JP5350979B2 - バリアブルリラクタンス型角度検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、モータ等の回転角度を検出するバリアブルリラクタンス型角度検出器に関する。
従来のバリアブルリラクタンス型角度検出器は、スロット内に励磁巻線とn相の出力巻線とを設けた固定子と、固定子との間のギャップパーミアンスが、角度θに対して正弦波状に変化する形状である鉄心とを備えている。
ここで、励磁巻線の極数と固定子のティース数(スロット数)とを同一にするように1スロットごとに導線の巻方向が正、逆反転して巻回された励磁コイルを全て直列に接続して励磁巻線が形成されている。
また、1相分の出力巻線に発生する誘起電圧分布が正弦波分布するように導線が巻回された出力コイルを直列に接続して出力巻線が形成されている。
上記の構成の励磁コイルに正弦波電圧が加えると、励磁コイルには正弦波電流が流れることにより、ティースに磁束が発生する。
ここで、固定子のティースと回転子とのギャップパーミアンスにより、各ティースの磁束密度が決まり、出力巻線には、各ティースに巻かれた出力コイルに鎖交する磁束の合成値として出力電圧が表れる。
回転子の回転位置が変化すると、ギャップパーミアンスが変化するので、出力電圧振幅が変化する。したがって、この出力電圧振幅により、回転子の角度を求めることができる(例えば、特許文献1参照)。
特許第3182493号公報
従来のバリアブルリラクタンス型角度検出器では、たとえば、インバータで駆動される電動機にバリアブルリラクタンス型角度検出器が取り付けられた場合、インバータのスイッチングによるノイズがバリアブルリラクタンス型角度検出器の出力巻線に誘起され、回転角度検出精度を低下させるという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであって、その目的は、ノイズの影響を低減することのできるバリアブルリラクタンス型角度検出器を提供することである。
この発明に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器は、内向して周方向に互いに間隔をおいて形成された複数個のティースを有するとともにティースにそれぞれ導線を巻回して形成された、電源により励磁される励磁コイルおよび磁束密度の変化を電圧として出力するa相分(aは整数)の出力コイルを有する固定子と、固定子との間のギャップパーミアンスが正弦波状に変化する形状である鉄心で構成された回転子とを備え、互いに異なるティースに形成された全ての出力コイルのうち、奇数番号のティースに形成された出力コイルを直列に接続して形成された第1の出力コイル群と、偶数番号のティースに形成された出力コイルを直列に接続して形成された第2の出力コイル群とを並列に接続して出力巻線を形成したものである。
この発明の回転角度検出装置によれば、ノイズの影響を低減し、検出精度の良いバリアブルリラクタンス型角度検出器を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器の構造図である。 図1に示したコイルの接続状態を示す結線図である。 図1に示した励磁コイルおよび出力コイルの導線の巻数を示す説明図である。 この発明の実施の形態2に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器の構造図である。 図4に示したコイルの接続状態を示す結線図である。 図4に示した励磁コイルおよび出力コイルの導線の巻数を示す説明図である。 この発明の実施の形態2に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器の別の構造図である。 図7に示したコイルの接続状態を示す結線図である。 この発明の実施の形態3に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器の構造図である。 図9に示したコイルの接続状態を示す結線図である。 図9に示した励磁コイルおよび出力コイルの導線の巻数を示す説明図である。 この発明の実施の形態3に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器の別のコイルの接続状態を示す結線図である。 図12に示したバリアブルリラクタンス型角度検出器の、励磁コイルおよび出力コイルの導線の巻数を示す説明図である。 