JP5346843B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ノズルからインクを噴射して、用紙などの記録媒体上に記録を行うインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置における記録ヘッドは、インクを噴射する複数のノズルが形成されたノズル面を有する。このノズル面においては、ノズル付近に付着したインクや塵埃等の異物によりインクの噴射ができなくなったり、インクの噴射方向が変化したりすることを防止するために、クリーニングを行う必要がある。
ノズル面のクリーニングに関して、ワイパー部材によりノズル面のクリーニング(拭き掃除)を行い、ノズル面に付着したインクや塵埃等の異物を除去する技術が知られている。このようなワイパー部材は、ノズル面に沿う方向に移動してノズル面に付着したインクや塵埃等の異物を除去することができる。
ところで、記録ヘッドは、ノズル面におけるワイパー部材が移動する方向の下流側の端部から直交する方向に形成される側面(下流側端面)を有する。そのため、ワイパー部材によりノズル面に付着したインクや塵埃等の異物を除去する際に、ワイパー部材により拭き寄せられたインクが記録ヘッドの下流側端面に回り込み、記録ヘッドにインクが残存する場合があった。
この問題に対して、記録ヘッドにおけるノズル面に直交する方向に形成される側面(下流側端面)に撥水処理が施されたインクジェット記録装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されたインクジェット記録装置においては、記録ヘッドの側面(下流側端面)に撥水処理が施されているため、ノズル面におけるワイパー部材が移動する方向の下流側の端部からワイパー部材が離れる際に、ワイパー部材により拭き寄せされたインクの多くは、ワイパー部材側に付着する。これにより、記録ヘッドにインクが残存することを低減することができる。
特開2001−310476号公報
しかし、特許文献1に記載のインクジェット記録装置においては、記録ヘッドの側面に撥水処理を施すことによりインクの付着を低減しているが、それ以上の格別の工夫はなされていない。そのため、記録ヘッドのノズル面や下流側端面にインクが残存することを一層低減することができるインクジェット記録装置が望まれている。
本発明は、記録ヘッドのノズル面や下流側端面にインク等の異物が残存することを一層低減することができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明は、インク噴射用ノズルが形成されたノズル面を有する記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対して相対的に移動して前記記録ヘッドの前記ノズル面のクリーニングを行うと共に、先端が前記記録ヘッドに当接した後、前記ノズル面に沿う方向であるワイパー方向に移動するワイパー部材と、を備え、前記記録ヘッドは、前記ノズル面における前記ワイパー方向の下流側の端部から前記インク噴射用ノズルからインクが噴射される方向とは反対の方向側に延びる下流側端面を有し、前記ノズル面と前記下流側端面とにより形成される角の近傍における前記ノズル面に対する前記下流側端面の角度が90°よりも小さいインクジェット記録装置に関する。
また、前記ノズル面と前記下流側端面とにより形成される角は、尖鋭であることが好ましい。
また、前記ノズル面に対する前記下流側端面の角度は、85°から60°であることが好ましい。
また、前記ノズル面は、前記ノズル面における前記ワイパー方向の下流の端部側に、前記ワイパー方向の下流側に向かうにしたがって前記インク噴射用ノズルからインクが噴射される方向側に傾斜する傾斜面を有することが好ましい。
また、前記傾斜面に対する前記下流側端面の角度は、89°から85°であることが好ましい。
また、前記下流側端面には、撥水処理がなされていることが好ましい。
本発明によれば、記録ヘッドのノズル面や下流側端面にインク等の異物が残存することを一層低減することができるインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置1の概要を正面側から模式的に示す縦断面図である。 第1実施形態のインクジェット記録装置1において各記録ヘッド22に対応してワイパー部材が配置された記録部20及び搬送ユニット30の周辺部を示す平面図である。 第1実施形態のインクジェット記録装置1における記録ヘッド22を示す側面図である。 第1実施形態における記録ヘッド22のノズル面221にインク等の異物27が付着している状態を示す側面図である。 第1実施形態における記録ヘッド22のノズル面221に付着しているインク等の異物27がワイパー部材25により拭き寄せられる様子を示す側面図である。 第1実施形態における記録ヘッド22のノズル面221に付着しているインク等の異物27がワイパー部材25によりノズル面221の下流側端面225近傍まで拭き寄せられた状態を示す側面図である。 第1実施形態における記録ヘッド22のワイパー部材25がノズル面221の下流側端面225よりも下流側まで移動して、ワイパー部材25によるインク等の異物27の拭き取りが完了した状態を示す側面図である。 第2実施形態のインクジェット記録装置における記録ヘッド22Aを示す側面図である。 第3実施形態のインクジェット記録装置における記録ヘッド22Bを示す側面図である。 第3実施形態における記録ヘッド22Bのノズル面221の傾斜面228においてワイパー部材25がインク等の異物27の拭き寄せている様子を示す側面図である。 第4実施形態のインクジェット記録装置における記録ヘッド22Cを示す側面図である。
