JP5350907B2 - ウォーターポンプ制御装置 - Google Patents
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Description
このようなEGR装置において、高温の排気ガスをそのまま吸気管路に導入すると、エンジンの吸気温度が高くなり、体積効率の低下による燃費の悪化や、燃焼温度の上昇によるNOx発生量の増加の原因となる。
このため、EGR装置には、EGRガスを冷却するEGRクーラを設けることが一般的である。
冷却されたEGRガスは吸入空気と混合されることによって、燃焼温度を下げることができるので、NOx排出量を低減できるとともに、燃費の悪化を防止することができる。
これに対し、ウォーターポンプとエンジンとの間にクラッチを設けたり、ウォーターポンプを電動モータで駆動することによって、ウォーターポンプを間歇的に駆動可能とすることが提案されている。このようなウォーターポンプの駆動制御は、例えば、冷却水温が所定の上限値に達したときにウォーターポンプをオンし、所定の水温低下が検出されたときにオフすることが行われる。しかし、このような間歇的な駆動を行った場合であっても、ウォーターポンプがオンされている間はエンジンの補機駆動損失が増大してしまう。
本発明の課題は、冷却性能を確保しつつウォーターポンプ駆動損失を低減したウォーターポンプ制御装置を提供することである。
請求項1の発明は、エンジンの冷却水を循環させるウォーターポンプの駆動制御を行うウォーターポンプ制御装置であって、現在の前記冷却水の温度を検出する冷却水温検出手段と、所定の目標水温を設定する目標水温設定手段と、車両の減速状態を判定する減速状態判定手段とを備え、前記冷却水の水温と前記目標水温との差が所定以上でありかつ前記車両の減速状態が判定された場合に前記ウォーターポンプを所定の駆動時間にわたって駆動しその後停止し、前記駆動時間は、前記ウォーターポンプの駆動開始前における前記冷却水の水温の上昇速度の増大に応じて長く設定されることを特徴とするウォーターポンプ制御装置である。
請求項3の発明は、前記ウォーターポンプの駆動開始から前記冷却水の水温が前記目標水温に達するまでの時間の増加に応じて、次回以降駆動時における前記冷却水の水温の上昇速度と前記駆動時間との相関を前記駆動時間が長くなるように補正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウォーターポンプ制御装置である。
(1)車両の加速時、定速走行時、アイドリング時等にウォーターポンプを駆動する場合にはウォーターポンプの駆動損失に相当する分だけエンジン出力を増加させる必要があり、エンジンの燃料消費率が悪化するが、本発明においては冷却水の水温と目標水温との差が所定以上でありかつ車両の減速状態が判定された場合にウォーターポンプを駆動することによって、車両の運動エネルギーを用いてエンジンの燃料消費率を悪化させることなくウォーターポンプを駆動することができ、冷却性能を確保しつつウォーターポンプ駆動損失を低減することができる。
(2)ウォーターポンプの駆動時間を駆動開始前における冷却水の水温の上昇速度(温度勾配)の増大に応じて長く設定することによって、現在のエンジンの運転負荷が継続した場合に最低限必要な駆動時間を設定することができ、ウォーターポンプの駆動頻度を低減して駆動損失を低減しつつ良好な水温制御を行うことができる。
(3)ウォーターポンプの駆動中における冷却水の水温の下降速度に基づいてウォーターポンプの次回以降駆動時における駆動時間及び駆動回数を設定し、水温の下降速度をフィードフォワードすることによって、例えば連続したスポーツ走行や連続した市街地走行等のように運転条件が大きく異なる場合であっても、冷却水の過度に頻繁な温度変化を抑制してエンジンの過剰な熱負荷を防止することができる。
(4)ウォーターポンプの駆動開始から冷却水の水温が目標水温に達するまでの時間の増加に応じて、次回以降駆動時における冷却水の水温の上昇速度と駆動時間との相関を駆動時間が長くなるように補正することによって、より適切なウォーターポンプの駆動時間を設定することができる。
図1は、実施例のウォーターポンプ制御装置を含む車両用ディーゼルエンジンのシステム構成を示す図である。
エンジン10は、ターボチャージャ20、インテークシステム30、エキゾーストシステム40、燃料供給装置50、EGR装置60、酸化触媒(DOC)70、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)80、エンジン制御ユニット(ECU100)等を備えて構成されている。
エンジン10は、クランクシャフト11、ピストン12、シリンダブロック13、ヘッド14、燃焼室15、グロープラグ16、グローコントローラ17等を備えて構成されている。