この発明の実施の形態4に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器の、結線図である。 この発明の実施の形態5に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器の、コイルの接続状態を示す結線図である。 図15に示したバリアブルリラクタンス型角度検出器の、励磁コイル、出力コイルおよび短絡コイルの導線の巻数を示す説明図である。 この発明の実施の形態5に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器の、別のコイルの接続状態を示す結線図である。 図17に示したバリアブルリラクタンス型角度検出器の、励磁コイル、出力コイルおよび短絡コイルの導線の巻数を示す説明図である。
以下、この発明の各実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において同一、または相当する部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器の構造図である。ここでは、ティース数が12、回転子の突極数が4の例を示す。
図2は、図1に示したコイルの接続状態を示す結線図である。ここで、各コイルの上下の向きは、巻方向の正逆に対応して示されている。
図1および図2において、このバリアブルリラクタンス型角度検出器1は、内向して周方向に配置されたティース2を有する固定子3と、固定子3との間のギャップパーミアンスが正弦波状に変化する形状である鉄心で構成された回転子4とを有している。
また、固定子3のティース2には、導線が巻回された励磁コイル5と出力コイル6とが形成されている。
各ティース2には、2個の励磁コイル5が形成されており、周方向に隣接する励磁コイル5どうしは、巻数が同じで巻方向が反対になるように導線が巻回されている。
ここで、ティース2のある頂点部を基準に、ティース2の番号を時計回りにティース2(1)、2(2)、・・・2(12)と表す。
また、ティース2(i)の外側から内径側にj番目の励磁コイル5をコイル5(i、j)と表す。
第1の励磁コイル群7は、ティース2(1)、2(2)、・・・2(12)の全てのティース2に形成された励磁コイル5(1、1)、5(2、1)、・・・5(12、1)を周方向に直列に接続して形成されている。
また、第2の励磁コイル群8は、励磁コイル5(1、2)、5(2、2)、・・・5(12、2)を周方向に直列に接続して形成されている。
そして、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8の巻き始めどうしが接続され、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8の巻き終わりどうしがそれぞれ接続されて、励磁コイル群が並列に接続された励磁巻線9を形成している。
なお、図中では、励磁コイル5(1、1)、5(2、1)、・・・5(12、1)とは表示せず、励磁コイル5として示している。
出力巻線10を形成する出力コイル6の導線の巻数について、例えば2相出力(s相、c相)の例を示すと、励磁コイル5の発生する起磁力の空間次数である極対数をM(ここでは、12個のティース2に正逆交互に導線が巻回されているので、M=6となる)とし、回転子4の突極数をNとすると、各相のティース2(i)の導線の巻数ns(i)およびnc(i)は次式(1)および(2)のように表すことができる。
Figure 0005350979
ここで、ティース2(p)のq相の出力巻線10を形成する出力コイル6を出力コイル6(p、q)と表し、q相の出力巻線10を出力巻線10(q)と表す。
s相の出力巻線10(s)は、各ティース2に形成された出力コイル6(1、1)、6(2、1)、・・・6(12、1)を周方向に直列に接続して形成されている。
また、c相の出力巻線10(c)は、各ティース2に形成された出力コイル6(1、1)、6(2、1)、・・・6(12、1)を周方向に直列に接続して形成されている。
なお、図中では、出力コイル6(1、1)、6(2、1)、・・・6(12、1)とは表示せず、出力コイル6として示している。
励磁巻線9および出力巻線10を形成する各々の励磁コイル5および出力コイル6の導線の巻数の例を図3に示す。
図3において、巻数が負のときは、巻き方向が逆方向であることを示す。
以下、上記構成のバリアブルリラクタンス型角度検出器1についての動作を説明する。
