用語「親和標識」は、本明細書において、第2ポリペプチドの精製または検出を提供するか、あるいは基質への第2ポリペプチドの結合部位を提供するために、第2ポリペプチドに結合させることができるポリペプチドのセグメントを表すために使用される。原理的には、抗体または他の特異的な結合因子が利用可能な任意のペプチドまたはタンパク質を親和標識として使用することができる。親和標識は下記のものを包含する:
ポリヒスチジントラクト、プロテインA(Nilsson et al.、EMBO J. 4:1075、1985;Nilsson et al.、Methods Enzymol. 198:3、1991)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(SmithおよびJohnson、Gene 67:31、1988)、マルトース結合性タンパク質(KellermanおよびFerenci、Methods Enzymol. 90:459-463、1982;Guan他、Gene 67:21-30、1987);Glu−Glu親和標識(Grussenmeyer et al.、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:7952-4、1985;配列番号5参照)、サブスタンスP、FlagTMペプチド(Hopp et al.、Biotechnology 6:1204-1210、1988)、ストレプトアビジン結合性ペプチド、チオレドキシン、ユビクイチン、セルロース結合性タンパク質、T7ポリメラーゼ、または他の抗原性エピトープまたは結合ドメイン。
一般に、Ford et al.、Protein Expression and Purification 2:95-107、1991、参照。親和標識をコードするDNAおよび他の試薬は、商業的供給会社から入手可能である(例えば、Pharmacia Biotech、ニュージャージイ州ピスカタウェイ;New England Biolabs、マサチュセッツ州ベバーリイ;およびEastman Kodak、コネチカット州ニューヘブン)。
用語「対立遺伝子変異型」は、本明細書において、同一染色体遺伝子座を占有する遺伝子の2またはそれ以上のオールタネイト形態の任意のものを表すために使用される。対立遺伝子の変動は突然変異により天然に起こり、そして集団内に表現型の多形性を生じさせることがある。遺伝子の突然変異はサイレント(コードされたポリペプチドの非変化)であるか、あるいは変更されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードすることができる。対立遺伝子変異型という用語は、また、本明細書において遺伝子の対立遺伝子変異型によりコードされるタンパク質を表すために使用される。
用語「アミノ末端」または「カルボキシル末端」は、本明細書において、ポリペプチド内の位置を表すために使用される。この関係が許す場合、これらの用語は近接性または相対的位置を表すためにポリペプチドの特定の配列または部分を参照して使用される。例えば、ペプチド内の参照配列に対してカルボキシル末端に位置するある種の配列は、参照配列のカルボキシル末端に対して近接して位置するが、完全なポリペプチドのカルボキシル末端に必ずしも存在しない。
「ベータ鎖様領域」は、ポリペプチドバックボーン二面角ファイ(φ)およびプサイ(ψ)のある種の組合わせにより特徴づけられるタンパク質の領域である。φが−60°より小さくかつψが90°より大きい領域はベータ鎖様である。当業者は認識するように、β−鎖の限界は多少不正確であり、それらを定めるために使用する基準とともに変化することがある。例えば、下記の文献を参照のこと:RichardsonおよびRichardson in Fasman、編、Prediction of Protein Structure and the Principles of Protein Conformation、Plenum Press、New York、1989;およびLesk、Protein Architecture;A Practical Approach、Oxford University Press、New York、1991。
用語ポリヌクレオチド分子の「相補体」は、相補的塩基配列を有しかつ参照配列に比較して逆の向きを有するポリヌクレオチド分子である。例えば、配列5' ATGCACGGG 3'は5' CCCGTGCAT 3'に対して相補的である。
「に対応する」は、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列を参照して使用するとき、2つの配列が最適に整列しているとき、参照位置と整列する第2配列中の位置を示す。
用語「縮重ヌクレオチド配列」は、1またはそれ以上の縮重コドンを含むヌクレオチド配列(ポリペプチドをコードする参照ポリヌクレオチド分子に比較して)を表す。縮重コドンはヌクレオチドの異なるトリプレットを含有するが、同一アミノ酸残基をコードする(すなわち、GAUおよびGACのトリプレットの各々はAspをコードする)。
用語「発現ベクター」は、その転写を提供する追加のセグメントに作用可能に連鎖された、問題のポリペプチドをコードするセグメントからなる、線状または円形のDNA分子を表すために使用される。このような追加のセグメントは、プロモーターおよびターミネーターの配列を包含し、そして、また、1またはそれ以上の複製起点、1またはそれ以上の選択可能なマーカー、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、およびその他を包含することができる。発現ベクターは、一般に、プラスミドまたはウイルスDNAから誘導されるか、あるいは双方の因子を含有することができる。
用語「単離された」は、ポリヌクレオチドに適用されるとき、ポリヌクレオチドがその自然の遺伝的環境から取出され、こうして、他の余分または望ましくないコーディング配列を含まず、そして遺伝子操作されたタンパク質の産生系内で使用するために適当な形態であることを表す。このような単離された分子は、それらの自然の環境から分離されたものであり、そしてcDNAおよびゲノムのクローンを包含する。本発明の単離されたDNA分子は、それらが通常アソシエートされる他の遺伝子を含まないが、天然に存在する5'および3'の非翻訳領域、例えば、プロモーターおよびターミネーター、およびその他を包含することができる。アソシエートされた領域の同定は、当業者にとって明らかであろう(例えば、DynanおよびTijan、Nature 316:774−78、1985、参照)。
「単離された」ポリペプチドまたはタンパク質は、その自然環境、例えば、血液および動物の組織、以外の条件において見出されるポリペプチドまたはタンパク質である。1つの形態において、単離されたポリペプチドまたはタンパク質は他のポリペプチドまたはタンパク質、特に動物由来の他のポリペプチドまたはタンパク質を実質的に含まない。ポリペプチドおよびタンパク質は高度に精製された形態、すなわち、95%より大きい純度、より好ましくは99%より大きい純度のポリペプチドを提供することができる。この関係において使用するとき、用語「単離された」は別の物理的形態、例えば、二量体、あるいはグリコシル化または誘導化された形態の同一のポリペプチドの存在を排除しない。
「モチーフ」は、ある種のアミノ酸残基を必要とするタンパク質配列中の、1系列のアミノ酸位置である。あるモチーフは各このような位置における可能な残基の組を規定する。
用語「作用可能に連鎖された」は、2またはそれ以上の実在物が、それらの意図する目的と調和して機能するように、一緒に結合されていることを意味する。セグメントについて言及するとき、この句は、例えば、コード配列が正しいリーディングフレームで結合されており、そして転写がプロモーターにおいて開始し、1またはそれ以上のコーディングセグメントを通してターミネーターに進行することを示す。ポリペプチドを言及するとき、「作用可能に連鎖された」は共有結合した(例えば、ジサルファイド結合により)および非共有結合した(例えば、水素結合、疎水性相互作用、または塩架橋相互作用により)配列を包含し、ここで配列の1またはそれ以上の所望の機能は保持されている。
用語「オーソログ」は、異なる種からのポリペプチドまたはタンパク質の機能的対応物である、1つの種から得られたポリペプチドまたはタンパク質を表す。オーソログの間の配列の差は種形成の結果である。
「PDGFアルファレセプター仲介細胞プロセス」は、PDGFアルファレセプターの活性化に応答して起こる細胞のプロセスである。このようなプロセスは、細胞分裂、化学走性、細胞分化、および高分子の産生または放出である。
「ポリヌクレオチド」は、5'→3'末端の方向に読んだ、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド塩基の一本鎖または二本鎖のポリマーである。ポリヌクレオチドはRNAおよびDNAを包含し、天然源から単離され、in vitroで合成されるか、あるいは天然の分子と合成の分子との組合わせから製造することができる。ポリヌクレオチドは、塩基対(略号「bp」)、ヌクレオチド(「nt」)、またはキロ塩基(「kb」)として表される。
この関係が許す場合、後者の2つの用語は一本鎖または二本鎖であるポリヌクレオチドを記載することができる。この用語を二本鎖の分子に適用するとき、それは全体の長さを表すために使用され、そして用語「塩基対」に等しいと理解されるであろう。当業者は認識するように、二本鎖ポリヌクレオチドの2つの鎖は長さがわずかに異なることがあり、そして酵素の切断の結果その末端は食い違うことがある;こうして、二本鎖ポリヌクレオチド内のすべてのヌクレオチドは対合していなことがある。このような不対末端は、一般に、20ntを超えない長さであろう。
「ポリペプチド」は、自然にまたは合成的に生産された、ペプチド結合により結合されたアミノ酸残基のポリマーである。約10アミノ酸残基より小さいポリペプチドは普通に「ペプチド」と呼ばれる。
用語「プロモーター」は、本明細書において、RNAポリメラーゼを結合しかつ転写を開始するDNA配列を含有する遺伝子の部分を表す、この分野において認識されている意味について使用される。プロモーター配列は普通に、しかし常にではないが、遺伝子の5'非コード領域の中に見出される。
「タンパク質」は、1または2以上のポリペプチド鎖を含んでなる高分子である。タンパク質は、また、非特異的成分、例えば、炭水化物基からなることができる。炭水化物および他の非特異的置換基を細胞によりタンパク質に付加することができ、細胞においてタンパク質は産生され、そして細胞の型とともに変化するであろう。タンパク質はアミノ酸バックボーン構造により本明細書において定義される;置換基、例えば、炭水化物基は一般に特定されないが、それにもかかわらず、存在することができる。
用語「分泌シグナル配列」は、ポリペプチド(「分泌ペプチド」)をコードするDNA配列を表し、それは、より大きいポリペプチドの1成分として、より大きいポリペプチドが合成される細胞の分泌経路を通してそのポリペプチドを向ける。通常、より大きいポリペプチドは、分泌経路を通る移行の間に切断されて、分泌ペプチドを除去する。
「セグメント」は、特定した属性を有する、より大きい分子(例えば、ポリヌクレオチドまたはポリペプチド)の部分である。例えば、特定したポリペプチドをコードするDNAセグメントは、5'→3'向に読んだとき、より長いDNA分子の部分、例えば、プラスミドまたはプラスミドフラグメントである。
不正確な分析法(例えば、ゲル電気泳動)により決定されたポリマーの分子量および長さは、近似値であると理解されるであろう。このような値を「約」Xまたは「ほぼ」Xとして表すとき、Xの記載する値は±10%の正確さであると理解されるであろう。
本明細書において引用するすべての参考文献の教示は、それらの全体において引用することによって本明細書の一部とされる。
本発明は、一部分、成長因子ドメインおよびCUBドメインを含んでなるポリペプチドをコードする、新規なDNA分子の発見に基づく。成長因子ドメインは、PDGFファミリーの「システイン結節」構造の特徴を示すシステイン残基およびベータ鎖の配置により特徴づけられる。
CUBドメインは、ニューロピリン(Takagi他、Neuron 7:295-307、1991;Soker他、前掲)、ヒト骨形態形成タンパク質−1(Wozney他、Science 242:1528-1534、1988)、ブタ精液血漿タンパク質およびウシ酸性精液タンパク質(Romero他、Nat. Struct. Biol. 4:783-788、1997)、およびアフリカツメガエル(X. laevis)トロイド(tolloid)様タンパク質(Lin他、Dev. Growth Differ. 39:43-51、1997)におけるCUBドメインに対して相同性の配列を示す。この新規なDNAに対応するmRNAの組織分布の分析は、発現が成体ヒト組織において広く分布していること、そして発現がマウス胚において15日までに起こることを示した。このポリペプチドを成長因子ドメイン中のVEGFに対するその相同性にかんがみて「zvegf3」と表示した。
zvegf3配列および他の成長因子に対するその相同性に基づく構造の予測は、ポリペプチドが、細胞の増殖、移動、分化、または代謝をモジュレートすることによって器官の発生を制御するように、組織に対して作用するホモマルチマーまたはヘテロマルチマーを形成するできること示唆する。zvegf3ヘテロマルチマーは、下記のものを包含する、タンパク質のPDGF/VEGFファミリーの他のメンバーからのポリペプチドを含んでなることができる:VEGF、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、zvegf4(配列番号36および37)、PIGF(Maglione他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 88:9267-9271、1991)、PDGF-A(Murray他、米国特許第4,899,919号;Heldin他、米国特許第5,219,759号)、またはPDGF-B(Chiu他、Cell 37:123-129、1984;Johnsson他、EMBO J. 3:921-928、1984)。
ポリペプチドのこのファミリーのメンバーは、器官の発生および再生、発生後の器官の成長、およびおよびの維持、ならびに組織の維持および修復のプロセスを調節する。これらの因子は、また、癌、慢性関節リウマチ、糖尿病性網膜症、虚血性四肢疾患、末梢血管性疾患、血管内過形成、アテローム性動脈硬化症、および血管腫の形成を包含する、療法上の治療を必要とする病理学的プロセスに関係する。
これらの病理学的状態を治療するために、タンパク質、またはそれらのそれぞれのレセプターのPDGF/VEGFファミリーのメンバーと対抗する化合物を開発することがしばしば必要であろう。これは中和性抗体、小さい分子アンタゴニスト、レセプターの結合活性を維持するが、レセプター活性化活性を欠如する成長因子の修飾された形態、可溶性レセプター、またはポリペプチドの産生をブロックするアンチセンスまたはリボザイム分子の開発を包含することができる。
配列番号2は本発明の代表的ポリペプチドの配列である。配列番号2に示すアミノ酸配列の分析は、残基1〜14が分泌ポリペプチドを形成することを示す。CUBドメインは残基46から残基163に延長する。プロペプチド様配列は残基164から残基234に延長し、そしてそのカルボキシル末端に2つの潜在的切断部位、すなわち、残基231〜232における二塩基性部位および残基231〜234におけるフリンまたはフリン様プロテアーゼのターゲット部位、を含む。成長因子ドメインは残基235〜残基345に延長する。当業者は認識するように、ドメイン境界は多少の不正確でありそして特定した位置から±5残基まで変化することを期待することができる。
潜在的タンパク質分解的切断部位は残基232および234に存在する。BHK細胞において産生された組換えzvegf3のプロセシングは、残基225〜226において起こることが見出された。シグナルペプチドの切断は、残基14(±3残基)後に起こることが予測される。この分析は、表1に示すように、zvegf3ポリペプチド鎖が切断されて複数のモノマー種が産生しうることを示唆する。
Arg−234後の切断は引き続く残基231〜234の除去を生じることが期待され、Gly−230がアミドに変換することがある。Lys−232後の切断は引き続く残基231の除去を生じることが期待され、再びGly−230がアミドに変換することがある。さらに、CUBドメインのカルボキシル末端においてドメイン間領域の7残基までを含むことが有利であろう。ドメイン間領域は、同様な量だけそのアミノ末端においてトランケートすることができる。表1参照。
表1に開示するポリペプチドに対して少なくとも90%または少なくとも95%同一であるポリペプチドは、また、本発明の範囲内に包含され、ここでこれらの追加のポリペプチドは後に開示するようにある種の特徴ある配列モチーフを保持する。
zvegf3ポリペプチドは、アミノ酸残基を示す下付き数字を付して本明細書において表示される。例えば、表1に開示するCUBドメインのポリペプチドは「zvegf315-163」、「zvegf346-163」、「zvegf315-170」、および「zvegf346-170」と表示される。
zvegf3ポリペプチドの高次構造は、既知の相同体との配列の整列および入手可能なソフトウェアを使用するコンピューター解析(例えば、Insight II(商標)ビューアーおよび相同性モデル化ツール;MSI、カリフォルニア州サンディエゴ)により予測することができる。配列番号2の解析により、成長因子ドメインの二次構造はシステイン結節が優性を占め、システイン結節は可変ベータ鎖領域と一緒に結束し、ループ化して蝶ネクタイ様構造になることが予測される。配列の整列により、成長因子ドメイン内の位置250、280、284、296、335、および337におけるCys残基、およびGly282はこのファミリー内で高度に保存されていることが示される。
更なる分析において、Cys残基250と296、280と335、および284と337が対合して(ジサルファイド結合の形成)システイン結節を形成することが示唆される。保存された残基のこの整列はCX{18,33}CXGXCX{6,33}CX{20,40}CXC(配列番号3)により表され、ここでアミノ酸残基は慣用の一文字コードにより表され、Xは任意のアミノ酸残基であり、そして{y,z}はyからzまでの残基長さの可変残基領域を示す。
コンセンサス蝶ネクタイ構造は次のように形成される:システイン結節に対するアミノ末端 → ベータ鎖様領域1→ 可変ループ1→ ベータ鎖様領域2→ システイン結節 → ベータ鎖様領域3→ 可変ループ2→ ベータ鎖様領域4→ システイン結節 → ベータ鎖様領域5→ 可変ループ3→ ベータ鎖様領域6→ システイン結節。可変ループ1および2は蝶ネクタイの1つの側を形成し、可変ループ3は他方の側を形成する。
zvegf3成長因子ドメインの構造は、ループ2およびベータ鎖様領域3および4における他のファミリーメンバーのコンセンサス構造から発散するように思われ、ここですべては略号化されており、本質的に残基285(Ala)〜295(Gln)を含んでなるシステインクラスターで置換されており、このクラスターは配列番号2の位置286、287、291、および294におけるCys残基を含む。配列番号2中のベータ鎖様領域の近似境界は次の通りである:領域1、残基251〜259;領域2、残基275〜279;領域5、残基297〜301;領域6、残基329〜334。ループは領域1および2、および領域5および6を分離する。
zvegf3のCUBドメインは、9つの独特なベータ鎖様領域とベータバレル構造を形成すると考えられる。これらの領域は、配列番号2の残基48〜51、55〜59、72〜78、85〜90、107〜112、119〜123、139〜146、および156〜163を含んでなる。アフリカツメガエル(Xenopus laevis)ニューロピリン前駆体(Takagi他、前掲)、ヒトBMP−1(Wozney他、前掲)、およびアフリカツメガエル(X. laevis)トロイド様タンパク質(Lin他、前掲)のCUBドメインの多重整列は、配列番号2の残基104〜124に対応する保存されたモチーフの存在を示す。このモチーフは式C[KR]Y[DNE][WYF]X{11,15}G[KR][WYF]C(配列番号4)により表され、ここで正方形括弧は所定の位置における可能な残基を示し、そしてX{y,z}は上に定義した通りである。
本発明のタンパク質は、zvegf3のCUBドメインに対して相同性のCUBドメインを含んでなるタンパク質を包含する。これらの相同性ドメインは100〜120残基長さであり、そして配列番号2の残基104〜124に対応する配列のモチーフC[KR]Y[DNE][WYF]X{11,15}G[KR][WYF]C(配列番号4)を含んでなる。これらの相同性CUBドメインは配列番号2の残基46〜163に対して少なくとも90%同一であるか、あるいは配列番号2の残基46〜163に対して少なくとも95%同一である。
本発明のCUBドメインを含有するタンパク質は、zvegf3のドメイン間領域またはその相同体をさらに含むことができる。ドメイン間領域は配列番号2の残基164〜234に対して少なくとも90%同一である。
本発明の追加のタンパク質は、zvegf3の成長因子ドメインまたはその相同体を含んでなる。これらのタンパク質は、こうして、配列番号2の残基235〜345に対して少なくとも90%または95%同一であるポリペプチドセグメントを含んでなり、ここでポリペプチドセグメントは配列番号2の残基250、280、284、296、335、および337に対応する位置におけるシステイン残基;配列番号2の残基282に対応する位置におけるグリシン;および配列番号2の残基250〜337に対応する配列モチーフCX{18,33}CXGXCX{6,33}CX{20,40}CXC(配列番号3)を含んでなる。
CUBドメイン、ドメイン間領域、および成長因子ドメインの組合わせを含んでなる追加のタンパク質は上記表1に示されている。各場合において、本発明は、また、上に開示した相同性ドメインを含んでなる相同性タンパク質を包含する。
構造解析および相同性により、zvegf3ポリペプチドは第2ポリペプチドと複合化してマルチマータンパク質を形成することが予測される。これらのタンパク質はホモダイマーおよびヘテロダイマーを包含する。後者の場合において、第2ポリペプチドはトランケートまたは他の変異型のzvegf3ポリペプチドまたは他のポリペプチド、例えば、PIGF、PDGF−A、PDGF−B、VEGF、VEGF−B、VEGF−C、VEGF−D、またはzvegf4ポリペプチドであることができる。