<第1実施形態>
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1及び図2により、本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置1における全体構造の概要を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態のインクジェット記録装置1の概要を正面側から模式的に示す縦断面図である。図2は、第1実施形態のインクジェット記録装置1において各記録ヘッド22に対応してワイパー部材が配置された記録部20及び搬送ユニット30の周辺部を示す平面図である。
図1及び図2に示すように、第1実施形態のインクジェット記録装置1は、本体2内に、記録部20と、クリーニング部24と、搬送ユニット30と、搬送ユニット30を昇降させる昇降装置40と、キャップユニット50と、キャップユニット50を水平移動させる第1水平移動機構(図示せず)と、クリーニング部24を水平移動させる第2水平移動機構(図示せず)とを備える。
第1実施形態のインクジェット記録装置1は、更に、給紙カセット3と、給紙ローラ4と、用紙搬送路5と、レジストローラ対6と、乾燥装置7と、排紙ローラ対8と、排紙口9と、排紙トレイ10と、を備える。
図1及び図2に示すように、搬送ユニット30は、駆動ローラ32と、従動ローラ33と、駆動ローラ32及び従動ローラ33に掛け渡される搬送ベルト31と、搬送ベルト31のテンションを調整するテンションローラ34と、搬送ベルト31の搬送面の下側(記録部20とは反対側)に装備される空気吸引ユニット(図示せず)とを有する。搬送ベルト31及び空気吸引ユニットの上面には、それぞれ吸引用の貫通孔(図示せず)が多数設けられている。
駆動ローラ32及び従動ローラ33が正面視で反時計方向に回転することにより、搬送ベルト31の上面部分で形成される搬送面31Aは、水平面(X−Y平面)内の用紙搬送方向Pの一方から他方に向けて水平移動される。つまり、搬送ベルト31の搬送面31A上においては、用紙搬送方向Pは、水平方向Xとほぼ一致する。空気吸引ユニットは、搬送ベルト31の搬送面31Aの下側(記録部20とは反対側)に配置され、搬送ベルト31の搬送面31Aに記録媒体としての用紙Tを吸着させる吸引力を作用させる。
搬送ベルト31としては、両端部を互いに重ね合わせて接合してエンドレス状にしたベルトや、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルト等を用いることができる。
図2に示すように、所定の記録時には、記録媒体としての用紙Tは、搬送ベルト31の搬送面31A上に、用紙搬送方向Pの一方側から導入される。搬送面31Aには、空気吸引ユニット(図示せず)の動作に伴って、前記の吸引用の貫通孔(図示せず)を介して搬送ベルト31に作用する吸引力が生じている。搬送ベルト31の搬送面31A上に導入された用紙Tは、前記吸引力により搬送面31Aに吸着されて、用紙搬送方向Pの他方側に向けて搬送される。このように搬送ベルト31の搬送面31Aに吸着された状態で搬送される用紙Tに向けて、後述する記録部20の記録ヘッド22からインクが吐出されることにより、用紙Tに画像等が記録される(印刷される)。
図1に示すように、給紙カセット3は、用紙Tを積層状態で収容するものであり、本体2の内部の下方における搬送ユニット30の用紙搬送方向Pの上流側に配置されている。給紙ローラ4は、給紙カセット3の上方に配置されている。この給紙ローラ4により、用紙Tは、図1における給紙カセット3の右上方に向けて送り出される。
用紙搬送路5、レジストローラ対6、記録部20及び搬送ユニット30は、給紙カセット3の用紙搬送方向Pの下流側に配置されている。給紙カセット3から送り出された用紙Tは、用紙搬送路5を通ってレジストローラ対6に到達する。レジストローラ対6は、用紙Tの斜め送りを矯正して用紙Tを再度送り出す。記録部20とレジストローラ対6との間の用紙搬送路5に設けられた用紙先端検出センサ(図示せず)により、用紙Tの先端部が検出され、その検出されたタイミングに基づいて、記録部20は、後述するようなインクの吐出動作を実行する。
図1に示すように、乾燥装置7は、本体2の内部の上方における搬送ユニット30の用紙搬送方向Pの下流側に配置されている。乾燥装置7は、記録部20において吐出されるインクにより記録された後における用紙Tのインクを乾燥させる。
排紙ローラ対8、排紙口9及び排紙トレイ10は、乾燥装置7の用紙搬送方向Pの下流側に、この順で配置されている。乾燥装置7によりインクの乾燥が終了した用紙Tは、排紙ローラ対8により用紙搬送方向Pの下流側に送られ、排紙口9を通して、本体2の外側に設けられた排紙トレイ10に送られて、本体2の外部に排出される。
図1及び図2に示すように、記録部20は、4色に対応する記録ヘッド22を有する。4色に対応する記録ヘッド22とは、ブラック用の記録ヘッド22K、シアン用の記録ヘッド22C、マゼンタ用の記録ヘッド22M及びイエロー用の記録ヘッド22Yである。これら4色の記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yは、用紙搬送方向P(水平方向X)に直交する用紙幅方向Yに沿って長く延びている。記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yは、搬送ベルト31の用紙搬送方向Pに沿って、用紙搬送方向Pの上流側から下流側に向かって順に配列して配置されている。第1実施形態においては、4色の記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yそれぞれにおいて、1色の記録ヘッドにつき3個の記録ヘッドを用紙幅方向Yに等間隔で直列に配置している。