クランクシャフト11は、エンジン10の出力軸である。
ピストン12は、シリンダ内を往復運動し、コンロッドを介して燃焼圧力をクランクシャフト11に伝達する部材である。
シリンダブロック13は、ピストン12が収容されるシリンダ部及びクランクシャフト11が回転可能に支持されるクランクケース部を一体に形成したものである。
ヘッド14は、シリンダブロック13のピストン12の冠側の端部に設けられ、吸気ポート、排気ポート及びこれらに設けられた吸気バルブ及び排気バルブを開閉する動弁駆動機構等を備えている。
燃焼室15は、ピストン12の冠面とヘッド14のこれに対向する部分との間に形成されている。
グロープラグ16は、先端部が燃焼室15内に露出した状態でヘッド14に設けられた予備加熱装置である。
グローコントローラ17は、ECU100の制御に応じてグロープラグ16への通電量を制御するものである。
ターボチャージャ20は、コンプレッサ21、タービン22、アクチュエータ23、負圧制御弁24等を備えている。
コンプレッサ21は、燃焼用空気を圧縮する遠心型圧縮機である。
タービン22は、コンプレッサ21と同軸に設けられ、エンジン10の排ガスによって駆動されるとともに、コンプレッサ21を駆動するものである。タービン22は、タービンホイールの周囲のノズルに設けられる可動式のべーンによってジオメトリを連続的に変更可能な可変ジオメトリ式のものである。
アクチュエータ23は、タービン22の可動ベーンを駆動する負圧式のアクチュエータである。
負圧制御弁24は、図示しない負圧源からの負圧を、ECU100の制御に従ってアクチュエータ23に導入する電磁弁である。
インテークシステム30は、インテークダクト31、エアクリーナ32、エアフローメータ33、インタークーラ34、スロットルバルブ35、アクチュエータ36、インテークチャンバ37、吸気圧センサ38、インテークマニホールド39等を備えて構成されている。
エアクリーナ32は、空気を濾過して埃等を除去するフィルタエレメントを備えている。エアクリーナ32を通過した空気はターボチャージャ20のコンプレッサ21に導入され、圧縮される。
エアフローメータ33は、エアクリーナ32の出口部に設けられ、空気流量を検出するセンサを備えている。また、エアフローメータ33には、吸気温度を検出する吸気温度センサが内蔵されている。
スロットルバルブ35は、インタークーラ34の下流側に設けられ、エンジン10の吸入空気量を調節するものである。
アクチュエータ36は、ECU100からの制御信号に応じてスロットルバルブ35を開閉駆動するものである。
インテークチャンバ37は、スロットルバルブ35を通過した空気が導入される空気室であって、インテークマニホールド39を介してエンジン10の吸気ポートに接続されている。
吸気圧センサ38は、インテークチャンバ37に設けられ、エンジン10の吸気圧力と実質的に等しいインテークチャンバ37内の圧力を検出するものである。
インテークマニホールド39は、インテークチャンバ37からエンジン10の各気筒の吸気ポートに空気を導入する分岐管路である。
エキゾーストマニホールド41は、エンジン10の各気筒の排気ポートから排出される排ガスを集合させてターボチャージャ20のタービン22に導入する管路である。
エキゾーストパイプ42は、タービン22から出た排気を車外に排出する管路である。エキゾーストパイプ42には、DOC70、DPF80等の排ガス後処理装置が設けられている。
吸入調量電磁弁52は、サプライポンプ51の燃料の吸入量を調整するものであって、ECU100からの制御信号に応じて駆動される。
燃料温度センサ53は、サプライポンプ51における燃料の温度を検出するものである。
燃圧センサ55は、コモンレール54内の燃料の圧力(燃圧)を検出するものである。上述した吸入調量電磁弁52は、燃圧センサ55の出力を用いたフィードバック制御により、燃圧が例えばエンジン回転数及び負荷に応じて設定される所定の目標値となるようにその開度を調節される。
インジェクタ56は、コモンレール54から供給される燃料を各気筒の燃焼室15内に噴射するものである。インジェクタ56は、例えばピエゾ素子やソレノイド等のアクチュエータによって開閉される弁体を有し、ECU100からの噴射パルス信号に応じて開弁される。インジェクタ56の噴射タイミング及び噴射量はECU100によって制御されている。
EGR装置60は、EGR通路61、EGR制御弁62、EGRクーラ63等を備えて構成されている。
EGR通路61は、エキゾーストマニホールド41からインテークダクト31に排ガスを導入する管路である。
EGR制御弁62は、ECU100の制御に応じてEGR通路61の排ガス流量(EGR量)を調節するものである。