本発明の範囲内の二量体タンパク質の中には、第2サブユニット、すなわち、第2zvegf3ポリペプチドまたは他の第2サブユニットとの非共有結合のアソシエーション(例えば、疎水性相互作用)により、あるいは成分モノマーのシステイン残基間の分子間ジサルファイド結合により安定化された共有結合のアソシエーションにより形成された二量体が存在する。配列番号2において、位置274、286、278、291、294、および339におけるCys残基は分子内または分子間のジサルファイド結合を形成することができる。
残基274および287は鎖間ジサルファイド結合を形成するようである。ホモダイマーにおいて、成分ポリペプチド(AおよびBと表示する)は、鎖間ジサルファイド結合A274−B287、A287−B274のパターンで反平行配置で結合することができる。データによりさらに示唆されるように、追加の鎖間ジサルファイドはCys286とCys291、およびCys294とCys339の対合により形成されるが、これらの4つの残基のあるものまたはすべては鎖間対合に関係することがある。
こうして、本発明は、上に開示したzvegf3ポリペプチドを含んでなる種々のマルチマータンパク質を提供する。これらのzvegf3ポリペプチドは、zvegf315-234、zvegf346-234、zvegf315-229アミド、zvegf315-230、zvegf315-345、zvegf346-345、およびzvegf3235-345、ならびに本明細書において開示するこれらのポリペプチドの変異型および誘導体を包含する。
配列の同一性の百分率は慣用法により決定される。例えば、下記の文献を参照のこと:Altschul et al.、Bull. Math. Bio. 48:603-616、1986およびHenikoffおよびHenikoff、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915-10919、1992。簡単に述べると、表2(アミノ酸は標準的1文字コードにより示されている)に示すように10のギャップオープニングペナルティー、1のギャップエクステンションペナルティー、およびHenikoffおよびHenikoff(ibid.)の「ブロサム(BLOSUM)62」スコアリング行列を使用して、2つのアミノ酸配列を整列させて整列スコアを最適化する。次いで同一%を次のように計算する:
アミノ酸配列間の同一性レベルは、「FASTA」類似性検索アルゴリズム(PearsonおよびLipman、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 2444、1988;およびPearson、Meth. Enzymol. 183:63、1990)を使用して決定することができる。簡単に述べると、まず、保存的アミノ酸の置換、挿入、または欠失を無視して、疑問の列(例えば、配列番号2)および同一性の最高密度(ktup変数が1である場合)または同一性の対(ktup=2である場合)を有する試験配列が共有する領域を同することによって、FASTAは配列の類似性を特性決定する。
次いでアミノ酸置換マトリックスを使用してすべての対合アミノ酸の類似性を比較することによって、同一性の最高密度を有する10領域を再スコアリングし、そして最高のスコアに寄与する残基のみを含めるように領域の末端を「トリミング」する。「カットオフ」値(配列の長さおよびktup値に基づいて前もって決定した式により計算する)より大きいスコアを有するいくつかの領域が存在する場合、領域を結合してギャップを有する近似整列を形成することができるかどうかを決定するために、トリミングした初期領域を検査する。
最後に、アミノ酸の挿入および欠失を可能とする、Needleman-Wunsch-Sellersアルゴリズム(NeedlemanおよびWunsch、J. Mol. Biol. 48:444、1970;Sellers、SIAM J. Appl. Math. 26:787、1974)の変更を使用して、2つのアミノ酸配列の最高スコア領域を整列させる。FASTA分析のために好ましいパラメーターは次の通りである:ktup=1、ギャップオープニングペナルティー=10、ギャップエクステンションペナルティー=1、および置換マトリックス=BLOSUM62。Pearson、1990(前掲)の付録2に説明されているように、スコアリングマトリックスのファイル(「SMATRIX」)を修飾することによって、これらのパラメーターをFASTAプログラムの中に導入することができる。
また、上に開示した比を使用して核酸分子の配列の同一性を決定するために、FASTAを使用することができる。ヌクレオチド配列を比較するために、ktup値は1〜6、好ましくは3〜6、最も好ましくは3の範囲であることができ、他のパラメーターをデフォルトとして設定する。
本発明は、配列番号2のアミノ酸配列と比較したとき、1またはそれ以上の保存的アミノ酸変化を有するポリペプチドを包含する。BLOSUM62(表2)はタンパク質配列セグメントの約2,000の局所的多重整列に由来するアミノ酸置換マトリックスであり、関係するタンパク質の500より多いグループの高度に保存された領域を表す(HenikoffおよびHenikoff、前掲)。こうして、本発明のアミノ酸配列の中に導入することができる保存的アミノ酸置換を定めるために、BLOSUM62置換頻度を使用することができる。
本明細書において使用するとき、用語「保存的アミノ酸置換」は−1より大きいBLOSUM62値により表される置換を意味する。例えば、アミノ酸置換が0、1、2、または3のBLOSUM62値により特徴づけられる場合、お置換は保存的である。好ましい保存的アミノ酸置換は少なくとも1(例えば、1、2または3)のBLOSUM62値により特徴づけられるが、より好ましい保存的アミノ酸置換は少なくとも2(例えば、2または3)のBLOSUM62値により特徴づけられる。
本発明のタンパク質はアミノまたはカルボキシル末端のエクステンション、例えば、アミノ末端のメチオニン残基、マレイミド活性化キーホールリンペットヘモシアニンへの引き続く結合を促進するためにアミノまたはカルボキシル末端のシステイン残基、約20〜25残基までの小さいリンカーペプチド、または上に開示した精製を促進するポリペプチドエクステンション(親和標識)をさらに含んでなることができる。2またはそれ以上の親和標識を組合わせで使用することができる。親和標識を含んでなるポリペプチドは、zvegf3ポリペプチドと親和標識との間にポリペプチドリンカーおよび/またはタンパク質分解的切断部位をさらに含んでなることができる。典型的な切断部位は、トロンビン切断部位および因子Xa切断部位を包含する。
本発明は、さらに、種々の他のポリペプチド融合物および1またはそれ以上のポリペプチド融合物を含んでなる関係するマルチマータンパク質を提供する。例えば、zvegf3ポリペプチドは、米国特許第5,155,027号および米国特許第5,567,584号に開示されているように、二量体化タンパク質に対する融合物として製造することができる。これに関して典型的な二量体化タンパク質は、免疫グロブリンの定常領域ドメインを包含する。
二量体化は、また、zvegf3ポリペプチドをロイシンジッパー配列に融合することによって安定化することができる(Riley他、Protein Eng. 9:223-230、1996;Mohamed他、J. Steroid Biochem. Molec. Biol. 51:241-250、1994)。免疫グロブリン−zvegf3ポリペプチド融合物およびロイシンジッパー融合物を遺伝子操作された細胞中で発現させて、種々のマルチマーzvegf3アナローグを産生することができる。補助的ドメインをzvegf3ポリペプチドに融合させて、それらを特定の細胞、組織、または高分子(例えば、コラーゲン)にターゲッティングさせることができる。
例えば、ターゲット細胞表面上のレセプターに特異的に結合するリガンドにzvegf3ポリペプチドを融合させることによって、zvegf3ポリペプチドまたはタンパク質を前もって決定した細胞型にターゲッティングすることができる。このようにして、ポリペプチドおよびタンパク質を療法または診断の目的でターゲッティングすることができる。zvegf3ポリペプチドを1またはそれ以上の部分、例えば、精製のために親和標識およびターゲッティングドメインに融合させることができる。ポリペプチド融合物は、また、特にドメイン間に、1またはそれ以上の切断部位を含むことができる。Tuan他、Connective Tissue Research 34:1-9、1966参照。
本発明のポリペプチド融合物は一般に約1,500以下のアミノ酸残基、しばしば約1,200以下の残基、しばしば約1,000以下の残基を含有し、多くの場合においてかなり小さいであろう。例えば、331残基(配列番号2の残基15〜345)のzvegf3ポリペプチドを大腸菌(E. coli)β−ガラクトシダーゼ(1,021残基;Casadaban他、J. Bacteriol. 143:971-980、1980参照)、10残基のスペーサー、および4残基の因子Xa切断部位に融合させて、1366残基のポリペプチドを生じさせることができる。第2の例において、配列番号2の残基235〜345をマルトース結合性タンパク質(ほぼ370残基)、4残基の切断部位、および6残基のポリヒスチジンタグに融合させることができる。
zvegf3成長因子ドメイン(例えば、zvegf3235-345またはzvegf3164-345)を含んでなるポリペプチドを非zvegf3CUBドメインに融合させることができる。本発明の関係する態様において、zvegf3成長因子ドメインおよびCUBドメインを含んでなるzvegf3ポリペプチドを非zvegf3CUBドメイン、例えば、ニューロピリンポリペプチドを含んでなるCUBドメインに融合させる。
本発明は、さらに、zvegf3CUBドメイン(例えば、zvegf345-163)を含んでなるポリペプチド融合物を提供する。細胞表面のセマフォリンを有する細胞、例えば、内皮、ニューロン細胞、リンパ球、および腫瘍細胞に、zvegf3またはそれを含有する他のタンパク質をターゲッティングするために、ニューロピリン−1に対する相同性を有するCUBドメインを使用することができる。
zvegf3CUBドメインを他の部分、例えば、ポリペプチド(例えば、他の成長因子、抗体、および酵素)および非ペプチド部分(例えば、放射性核種、造影剤、およびその他)に結合させて、細胞表面のセマフォリンを発現する細胞にそれらをターゲッティングすることができる。zvegf3のCUBドメインと成長因子ドメインとの間の二塩基性部位およびフリン様部位は、組織内に存在する局所的プロテアーゼを通して、または外因的源から添加されたプロテアーゼにより、成長因子ドメインまたは他の部分のタンパク質分解的放出を可能とすることができる。ターゲッテッド部分の放出はより局在化された生物学的作用を提供することができる。
野生型zvegf3CUBドメインおよびその変異型を含んでなるタンパク質を使用して、細胞表面のセマフォリンにより仲介される活性をモジュレートすることができる。理論により拘束されたくないが、zvegf3はそのCUBドメインを介してセマフォリンに結合することができる。セマフォリンIIIが血管発生に関係するという観測は、タンパク質の血管成長因子ファミリーのメンバーが、また、特にニューロピリン−1に対するVEGFおよびセマフォリンIIIの共結合活性のために、関係しうることを示唆する。
こうして、ニューロピリン−セマフォリンの相互作用のアゴニストおよびアンタゴニストを設計するために、zvegf3を使用することができる。例えば、本明細書に開示するzvegf3は、ソマフォリン刺激活性、例えば、神経突起の成長、心臓血管系の発生、軟骨および四肢の発生、およびTおよびB細胞の機能に対抗する分子を設計する出発点である。追加の応用は、種々の病理学、例えば、慢性関節リウマチ、種々の型の癌、自己免疫疾患、炎症、網膜炎、血管腫、心臓、腎臓および末梢動脈を包含する組織内の虚血性事象、急性神経損傷、および中枢神経系および末梢神経系の疾患における関与を包含する。
生物学的活性に対して必須の高次構造の崩壊を最小するために、zvegf3においてアミノ酸配列を変化させることができる。一般に、保存的アミノ酸変化は好ましい。タンパク質ファミリーの特徴を示す成長因子ドメインにおけるシステイン結節および「蝶ネクタイ」配置を崩壊させないように、アミノ酸残基を変化させる。保存されたモチーフもまた維持されるであろう。アミノ酸配列変化の効果は、上に開示したようにコンピューターのモデル化により予測するか、あるいは結晶構造の解析により決定することができる(例えば、Lapthorn他、前掲、参照)。
配列番号2の疎水性プロファイルは第1図に示されている。当業者は認識するように、全体のプロファイルを崩壊しないように、zvegf3ポリペプチドのアミノ酸配列の変更を設計するとき、この疎水性が考慮されるであろう。アミノ酸置換の選択における追加の基準は、第6図に示すマウスおよびヒトzvegf3配列の整列により提供される。
また、本発明のポリペプチドは天然に存在しないアミノ酸残基を含んでなることができる。天然に存在しないアミノ酸は下記のものを包含するが、これらに限定されない:トランス−3−メチルプロリン、2,4−メタノプロリン、シス−4−ヒドロキシプロリン、トランス−4−ヒドロキシプロリン、N−メチルグリシン、アロ−トレオニン、メチルトレオニン、ヒドロキシエチルシステイン、ヒドロキシエチルホモシステイン、ニトログルタミン、ホモグルタミン、ピペコリン酸、trt−ロイシン、ノバリン、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、および4−フルオロフェニルアラニン。
天然に存在しないアミノ酸残基をタンパク質の中に導入する、いくつかの方法がこの分野において知られている。例えば、化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAを使用してナンセンス突然変異を抑制する、in vitro系を用いることができる。アミノ酸を合成し、tRNAをアミノアシル化する方法はこの分野において知られている。大腸菌(E. coli)S30抽出物および商業的に入手可能な酵素および他の試薬を含んでなる無細胞系において、ナンセンス突然変異を含有するプラスミドの転写および翻訳を実施する。
タンパク質をクロマトグラフィーにより精製する。例えば、下記の文献を参照のこと:Robertson他、J. Am. Chem. Soc. 113:2722,1991;Ellman他、Meth. Enzymol. 202:301、1991;Chung他、Science 259:806-809、1993;およびChung他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 90:10145-10149、1993)。
第2の方法において、突然変異体したmRNAおよび化学的にアミノアシル化されたサプレッサーtRNAのマイクロインジェクションにより、クセノプス・オオサイト(Xenopus oocytes)中で翻訳を実施する(Turcatti他、J. Biol. Chem. 271:19991-19998、1996)。第3の方法において、置換すべき自然アミノ酸(例えば、フェニルアラニン)の非存在および所望の天然に存在しない1またはそれ以上のアミノ酸(例えば、2−アザフェニルアラニン、3−アザフェニルアラニン、4−アザフェニルアラニン、および4−フルオロフェニルアラニン)の存在下に、大腸菌(E. coli)細胞を培養する。
自然対応物の代わりに天然に存在しないアミノ酸をタンパク質の中に組込む。Koide他、Biochem. 33:7470-7476、1994参照。天然に存在するアミノ酸残基をin vitro化学的修飾により天然に存在しない種に変換することができる。化学的修飾を部位特異的突然変異誘発と組合わせて、置換の範囲をさらに拡張することができる(WynnおよびRichards、Protein Sci. 2:395-403、1993)。
この分野において知られている手法、例えば、部位特異的突然変異誘発またはアラニン走査突然変異誘発に従い、本発明のポリペプチド中の必須アミノ酸を同定することができる(CunninghamおよびWells、Science 244:1081-1085、1989;Bass他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 88:4498-4502、1991)。後者の技術において、単一アラニンの突然変異を分子中のすべての残基において導入し、生ずる突然変異分子を他の性質の生物学的活性について試験して、分子の活性に重大であるアミノ酸残基を同定する。
既知の突然変異誘発およびスクリーニングの方法、例えば、下記の文献に記載されている方法を使用して、多重アミノ酸配列を行い、試験することができる:Reidhaar-OlsonおよびSauer、Science 241:53-57、1988またはBowieおよびSauer、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 86:2152-2156、1989。簡単に述べると、これらの著者らはポリペプチド中の2またはそれ以上の位置を同時にランダム化し、機能的ポリペプチドについて選択し、次いで突然変異化ポリペプチドを配列決定して、各位置における許容可能な置換のスペクトルを決定する方法を開示している。使用できる他の方法は下記のものを包含する:ファージディスプレイ(例えば、Lowman他、Biochem. 30:10832-10837、1991;Ladner他、米国特許第5,223,409号;Huse,WIPO公開WO 92/06204)および領域特異的突然変異誘発(Derbyshire他、Gene 46:145、1986;Ner他、DNA 7:127、1988)。
開示したzvegf3DNAおよびポリペプチド配列の変異型は、下記の文献に開示されているように、DNAシャフリングにより発生させることができる:Stemmer、Nature 370:389-391、1994およびStemmer、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 91:10747-10751、1994。簡単に述べると、親遺伝子をランダムフラグメント化し、次いでPCRを使用してリアセンブリーして、ランダムに導入された点突然変異を生じすることによって、in vitro相同的組換えにより変異型遺伝子を発生させる。
親遺伝子のファミリー、例えば、対立遺伝子変異型または異なる種からの遺伝子を使用して、追加の可変性をプロセスの中に導入することによって、この技術を修飾することができる。所望の活性について選択またはスクリーニングし、次いで突然変異誘発およびアッセイをさらに反復して、所望の突然変異を選択すると同時に有害な変化に対して選択することによって、配列を急速に「進化」させる。
上に開示した突然変異誘発法を高い体積または高い処理量のスクリーニング法と組合わせて、zvegf3変異型ポリペプチドの生物学的活性、特に細胞増殖または細胞分化のモジュレートにおける生物学的活性を検出することができる。例えば、色素の組込みまたは3H−チミジンの組込みを測定する有糸分裂誘発アッセイを多数の試料について実施することができ、ならびにリポーター遺伝子(例えば、ルシフェラーゼ遺伝子)の発現を検出する細胞をベースとするアッセイを実施することができる。選択されたファミリーメンバーに対する結合を増強または阻害することを包含する、セマフォリンファミリーのメンバーに対するその結合をモジュレートするために、CUBドメインの突然変異誘発を使用することができる。
zvegf3CUBドメインを含んでなるタンパク質を療法上および/または診断上の実用性を最適化するために、結合活性の修飾されたスペクトルは望ましいことがある。セマフォリンファミリーの選択されたメンバーに対するCUBドメイン結合活性の変化をモニターするために、標識化CUBタンパク質を利用する直接的結合を使用することができる。これに関して重要性を有するセマフォリンは、単離されたタンパク質、細胞膜の中に存在するタンパク質、および細胞表面上に存在するタンパク質を包含する。
CUBドメインドメインは、アイソトープ、例えば、125I、酵素、例えば、アルカリ性ホスファターゼまたはセイヨウワサビペルオキシダーゼに対する複合化、ビオチンとの複合化、およびFITCを包含する種々の蛍光マーカーとの複合化を包含する、種々の方法により標識化することができる。これらおよび他のアッセイを下記においていっそう詳しく説明する。活性zvegf3ポリペプチドをコードする突然変異誘発化DNA分子を宿主細胞から回収し、現代的装置により急速に配列決定することができる。これらの方法は、問題のポリペプチド中の個々のアミノ酸残基の重要性の急速な決定を可能とし、そして未知の構造のポリペプチドに適用することができる。
前述の方法を使用して、上記表1に開示された、野生型タンパク質の生物学的性質を保持するzvegf3ポリペプチドに対して相同性である、種々のポリペプチドを同定しおよび/または製造することができる。また、このようなポリペプチドは一般的に前述したように追加のポリペプチドセグメントを含むことができる。
本発明は、また、上に開示したzvegf3ポリペプチドをコードする、DNAおよびRNA分子を包含する、ポリヌクレオチド分子を提供する。本発明のポリヌクレオチドは、センス鎖;アンチセンス鎖;および水素結合により一緒にセンス鎖およびアンチセンス鎖の両方を有する、二本鎖としてDNAを包含する。zvegf3ポリペプチドをコードする代表的DNA配列を配列番号1に記載する。遺伝暗号に基づいて、zvegf3ポリペプチドをコードするアミノ末端方向DNA配列は容易に発生させることができる。UをTと置換することによって、対応物のRNA配列を発生させることができる。
当業者は容易に認識するように、遺伝暗号のデジェネラシーにかんがみて、zvegf3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド分子の間でかなりの配列の変動が可能である。配列番号6は、配列番号2のzvegf3ポリペプチドをコードするすべてのDNAを包含する縮重DNA配列である。当業者は認識するように、配列番号6の縮重配列は、また、UをTと置換することによって配列番号2をコードするすべてのRNA配列を提供する。