4色の記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yは、インク噴射用ノズルが形成されたノズル面221(図3参照)を有する。ノズル面221は、4色の記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yの下面である。各記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yにおけるノズル面221は、搬送ベルト31の搬送面31Aに対向する。4色の記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yは、ノズル面221に形成されたインク噴射用ノズルから噴射されたインクにより用紙Tに画像を記録する。
図1に示すように、搬送ユニット30の下方には、4色の記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yそれぞれに対応して、4台のインクタンク23K、23C、23M及び23Yが配置されている。4色のインクは、それぞれ4台のインクタンク23K、23C、23M及び23Yから供給チューブ(図示せず)を経て、4色のインクが対応する記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yに補給される。
図2に示すように、クリーニング部24は、各記録ヘッド22に対応して配置される複数のワイパー部材25を有する。
複数のワイパー部材25とは、記録ヘッド22Kに対応して配置されるワイパー部材25K、記録ヘッド22Cに対応して配置されるワイパー部材25C、記録ヘッド22Mに対応して配置されるワイパー部材25M、記録ヘッド22Yに対応して配置されるワイパー部材25Yである。
これらのワイパー部材25K、25C、25M及び25Yは、各記録ヘッド毎に装備される。具体的には、各記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yそれぞれの配列に対応するワイパー部材25K、25C、25M及び25Yにおいて、3個のワイパー部材を用紙幅方向Yに等間隔で直列に配置される。
各ワイパー部材25K、25C、25M及び25Yは、各記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yそれぞれに対して相対的に移動して、各記録ヘッド22K、22C、22M及び22Yのノズル面221のクリーニングを行う。
クリーニング部24における各ワイパー部材25K、25C、25Mについては後に詳述する。
なお、以下の説明において、特に特定する必要がある場合を除いて、4色の記録ヘッド22K、22C、22M及び22Y並びに4台のインクタンク23K、23C、23M及び23Y、並びに各記録ヘッドに対応するワイパー部材25K、25C、25M及び25Yの識別記号である「K」、「C」、「M」及び「Y」については省略して、単に「記録ヘッド22」、「インクタンク23」及び「ワイパー部材25」と記載する。
記録部20の各記録ヘッド22は、外部コンピュータ(図示せず)から受信した画像データ情報(例えば、文字、図形、模様)に対応して、搬送ベルト31の搬送面31A上に載置された用紙Tに向かって4色のインクを吐出する。図2に示すように、各記録ヘッド22は、矩形板状の記録ヘッド支持部材21に支持されており、この記録ヘッド支持部材21と共に、本体2に固定されている。そして、搬送ベルト31の回転移動と共に、所定のタイミングで各記録ヘッド22から4色のインクが順次吐出されることにより、用紙Tには、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの4色のインクが重ね合わせられ、カラーインク画像が印刷される。
記録ヘッド22のインク吐出方式としては、例えば、ピエゾ素子(図示せず)を用いてインクを押し出すピエゾ方式や、発熱体(図示せず)によって気泡を発生させ、圧力を掛けてインクを吐出するサーマルインクジェット方式等の各種吐出方式を採用することができる。
図1に示すように、搬送ユニット30を昇降させる昇降装置40は、搬送ユニット30の下方に配置されている。昇降装置40は、搬送ユニット30を記録ヘッド22に対して、水平面(X−Y平面)に垂直な方向Z(以下「上下方向Z」ともいう)に昇降(移動)させるものである。この昇降装置40による搬送ユニット30の上下方向Zの移動により、搬送ベルト31の搬送面31Aは、記録ヘッド22のノズル面221(図3参照)に対して相対的に接近又は離間可能に構成されている。
図1に示すように、昇降装置40は、搬送ベルト31の下方における用紙搬送方向Pの上流側及び下流側に配置された2つの偏心カム41を備える。偏心カム41は、搬送ユニット30の正面側及び背面側にそれぞれ2個ずつ、合計4個設けられる。偏心カム41の偏心周面は、搬送ユニット30の外底面に下方から接近する。図1に示すように、各偏心カム41は、用紙幅方向Yに延びる軸部42を備えると共に、回転軸線が偏在するカムで構成される。偏心カム41は、モータ(図示せず)を介して、軸部42を中心として回転される。偏心カム41は、その周縁部に、複数のベアリング43を備えている。ベアリング43の周面の一部は、偏心カム41の周面から外方に突出している。
