JP5346396B2 - 太陽熱発電設備、熱媒体供給設備および温度変動制御装置 - Google Patents

太陽熱発電設備、熱媒体供給設備および温度変動制御装置 Download PDF

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本発明は太陽熱発電設備、熱媒体供給設備および温度変動抑制装置に関する。さらに詳しくは、太陽熱によって加熱した熱媒体により蒸気を発生させ、この蒸気によって蒸気タービンを駆動して発電する太陽熱発電設備、太陽熱によって加熱された熱媒体を供給する熱媒体供給設備、および、上記熱媒体の温度変動を抑制するための温度変動抑制装置に関する。
図25に示す従来の太陽熱発電設備101においては、太陽光を集光式集熱装置(以下、単に集熱装置と呼ぶ)102で集めてこれを熱エネルギとして熱媒体に吸収させ、この熱媒体を熱交換器103に導き、熱媒体の熱によって蒸気を発生させる。熱交換器103で発生した飽和蒸気は過熱器(スーパーヒータ)104によって過熱される。そして、この過熱蒸気によって蒸気タービン105を駆動して発電している。図中の符号106は発電機であり、符号107は復水器である。
太陽光の集光方式は大別して集中式と分散式とがあるが、主として分散式が採用されている。分散式集熱装置102としてはパラボリックトラフ(放物線断面の樋)型の反射板102aが多用されている。この反射板102aはX−Y平面上の放物線で示される断面を有する樋型に形成され、入射してくる太陽光を反射してその焦点に集める。一方、この焦点位置を通ってZ軸に沿って延びる熱吸収パイプ108内に熱媒体を流して太陽熱を集熱回収する。この熱媒体は、熱吸収パイプ108およびこれに接続された熱媒体供給配管109を通して熱交換器と集熱装置とに循環させる。熱媒体としては特殊な作動油が用いられることが多い。熱媒体は、たとえば、太陽熱を吸収して高温状態(400゜C程度)となり、熱交換器103において熱を放出して蒸気を発生することにより低温状態(300゜C程度)となり、再び集熱装置102に向かう。
しかしながら、図26に示される一日の太陽エネルギ密度の変化からも理解できるように、この太陽熱発電設備は日の出から日の入りまでの時間帯においてのみ稼働が可能であり、夜間は運転が停止され、翌朝に再起動される。図26は北部アフリカのある地点における一日の太陽エネルギ密度の変化を示している。代表的に7月の平均エネルギ密度と12月の平均エネルギ密度とを示しているが、他の月の平均エネルギ密度の変化を示す曲線はほぼこの二本の曲線間に入るであろう。
このように、集熱装置102に到達する太陽エネルギの強度は一日のうちでゼロレベルから最大レベルまで変化する。したがって、発電設備101の容量として、通常は平均強度レベルでの発電ができるように計画される。そして、太陽エネルギの平均レベル以上の過剰エネルギは、大がかりで高価な熱貯蔵設備110に熱エネルギとして貯蔵し、日没が近づくとこの熱を放出して蒸気を発生し、発電を継続できるように計画されることが多い。しかしながら、現実的には設備コストや運転コストの制限から、熱貯蔵能力は、発電継続時間に換算して約4〜6時間程度に限られているので、発電を一日中継続することはできない。
この問題を解消するために、上記太陽熱による蒸気タービン発電にガスタービン発電を組み合わせた太陽熱複合発電方式が提案されている(たとえば、特許文献1および特許文献2)。これらの複合発電設備は、太陽熱を利用することができない夜間や曇天の日であっても、ガスタービンによる発電と、排熱回収ボイラの蒸気を利用した蒸気タービンによる発電とを行おうというものである。こうすることによって昼夜発電の継続が期待できる。また、太陽熱発電を最大限利用することによって燃料消費を減らして二酸化炭素の排出量を削減することも期待できる。
しかし、この複合発電設備の集熱装置においては、特別な熱媒体や熱交換器を用いずに直接水から飽和蒸気を発生させて蒸気タービンに供給している。特許文献1の発電設備では、飽和蒸気は、これを過熱するために高圧タービンから排出される蒸気と混合してから蒸気タービンに送っている。一方、特許文献2の発電設備では、飽和蒸気は、高圧タービンから排出される蒸気と混合した後に排熱回収ボイラの再熱器によって過熱してから蒸気タービンに送っている。
ところが、太陽熱発電設備か太陽熱複合発電設備かに拘わらず、避けがたい問題がある。それは、日中の地表における日照状態の継時的(経時的)な変動である。集熱装置における太陽から蒸気やその他の熱媒体への熱伝達はほとんど輻射によるものである。したがって、地表における日照状態が変動すると、その変動に的確に応答するように、太陽熱を吸収する蒸気やその他の熱媒体の温度も変動する。その結果、蒸気タービンに供給される蒸気の条件(温度、圧力、乾き度等)が変動するので発電量も変動する。また、激しい蒸気状態の変動があると排熱回収ボイラや蒸気タービンが損傷する虞もある。
たとえば特許文献1および特許文献2に開示された設備では、集熱装置の熱吸収パイプ内で発生する蒸気の条件(温度、圧力、乾き度)が変動し、また、集熱装置から蒸気タービンへ送られる間に蒸気の熱ロスが生じる。その結果、特許文献1の設備では、高圧タービンから排出される蒸気と混合した後の蒸気条件が変動する。また、特許文献2の設備では、再熱器の入り口側での蒸気条件が変動して排熱回収ボイラにその影響を及ぼしてしまう。すなわち、日照条件の変動が大きかったり頻繁であると、集熱装置における発生蒸気の条件も同じように変動して太陽熱複合発電設備全体の安全運転の継続が困難になる。
日照状態の変動は、雲、砂嵐等が原因する。さらに、風によって上記反射板が撓んだときには上記熱吸収パイプに対して十分な太陽光を集中させることができない。このことも熱媒体等の温度変動の原因となる。上記変動は短い周期で生じることがあるため、上記熱貯蔵設備は利用することができず、熱媒体等の温度変動を抑制することができないのが現状である。
欧州特許出願公開公報 第0750730号公報 欧州特許出願公開公報 第0526816号公報
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、たとえば太陽熱発電設備等において供給される熱媒体が継時的に温度変動を生じたとしても、この変動を平準化することにより、蒸気発生のために給熱する時点では十分に変動抑制することができる熱媒体の温度変動抑制装置を提供することを目的とする。また、熱媒体をその温度変動を抑制しつつ熱交換器へ供給することができる熱媒体供給設備を提供することをも目的とする。さらに、熱媒体を介して太陽熱によって発生した蒸気を安定した過熱状態で蒸気タービンに供給することができる太陽熱発電設備を提供することをも目的とする。
上記目的のために本発明の熱媒体の温度変動抑制装置は、
液状熱媒体を熱交換器に供給する熱媒体供給通路に配設された熱媒体の温度変動抑制装置であって、
熱媒体を混合するための熱媒体混合装置を備えており、
この熱媒体混合装置が、
複数の熱媒体通路を有する熱媒体通路構成部材と、
上記熱媒体供給通路から熱媒体通路構成部材内へ熱媒体が流入するための入口部材と、
この入口部材とは別に形成された、熱媒体通路構成部材から熱媒体供給通路に熱媒体が流出するための出口部材とを備えており、
上記入口部材から連続して流入してくる熱媒体が、熱媒体通路構成部材の複数の熱媒体通路をそれぞれ時間差をもって通過したあと合流して上記出口部材から流出することができるように構成されている。
熱媒体供給通路を通して時々刻々供給されてくる液状の熱媒体が熱媒体通路構成部材内に流入し、複数の熱媒体通路それぞれから出てきて合流したときに時間差混合される。したがって、この熱媒体の温度が変動している場合であっても、時間差混合されることにより、その温度変動の幅が減少され、且つ、温度変動速度が低下させられる。その結果、たとえばこの熱媒体の熱によって発生する蒸気の条件が時間的に均一となる。なお、上記時間差混合とは、連続的に時間遅れで熱媒体通路構成部材内へ流入してくる熱媒体が既に流入して滞留している熱媒体と混合することである。
なお、上記入口部材に接続されるのは熱媒体供給通路の上流側に限定されず、出口部材に接続されるのは熱媒体供給通路の下流側に限定されない。たとえば図18に示すごとく、熱媒体供給通路に、下流側入口配管と出口配管とからなる戻し通路を設け、この戻し通路に熱媒体通路構成部材を設置する場合、熱媒体供給通路の下流側を熱媒体通路構成部材の入口部材に接続し、上流側を出口部材に接続したうえで、戻し通路に、熱媒体通路構成部材へ熱媒体を圧送する手段を設けた構成をも採用することができる。
上記熱媒体通路構成部材を、その内部に上記熱媒体通路を構成する隔室が複数個形成された第一容器から構成し、
各隔室に熱媒体用の入口と出口とを形成し、
上記入口部材を、熱媒体供給通路から各隔室の入口に分岐して接続し、
上記出口部材を、各隔室の出口から統合して熱媒体供給通路に接続し、
入口部材の分岐した部分それぞれに、熱媒体の流量を変更することができる流量調整装置を配設することができる。
各隔室に供給する熱媒体の流量を相違させることにより、熱媒体が複数の隔室をそれぞれ時間差をもって通過することになるので、この熱媒体が後に合流するときに時間差混合することが可能となり、温度変動が抑制される。
上記熱媒体通路構成部材を、その内部に上記熱媒体通路を構成する隔室が複数個形成された第一容器から構成し、
各隔室に熱媒体用の入口と出口とを形成し、
上記入口部材を、熱媒体供給通路から各隔室の入口に分岐して接続し、
上記出口部材を、各隔室の出口から統合して熱媒体供給通路に接続し、
上記複数の隔室の容積がそれぞれ異なるように構成することができる。
各隔室の容積を相違させることにより、熱媒体が複数の隔室をそれぞれ時間差をもって通過することになるので、この隔室を通過した熱媒体が後に合流するときに時間差混合することが可能となり、温度変動が抑制される。