こうして、配列番号6のヌクレオチド1〜1035、1〜489、43〜489、136〜489、43〜702、136〜702、43〜690、43〜1035、136〜1035、および703〜1035を含んでなるzvegf3ポリペプチドエンコーディングポリヌクレオチドおよびそれらのRNA同等物は本発明に包含される。縮重ヌクレオチド位置を表すために配列番号6内で使用した1文字コードを表3に記載する。「分解能」はコード文字により表されるヌクレオチドである。「補体」は1またはそれ以上の相補的ヌクレオチドのコードである。例えば、コードYはCまたはTを表し、そしてその補体RはAまたはGを表し、AはTに対して相補的であり、そしてGはCに対して相補的である。
所定のアミノ酸についてすべての可能なコドンを包含する、配列番号6において使用する縮重コドンを、下記表4に記載する。
当業者は認識するように、各アミノ酸をコードするすべての可能なコドンを代表する、縮重コドンを決定するとき、多少の不明確さが導入される。例えば、セリン(WSN)の縮重コドンは、ある環境において、アルギニン(AGR)をコードすることができ、そしてアルギニン(MGN)の縮重コドンは、ある環境において、セリン(AGY)をコードすることができる。
同様な関係はフェニルアラニンおよびロイシンをコードするコドンの間に存在する。したがって、縮重配列に包含される、いくつかのポリヌクレオチドは変異型アミノ酸配列をコードすることができるが、当業者は、配列番号2のアミノ酸配列を参照することによって、このような変異型配列を容易に同定することができる。変異型配列は、本明細書において記載するように、機能性について容易に試験することができる。
本発明のある種の態様の範囲内において、単離されたポリヌクレオチドは、ストリンジェント条件下に、単離されたポリヌクレオチドは、配列番号1、またはそれに対して相補的である配列の同一サイズの領域に対してハイブリダイゼーションするであろう。一般に、ストリンジェント条件は、規定されたイオン強度およびpHにおいて、特定の配列の熱的融点(Tm)よりも約5℃低いように選択される。Tmは標的配列の50%が完全に合致するプローブに対してハイブリダイゼーションする温度(規定されたイオン強度およびpHにおいて)である。典型的なストリンジェント条件は、塩濃度がpH7において約0.03Mまででありかつ温度が少なくとも約60℃である条件である。
前述したように、本発明の単離されたポリヌクレオチドはDNAおよびRNAを包含する。DNAおよびRNAを製造する方法はこの分野においてよく知られている。大量のzvegf3RNAを産生する組織または細胞から単離されたRNAから、相補的DNA(cDNA)を製造する。このような組織および細胞はノザンブロッティング(Thomas、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 77:5201、1980)により同定され、そして甲状腺、脊髄、および副腎を包含する。
グアニジンHCl抽出し、次いでCsCl勾配における遠心により単離しすることによって、全RNAを製造することができる(Chirgwin他、Biochemistry 18:52-94、1979)。AvivおよびLeder(Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 69:1408-1412、1972)の方法を使用して、ポリ(A)+RNAを全RNAから製造する。既知の方法を使用して、ポリ(A)+RNAから相補的DNA(cDNA)を製造する。別の方法において、ゲノムDNAを単離することができる。いくつかの応用(例えば、トランスジェニック動物における発現)のために、ゲノムクローンを使用するか、あるいは少なくとも1つのゲノムイントロンを含むようにcDNAクローンを修飾することが好ましいことがある。
cDNAおよびゲノムクローンを同定し、単離する方法はこの分野においてよく知られており、当業者のレベルの範囲内であり、そしてライブラリーをプロービングまたはプライミングするために、本明細書に開示する配列、またはその一部分の使用を包含する。zvegf3ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、例えば、ハイブリダイゼーションまたはポリメラーゼ連鎖反応(「PCR」、Mullis、米国特許第4,683,202号)により同定し、単離することができる。発現ライブラリーをzvegf3、レセプターフラグメント、または他の特異的結合性相手に対する抗体でプロービングすることができる。
当業者は認識するように、配列番号1および2に開示する配列はヒトzvegf3の単一対立遺伝子を表す。これらの配列の対立遺伝子変異型は、標準的手順に従い異なる個体からのcDNAまたはゲノムライブラリーをプロービングすることによって、クローニングすることができる。zvegf3の選択的にスプライスされた形態がまた存在することが期待される。
本明細書に開示するzvegf3ポリヌクレオチドを使用して、他のzvegf3タンパク質をコードするポリヌクレオチドを単離することができる。このような他のポリヌクレオチドは、他の種(オーソログ)からの対立遺伝子変異型、選択的にスプライスされたcDNAおよび対応物のポリヌクレオチドを包含する。これらのオーソログポリヌクレオチドは、なかでも、それぞれのオーソログタンパク質を製造するために使用することができる。問題の他の種は下記のものを包含するが、これらに限定されない:哺乳動物、トリ、両生類、爬虫類、魚類、昆虫および他の脊椎動物および無脊椎動物の種。
非ヒト霊長類、ネズミ、ブタ、ヒツジ、ウシ、イヌ、ネコ、およびウマのポリヌクレオチドおよびタンパク質を包含する、他の哺乳動物種からのzvegf3ポリヌクレオチドおよびタンパク質は特に重要である。非ヒトztbg1ポリペプチドおよびポリヌクレオチド、ならびにそれらのアンタゴニストおよび他の関係する分子を、なかでも、獣医学において使用することができる。ヒトzvegf3のオーソログは、慣用クローニング技術と組み合わせて本発明により提供される情報および組成物を使用して、クローニングすることができる。例えば、本明細書において開示するzvegf3を発現する組織および細胞型から得られたmRNAを使用して、cDNAをクローニングすることができる。
mRNAの適当な源は、本明細書に開示する配列から設計したプローブでノザンブロットをプロービングすることによって、同定することができる。次いで陽性の組織または細胞系統のmRNAから、ライブラリーを製造する。次いで、種々の方法、例えば、完全なまたは部分的ヒトcDNAで、または開示された配列をベースとする縮重プローブの1またはそれ以上の組でプロービングすることによって、zvegf3をコードするcDNAを単離することができる。ハイブリダイゼーションは一般に低いストリンジェンシイの条件下に実施されるであろう。
ここで洗浄は1×SSC中で40℃における初期洗浄および5℃のより高い間隔でバックグラウンドが適当に減少されるまで引き続く洗浄で実施される。また、本明細書に開示する代表的ヒトzvegf3配列から設計されたプライマーを使用して、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Mullis、米国特許第4,683,202号)により、cDNAをクローニングすることができる。追加の方法において、cDNAライブラリーを使用して宿主細胞を形質転換またはトランスフェクトし、そして問題のcDNAの発現をzvegf3ポリペプチドに対する抗体で検出することができる。また、同様な技術をゲノムクローンの単離に適用することができる。
変異型および融合タンパク質を包含する、任意のzvegf3ポリペプチドについて、上記表3および4に記載する情報を使用して、その変異型をコードする、完全に縮重のポリヌクレオチド配列を容易に発生させることができる。
他のファミリーメンバーの配列との整列により同定された、zvegf3の保存された領域を使用して、関係するポリヌクレオチドおよびタンパク質を同定することができる。例えば、逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)およびこの分野において知られている他の技術を使用して、種々の組織源から得られたRNAからzvegf3の中に存在する保存されたモチーフをコードする配列を増幅することができる。
特に、下記表5に示すような、高度に縮重のプライマー(PDGF AおよびB鎖、VEGF、VEGF−B、VEGF−C、およびVEGF−Dとのzvegf3の整列から設計された)は、相同的成長因子ドメインをコードするポリヌクレオチドをクローニングするために有用である。アフリカツメガエル(X. laevis)ニューロピリン前駆体、ヒトBMP−1、およびアフリカツメガエル(X. laevis)トロイド様タンパク質とのzvegf3の整列から設計された、表6に示すプライマーは、CUBドメインをコードするポリヌクレオチドをクローニングするために有用である。こうして、配列番号1および2のzvegf3配列の相同体をコードする、追加のポリヌクレオチドを得るために、表6および7のプライマーを使用することができる。
本明細書に開示するzvegf3ポリヌクレオチド配列は、また、プロモーター配列を包含する、zvegf3遺伝子の5'非コーディング領域をクローニングするためのプローブまたはプライマーとして使用することができる。これらのフランキング配列を使用して、zvegf3および他の組換えタンパク質の発現を指令することができる。さらに、Treco他、米国特許第5,641,670号に開示されているように、内因的zvegf3遺伝子の発現を活性化または増加するための調節構築物のターゲッティング部位として、5'フランキング配列を使用することができる。
また、本発明のポリヌクレオチドは自動化合成法により製造することができる。選択する現在の方法はホスホルアミダイト法である。化学的に合成する場合、二本鎖DNAを必要とし、各相補的鎖は別々につくられる。短い、二本鎖セグメント(60〜80bp)の製造は技術的に簡単であり、そして相補的鎖を合成し、次いでそれらをアニーリングすることによって達成することができる。より長いセグメント(典型的には>300bp)は、20〜100ヌクレオチド長さである、一本鎖フラグメントからモジュール形態で組立てられる。
ポリヌクレオチドの自動化合成法は当業者のレベルの範囲内であり、そして適当な装置および試薬は商業的供給会社から入手可能である。一般に、下記の文献を参照のこと:GlickおよびPasternak、Molecular Biotechnology, Principles & Applications of Recombinant DNA、ASM Press、ワシントンD.C.、1994;Itakura他、Ann. Rev. Biochem. 53:323-56、1984;およびClimie他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 87:633-7、1990。
全長のポリペプチド、生物学的に活性なフラグメント、および融合ポリペプチドを包含する、本発明のポリペプチドは、慣用技術に従い遺伝子操作された宿主細胞において製造することができる。適当な宿主細胞は、外因的DNAで形質転換またはトランスフェクトし、培養成長させることができる細胞型であり、そして細菌、真菌細胞、および培養した高等真核細胞(多細胞生物の培養した細胞を包含する)を包含する。
クローニングされたDNA分子を操作し、外因的DNAを種々の宿主細胞の中に導入する技術は、下記の文献に開示されている:Sambrook他、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、NY、1989、およびAusubel他、Current Protocols in Molecular Biology、Green and Wiley and Sons、NY、1993。
一般に、zvegf3ポリペプチドをコードするDNA配列は、発現ベクター内の転写プロモーターおよびターミネーターを包含する、その発現に必要な他の遺伝的因子作用可能に連鎖される。ベクターは、また、普通に1またはそれ以上の選択可能なマーカーおよび1またはそれ以上の複製起点を含有するが、当業者は認識するように、ある種の系において、選択可能なマーカーを別のベクター上に存在させることができ、そして宿主細胞ゲノムの中への組込みにより外因的DNAを複製させることができる。プロモーター、ターミネーター、選択可能なマーカー、ベクターおよび他の因子は当業者のレベルの範囲内の日常的設計事項である。多数のこのような因子は文献に記載されており、商業的供給会社を通して入手可能である。
宿主細胞の分泌経路の中にzvegf3ポリペプチドを向けるために、分泌シグナル配列(また、リーダー配列、プレプ配列または前配列として知られている)を発現ベクターの中に存在させる。分泌シグナル配列はzvegf3のそれであることができるか、あるいは他の分泌されたタンパク質(例えば、t−PA;米国特許第5,641,655号参照)から誘導するか、あるいは新たに合成することができる。
分泌シグナル配列はzvegf3DNA配列作用可能に連鎖させる、すなわち、2つの配列を正しいリーディングフレームで結合し、新しく合成されたポリペプチドを宿主細胞の分泌経路の中に向けるように位置決定する。分泌シグナル配列は問題のポリヌクレオチドをコードするDNA配列に対して5'に普通に位置決定されるが、分泌シグナル配列は問題のDNA配列中のどこかに位置決定することができる(例えば、下記の文献を参照のこと:Welch他、米国特許第5,037,743号;Holland他、米国特許第5,143,830号)。
宿主細胞の分泌経路を介するzvegf3ポリペプチドの発現はマルチマーのタンパク質を産生させることが期待される。前述したように、このようなマルチマーはホモマルチマーおよびホモマルチマーの両方を包含し、後者はzvegf3ポリペプチドのみを含んでなるタンパク質、およびzvegf3および異種ポリペプチドを包含するタンパク質を包含する。例えば、zvegf3ポリペプチド、および関係するファミリーメンバーからのポリペプチドを含んでなるヘテロマルチマー(例えば、VEGF、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、zvegf4、PIGF、PDGF-A、またはPDGF-B)を、宿主細胞における2つのポリペプチドの共発現により製造することができる。
これらの他のファミリーメンバーをコードする配列は既知である。例えば、下記の文献を参照のこと:Dvorak他、前掲;Olofsson他、前掲;Hayward他、前掲;Joukov他、前掲;Oliviero他、前掲;Achen他、前掲;Maglione他、前掲;Heldin他、米国特許第5,219,759号;およびJohnsson他、前掲。タンパク質混合物が発現から生ずる場合、個々の種を慣用法により単離する。モノマー、二量体、および高次マルチマーを、例えば、サイズ排除クロマトグラフィーにより分離する。
個々の二量体に対して特異的抗体を使用するイムノアフィニティークロマトグラフィーにより、または個々の成分ポリペプチドに対して特異的抗体を使用する順次イムノアフィニティー工程により、ヘテロマルチマーをホモマルチマーから分離することができる。一般に、米国特許第5,094,941号参照。また、適当な条件下に成分ポリペプチドにインキュベートすることによって、in vitroにおいてマルチマーを組立てることができる。一般に、in vitro組立ては、変性および還元性条件下にタンパク質混合物をインキュベートし、次いでポリペプチドを再フォルディングおよび再酸化してホモダイマーおよびヘテロダイマーを形成することを包含するであろう。細菌細胞中で発現されたタンパク質の回収および組立てを後述する。
培養された哺乳動物細胞は、本発明において適当な宿主である。外因的DNAを哺乳動物の宿主細胞の中に導入する方法は下記の方法を包含する:リン酸カルシウム仲介トランスフェクション(Wigler 他、Cell 14:725、1978;CorsaroおよびPearson、Somatic Cell Genetics 7:603、1981;GrahamおよびVan der Eb、Virology 52:456、1973)、エレクトロポレーション(Neumann 他、EMBO J. 1:841-845、1982)、DEAE−デキストリン仲介トランスフェクション(Ausubel 他、ibid.)、およびリポソーム仲介トランスフェクション(Felgner他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413-7、1987;Mackey他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:8027-31;Hawley-Nelson 他、Focus 15:73、1993;Ciccarone 他、Focus 15:80、1993)。
培養された哺乳動物細胞における組換えポリペプチドの産生は、例えば、下記の特許文献に記載されている:Levinson 他、米国特許第4,713,339号;Hagen 他、米国特許第4,784,950号;Palmiter 他、米国特許第4,579,821号;およびRingold、米国特許第4,656,134号。適当な培養された哺乳動物細胞は下記のものを包含する:COS-1(ATCC No. CRL 1650)、COS-7(ATCC No. CRL 1651)、BHK(ATCC No. CRL 1632)、BHK570(ATCC No. CRL 10314)、293(ATCC No. CRL 1573;Graham 他、J. Gen. Virol. 36:59-72、1977)およびチャイニーズハムスター卵巣(例えば、CHO-K1;ATCC No. CRL 61)細胞系統。
追加の適当な細胞系統はこの分野において知られており、そして公衆の寄託機関、例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(マリイランド州ロックビレ)から入手可能である。一般に、強い転写プロモーターは、SV−40またはサイトメガロウイルスからのプロモーターを包含する。例えば、米国特許第4,956,288号参照。他の適当なプロモーターは、メタロチオネイン遺伝子からプロモーター(米国特許第4,579,821号および米国特許第4,601,978号)およびアデノウイルスの主要な後期プロモーターを包含する。哺乳動物細胞において使用するための発現ベクターは、pZP−1およびpZP−9を包含し、これらはアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(マリイランド州ロックビレ)に、それぞれ、受け入れ番号98669および98668で受託された。
薬剤選択を一般に使用して、外来DNAが挿入された、培養された哺乳動物細胞について選択する。このような細胞は普通に「トランスフェクタント」と呼ばれる。選択因子の存在において培養され、問題の遺伝子をそれらの子孫に移行させることができる細胞は、「安定なトランスフェクタント」と呼ばれる。典型的な選択可能なマーカーは、抗生物質のネオマイシンに対する耐性をコードする遺伝子である。選択はネオマイシン型薬剤、例えば、G−418またはその他の存在において実施される。
また、選択系を使用して、問題の遺伝子の発現レベルを増加することができる、「増幅」と呼ぶ方法。低いレベルの選択因子の存在においてトランスフェクタントを培養し、次いで選択因子の量を増加して、導入された遺伝子の産物を高いレベルで産生する細胞について選択することによって、増幅は実施される。典型的な増幅可能な選択可能なマーカーは、メトトレキセートに対する耐性を付与する、ジヒドロフォレートリダクターゼである。他の薬剤耐性遺伝子(例えば、ヒグロマイシン耐性、多薬剤耐性、プロマイシンアセチルトランスフェラーゼ)を使用することもできる。
変更された表現型を導入するオールタネイティブマーカー、例えば、緑色蛍光タンパク質、または細胞表面のタンパク質、例えば、CD4、CD8、クラスIのMHC、胎盤アルカリ性ホスファターゼを使用して、FACSソーティングまたは磁気ビーズ分離技術により、非トランスフェクト細胞からトランスフェクトされた細胞を選別することができる。
昆虫細胞、植物細胞およびトリの細胞を包含する、他の高等真核細胞を宿主細胞として使用することもできる。植物細胞中で遺伝子を発現するのためのベクターとしてアグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)を使用することは、Sinkar 他、J. Biosci.(Bangalore)11:47-58、1987、において概観されている。昆虫細胞の形質転換およびその中の外来ポリペプチドの産生は、Guarino 他、米国特許第5,162,222号およびWIPO公開WO94/06463号に記載されている。
オートグラファト・カリフォルニカ(Autographa californica)核多角体病ウイルス(AcNPV)から普通に誘導される、組換えバキュロウイルスで、昆虫細胞を感染させることができる。下記の文献を参照のこと:KingおよびPossee、The Baculovirus Expression System:A Laboratory Guide、London、Chapman & Hall、O'Reilly他、Baculovirus Expression Vectors:A Laboratory Manual、New York、Oxford University Press、1994;およびRichardson、編、Baculovirus Expression Protocols、Methods in Molecular Biology、Totowa、NJ、Humana Press、1995。
組換えバキュロウイルスは、また、Luckow他が記載するトランスポゾンをベースとする系の使用により産生することができる(J. Virol. 67:4566-79、1993)。この系はキットの形態(Bac-to-BacTM;Life Technologies、マリイランド州ロックビレ)で販売されている。転移ベクター(例えば、pFastBac1TM;Life Technologies)は、「バクミド(bacmid)」と呼ばれる大きいプラスミドとして大腸菌(E. coli)の中に維持されたバキュロウイルスのゲノムの中にzvegf3ポリペプチドをコードするDNAを動かすために、Tn7トランスポゾンを含有する。
