JP5350744B2 - 太陽光発電集熱システム - Google Patents
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Description
この太陽光発電集熱システムは、屋根面に複数の太陽光発電モジュールが配設され、これら太陽光発電モジュールの上方に透光性部材が少なくとも前記太陽光発電モジュールの上方を覆うようにして設けられ、前記透光性部材と前記屋根面との間に、空気流通層が形成され、この空気流通層に、床下に配置されて熱を蓄える蓄熱手段に連結する伝熱手段が接続されているものである。
また、太陽光発電モジュールの上方に透光性部材が少なくとも太陽光発電モジュールの上方を覆うようにして設けられ、透光性部材と屋根面との間に空気流通層が形成され、さらに、空気流通層には床下の蓄熱手段に連結する伝熱手段が接続されているので、太陽熱が透光性部材を透光して空気流通層内の空気に伝達されることによって、その空気が加熱されて、さらに伝熱手段を介して蓄熱手段で蓄熱される。その結果、蓄熱手段に蓄熱された熱を床暖房に利用できるとともに、暖房機器等に使用される電力を削減することが可能となる。
したがって、このように発電と集熱とを同時に行うことができるため、太陽エネルギーの利用効率の向上を図ることができる。
前記シースルー型太陽光発電モジュール8と前記透明ガラスモジュール8aのうち、棟近傍に設置されるものは前記透明ガラスモジュール8aとされており、
前記空気流通層Sには、建物1内に配置されて熱を蓄える蓄熱手段12に連結する伝熱手段13が接続されており、
前記伝熱手段13は、前記屋根4の棟側において前記空気流通層Sに接続されていることを特徴とする。
したがって、シースルー型太陽光発電モジュール8の設置作業だけで、太陽光発電モジュール8の設置とともに、空気流通層Sを形成できる。したがって、施工が容易となるとともに、透光性部材が不要となるので、その分部品点数を軽減できる。
前記屋根面42には、屋根4の軒先から棟に向けて延在する支持レール10が棟方向に所定間隔で複数設けられ、これら支持レール10によって前記シースルー型太陽光発電モジュー8ルが支持されていることを特徴とする。
また、屋根4の軒先から棟に向けて延在する支持レール10が棟方向に所定間隔で複数設けられているので、伝熱手段13が屋根の棟側において空気流通層Sに接続されている場合に、空気流通層S内で加熱された空気が支持レール10の延在方向に沿ってスムーズに流れて、伝熱手段13に至る。
前記蓄熱手段12は、潜熱を利用して蓄熱する潜熱蓄熱材であり、所定間隔に複数段設けられていることを特徴とする。
図1は、本発明に係る太陽光発電集熱システムを備えた建物の外観斜視図、図2は図1におけるX−X断面図、図3は図1におけるY−Y断面図、図4は図3の要部拡大図、図5は床下構造を示す側断面図である。
図1に示す建物1は、基礎2上に構築された建物本体3と、この建物本体3の上に形成された屋根4とを備えたものである。屋根4は、複数の屋根パネル41が桁方向に配列されてなり、屋根パネル41は、図2に示すように框材を矩形枠状に組み立てるとともに、この矩形枠の内部に補強用の桟材を縦横に組み付けて枠体41aを構成し、枠体41aの上面に野地板等の面材41bが設けられてなる。そして、屋根パネル41が複数配列されることによって、棟5の両側に棟5から軒先に向かって下り勾配を有する屋根面42が形成されている。
シースルー型太陽光発電モジュール8は、矩形薄板状をなすものであり、単結晶シリコンのPVセルを強化ガラス(上面)と透明バックシート(下面)との間に、EVA樹脂を使って封入したものであり、PVセルとPVセルとの間に照射された太陽光が透明バックシートを透過することによって、採光性を確保するようになっている。
フレーム9は、屋根4の傾斜方向に沿って左右に配置される一対の縦枠部9Aと、これら縦枠部9Aの上下端部を接続し、かつ、屋根4の桁方向に沿って配置される上枠部9B及び下枠部9Cとを備えている。これら縦枠部9A、上枠部9B及び下枠部9Cによって太陽光発電モジュール8の防水及び補強がなされている。