上記熱媒体通路構成部材に、上記熱媒体通路を構成する第二容器を複数個備え、
各第二容器に熱媒体用の入口と出口とを形成し、
上記入口部材を、熱媒体供給通路から各第二容器の入口に分岐して接続し、
上記出口部材を、各第二容器の出口から統合して熱媒体供給通路に接続し、
入口部材の分岐した部分それぞれに、熱媒体の流量を変更することができる流量調整装置を配設することができる。
上記熱媒体通路構成部材に、上記熱媒体通路を構成する第二容器を複数個備え、
各第二容器に熱媒体用の入口と出口とを形成し、
上記入口部材を、熱媒体供給通路から各第二容器の入口に分岐して接続し、
上記出口部材を、各第二容器の出口から統合して熱媒体供給通路に接続し、
上記複数の第二容器の容積がそれぞれ異なるように構成することができる。
以上の複数個の第二容器は、一体に結束してもよく、独立分離した状態であってもよい。
上記熱媒体通路構成部材を、その内部に上記熱媒体通路を構成する貫通孔が多数形成された多孔板を備えた第三容器から構成し、
上記入口部材および出口部材を第三容器に配設し、
上記多孔板を、第三容器の内部を入口部材側の空間と出口部材側の空間とに仕切るように配置することができる。
入口部材から第三容器内に供給される熱媒体は、入口部材からの距離が異なる多数の貫通孔を通過して出口部材側の空間へ流れる。したがって、同時に流入した熱媒体であっても出口部材側の空間に到達する時間が異なる部分に分けられる。そして、これらの部分が出口部材側の空間内で再度一体にされるので、熱媒体の時間差混合がなされる。
上記多孔板は間隔をおいて複数枚配設してもよい。
上記多孔板において、第三容器の内部へ向かう上記入口部材の熱媒体流路中心軸と交差する多孔板の部分、および、その近傍、を除いた範囲に上記貫通孔を形成するのが好ましい。第三容器に流入した熱媒体の滞留時間を延長させうるからである。
上記第一容器または第二容器を備えた温度変動抑制装置において、熱媒体用の出口を、入口の中心軸の延長線から外れた位置に形成するのが好ましい。第一容器または第二容器に流入した熱媒体の滞留時間を延長させうるからである。
上記第一容器または第二容器を備えた温度変動抑制装置において、熱媒体用の入口に、上記熱媒体通路構成部材の通路内への熱媒体の流入角度を変更するように構成された熱媒体流入装置を設置するのが好ましい。第一容器または第二容器の内部で熱媒体の時間差混合が効果的になされるように熱媒体の流入方向の調節をすることができるからである。
上記第三容器を備えた温度変動抑制装置において、入口部材、および、第三容器内における入口部材近傍のうちの一方に、上記第三容器内への熱媒体の流入角度が変更されうるように構成された熱媒体流入装置を設置するのが好ましい。第三容器の内部で熱媒体の時間差混合が効果的になされるように熱媒体の流入方向の調節をすることができるからである。
上記熱媒体流入装置を備えた温度変動抑制装置において、熱媒体流入装置を、その傾斜角度を外部から変更しうるように揺動可能に装着された少なくとも一枚のルーバを有する可変ルーバから構成することができる。
上記第三容器を備えた温度変動抑制装置において、入口部材を複数個配設し、この入口部材のうち熱媒体を第三容器内へ流入させる入口部材を選択して切り換えうるように構成することができる。かかる構成により、効果的な熱媒体の混合がなされる入口部材を選択することができる。
かかる温度変動抑制装置において、出口部材を複数個形成し、上記入口部材の切り換えに同期して熱媒体を第三容器外へ流出させる出口部材を選択して切り換えうるように構成することができる。
上記第三容器を備えた温度変動抑制装置において、入口部材を複数個形成し、各入口部材に流量調整装置を設置し、各入口部材を流通する熱媒体の流量を変更しうるように構成することができる。かかる構成によれば、たとえば、熱媒体を流入させる入口を周期的に切り換えることによって第三容器内での熱媒体の時間差混合を促進することができる。
上記熱媒体混合装置内に熱媒体を撹拌するための撹拌装置を設置することができる。撹拌装置としてはスクリュープロペラ等の種々の回転体や強制噴流装置等が採用されうる。
上記入口部材に接続されている熱媒体供給通路、および、入口部材のうちの一方に、熱媒体の入口温度を計測するための入口温度計測装置を設置し、
上記出口部材に接続されている熱媒体供給通路、および、出口部材のうちの一方に、熱媒体の出口温度を計測するための出口温度計測装置を設置することができる。
かかる温度変動抑制装置において、上記入口温度計測装置および出口温度計測装置の計測値に基づいて、熱媒体通路構成部材へ流入する熱媒体の温度変動と、熱媒体通路構成部材から流出する熱媒体の温度変動とを対比し、この対比結果に基づいて、熱媒体通路構成部材内への熱媒体の流入量を変化させるように制御する制御装置を含んでなる請求項17記載の熱媒体の温度変動抑制装置。
また、上記入口温度計測装置および出口温度計測装置の計測値に基づいて、熱媒体通路構成部材へ流入する熱媒体の温度変動と、熱媒体通路構成部材から流出する熱媒体の温度変動とを対比し、この対比結果に基づいて、熱媒体通路構成部材内への熱媒体の流入方向を変化させるように制御する制御装置を配設することができる。
本発明の熱媒体供給設備は、
太陽光によって液状熱媒体を加熱する加熱設備と、
この加熱設備から供給された熱媒体によって給水を加熱する熱交換器と、
上記加熱設備から熱交換器に熱媒体を供給する熱媒体供給通路と、
この熱媒体供給通路に配設された、熱媒体の温度変動を抑制するための温度変動抑制装置とを備えており、
この温度変動抑制装置が前述したうちのいずれか一の温度変動抑制装置から構成されている。
かかる熱媒体供給設備には、上記熱媒体の温度変動抑制装置における、
熱媒体混合装置の出口部材と熱媒体供給通路とを接続する出口通路と、
熱媒体混合装置の入口部材と、熱媒体供給通路における上記出口通路の接続点より上流側の部位と、を接続する上流側入口通路と、
この上流側入口通路に配設された、熱媒体を熱媒体混合装置に向けて圧送する熱媒体圧送装置とを備えてることができる。
または、熱媒体混合装置の出口部材と熱媒体供給通路とを接続する出口通路と、
熱媒体混合装置の入口部材と、熱媒体供給通路における上記出口通路の接続点より下流側の部位と、を接続する下流側入口通路と、
この下流側入口通路に設置された、熱媒体を熱媒体混合装置に向けて圧送する熱媒体圧送装置とを備えることができる。
または、熱媒体混合装置の出口部材と熱媒体供給通路とを接続する出口通路と、
熱媒体混合装置の入口部材と、熱媒体供給通路における上記出口通路の接続点より上流側の部位と、を接続する上流側入口通路と、
熱媒体混合装置の入口部材と、熱媒体供給通路における上記出口通路の接続点より下流側の部位と、を接続する下流側入口通路と、
上流側および下流側の各入口通路に配設された、熱媒体を熱媒体混合装置に向けて圧送する熱媒体圧送装置とを備えることができる。
または、熱媒体混合装置の出口部材と熱媒体供給通路とを接続する出口通路と、
熱媒体混合装置の入口部材と、熱媒体供給通路における上記出口通路の接続点より上流側の部位と、を接続する上流側入口通路と、
熱媒体供給通路における上記出口通路の接続点より下流側の部位と、熱媒体供給通路における上記上流側入口通路の接続点より上流側の部位と、を接続する戻し通路と、
上記上流側入口通路に設置された、熱媒体を熱媒体混合装置に向けて圧送する熱媒体圧送装置と、
上記戻し通路に設置された、熱媒体を上流側熱媒体供給通路に向けて圧送する熱媒体圧送装置とを備えることができる。
または、上記温度変動抑制装置の熱媒体混合装置に二種の入口部材を形成し、熱媒体混合装置の出口部材に下流側の熱媒体供給通路を接続し、熱媒体混合装置の一方の入口部材に上流側の熱媒体供給通路を接続し、
熱媒体混合装置の他方の入口部材と、下流側の熱媒体供給通路と、を接続する戻し通路と、
この戻し通路に設置された、熱媒体を熱媒体混合装置に向けて圧送する熱媒体圧送装置とを備えることができる。
または、上記温度変動抑制装置の熱媒体混合装置の出口部材に下流側の熱媒体供給通路を接続し、熱媒体混合装置の入口部材に上流側の熱媒体供給通路を接続し、
熱媒体混合装置より上流側の熱媒体供給通路と、熱媒体混合装置より下流側の熱媒体供給通路と、を接続する戻し通路と、
この戻し通路に設置された、熱媒体を熱媒体供給通路の下流側から上流側に向けて圧送する熱媒体圧送装置とを備えることができる。
または、上記加熱設備に、集光された太陽光によって熱媒体を加熱する集熱装置が設置された、複数の集熱ゾーンを設け、
一の集熱ゾーンからの液状熱媒体が上記温度変動抑制装置における熱媒体通路構成部材の一の熱媒体通路に供給されるように、複数の集熱ゾーンそれぞれと複数の熱媒体通路それぞれとを複数の熱媒体供給通路によって接続することができる。
本発明の他の熱媒体供給設備は、
太陽光によって液状熱媒体を加熱する加熱設備と、
この加熱設備からの上記熱媒体によって給水を加熱する熱交換器と、
上記加熱設備から熱交換器に熱媒体を供給する熱媒体供給通路と、
この熱媒体供給通路に配設された、熱媒体の温度変動を抑制するための温度変動抑制装置とを備えており、
この温度変動抑制装置が、上記熱媒体供給通路から分岐して再度熱媒体供給通路に接続された分岐通路と、この分岐通路に設置された、熱媒体を熱媒体供給通路の下流側から上流側に向けて圧送する熱媒体圧送装置とを有している。
本発明のさらに他の熱媒体供給設備は、
太陽光によって液状熱媒体を加熱する加熱設備と、
この加熱設備からの上記熱媒体によって給水を加熱する熱交換器と、
上記加熱設備から熱交換器に熱媒体を供給する熱媒体供給通路と、
この熱媒体供給通路に配設された、熱媒体の温度変動を抑制するための温度変動抑制装置とを備えており、