励磁巻線9に正弦波電圧が印加されると、励磁巻線9に正弦波電流が流れる。励磁巻線9に電流が流れることにより、ティース2に磁束が発生する。
ここで、固定子3のティース2と回転子4とのギャップパーミアンスにより、各ティース2の磁束密度が決まり、出力巻線10には、各ティース2に巻かれた出力コイル6に鎖交する磁束の合成値として出力電圧が表れる。
回転子4の回転位置が変化すると、ギャップパーミアンスが変化するので、出力電圧振幅が変化する。したがって、この出力電圧振幅により、回転子4の角度を求めることができる。
ここで、励磁巻線9は、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8を並列接続して形成されているので、1つの励磁コイル群を励磁巻線9として使用するときよりも抵抗を小さくすることができる。
そのため、同じ電源電圧で大きな励磁電流を得ることができ、励磁電流が大きくなると、磁束を発生する起磁力も大きくなるため、出力巻線10の出力電圧も大きくなる。
この発明の実施の形態1に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器1によれば、第1の励磁コイル群7と第2の励磁コイル群8とを並列に接続して励磁巻線9を形成することにより、励磁巻線9の抵抗を小さくすることができる。
そのため、励磁電源電圧を上げることなく、出力巻線10の出力電圧を大きくすることができる。出力電圧が大きくなるので、ノイズの影響を低減することができる。
また、個々の励磁コイル5に流れる電流は変わらないので、励磁巻線9が過熱することを防止することもできる。
なお、上記の説明では、出力巻線10が2相の場合を示したが、ここで、3相の出力巻線10を有する場合、各出力コイル6の導線の巻数について、各々の相をu相、v相、w相とすると、各相のティース2(i)に巻回される導線の巻数ns(i)およびnc(i)は次式(3)から次式(5)で表すことができる。
Figure 0005350979
また、a相の出力巻線10を有する場合、出力コイル6(i、j)に巻回される導線の巻数は、相数aが偶数のときは次式(6)で、相数aが奇数のときは次式(7)で表すことができる。
Figure 0005350979
実施の形態2.
図4は、この発明の実施の形態2に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器1の構造図である。ここでは、ティース2数が12、回転子4の突極数が4の例を示す。
図5は、図4に示したコイルの接続状態を示す結線図である。ここで、各コイルの上下の向きは、巻方向の正逆に対応して示されている。
図4および図5において、各ティース2には、1個の励磁コイル5が形成されている。周方向に隣接する励磁コイル5どうしは、巻数が同じで巻方向が反対になるように導線が巻回されている。
第1の励磁コイル群7は、奇数番号のティース2(1)、2(3)、・・・2(11)に形成された励磁コイル5を周方向に直列に接続して形成されている。
また、第2の励磁コイル群8は、偶数番号のティース2(2)、2(4)、・・・2(12)に形成された励磁コイル5を周方向に直列に接続して形成されている。
そして、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8の巻き始めどうしが接続され、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8の巻き終わりどうしがそれぞれ接続されて、励磁コイル群が並列に接続された励磁巻線9を形成している。
出力巻線10は実施の形態1で示したものと同じであるので、説明は省略する。
励磁巻線9および出力巻線10を形成する各々の励磁コイル5および出力コイル6の導線の巻数の例を図6に示す。
ここで、巻数が負のときは、巻き方向が逆方向であることを示し、−のみ表示されている箇所は、そのティース2に励磁コイル5が形成されていないことを示す。
以下、上記構成のバリアブルリラクタンス型角度検出器1についての動作を説明する。
励磁巻線9は、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8を並列接続して形成されているので、1つの励磁コイル群を励磁巻線9として使用するときと比べて、直列接続する励磁コイル5の数が半分になり、抵抗を小さくすることができる。
