JP5347658B2 - 車両用シート駆動装置 - Google Patents
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Description
同構成によれば、前記交差の一点の位置を、例えば座席シートに着座した一般的な成人の操作者がシートベルトを着用した通常の姿勢にあるときの肩関節の位置に一致させたとき、当該操作者が操作しようとしている前記ハードウェアスイッチの配置に合わせてその肩関節を中心に差し出した手指の方向は、各境界部において対応する前記仮想傾斜線の方向と常に一致する。このため、隣接する二つの近接センサが手指の接近を共に検出する誤検出領域(グレーゾ―ン)をより一層狭くすることができる。
同構成によれば、近接センサとシールド電極に印加される電位が同電位のため、これら近接センサ(センサ電極)及びシールド電極間の電圧が零となってそれらの静電結合は皆無である。従って、近接センサ(センサ電極)の静電容量は、基本的に操作者の手指との距離のみで決定されるようになる。
図2に示すように、座席シート11は、図示しない車体フレームに対し、スライド機構及びリフタ機構によって前後(矢印F1)方向及び上下(矢印F2)方向に移動可能であり、かつチルト機構によって前端部が上下(矢印F3)方向に傾動可能な着座部12を備えている。前記着座部12の後端部には、リクライニング機構によって前後(矢印F4)方向に傾動可能な背もたれ部13が連結されている。スライド機構は、例えば座席シート11に固定されるボールねじと、該ボールねじに噛合するギヤと、該ギヤを回転駆動するモータ14とを備える第1駆動機構15を構成しており、モータ14の駆動によって前記座席シート11を前後(矢印F1)方向に往復移動させる。リフタ機構は、例えば座席シート11に固定されるボールねじと、該ボールねじに噛合するギヤと、該ギヤを回転駆動するモータ16とを備える第2駆動機構17を構成しており、モータ16の駆動によって、前記座席シート11を上下(矢印F2)方向に往復移動させる。チルト機構は、例えば着座部12のフレームに固定されたラックと、該ラックのギヤと噛み合うピニオンギヤと、該ピニオンギヤを回転駆動するモータ18とを備える第3駆動機構19を構成しており、モータ18の駆動によって、前記着座部12の前端部を上下方向(矢印F3)に往復傾動させる。リクライニング機構は、背もたれ部13のフレームに備えられたギヤと、該ギヤに噛み合うギヤと、該ギヤを回転駆動するモータ20とを備える第4駆動機構21を構成しており、モータ20の駆動によって、背もたれ部13を前後(矢印F4)方向に往復傾動させる。
座席シート11の着座部12の内部には、着座部12の骨格をなすフレーム37が設けられ、該フレーム37と車両フロアー38との間には、着座部12をシート前後方向に案内移動する案内機構39が設けられている。前記フレーム37の取付板22Aに対向する側面には、スイッチボックス40が取り付けられている。該ボックス40内には、前記スライドスイッチ23、リフタスイッチ24及びチルトスイッチ25等が収容されている。各スイッチ23,24,25は、取付板22A側に突出させた操作ロッド23a,24a,25aを取付板22Aに形成された貫通孔に貫通させてその先端部を前記移動操作部26に連結している。同様に、前記リクライニングスイッチ27も、取付板22A側に突出させた操作ロッド27aを取付板22Aに形成された貫通孔に貫通させてその先端部を前記傾斜操作部28に連結している。さらに、シート選択スイッチ29、姿勢セットスイッチ31、第1姿勢指定スイッチ32及び第2姿勢指定スイッチ33とそのシート選択操作部30、セット操作部34、第1姿勢指定操作部35及び第2姿勢指定操作部36との関係も同様である。各操作部26,28,30,34〜36は、座席シート操作部22の取付板22Aの表面から所定高さ隆起するように配設されており、操作者の指の接触感覚によってそれらをブラインドタッチで個別に認識できるように各々の形状及びレイアウト(配置)が設定されている。
図5に示すように、運転席シートECU51、助手席シートECU52及び車内ECU53は、システムバスBUSに電気的に接続されていて、各ECU51〜53間の通信が可能となっている。各ECU51〜53は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM等を備え、ECU51〜53毎の機能を実現するためのプログラムを実行するように構成されている。
図5に示すように、前記運転席シートECU51には、報知制御手段61が設けられている。この報知制御手段は次のように機能する。即ち、図3において、前記各操作部26,28,30,34,35,36のいずれか1つに操作者の手指が接近すると、当該近接センサ41〜44によって操作者の手指が対応する操作部に接近したことが検出される。この近接センサ41〜44の検出信号に基づき、報知制御手段61は、記憶手段54に予め記憶された前記各ハードウェアスイッチと対応する各種のスイッチ画像データを読み出して、室内ECU53を通じて前記表示手段55の画面(図示略)にハードウェアスイッチの機能情報としてのスイッチ画像を表示する。又、報知制御手段61は、記憶手段54に予め記憶された前記各ハードウェアスイッチと対応する各種の音声データを読み出して、室内ECU53を通じてハードウェアスイッチの機能情報としての音声を発生する。