下記の文献を参照のこと:Hill−PerkinsおよびPossee、J. Gen. Virol. 71:971-976、1990;Bonning他、J. Gen. Virol. 75:1551-1556、1994;および、ChazenbalkおよびRapoport、J. Biol. Chem. 270:1543-1549、1995。さらに、転移ベクターは、上に開示したポリペプチドのエクステンションまたは親和標識をコードするDNAとのインフレーム融合物を含むことができる。
この分野において知られている技術を使用して、zvegf3エンコーディング配列を含有する転移ベクターを大腸菌(E.coli)宿主細胞の中に形質転換し、そして組換えバキュロウイルスを示す中断されたlacZ遺伝子を含有するバクミドについて細胞をスクリーニングする。組換えバキュロウイルスのゲノムを含有するバクミドDNAを普通の技術に従い単離し、そしてスポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)細胞、例えば、Sf9細胞をトランスフェクトする。zvegf3タンパク質を発現する組換えベクターを引き続いて生成させる。この分野において普通に使用されている方法により、組換えウイルスの系統を作る。
タンパク質を製造するために、組換えウイルスを使用して宿主細胞、典型的にはヨトウガ、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)(例えば、Sf9またはSf21細胞)またはトリコデルマ・ニ(Trichoderma ni)(例えば、High Five(商標)細胞;Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)に由来する細胞系統を感染させる。一般に、下記の文献を参照のこと:GlickおよびPasternak、Molecular Biotechnology,Principles & Applications of Recombinant DNA、ASM Press、ワシントンD.C.、1994。また、米国特許第5,300,435号参照。
無血清培地を使用して細胞を成長させ、維持する。適当な培地処方物はこの分野において知られており、そして商業的供給会社から得ることができる。細胞をほぼ2〜5×105細胞の接種密度から1〜2×106細胞の密度に成長させ、この時間において組換えウイルスストックを0.1〜10、より典型的には3付近の感染多重度に添加する。使用する手順は一般に入手可能な実験室のマニュアルに記載されている(例えば、KingおよびPossee、前掲;O'Reilly他、前掲;Richardson、前掲)。
酵母細胞を包含する真菌細胞を本発明において使用することもできる。これに関して特に興味ある酵母種は、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、およびピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)を包含する。外因的DNAでサッカロミセス・セレビシエ(S. cerevisiae)を形質転換し、それから組換えポリペプチドを生産する方法は、例えば、下記の特許文献に記載されている:Kawasaki、米国特許第4,599,311号;Kawasaki他、米国特許第4,931,373号;Brake、米国特許第4,870,008号;Welch他、米国特許第5,037,743号;およびMurry他、米国特許第4,845,075号。
選択マーカーにより決定された表現型、普通の薬剤耐性または特定の栄養(例えば、ロイシン)の非存在において増殖する能力により、形質転換された細胞を選択する。サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)において使用するために好ましいベクター系は、Kawasaki他(米国特許第4,931,373号)により開示されているPOT1ベクター系であり、これによりグルコースを含有する培地中の増殖により形質転換細胞を選択することができる。酵母において使用するために適当なプロモーターおよびターミネーターは、解糖酵素遺伝子(例えば、Kawasaki、米国特許第4,599,311号;Ingsman他、米国特許第4,615,974号;およびBitter、米国特許第4,977,092号、参照)およびアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子からのものを包含する。
また、米国特許第4,990,446号;米国特許第5,063,154号;米国特許第5,139,936号および米国特許第4,661,454号、参照。ハンゼヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、シゾサッカラロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、クルイベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロマイセス・フラギリス(Kluyveromyces frgilis)、ウスチラゴ・マイディス(Ustilago maydis)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)、ピキア・グイレルモンディイ(Pichia guillermondii)およびカンジダ・マルトサ(Candida maltosa)を包含する、他の酵母のための形質転換系はこの分野において知られている。
例えば、Gleeson他、J. Gen. Microbiol. 132:3459-3465、1986;Cregg、米国特許第4,882,279号;およびRaymond他、Yeast 14:11-23、1998、参照。McKnight他、米国特許第4,935,349号の方法に従い、アスペルギルス(Aspergillus)細胞を利用することができる。アクレモニウム・クリソゲヌム(Acremonium chrysogenum)は、Sumino他、米国特許第5,162,228号に開示されている。ニューロスポラ(Neurospora)を形質転換する方法は、Lambowitz、米国特許第4,486,533号に開示されている。ピキア・メタノリカ(Pichia metanolica)中の組換えタンパク質の産生は、米国特許第5,716,808号;米国特許第5,736,383号、米国特許第5,854,039号、および米国特許第5,888,768号に開示されている。
細菌大腸菌(Escherichia coli)、バシラス(Bacillus)および他の属の株を包含する、原核宿主細胞は、また、本発明において有用である。これらの宿主を発現し、その中にクローニングされた外来DNA配列を発現する技術はこの分野においてよく知られている(例えば、Sambrook他、ibid.参照)。大腸菌(E. coli)のような細菌においてzvegf3ポリペプチドを発現させるとき、ポリペプチドを、典型的には不溶性粒子として、細胞質の中に保持させることができるか、あるいは細菌の分泌配列によりペリプラスミック空間の中に向けることができる。前者の場合において、細胞を溶解し、粒子を回収し、例えば、グアニジンイソチオシアネートまたは尿素を使用して、変性する。
次いで変性されたポリペプチドをリフォルディングさせ、変性物の希釈により、例えば、尿素の溶液および還元されたグルタチオンおよび酸化されたグルタチオンとの組合わせに対する透析、および引き続く緩衝化生理食塩水に対する透析により、二量体化させることができる。別法において、タンパク質を細胞質から可溶性形態で回収し、変性しないで単離することができる。タンパク質を細胞から、例えば、リン酸塩緩衝液中の、水性抽出物として回収する。
問題のタンパク質を捕捉するために、抽出物をクロマトグラフィーの媒質、例えば、固定化された抗体またはヘパリン−セファローズカラムに直接適用する。分泌されたポリペプチドをペリプラスミック空間から可溶性および機能的形態で、細胞を崩壊させることによって(例えば、超音波処理または浸透圧ショックにより)ペリプラスミック空間の内容物を解放し、タンパク質を回収し、これにより変性およびリフォルディングの必要性を排除することができる。
原核宿主細胞中のzvegf3融合タンパク質の産生は特に重要である。典型的な融合タンパク質は、マルトース結合性タンパク質に融合したzvegf3ポリペプチドを含んでなる。このような融合物はポリペプチドの融合を精製するために追加の配列、例えば、ポリヒスチジンをさらに含むことができる。融合のzvegf3成分および非zvegf3成分の分離を可能とするために、酵素切断部位(例えば、トロンビン切断部位)をまた含めることができる。
形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を、慣用手順に従い、栄養素および選択した宿主細胞の成長に必要な他の成分を含有する培地中で培養する。規定された培地および複合培地を包含する、種々の適当な培地は、この分野において知られており、そして一般に炭素源、窒素源、必須アミノ酸、ビタミンおよび無機質を含む。培地は、また、必要に応じて、成長因子または血清のような成分を含有することができる。一般に、外因的に添加されたDNAを含有する細胞について成長培地を選択する。
この選択は、例えば、薬剤選択または必須栄養素の欠如により実施され、必須栄養素は発現ベクター上に担持されるか、あるいは宿主細胞の中に共トランスフェクトされた選択可能なマーカーにより補足される。炭素、窒素および微量栄養素の適切な源を含む培地中で約25℃〜35℃の温度において、ピキア・メタノリカ(P. metanolica)細胞を培養する。慣用の手段、例えば、小さいフラスコの震盪または発酵槽のスパージにより、液体培地を十分にエアレーションする。
zvegf3ポリペプチドまたはそれらのフラグメントは、また、この分野において知られている方法、例えば、専用固相合成、部分的固相法、フラグメントの縮または古典的溶液合成に従い化学的合成により製造することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:Merrifield、J. Am. Chem. Soc. 85:2149、1963;Stewart他、Solid Phase Peptide Synthesis(第2版)、Pierce Chemical Co.、イリノイ州ロックフォード、1984;BayerおよびRapp、Chem. Pept. Prot. 3:3、1986;およびAtherton他、Solid Phase Peptide Synthesis:A Practical Approach、IRL Press、Oxford、1989。
zvegf3ポリペプチドを含んでなる非共有結合の複合体は、zvegf3ポリペプチドおよび第2ポリペプチド(例えば、PDGF/VEGFファミリーのzvegf3ポリペプチドまたは他のペプチド)を生理学的pH付近においてインキュベートすることによって製造することができる。典型的な反応において、約0.1〜0.5μg/μlの濃度のポリペプチドをpH約7.4において弱い緩衝液(例えば、0.01Mのリン酸塩または酢酸塩緩衝液)中でインキュベートする;塩化ナトリウムを約0.1Mの濃度に添加することができる。37℃において、反応は4〜24時間で本質的に完結する。例えば、Weintraub他、Endocrinology 101:225-235、1997参照。
所望の成分ポリペプチドを単離し、それらをin vitroで組合わせることによって、共有結合の複合体をつくることができる。この方法において製造することができる共有結合の複合体は、zvegf3ポリペプチド、2つの異なるzvegf3ポリペプチドのヘテロダイマー、およびzvegf3ポリペプチドおよびタンパク質のVEGF/PDGFファミリーの他のファミリーメンバーからのポリペプチドのヘテロダイマーを包含する。
2つのポリペプチドを変性および還元性条件下に一緒に混合し、変性剤の除去によりタンパク質を復元する。除去は、例えば、緩衝液を交換する透析またはサイズ排除クロマトグラフィーにより実施することができる。2つの異なるポリペプチドを組合わせるとき、生ずる復元されたタンパク質は個々の成分のホモダイマーならびに2つのポリペプチド成分のヘテロダイマーを形成することができる。Cao他、J. Biol. Chem. 271:3154-3162、1996参照。
意図する使用に依存して、in vivoポリペプチドおよびタンパク質を≧80%の純度、≧90%の純度、≧95%の純度に精製するか、あるいは汚染する高分子、特に他のタンパク質および核酸に関して99.9%より高く、かつ感染性因子および発熱因子を含まない、薬学上純粋な状態に精製することができる。
発現された組換えzvegf3タンパク質(キメラポリペプチドおよびマルチマーの製造を包含する)を、慣用タンパク質精製法、典型的にはクロマトグラフィー技術の組合わせにより精製する。一般に、下記の文献を参照のこと:Affinity Chromatography:Principle & Methods、Pharmacia LKB Biotechnology、スイス国ウップサラ、1988;およびScopes、Protein Purification:Principles and Practice、Springer-Verlag、New York、1994。ポリヒスチジン親和標識(典型的には約6ヒスチジン残基)を含んでなるタンパク質を、ニッケルキレート樹脂上のアフィニティークロマトグラフィーにより精製する。例えば、Houchuli他、Bio/Technol. 6:1321-1325、1988参照。
さらに、成長因子ドメインそれ自体はpH7.0〜8.0および25mMのリン酸ナトリウム、0.25MのNaClにおいてニッケル樹脂に結合する。結合したタンパク質は、pH5.0に低下する、下降するpH勾配またはイミダゾール勾配において溶離することができる。glu−gluタグを含んでなるタンパク質を、慣用手順に従いイムノアフィニティークロマトグラフィーにより精製することができる。例えば、Grussenmeyer他、前掲、参照。マルトース結合性タンパク質の融合物を、この分野において知られている方法に従いアミロースカラム上で精製する。
下記においていっそう詳細に説明するように、強いカチオン交換体上のクロマトグラフィーおよび引き続く疎水性相互作用クロマトグラフィーの組合わせを使用して、zvegf3成長因子ドメインのタンパク質を精製することができる。タンパク質をBHK細胞において産生するとき、インスリン様成長因子結合性タンパク質4(IGFBP4)をこれらの条件下にzvegf3と同時精製する。逆相HPLC、第四級アミン強カチオン交換体上の低いイオン強度およびpH7.0〜9.0におけるアニオン交換、またはフェニルエーテル樹脂上の疎水性相互作用クロマトグラフィーを使用して、それ以上の精製を実施することができる。
また、zvegf3はpH6〜8においてPBS中で種々の色素マトリックス(例えば、BLUE1、BLUE2、ORANGE1、ORANGE3およびRED3、Lexton Scientific、カリフォルニア州シグナルヒル、から)に結合し、これから結合したタンパク質を20mMのホウ酸緩衝液pH8.8中の1〜2MのNaCl中で溶離することができることが発見された。RED3から溶離されたタンパク質をRED2(Lexton Scientific)上に通過させて、残りの汚染物質を除去することができる。
この分野において知られている方法を使用して、zvegf3タンパク質をモノマーまたはマルチマーとして製造し;グルコシル化しまたは非グルコシル化し;ペギル化または非ペギル化することができ;そして初期のメチオニンアミノ酸残基を含めるか、あるいは含めないことができる。
本発明は、さらに、配列番号2に示すようなタンパク質のエピトープ担持部分を含んでなるポリペプチドを提供する。「エピトープ」は、抗体が結合することができるタンパク質の領域である。例えば、Geysen他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 81:3998-4002、1984参照。エピトープは線状であるか、あるいはコンフォメーション的であることができ、後者はタンパク質のフォルディングのときエピトープを形成するタンパク質の不連続領域から構成されている。線状エピトープは一般に少なくとも6アミノ酸残基長さである。タンパク質配列の一部分を模擬する、比較的短い合成ペプチドは、部分的模擬されたタンパク質と反応する抗血清を日常的に誘発することができる。
Sutcliffe他、Science 219:660-666、1983参照。短い、線状エピトープを認識する抗体は、変性されたタンパク質を用いる分析および診断の応用、例えば、ウェスタンブロッティングにおいて有用である(Tobin、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 76:4350-4356、1979)。短いペプチドに対する抗体は、また、自然コンフォメーションのタンパク質を認識することができ、こうしてタンパク質の発現およびタンパク質の単離をモニターのために、溶液中のzvegf3タンパク質を、例えば、ELISAにより検出するとき、または免疫沈降の研究において有用であろう。
本発明の抗原、エピトープ担持部分は、zvegf3タンパク質に特異的に結合する、モノクローナル抗体を包含する、抗体を発生させるために有用である。抗原、エピトープ担持部分は、zvegf3タンパク質の少なくとも6、しばしば少なくとも9、よりしばしば15〜抗体30の隣接アミノ酸残基の配列を含有する(例えば、配列番号2)。zvegf3タンパク質のより大きい部分、すなわち、30〜50残基から配列全体までを含んでなるポリペプチドが含まれる。エピトープ担持部分のアミノ酸配列は水性溶媒中の実質的に溶解性を提供するように選択される、すなわち、配列は比較的親水性の残基を含み、そして疎水性残基は実質的に回避されることが好ましい。
このような領域は、配列番号2の残基43〜48、96〜101、97〜102、260〜265、および330〜335を含む。前述したように、免疫原として、多少のより長いペプチド、例えば、配列番号2の残基80〜104、299〜314、および299〜326を含んでなるペプチドを使用することが一般に好ましい。後者のペプチドは、カップリングを促進するために追加のN末端のCys残基を使用して製造することができる。本明細書において使用するとき、用語「抗体」はポリクローナル抗体、アフィニティー精製されたポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、および抗原結合性フラグメント、例えば、F(ab')2およびFab'タンパク質分解フラグメントを包含する。
遺伝子操作された無傷の抗体またはフラグメント、例えば、キメラ抗体、Fvフラグメント、一本鎖抗体およびその他、ならびに合成抗原結合性ペプチドおよびポリペプチドもまた包含される。非ヒトCDRをヒトフレームワークおよび定常領域の上にグラフト化するか、あるいは全体の非ヒト可変ドメインを組込む(必要に応じて暴露した残基を置換することによって、前記ドメインをヒト様表面で「クローキング(cloaking)」する、ここで「ベニヤ化された」抗体が生ずる)ことによって、非ヒト抗体をヒト化することができる。
いくつかの例において、ヒト化抗体はヒト可変領域のフレームワーク内に非ヒト残基を保持して、適切な結合特性を増強することができる。抗体をヒト化することによって、生物学的半減期を増加することができ、そしてヒトへの投与のときの悪い免疫反応の可能性は減少する。ヒト構造を有する抗体を産生するように遺伝的に変更されたマウスにおいて、モノクローナル抗体を産生させることができる。
ポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体を製造し、単離する方法はこの分野においてよく知られている。例えば、下記の文献を参照のこと:Cooligan他、(編者)、Current Protocols in Imunology、National Institutes of Health、John Wiley & Sons,Inc.、1995;Sambrook他、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor、NY、1989;およびHurrell、J. G. R.(編者)、Monoclonal Hybridoma Antibodies:Techniques and Applications、CRC Press,Inc.、フロリダ州ボカレイトン、1982。当業者にとって明らかなように、種々の温血動物、例えば、ウマ、雌牛、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ニワトリ、ウサギ、マウス、およびラットにzvegf3ポリペプチドまたはそのフラグメントを接種することによって、ポリクローナル抗体を発生させることができる。
アジュバント、例えば、明礬(水酸化アルミニウム)またはフロインド完全アジュバントまたはフロインド不完全アジュバントを使用して、zvegf3ポリペプチドの免疫原性を増加させることができる。また、免疫化に有用なポリペプチドは、融合ポリペプチド、例えば、zvegf3またはその一部分と免疫グロブリンポリペプチドまたはマルトース結合性タンパク質との融合物を包含する。ポリペプチドが「ハプテン様」である場合、このようなタンパク質は免疫化のための高分子担体(例えば、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)、または破傷風トキソイド)に好都合に結合または連鎖させることができる。
抗体を発生させるか、あるいは選択する別の技術は、zvegf3タンパク質またはペプチドに対するリンパ球のin vitro暴露、およびファージまたは同様なベクター中の抗体ディスプレイライブラリーの選択(例えば、固定化または標識化されたzvegf3タンパク質またはペプチドの使用による)を包含する。このようなランダムペプチドディスプレイライブラリーをつくり、スクリーニングする技術はこの分野において知られており(Ladner他、米国特許第5,223,409号;Ladner他、米国特許第4,946,778号;Ladner他、米国特許第5,403,484号およびLadner他、米国特許第5,571,698号)
そしてランダムペプチドディスプレイライブラリーおよびこのようなライブラリーをスクリーニングするキットは、例えば、クロンテク(Clontech)(カリフォルニア州パロアルト)、インビトロゲン・インコーポレーテッド(Invitrogen Inc.)(カリフォルニア州サンディエゴ)、ニュー・イングランド・バイラブズ・インコーポレーテッド(New England Biolabs Inc.)(マサチュセッツ州ベバーリイ)およびファーマシア(Pharmacia LKB Biotechnology Inc.)(ニュージャージイ州ピスカタウェイ)から商業的に入手可能である。