EGRクーラ63は、EGR通路61を流れる排ガス(EGRガス)を、ウォーターポンプWが吐出する冷却水との熱交換によって冷却するものである。
なお、EGRクーラ63で用いられる冷却水は、エンジン10の冷却水と共通となっており、ウォーターポンプWから吐出された冷却水は、EGRクーラ63及びエンジン10内の図示しない冷却水路内を循環し、図示しないラジエータにおいて走行風との熱交換によって冷却されるようになっている。
ウォーターポンプWは、エンジン10によって図示しないクラッチ装置を介して駆動され、冷却水を循環させる必要がない場合にはクラッチを切断することによって停止することができる。クラッチの接続、切断(ウォーターポンプWのオンオフ)は、ECU100によって制御されている。この点については後に詳しく説明する。
また、EGRクーラ63は、その出口部における冷却水温を検出する図示しない水温センサを備えている。
DOC70には、入口部分の排ガス温度を検出する温度センサ71が設けられている。
フィルタは、例えば、コーディエライト等の耐熱性セラミックスをハニカム構造に形成し、ガス流路となる多数のセルを、入口側、出口側が互い違いとなるように端面に封をして形成されたいわゆるウォールフロータイプのものである。
DPF80は、入口圧力と出口圧力との間の差圧を検出する差圧センサ81、及び、出口の排ガス温度を検出する温度センサ82を備えている。
ECU100には、上述した各種センサのほか、アクセルペダルセンサ101、大気圧センサ102の出力が入力される。
アクセルペダルセンサ101は、ドライバが操作するアクセルペダルのポジションを検出することによって、ドライバ要求トルクを検出する要求トルク検出手段である。
大気圧センサ102は、車両の周囲雰囲気における大気圧を検出するものである。
ECU100は、アクセルペダルセンサ101の出力に応じて設定される要求トルクに応じて、スロットルバルブ35の開度、燃料供給装置50の燃料噴射量及び時期、燃圧等を制御する。
以下、本実施例におけるウォーターポンプ制御について説明する。
図2は、ウォーターポンプ駆動制御を示すフローチャートである。以下、ステップ毎に順を追って説明する。
ECU100は、EGRクーラ63の水温センサの出力に基づいて、現在の冷却水の水温を検出する。また、ECU100は、後述する減速時ウォーターポンプ駆動ロジックにおける駆動時間設定に用いるため、水温の履歴を所定期間にわたって保持する。
その後、ステップS02に進む。
ECU100は、ステップS01において取得した現在の水温を予め設定された設定温度と比較し、現在の水温が設定温度以上である場合にはステップS07に進み、現在の水温が設定温度未満である場合にはステップS03に進む。
ECU100は、現在の水温から目標水温を減じた差分値を、予め設定された所定値と比較する。ここで、目標水温は、エンジン始動後からウォーターポンプを常時駆動した場合に想定される仮想の水温であって、当初は雰囲気温度と略等しく、エンジン始動からの経過時間に応じて増加し、最終的には設定温度近傍に収束する。
また、所定値は、例えば個々のエンジンの機種に応じて適宜設定され、一例として5〜10℃程度に設定することができる。
そして、差分値が所定値以上である場合はステップS04に進み、所定値未満である場合はステップS10に進む。
ECU100は、現在車両が加速中であるか判断する。加速状態の判定は、例えば、車速の推移やエンジン10の燃料噴射量等の運転状態、ドライバからの加速要求等に基づいて行うことができる。
そして、車両が加速中である場合はステップS05に進み、その他の場合(例えばアイドリング中など)はステップS06に進む。
ECU100は、現在の水温が予め設定された加速中ウォーターポンプ駆動条件を充足しているか判断し、充足する場合はステップS07に進み、充足しない場合はステップS08に進む。
加速中ウォーターポンプ駆動条件は、例えば水温が所定の閾値以上となったときに充足したものと判定されるようにすることができる。
ECU100は、現在車両が減速中であるか判断する。減速状態の判定は、例えば、エンジン10への燃料供給が停止される所定の燃料カット条件の充足に基づいて行うことができる。この場合エンジンが車両の運動エネルギーによって回転させられ、いわゆるエンジンブレーキが作用する状態となっている。
そして、車両が減速中である場合はステップS09に進み、その他の場合(例えばアイドリング時等)はステップS08に進む。
ECU100は、ウォーターポンプWを常時駆動するとともに、ウォーターポンプWの回転数がエンジン10の回転数に応じてリニアに増加する通常制御を実行する。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
