素子の破損を防止することができる。さらに、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートは、加熱加圧時に光散乱(透明性の低下)の原因であるエチレン−不飽和エステル共重合体の結晶化を阻害し、優れた透明性を有する封止膜を提供することができる。
太陽電池の説明図である。
本発明の太陽電池用封止膜は、エチレン−不飽和エステル共重合体、架橋剤、及び下記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを含む。なお、本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを示すものとする。
Figure 0005351631
(式中、R1は水素原子又はメチル基であり、R22−ヒドロキシプロピレン基又は2−ヒドロキシテトラメチレン基であり、R3は水素原子、炭素原子数6〜20個のアリールオキシ基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、アクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基である)。
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとして、具体的には、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレートなどが好ましく挙げられる。これらのヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートは、一種単独又は二種以上を併用して用いることができる。
般式(I)において、R3は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基であるのが好ましい。したがって、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとして、特に好ましくは、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートが挙げられる。これらの化合物は、製造工程における加熱加圧時にエチレン−不飽和エステル共重合体の架橋反応を迅速に行うことができ、加熱加圧時間を短縮することが可能となる。これにより、発電素子に圧力が加わる時間も短縮することとなり、発電素子の破損をより高く防止するとともに、太陽電池の生産性の向上も可能となる。
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの含有量は、エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して、0.05〜3.0質量部、特に0.1〜2.0であるのが好ましい。前記含有量が、0.05質量部未満であるとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートによる十分な効果が得られない恐れがあり、3.0質量部を超えるとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートが微分散できずに、封止膜の透明性が低下する恐れがある。
本発明の封止膜は、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの他に、エチレン−不飽和エステル共重合体を含む。エチレン−不飽和エステル共重合体の不飽和エステル単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル等が挙げられる。この中でも透明性に優れる封止膜が得られることから、エチレン−不飽和エステル共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体を用いるのが好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量部に対して、好ましくは20〜35質量部、より好ましくは20〜30質量部、特に好ましくは24〜28質量部である。これにより、優れた透明性を有する封止膜が得られる。
封止膜は、架橋剤として有機過酸化物をさらに含む。前記有機過酸化物としては、100℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものであれば、どのようなものでも使用することができる。有機過酸化物は、一般に、成膜温度、組成物の調整条件、硬化温度、被着体の耐熱性、貯蔵安定性を考慮して選択される。特に、半減期10時間の分解温度が70℃以上、特に80〜120℃のものが好ましい。
前記有機過酸化物としては、エチレン−不飽和エステル共重合体との相溶性の観点から、例えば、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン;3−ジ−tert−ブチルパーオキサイド;tert−ジクミルパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン;2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン;ジクミルパーオキサイド;tert−ブチルクミルパーオキサイド;α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン;α,α’−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン;n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン;2,2−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ブタン;1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン;1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;tert−ブチルパーオキシベンゾエート;ベンゾイルパーオキサイド、等が好ましく挙げられる。これらは、一種単独で用いられてもよく、二種以上を混合して用いられてもよい。