本明細書に開示するzvegf3配列を使用して、ランダムペプチドディスプレイライブラリーをスクリーニングして、zvegf3に結合するタンパク質を同定することができる。これらの「結合性タンパク質」は、zvegf3ポリペプチドと相互作用し、細胞の標識化またはアフィニティー精製による相同体ポリペプチドの単離に使用することができるか、あるいはそれらを直接的または間接的に薬剤、トキシン、放射性核種およびその他に結合させることができる。
これらの結合性タンパク質は、また、分析方法において、例えば、発現ライブラリーのスクリーニングおよび活性の中和するために;診断アッセイにおいて、例えば、組織中のポリペプチドの循環レベルを測定するために;根元的な病理学または疾患のマーカーとしてポリペプチドを検出または定量するために;そしてin vitroおよびin vivoにおいてzvegf3の結合およびシグナルトランスダクションをブロックするzvegf3アンタゴニストとして;使用することができる。
抗体は対照(非zvegf3)ポリペプチドまたはタンパク質に対する結合アフィニティーよりも少なくとも10倍大きいアフィニティーでzvegf3ポリペプチド、ペプチドおよびエピトープに抗体が結合する場合、抗体は特異的に結合すると決定される。これに関して、「非zvegf3ポリペプチド」は関係する分子VEGF、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、PIGF、PDGF-A、およびPDGF-Bを包含するが、非ヒト種からのzvegf3ポリペプチドを排除する。zvegf3オーソログ間で期待される高いレベルのアミノ酸配列の同一性のために、ヒトzvegf3に対して特異的な抗体はまた他の種からのzvegf3に結合することができる。
抗体の結合アフィニティーは、例えば、スキャッチャード分析容易に決定することができる(Scatchard、G.、Ann. NY Acad. Sci. 51:660-672、1942)。特定の抗体をスクリーニングし、単離する方法はこの分野において知られている。例えば、下記の文献を参照のこと:Paul(編者)、Fundamental Immunology、Raven Press、1993;Getzoff他、Adv. in Immunol. 43:1-98、1988;Goding、J. W.(編者)、Monoclonal Antibodies:Principles and Practice、Academic Press Ltd.、1996;Benjamin他、Ann. Rev. Immunol. 2:67-101、1984。
この分野において知られている種々のアッセイを利用して、zvegf3タンパク質またはペプチドに特異的に結合する抗体を検出することができる。典型的なアッセイは、Antibodies:A Laboratory Manual、HarlowおよびLane(編)、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1988、に詳細に記載されている。このようなアッセイの代表的な例は下記のものを包含する:並流免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ、放射線免疫沈降、酵素結合イムノアッセイ(ELISA)、ドットブロットまたはウェスタンブロットアッセイ、阻害または競合アッセイ、およびサンドイッチアッセイ。さらに、抗体を野生型/突然変異のzvegf3タンパク質またはポリペプチドに対する結合についてスクリーニングすることができる。
zvegf3を発現する細胞の標識化;アフィニティー精製によるzvegf3の単離;zvegf3ポリペプチドの循環レベルを測定する診断アッセイ;根元的な病理学または疾患のマーカーとして可溶性zvegf3の検出または定量;FACSを使用する分析方法;発現ライブラリーのスクリーニング;抗イディオタイプ抗体の発生;のために、そして中和性抗体またはin vitroおよびin vivoにおいてzvegf3の結合をブロックするアンタゴニストとして、zvegf3に対する抗体を使用することができる。適当な直接的タグまたは標識は、放射性核種、酵素、基質、コファクター、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子およびその他を包含する;間接的タグまたは標識は、ビオチン−アビジンまたは他の補体/抗補体の対を中間体として使用することを特徴とする。
抗体は、また、薬剤、トキシン、放射性核種およびその他に対して直接的または間接的に複合化することができ、そしてこれらの複合体はin vivo診断または療法の応用において使用することができる。そのうえ、zvegf3またはそのフラグメントに対する抗体は、in vitroにおいて、アッセイ、例えば、ウェスタンブロットまたはこの分野において知られている他のアッセイにおいて、変性したzvegf3またはそのフラグメントを検出するために使用することができる。また、zvegf3を発現する細胞またはzvegf3のレセプターに対して、結合した治療成分または診断成分をターゲッティングするために抗体を使用することができる。
いくつかの適用(例えば、ある種の療法上の応用)のために、中和抗体を使用することが好ましい。本明細書において使用するとき、用語「中和抗体」は、それを100倍モルアクセスにおいて添加したとき、同族体抗原の生物学的活性の少なくとも50%を阻害する抗体を意味する。当業者は認識するように、より大きい中和活性は時には望ましく、そして100倍または10倍モルアクセスにおいてにおいて50%阻害を提供する抗体を好都合に使用することができる。
zvegf3タンパク質およびそのアンタゴニストの活性は、in vitroにおいて培養した細胞を使用するか、あるいはin vivoにおいて適当な動物モデルに特許請求した本発明の分子を投与することによって測定することができる。zvegf3活性のアッセイにおいて使用するターゲット細胞は、血管細胞(特に内皮細胞および平滑筋細胞)、造血細胞(骨髄およびリンパ系)細胞、肝臓細胞(肝細胞、有窓内皮細胞、クップファー細胞、および伊藤細胞を包含する)、神経突起細胞(星状細胞、膠細胞、樹枝細胞、およびPC−12細胞を包含する)、シュワン細胞、胎児肺細胞、関節滑膜細胞、周細胞、軟骨細胞、乏突起神経膠細胞、骨芽細胞、およびPDGFアルファレセプターを発現する他の細胞を包含する。
zvegf3タンパク質を種々のこの分野においてよく知られている方法によりレセプター結合活性について分析することができ、このような方法はレセプター競合アッセイ(Bowen−PopeおよびRoss、Methods Enzymol. 109:69-100、1985)、レセプターの使用、およびIgG融合タンパク質として産生されたレセプターの使用(米国特許第5,750,375号)を包含する。レセプター結合アッセイは、評価のための既知の細胞表面レセプターを含有する細胞系統について実施することができる。レセプターは細胞の中に自然に存在するか、あるいは遺伝子操作された細胞により発現された組換えレセプターであることができる。
zvegf3に結合することができる細胞型は、zvegf3−トキシン複合体、例えば、zvegf3タンパク質とサポニンとの複合体を使用して同定することができる。組織培養、器官培養、またはin vivo設定における細胞によるzvegf3−トキシン複合体の結合は、細胞の中への複合体の組込みを可能とする。サポニンはいったん細胞の中に入ると、細胞に対して毒性作用を示し、これにより細胞を殺す。この活性を使用して、zvegf3に結合し、その中に入ることができる細胞型を同定することができる。応答性細胞型の同定を可能とすることに加えて、複合体の注射後に動物内の病理を観察することによって、zvegf3が生物学的活性を有する器官および組織を同定するin vivo研究において、トキシン複合体を使用することができる。
培養した細胞を使用して、zvegf3タンパク質の活性をin vitroにおいて測定することができる。既知のアッセイを使用してマイトジェン活性を測定することができる。このようなアッセイは、チミジン組込みアッセイ(例えば、下記の文献に開示されている:RainsおよびRoss、Methods Enzymol. 109:749-773,1985およびWahl他、Mol. Cell. Biol. 8:5016-5025、1988)、色素組込みアッセイ(例えば、下記の文献に開示されている:Mosman、J. Immunol. Meth. 65:55-63、1983およびRaz他、Acta Trop. 68:139-147,1997)、または細胞の計数を包含する。
適当な有糸分裂誘発アッセイにおいて、3H−チミジンを(1)20%のコンフルエント培養物の中に組込んで増殖する細胞をさらに刺激するzvegf3タンパク質の能力を観測し、そして(2)48時間コンフルエンスに保持した休止細胞の中に組込んで接触誘導成長阻害を克服するzvegf3タンパク質の能力を観測する。適当な色素組込みアッセイは、ターゲット細胞の中への色素アラマー(Alamar)ブルー(Raz他、前掲)の組込みの測定を包含する。また、下記の文献を参照のこと:Gospodarowicz他、J. Cell. Biol. 70:395-405、1976;EwtonおよびFlorini、Endocrinol. 106:577-583、1980;およびGospodarowicz他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 86:7311-7315、1989。
いっそう成熟した表現型に分化するように誘導可能である適当な前駆体細胞を使用して、細胞分化をアッセイすることができる。例えば、内皮細胞および造血細胞は普通の先祖細胞、血管芽細胞から誘導される(Choi他、Development 125:725-732,1998)。また、骨芽細胞への分化を刺激するzvegf3タンパク質の能力を測定するために、間葉幹細胞を使用することができる。
分化はオステオカルシンの発現、無機質化する細胞の能力、およびアルカリ性ホスファターゼの発現により示され、それらのすべてはこの分野において知られている日常的方法により測定することができる。腫瘍細胞の増殖および転移に対するzvegf3タンパク質の作用は、例えば、下記の文献に記載されているように、ルイス肺癌腫モデルを使用して分析することができる:Cao他、J. Exp. Med. 182:2069-2077、1995。ニューロン由来の細胞に対するzvegf3タンパク質の活性は、神経突起の成長に対する作用を測定するアッセイにより分析することができる。
また、1またはそれ以上の追加の成長因子または他の高分子のzvegf3誘導産生を測定するように設計されたアッセイにより、zvegf3活性を検出することができる。このようなアッセイは、肝臓細胞成長因子(HGF)、表皮成長因子(EGF)、形質転換成長因子アルファ(TGFα)、インターロイキン−6(IL−6)、VEGF、酸性線維芽細胞成長因子(aFGF)、およびアンギオゲニンの存在を決定するアッセイを包含する。適当なアッセイは、問題の高分子に対して応答性のターゲット細胞を使用するアッセイ、競合結合アッセイ、免疫学的アッセイ(例えば、ELISA)、およびこの分野において知られている他のフォーマットを包含する。
処理した一次ヒト皮膚繊維芽細胞、滑膜細胞および軟骨細胞から、メタロプロテアーゼを測定する。zvegf3タンパク質の存在下の培養に応答して産生されたコラゲナーゼ、ゲラチナーゼおよびストロメラシンの相対レベルを測定する(LoitaおよびStetler-Stevenson、Cancer Biology 1:96-106、1990)。被験タンパク質に応答して皮膚繊維芽細胞および軟骨細胞によりプロコラーゲン/コラーゲンの合成は、分泌された発生期コラーゲンの中への3H−プロリンの組込みにより測定される。SDS-PAGEおよび引き続くオートラジオグラフィー(UnemoriおよびAmento、J. Biol. Chem. 265:10685-10685、1990)により、3H標識化コラーゲンを可視化する。
皮膚繊維芽細胞および軟骨細胞からのグリコサミノグリカン(GAG)は、1,9−ジメチルメチレンブルー色素結合アッセイにより測定する(Farndale他、Biochim. Biophys. Acta 883:173-177、1986)。また、コラーゲンおよびGAGのアッセイをIL-1βまたはTGF-βの存在下に実施して、これらのサイトカインに対する確立された応答を修飾するzvegf3の能力を検査する。
単球活性化アッセイを実施して(1)単球活性化をさらに刺激するzvegf3タンパク質の能力を観測し、そして(2)結合誘導またはエンドトキシン誘導単球活性化をモジュレートするzvegf3タンパク質の能力を観測する(Fuhlbrigge他、J. Immunol. 138:3799-3802、1987)。活性化に応答して産生されるIL−1βおよびTNFαレベルをELISAにより測定する(Biosource,Inc. Camarillo、カリフォルニア州)。単球/マクロファージ細胞は、CD14(LPSレセプター)により、エンドトキシンに対して繊細に感受性であり、そして中程度のレベルのエンドトキシン様活性を有するタンパク質はこれらの細胞を活性化するであろう。
培養における種々の造血細胞についてzvegf3タンパク質の造血活性をアッセイすることができる。適当なアッセイは、一次骨髄または末梢血白血球コロニーアッセイ、および後の段階の系列制限コロニーアッセイを包含し、これらはこの分野において知られている(例えば、Holly他、WIPO公開WO 95/21920)。適当な半固体培地(例えば、15%の胎仔ウシ血清、10%のウシ血清アルブミン、および0.6%のPSN抗体混合物を含有する50%のメチルセルロース)上にプレートした骨髄細胞を被験ポリペプチドの存在下にインキュベートし、次いでコロニー形成について検査する。
既知の造血因子を対照として使用する。造血細胞系統に対するzvegf3ポリペプチドのマイトジェン活性を、3H−チミジン組込みアッセイ、色素組込みアッセイまたは細胞計数により測定することができる(RainsおよびRoss、Methods Enzymol. 109:749-773,1985およびFoster他、米国特許第5,641,655号)。例えば、細胞を多ウェルマイクロタイタープレート中で培養する。試験試料および3H−チミジンを添加し、細胞を37℃において一夜インキュベートする。
ウェルの内容物をフィルターに移し、乾燥し、計数して標識化の組込みを決定する。また、3−(4,5−ジメチルチアゾル−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)の代謝破壊をベースとする比色アッセイを使用して、細胞増殖を測定することができる(Mosman、前掲)。簡単に述べると、MTTの溶液を100μlのアッセイ細胞に添加し、細胞を37℃においてインキュベートする。4時間後、200μlのイソプロパノール中の0.04N HClを添加し、この溶液を混合し、試料の吸収を570nmにおいて測定する。
細胞移動を本質的に下記の文献に記載されているようにしてアッセイする:Kaehler他、Arteriosclerosis,Thrombosis,and Vascular Biology 17:932-939、1997。タンパク質が低いタンパク質濃度の領域から高いタンパク質濃度の領域への細胞の移動を誘導する場合、タンパク質は化学走性であると考えられる。2つのチャンバーを分離するポリスチレン膜を有する変更されたボイデン(Boyden)チャンバー(Transwell;Corning Cosar Corp.)を使用して、このアッセイを実施する。
1%のBSAを含有する媒質中で試験試料を希釈し、トランスウェル(Transwell)を含有する24ウェルのプレートの下のチャンバーに添加する。次いで0.2%のゼラチンで前処理したトランスウェルインサート上に、細胞をプレートする。37℃において4時間インキュベートした後、細胞移動を測定する。移動しない細胞をトランスウェル膜の上部からぬぐって除去し、膜の下面に結合した細胞を固定し、0.1%のクリスタルバイオレットで染色する。次いで染色された細胞を10%の酢酸で抽出し、吸収を600nmにおいて測定する。次いで移動を標準検量線から計算する。
平滑筋細胞(SMC)移動をKenagy他の大動脈外植アッセイ(Circulation 96:3555-3560、1997)により測定する。典型的なプロトコルにおいて、外植片をヒヒ胸大動脈から調製し、内側中膜を分離し、1mm断片に細切する。5μg/mlのトランスフェリン、5μg/mlのインスリン、1mg/mlのオバルブミン、および被験化合物を補充したDMEMを含有する組織培養フラスコの中に、外植片を入れる。移動する細胞の数を毎日測定する。
細胞接着活性を本質的に下記の文献に記載されているようにアッセイする:LaFleur他、J. Biol. Chem. 272:32798-32803、1997)。簡単に述べると、マイクロタイタープレートを被験タンパク質で被覆し、非特異的部位をBSAでブロックし、細胞(例えば、平滑筋細胞、白血球、または内皮細胞)をほぼ104〜105細胞/ウェルの密度でプレートする。細胞を37℃においてインキュベートし(典型的には約60分間)、次いで非接着性細胞をおだやかな洗浄により除去する。接着した細胞を慣用法(例えば、クリスタルバイオレットを使用する染色、細胞の溶解、およびライゼイトの光学密度の測定)により定量する。
対照ウェルを既知の接着性タンパク質、例えば、フィブロネクチンまたはビトロネクチンで被覆する。血管形成活性についてのアッセイもまたこの分野において知られている。例えば、血管形成における始原内皮細胞に対するzvegf3に対する作用は、ヒヨコ尿漿膜血管形成アッセイにおいてアッセイすることができる(Leung、Science 246:1306-1309、1989;Ferrara、Ann. NY Acad. Sci. 752:246-256、1995)。簡単に述べると、8日齢の受精卵の殻の中に小さい窓をカットし、被験物質を尿漿膜に適用する。72時間後、膜を血管新生について検査する。
他の適当なアッセイは下記のアッセイを包含する:初期段階のウズラ(Coturnix coturnix japnica)胚のマイクロインジェクション(Drake他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 92:7657-7661、1995);角膜血管新生の齧歯類モデル(MuthukkaruppanおよびAuerbach、Science 205:1416−1418、1979)、ここで同系交配マウスの角膜中のポケットの中に被験物質を挿入する;およびハムスターの頬袋アッセイ(Haecket他、Arch. Surg. 128:423-429、1993)。血管透過性の誘導は血管形成活性を示し、そしてこの誘導は被検化合物の投与後に試験動物(例えば、マウスまたはモルモット)の血管系からのタンパク質の漏出を検出するように設計されたアッセイにおいて測定される(MilesおよびMiles、J. Physiol. 118:228-257、1952;Feng他、J. Exp. Med. 183:1981-1986、1996)。
血管形成活性についてのin vitroアッセイは下記のアッセイを包含する:三次元コラーゲンゲルマトリックスモデル(Pepper他、Biochem. Biophys. Res. Comm. 198:821-831、1992およびFerrara他、Ann. NY Acad. Sci. 732:246-256、1995)、これは微小血管内皮細胞により管様構造の形成を測定する;およびマトリゲル(matrigel)モデル(Grant他、″Angiogenesis as a component of epithelial-mesenchmal interactions″、GoldbergおよびRosen、Epithelial−Mesenchmal interaction in Cancer、Birkhaeuser Verlag、1995、235-248;Baatout、Anticancer Research 17:451-456、1997)、これはマトリゲル、すなわち、ラミニンに富んだ基底膜抽出物、の中に播種された内皮細胞による細胞移動および管形成に対する作用を決定するために使用される。血管形成アッセイは、可能な組合わせ作用を評価するために、VEGFの存在および非存在において実施される。VEGFはin vivoアッセイにおいて対照として使用することができる。
zvegf3活性は、また、軸索の誘導および成長を測定するアッセイを使用して測定することができる。ニューロン成長パターンの変化を示すアッセイ、例えば、下記の文献に記載されているアッセイは特に重要である:Hastings、WIPO公開WO 97/29189およびWalter他、Development 101:685-96、1987。ニューロンの成長に対する作用を測定するアッセイはこの分野においてよく知られている。例えば、Cアッセイ(例えば、RaperおよびKapfhammer、Neuron 4:21-9、1990およびLuo他、Cell 75:217-27、1993)を使用して、成長するニューロンに対するzvegf3の崩壊活性を測定することができる。Goodman、Annu. Rev. Neurosci. 19:341-77、1996。
zvegf3タンパク質、zvegf3アゴニスト、またはzvegf3アンタゴニスト、またはこのような細胞の凝集物からコンディショニングした培地を、ゲルマトリックスの中において、神経成長因子と同時培養した、適当な神経細胞、例えば、背根神経節(DRG)または交感神経節外植片付近に配置することができる。対照細胞に比較して、ニューロン成長のzvegf3誘導変化を測定することができる(例えば、下記の文献に記載されているように、Messersmith他、Neuron 14:949-59、1995およびPuschel他、Neuron 14:941-8、1995)。同様に、本発明の分子の存在下に成長させたニューロン細胞懸濁液を使用して、神経突起のアウトグロースを測定することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:O'Shea他、Neuron 7:231-7、1991およびDeFreitas他、Neuron 15:333-43、1995)。