ECU100は、ウォーターポンプWのクラッチを切断してウォーターポンプWを停止し、一連の処理を終了(リターン)する。
ECU100は、所定の駆動時間及び所定の回数にわたってウォーターポンプWを駆動し、その後停止する減速時ウォーターポンプ駆動ロジックを実行する。駆動時間及び駆動回数の設定については後に詳しく説明する。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
ECU100は、ウォーターポンプWのクラッチを切断してウォーターポンプWを停止し、一連の処理を終了(リターン)する。
図4は、車両の車速及びエンジン冷却水温の推移を示すグラフである。図4において、横軸は時間を示し、縦軸は車速及び水温を示している。図4において、実際の冷却水温(水温センサ検出値)を実線、ウォーターポンプWのオン判定が成立した際の水温を点線、目標水温を一点鎖線、車速を二点鎖線でそれぞれ図示している。
以下、図3のステップ毎に順を追って説明する。
ECU100は、上述したステップS05において、ステップS08の減速時ウォーターポンプ駆動ロジックの実行が決定した直前の所定の期間内における単位時間あたりの水温上昇率(温度勾配)を算出する。
その後、ステップS12に進む。
ECU100は、ステップS11において求めた温度勾配を予め設定された所定値C1と比較する。
そして、温度勾配が所定値C1以上である場合はステップS14に進み、C1未満である場合はステップS13に進む。
ECU100は、ステップS11において求めた温度勾配を予め設定された所定値C2(C2<C1)と比較する。
そして、温度勾配が所定値C2以下である場合はステップS15に進み、C2超である場合はステップS16に進む。
ECU100は、ウォーターポンプ駆動時間を予め設定された所定値であるTaに設定する。
その後、ステップS17に進む。
ECU100は、ウォーターポンプ駆動時間を予め設定された所定値であるTb(Ta>Tb)に設定する。
その後、ステップS17に進む。
ECU100は、ウォーターポンプ駆動時間を予め設定された所定値であるTc(Ta>Tc>Tb)に設定する。
その後、ステップS17に進む。
ECU100は、前回ウォーターポンプWを駆動した際における駆動開始から冷却水の水温が目標水温に到達するまでの目標水温到達時間を算出する。
その後、ステップS18に進む。
ECU100は、目標水温到達時間が30秒以下である場合はステップS20に進み、目標水温到達時間が30秒超である場合はステップS19に進む。
ECU100は、目標水温到達時間が60秒以下である場合はステップS21に進み、目標水温到達時間が60秒超である場合はステップS22に進む。
ECU100は、上述したステップS14〜ステップS16で設定したウォーターポンプ駆動時間Ta,Tb,Tcを、そのままウォーターポンプ駆動時間として1回の駆動を行うことを決定し、ウォーターポンプWの駆動を開始する。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
ECU100は、ステップS15,S16においてウォーターポンプ駆動時間がTb,Tcに設定されている場合には、安全面を考慮してそれぞれ1ランク上のウォーターポンプ駆動時間Tc,Taとして、所定回数(例えば3回)の駆動を行うことを決定し、ウォーターポンプWの駆動を開始する。
また、ECU100は、ステップS14においてウォーターポンプ駆動時間がTaに設定されている場合には、ウォーターポンプWを常時駆動する通常制御への移行を決定し、ウォーターポンプWの駆動を開始する。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
ECU100は、ステップS15においてウォーターポンプ駆動時間がTbに設定されている場合には、安全面を考慮して2ランク上のウォーターポンプ駆動時間Taとして、所定回数(例えば3回)の駆動を行うことを決定し、ウォーターポンプWの駆動を開始する。
また、ECU100は、ステップS14,S16においてウォーターポンプ駆動時間がTa,Tcに設定されている場合には、ウォーターポンプWを常時駆動する通常制御への移行を決定し、ウォーターポンプWの駆動を開始する。
その後、一連の処理を終了(リターン)する。
(1)冷却水の水温と目標水温との差が所定値以上でありかつ車両の減速状態が判定された場合に、ウォーターポンプWを所定の駆動時間にわたって駆動することによって、車両の運動エネルギーを用いてエンジン10の燃料消費率を悪化させることなくウォーターポンプWを駆動することができ、冷却性能を確保しつつウォーターポンプ駆動損失を低減することができる。