前記有機過酸化物のなかでも、優れた透明性を有する太陽電池用封止膜が得られることから、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサンを用いるのが特に好ましい。
前記封止膜における有機過酸化物の含有量は、エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して、好ましくは0.1〜1.5質量部、より好ましくは0.1〜1.0質量部である。このような架橋剤の含有量であれば、加熱加圧の際に封止膜が適度に軟化して、発電素子の破損をより高く防止することができる。
封止膜は、さらに架橋助剤を含むのが好ましい。架橋助剤は、エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して、好ましくは0.5〜2.5質量部、より好ましくは0.5〜2.0質量部で使用される。このように架橋助剤とヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとを組合わせて用いることにより、エチレン−不飽和エステル共重合体の架橋反応を迅速に行うことができ、加熱加圧時間をより短縮することが可能となる。
架橋助剤(官能基としてラジカル重合性基を有する化合物)としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の3官能の架橋助剤の他、(メタ)アクリルエステル(例、NKエステル等)の単官能又は2官能の架橋助剤等を挙げることができる。なかでも、トリアリルシアヌレートおよびトリアリルイソシアヌレートが好ましく、特にトリアリルイソシアヌレートが好ましい。
封止膜は、太陽電池内部の封止性能を考慮すると、優れた接着力を有するのが好ましい。したがって、前記封止膜は、接着向上剤をさらに含んでいるのがよい。
接着向上剤としては、シランカップリング剤を用いることができる。これにより、優れた接着力を有する太陽電池用封止膜を形成することが可能となる。前記シランカップリング剤としては、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。これらシランカップリング剤は、単独で使用しても、又は2種以上組み合わせて使用しても良い。なかでも、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましく挙げられる。
シランカップリング剤の含有量は、エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して、0.1〜0.7質量部、特に0.3〜0.65質量部であることが好ましい。
封止膜は、膜の種々の物性(機械的強度、透明性等の光学的特性、耐熱性、耐光性、架橋速度等)の改良あるいは調整のため、必要に応じて、可塑剤、又はエポキシ基含有化合物などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
可塑剤としては、特に限定されるものではないが、一般に多塩基酸のエステル、多価アルコールのエステルが使用される。その例としては、ジオクチルフタレート、ジヘキシルアジペート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート、ブチルセバケート、テトラエチレングリコールジヘプタノエート、トリエチレングリコールジペラルゴネートを挙げることができる。可塑剤は一種用いてもよく、二種以上組み合わせて使用しても良い。可塑剤の含有量は、エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して5質量部以下の範囲が好ましい。
エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(エチレンオキシ)5グリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテルを挙げることができる。
エポキシ基含有化合物は、エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して、0.5〜5.0質量部、特に1.0〜4.0質量部含まれていることが好ましい。
さらに、封止膜は、紫外線吸収剤、光安定剤および老化防止剤を含んでいてもよい。
封止膜が紫外線吸収剤を含むことにより、照射された光などの影響によってエチレン−不飽和エステル共重合体が劣化し、黄変するのを抑制することができる。前記紫外線吸収剤としては、特に制限されないが、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましく挙げられる。なお、上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の配合量は、エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
封止膜が光安定剤を含むことによっても、照射された光などの影響によってエチレン−不飽和エステル共重合体が劣化し、太陽電池用封止膜が黄変するのを抑制することができる。前記光安定剤としてはヒンダードアミン系と呼ばれる光安定剤を用いることが好ましく、例えば、LA−52、LA−57、LA−62、LA−63LA−3p、LA−67、LA−68(いずれも(株)ADEKA製)、Tinuvin744、Tinuvin 770、Tinuvin 765、Tinuvin144、Tinuvin 622LD、CHIMASSORB 944LD(いずれもチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)社製)、UV−3034(B.F.グッドリッチ社製)等を挙げることができる。なお、上記光安定剤は、単独で使用しても、2種以上組み合わせて用いてもよく、その配合量は、エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部であることが好ましい。