ベアリング43は、偏心カム41の回転軸線と平行な軸線を中心として回転自在となっている。ベアリング43は、偏心カム41の先端側から回転軸線側に向かって順次配置されている。通常の印刷状態においては、図1に示すように、軸部42から最も離れたベアリング43は、搬送ユニット30の外底面に下方から当接する。これにより、搬送ユニット30は、最高位置に上昇移動される。
この状態から、用紙搬送方向Pの上流側の偏心カム41を正面視で反時計方向に回転させると共に、用紙搬送方向Pの下流側の偏心カム41を正面視で時計方向に回転させる。これにより、複数のベアリング43は、軸部42から最も離れたベアリング43から軸部42に最も近いベアリング43の順で、搬送ユニット30の外底面に順次当接する。そのため、搬送ユニット30を下降させることができる。
複数のベアリング43は、偏心カム41の回転時において、周縁方向で隣り合う2個のベアリング43が同時に搬送ユニット30の外底面に当接する期間を有するような間隔に、配置されている。
昇降装置40の偏心カム41を回転させて搬送ユニット30を下降させることにより、搬送ユニット30における搬送ベルト31の搬送面31Aは、記録ヘッド22に対して下方に離間される。
図1に示すように、キャップユニット50は、記録部20の下方で且つ搬送ユニット30の上方(記録部20と搬送ユニット30との間)に配置可能に構成される。図2に示すように、キャップユニット50は、各記録ヘッド22に対応して設けられる複数のキャップケース52と、複数のキャップケース52を所定の位置関係に固定支持したキャップベース部材53とを備える。
キャップユニット50は、記録部20と搬送ユニット30との間に配置された状態において、昇降装置40により搬送ユニット30の昇降に連動して昇降可能に構成される。昇降装置40の偏心カム41を回転させて搬送ユニット30を下降させることにより、キャップユニット50は、搬送ベルト31の搬送面31Aの下降に連動して、記録ヘッド22に対して下方に離間される。
これにより、記録ヘッド22からキャップユニット50が離脱される。そして、キャップユニット50が記録ヘッド22から離脱された状態で、記録ヘッド22のノズル面221のインク噴射用ノズル(図示せず)からインクを噴射させることにより、ノズル内に残留する高い粘度のインクを吐出させてインク詰まりを解消するための吐出回復処理、すなわち、パージを実行することが可能である。
一方、昇降装置40の偏心カム41を前述とは逆方向に回転させて搬送ユニット30を上昇させることにより、搬送ユニット30は通常の記録位置(印刷位置)に戻される。
ここで、キャップユニット50が記録部20と搬送ユニット30との間に配置された状態においては、記録ヘッド22のノズル面221(図3参照)にキャップユニット50を装着することが可能となる。また、後述する第1水平移動機構(図示せず)によりキャップユニット50が記録部20と搬送ユニット30との間に配置されない状態においては、記録ヘッド22は、搬送ベルト31の搬送面31A上に載置された用紙Tに向けてインクを吐出することができる。
キャップユニット50は、第1水平移動機構(図示せず)によってキャップベース部材53が水平方向に移動操作されることにより、用紙搬送方向P(図1参照)に水平移動可能に構成されている。
キャップユニット50は、第1水平移動機構による移動操作により、キャップケース52が各記録ヘッド22に着脱可能な着脱位置、又は着脱位置から水平方向に離れた退避位置に位置切り替えられる。記録部20における記録動作時には、キャップユニット50が退避位置に配置される。
クリーニング部24は、キャップユニット50の下方で且つ搬送ユニット30の上方(キャップユニット50と搬送ユニット30との間)に配置可能に構成される。クリーニング部24は、キャップユニット50と同様に、キャップユニット50と搬送ユニット30との間に配置された状態において、昇降装置40により搬送ユニット30の昇降に連動して昇降可能に構成される。
また、クリーニング部24は、第2水平移動機構(図示せず)により用紙搬送方向P(図1参照)に水平移動可能に構成される。クリーニング部24は、第2水平移動機構による移動操作により、各記録ヘッド22の下方に配置されて各記録ヘッド22をクリーニングすることが可能なワイプ位置、又はワイプ位置から水平方向に離れた退避位置に切り替えられる。記録部20における記録動作時や、キャップユニット50が記録ヘッド22のノズル面221(図3参照)に装着される場合には、クリーニング部24が退避位置に配置される。
以下、図3を参照して、本実施形態のインクジェット記録装置1における特徴部分である記録部20の記録ヘッド22及びクリーニング部24のワイパー部材25に関連する構成について説明する。図3は、第1実施形態のインクジェット記録装置1における記録ヘッド22を示す側面図である。
図3に示すように、記録部20における各記録ヘッド22は、側面視で全体として台形状に形成される。各記録ヘッド22は、ノズル面221と、下流側端面225とを有する。ノズル面221は、搬送ベルト31の搬送面31Aに対向する記録ヘッド22の下面である。ノズル面221は、ワイパー方向Q(後述)における下流側の端部(下流側端部)224を有する。ノズル面221には、インク噴射用ノズルが形成される。インク噴射用ノズルは、所定方向(インク噴射方向)Fにインクを噴射する。
下流側端面225は、下流側端部224からインク噴射方向F(図3における下方)とは反対の方向側(図3における上方側)に延びている。ノズル面221と下流側端面225とにより角としての下流側角226が形成される。下流側端部224は、下流側角226における頂点でもある。