そのため、同じ電源電圧で大きな励磁電流を得ることができ、励磁電流が大きくなると、磁束を発生する起磁力も大きくなるため、出力巻線10の出力電圧も大きくなる。
また、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8を構成する各励磁コイル5は、互いに異なるティース2に形成され、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8が並列に接続されてループを形成している。
そのため、励磁巻線9の径方向に磁束の変動等が生じた場合、励磁巻線9には、その磁束の変動を打ち消す方向に循環電流が流れる。
この発明の実施の形態2に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器1によれば、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8を構成する各励磁コイル5は、互いに異なるティース2に形成され、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8が並列に接続されてループを形成している。
そのため、励磁巻線9を径方向に貫く、例えばインバータのスイッチング等による高周波の磁束変動等に対して、励磁巻線9には、その磁束変動を打ち消す方向に循環電流が流れるので、出力巻線10に鎖交するこの磁束変動の影響を低減することができ、精度の高い角度検出をすることができる。
なお、上記の説明では、周方向に隣接する励磁コイル5どうしは、巻数が同じで巻方向が反対になるように導線が巻回されており、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8の巻き始めどうしが接続され、第1の励磁コイル群7および第2の励磁コイル群8の巻き終わりどうしがそれぞれ接続されて、励磁コイル群が並列に接続された励磁巻線9を形成している。
しかし、全ての励磁コイル5の導線を同方向に巻回し、第1の励磁コイル群7の巻き始めと第2の励磁コイル群8の巻き終わりとを接続し、かつ第2の励磁コイル群8の巻き始めと第1の励磁コイル群8の巻き終わりとを接続して、励磁コイル群が並列に接続された励磁巻線9を形成してもよい。
この場合の、バリアブルリラクタンス型角度検出器1の構造図および各コイルの接続状態を示す結線図を、図7および図8に示す。
また、以下に実際の励磁巻線9の形成方法を具体的に示す。
まず、ティース2(1)に導線を40回巻回する。次に、ティース2(3)に導線を40回巻回する。同様に1ティース2おきにティース2(11)まで40回ずつ導線を巻回する。
続いて、この導線をそのままティース2(2)まで移動し、ティース2(2)に同じ方向に導線を40回巻回する。次にティース2(4)4に導線を40回同じ方向に巻回する。同様に1ティース2おきにティース2(12)まで40回ずつ導線を巻回する。
このように形成した励磁巻線9でも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、各励磁コイル5の導線を同じ巻方向にすることができるので、工作性を向上させることができる。
実施の形態3.
図9は、この発明の実施の形態3に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器1の構造図である。ここでは、ティース2数が12、回転子4の突極数が4の例を示す。
図10は、図9に示したコイルの接続状態を示す結線図である。ここで、各コイルの上下の向きは、巻方向の正逆に対応して示されている。
図9および図10において、励磁巻線9は、実施の形態2と同様の構成であるので、説明は省略する。
各相の出力巻線10は、実施の形態2に示した出力コイル6と導線の巻数が等しい出力コイル6を形成し、実施の形態2で説明した励磁巻線9の接続と同様に、奇数番号のティース2に形成された出力コイル6を直列に接続した第1の出力コイル群11と、偶数番号のティース2に形成された出力コイル6を直列に接続した第2の出力コイル群12とを並列に接続して、出力巻線10を形成している。
ここで、s相の出力巻線10について説明する。
ここで、出力巻線10(q)を構成する第1の出力コイル群11および第2の出力コイル群12を、第1の出力コイル群11(q)および第2の出力コイル群12(q)と表す。
第1の出力コイル群11(1)は、奇数番号のティース2(1)、2(3)、・・・2(11)に形成された出力コイル6を周方向に直列に接続して形成されている。