前記老化防止剤としては、例えばN,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナミド〕等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤、ラクトン系熱安定剤、ビタミンE系熱安定剤、イオウ系熱安定剤等が挙げられる。
本発明の封止膜を作製するには、公知の方法に準じて行えばよい。例えば、通常の押出成形、又はカレンダ成形(カレンダリング)等により成形してシート状物を得る方法により製造することができる。また、前記組成物を溶剤に溶解させ、この溶液を適当な塗布機(コーター)で適当な支持体上に塗布、乾燥して塗膜を形成することによりシート状物を得ることもできる。尚、製膜時の加熱温度は、架橋剤が反応しない或いはほとんど反応しない温度とすることが好ましい。例えば、50〜90℃、特に40〜80℃とするのが好ましい。その後に、加熱加圧など常法に従って太陽電池用封止膜を封止のために架橋硬化させればよい。
太陽電池用封止膜の厚さは、特に制限されないが、50μm〜2mmの範囲であればよい。
本発明の太陽電池用封止膜は、高い全光線透過率を有し、透明性に優れる。具体的には、ゲル分率を80〜95%にした後の太陽電池用封止膜の全光線透過率が、80%以上、特に81%以上である。一般的に、太陽電池において封止膜は発電素子を封止するために、ゲル分率が80〜95%程度となるまで硬化させられる。本発明の太陽電池用封止膜はこのような硬化後であっても優れた透明性を有する。なお、本発明において、全光線とは、太陽光の波長領域の光線をいうが、通常は波長300nm〜1200nmの範囲の光線である。
このような太陽電池用封止膜を用いた太陽電池は、外部から入射した光の透過率が高く、効率よく発電素子に集光することができ、高い出力電圧を発揮することが可能となる。また、封止工程における加熱加圧の際に封止膜が軟化して適度に硬度が低下することにより、発電素子の破損を高く防止することができる。したがって、太陽電池用封止膜を用いることにより発電素子の厚さが薄くても、発電素子の破損がなく、信頼性の高い太陽電池を提供することが可能となる。
本発明による太陽電池用封止膜を用いた太陽電池の構造は、特に制限されないが、表面側透明保護部材と裏面側保護部材との間に、前記太陽電池用封止膜を介して発電素子が封止された構造などが挙げられる。なお、本発明において、発電素子に対して受光面側を「表面側」と称し、太陽電池セルの受光面とは反対面側を「裏面側」と称する。
前記太陽電池において、発電素子を十分に封止するには、図1に示すように表面側透明保護部材11、表面側封止膜13A、発電素子14、裏面側封止膜13B及び裏面側保護部材12を積層し、加熱加圧など常法に従って、封止膜を架橋硬化させればよい。
前記加熱加圧するには、例えば、前記積層体を、真空ラミネータで温度135〜180℃、さらに140〜170℃、特に145〜165℃、脱気時間0.1〜7分、プレス圧力0.1〜1.5kg/cm2、プレス時間5〜15分で加熱圧着すればよい。この加熱加圧時に、表面側封止膜13Aおよび裏面側封止膜13Bに含まれるエチレン−不飽和エステル共重合体を架橋させることにより、表面側封止膜13Aおよび裏面側封止膜13Bを介して、表面側透明保護部材11、裏面側透明部材12、および発電素子14を一体化させて、発電素子14を封止することができる。
本発明の太陽電池に使用される表面側透明保護部材は、通常、珪酸塩ガラスなどのガラス基板であるのがよい。ガラス基板の厚さは、0.1〜10mmが一般的であり、0.3〜5mmが好ましい。ガラス基板は、一般に、化学的に、或いは熱的に強化させたものであってもよい。
また、裏面側保護部材は、PETなどのプラスチックフィルムであるが、耐熱性、耐湿熱性を考慮してフッ化ポリエチレンフィルムやプラスチックフィルム表面に銀からなる蒸着膜を形成したもの、特にフッ化ポリエチレンフィルム/Al/フッ化ポリエチレンフィルムをこの順で積層させたフィルムが好ましい。
なお、本発明の太陽電池は、上述した通り、表面側および裏面側に用いられる封止膜に特徴を有する。したがって、表面側透明保護部材、裏面側保護部材及び発電素子などの前記封止膜以外の部材については、従来公知の太陽電池と同様の構成を有していればよく、特に制限されない。
以下、本発明を実施例により説明する。本発明は、以下の実施例により制限されるものではない。
参考例1)
下記に示す配合で各材料をロールミルに供給して70℃で混練し、得られた組成物を70℃でカレンダ成形し、放冷後、太陽電池用封止膜(厚さ1.0mm)を得た。
封止膜の組成:
EVA(EVA100質量部に対する酢酸ビニル含有量26質量部)100質量部、
架橋剤(2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン)1.5質量部、
架橋助剤(トリアリルイソシアヌレート)2.0質量部、及び
OH基含有(メタ)アクリレート1(2−ヒドロキシエチルメタクリレート;ライトエステルHO−250 共栄化学株式会社製)0.5質量部。
(実施例1〜6、参考例2〜4
表1に示すようにOH基含有(メタ)アクリレートの種類及び/又は添加量を変えた以外は、参考例1と同様にして太陽電池用封止膜を作製した。なお、OH基含有(メタ)アクリレート2〜6の詳細については、以下に記載する。
OH基含有(メタ)アクリレート2(2−ヒドロキシプロピルメタクリレート;ライトエステルHOP 共栄化学株式会社製)、