この温度変動抑制装置が、上記熱媒体供給通路から分岐して再度熱媒体供給通路に接続された分岐通路と、この分岐通路に設置された、熱媒体を熱媒体供給通路の上流側から下流側に向けて圧送する熱媒体圧送装置とを有している。
本発明のさらに他の熱媒体供給設備は、
太陽光によって液状熱媒体を加熱する加熱設備と、
この加熱設備からの上記熱媒体によって給水を加熱する熱交換器と、
上記加熱設備と熱交換器との間を熱媒体を循環させる熱媒体供給通路と、
この熱媒体供給通路に配設された、熱媒体の温度変動を抑制するための温度変動抑制装置とを備えており、
この温度変動抑制装置が、上記熱媒体供給通路における熱交換器の入口側と出口側とを接続するバイパス通路と、このバイパス通路に設置された、熱媒体を熱交換器の出口側から入口側に向けて圧送する熱媒体圧送装置とを有している。
本発明の太陽熱発電設備は、
蒸気タービンと、
この蒸気タービンに供給される蒸気を発生させるために、水を加熱する熱媒体を供給するための熱媒体供給設備とを備えており、
この熱媒体供給設備が、請求項20〜30のうちのいずれか一の項に記載の熱媒体供給設備であり、この熱媒体供給設備における熱交換器において発生した蒸気が蒸気タービンに供給されるように構成されている。
上記太陽熱発電設備は、ガスタービンと、ガスタービンの排熱を利用した排熱回収ボイラとをさらに備え、この排熱回収ボイラにおいて発生した蒸気が上記蒸気タービンに供給されるように構成された太陽熱複合発電設備とすることができる。
本発明によれば、太陽熱発電設備におけるような温度変動しつつ熱交換器へ供給される液状の熱媒体に対し、簡単な構成によって時間差混合することにより、その温度変動を抑制、緩和することができる。すなわち、温度変動の幅を小さくすることはもとより、あたかもローパスフィルタのように、短周期や中周期の温度変動を消滅させて長周期の変動のみを残存させることができる。
図1は、本発明の一実施形態である太陽熱複合発電設備の概略を示す配管図である。 図2は、本発明の他の実施形態である太陽熱複合発電設備の概略を示す配管図である。 図3は、本発明のさらに他の実施形態である太陽熱複合発電設備の概略を示す配管図である。 図4は、本発明のさらに他の実施形態である太陽熱複合発電設備の概略を示す配管図である。 図5(a)は図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体の温度変動抑制装置としての熱媒体混合装置の一例を示す、当該装置の中心軸に沿った面によって切った縦断面であり、図5(b)は図5(a)のV−V線断面図である。 図6(a)は図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体の温度変動抑制装置としての熱媒体混合装置の他の例を示す、当該装置の中心軸に沿った面によって切った縦断面であり、図6(b)は図6(a)のVI−VI線断面図である。 図7は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体混合装置のさらに他の例を示す縦断面図である。 図8は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体混合装置のさらに他の例を示す縦断面図である。 図9(a)は図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体混合装置のさらに他の例を示す正面図であり、図9(b)は図9(a)のIX−IX線断面図である。 図10は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体混合装置のさらに他の例を示す一部切り欠き斜視図である。 図11は、図10の熱媒体混合装置の中心軸に沿った面によって切った縦断面である。 図12(a)は図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体混合装置のさらに他の例を示す、当該装置の中心軸に沿った面によって切った縦断面であり、図12(b)は図12(a)のXII−XII線断面図である。 図13は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体混合装置のさらに他の例を示す縦断面図である。 図14は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体混合装置のさらに他の例を示す縦断面図である。 図15は、図14の熱媒体混合装置に使用される熱媒体流入装置の一例を示す一部切り欠き斜視図である。 図16は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体混合装置のさらに他の例を示す横断面図である。 図17は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体の温度変動抑制装置の一実施形態を示す配管図である。 図18は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体の温度変動抑制装置の他の実施形態を示す配管図である。 図19は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体の温度変動抑制装置のさらに他の実施形態を示す配管図である。 図20は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体の温度変動抑制装置のさらに他の実施形態を示す配管図である。 図21は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体の温度変動抑制装置のさらに他の実施形態を示す配管図である。 図22は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体の温度変動抑制装置のさらに他の実施形態を示す配管図である。 図23は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体の温度変動抑制装置のさらに他の実施形態を示す配管図である。 図24は、図1の太陽熱複合発電設備において設置されうる熱媒体の温度変動抑制装置のさらに他の実施形態を示す配管図である。 図25は、従来の太陽熱発電設備の一例を概略的に示す配管図である。 図26は、一日の太陽エネルギ密度の時間的変化の一例を示すグラフである。
添付の図面を参照しながら本発明の太陽熱複合発電設備、熱媒体供給設備および温度変動抑制装置の実施形態を説明する。
図1には、太陽熱を利用して発生させた蒸気を一部利用して蒸気タービン2を駆動して発電する蒸気タービン発電と、天然ガス等の燃料ガスを燃焼させてガスタービン3を駆動することにより発電するガスタービン発電とを組み合わせた太陽熱複合発電設備1が示されている。この発電設備1では、集熱装置4としてパラボリックトラフ型の反射板4aを用いている。この反射板4aはX−Y平面上の放物線で示される断面を有する樋型に形成され、入射してくる太陽光を反射してその焦点に集める。
この反射板4aの焦点位置を通ってZ軸に沿って熱吸収パイプ5を延設し、この熱吸収パイプ5内に液状の熱媒体を流す。熱吸収パイプ5に接続された熱媒体供給配管6は熱媒体を熱交換器7と集熱装置4とに循環させる。この熱交換器7は蒸発器としての作用を奏する。熱媒体は集熱装置4において太陽熱を吸収し、熱交換器7において蒸気を発生させるために水に熱供給し、再び集熱装置4に向かう。
この発電設備1では、集熱装置4が設置された複数の集熱ゾーン8a、8b、8c、8dが形成されている。これは、広大な集熱装置の設置区域(たとえば発電量30MW級の設備では、通常、約1400m×700m程度の広さがある。)の全面積が一様に平坦にされていなくても、同区域を分割して集熱装置を効果的に配置するためである。または、熱媒体の供給配管のループ長が長すぎて配管の圧損が過大にならないように分割するためである。さらには、熱吸収パイプ5や集熱装置4が正常に作動しなくなった場合でも、その装置を点検修理するために熱媒体の供給を全面停止させる必要がないようにするためである。
複数の集熱ゾーン8a、8b、8c、8dそれぞれから延設された熱媒体供給配管6a、6b、6c、6dは統合されて熱交換器7に接続される。この統合された後の熱媒体供給配管6には後述する熱媒体混合装置10が設置されている。熱交換器7の出口から各集熱ゾーンに戻し管9が接続されている。この戻し管9も含めて熱媒体供給配管6と呼ぶ。熱媒体供給配管6には熱媒体を循環させるための循環ポンプ9Pが設置されている。図1では一台のポンプ9Pが示されているが、熱媒体供給配管6が長大である場合には配管の圧損を分担するために必要に応じて複数台のポンプを用いる場合がある。以上の集熱装置4、熱媒体供給配管6、熱交換器7および熱媒体混合装置10が熱媒体供給設備11を構成している。
一方、発電は前述のとおり蒸気タービン2およびガスタービン3によって行われる。両者2、3にはそれぞれ発電機12が連結されている。また、この発電設備1には排熱回収ボイラ13が設置されている。ガスタービン3の駆動に使用された燃焼ガス(排ガス)は、排ガス配管82を通って排熱回収ボイラ13に供給され、給水を加熱して蒸気を発生させた後、排ガス配管82を通って煙突22から大気放散される。蒸気タービン2は、熱交換器7および排熱回収ボイラ13において発生した蒸気によって駆動される。
蒸気タービン2を駆動した蒸気は復水器14において復水した後、給水ポンプ15によって給水管16内を圧送される。すなわち、まず給水加熱器17によって過熱され、続いて脱気器18によって脱気される。その後分岐して、ポンプ19a、19bによって排熱回収ボイラ13および熱交換器7に送られる。熱交換器7および排熱回収ボイラ13において発生した蒸気は合流されて第一蒸気供給管20を通して蒸気タービン2に送られる。排熱回収ボイラ13への給水と熱交換器7への給水との流量配分は、設備の建設計画時に決められた発生蒸気量に基づき、実際の要求発電量と太陽熱の回収量とに従って調整される。