下流側角226の近傍におけるノズル面221に対する下流側端面225の角度θは、90°よりも小さく形成される。ここで、ノズル面221に対する下流側端面225の角度θとは、下流側端部224よりもノズル面221における用紙搬送方向P(ワイパー方向Q)の上流側の部分に対する角度である。具体的には、ノズル面221に対する下流側端面225の角度θは、好ましくは85°から60°である。
また、下流側角226の先端(エッジ部分)は、丸みのない、尖鋭に形成される。
なお、下流側角226の先端が、製造上の制約(例えば、成形型の隅部のR)等によりR面やC面に面取りせざるを得ない場合には、一般的なR指定や面取り指定よりも更に小さいR又は面取りに指定することが好ましい。
また、図2に示すように、各記録ヘッド22に対応して配置されるワイパー部材25は、各記録ヘッド22に対して用紙搬送方向Pの上流側に配置される。
ワイパー部材25は、弾性体により板状に形成される。ワイパー部材25は、図3に示すように、用紙搬送方向Pと直交する方向(上下方向Z)に延びるように形成される。ワイパー部材25は、先端252が記録ヘッド22のノズル面221よりも所定長さhだけ、上下方向Zにおける上方側に突出するように形成される。
また、ワイパー部材25は、用紙幅方向Yに沿う長さが、記録ヘッド22のノズル面221の用紙幅方向Yに沿う長さよりも大きく設定される(図2参照)。
各ワイパー部材25は、図3に示すように、対応する記録ヘッド22に対して、ノズル面221に沿う方向であるワイパー方向Qに相対的に移動して、その先端(上縁)でノズル面221を拭くことで、各記録ヘッド22のノズル面221のクリーニングを行う。本実施形態においては、ワイパー方向Qは、用紙搬送方向Pと一致する。
詳述すると、ワイパー部材25は、ワイパー方向Qへ相対移動した際に、まず、先端252が記録ヘッド22の用紙搬送方向Pの上流側に位置する上流側側面222に当接する。更に、ワイパー部材25がワイパー方向Qに移動すると、上流側側面222への当接により先端側が撓む。そして、ワイパー部材25は、ワイパー部材25の先端側が安定した撓み状態(定常撓み)に達すると、上流側側面222と先端252の係合(当接)が外れる。ワイパー部材25の撓みにより、ワイパー部材25の先端252側は、ノズル面221に弾性反発力を付与した状態で接触する。ワイパー部材25は、先端252が定常撓みの状態でノズル面221を擦って、ノズル面221を拭く。
次に、図4Aから図4Dを参照して、第1実施形態のインクジェット記録装置1における記録ヘッド22におけるクリーニング動作について説明する。
図4Aは、第1実施形態における記録ヘッド22のノズル面221にインク等の異物27が付着している状態を示す側面図である。図4Bは、第1実施形態における記録ヘッド22のノズル面221に付着しているインク等の異物27がワイパー部材25により拭き寄せられる様子を示す側面図である。図4Cは、第1実施形態における記録ヘッド22のノズル面221に付着しているインク等の異物27がワイパー部材25によりノズル面221の下流側端面225近傍まで拭き寄せられた状態を示す側面図である。図4Dは、第1実施形態における記録ヘッド22のワイパー部材25がノズル面221の下流側端面225よりも下流側まで移動して、ワイパー部材25によるインク等の異物27の拭き取りが完了した状態を示す側面図である。
図4Aに示すように、インクが噴射された後のノズル面221には、インクや塵埃等の異物27が付着している。
まず、ワイパー部材25がワイパー方向Qの下流側に向かって移動すると、ワイパー部材25の先端252が記録ヘッド22の用紙搬送方向Pの上流側に位置する上流側側面222に当接する。更に、ワイパー部材25がワイパー方向Qに移動すると、上流側側面222への当接によりワイパー部材25の先端252側が撓む。ワイパー部材25の先端252側が安定した撓み状態(定常撓み)に達した後、上流側側面222と先端252との係合(当接)が外れる。
そして、図4Bに示すように、ワイパー部材25は、先端252側が定常撓みの状態でノズル面221を擦る。ワイパー部材25の先端252がノズル面221を擦ることにより、ノズル面221に付着している異物27が、ノズル面221におけるワイパー方向Qの下流側端部224に向けて、拭き寄せられる。
次に、図4Cに示すように、ワイパー部材25は、先端252がノズル面221の下流側端部224近傍まで移動する。その後、ワイパー部材25により拭き寄せられた異物27の一部は、ノズル面221の下流側端部224よりもワイパー方向Qにおける下流側に押し出される。更に、ワイパー部材25がワイパー方向Q1に移動することにより、ワイパー部材が下流側端部224を通過して、ワイパー部材25は定常撓み状態から撓みのない状態に復帰する。ここで、拭き寄せられた異物27は、ワイパー部材25の先端252側において盛り上がるように付着する(図4D参照)。
具体的には、本実施形態においては、下流側端面225とノズル面221との角度θは、90°よりも小さい。そのため、下流側端面225は、ノズル面221に対して90°又はそれ以上の下流側角226で形成される従来の記録ヘッドの場合に比して、ノズル面221に対する下流側端面225の角度θが小さい状態で下流側端部224から斜め上方に向けて傾斜している。
これにより、拭き寄せられた異物27は、下流側角226を回り込むようにして下流側端面225に接触する可能性が低減される。その結果、拭き寄せられた異物27は、盛り上がるようにワイパー部材25の先端252側に付着する。
また、下流側角226の先端(エッジ部分)は、丸みのない、尖鋭に形成される。これにより、ワイパー部材25に拭き寄せられることにより下流側端部224近傍に集められた異物27は、下流側角226の先端近傍に残存しにくくなる。従って、下流側端面225への異物27の付着は、一層低減される。