OH基含有(メタ)アクリレート3(2−ヒドロキシエチルアクリレート;ライトエステルHOA 共栄化学株式会社製)、
OH基含有(メタ)アクリレート4(2−ヒドロキシブチルメタクリレート;ライトエステルHOB 共栄化学株式会社製)、
OH基含有(メタ)アクリレート5(グリセリンジメタクリレート;ライトエステルG101P 共栄化学株式会社製)、及び
OH基含有(メタ)アクリレート6(2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート;ライトエステルG102P 共栄化学株式会社製)。
(比較例1〜4)
OH基含有(メタ)アクリレート1を用いずに、表2に示すように(メタ)アクリレートを用いた以外は、実施例1と同様にして太陽電池用封止膜を作製した。なお、(メタ)アクリレート1〜3の詳細については、以下に記載する。
(メタ)アクリレート1(n−ブチルメタクリレート)、
(メタ)アクリレート2(n−ラウリルメタクリレート)、及び
(メタ)アクリレート3(テトラエチレングリコールジメタクリレート;ライトエステル4EG 共栄化学株式会社製)。
(評価)
1.全光線透過率
太陽電池用封止膜を2枚のガラス基材(厚さ3.0mm)で挟み、得られた積層体を真空ラミネーターで、真空下、100℃で10分間圧着した後、155℃のオーブン中で45分間圧着することにより、太陽電池用封止膜をゲル分率95質量%となるように架橋硬化させた。
その後、積層体の厚み方向の光線透過スペクトルを分光光度計(日立製作所株式会社製 U−4000)を用いて、波長範囲300〜1200nmの光線透過率を3箇所測定し、その平均値を算出した。結果を表1及び2に示す。
なお、ゲル分率(質量%)は、架橋後の太陽電池用封止膜を秤量し(Ag)、これを120℃のキシレン中に24時間浸漬して不溶解分を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣の重量を測定し(Bg)、式[B/A×100]により算出した値とする。
2.硬度
JIS K6300−2に規定されるダイ加硫試験法Aにより、太陽電池用封止膜のトルクを測定した。具体的には、振動式加硫試験機(キュラストメーター5型、JSRトレーディング株式会社製)を用いて、ダイスを150℃に加熱した後、封止膜をダイスにセットした。次いでダイスを閉じ、温度150℃、圧力343kPa、振幅角:±0.03°、ねじり振動数100cpmにて15分間歪みを加えて、15分間後の封止膜のトルク値を測定した。結果を表1及び2に示す。
3.架橋時間
太陽電池用封止膜のトルクを上記と同様にして15分間測定し、架橋(加硫)曲線から得られる最大トルクの90%に達するまでの時間を測定した。結果を表1及び2に示す。
Figure 0005351631
Figure 0005351631
表1に示すように、実施例1〜の封止膜は透明性に優れ、硬度が低いことから発電素子の破損を防止することが可能となる。特に、実施例及びの封止膜では、架橋時間が短く、このため封止工程において発電素子に圧力が加わる時間も短くすることができ、発電素子の破損をより高く防止することができる。
11 受光面側透明保護部材、
12 裏面側保護材、
13A 受光面側封止膜、
13B 裏面側封止膜、
14 発電素子。

Claims (6)

  1. エチレン−不飽和エステル共重合体、架橋剤、及びヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを含み、
    前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートは、下記一般式(I)
    Figure 0005351631
    (式中、R 1 は水素原子又はメチル基であり、R 2 は2−ヒドロキシプロピレン基又は2−ヒドロキシテトラメチレン基であり、R 3 は水素原子、炭素原子数6〜20個のアリールオキシ基、炭素原子数1〜10個のアルコキシ基、アクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基である)で示され、
    前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートの含有量が、前記エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して、0.05〜3.0質量部である太陽電池用封止膜。
  2. 前記R3が、アクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基である請求項に記載の太陽電池用封止膜。
  3. 前記ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートが、グリセリンジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、及び2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレートよりなる群から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の太陽電池用封止膜。
  4. 前記エチレン−不飽和エステル共重合体が、エチレン−酢酸ビニル共重合体である請求項1〜に記載の太陽電池用封止膜。
  5. 架橋助剤を、前記エチレン−不飽和エステル共重合体100質量部に対して、0.5〜2.5質量部含む請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池用封止膜。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の太陽電池用封止膜を用いた太陽電池。
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