上記排熱回収ボイラ13はエコノマイザ(予熱器)13a、エバポレータ(蒸発器)13bおよびスーパーヒータ(過熱器)13cを備えている。上記熱交換器7において発生した蒸気は飽和状態である。したがって、この飽和蒸気を蒸気タービン2に供給する前に過熱蒸気にしておく必要がある。この目的のために、熱交換器7の蒸気出口から排熱回収ボイラ13のスーパーヒータ13cの入口側に第二蒸気供給管21を接続し、熱交換器7からの飽和蒸気をこのスーパーヒータ13cによって過熱するようにしている。
この第二蒸気供給管21には流量調整弁80を設置しておくのが好ましい。この流量調整弁80は、日中の雲によって遮光されることによる集熱量の急減、砂嵐の風圧によって集熱装置4が撓むことによる集熱効率の急低下、および、日没による太陽熱回収の急減によっても、排熱回収ボイラ13への蒸気供給量が急変しないように制御される。また、この流量調整弁80は、日の出とともに増加し始める発生蒸気量が排熱回収ボイラ13の運転に支障を与えることのないように制御される。さらに、とくに日没後には第二蒸気供給管21内の蒸気がなくなるので第二蒸気供給管21を閉じるように制御される。
この第二蒸気供給管21を通して熱交換器7からの飽和蒸気がスーパーヒータ13cの入口側で、排熱回収ボイラ13のエバポレータ13bにおいて発生した蒸気と混合されてスーパーヒータ13cへ送られる。スーパーヒータ13cは、熱交換器7からの飽和蒸気とエバポレータ13bからの飽和蒸気とを合わせた全量を所定の過熱温度まで加熱することができる性能(伝熱面積)を有するように設計製造されているので、排熱回収ボイラ13は安定した性状の過熱蒸気を蒸気タービン2に供給することができる。
太陽熱複合発電設備1では、日照状態等の気象条件の変化により、上記集熱ゾーン8から供給される熱媒体は継時的にその温度が変動するものである。しかし、この熱媒体が熱交換器7に至ったときにはその温度が十分に均一化されている(安定している)ように、熱媒体供給配管6には熱媒体の温度変動を抑制する上記熱媒体混合装置10が設置されている。この熱媒体混合装置10には、熱媒体供給配管6の上流側と接続する熱媒体用の入口部材91と、この入口部材91とは別に、熱媒体供給配管6の下流側と接続する熱媒体用の出口部材93とがそれぞれ形成されている。また、後述するように、熱媒体混合装置10には複数の熱媒体通路が形成されている。
熱媒体混合装置10は熱交換器7とおよそ同サイズに製作することができる。すなわち、たとえば発電量30MW級の設備における集熱装置に対して、一例として、直径が約2m、長さが約10mのサイズの熱媒体混合装置を二台程度設置すればよい。もちろん、実際に使用する熱媒体の性状や現実の温度変動状況に応じて、さらに台数を増加したり大型化したりすることも可能である。時々刻々と温度変動しつつ流入してくる熱媒体がこの熱媒体混合装置10の内部で時間差混合される。すなわち、同時に熱媒体混合装置10に流入した熱媒体は、複数の異なる熱媒体通路を通って比較的早く出口部材93から流出する部分から遅くまで熱媒体混合装置10の通路内に滞留する部分まで分布している。一方、入口部材91からは連続して新たな熱媒体が流入してくるので、過去に流入した熱媒体と新たに流入した熱媒体とが絶えず混合されるので、熱媒体の継時的な温度の不均一、すなわち温度変動が均一化される。ここではこのことを時間差混合と呼ぶ。熱媒体が時間差混合されることにより、その温度変動幅は縮小され、変動速度が低下させられる。この時間差混合という作用を発揮することによって熱媒体混合装置が熱媒体の温度変動抑制装置として機能する。熱媒体混合装置10を含めた温度変動抑制装置の構成の詳細については後述する。この熱媒体混合装置10より上流側および下流側の熱媒体供給配管6それぞれに、連続して熱媒体の温度を計測する温度計測装置81を設置するのが好ましい。この温度計測装置により、上流側および下流側の熱媒体供給配管6における温度変動を検出することができる。そして、制御装置70には、温度計測装置81から上流側および下流側それぞれの熱媒体の温度変動を示す信号が入力されるので、これらを対比することによって熱媒体混合装置10による温度変動の抑制効果の程度を監視することができる。
図2に示す発電設備1の熱媒体供給設備23では、前述の熱媒体混合装置10に加えて、各集熱ゾーン8a、8b、8c、8dにおける熱媒体供給配管6a、6b、6c、6dそれぞれに、相互に独立した熱媒体混合装置24a、24b、24c、24dが設置されている。したがって、集熱ゾーンごとに、熱媒体の温度変動を抑制することができる。そして、各集熱ゾーン8a、8b、8c、8dから温度変動が抑制された熱媒体を集めた上で、さらに熱媒体混合装置10において全体的に混合させることにより、温度を平準化、均一化する。発電装置は図1のものと同じであるからその説明を省略する。
図3に示す発電設備1の熱媒体供給設備25では、前述の熱媒体混合装置10に対して、各集熱ゾーン8a、8b、8c、8dにおける熱媒体供給配管6a、6b、6c、6dが統合されずに単独で直接接続されている。この構成によれば、図1の熱媒体供給設備11とは異なり、広大な設置区域に照射する太陽光の一部が雲に遮光されて、ある集熱ゾーンの一部分における太陽熱の強度が局部的に急低下し、雲に遮光されていない他の部分の太陽熱強度との間で不均一が生じた場合でも、この不均一の結果による熱媒体の温度変動を、この集熱ゾーンの出口側において緩和することができる。また、この熱媒体供給設備25における熱媒体供給配管6a、6b、6c、6dそれぞれに、図2に示す熱媒体混合装置24a、24b、24c、24dを設置してもよい。
図4に示す発電設備1の熱媒体供給設備26は、図1の熱媒体供給設備11に対して熱貯蔵装置27を新たに設置したものである。この熱貯蔵装置27は、外界との間に高い断熱処理を施すことによって熱エネルギの逸散を抑制し、且つ、溶融塩等の蓄熱媒体を利用した高い蓄熱機能を有することにより、熱媒体の熱エネルギを貯蔵しうる特殊な容器から構成されたものである。
この熱貯蔵装置27は、前述の熱媒体混合装置10の上流側から、熱媒体混合装置10および熱交換器7をバイパスするように戻し管9に接続されたバイパス管28に設置されている。このバイパス管28に設置された循環ポンプ28Pによって熱媒体が集熱装置4と熱貯蔵装置27とに循環させられる。このように循環させられる熱媒体が回収する太陽熱の量は態様の昇天位置によって変化し、夜間ではゼロとなる。一方、太陽熱発電設備の発電力は、回収される太陽熱の平均レベルに対応するように計画されるのが一般的である。そして、回収太陽熱が最大レベル近傍となる時間帯において、平均レベルを超える回収太陽熱を熱貯蔵装置27に蓄える。このため、回収太陽熱が所定の平均レベルを超えた時点で、熱媒体の一部を熱貯蔵装置27に導き、その熱エネルギをこの装置27内の蓄熱媒体に貯蔵する。このバイパス管28および熱貯蔵装置27は、図2の熱媒体供給設備23または図3の熱媒体供給設備25に設置してもよい。
以下、図5〜図16を参照しながら、熱媒体の温度変動抑制装置として機能する熱媒体混合装置の詳細を説明する。以下の熱媒体混合装置は、その内部で十分に熱媒体の時間差混合がなされるように種々の工夫が施されている。すなわち、熱媒体混合装置は、そこに流入した熱媒体の一部が内部に長時間滞留し、十分に混合されることにより、効果的な時間差混合がなされるように構成されている。概説すれば、熱媒体混合装置は、その内部に流入した熱媒体が、そこに形成された複数の熱媒体通路をそれぞれ異なる時間をかけて通過し、各熱媒体通路を通過した熱媒体が混合されることにより、時間差混合が達成されるように構成されている。
図5に示す熱媒体混合装置10では、複数の異なる熱媒体通路を構成する熱媒体通路構成部材として、内部に複数の熱媒体通路としての隔室30が形成されたタンク31を採用している。この実施形態では、円筒状のタンク31内の床面上に上端が開放された複数個の円筒状隔壁32が間隔をおいて同心状に配設されており、タンク周壁と円筒状隔壁32との間の空間、および、円筒状隔壁32同士の間の空間がそれぞれ熱媒体通路30を構成している。円筒状隔壁32の上端の高さはタンク31の天井の高さより低くされており、タンク31の天井と各円筒状隔壁32の上端との間の空間によって各隔室(熱媒体通路)30が連通されている。タンク31の底部における各隔室30に対応する位置にはそれぞれ熱媒体の入口孔33が形成されており、タンク31の天井には、下流側の熱媒体供給配管6と接続される一つの熱媒体出口孔34が形成されている。
入口部材91は、上流側の熱媒体供給配管6から分岐して上記入口孔33それぞれに接続される配管35、および、この配管35に設置された、流入熱媒体量を調節する流量調整弁36を備えている。しかし、図3を参照しつつ説明したように、集熱ゾーン8の設置数と同数の隔室30を配設し、一の集熱ゾーン8から一の隔室30に対して独立して熱媒体供給配管を接続してもよい。この接続態様は、以下に説明する種々の熱媒体混合装置に対しても適用できる。
出口部材93は、上記出口孔34と、各円筒状隔壁32の上端より上方のタンク31の部分とから構成されていると言える。すなわち、出口部材93は、出口孔34を含む、タンク31の天井と各円筒状隔壁32の上端との間の空間を区画するタンクの部分である。各熱媒体通路30に分かれて通って来る熱媒体は、この出口部材93において合流し、ここで混合される。図5の熱媒体通路構成部材は四つの熱媒体通路30a、30b、30c、30dを有しているが、この個数には限定されず、二個以上であればよいが、熱媒体の効果的な時間差混合を実現するという観点からは多いほどよい。