また、ノズル面221に対する下流側端面225の角度θは、好ましくは85°から60°である。
ここで、ノズル面221に対する下流側端面225の角度θが85°超90°未満の場合には、ワイパー部材25によりノズル面221の下流側端部224よりもワイパー方向Qにおける下流側に押し出された異物27は、ノズル面221よりも上方(インク噴射方向Fとは反対方向)側に移動しやすい。そのため、ワイパー方向Qにおける下流側に押し出された異物27は、下流側端面225に対して接近する。これにより、ワイパー部材25に押し出された異物27は、下流側端面225に回り込んで接触する可能性がある。従って、下流側端面225に接触する可能性を低減するため、ノズル面221に対する下流側端面225の角度θは、85°以下にすることが好ましい。
一方、角度θを小さくするほど、ノズル面221の用紙搬送方向Pの下流側方向への長さが長くなり、記録ヘッド22が大型化する。従って、記録ヘッド22の大型化を抑制する観点から、角度θは、60°以上にすることが好ましい。
このように、角度θを85°から60°に設定することにより、下流側端面225に異物27が付着することを抑制することができると共に、記録ヘッド22の大型化を抑制することができる。
また、更に、下流側端面225には、撥水処理がなされている。そのため、下流側端部224から下流側端面225側に回り込む異物27が下流側端面225に接触した場合であっても、異物27が下流側端面225に付着することを低減することができる。
このように、ワイパー部材25がノズル面221の下流側端部224を通過する際においては、ワイパー部材25により拭き寄せられる異物27は、下流側端面225に付着して残存することが低減される。つまり、図4Dに示すように、ワイパー部材25により掻き集められる異物27の略全てを、ワイパー部材25上に付着させることができる。
本実施形態のインクジェット記録装置1によれば、例えば、次のような効果が奏される。
本実施形態のインクジェット記録装置1においては、ノズル面221と下流側端面225とにより形成される下流側角226の近傍におけるノズル面221に対する下流側端面225の角度θが90°よりも小さい。
そのため、ワイパー部材25によるクリーニング動作時、ノズル面221上から拭き寄せた異物27は、ワイパー部材25がノズル面221の下流側端部224を通過する際において、下流側端面225に回り込んで付着することが抑制される。これにより、ノズル面221において拭き寄せた異物27の略全てを、ワイパー部材25上に付着させることができる。
従って、例えば、ノズル面221に垂直な下流側端面225に撥水処理をしただけの従来の記録ヘッドの場合と比較すると、記録ヘッド22のノズル面221や下流側端面225にインク等の異物が残存することを一層低減することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1においては、記録ヘッド22のノズル面221と下流側端面225とにより形成される下流側角226は、尖鋭である。
そのため、ワイパー部材25による拭き寄せにより下流側角226の先端(ノズル面221の下流側端部224)近傍に集められた異物27は、下流側角226の先端近傍に残存しにくくなる。従って、ノズル面221や下流側端面225へのインク等の異物27の付着を一層低減することができる。
本実施形態のインクジェット記録装置1においては、ノズル面221に対する下流側端面225の角度θは、85°から60°である。
そのため、ワイパー部材25がノズル面221上の異物27をノズル面221の下流側端部224近傍まで拭き寄せたときに、下流側端部224から下流側端面225側に回り込んで付着することを抑制することができる。
また、ノズル面221に対する下流側端面225の角度を60°以上にすることにより、ノズル面221の用紙搬送方向Pの下流側への長さが長くなることを抑制することができる。これにより、記録ヘッド22の大型化を抑制することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1においては、下流側端面225には、撥水処理がなされている。
そのため、ワイパー部材25によってノズル面221の下流側端部224近傍に拭き寄せされた異物27は、下流側端面225に接触した場合であっても、ワイパー部材25側に付着する。これにより、インク等の異物27が下流側端面225に付着して残存することを抑制することができる。従って、記録ヘッド22のノズル面221や下流側端面225にインク等の異物が残存することを一層低減することができる。
以下に、本発明の他の実施形態について説明する。他の実施形態については、主として、第1実施形態とは異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。他の実施形態において特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用又は援用される。
<第2実施形態>
第2実施形態における記録ヘッド22Aについて説明する。図5は、第2実施形態のインクジェット記録装置における記録ヘッド22Aを示す側面図である。
第2実施形態における記録ヘッド22Aは、下流側端面225が記録ヘッド22Aの上面229まで一直線状に延びていない点において、第1実施形態における記録ヘッド22とは異なる。
図5に示すように、第2実施形態における記録ヘッド22Aは、下流側端面225と、下流側側面227とを有する。下流側端面225は、下流側端部224から斜め上方に延びている。下流側側面227は、下流側端面225の上方側に連続して形成される。下流側側面227は、記録ヘッド22の高さの中間部(高さH1)において下流側側面227に接続される。下流側側面227は、ワイパー方向Qに直交する方向(上下方向Z)に延びている。