図1及び図3に示すように、隣り合う前記近接センサ41〜44の間には、座席シート11の前方から後方に第1〜第3の境界部45〜47が設けられている。これらの境界部45〜47は、座席シート11の後方向に向かうに従い上方に向かうように所定の傾斜角α,β,γをもって傾斜させている。このように境界部45〜47を傾斜させることにより、各境界部45〜47のいずれかひとつに操作者の手指が近接した場合に、隣接する二つの近接センサ41〜44が共に手指の接近を検出してしまう誤検出領域(グレーゾーン)を狭くするようにしている。この誤検出領域(グレーゾーン)が狭くなる理由を以下に順次説明する。
図6は座席シート11に一般的な成人の操作者が正常に着座した状態を示す。この姿勢を例えばシートベルトを着用して保持したまま、操作者が各操作部26,28,30,34〜36を操作すると仮定する。この場合には、操作者は、肩関節Sを中心に腕Aを前後方向に傾動させ、手指Uを傾斜させたまま前後方向に移動させて、手指Uをいずれか一つの前記操作部26,28,30,34〜36に接触させる。この操作者が座席シート11に正常に着座した定姿勢での操作方法においては、操作者の手指Uのシート11の前後方向(水平線)に対する傾斜角εは、前記肩関節Sを中心に手指Uが前方に傾動されるほど小さくなる傾向となる。
ハードウェアスイッチ(23〜25,27,29,31〜33)の操作部26,28,30,34〜36に操作者の手指が接近したか否かが第1〜第4の近接センサ41〜44の検出信号によって判断される。座席シート11の操作者の手指がいずれかの操作部(ここではシート選択操作部30)に接近したことが対応する近接センサ(第3の近接センサ43)によって検出されると、図5に示す報知制御手段61の機能によって、記憶手段54からスイッチ画像データが読み出されて、表示手段55の画面に機能情報としてのスイッチ画像がレイアウト表示される。同時に、報知制御手段61の機能によって、記憶手段54から音声データが読み出されて、スピーカ56から機能情報としての音声が発生される。このため、操作者は各スイッチ画像の表示を目視するとともに、該当の機能情報を聴くことにより、どのハードウェアスイッチを操作しようとしているかを容易に把握することができる。
(1)上記実施形態では、近接センサ41〜43によりハードウェアスイッチ(23〜25,27,29,31〜33)の操作部26,28,30,34〜36に対する操作者の手指Uの接近が検出されたとき、報知制御手段61によって、当該ハードウェアスイッチの形状を表すスイッチ画像が対応する機能情報とともに表示手段55の画面にレイアウト表示される。同時に、報知制御手段61によって、スピーカ56から機能情報としての音声が発生される。このため、ハードウェアスイッチの操作部26,28,30,34〜36を実際に操作する前に、表示手段55にレイアウト表示されたスイッチ画像及び対応する機能情報を確認することができ、操作対象のハードウェアスイッチの操作部26,28,30,34〜36をブラインドタッチで容易に操作することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)請求項1〜6のいずれか一項において、前記ハードウェアスイッチは、車両に設けられた複数の座席シートのいずれか一つを選択するシート選択スイッチ、座席シートを前後方向に移動させるスライドスイッチ、上下方向に移動させるリフトスイッチ、着座部を上下方向に傾動させるFRチルトスイッチ、背もたれ部を前後方向に傾動させるリクライニングスイッチ、操作者の体形に応じて姿勢が調整された座席シートの姿勢を記憶手段に記憶させる姿勢メモリースイッチの各スイッチ群のなかから少なくとも二種選択されたものであることを特徴とする車両用シート駆動装置。
Claims (6)
- 車室内に設けられた座席シートの着座部の側部にシート前後方向に並べて設けられ、該座席シートの姿勢を調整する複数の駆動機構をそれぞれ駆動するべく操作するための複数のハードウェアスイッチを備えた座席シート操作部と、
前記ハードウェアスイッチの操作に基づき、対応する駆動機構を駆動制御する制御手段と、
前記複数のハードウェアスイッチの配置に合わせて前記座席シート操作部に設けられ、前記各ハードウェアスイッチに対する操作者の手指の接近をそれぞれ検出する複数の近接センサと、
前記複数のハードウェアスイッチと対応する複数の機能情報を報知する報知部と、
前記近接センサにより前記ハードウェアスイッチに対する操作者の手指の接近が検出されたとき、前記機能情報を報知するように前記報知部を制御する報知制御手段とを備え、
各隣り合う前記近接センサの境界部を、シート後方向に向かうに従い上方に向かうように所定の傾斜角をもって傾斜させた車両用シート駆動装置。 - 請求項1において、前記ハードウェアスイッチ及び近接センサは三箇所以上に設けられ、隣り合う前記近接センサの複数の境界部の傾斜角は、シート前方側から後方側に向かうほど大きくなるように設定されている車両用シート駆動装置。
- 請求項2において、前記複数の境界部の延在方向にそれぞれ沿う複数の仮想傾斜線は、座席シートの上側の一点で交差されている車両用シート駆動装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、前記各近接センサは、操作者の手指との距離に応じて静電容量が変化するセンサ電極であって、前記座席シート操作部には、前記各センサ電極と車両の周辺部品との静電結合を抑制するシールド電極が設けられている車両用シート駆動装置。
- 請求項4において、前記シールド電極には、近接センサに印加される電位と同電位の電圧が印加されるように構成されている車両用シート駆動装置。
- 請求項4又は5において、前記近接センサ及びシールド電極は、複数枚のフィルムの間に接着材を介して粘着されてユニット化されている車両用シート駆動装置。
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