各熱媒体通路30への入口部材91の接続は本実施形態のごとくタンク31の底に限定されないが、入口部材91から出口部材93に至る熱媒体通路30の長さが長い方が好ましいので、熱媒体通路30の上端が開放されて出口部材93に連通される場合は図示のごとくタンク31の底に入口部材91を接続するのがよい。
本実施形態では、全ての隔室30の容積をほぼ同一にしている。そのうえで、上記流量調整弁36の開度を調整して、各隔室30に流入する熱媒体流量を相違させている。その結果、各隔室30に同時に流入した熱媒体が出口部材93に至るまでの時間が隔室30a、30b、30c、30dによって異なることになる。その結果、各隔室から流出して合流した熱媒体は時間差混合がなされて温度変動が抑制される。以下、このことについて説明する
たとえば、入口部材91を通る総熱媒体流量をVとし、同一容積Wを有する第一から第nまでのn個の熱媒体通路へ流入する熱媒体流量の比が1:2:3:・・・nとなるように流量弁を調節すると、ある時刻に第一の熱媒体通路に流入した熱媒体量V/{n・(n+1)/2}は時間t1 =W・n・(n+1)/2Vが経過した後に第一熱媒体通路から流出する。第一熱媒体通路と同時刻に第二熱媒体通路に流入した熱媒体量2V/{n・(n+1)/2}は時間t2 =W・n・(n+1)/4V=1/2×t1 が経過した後に第二熱媒体通路から流出する。第n熱媒体通路に同時刻に流入した熱媒体量n・V/{n・(n+1)/2}は1/n×t1 後に第n熱媒体通路から流出する。
このように同時に全熱媒体通路に流入した熱媒体、すなわちほぼ同一温度である熱媒体が異なる時間後に各熱媒体通路から流出し、出口部材93において合流することによって混合される。その結果、熱媒体混合装置10に流入した熱媒体は効果的に時間差混合がなされ、当該熱媒体の温度変動が抑制される。各熱媒体通路から時間差をもって流出した熱媒体を、合流後に一層混合するために、出口部材93(たとえばタンク31内における熱媒体通路30より上方の部分)に混合器や撹拌装置を設置してもよい。撹拌装置としてはスクリュープロペラ等の回転体や強制噴流装置等が採用されうる。回転体を駆動する電動モータ等はタンクや熱媒体通路の外部に設置しておくのが好ましい。また、上記回転体等に代えて、熱媒体の流れの態様を変化させるような構造部材を固設してもよい。たとえば、流路の内壁面に固定翼を取り付ける等してもよい。
上記実施形態では各熱媒体通路に流入する熱媒体流量を整数比としているが、かかる構成に限定されることはなく、任意の流量比を選択することができる。また、必要に応じて一部の複数熱媒体通路に同一流量の熱媒体を流入させてもよい。
図5の熱媒体混合装置10では複数の熱媒体通路が同一容積を有し、各熱媒体通路に流入する熱媒体流量を相違させているが、以下に説明するように、複数の熱媒体通路の容積を相違させ、流入熱媒体流量を同一としてもよい。
図6に示す熱媒体混合装置37は互いに異なる容積を有する複数の隔室38a、38b、38c、38dが形成された熱媒体通路構成部材39を有している。この熱媒体通路構成部材39は、図5の熱媒体通路構成部材と同様に、床面上に上端が開放された複数個の円筒状隔壁32が間隔をおいて同心状に配設されたタンク31を有し、タンク31の周壁と円筒状隔壁32との間の空間、および、円筒状隔壁32同士の間の空間がそれぞれ熱媒体通路38を構成している。後述するように最内の円筒状隔壁32aの内側は合流した熱媒体が流出する経路の一部となっている。全円筒状隔壁32の上端はタンク31の天井から下方に間隔をおいた位置となっている。
しかしながら、円筒状隔壁32同士の間隔が図5のものとは異なり、隔室38a、38b、38c、38dの容積比が1:2:3:4となるように構成されている。そして、入口部材91は、上流側の熱媒体供給配管6から分岐して上記タンク31の入口孔33それぞれに接続される配管35を有しているが、上記流量調整弁36は備えていない。そして、全ての熱媒体通路(隔室)38にほぼ同一流量の熱媒体が流入するようにされている。
タンク31の出口孔34はタンク31の底の中央であって最内の円筒状隔壁32aの内側に対応する位置に形成されている。この最内の円筒状隔壁32aの内側の空間が出口部材93の一部を構成している。そして各隔室38a、38b、38c、38dに流入した熱媒体はタンク31内の全隔室38より上部の空間および最内の円筒状隔壁32aの内側を通って出口孔34から下流側の熱媒体供給配管6に流出する。したがって、出口部材93は、各隔室38より上方のタンク31の部分と、最内の円筒状隔壁32aの内側と、出口孔34とから構成されていると言える。すなわち、出口部材93は、出口孔34を含む、タンク31の天井と各円筒状隔壁32の上端との間の空間を区画するタンクの部分と、最内の円筒状隔壁32aとである。
各熱媒体通路38に分かれて通って来る熱媒体は、この出口部材93において合流し、ここで混合される。本熱媒体混合装置37に対しても、その出口部材93(たとえばタンク31内における隔室38より上方の部分、または、最内の円筒状隔壁32aの内側)に混合器または撹拌装置を設置してもよい。
この熱媒体混合装置37においても、そこから流出する熱媒体は時間差混合がなされて温度変動が抑制される。以下、このことを説明する。
たとえば、入口部材91を通る総熱媒体流量をVとし、第一から第nまでのn個の熱媒体通路の容積比が1:2:3:・・・nであるとする。ある時刻に容積Wを有する第一の熱媒体通路に流入した熱媒体量v=V/nは、時間t1 =1W/vが経過した後に第一熱媒体通路から流出する。第一熱媒体通路と同時刻に容積2Wを有する第二熱媒体通路に流入した同一熱媒体量v=V/nは時間t2 =2W/v=2t1 が経過した後に第二熱媒体通路から流出する。容積nWを有する第n熱媒体通路に同時刻に流入した熱媒体量v=V/nはnt1 後に第n熱媒体通路から流出する。
このように同時に全熱媒体通路に流入した熱媒体、すなわちほぼ同一温度値を有する熱媒体、が異なる時間後に各熱媒体通路から流出し、出口部材93において合流して混合される。その結果、熱媒体混合装置37に流入した熱媒体は効果的に時間差混合がなされ、当該熱媒体の温度変動が抑制される。
上記実施形態では熱媒体通路の容積比を整数比としているが、かかる構成に限定されず、任意の容積比を選択することができる。また、必要に応じて一部の複数の熱媒体通路を同一の容積としてもよい。この実施形態では最内の円筒状隔壁32aの内側が熱媒体が流出する流出経路となっているが、かかる構成に限定されない。最外の隔室(第n通路)または中間の隔室を流出経路と設定してもよい。
前述したタンク31は円筒形状に限定されることはない。円筒状の他に多角筒状や球状等、種々の形状のものを採用することができる。また、タンク31内に隔室を形成する円筒状隔壁32は同心状に配置されているが、かかる構成に限定されず、偏心配置してもよい。さらに、各熱媒体通路の断面形状は熱媒体の流れ方向に沿って一様である必要はない。拡大した縮小していてもよく、通路が湾曲したり蛇行していてもよい。熱媒体通路構成部材、入口部材および出口部材は図5および図6の構成に限定されず、様々な好適な構成を採用することができる。
たとえば、図7に示す熱媒体混合装置40における熱媒体通路構成部材41は、タンク31の内部を上下に間隔をおいた複数枚の水平隔壁42で仕切ることによって複数の熱媒体通路(隔室)43が形成されたものである。水平隔壁42同士は等間隔に配置され、全ての隔室43はほぼ同一容積となる。各隔室43の一端には入口孔33が形成され、他端には出口孔34が形成されている。入口孔33と出口孔34とは対向しておらず、入口孔33の中心軸から外れた位置に出口孔34が形成されている。これは、入口孔33から隔室43に流入した熱媒体の一部がきわめて短時間に出口孔から流出することを阻止して、隔室43内に熱媒体をできるだけ長時間滞留させるためである。図示していないが、出口孔34を入口孔33の中心軸から外れた位置に形成することは、図7の熱媒体通路構成部材41に限定されず、他の図面に示す隔室やタンクにも適用することができる。
隔室43は水平隔壁42によって区画されているが、かかる構成に限定されず、たとえば鉛直方向に延びる隔壁によって区画してもよく、上下左右に碁盤の目状や蜂の巣状に区画されていてもよい。また、柑橘類の実の断面のごとく放射状に区画されていてもよい。
入口部材91は図5に示すものと同じであり、上流側の熱媒体供給配管6から分岐して複数の上記入口孔33それぞれに接続される配管35、および、この配管35に設置された流量調整弁36を備えている。この流量調整弁36の開度を調節することによって各隔室43に流入する熱媒体流量を相違させている。なお、図3に示すように、各集熱ゾーンにおける各熱媒体供給配管を統合せずに単独で直接熱媒体通路構成部材41の各隔室43に接続してもよい。
出口部材93は複数の上記出口孔34に接続され、統合して下流側の熱媒体供給配管6に接続される配管44から構成されている。時間差をもって隔室43から流出した熱媒体は統合した配管部分44において混合し始める。したがって、熱媒体の混合を促進するために、出口部材93(たとえば統合した配管部分)に混合器または撹拌装置を設置してもよい。この熱媒体通路構成部材41においても、図5の熱媒体混合装置10について説明したと同様に、流入した熱媒体が効果的に時間差混合がなされ、当該熱媒体の温度変動が抑制される。
図7に示すような、上下に複数段の隔室を備えた形状の熱媒体混合装置40であっても、たとえば各隔室に流入させる熱媒体流量をほぼ同一とし、隔室の容積を相互に相違させてもよい。この場合は入口部材に流量調整弁を設置することは特に必要ではない。かかる熱媒体混合装置40であっても、図6の熱媒体混合装置37について説明したと同様に、流入した熱媒体が効果的に時間差混合がなされ、当該熱媒体の温度変動が抑制される。