第2実施形態のインクジェット記録装置によれば、第1実施形態で示した効果の他に、次のような効果が奏される。
第2実施形態の記録ヘッド22Aにおいては、ノズル面221に対する下流側端面225の角度θが、第1実施形態におけるノズル面221に対する下流側端面225の角度θよりも鋭角に形成される。そのため、下流側端面225が記録ヘッド22Aの上面229まで一直線状に延びる第1実施形態の場合と比較して、ノズル面221に対する下流側端面225の角度を角度θ1だけ少ない角度θにすることができる。これにより、ノズル面221に対する下流側端面225の角度θを鋭角にすることができる。その結果、拭き寄せた異物27が下流側端面225に付着することを一層抑制することができる。
また、ノズル面221のワイパー方向Qにおける長さが長くなることを抑制することができる。これにより、記録ヘッド22の大型化を抑制することができる。
以上のように、第2実施形態の記録ヘッド22Aにおいては、記録ヘッド22の大型化を抑制しつつ、ノズル面221に対する下流側端面225の角度θを鋭角にすることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態における記録ヘッド22Bについて説明する。図6は、第3実施形態のインクジェット記録装置における記録ヘッド22Bを示す側面図である。
第3実施形態の記録ヘッド22Bにおいては、ノズル面221Bの形状が第1実施形態とは主に異なる。
第3実施形態における記録ヘッド22Bのノズル面221Bは、傾斜面228を有する。傾斜面228は、ノズル面221Bにおけるワイパー方向Qの下流側端部224側に形成される。傾斜面228は、ワイパー方向Qの下流側に向かうにしたがってインク噴射用ノズルからインクが噴射される方向(インク噴射方向)F(図6における下方)側に傾斜する。
また、本実施形態においては、下流側端面225は、第1実施形態及び第2実施形態における下流側端面225のような傾斜面ではなく、インク噴射方向F(上下方向Z)に延びている。
また、第3実施形態の記録ヘッド22Bにおいては、第1実施形態における記録ヘッド22と同様に、ノズル面221における傾斜面228と、下流側端面225とで形成される下流側角226の近傍における傾斜面228に対する下流側端面225の角度θ2が90°よりも小さく形成されている。
具体的には、この第3実施形態の記録ヘッド22Bにおいては、傾斜面228に対する下流側端面225の角度θ2は、89°から85°に設定される。
このように角度θ2を、第1実施形態や第2実施形態の角度θよりも範囲を狭く設定することで、下流側端部224のインク噴射方向F側への突出量tを少なくすることができる。これにより、用紙Tに画像等が記録される際に、ノズル面221と用紙Tとの間の距離を適正な距離間隔に維持することができる。
次に、図7を参照して、第3実施形態のインクジェット記録装置使用される記録ヘッド22Bにおけるクリーニング動作について説明する。
図7は、第3実施形態における記録ヘッド22Bのノズル面221の傾斜面228においてワイパー部材25がインク等の異物27の拭き寄せている様子を示す側面図である。
第3実施形態の記録ヘッド22Bは、図7に示すように、ノズル面221Bに対してワイパー部材25がワイパー方向Qに相対移動して、ノズル面221B上の異物27を傾斜面228の上まで拭き寄せる。
傾斜面228は、ワイパー方向Qに対して下方(インク噴射方向F)に傾斜している。そのため、ワイパー部材25が傾斜面228を通過する際には、傾斜面228に接触する異物27には、ワイパー部材25のインク噴射方向Fに力が作用する。これにより、ワイパー部材25に付着している異物27は、ワイパー部材25に沿って下方側に移動する。
従って、ワイパー部材25の先端252が、ノズル面221Bの下流側端部224を通過するときに、ワイパー部材25上の異物27が下流側端面225側に回り込むことを抑制することができる。
また、ワイパー部材25が傾斜面228を通過する際には、ワイパー部材25の先端252側の撓みが大きくなり、ワイパー部材25とノズル面221とが接触する圧力が大きくなる。そのため、ワイパー部材25は、ノズル面221に付着する異物27を、ワイパー部材25とノズル面221とが確実に接触した状態で拭き寄せることができる。
また、ワイパー部材25は、ノズル面221Bの下流側端部224を通過するときに、ワイパー部材25の撓みが延びて開放される。これにより、ワイパー部材25は、その弾性反発力によりノズル面221に付着する異物27をワイパー方向Qに押し出す。その結果、異物27を下流側端面225側に回り込むことを抑制することができる。
第3実施形態のインクジェット記録装置によれば、第1実施形態及び第2実施形態で示した効果の他に、次のような効果が奏される。
上記第3実施形態のインクジェット記録装置においては、ノズル面221は、ノズル面221におけるワイパー方向Qの下流側端部224側に、ワイパー方向Qの下流側に向かうにしたがってインク噴射方向F側に傾斜する傾斜面228を有する。
そのため、ワイパー部材25の先端252が、ノズル面221Bの下流側端部224を通過するときに、傾斜面228が異物27を下方に押し出すように作用する。この傾斜面228からの異物27を下方に押し出すように作用する力により、ワイパー部材25上の異物27が下流側端面225側に回り込むことを抑制することができる。
従って、ワイパー部材25がノズル面221Bの下流側端部224を通過する際に、異物27は、下流側端部224に連なる下流側端面225に付着して残存しにくい。ノズル面221上から拭き寄せた異物27の略全ては、ワイパー部材25上に回収される。