支持レール10は、屋根面42に屋根4の軒先から棟に向けて延在する長尺なものであり、該支持レール10は、棟方向に所定間隔で複数設けられ、隣り合う支持レール10,10によって太陽光発電モジュール8が支持されている。
支持レール10は、図2に示すように、内部が中空で縦枠部9Aの固定片92Aを受けてビスB3で固定される縦枠受部101と、この縦枠受部101を支持し、屋根面42上にビスB4で固定される縦枠支持部102とを備えている。縦枠受部101の長手方向に沿った両端には、太陽光発電モジュール8及びカバー部材93Aとの間から万が一侵入してきた雨水等が屋根面42上に落ちることを防ぐ止水部103が形成されている。
すなわち、太陽光発電モジュール8には、その周縁部が縦枠部9A、上枠部9B及び下枠部9Cの一対の突出片91A、93B、95C内に嵌め込まれることによってフレーム9が取り付けられている。また、図2に示すように、屋根面42上には、支持レール10がその縦枠支持部102がビスB4で固定されることによって取り付けられており、この支持レール102に縦枠部9Aが支持されることによって太陽光発電モジュール8が取り付けられている。
具体的には、上下方向に互いに隣接する太陽光発電モジュール8は、図3及び図4に示すように、下方に配置される太陽光発電モジュール8の上枠部9Bと上方に配置される太陽光発電モジュール8の下枠部9Cとにおいて、下枠部9Cの鍔部92Cが上枠部9Bの枠本体91Bの上面に当接するとともに、上枠部9Bの当接片92Bが下枠部9Cの枠本体91Cの側面に当接することによって、互いに遊嵌している。
また、左右方向に互いに隣接する太陽光発電モジュール8は、右側に配置される太陽光発電モジュール8の縦枠部9Aと左側に配置される太陽光発電モジュール8の縦枠部9Aとにおいて、支持レール10の縦枠受部101に各縦枠部9Aの固定片92AがビスB3でそれぞれ固定されている。さらに、これら両縦枠部9Aの上面に形成された開口Kには、ビスB2によりカバー部材93Aが取り付けられている。つまり、左右に隣接する太陽光発電モジュール8どうしの間に、カバー部材93Aが配置されている。
このようにして太陽光発電モジュール8が、前記屋根面42との間に空気流通層Sを介在させた状態で設けられている。
なお、図1に示すように、太陽光発電モジュール8は屋根4の傾斜方向に複数枚設置されるが、棟近傍には、太陽光発電モジュール8に代えて、PVセルがないことを除いて太陽光発電モジュール8と同様の構造の透明ガラスモジュール8aが設置される。これによって、空気流通層Sの温度上昇と日照量向上を図ることができる。なお、透明ガラスモジュール8aの納まりは、太陽光発電モジュール8と同様である。
ここで、伝熱手段13を屋根面42の棟5側に形成された屋内開口部424に接続したのは、空気流通層S内で加熱された空気を屋根4の棟5側からそのまま伝熱手段13に伝達することができるためである。つまり、温度の高い空気は屋根4の棟5側に上昇し易いことから、伝熱手段13を棟5側に設けた方が軒先側に設ける場合よりも集熱率が高くなるため好ましい。
は、例えば、グラスウールやロックウール等が挙げられる。
が設けられてなる。また、床パネル15内の外側端部と、床パネル15の下面から基礎2の内面に沿って防湿土間コンクリート2aの上面までの間に断熱材151が設けられてい
る。
防湿土間コンクリート2aの上方には、上述の蓄熱手段12が複数段配置されており、これら蓄熱手段12に、壁パネル14内及び床パネル15内に配された前記伝熱手段13が連結されている。
したがって、伝熱手段13を介して蓄熱手段12に蓄熱された熱が放熱することにより、各断熱材151によって断熱されて床暖房とすることができる。ここで、各断熱材151は、伝熱手段13及び蓄熱手段12以外への熱の拡散を防ぐことができ、暖房効果をより一層高めている。