熱媒体通路構成部材としては、図5〜図7に示すような一つのタンクの内部に複数個の隔室が形成された熱媒体通路構成部材29、39、41に限定されず、独立した複数個の容器から構成されたものでもよい。
図8には、上記したような独立した複数個の容器46から構成された熱媒体通路構成部材47を有する熱媒体混合装置45が示されている。各容器46が隔室(熱媒体通路)を構成しており、いずれもほぼ同一の容積を有している。各容器46の下端(上端でも側面でもよい)には入口孔33が形成されており、上端(下端でも側面でもよい)には熱媒体の出口孔34が形成されている。
入口部材91は図5や図7に示すものと同じであり、上流側の熱媒体供給配管6から分岐して複数の上記入口孔33それぞれに接続される配管35、および、この配管35の分岐した部分それぞれに設置された流量調整弁36を備えている。この流量調整弁36の開度を調節することによって各隔室46に流入する熱媒体流量を相違させている。出口部材93は図7に示すものと同じであり、複数の上記出口孔34に接続され、統合して下流側の熱媒体供給配管6に接続される配管44から構成されている。時間差をもって隔室46から流出した熱媒体は統合した配管部分44において混合し始める。したがって、熱媒体の混合を促進するために、出口部材93(たとえば統合した配管部分)に混合器または撹拌装置を設置してもよい。この熱媒体混合装置45においても、図5の熱媒体混合装置10について説明したと同様に、流入した熱媒体が効果的に時間差混合がなされ、当該熱媒体の温度変動が抑制される。また、各熱媒体通路を独立した一つの容器から構成するため、隔室を仕切る隔壁の設置作業等を省略することができるので製造が容易となる。
図8に示すような、独立した複数の容器46を熱媒体通路として有する熱媒体混合装置であっても、たとえば各容器に流入させる熱媒体流量をほぼ同一とし、各容器の容積を相互に相違させてもよい。その場合は入口部材に流量調整弁を設置することは特に必要ではない。かかる熱媒体混合装置であっても、図6の熱媒体混合装置37について説明したと同様に、流入した熱媒体の効果的な時間差混合がなされ、当該熱媒体の温度変動が抑制される。前述した容器46の形状には限定されない、円筒状、多角筒状、球状等、種々の形状のものを採用することができる。各熱媒体通路を独立した一つの容器から構成するため、容易に容器の容積を相違させることができる。各容器を、たとえば異なる直径のパイプ状部材や長さの異なるパイプ状部材等から形成することができる。
図9に示す熱媒体混合装置48は、その熱媒体通路構成部材49が図8に示す容器46を一体に結束することにより構成されたものである。複数の容器46がコンパクトに結束されていることを除いては図8に示す熱媒体混合装置45とほぼ同一の構成であるので、図8と同一部材には同一符号を付記して詳細な説明を省略する。この熱媒体混合装置48は、設置スペースを節約することができる。
図10および図11に示す熱媒体混合装置50は、タンク51の内部に多数の貫通孔52aを有する多孔板52が配設されたものである。図10は熱媒体混合装置50の一部切り欠き斜視図であり図11は縦断面図である。タンク51の周壁には入口孔33および出口孔34が形成され、入口孔33には上流側の熱媒体供給配管6が接続され、出口孔34には下流側の熱媒体供給配管6が接続されている。上記多孔板52はタンク51の内部の空間を入口孔33側の空間と出口孔34側の空間とに区切るように鉛直方向に配置されている。本実施形態では、入口孔33と出口孔34とがタンク51の周壁における対向する位置に形成され、多孔板52が入口孔33と出口孔34とを結ぶ仮想直線に直交するように鉛直に配置されているが、かかる構成に限定されない。
この熱媒体混合装置50においては、入口孔33およびこの入口孔33に熱媒体供給配管6を接続するタンク51の部分が入口部材を構成することになり、出口孔34およびこの出口孔34に熱媒体供給配管6を接続するタンク51の部分が出口部材を構成することになる。
多孔板52のうち、入口孔33の中心から熱媒体供給配管6の入口孔33に接続されている部分の中心軸の方向に延びる仮想直線L(以下、入口孔33の中心軸と呼ぶ)と交差する点の周辺には貫通孔は形成されていない。これを無孔領域53(図中に二点鎖線で囲んで示す)と呼ぶ。この無孔領域53は、入口孔33から流入した熱媒体の一部がきわめて短時間に出口孔34に至ることを阻止して、タンク51内に熱媒体をできるだけ長時間滞留させるために形成している。入口孔33からタンク51内に流入した熱媒体の多くは無孔領域に衝突してから各貫通孔52aを通過するので、熱媒体のタンク内滞留時間が長くなる。無孔領域53は、図10の実施形態では一例として入口孔33および出口孔34の形状とほぼ同じ範囲としているが、それ以上の範囲であってもよい。
このタンク51および多孔板52が熱媒体通路構成部材を構成している。すなわち、多孔板52の多数の貫通孔52aがそれぞれ熱媒体通路を構成している。入口孔33からタンク51内に流入した熱媒体が多孔板52の貫通孔52aを通過して出口孔34に至る場合、異なる貫通孔52aを通ればその流線の方向や長さが異なってくる。熱媒体の時間差混合の観点から、これは異なる熱媒体通路であるといえる。
この熱媒体混合装置50においては、熱媒体は多孔板52より入口孔側の空間で時間差混合がなされ、多孔板の貫通孔52aを通過して出口孔側の空間においてもさらに時間差混合がなされる。したがって、熱媒体の温度変動の抑制が効果的になされる。
なお、この多孔板52は図5〜図9に示す熱媒体通路構成部材29、39、41、47、49における隔室30、38、43および容器46の内部に設置してもよい。そうすれば、各熱媒体通路内においても熱媒体の時間差混合が可能となる。
図12に示す熱媒体混合装置54は、タンク51の内部に間隔をおいて二枚(三枚以上でってもよい)の多孔板52がほぼ平行に配設されたものである。したがって、タンク51の内部は多孔板52に区切られた三つの空間が形成される。図10の熱媒体混合装置50に比べると、本熱媒体混合装置54では二枚の多孔板52の間の空間によってさらなる時間差混合がなされるので、一層効果的に熱媒体の温度変動を抑制することができる。なお、出口孔34側の多孔板に無孔領域53を形成してもよい。
図13には、図10および図11の熱媒体混合装置50と同じ、多孔板52を内蔵した熱媒体通路構成部材としてのタンク51が示されている。しかし、このタンク51の入口孔33と熱媒体供給配管6との間には、熱媒体供給配管6に連続して水平から上方に傾斜した傾斜管55が介装されている。水平線からの傾斜角度αは限定されない。こうすることにより、タンク51内への熱媒体の流入方向が出口孔34の位置から外れるようにしている。この傾斜管55を熱媒体供給配管6およびタンク51に着脱可能とすることにより、異なる傾斜角度を持つ傾斜管に取り替え可能にすることができる。この傾斜管55の使用は、無孔領域53を形成しない(全面に均一に貫通孔52aが形成された)多孔板を使用する場合であっても、熱媒体のタンク51内への流入方向を出口孔34の位置から遠ざけることができるので好ましい。
この傾斜管55は、多孔板52を内蔵した熱媒体混合装置にのみ設置されるものではない。たとえば、図5〜図9に示す入口部材を構成する配管35に接続することによって、熱媒体通路の入口孔33の中心軸の延長線上から出口孔34が外れるようにしてもよい。この場合、傾斜管55の方向および入口孔の中心軸からの傾斜角度はその熱媒体通路に合わせて好適なものを選択すればよい。
図14には他の熱媒体混合装置56が示されている。この熱媒体混合装置56は、図10および図11の熱媒体混合装置50と同じ、多孔板52を内蔵した熱媒体通路構成部材としてのタンク51を備えている。しかし、このタンク51の入口孔33と熱媒体供給配管6との間には、熱媒体の流入方向を変更するための熱媒体流入装置57が配設されている。上記熱媒体混合装置50はもともとその内部に流入した熱媒体を時間差混合する機能を発揮するが、熱媒体流入装置57によって熱媒体流れの態様を変更することを可能とし、均一混合効果をより一層向上させることができる。
図15も合わせて参照すれば明らかなように、この熱媒体流入装置57は、タンク51の入口孔33と熱媒体供給配管6との間に配設されたハウジング58と、このハウジング58の内部に上下に間隔をおいて収容された複数枚の可変ルーバ59を有している。各可変ルーバ59はほぼ水平に配置され、その回動軸59aがハウジング58の外部に突出されている。この回動軸59aの突出した部分を、電動モータ、油圧モータ、空圧シリンダ、油圧シリンダ等の公知の手段によって回動させてルーバ59を上下方向に揺動させることができる。ルーバ59を上下方向に揺動させると、それに応じて熱媒体の流入方向を変更することができる。設置するルーバの枚数は限定せず、一枚でも複数枚でもよい。
また、図15に示すように、ハウジング58の外部に突出した回動軸59aには傾斜方向指示器59bが設置されており、熱媒体流入装置57の外部からルーバ59の傾斜方向、ひいては熱媒体の流入方向を表示することができる。また、このルーバ59の傾斜方向については、図示しない検出器によって検出して制御装置70(図1〜図4)にその検出信号を送信し、この検出信号に基づいて図示しない遠隔表示装置に表示させるようにしてもよい。また、ハウジング58に透視窓を形成して、外からルーバ59の傾斜方向を確認し得るようにしてもよい。