また、第2の出力コイル群12(1)は、偶数番号のティース2(2)、2(4)、・・・2(12)に形成された出力コイル6を周方向に直列に接続して形成されている。
そして、第1の出力コイル群11(1)および第2の出力コイル群12(1)の巻き始めどうしが接続され、第1の出力コイル群11(1)および第2の出力コイル群12(1)がそれぞれ接続されて、出力コイル群が並列に接続された出力巻線10を形成している。
励磁巻線9および出力巻線10を形成する各々の励磁コイル5および出力コイル6の導線の巻数の例を図11に示す。
ここで、巻数が負のときは、巻き方向が逆方向であることを示す。−のみ表示されている箇所は、そのティース2に励磁コイル5あるいは出力コイル6が形成されていないことを示す。
以下、上記構成のバリアブルリラクタンス型角度検出器1についての動作を説明する。
第1の出力コイル群11(1)および第2の出力コイル群12(1)を構成する各出力コイル6は、互いに異なるティース2に形成され、第1の出力コイル群11(1)および第2の出力コイル群12(1)が並列に接続されてループを形成している。
そのため、出力巻線10の径方向に磁束の変動等が生じた場合、出力巻線10には、その磁束の変動を打ち消す方向に循環電流が流れる。
この発明の実施の形態3に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器1によれば、第1の出力コイル群11および第2の出力コイル群12を構成する各出力コイル6は、互いに異なるティース2に形成され、第1の出力コイル群11および第2の出力コイル群12が並列に接続されてループを形成している。
そのため、出力巻線10を径方向に貫く、例えばインバータのスイッチング等による高周波の磁束変動等に対して、出力巻線10には、その磁束変動を打ち消す方向に循環電流が流れるので、出力巻線10に鎖交するこの磁束変動の影響を低減することができ、精度の高い角度検出をすることができる。
なお、上記の説明では、第1の出力コイル群11(1)構成する各々の出力コイル6には、巻方向がそれぞれ反対方向になるものが含まれているが、実施の形態2で示したものと同様に、全ての出力コイル6の導線を同方向に巻回し、第1の出力コイル群11(1)の巻き始めと第2の出力コイル群12(1)の巻き終わりとを接続し、かつ第2の出力コイル群12(1)の巻き始めと第1の出力コイル群11(1)の巻き終わりとを接続して、出力コイル群が並列に接続された出力巻線10を形成してもよい。
この場合の、バリアブルリラクタンス型角度検出器1の、各コイルの接続状態を示す結線図を図12に示す。ここで、各コイルの上下の向きは、巻方向の正逆に対応して示されている。
また、励磁巻線9および出力巻線10を形成する各々の励磁コイル5および出力コイル6の導線の巻数の例を図13に示す。ここで、巻数が負のときは、巻き方向が逆方向であることを示す。−のみ表示されている箇所は、そのティース2に励磁コイル5あるいは出力コイル6が形成されていないことを示す。
このように形成した出力巻線10でも、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、各出力コイル6の導線を同じ方向に巻回することができるので、工作性を向上させることができる。
実施の形態4.
図14は、この発明の実施の形態4に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器1の、コイルの接続状態を示す結線図である。
ここで、励磁巻線9は、各ティース2に出力巻線10の線径より大きい導線で巻回された出力コイル6を直列に接続して形成されている。
出力巻線10は、実施の形態1で示したものと同じものでよい。
ここで、励磁巻線9は、線径の大きい導線で形成されているので、断面積が大きくなり、抵抗を小さくすることができる。
そのため、同じ電源電圧で大きな励磁電流を得ることができ、励磁電流が大きくなると、磁束を発生する起磁力も大きくなるため、出力巻線10の出力電圧も大きくなる。
この発明の実施の形態4に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器1によれば、励磁巻線9を、線径の大きい導線で形成したことにより、抵抗が小さくなるので、同じ励磁電圧でも励磁電流が増え、出力電圧を増加させることができる。
また、出力巻線10の線径が小さいため充分な巻線スペースを得ることができる。
実施の形態5.