これにより、例えば、ノズル面に垂直な下流側端面225に撥水処理をしただけの従来の記録ヘッドの場合と比較すると、記録ヘッド22Bのノズル面221Bにインクが残存することを一層低減することができる。
また、ワイパー部材25が傾斜面228を通過する際には、ワイパー部材25の先端252側の撓みが大きくなり、ワイパー部材25とノズル面221との接触圧力が大きくなる。そのため、ワイパー部材25は、ノズル面221に付着する異物27を、ワイパー部材25とノズル面221とが確実に接触した状態で拭き寄せることができる。
また、ワイパー部材25は、ノズル面221Bの下流側端部224を通過するときに、ワイパー部材25の撓みが延びて開放される。これにより、ワイパー部材25は、その弾性反発力によりノズル面221に付着する異物27をワイパー方向Qに押し出す。その結果、異物27を下流側端面225側に回り込むことを抑制することができる。
また、本実施形態のインクジェット記録装置1においては、傾斜面228に対する下流側端面225の角度θ2は、89°から85°である。
そのため、図6に示すように、下流側端部224のインク噴射方向Fへの突出量tを少なくすることができる。これにより、用紙Tに画像等が記録される際に、ノズル面221と用紙Tとの間の距離を適正な距離間隔に維持することができる。
<第4実施形態>
第4実施形態における記録ヘッド22Cについて説明する。図8は、第4実施形態のインクジェット記録装置における記録ヘッド22Cを示す側面図である。
第4実施形態の記録ヘッド22Cは、第2実施形態における記録ヘッド22Aの特徴と、第3実施形態における記録ヘッド22Bの特徴とを兼ね備えたものである。
つまり、記録ヘッド22Cは、ノズル面221のワイパー方向Qの下流側端部224からインク噴射方向Fとは反対の方向(図8における上方)側に延びる下流側端面225が、記録ヘッド22Cの上面229の中間部(高さH1)において、垂直な下流側側面227に連続されている。更に、ノズル面221におけるワイパー方向Qの下流側端部224側に、ワイパー方向Qの下流側に向かうにしたがってインク噴射方向F(図8における下方)側に傾斜する傾斜面228を有する。
そして、傾斜面228と下流側端面225とにより形成される下流側角226は、尖鋭である。また、傾斜面228に対する下流側端面225の角度θ3は、第3実施形態のおける角度θ2よりも更に鋭角になっている。
第4実施形態のインクジェット記録装置によれば、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態で示した効果の他に、次のような効果が奏される。
第4実施形態の記録ヘッド22においては、第2実施形態の記録ヘッド22Aにおける利点と、第3実施形態の記録ヘッド22Bにおける利点との双方を得ることができ、記録ヘッド22Cのノズル面221にインクが残存することを一層低減することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
1……インクジェット記録装置、22……記録ヘッド、25……ワイパー部材、27……異物(インク、塵埃等)、221……ノズル面、224……下流側端部(端部)、225……下流側端面、252……先端、228……傾斜面、F……インク噴射方向(インクが噴射される方向)、Q……ワイパー方向

Claims (6)

  1. インク噴射用ノズルが形成されたノズル面を有する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドに対して相対的に移動して前記記録ヘッドの前記ノズル面のクリーニングを行うと共に、先端が前記記録ヘッドに当接した後、前記ノズル面に沿う方向であるワイパー方向に移動するワイパー部材と、を備え、
    前記記録ヘッドは、前記ノズル面における前記ワイパー方向の下流側の端部から前記インク噴射用ノズルからインクが噴射される方向とは反対の方向側に延び且つ水平方向に対して傾斜する下流側端面と、前記下流側端面における前記ノズル面とは反対側の端部に連続して形成され且つ垂直方向に延びる下流側側面と、を有し、
    前記ノズル面と前記下流側端面とにより形成される角の近傍における前記ノズル面に対する前記下流側端面の角度が90°よりも小さい
    インクジェット記録装置。
  2. 前記ノズル面と前記下流側端面とにより形成される角は、尖鋭である
    請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記ノズル面に対する前記下流側端面の角度は、85°から60°である
    請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記ノズル面は、前記ノズル面における前記ワイパー方向の下流の端部側に、前記ワイパー方向の下流側に向かうにしたがって前記インク噴射用ノズルからインクが噴射される方向側に傾斜する傾斜面を有する
    請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記傾斜面に対する前記下流側端面の角度は、89°から85°である
    請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記下流側端面には、撥水処理がなされている
    請求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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