前述したように、熱媒体混合装置より上流側および下流側の熱媒体供給配管6それぞれに温度計測装置を設置することにより、各計測結果を比較することによって熱媒体混合装置の温度変動抑制効果を監視することができる。その場合、たとえば、温度計測装置から制御装置70に上記温度計測結果を送信するようにしておけばよい。そうすれば、この制御装置70により、温度変動抑制レベルの設定値と検出値との偏差を算出し、この偏差を埋めるように(均一な時間差混合効果が最大となるように)熱媒体流入装置57の熱媒体流入角度(ルーバ59の傾斜角度)を制御することができる。また、上記制御装置70によってルーバ59の傾斜角度を変化させつつこの温度計測装置によって連続的に熱媒体温度を計測してデータを蓄積すれば、時間差混合にとって最適のルーバ59の傾斜角度を知ることができる。この熱媒体流入装置57は、前述した熱媒体混合装置および後述する熱媒体混合装置のいずれにも適用することができる。
図14の熱媒体流入装置57は、タンク外に設置したハウジング58の内部に可変ルーバ59を収容しているが、かかる構成に限定されない。たとえば、ハウジングは設けずに、タンク内における入口に近接した位置に、タンク外部から揺動駆動しうるように可変ルーバ59を設置してもよい。
図16に示すタンク51の周壁(タンクの底部でもよい)には二個(三個以上であってもよい)の入口孔33および二個の出口孔34(三個以上であってもよい)が形成されている。各入口孔33と熱媒体供給配管6とを接続する入口部材として、熱媒体供給配管6から各入口孔33に向けて分岐する分岐管60aを有する配管60、および、上記分岐管60aに設置された流量調整弁(または止め弁)62が配設されている。また、各出口孔34と熱媒体供給配管6とを接続する出口部材として、各出口孔33から熱媒体供給配管6と統合して接続された分岐管61aを有する配管61、および、上記分岐管61aに設置された流量調整弁62が配設されている。なお、出口孔34は一個のみ形成し、入口孔33を複数個形成してもよい。
前述した制御装置70は、入口側の流量調整弁62を適宜選択して開閉したり流量調節をすることにより、タンク51内への熱媒体の流入位置を変化させたり、熱媒体流入位置における熱媒体流量を変化させることができる。このようにして制御装置70はタンク51内の熱媒体流の態様を最適化するように制御する。この最適の態様は多くの操業データに基づいて作成されたデータセットを基準にして、類似の操業状況(熱媒体温度、熱媒体流量、タンク内滞留時間等)に最も適したデータセットを適用することができる。たとえば、制御装置70により、温度変動抑制レベルの設定値と前述した両温度計測装置の検出値に基づく実測変動抑制レベルとの偏差を算出し、この偏差を埋めるように(均一な時間差混合効果が最大となるように)流量調節および熱媒体の流入位置変更を行う。この流量調節については、図5、図7〜図9に示される熱媒体混合装置のように、流入する熱媒体の流量を調節することのできる熱媒体混合装置であればいずれにも適用することができる。
また、上記制御装置70により、図16に示す出口側の流量弁62を入口側の流量調整弁62の操作と同期して操作すれば、入口側の流量調整弁62のみの制御に比べて、熱媒体の時間差混合にとって一層好ましい熱媒体流の態様を実現することが可能となる。なお、分岐した入口側の第三容器第三容器配管60と前述した傾斜管55や熱媒体流入装置57とを組み合わせることもできる。
以上説明した傾斜管55および熱媒体流入装置57をそれぞれ熱媒体混合装置に組み合わせたものもここで言う熱媒体温度変動抑制装置に含まれるものである。また、前述の各種熱媒体混合装置において、熱媒体の圧力損失を補償するための昇圧装置や吸引装置を設置してもよい。
図17〜図22には、熱媒体供給設備11において、前述した各種の熱媒体混合装置(以下、図11に示す熱媒体混合装置50で代表させる)を熱媒体供給配管6に接続する際の各種の配管の態様が例示されている。しかし、配管はこれら図面に示した範囲には限定されない。
図17には、熱媒体供給配管6に対していわば並列に設置された熱媒体混合装置50が示されている。換言すれば、熱媒体供給配管6に付設されたバイパス配管に設置された熱媒体混合装置50が示されている。すなわち、タンク51の入口部材91と熱媒体供給配管6とを連通する上流側入口配管64と、出口部材93と熱媒体供給配管63とを連通する出口配管63とが備えられている。上流側入口配管64は熱媒体供給配管6の出口配管63との接続部より上流側に接続されている。上流側入口配管64と出口配管63とが上記バイパス配管を構成している。
この上流側入口配管64には熱媒体をタンク51に送り込む熱媒体圧送装置としてのポンプ65が設置されている。したがって、供給される熱媒体の一部は上流側入口配管64を通ってタンク51に流入し、タンク51内で熱媒体が時間差混合し、同量の熱媒体が上記出口配管63を通ってタンク51から熱媒体供給配管6に戻る。熱媒体供給配管6に戻ったタンク51からの熱媒体は、熱媒体供給配管6を流れている熱媒体と時間差混合される。上流側入口配管64は出口配管63より熱媒体供給配管6の上流側に接続されているので、圧力損失を考慮した配管設計によって上記ポンプ65を省略することもできる。これは、後述する図19に示す上流側入口配管64についても同様である。
図18にも熱媒体供給配管6に対して並列に設置された熱媒体混合装置50が示されている。図示のごとく、タンク51の入口部材91および出口部材93と熱媒体供給配管6との間にはそれぞれ、入口配管66および出口配管63が接続されている。しかし、この入口配管66は、熱媒体供給配管6と出口配管63との接続部より下流側に接続されている。したがって、この入口配管66を下流側入口配管66と呼ぶ。この下流側入口配管66には熱媒体をタンク51に送り込むポンプ65が設置されている。
かかる構成によれば、下流側入口配管66が熱媒体供給配管6における出口配管63との接続部より下流側に接続されていても、熱媒体はポンプ65により下流側入口配管66を通してタンク51内へ送り込まれ、時間差混合して出口部材93から出口配管63へと流出する。そして、出口配管63から熱媒体供給配管6に戻った熱媒体は、再度、熱媒体供給配管6を流れている熱媒体と時間差混合される。つまり、温度変動が抑制された熱媒体の一部が循環するので効果的な時間差混合がなされる。そして、上記下流側入口配管66の長さを長くするほど、タンク51内でより長時間に渡る時間差混合が実現される。
図19にも熱媒体供給配管6に対して並列に設置された熱媒体混合装置50が示されている。図示のごとく、タンク51と熱媒体供給配管6との間には、出口配管63とポンプ65を備えた上流側入口配管64とが接続されている。すなわち、タンク51の入口部材91には上流側入口配管64が接続され、出口部材93には出口配管63が接続されている。しかし、このタンク51にはさらなる入口部材92が形成されており、この入口部材92に下流側入口配管66が接続されている。下流側入口配管66は熱媒体供給配管6における出口配管63との接続部より下流側に接続されている。この下流側入口配管66には熱媒体をタンク51に送り込むポンプ65が設置されている。図示のごとく、上流側入口配管64および下流側入口配管66のタンク51への接続位置(入口部材91、92)は互いに近接している。
この構成によれば、タンク51には熱媒体供給配管6の上流側から上流側入口配管64を通して熱媒体の一部が圧送され、同時に熱媒体供給配管6の下流側から下流側入口配管66を通して熱媒体の一部が圧送され、時間差混合して出口部材93から出口配管63へと流出する。つまり、温度変動が抑制された熱媒体の一部が循環するので、タンク51内で長時間に渡る時間差混合が実現される。下流側入口配管66の長さを長くするほど、時間差混合される熱媒体の滞留時間が長くなり、一層好ましい時間差混合が実現される。
図20に示す熱媒体混合装置50のタンク51は一つの出口部材93と二種類の入口部材91、92とを有している。一方の入口部材91には上流側熱媒体供給配管6が接続され、出口部材93には下流側熱媒体供給配管6が接続され、さらに、他方の入口部材92には下流側熱媒体供給配管6に接続された戻し配管67が接続されている。二つの入口部材91、92は近接して形成されている。戻し配管67には熱媒体をタンク51に送り込むためのポンプ65が設置されている。
かかる構成によれば、タンク51で温度変動が抑制された熱媒体の一部は再度タンク51へ戻されて再度時間差混合するので、一層好ましい時間差混合が実現される。戻し配管67の長さを長くするほど時間差混合される熱媒体の滞留時間が長くなる。
図21には、図17に示すのと同じく、熱媒体供給配管6に接続された上流側入口配管64および出口配管63からなるバイパス配管に設置された熱媒体混合装置50が示されている。上流側入口配管64には熱媒体をタンク51に送り込むポンプ65が設置されている。この熱媒体供給配管6にはさらに、熱媒体混合装置50をバイパスしてその下流側から上流側に熱媒体を戻す戻し配管68が配管されている。この戻し配管68には熱媒体を上流側へ圧送するポンプ65が設置されている。
この構成によれば、熱媒体供給配管6における熱媒体混合装置50の下流側からその上流側へ戻し配管68を通して熱媒体の一部が圧送され、時間差混合して熱媒体混合装置50へ流入する。さらに熱媒体混合装置50内で時間差混合される。つまり、温度変動が抑制された熱媒体の一部が循環するので、タンク51内で長時間に渡る時間差混合が実現される。戻し配管68の長さを長くするほど、時間差混合される熱媒体の滞留時間が長くなり、一層好ましい時間差混合が実現される。
図22に示す熱媒体混合装置50のタンク51には、その入口部材91に上流側熱媒体供給配管6が接続され、出口部材93に下流側熱媒体供給配管6が接続されている。さらに、熱媒体供給配管6における熱媒体混合装置50をバイパスしてその下流側から上流側に熱媒体を戻す戻し配管68が配管されている。この戻し配管68には熱媒体を上流側へ圧送するポンプ65が設置されている。