zvegf3タンパク質の生物学的活性は、非ヒト動物において、外因的タンパク質の投与により、zvegf3をコードするポリヌクレオチドの発現により、そしてアンチセンスまたはノックアウト技術を使用する内因的zvegf3の発現の抑制により、研究することができる。zvegf3タンパク質は、個々に、他のzvegf3タンパク質と組み合わせて、または他の成長因子(例えば、VEGF、PIGF、またはPDGF)を包含する、非veg3タンパク質と組み合わせて、投与するか、あるいは発現させることができる。例えば、zvegf3ポリペプチドの組合わせ(例えば、zvegf315-163、zvegf315-230、およびzvegf3235-345の組合わせ)を試験動物に投与するか、あるいは動物において発現させることができる。試験動物を臨床的徴候、体重、血球計数、臨床化学、組織病理学、およびその他のようなパラメーターの変化についてモニターすることができる。
既知の動物モデル、例えば、db/dbマウスモデル(Cohen他、Diabetologia 39:270-274、1996およびCohen他、J. Clin. Invest. 95:2338-2345、1995)またはトランスジェニック動物モデル(Imai他、Contrib Nephrol. 107:205-215、1994)において、肝臓および腎臓の線維症に対するzvegf3およびzvegf3アンタゴニストの作用を試験することができる。
また、ブレオマイシンを使用してマウスにおいて線維症に対する作用をアッセイすることができる。化学療法剤ブレオマイシンはヒトにおいて肺性線維症の既知の原因因子であり、そして繊維芽細胞の数の増加、コラーゲン沈着の増強、およびマトリックス改造の調節解除を包含する、間質性肺疾患を誘導することがある。C57B1/6マウスにブレオマイシンを浸透圧ミニポンプにより1週間投与する。
炎症期間が後続し、ブレオマイシン投与後ほぼ4〜7日に皮膚の毒性が開始し、約1週間連続し、次いでマウスは健康を回復する。ブレオマイシンのデリバリーが終了した後約3〜4週に、マウスを殺し、肺を線維症の徴候について組織学的に検査する。スコアリングは肺線維症の病変の程度およびそれらの重症度に基づく。血清を乳酸デヒドロゲナーゼ、すなわち、一般的細胞死または損傷のとき循環の中に放出される細胞内酵素、についてアッセイする。肺組織をコラーゲン沈着の測度としてヒドロキシプロリンについてアッセイする。
末梢四肢虚血および後足虚血のウサギモデルおよび慢性心筋虚血のブタモデルを包含する、既知の動物モデルにおいて、冠状側副成長の刺激を測定することができる(Ferrara他、Endocrine Reviews 18:4-25、1997)。zvegf3タンパク質をVEGF、アンギオポイエチン、およびFGFの存在および非存在下にアッセイして組合わせの作用について試験する。これらのモデルは、下記においていっそう詳細に説明するように、遺伝子デリバリーのためにアデノウイルスまたは裸DNAを使用して修飾し、1またはそれ以上の被験タンパク質を局所的に発現させる。
創傷治癒の促進におけるzvegf3ポリペプチドの効能を動物モデルにおいてアッセイすることができる。1つのこのようなモデルは、Mustoe他(Science 237:133、1987)の線状皮膚切開モデルである。典型的な手順において、成体ラットの背側毛皮の中に6cmの切開を作り、次いで創傷鉗子で閉じる。一次的閉鎖前に、被験物質およびコントロール(溶液、ゲル、または粉末の形態)を適用する。投与は単一適用にしばしば制限されるが、連続する日に切開下のいくつかの部位において、追加の適用を注意した注射により実施することができる。創傷後3〜21日に、創傷の破壊強さを評価する。
第2モデルにおいて、多数の、小さい、全厚さの切除を行う。耳における軟骨は創傷を固定し、閉鎖の評価から創傷収縮の変動を除去する。実験的治療および対照を適用する。創傷部位の形状寸法および解剖学は細胞の内部成長および上皮移動の信頼性ある定量、ならびに創傷の生化学(例えば、コラーゲン含量)の定量分析を可能とする。Mustoe他、J. Clin. Invest. 87:694、1991参照。ウサギ耳モデルを改変して虚血創傷環境をつくり、これは臨床的状況にいっそう密接に類似する(Ahn他、Ann. Plast. Surg. 24:17、1990)。
第3モデルにおいて、ブタまたはモルモットにおける部分的厚さ皮膚の創傷の治癒を評価する(LeGrand他、Growth Factors、8:307、1993)。実験的治療を毎日包帯の上または下に適用する。創傷形成後7日に、顆粒化組織の厚さを測定する。このモデルは創傷治癒の他のin vivoモデルよりもいっそう定量的であるので、投与量−応答研究のために特に有用である。また、全厚さ切除モデルを使用することができる。このモデルにおいて、齧歯類における皮筋層またはブタにおいて皮下脂肪まで表皮および真皮を除去する。実験的治療を局所的に包帯の上または下に適用し、所望ならば、毎日適用することができる。収縮および細胞の内部成長および増殖の組合わせにより、創傷は閉じる。
測定可能な終点は、創傷が閉じるまでの時間、組織学的スコア、および創傷組織の生化学的パラメーターを包含する。また、障害された創傷治癒モデルはこの分野において知られている(例えば、Cromack他、Surgery 113:36、1993;Pierce他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 86:2229、1989;Greenhalgh、Am. J. Pathol. 136:1235、1990)。創傷治癒プロセスの遅延または延長は、ステロイドを使用する治療、創傷部位の照射、または付随する疾患の状態(例えば、糖尿病)により薬理学的に誘導することができる。実験的創傷として、線状切開または全厚さの切除は最も普通である。
終点は創傷の各型について前述した通りである。創傷治癒の初期段階において作用する化合物を評価するために、皮下移植片を使用することができる(Broadley他、Lab. Invest. 61:571、1985;Sprugel他、Am. J. Pathol. 129:601、1987)。移植片は、多孔質の、比較的非炎症性の容器(例えば、ウシコラーゲンが充填されたポリエチレンスポンジまたは発泡ポリテトラフルオロエチレンの移植片)中で調製され、マウスまたはラットにおいて皮下的に配置される。移植片の内部は細胞が存在せず、よく定められかつ前もって存在する組織から分離することができる「創傷空間」を形成する。この配置は細胞の内向き流および細胞型の評価、ならびに脈管形成/血管形成および細胞外基質産生の測定を可能とする。
動物におけるzvegf3タンパク質の発現は、in vivoにおけるタンパク質活性の過剰生産または阻害の生物学的作用の研究のためのモデルを提供する。ウイルスベクターまたは裸DNAを使用してzvegf3をコードするポリヌクレオチドを試験動物、例えば、マウス、の中に導入することができるか、あるいはトランスジェニック動物を産生することができる。一般に、zvegf3タンパク質は分泌ペプチドを使用して発現される。適当な分泌ペプチドは、zvegf3分泌ペプチド(例えば、配列番号2の残基1〜14)および異種分泌ペプチドを包含する。典型的な異種分泌ペプチドは、ヒト組織プラスミノゲンアクチベーター(t-PA)のそれである。米国特許第5,641,655号に開示されているように、望ましくないタンパク質分解的切断を減少するようにt-PA分泌ペプチドを修飾することができる。
ウイルスデリバリー系を使用して、本発明のタンパク質をin vivoでアッセイすることができる。典型的なウイルスは、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、レトロウイルス、ワクシニアウイルス、およびアデノ関連ウイルス(AAV)を包含する。概観については、下記の文献を参照のこと:Becker他、Mol. Cell. Biol. 43:161-89、1994;およびDouglasおよびCuriel、Science and Medicine 4:44-53、1997。アデノウイルス(下記の文献において概観されている:Becker他、Mol. Cell. Biol. 43:161-89、1994;およびDouglasおよびCuriel、Science and Medicine 4:44-53、1997)はいくつかの利点を提供する。
アデノウイルスは(i)比較的大きいDNAインサートを収容し、(ii)高い力価に増殖し、(iii)広い範囲の哺乳動物細胞型を感染し、そして(iv)多数の異なるプロモーター、例えば、偏在的、組織特異的、および調節可能なプロモーターとともに使用することができる。アデノウイルスは血流中で安定であるので、静脈内注射により投与することができる。アデノウイルスデリバリー系がE1遺伝子欠失を有する場合、ウイルスは宿主細胞中で複製することができない。しかしながら、宿主組織(例えば、肝臓)異種タンパク質を発現し、プロセスする(そして、分泌シグナル配列が存在する場合、分泌する)であろう。
分泌されたタンパク質は高度に血管化した肝臓中の循環の中に入り、感染した動物に対する作用を測定することができる。ベクターに対する免疫応答を減少しまたは排除するために、ウイルス遺伝子の種々の欠失を含有するアデノウイルスベクターを使用することができる。このようなアクチベーターはE1欠失されており、さらにE2AまたはE4の欠失を含有する(Lusky他、J. Virol. 72:2022-2032、1998;Raper他、Human Gene Therapy 9:671-679、1998)。さらに、E2bの欠失は免疫応答を減少させることが報告されている(Amalfitano他、J. Virol. 72:926-933、1998)。
すべての転写単位が欠失されている、いわゆる「グートレス(gutless)」アデノウイルスの発生は、異種DNAの大きいインサートの挿入のために特に有利である。概観については、下記の文献を参照のこと:YenおよびPerricaudet、FASEB J. 11:615-623、1997。レトロウイルスのベクターは、例えば、下記の文献に開示されている:Anderson他、米国特許第5,399,346号;Mann他、Cell 33:153、1983;Temin他、米国特許第4,650,764号;Temin他、米国特許第4,980,289号;Markowitz他、J. Virol. 62:1120、1988;Temin他、米国特許第5,124,263号;Dougherty他、WIPO公開WO 95/07358;およびKuo他、Blood 82:845、1993。
別の方法において、特定の細胞に対してリポソームの分子ターゲッティングを包含する、ある種の実際的利点を提供する技術である、リポソーム仲介トランスフェクションにより、ベクターを導入することができる。特定の細胞型にトランスフェクションを向けることは、細胞の不均質性を有する組織、例えば、膵臓、肝臓、腎臓、および脳において特に有利である。ターゲッティングの目的で、脂質を他の分子に化学的にカップリングすることができる。ターゲッテッドペプチド(例えば、ホルモンまたは神経伝達物質)、タンパク質、例えば、抗体、または非ペプチド分子をリポソームに化学的にカップリングすることができる。
他の態様において、ターゲット細胞を動物から取出し、DNAを裸DNAプラスミドとして導入する。次いで形質転換された細胞を動物の体の中に再移植する。この分野において知られている方法、例えば、トランスフェクション、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、トランスダクション、細胞融合、DEAEデキストラン、リン酸カルシウム沈澱法、遺伝子ガンの使用またはDNAベクタートランスポーターの使用により、裸DNAベクターを所望の宿主細胞の中に導入することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:Wu他、J. Biol. Chem. 267:963-7、1992;Wu他、J. Biol. Chem. 263:14621-4、1988。
また、zvegf3遺伝子を発現するように操作されたマウス(「トランスジェニックマウス」と呼ぶ)、およびzvegf3遺伝子機能の完全な非存在を示すマウス(「ノックアウトマウス」と呼ぶ)を発生させることができる(Snouwaert他、Science 257:1083、1992;Lowell他、Nature 366:740-42、1993;Capecchi、Science 244:1288-1292、1989;Palmiter他、Annu. Rev. Genet. 20:465-499、1986)。正常マウスまたは遺伝病または他の変更された表現型を有するマウスを使用して、トランスジェネシス実験を実行することができる。
偏在的にまたは組織特異的または組織制限的プロモーター下に、zvegf3を過剰に発現するトランスジェニックマウスを使用して、過剰発現が表現型の変化を引き起こすか否かを決定することができる。適当なプロモーターは、メタロチオネイン、アルブミン(Pinkert他、Genes Dev. 1(3):268-76、1987)、およびK−14ケラチノサイト(Vassar他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 86(5):1563-1567、1989)遺伝子のプロモーターを包含する。メタロチオネイン−1(MT−1)プロモーターは肝臓および他の組織における発現を提供し、しばしば高いレベルの循環タンパク質に導く。
野生型zvegf3ポリペプチド、タンパク質フラグメントまたはその突然変異体の過剰発現は正常細胞プロセスを変更し、zvegf3の発現が機能的に関係し、zvegf3、そのアゴニストまたはアンタゴニストの療法上のターゲットを示すことができる組織を同定する、表現型を生ずることができる。例えば、全長のzvegf3配列を過剰に発現するようにトランスジェニックマウスを操作することができ、これはヒト疾患との類似性を示す表現型を生ずることがある。
同様に、ノックアウトzvegf3マウスを使用して、zvegf3がin vivoにおいて絶対的に必要であるかどうかを決定することができる。ノックアウトマウスの表現型はzvegf3アンタゴニストのin vivoを予測する。また、例えば、癌、アテローム性動脈硬化症、慢性関節リウマチ、虚血、および心臓血管系疾患を包含する疾患のモデルにおけるzvegf3タンパク質の作用を研究するために、ノックアウトマウスを使用することができる。
ヒトzvegf3cDNAを使用して上に開示したネズミzvegf3mRNA、cDNAおよびゲノムDNAを単離することができ、引き続いてこれらを使用してノックアウトマウスを発生させる。これらのマウスはzvegf3遺伝子およびそれによりコードされたタンパク質をin vivo系において研究するために使用することができ、対応するヒト疾患のin vivoモデルとして使用することができる。そのうえ、本明細書に記載するzvegf3に対して向けられたzvegf3アンチセンスポリヌクレオチドまたはリボザイムを発現するトランスジェニックマウスは、前述のマウスをノックアウトするために同様に使用することができる。
zvegf3とPDGFリガンドとの間の機能的関係をノックイン実験により研究することができる。例えば、胚幹(ES)細胞中のPDGFリガンドのゲノム遺伝子座の中にzvegf3遺伝子またはcDNAをノックインすることによって、動物におけるPDGF AまたはPDGF B遺伝子を置換することができ、次いでノックインマウスを発生させるために使用され、このマウスにおいてzvegf3タンパク質は(置換された)PDGFゲノム遺伝子座により発現される。
このようなノックインマウスは多数の問題、例えば、zvegf3が発生間にPDGF機能を置換することができるかどうか;zvegf3がユニークな機能を有するかどうか;そして、マウスから確立された細胞系統を使用して、zvegf3シグナルトランスダクションのメカニズムを扱うために使用することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:Wang他、Development 124:2507-2513、1997;Zhuang他、Mol. Cell. Biol. 18:3340-3349、1998;Geng他、Cell 97:767-777、1999。
この技術のそれ以上の応用において、修飾されたzvegf3配列またはzvegf3の特定のスプライスされたバージョンの中にノックインすることによって、zvegf3の個々のドメインを特別に欠失または修飾し、これによりそのタンパク質の機能的ドメインを研究するトランスジェニックモデルを提供することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:Zhuang他(前掲)およびBaudoin他(Genes Dev. 12:1202-1216。1988)。他の応用において、感受性リポーター遺伝子(例えば、lacZ)をzvegf3遺伝子座の中にノックインすることによって、zvegf3遺伝子を発現する組織および細胞型を同定することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:Monroe他、Immunity 11:201-212、1999;Zhuang他、前掲;Geng他、前掲。
アンチセンス法を使用してzvegf3遺伝子の転写を阻害して、in vivoにおけるこのような阻害作用を検査することができる。zvegf3をコードするポリヌクレオチドのセグメント(例えば、配列番号1に記載するポリヌクレオチド)に対して相補的であるポリヌクレオチドは、zvegf3をコードするmRNAに結合しかつこのようなmRNAの転写を阻害するように設計される。また、細胞培養においてzvegf3ポリペプチドをコードする遺伝子の発現を阻害するために、このようなアンチセンスオリゴヌクレオチドを使用することができる。
当業者は認識するように、本明細書に開示するアッセイは、zvegf3タンパク質、抗zvegf3抗体および他のアンタゴニスト、および種々の源に由来する被験物質の活性を同定するように、容易に適合させることができる。
zvegf3タンパク質は、組織の発生または修復、または細胞の分化または増殖を刺激するために、療法的に使用することができる。zvegf3はPDGFアルファレセプターに結合し、そしてアルファレセプター仲介細胞プロセスを刺激することが見出された。したがって、このタンパク質はPDGFアルファレセプターアゴニストとして使用することができる。特定の応用は下記のものを包含するが、これらに限定されない:
特に真性糖尿病、結合組織の疾患、喫煙、熱傷、および他の増悪性症状のために危うくされた創傷治癒の場合における、静脈血行静止性潰瘍および他の慢性、非治癒性創傷を包含する、全厚さの皮膚の創傷の治療;骨折の修復;血管新生を促進しかつ皮膚弁の生存率を増加するための再構成的外科手術;移植された細胞および組織、例えば、移植されたランゲルハンス島における脈管網状組織の確立;急性または慢性胎盤機能障害(周産期の罹患率および死亡率を引き起こす重要な因子)および出血延長を包含する、女性の生殖管の疾患の治療;歯周疾患により損傷された組織の成長の促進;
損傷された肝臓組織の修復の促進;微小血管の欠乏により特徴づけられる、十二指腸潰瘍を包含する、胃腸管の急性および慢性病変の治療;血管形成の促進しかつ慢性脳虚血のためのニューロン変性の予防;虚血性四肢における側副血管の形成の促進;虚血性損傷を制限するために心筋梗塞後の血管修復および側副血行の発生を促進するため;および造血の刺激。また、ポリペプチドは、治癒する組織の脈管再生を促進するために、組織の接着において有用な接着剤である。
活動性慢性肝炎(C型肝炎を包含する)および多数の他の型の肝硬変を包含する、慢性肝疾患による損傷を包含する、肝損傷の治療または修復のために、zvegf3またはzvegf3アンタゴニストを使用することは、特に重要である。事実上肝臓全体の破壊を包含する、広く分布した、多量の壊死は、なかでも、下記の原因により引き起こされる:激症ウイルス肝炎;痛覚消失アセトアミノフェンの過剰投与;他の薬剤および化学物質、例えば、ハロタン、モノアミンオキシダーゼインヒビター、結核、リン、四塩化炭素、および他の工業的化学物質に対する暴露。
明らかな肝細胞壊死を必ずしも産生しない超微細構造的病変に関連する症状は、子供におけるレイ症候群、テトラサイクリン毒性、および妊娠の急性脂肪肝を包含する。線維症および正常構築の構造的に異常な小節への変換により特徴づけられる拡散プロセスである肝硬変は、下記を包含する種々の理由で発生であることがある:アルコール乱用、壊死後性肝硬変(通常活動性慢性肝炎のための)、胆汁性肝硬変、色素沈着性肝硬変、特発性肝硬変、ウイルソン病、およびアルファ−1−アントトリプシン欠乏症。また、zvegf3は肝慢性受動性鬱血(CPC)および中心出血性壊死(CHN)の治療に有用であることができ、これらは右側心不全において直面する連続を表す2つの血行変化である。
zvegf3で治療できる他の血行障害は、肝静脈血栓症、門静脈血栓症、および心臓硬化症を包含する。肝線維症の場合において、線維症の肝臓における細胞外基質の産生に関係づけられた、星細胞の活動性を抑制するために、zvegf3アンタゴニストを投与することが有益であることがある(LiおよびFriedman、J. Gastroenterol. Hepatol. 14:618-633、1999)。
zvegf3ポリペプチドは単独でまたは、VEGFを包含する、他の脈管形成または血管形成剤と組合わせて投与することができる。例えば、塩基性および酸性FGFまたはVEGFは側副血行の発生においてある役割を演ずることが見出され、そしてzvegf3と1またはそれ以上のこれらの因子との組合わせた使用は有利であることがある。また、VEGFは移植された小島細胞の生存に関係づけられた(Gorden他、Transplantation 63:436-443、1997;Pepper、Arteriosclerosis,Throm. and Vascular. Biol. 17:605-619、1997)。
塩基性FGFは血管形成を誘導し、実験動物における潰瘍の治癒を促進することが示された(下記の文献において概観されている:Folkman,Nature Medicine 1:27-31、1995)。VEGFは血管の再内皮化を促進し、再狭窄の動物モデルにおける初期の過形成を減少させる(Asahara他、Circulation 91:2802-2809、1995;Callow他、Growth Factors 10:223-228,1994);zvegf3ポリペプチドの効能をこれらおよび他の既知モデルにおいて試験することができる。追加の薬剤と組合わせてzvegf3を使用するとき、2つの成分を治療する特定の症状に応じて順次にまたは連続的に投与することができる。