(2)ウォーターポンプWの駆動時間を減速時ウォーターポンプ駆動ロジックの実行決定直前における冷却水の温度勾配増加に応じて長くなるように複数段階に設定することによって、現在のエンジン10の運転負荷が継続した場合に最低限必要な駆動時間Ta,Tb,Tcを設定することができ、ウォーターポンプWの駆動頻度を低減して駆動損失を低減しつつ良好な水温制御を行うことができる。
(3)前回駆動時における目標水温到達時間の増加に応じて、その後の駆動時における冷却水の水温の上昇速度と駆動時間との相関を駆動時間が長くなるように補正することによって、例えば連続したスポーツ走行や連続した市街地走行等のように運転条件が大きく異なる場合であっても、冷却水の過度に頻繁な温度変化を抑制してエンジンの過剰な熱負荷を防止することができる。
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)ウォーターポンプ制御装置によって制御されるウォーターポンプ及びこれによって冷却水を循環されるエンジン等の構成は上述した実施例の構成に限らず適宜変更することができる。例えば、実施例のウォーターポンプはエンジンにより駆動されるとともにクラッチ装置の接続、切断によって駆動、非駆動を切り替えているが、これに限らず、例えば、電動モータにより駆動されるとともに、電動モータのオンオフによって駆動、非駆動を切り替えてもよい。
(2)実施例において、エンジンは例えばディーゼルエンジンであるが、本発明はこれに限らず、例えばガソリン等を燃料とした火花点火機関やHCCIエンジン等他の内燃機関にも適用することができる。また、ウォーターポンプはEGRクーラに冷却水を循環させるものに限定されず、エンジンのみあるいはエンジン及び他の冷却対象物に冷却水を循環させるものとすることができる。
(3)実施例において、減速状態は例えばエンジンの燃料カット条件の充足に基づいて判定しているが、減速状態の判定手法はこれに限らず、例えば、ドライバからのアクセルペダル全戻し、ブレーキング等の減速操作や、その他の車両の運転状態に基づいて判定してもよい。
12 ピストン 13 シリンダブロック
14 ヘッド 15 燃焼室
16 グロープラグ 17 グローコントローラ
20 ターボチャージャ 21 コンプレッサ
22 タービン 23 アクチュエータ
24 負圧制御弁
30 インテークシステム 31 インテークダクト
32 エアクリーナ 33 エアフローメータ
34 インタークーラ 35 スロットルバルブ
36 アクチュエータ 37 インテークチャンバ
38 吸気圧センサ 39 インテークマニホールド
40 エキゾーストシステム 41 エキゾーストマニホールド
42 エキゾーストパイプ
50 燃料供給装置 51 サプライポンプ
52 吸入調量電磁弁 53 燃料温度センサ
54 コモンレール 55 燃圧センサ
56 インジェクタ
60 EGR装置 61 EGR通路
62 EGR制御弁 63 EGRクーラ
W ウォーターポンプ
70 酸化触媒(DOC) 71 温度センサ
80 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)
81 差圧センサ 82 温度センサ
100 エンジン制御ユニット(ECU)
101 アクセルペダルセンサ 102 大気圧センサ
Claims (3)
- エンジンの冷却水を循環させるウォーターポンプの駆動制御を行うウォーターポンプ制御装置であって、
現在の前記冷却水の温度を検出する冷却水温検出手段と、
所定の目標水温を設定する目標水温設定手段と、
車両の減速状態を判定する減速状態判定手段とを備え、
前記冷却水の水温と前記目標水温との差が所定以上でありかつ前記車両の減速状態が判定された場合に前記ウォーターポンプを所定の駆動時間にわたって駆動しその後停止し、
前記駆動時間は、前記ウォーターポンプの駆動開始前における前記冷却水の水温の上昇速度の増大に応じて長く設定されること
を特徴とするウォーターポンプ制御装置。 - 前記ウォーターポンプの駆動中における前記冷却水の水温の下降速度に基づいて前記ウォーターポンプの次回以降駆動時における前記駆動時間及び駆動回数を設定すること
を特徴とする請求項1に記載のウォーターポンプ制御装置。 - 前記ウォーターポンプの駆動開始から前記冷却水の水温が前記目標水温に達するまでの時間の増加に応じて、次回以降駆動時における前記冷却水の水温の上昇速度と前記駆動時間との相関を前記駆動時間が長くなるように補正すること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウォーターポンプ制御装置。
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