この構成によっても、温度変動が抑制された熱媒体の一部が熱媒体混合装置50に循環するので、タンク51内で長時間に渡る時間差混合が実現される。戻し配管68の長さを長くするほど、時間差混合される熱媒体の滞留時間が長くなり、一層好ましい時間差混合が実現される。
図23に示す熱媒体の温度変動抑制装置は熱媒体混合装置を備えておらず、配管の工夫によって熱媒体の時間差混合を行うものである。すなわち、この温度変動抑制装置は図22に示す温度変動抑制装置から熱媒体混合装置50を削除したものである。具体的には、熱媒体供給配管6における下流側から上流側に熱媒体を戻す戻し配管68が配管され、この戻し配管68にポンプ65が設置されたものである。この構成によっても、熱媒体の一部が熱媒体供給配管6を循環するので、熱媒体の時間差混合が実現される。
また、この戻し配管68におけるポンプ65を、その圧送方向が上流から下流に向くように付け代えて設置してもよい。すなわち、上記戻し配管68は流体を戻すための戻し配管ではなく、熱媒体の一部を熱交換器7に向けて急速に圧送させるための配管となる。この構成によれば、この一部急速圧送配管の下流側の熱媒体供給配管6との接続部において、熱媒体の時間差混合が実現される。
図24に示す熱媒体の温度変動抑制装置も熱媒体混合装置を備えておらず、配管の工夫によって熱媒体の時間差混合を行うものである。この熱媒体供給配管6には、熱交換器7をバイパスしてその下流側(戻し管9)から上流側に熱媒体を戻す戻し配管69が配管されている。この戻し配管69には熱媒体を上流側へ圧送するポンプ65が設置されている。
この構成によれば、熱媒体供給配管6における熱交換器7の下流側からその上流側へ戻し配管69を通して熱媒体の一部が圧送され、時間差混合して再度熱交換器7へ供給される。この熱媒体供給設備の始動時を除いて常時時間差混合された熱媒体が熱交換器7へ供給されることになる。
以上説明した熱媒体の温度変動抑制装置(図5〜図24)の入口側および/または出口側に、熱媒体供給配管6を通ってくる熱媒体が一時滞留するための滞留槽を設置しておいてもよい。比較的大容量の滞留槽に熱媒体を一時的に滞留させることにより、そこでも熱媒体の時間差混合がなされる。そして、この滞留槽に公知の技術によって高い熱容量を付与しておくことにより、熱媒体の温度変動が一層抑制されるので好ましい。さらに、入口側滞留槽から熱媒体を温度変動抑制装置に送るため、および、出口側滞留槽から熱媒体を熱交換器に送るためにポンプ等の圧送装置を設置するのが好ましい。
また、上記各種の温度変動抑制装置(図5〜図24)をそれぞれ単一で設置することはもとより、複数基を直列または並列に並べて設置してもよい。
以上説明した実施形態では、ガスタービンおよび蒸気タービンを用いた複合発電設備を例にとっているが、とくに複合発電設備に限定されることはない。前述した熱媒体混合装置、熱媒体供給設備は、ガスタービンを用いない蒸気タービン発電にも適用することができる。さらには、これらの発電設備以外でも、熱媒体の温度変動を避けることができない設備に対しても適用することができる。
また、前述した実施形態は一例を示しており、本発明の要旨を損なわない範囲での種々の変更は可能であり、本発明は前述した実施形態に限定されるものではない。
本発明によれば、太陽熱発電設備におけるような温度変動しつつ熱交換器へ供給される液状の熱媒体に対し、簡単な構成によって時間差混合することにより、その温度変動を抑制、緩和することができる。したがって、その温度変動を避け得ない熱媒体を使用して発電等を行う設備にとって有用である。
1・・・・発電設備
2・・・・蒸気タービン
3・・・・ガスタービン
4・・・・(集光式)集熱装置
5・・・・熱吸収パイプ
6・・・・熱媒体供給配管
7・・・・熱交換器
8・・・・集熱ゾーン
9・・・・戻し管
10・・・・熱媒体混合装置
11・・・・熱媒体供給設備
12・・・・発電機
13・・・・排熱回収ボイラ
14・・・・復水器
15・・・・給水ポンプ
16・・・・給水管
17・・・・給水加熱器
18・・・・脱気器
19・・・・ポンプ
20・・・・第一蒸気供給管
21・・・・第二蒸気供給管
22・・・・煙突
23・・・・熱媒体供給設備
24・・・・熱媒体混合装置
25・・・・熱媒体供給設備
26・・・・熱媒体供給設備
27・・・・熱貯蔵装置
28・・・・バイパス管
29・・・・熱媒体通路構成部材
30・・・・隔室(熱媒体通路)
31・・・・タンク
32・・・・円筒状隔壁
33・・・・入口孔
34・・・・出口孔
35・・・・配管
36・・・・流量調整弁
37・・・・熱媒体混合装置
38・・・・隔室(熱媒体通路)
39・・・・熱媒体通路構成部材
40・・・・熱媒体混合装置
41・・・・熱媒体通路構成部材
42・・・・水平隔壁
43・・・・隔室(熱媒体通路)
44・・・・配管
45・・・・熱媒体混合装置
46・・・・容器(隔室)
47・・・・熱媒体通路構成部材
48・・・・熱媒体混合装置
49・・・・熱媒体通路構成部材
50・・・・熱媒体混合装置
51・・・・タンク
52・・・・多孔板
53・・・・無孔領域
54・・・・熱媒体混合装置
55・・・・傾斜管
56・・・・熱媒体混合装置
57・・・・熱媒体流入装置
58・・・・ハウジング
59・・・・可変ルーバ
60・・・・配管
61・・・・配管
62・・・・流量調整弁
63・・・・出口配管
64・・・・上流側入口配管
65・・・・ポンプ
66・・・・下流側入口配管
67・・・・戻し配管
68・・・・戻し配管
69・・・・戻し配管
70・・・・制御装置
80・・・・流量調整弁
81・・・・温度計測装置
82・・・・排ガス配管
91、92・・・・入口部材
93・・・・出口部材

Claims (10)

  1. 液状熱媒体を熱交換器に供給する熱媒体供給通路に配設された熱媒体の温度変動抑制装置であって、
    熱媒体を混合するための熱媒体混合装置を備えており、
    該熱媒体混合装置が、
    複数の熱媒体通路を有する熱媒体通路構成部材と、
    前記熱媒体供給通路と前記熱媒体通路構成部材とを接続しており、前記熱媒体供給通路から分岐して前記各熱媒体通路の入口へ熱媒体を流入させるための入口部材と、
    該入口部材とは別に形成されて前記熱媒体通路構成部材と前記熱媒体供給通路とを接続しており、前記各熱媒体通路の出口を統合して前記熱媒体供給通路へ熱媒体を流出させるための出口部材と、
    前記入口部材の分岐した部分のそれぞれにおいて対応する前記各熱媒体通路に流入する熱媒体の流量が互いに異なるよう変更することが可能な流量調整装置とを備えており、
    上記入口部材から連続して流入してくる熱媒体が、熱媒体通路構成部材の複数の熱媒体通路をそれぞれ時間差をもって通過したあと合流して上記出口部材から流出することができるように構成されてなる熱媒体の温度変動抑制装置。
  2. 上記熱媒体通路構成部材が、上記熱媒体通路を構成する第二容器を複数個備えており、
    各第二容器が熱媒体用の入口と出口とを有しており、
    上記入口部材が、熱媒体供給通路から各第二容器の入口に分岐して接続されており、
    上記出口部材が、各第二容器の出口から統合して熱媒体供給通路に接続されてなる請求項1記載の熱媒体の温度変動抑制装置。
  3. 上記複数の第二容器の容積がそれぞれ異なるように構成されてなる請求項2記載の熱媒体の温度変動抑制装置。
  4. 上記熱媒体混合装置内に熱媒体を撹拌するための撹拌装置が設置されてなる請求項1記載の熱媒体の温度変動抑制装置。
  5. 上記入口部材に接続されている熱媒体供給通路、および、入口部材のうちの一方に設置された、熱媒体の入口温度を計測するための入口温度計測装置と、
    上記出口部材に接続されている熱媒体供給通路、および、出口部材のうちの一方に設置された、熱媒体の出口温度を計測するための出口温度計測装置と、
    を含んでなる請求項1記載の熱媒体の温度変動抑制装置。
  6. 上記入口温度計測装置および出口温度計測装置の計測値に基づいて、熱媒体通路構成部材へ流入する熱媒体の温度変動と、熱媒体通路構成部材から流出する熱媒体の温度変動とを対比し、この対比結果に基づいて、熱媒体通路構成部材内への熱媒体の流入量を変化させるように制御する制御装置を含んでなる請求項5記載の熱媒体の温度変動抑制装置。
  7. 上記入口温度計測装置および出口温度計測装置の計測値に基づいて、熱媒体通路構成部材へ流入する熱媒体の温度変動と、熱媒体通路構成部材から流出する熱媒体の温度変動とを対比し、この対比結果に基づいて、熱媒体通路構成部材内への熱媒体の流入方向を変化させるように制御する制御装置を含んでなる請求項5記載の熱媒体の温度変動抑制装置。
  8. 太陽光によって液状熱媒体を加熱する加熱設備と、
    該加熱設備から供給された熱媒体によって給水を加熱する熱交換器と、
    上記加熱設備から熱交換器に熱媒体を供給する熱媒体供給通路と、
    該熱媒体供給通路に配設された、熱媒体の温度変動を抑制するための温度変動抑制装置と
    を備えており、
    該温度変動抑制装置が請求項1〜7のうちのいずれか一の項に記載の熱媒体の温度変動抑制装置である熱媒体供給設備。
  9. 蒸気タービンと、
    該蒸気タービンに供給される蒸気を発生させるために、水を加熱する熱媒体を供給するための熱媒体供給設備とを備えており、
    該熱媒体供給設備が、請求項8に記載の熱媒体供給設備であり、該熱媒体供給設備における熱交換器において発生した蒸気が蒸気タービンに供給されるように構成されてなる太陽熱発電設備。
  10. ガスタービンと、
    ガスタービンの排熱を利用した排熱回収ボイラとをさらに備えており、
    該排熱回収ボイラにおいて発生した蒸気が上記蒸気タービンに供給されるように構成されてなる請求項9記載の太陽熱発電設備。
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