zvegf3タンパク質を単独でまたは他の造血因子、例えば、IL-3、G-CSF、GM-CSF、または幹細胞因子と組合わせてを使用して、内皮前駆体幹細胞の拡大および可動化を増強することができる。この方法において拡大することができる細胞は、骨髄から単離された細胞または血液から単離された細胞を包含する。また、zvegf3タンパク質を直接個体に投与して、治療した個体内の内皮幹細胞を産生および分化を増強することができる。患者内で発生させた、または患者に戻した、幹細胞は次いで体内の虚血領域のモジュレーションにおいてある役割を演じ、これにより治療効果を提供することができる。
また、これらの細胞は内皮被覆を欠く領域、例えば、血管移植片、血管ステント、および内皮被覆が損傷または除去された領域(例えば、血管形成領域)の再内皮化の増強において有効である。zvegf3タンパク質は、また、他の成長因子および分化因子、例えば、アンギオポイエチン−1(Davis他、Cell 87:1161-1169、1996)と組合わせて使用して、虚血領域(心臓または末梢虚血)、器官移植片、創傷治癒、および組織移植を包含する、血管新生を必要とする領域における新しい血管形成の発生および安定化を促進する。
神経突起の成長および発生をモジュレートし、神経系の構造を区分するために、zvegf3タンパク質、アゴニストおよびアンタゴニストを使用することができる。zvegf3タンパク質、アゴニストおよびアンタゴニストは、それ自体、脊髄および感覚神経突起のアウトグロースを増加することによって末梢性神経疾患の治療において有効であり、そして卒中、頭部損傷により引き起こされる脳損傷、および脊髄損傷により引き起こされる麻痺後における神経突起のアウトグロースの再生の療法上の治療の一部分として有効である。また、神経変性疾患、例えば、多発性硬化症、アルツハイマー病およびパーキンソン病の治療において適用することができる。また、胃組織の発生および神経支配のパターンの伝達において適用することができる。
薬学的に使用するために、zvegf3タンパク質は局所または非経口、特に静脈内または皮下の投与、慣用法に従うデリバリーのために処方される。一般に、医薬処方物は、zvegf3ポリペプチドを薬学上許容されるビヒクル、例えば、生理食塩水、緩衝液、水中の5%デキストロース、またはその他と組合わせて含むであろう。処方物はさらに1またはそれ以上の賦形剤、保存剤、可溶化剤、緩衝剤、バイアル表面上のタンパク質損失を予防するためのアルブミン、およびその他を包含する。処方方法はこの分野においてよく知られており、そして例えば、下記の文献に開示されている:Remington:The Science and Practice of Pharmacy、Gennaro編、Mack Publishing Company、ペンシルベニア州イーストン、第19版、1995。
zvegf3は通常約10〜100μg/mlの全体積の濃度で使用されるが、1ng/ml〜100μg/mlの範囲の濃度を使用することができる。局所適用のために、例えば、創傷治癒を促進するために、タンパク質は0.1〜10μg/cm2の創傷面積の範囲で適用され、正確な投与量は許容された標準に従い、治療すべき症状の特質および重症度、患者の体質、およびその他を考慮して臨床医により決定される。投与量の決定は当業者のレベルの範囲内である。
治療用処方物は一般に血管新生に必要な期間、典型的には1〜数カ月にわたって、慢性的症状の治療において、1年またはそれ以上の期間にわたって投与されるであろう。投与は治療期間にわたって毎日または間欠的に実施される。静脈内投与は1〜数時間の典型的な期間にわたってボーラス注射または注入によりなされる。また、持続放出性処方物を使用することができる。一般に、zvegf3の治療的に有効な量は、治療された症状の臨床的に有意な変化、例えば、創傷閉鎖に必要な時間の臨床的に有意な減少、血管化の有意な改善、病的状態の有意な減少、または組織学的スコアの有意な増加を産生するために十分な量である。
本発明のタンパク質は、一次細胞および培養した細胞系統の両方を包含する、それぞれの細胞型の増殖、分化、移動、または代謝のモジュレーションにおいて有効である。これに関して肝細胞、造血細胞(幹細胞および成熟骨髄細胞およびリンパ球系細胞を包含する)、内皮細胞、ニューロン細胞、および間葉細胞(線維芽細胞および平滑筋細胞を包含する)は特に重要である。zvegf3ポリペプチドは、これらの細胞型の組織培地に約10pg/ml〜約100ng/mlの濃度で添加される。当業者は認識するように、zvegf3タンパク質は好都合には培地中で他の成長因子と組合わせることができる。
実験室の研究分野において、zvegf3タンパク質は、また、分子量標準として;タンパク質の循環レベルを測定するアッセイにおける試薬として、例えば、zvegf3タンパク質の過剰または過小産生により特徴づけられる障害の診断において:または細胞表現型の分析における標準として使用することができる。
また、zvegf3タンパク質は、それらの活性のインヒビターを同定するために使用することができる。被験化合物を上に開示したアッセイに添加して、zvegf3タンパク質の活性を阻害する化合物を同定する。上に開示したアッセイに加えて、レセプターの結合またはzvegf3依存的細胞の応答の刺激/阻害を測定するように設計された種々のアッセイにおいて、試料をzvegf3活性の阻害について試験することができる。例えば、zvegf3刺激細胞経路に対して応答性であるリポーター遺伝子構築物で、zvegf3応答性細胞系統をトランスフェクトすることができる。
この型のリポーター遺伝子構築物はこの分野において知られており、そして一般にアッセイ可能なタンパク質、例えば、ルシフェラーゼをコードする遺伝子に作用可能に連鎖された、zvegf3活性化血清応答因子(SRE)を含んでなるであろう。リポーター遺伝子の発現のzvegf3刺激の減少により証明されるように、ターゲット細胞に対するzvegf3活性を阻害する能力について、候補の化合物、溶液、混合物または抽出物を試験する。
この型のアッセイは、細胞表面レセプターに対するzvegf3の結合を直接的にブロックする化合物、ならびにリポーター−リガンドの結合に引き続く細胞経路におけるプロセスをブロックする化合物を検出する。別法において、検出可能な標識(例えば、125I、ビオチン、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、FITC、およびその他)で標識化したzvegf3を使用して、レセプターに対するzvegf3の結合を直接的にブロックする能力について、化合物または他の試料を試験することができる。
この型のアッセイにおいて、レセプターに対する標識化zvegf3の結合を阻害する被験試料の能力は阻害活性を示し、これは二次アッセイにより確証することができる。結合アッセイにおいて使用するレセプターは細胞のレセプターまたは単離され、固定化されたレセプターであることができる。 zvegf3タンパク質の活性は、ケイ素をベースとするバイオセンサーのミクロフィジオメーターで測定することができる。このミクロフィジオメーターは、レセプターの結合に関連する細胞外酸性化速度またはプロトン分泌および引き続く生理学的細胞応答を測定する。典型的なこのような装置は、Cytosensor(商標) Microphysiometer(Molecular Devices、カリフォルニア州サニーベイル)である。
種々の細胞の応答、例えば、増殖、イオン輸送、エネルギー産生、炎症応答、調節およびレセプターの活性化、およびその他をこの方法により測定することができる。例えば、下記の文献を参照のこと:McConnel他、Science 257:1906-1912、1992;Pitchford他、Meth. Enzymol. 228:84-108、1997;Arimilli他、J. Immunol. Meth. 212:49-59、1998;およびVan Liefde他、Eur. J. Pharmacol. 346:87-95、1998。ミクロフィジオメーターは、付着性または非付着性真核細胞または原核細胞をアッセイするために使用することができる。細胞培地における細胞外酸性化の経時的変化を測定することによって、ミクロフィジオメーターは、zvegf3タンパク質、それらのアゴニスト、およびアンタゴニストを包含する、種々の刺激に対する細胞の応答を直接測定する。
ミクロフィジオメーターを使用してzvegf3応答性真核細胞の応答を測定し、zvegf3ポリペプチドに対して応答しない対照真核細胞と比較する。zvegf3応答性真核細胞は、zvegf3のレセプターをその中にトランスフェクトしてxに対して応答性の細胞をつくった細胞、ならびにzvegf3に対して自然に応答性の細胞、例えば、血管または神経組織に由来する細胞を含んでなる。zvegf3に対して暴露されない対照に関して、zvegf3ポリペプチドに対して暴露された細胞の応答の変化、例えば、細胞外酸性化の増加または減少、により測定した差は、zvegf3モジュレーテッド細胞応答の直接的測定である。
そのうえ、このようなzvegf3モジュレーテッド応答を種々の刺激下にアッセイすることができる。こうして、本発明は、zvegf3タンパク質のアゴニストおよびアンタゴニストを同定する方法を提供する。この方法は、zvegf3ポリペプチドに対して応答性の細胞を準備し、被検化合物の非存在下に細胞の第1部分を培養し、被検化合物の存在下に細胞の第2部分を培養し、そして細胞の第1部分に比較して、細胞の第2部分の細胞応答の変化、例えば、増加または減少を検出することを含んでなる。
細胞応答の変化は、細胞外酸性化速度の測定可能な変化として示された。zvegf3タンパク質の存在下にかつ被検化合物の非存在下に細胞の第3部分を培養すると、zvegf3応答性細胞の陽性対照、および被検化合物のアゴニスト活性をzvegf3ポリペプチドのそれと比較する対照が得られる。被検化合物の存在および非存在下にzvegf3タンパク質に対して細胞を暴露することによって、zvegf3のアンタゴニストを同定することができ、ここでzvegf3刺激活性における減少は被検化合物のアゴニスト活性を示す。
また、zvegf3刺激経路に対して応答する細胞、組織、または細胞系統を同定するために、zvegf3タンパク質を使用することができる。リガンド応答性細胞、例えば、zvegf3タンパク質に対して応答性の細胞を急速同定するために、前述のミクロフィジオメーターを使用することができる。細胞をzvegf3ポリペプチドの存在または非存在下に培養する。zvegf3の存在下に細胞外酸性化の測定可能な変化を誘発する細胞は、zvegf3に対して応答性である。次いで応答性細胞を使用して、前述したzvegf3ポリペプチドのアゴニストおよびアンタゴニストを同定することができる。
zvegf3活性(zvegf3アンタゴニスト)のインヒビターは、抗zvegf3抗体、可溶性zvegf3レセプター(可溶性PDGFアルファレセプターを包含する;例えば、Herren他、J. Biol. Chem. 268:15088−15095、1993)、抗レセプター抗体、および他のペプチドおよび非ペプチドの因子、例えば、リボザイム、小さい分子のインヒビター、およびzvegf3ポリペプチドの血管形成的または有糸分裂誘発的に不活性であるレセプター結合性フラグメントを包含する。このようなアンタゴニストを使用して、zvegf3の有糸分裂誘発、走化、または血管形成作用をブロックすることができる。
したがって、発生する腫瘍の血管新生を阻害し、腫瘍細胞の増殖を直接的にブロックし、またはPDGFアルファレセプター仲介プロセスの阻害を通してアポトーシスを促進することによって、充実性腫瘍の増殖を減少させるとき、これらのアンタゴニストは有効であることがある。例えば、実験の証拠はzvegf3がグリア芽細胞腫により産生されることを示し、zvegf3活性の阻害がこれらの腫瘍の治療において有効であること示唆する。
zvegf3アンタゴニストの他の使用は、糖尿病性網膜症、乾癬、関節炎、および強皮症の治療;および線維症、例えば、瘢痕形成、ケロイド、肝臓線維症、肺線維症(例えば、珪肺症、アスベスト肺)、腎臓線維症(糖尿病性ネフロパシー)、および糸球体硬化症の減少を包含する。zvegf3のインヒビターは、また、zvegf3活性が病原性である、増殖性血管障害の治療において有効であることがある。このような障害は、血管形成術、動脈血管内膜切除、血管移植、器官移植、または血管ステントの設置後のアテローム性動脈硬化症および内膜過形成再狭窄を包含する。これらの症状は、ある種の因子が臨床的結果に対して有益でありかつ他の因子が病原性であることがある、複雑な成長因子仲介応答を包含する。
また、zvegf3のインヒビターは、糖尿病性網膜症および年齢に関係する黄斑変性を包含する、眼の血管新生の治療において有効であることを証明できる。実験の証拠は、これらの症状が網膜における低酸素症により誘導される血管形成因子の発現から生ずることを示唆する。
また、zvegf3アンタゴニストは炎症性障害、例えば、慢性関節リウマチおよび乾癬の治療において重要である。慢性関節リウマチにおいて、VEGFはパンヌス、すなわち、軟骨を浸潤しかつ破壊する、広範に血管化した組織、の形成において重要な役割を演ずることが研究により示唆される。乾癬病変は血管過多であり、血管形成性ポリペプチドIL−8を過剰発現する。
zvegf3アンタゴニストは、また、増殖期間におけるVEGFおよびbVEGFの過剰発現を示す、小児血管腫の治療において有効であることを証明できる。
インヒビターの正確な化学的および物理的特質および治療すべき症状を考慮して、インヒビターは一般的に前述したように薬学的使用のために処方される。関係する決定は当業者のレベルの範囲内である。VEGFおよびbVEGFを包含する、他の血管形成および脈管形成因子は、病理学的血管新生に関係づけられた。このような場合において、zvegf3インヒビターを1またはそれ以上のこれらの他の因子と組合わせることが好都合であることがある。
本発明のポリペプチド、核酸、および抗体は、癌、障害されたまたは過剰の脈管形成または血管形成、および神経系の疾患を包含する、細胞喪失または異常な細胞増殖の診断または治療において使用することができる。腫瘍または異常な細胞増殖の他の部位を造影するために、標識化zvegf3ポリペプチドを使用することができる。PDGFアルファレセプターに対するzvegf3の結合にかんがみて、zvegf3アンタゴニストはこのレセプターを発現する腫瘍(例えば、グリア芽細胞腫、悪性黒色腫)の治療において有効である。成体動物における血管形成は一般に創傷治癒および雌の生殖周期に限定されるので、それは病理学的プロセスの非常に特異的なインジケーターである。血管形成は、例えば、充実性腫瘍、網膜症、および関節炎の発生を示す。
zvegf3ポリペプチドおよび抗zvegf3抗体は、薬剤、放射性核種およびその他に直接または間接的に複合化することができ、そしてこれらの複合体はin vivoの診断的または治療的応用に使用することができる。例えば、対応する相補的分子(例えば、それぞれ、レセプターまたは抗原)を発現する組織または器官を同定または治療するために、本発明のポリペプチドまたは抗体を使用することができる。さらに詳しくは、zvegf3ポリペプチドまたは抗zvegf3抗体、または生物学的に活性なそのフラグメントまたは部分を検出可能なまたは細胞障害性分子にカップリングさせ、抗相補的分子を発現する細胞、組織、または器官を有する哺乳動物に送出すことができる。例えば、上に開示したセマフォリンにペプチドまたは非ペプチドの成分をターゲッティングするために、zvegf3のCUBドメインを使用することができる。
適当な検出可能な分子をポリペプチドまたは抗体に直接または間接的に結合させることができ、そしてこれらは放射性核種、酵素、基質、コファクター、インヒビター、蛍光マーカー、化学発光マーカー、磁気粒子、およびその他を包含する。適当な細胞障害性分子をポリペプチドまたは抗体に直接または間接的に結合させることができ、そしてこれらは細菌または植物のトキシン(例えば、ジフテリアトキシン、シュードモナス・エキソトキシン(Pseudomonas exotoxin)、リシン、アブリン、サポニン、およびその他)、ならびに治療用ヨウ素−131、ルテニウム−188またはイットリウム−90を包含する。
これらをポリペプチドまたは抗体に直接的に結合させるか、あるいは既知の方法に従い、例えば、キレート化成分を通して、間接的に結合させることができる。また、ポリペプチドまたは抗体を細胞障害性薬剤、例えば、アドリアマイシンに複合化させることができる。検出可能な分子または細胞障害性分子の間接的結合のために、検出可能な分子または細胞障害性分子を補体/抗補体の対の1メンバーと複合化することができ、ここで他方のメンバーはポリペプチドまたは抗体の部分に結合される。これらの目的のために、ビオチン/ストレプトアビジンは典型的な補体/抗補体の対である。
他の態様において、ポリペプチド−トキシン融合タンパク質または抗体/フラグメント−トキシン融合タンパク質は、ターゲッテッド細胞または組織の阻害または壊滅のために、例えば、癌治療において使用することができる。望ましくない細胞の複製および修飾を行う腫瘍または他の組織にサイトトキシンをターゲットするために使用できる、zvegf3ポリペプチドおよびサイトトキシンは、これに関して特に重要である。
他の態様において、in vitro細胞障害性(例えば、腫瘍ターゲットに対するモノクローナル抗体により仲介される)を増強するために、そしてターゲット組織(例えば、血液および骨髄の癌)のin vivo殺しを増強するために、zvegf3−サイトカイン融合タンパク質または抗体/フラグメント−サイトトキシン融合タンパク質を使用することができる。一般に、下記の文献を参照のこと:Hornick他、Blood 89:4437-447、1997)。
一般に、サイトカインは全身的に投与する場合、毒性である。記載する融合タンパク質はサイトカインを所望の作用部位、例えば、zvegf3に対する結合部位にターゲッティングし、これにより増加した局所的濃度のサイトカインを提供することができる。この目的のために適当なサイトカインは、例えば、インターロイキン−2および顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)を包含する。このような融合タンパク質は、腫瘍および望ましくない細胞複製を示す他の組織のサイトカイン誘導殺しを引き起こすために使用することができる。
なお他の態様において、zvegf3ポリペプチドまたは抗zvegf3抗体を放射性核種、特にベータ線放射性またはガンマ線放射性放射性核種と複合化し、再狭窄を減少させるために使用することができる。例えば、必要な放射能線量を送出し、プラシーボリボンを受け取った対照グループよりも血管中の組織成長が減少し、管腔直径が大きくなるまで、イリジウム−192含浸リボンを患者のステント付き血管の中に配置した。さらに、血管再生およびステント血栓症は治療グループにおいて有意に低かった。本明細書において開示するような、放射性核種を含有する生物学的に活性な複合体のターゲッティングにより、同様な結果が予測される。
本明細書に開示する生物学的に活性なポリペプチドまたは抗体を静脈内、動脈内または導管内に送出すことができるか、あるいは意図する作用部位に局所的に導入することができる。
zvegf3ポリペプチド腸溶性コーティングポリヌクレオチドは、zvegf3活性を増加または阻害しようとする、遺伝子療法の応用において有効である。例えば、Isner他、The Lancet(前掲)は、VEGF遺伝子療法が虚血性四肢における血管の成長を促進したことを報告した。zvegf3遺伝子療法の追加の応用は、創傷治癒の刺激、血管移植の再増殖、神経突起の成長の刺激、および癌の増殖および転移の抑制を包含する。
本発明は、また、診断に使用するためのポリヌクレオチド試薬を提供する。例えば、zvegf3遺伝子、zvegf3のDNAまたはRNAを含んでなるプローブ、またはそのサブ配列を使用して、zvegf3遺伝子がヒト患者の染色体4上に存在するかどうか、あるいは突然変異が起こったかどうかを決定することができる。zvegf3遺伝子の遺伝子座における検出可能な染色体異常は下記のものを包含するが、これらに限定されない:異数性、遺伝子コピー数の変化、挿入、欠失、制限部位の変化および再配列。このような異常は、本発明のポリヌクレオチドを使用して、分子遺伝学的技術、例えば、制限フラグメント長さの多形性(RFLP)分析、PCR技術を使用する短い縦列反復(STR)分析、およびこの分野において知られている他の遺伝学的結合分析技術を用いることによって検出することができる(Sambrook他、前掲;Ausubel他、前掲;A. J. Marian、Chest 108:255-265,1995)。
放射線ハイブリッドマッピングは、哺乳動物染色体の高い分解能の、隣接マップを構築するために開発された、体細胞遺伝学的技術である(Cox他、Science 250:245-250、1990)。遺伝子配列の部分的または完全な知識は、染色体放射線ハイブリッドマッピングパネルとともに使用するために適当なPCRプライマーの設計を可能とする。全体のヒトゲノムをカバーする、商業的に入手可能な放射線ハイブリッドマッピングパネル、例えば、Stanford G3 RH PanelおよびGeneBridge 4 RH Panel(Research Genetics,Inc.、アラバマ州ハンツヴィレ)が入手可能である。
これらのパネルは、遺伝子、配列標識化部位(STS)、および問題の領域内の他の非多形性および多形性マーカーの急速な、PCRをベースとする染色体の局在化および排列を可能とする。この技術を使用して、問題の新しく発見された遺伝子と以前にマッピングされたマーカーとの間の直接比例する物理的距離を確立することができる。
遺伝子の位置についての正確な知識は、下記の目的を包含する、多数の目的のために有効である:1)短い配列間の関係を決定し、種々の形態、例えば、YAC、BACまたはcDNAクローンの追加の取り囲む遺伝的配列を得ること;2)同一染色体領域に対する連鎖を示す、遺伝可能な疾患について存在しうる候補の遺伝子を提供すること;および3)特定の遺伝子がどのような機能を有するかの決定を促進することができるモデルの生物、例えば、マウスを相互参照すること。
下記の非限定的実施例により、本発明をさらに例示する。
実施例1.