図15は、この発明の実施の形態5に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器1のコイルの接続状態を示す結線図である。
周方向に隣接する励磁コイル5どうしは、巻数が同じで巻方向が反対になるように導線が巻回されており、全ての励磁コイル5が直列に接続されて励磁巻線10が形成されている。
出力巻線10は、実施の形態1と同様であるので、説明は省略する。
また、各ティース2には、互いに同じ巻方向に導線が巻回された短絡コイル13が形成されている。
ここで、ティース2に形成された短絡コイル13と、その短絡コイル13に対して、回転子4の軸点を中心点とした点対称にあるティース2に形成された短絡コイル13とを接続して、短絡巻線14が6個形成されている。
以下に、第r番目の短絡巻線14を短絡巻線14(r)と表し、短絡巻線14(1)の形成方法を具体的に示す。
まず、ティース2(1)に10回正方向に導線を巻回して短絡コイル13を形成する。
続いて、この導線をそのまま回転子4の軸点を中心点とした点対称にあるティース2(7)まで移動し、ティース2(7)に10回逆方向に導線を巻回して短絡コイル13を形成14する。
そして、導線の巻き始めと巻き終わりとを接続して短絡巻線14(1)を形成している。
短絡巻線14(2)以下は、短絡巻線14(1)と同様に、それぞれ点対称の位置にあるティース2に同じ巻数で巻方向が反対になるように導線が巻回された短絡コイル13どうしを接続して形成されている。
励磁巻線9、出力巻線10および短絡巻線14を形成する各々の励磁コイル5、出力コイル6および短絡コイル13の導線の巻数の例を図16に示す。ここで、巻数が負のときは、巻き方向が逆方向であることを示す。−のみ表示されている箇所は、そのティース2に短絡コイル13が形成されていないことを示す。
以下、上記構成のバリアブルリラクタンス型角度検出器1についての動作を説明する。
ここで、ティース2(p)に形成された短絡コイル13を、短絡コイル13(p)と表す。
短絡巻線14(1)は、短絡コイル13(1)と短絡コイル13(7)の導線の巻方向が互いに逆になるように巻回されている。
したがって、励磁巻線9に電流が流れた場合、励磁コイル5(1、1)は正方向に導線が巻回されており、励磁コイル5(7、1)も正方向に導線が巻回されているので、短絡コイル13(1)と、短絡コイル13(7)とでは起電力が逆になり、短絡電流は流れない。
ここで、固定子3と回転子4との間のエアギャップが不均一になった場合、例えば、固定子3または回転子4の偏芯が生じ、ティース2(1)と回転子4とのエアギャップが小さくなり、ティース2(7)と回転子4とのエアギャップが広くなった場合、ティース2(1)とティース2(7)とでは同じ大きさの励磁電流が流れているため、エアギャップが小さいティース2(1)の磁束密度が大きくなる。
その結果、短絡巻線14(1)の短絡コイル13(1)の起電力が短絡巻線14(1)の短絡コイル13(7)の起電力よりも大きくなる。したがって、短絡コイル13(1)には、ティース2(1)の磁束を打ち消す方向に短絡電流が流れると共に、短絡コイル13(7)には、ティース2(7)の磁束を増加させる方向に短絡電流が流れる。
また、励磁巻線9の径方向に磁束の変動等が生じた場合にも、その磁束の変動を打ち消す方向に並列接続された短絡巻線14に循環電流が流れる。
また、第2の短絡巻線14から第6の短絡巻線14の動作についても同様である。
この発明の実施の形態5に係るバリアブルリラクタンス型角度検出器1によれば、ティース2を径方向に貫く磁束、例えば、ティース2(1)から、ティース2(7)へ貫く磁束があった場合、短絡コイル13(1)と短絡コイル13(7)との起電力の方向が一致し、この磁束を低減する向きに短絡コイル13に短絡電流が流れる。
そのため、この磁束を弱めることにより出力コイル6へのノイズの影響を低減できるので、精度の高い角度検出をすることができる。
なお、この実施の形態では、短絡巻線14は、互いに向かい合う位置にあるティース2の短絡コイル13を接続して形成されているが、他の接続方法であってもよい。
他の短絡コイル13の接続状態を示す結線図を図17に示す。
また、励磁巻線9、出力巻線10および短絡巻線14を形成する各々の励磁コイル5、出力コイル6および短絡コイル13の導線の巻数の例を図18に示す。