また、屋根4の棟5側の上端側は、屋根面42上に横部材51が取り付けられており、横部材51上に棟換気金物52aや棟包み52b等で構成された棟役物52で覆われている。
また、太陽光発電モジュール8と屋根面42との間に空気流通層Sが形成され、さらに、空気流通層Sには床下11の蓄熱手段12に連結する伝熱手段13が接続されているので、太陽熱が太陽光発電モジュール8を透光して空気流通層Sの空気に伝達されることによって、その空気が加熱され、さらに伝熱手段13を介して蓄熱手段12で蓄熱される。その結果、蓄熱手段12に蓄熱された熱を床暖房に利用できるとともに、暖房機器等に使用される電力を削減することが可能となる。
このように本発明の太陽光発電集熱システムでは、発電と集熱とを同時に行うことができるため、太陽エネルギーの利用効率の向上を図ることができる。また、発電と集熱の両方を行うために別個の装置を設ける必要もないので、その設置面積の増大を防ぐことができるとともにコスト削減を図ることができる。
したがって、太陽光発電モジュール8の設置作業だけで、太陽光発電モジュール8の設置とともに、空気流通層Sを形成できる。したがって、施工が容易となるとともに、透光性部材が不要となるので、その分部品点数を軽減できる。
さらに、伝熱手段13が、屋根4の棟側において空気流通層Sに接続されているので、空気流通層S内で加熱された空気を屋根4の棟側からそのまま伝熱手段12に伝達することができる。つまり、温度の高い空気は屋根4の棟側に上昇し易いことから、伝熱手段13を棟側に設けた方が軒先側に設ける場合よりも集熱率が高くなるため好ましい。
また、屋根4の軒先から棟に向けて延在する支持レール10が棟方向に所定間隔で複数設けられており、伝熱手段13が屋根の棟側において空気流通層Sに接続されているので、空気流通層S内で加熱された空気が支持レール10の延在方向に沿ってスムーズに流れて、伝熱手段13に至る。
また、蓄熱手段14が潜熱蓄熱材であるので、蓄熱容量を比較的大きくすることができ、また、蓄熱温度が安定するので蓄熱効果を高めることができる。
また、本実施の形態では、蓄熱手段12を床下に設置したが、例えば、図6に示すように、建物の1階と2階との間に天井高が0.9〜1.4m程度の収納空間Kがある場合、この収納空間Kに蓄熱手段12を設置してもよい。この場合、空気流通層Sに開口する屋根開口部424に伝熱手段13を接続し、この伝熱手段13を壁パネル及や床パネルを貫通したうえで、収納空間Kに配して、蓄熱手段12に接続すればよい。
4 屋根
5 棟
8 シースルー型太陽光発電モジュール
10 支持レール
12 蓄熱手段
13 伝熱手段
42 屋根面
S 空気流通層
Claims (3)
- 建物の屋根面に、シースルー型太陽光発電モジュールとPVセルがない透明ガラスモジュールとが前記屋根面との間に空気流通層を介在させた状態で、かつ屋根の傾斜方向に設けられており、
前記シースルー型太陽光発電モジュールと前記透明ガラスモジュールのうち、棟近傍に設置されるものは前記透明ガラスモジュールとされており、
前記空気流通層には、建物内に配置されて熱を蓄える蓄熱手段に連結する伝熱手段が接続されており、
前記伝熱手段は、前記屋根の棟側において前記空気流通層に接続されていることを特徴とする太陽光発電集熱システム。 - 請求項1に記載の太陽光発電集熱システムにおいて、
前記屋根面には、屋根の軒先から棟に向けて延在する支持レールが棟方向に所定間隔で複数設けられ、これら支持レールによって前記シースルー型太陽光発電モジュールが支持されていることを特徴とする太陽光発電集熱システム。 - 請求項1または2に記載の太陽光発電集熱システムにおいて、
前記蓄熱手段は、潜熱を利用して蓄熱する潜熱蓄熱材であり、所定間隔に複数段設けられていることを特徴とする太陽光発電集熱システム。
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