このように形成した短絡コイル13は、短絡巻線14の接続数が減るので短絡巻線14を6個形成したものに比べて工作性がよい。
なお、励磁巻線9、信号巻線、短絡巻線14の導線の巻数、巻方向については、その一例を示したものであり、上記実施例に示したものに限定されるものではない。
また、上記の説明では、回転子4は固定子3の内側にあるものとして説明したが、ティース2を有する固定子3が内側にあり、回転子4が外側にあってもよい。
1 バリアブルリラクタンス型角度検出器、2 ティース、3 固定子、4 回転子、5 励磁コイル、6 出力コイル、7 励磁コイル群、8 励磁コイル群、9 励磁巻線、10 出力巻線、11 出力コイル群、12 出力コイル群、13 短絡コイル、14 短絡巻線。

Claims (8)

  1. 内向して周方向に互いに間隔をおいて形成された複数個のティースを有するとともに前記ティースにそれぞれ導線を巻回して形成された、電源により励磁される励磁コイルおよび磁束密度の変化を電圧として出力するa相分(aは整数)の出力コイルを有する固定子と、
    前記固定子との間のギャップパーミアンスが正弦波状に変化する形状である鉄心で構成された回転子と
    を備え、
    互いに異なる前記ティースに形成された全ての出力コイルのうち、奇数番号の前記ティースに形成された前記出力コイルを直列に接続して形成された第1の出力コイル群と、偶数番号の前記ティースに形成された前記出力コイルを直列に接続して形成された第2の出力コイル群とを並列に接続して出力巻線を形成したこと
    を特徴とするバリアブルリラクタンス型角度検出器。
  2. 前記第1の出力コイル群は、周方向に沿って前記ティースの1つおきに前記出力コイルを接続して形成され、前記第2の出力コイル群は、残りの前記ティースの前記出力コイルを接続して形成されたことを特徴とする請求項1に記載のバリアブルリラクタンス型角度検出器。
  3. 互いに異なる前記ティースに形成された前記励磁コイルを周方向に直列に接続して複数個の励磁コイル群を形成し、さらに、前記励磁コイル群どうしは並列に接続されて励磁巻線を形成する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバリアブルリラクタンス型角度検出器。
  4. それぞれの前記励磁コイル群を構成する各前記励磁コイルは、互いに異なる前記ティースに形成されたことを特徴とする請求項3に記載のバリアブルリラクタンス型角度検出器。
  5. 前記励磁巻線は、前記ティースに設けられた全てのうちの半数の前記励磁コイルを接続して形成された第1の励磁コイル群と、残り半数の前記励磁コイルを接続して形成された第2の励磁コイル群とを接続して形成されたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のバリアブルリラクタンス型角度検出器。
  6. 前記第1の励磁コイル群は、周方向に沿って前記ティースの1つおきの前記励磁コイルを接続して形成され、前記第2の励磁コイル群は、残りの前記ティースの前記励磁コイルを接続して形成されたことを特徴とする請求項5に記載のバリアブルリラクタンス型角度検出器。
  7. 内向して周方向に互いに間隔をおいて形成された複数個のティースを有するとともに前記ティースにそれぞれ導線を巻回して形成された、電源により励磁される励磁コイル、磁束密度の変化を電圧として出力するa相分(aは整数)の出力コイルおよび磁束密度の変化を打ち消す方向に起電力を生じる短絡コイルを有する固定子と、
    前記固定子との間のギャップパーミアンスが正弦波状に変化する形状である鉄心で構成された回転子と
    を備え、
    前記固定子は、前記短絡コイルどうしを直列環状に接続して形成した短絡巻線を少なくとも1つ有することを特徴とするバリアブルリラクタンス型角度検出器。
  8. 各前記短絡巻線は、前記回転子の軸点を中心点とした点対称の位置関係にある前記ティースに形成された前記短絡コイルどうしを接続して形成されたことを特徴とする請求項7に記載のバリアブルリラクタンス型角度検出器。
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