zvegf3をコードする配列の部分を含んでなるクローンを、発現された配列タグ(EST)の公衆用データベースおよび登録データベースにおいて同定した。登録データベース中のESTに対応する第1クローンを獲得し、配列決定した。それは約800bpのオープンリーディングフレームを有する2350bpのインサートを含有した。ORFの5'末端は欠如されていた。第2クローンは、公衆用データベース中のESTに対応し、次いで配列決定したが、第1クローンから得られた配列を延長しなかった。第3クローンは、登録データベースから得られ、次いで配列決定した。このクローンは第1クローンよりもほぼ156bp多くを含有したが、また、5'末端を欠如していた。
1系列のノザンブロット(Multiple Tissue Northern Blots、Clontech Laboratories,Inc.、カリフォルニア州パロアルト)を使用して、ノザンを実施した。第1登録ESTに対応するクローンをEcoRIおよびBgIIIで消化することによって、同定されたESTに直接基づく、ほぼ400bpのDNAプローブを発生させた。シリカゲル膜を含有するスピンカラム(QIAquick(商標) Gel Extraction Kit;Qiagen,Inc.、カリフォルニア州バレンシア)を使用して、DNAプローブをゲル精製した。商業的に入手可能なランダムプライム標識化キット(Rediprime(商標)II、Amersham Corp.、イリノイ州アーリントンハイツ)を製造業者の推奨に従い使用して、プローブを32Pで放射能標識化した。
プッシュカラム(NucTrap(商標)カラム;Stratagene、カリフォルニア州ラジョラ;米国特許第5,336,412号参照)を使用して、プローブを精製した。商業的に入手可能なハイブリダイゼーション溶液(ExpressHyb(商標) Hybridization Solution;Clontech Laboratories,Inc.、カリフォルニア州パロアルト)をプレハイブリダイゼーションのために、ノザンブロットのハイブリダイゼーション溶液として使用した。ハイブリダイゼーションを65℃において一夜実施し、次いでブロットを4回2×SSCおよび0.1%のSDS中で室温において洗浄し、次いで2回0.1×SSCおよび0.1%のSDS中で50℃において洗浄し、1回0.1×SSCおよび0.1%のSDS中で56℃において洗浄した。
次いでノザンブロットをフィルムに対して−80℃において一夜露出し、−80℃において3日間露出した。すべての組織においてほぼ4.0kbに1つの転写物のサイズが見られた。シグナル強度は甲状腺、脊髄および副腎において最も高かった。シグナル強度は心臓、腎臓、膵臓、前立腺、卵巣、胃、および気管において平均であった。シグナル強度はすべての他の組織において低かった。
マウス多重組織ブロット(Clontech LaboratoriesおよびInvitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)を使用して、ノザンブロット分析を実施した。第1登録ESTに対応するクローンをEcoRIおよびBgIIIで消化することによって、同定されたESTに直接基づく、ほぼ400bpのDNAプローブを発生させた。上に開示したスピンカラムを使用して、DNAプローブをゲル精製した。上に開示した32Pでプローブを放射能標識化した。
NucTrap(商標)プッシュカラムを使用して、プローブを精製した。ハイブリダイゼーション条件は上に開示した通りであった。ブロットを4回2×SSC、0.1%のSDS中で洗浄し、次いで2回0.1×SSC中で50℃において洗浄し、フィルムに対して−80℃において一夜露出し、−80℃において3日間露出した。ほぼ3.0kbの転写物のサイズが7日の胚において見られた。3日の露出は11、15および17日の胚において低い強度のバンドを示した。強度は胚の日齢とともに減少した。ドットブロットは17日の胚において、そして3日の露出で下顎腺においてスポットを示した。精巣において3日後、ほぼ2.0kbの潜在的バンドが見られた。
9つの異なる真核生物種からのEcoRI消化DNAを含有する、前もって作られたサザンブロット(ZOO−BLOT、Clontech Laboratories)を使用して、サザンブロット分析を実施した。対応するクローンをEcoRIおよびBgIIIで消化することによって、第1登録データベースESTに直接基づく、ほぼ400bpのDNAプローブを発生させた。スピンカラムを使用して、DNAプローブをゲル精製した。ランダムプライミングにより32Pでプローブを放射能標識化し、プッシュカラムを使用して精製した。ハイブリダイゼーションおよび洗浄の条件は、マウス多重組織ブロットについて上に開示した通りであった。次いでノザンブロットをフィルムに対して−80℃において一夜露出し、−80℃において3日間露出した。強いバンドがウサギ、マウス、ラット、およびサルにおいて見られた。
実施例2.
ヒト唾液腺ライブラリーをPCRによりzvegf3の全長のクローンについてスクリーニングした。このライブラリーは、ベクターpZP5x中で作られた9.6×105クローンを表す配置されたライブラリーであった。ベクターpZP5xはベクターpZP−9(American Type Culture Collection、10801 University Blvd.、バージニア州マナッサス、に受け入れ番号98668で受託された)と同一であるが、Asp718部位とBamHI部位との間にメタロチオネインプロモーターの代わりにサイトメガロウイルスプロモーターを含有する。
こうしてプラスミドはSV40初期プロモーターの制御下にジヒドロフォレートリダクターゼ遺伝子およびSV40ポリアデニル化部位、およびCMVプロモーターの制御下に問題の遺伝子を挿入するためのクローニング部位およびヒト成長ホルモン(hGH)遺伝子ポリアデニル化部位を含んでなる。36サイクルの60℃のアニーリング温度でオリゴヌクレオチドプライマーZC19,045(配列番号25)およびZC19,047(配列番号26)を使用するPCRにより、各々12,000コロニーの80プールを含有する作業プレートをスクリーニングした。2つの強い陽性のプール58(T−8 F1−F12)および77(T−7 H1−H12)が存在した。次いで多少の条件を使用するPCRにより、転移プレート中の対応するプールをスクリーニングした。
2つの陽性プールが転移レベルで得られた。陽性プールはT−7 H11およびT−8 H10であった。5'RACE反応を転移プレートのプール上で実施し、フラグメントを配列決定してzvegf3配列をチェックし、全長のクローンが存在するかどうかを決定した。PCRのために、オリゴヌクレオチドプライマーZC12,700(配列番号27)およびZC19,045(配列番号25)を61℃のアニーリング温度において5サイクル間、次いで55℃において30サイクル間使用した。配列決定において、プールT−7 H11はフレームシフトを有することを示した。転移プレート8のプールF10配列は正しいように思われたので、このDNAプールをフィルターのリフトにおいて使用した。
転移プレート8からのプールF10をプレートし、ナイロン膜(Hybond−NTM;Amersham Corporation)を使用してフィルターリフトした。5フィルターの各々についてほぼ1200コロニー/プレートを合計ほぼ6000コロニーについてリフトした。フィルターを配向のために熱い針でマークし、次いで0.5M NaOHおよび1.5M Tris-HCl、pH7.2中で6分間変性した。次いでフィルターを1.5M NaClおよび0.5M Tris-HCl、pH7.2中で6分間中和した。紫外線架橋装置(StratalinkerR、Stratagene、カリフォルニア州ラジョラ)を1200ジュールにおいて使用して、DNAをフィルターに固定した。0.25×SSC、0.25%SDS、および1mM EDTAから成る前洗浄緩衝液中で、フィルターを65℃において前洗浄した。
溶液を合計3回45分かけて交換して、細胞破片を除去した。フィルターをほぼ3時間65℃において25mlのExpressHyb(商標)中でプレハイブリダイゼーションした。第1登録データベースクローンをEcoRIおよびBgIIIで消化して産生されたほぼ400bpのフラグメントを使用してプローブを発生させ、上に開示したスピンカラムを使用してゲル精製した。上に開示したランダムプライミングにより32Pでプローブを放射能標識化し、プッシュカラムで精製した。ExpressHyb(商標)溶液をフィルターのハイブリダイゼーション溶液のために使用した。ハイブリダイゼーションを65℃において一夜実施した。
ブロットを65℃の溶液1(2×SSC、0.1%SDS)中で2回リンスし、次いで65℃において溶液1中で4回洗浄した。フィルターをフィルムに対して−80℃において一夜露出した。フィルター上に14の陽性が存在した。85クローンを陽性領域から取り上げ、オリゴヌクレオチドプライマーZC19,045(配列番号25)およびZC19,047(配列番号26)を使用するPCRにより50℃のアニーリング温度においてスクリーニングした。13の陽性が得られ、個々のクローンについてストリーキングした。24コロニーを取り上げ、前述したようにPCRによりチェックした。6つの陽性が得られ、それらのうちの2つを配列決定した。両方の配列は同一であり、全長であった。この配列を配列番号1に示す。
実施例3.
商業的に入手可能なGeneBridge 4 Radiation Hybrid Panel(Research Genetics,Inc.、アラバマ州ハンツヴィレ)を使用して、ヒトzvegf3遺伝子を染色体4に対してマッピングした。GeneBridge 4 Radiation Hybrid Panelは、93放射線ハイブリッドクローンの各々からのPCRエイブルDNA+2つの対照DNA(HFLドナーおよびA23レシピエント)を含有する。公衆に入手可能なWWWサーバー(http://www−genome.wi.mit.edu/cgi-bin/contig/rhmapper.pl)は、ヒトゲノムのWhitehead Institute/MIT Center for Genome Researchの放射線ハイブリッドマップ(「WICGR」放射線ハイブリッドマップ)に関するマッピングを可能とし、この放射線ハイブリッドマップはGeneBridge 4 Radiation Hybrid Panelで構成されていた。
GeneBridge 4 RH Panelでzvegf3をマッピングするために、20μlの反応物をPCRエイブル96ウェルのマイクロタイタープレート(Stratagene、カリフォルニア州ラジョラ)中で構成し、サーマルサイクラー(RoboCyclerR Gradient 96;Stratagene)中で使用した。95のPCR反応物の各々は2μlの10×PCR反応緩衝液(Clontech Laboratories,Inc.、カリフォルニア州パロアルト)、1.6μlのdNTP混合物(2.5mMの各々、Perkin−Elmer、フォスターシティー、カリフォルニア州)、1μlのセンスプライマーZC20,368(配列番号28)、1μlのアンチセンスプライマーZC20,369(配列番号29)、2μlの密度増加因子およびトラッキング色素(RediLoad、Research Genetics,Inc.、アラバマ州ハンツヴィレ)、0.4μlの商業的に入手可能なDNAポリメラーゼ/抗体混合物(50×Advantage(商標) KlenTaq Polymerase Mix、Clontech Laboratories,Inc.から得られた)、25ngの個々のハイブリッドクローンまたは対照からのDNA、および20μlの総体積のためのxμlのddH2Oを含有した。
反応混合物に等モル量の鉱油をオーバーレイし、シールした。PCRサイクラー条件は次の通りであった:94℃における初期4分の変性;94℃における35サイクルの45秒の変性、56℃における45秒のアニーリング、および72℃における75秒のエクステンション;次いで72℃における7分の最後のエクステンション。2%のアガロースゲル(Life Technologies、マリイランド州ガイサースバーグ)上の電気泳動により、反応生成物を分離した。
zvegf3は染色体4 WICGR放射線ハイブリッドマップ上でフレームワークマーカーCHLC.GATA72A08から3.56 cR 3000にマップされることを結果は示した。近接および遠位のフレームワークマーカーは、それぞれ、CHLC.GATA72A08およびWI−3936であった。取り囲むマーカーを使用すると、zvegf3遺伝子は統合されたLDB染色体4地図上の4q28.3領域の中に位置決定される(The Genetic Location Database、University of Southhampton、WWWサーバー:http://cedar:genetics.soton.ac.uk/public_html/)。
同一方法を使用して、マウスzvegf3遺伝子は染色体3にマッピングされ、39.7cMに位置するフレームワークマーカーD3MiT212に連鎖されている。
実施例4.
PCRパネルをマウスzvegf3 DNAについてスクリーニングした。このパネルは脳、骨髄、15日の胚、精巣、唾液腺、胎盤、15日の胚(Clontech Laboratories)、および17日の胚(Clontech Laboratories)ライブラリーからの8つのcDNA試料を含有した。
PCR混合物はオリゴヌクレオチドzc21,222(配列番号38)およびzc21,224(配列番号39)を含有した。66℃のアニーリング温度において合計35サイクルについて2分のエクステンション時間でEx TaqTMDNAポリメラーゼ(PanVera、ウイスコンシン州マディソン)+抗体を使用して反応を実施した。DNA試料はPCRによりzvegf3について陽性であることが見出され、配列決定により確証され、マウス15日の胚ライブラリー全プールcDNA、マウス15日の胚(Clontech Laboratories)および17日の胚(Clontech Laboratoriesから得られた)、マウス唾液腺ライブラリー全プールcDNA、およびマウス精巣ライブラリー全プールcDNA、およびマウス精巣を含んだ。
マウス15日の胚ライブラリー全プールcDNA、マウス15日の胚mcDNA、および17日の胚mcDNA PCR生成物からの約600bpのフラグメントを配列決定した。17日の胚mcDNAおよびマウス15日の胚ライブラリー全プールcDNA PCR生成物からの配列はフラグメントがマウスzvegf3 DNAであることが確証された。
マウス15日の胚ライブラリーを全長のzvegf3 DNAについてスクリーニングした。このライブラリーはpCMV・SPORT 2ベクター(Life Technologies、マリイランド州ガイサースバーグ)中の9.6×105クローンを表す配列されたライブラリーであった。35サイクルについて66℃のアニーリング温度においてオリゴヌクレオチドプライマーzc21,223(配列番号40)およびzc21,224(配列番号39)を使用して、各12,000コロニーの8プールを含有する作業プレートをスクリーニングした。18の陽性が得られた。4プール(A2、A10、B2、およびC4)からのフラグメントを配列決定した;すべてはzvegf3をコードすることが確証された。同一反応条件および作業および源プレートからのプールを使用するスクリーニングの追加のラウンドにおいて、1つの陽性プール(5D)が同定された。
陽性コロニーをハイブリダイゼーションによりスクリーニングした。オリジナル源プレート#5からのプール5Dを約250コロニー/プレートでプレートし、ナイロン膜(Hybond−N(商標)、Amersham Corporation、イリノイ州アーリントンハイツ)に移した。合計約1250コロニーについて、5つのフィルターをリフトした。フィルターを配向のために熱い針でマークし、次いで0.5M NaOHおよび1.5M Tris-HCl、pH7.2中で6分間変性した。次いでフィルターを1.5M NaClおよび0.5M Tris-HCl、pH7.2中で6分間中和した。紫外線架橋装置(StratalinkerR、Stratagene、カリフォルニア州ラジョラ)を1200ジュールにおいて使用して、DNAをフィルターに固定した。
35サイクルについて66℃のアニーリング温度においてオリゴヌクレオチドプライマーzc21,223(配列番号40)およびzc21,224(配列番号39)およびマウス15日の胚鋳型を使用して、プローブを発生させた。シリカゲル膜を含有するスピンカラム(QIAquick(商標) Gel Extraction Kit;Qiagen,Inc.、カリフォルニア州バレンシア)を使用して、DNAプローブをゲル精製した。商業的に入手可能なキット(Rediprime(商標) IIランダムプライム標識化系;Amersham Corp.、イリノイ州アーリントンハイツ)を製造業者の推奨に従い使用して、DNAを32Pで放射能標識化した。
商業的に入手可能なプッシュカラム(NucTrapRカラム;Stratagene、カリフォルニア州ラジョラ;米国特許第5,336,412号参照)を使用して、プローブを精製した。0.25×SSC、0.25%SDSおよび1mM EDTAから成る前洗浄緩衝液中で、フィルターを65℃において前洗浄した。溶液を合計3回45分かけて交換して、細胞破片を除去した。フィルターを一夜65℃において25mlのハイブリダイゼーション溶液(ExpressHyb(商標) Hybridization Solution;Clontech Laboratories,Inc.、カリフォルニア州パロアルト)中でプレハイブリダイゼーションし、次いで同一中で65℃において一夜ハイブリダイゼーションした。
フィルターを2回65℃において前洗浄緩衝液(0.25×SSC、0.25%SDSおよび1mM EDTA)中でリンスし、次いで2回前洗浄緩衝液中で65℃において洗浄した。フィルターをフィルムに対して−80℃において2日間露出した。フィルター上に10の陽性が存在した。3つのクローンを陽性領域から取り上げ、ストリーキングし、プライマーzc21,223(配列番号40)およびzc21,224(配列番号41)を使用するPCRにより66℃のアニーリング温度において、これらの3つの陽性からの15の個々のコロニーをスクリーニングした。2つの陽性を回収し、配列決定した。両方の配列は同一であり、全長のマウスzvegf3(配列番号42)をコードすることが見出された。
アミノ酸配列はマウスおよびヒトzvegf3の間で高度に保存され、全体のアミノ酸配列の同一性は87%であった。分泌ペプチド、CUBドメイン、間のドメイン、および成長因子ドメインは、それぞれ、82%、92%、79%および94%のアミノ酸の同一性を有する。
実施例5.
マウス多重組織ブロット(Origene、マリイランド州ロックビレおよびClontech、カリフォルニア州パロアルト、から入手した)を使用して、ノザンブロッティングを実施した。5'末端についてプライマーzc21,223(配列番号40)および3'末端についてプライマーzc21,224(配列番号39)を使用してPCRにより、ほぼ800bpのDNAプローブを発生させた。35サイクルについて66℃のアニーリング温度においてEx Taq(商標) DNAポリメラーゼ(PanVera)を使用して、反応を実施した。
シリカゲル膜を含有するスピンカラムを使用して反応生成物をゲル精製し、商業的に入手可能な標識化キット(Multiprime(商標) DNA標識化系、Amersham Corp.)を製造業者の使用説明書に従いを使用して32Pで標識化した。プッシュカラムを使用して、標識化プローブを精製した。商業的に入手可能なハイブリダイゼーション溶液(ExpressHyb(商標) Hybridization Solution;Clontech Laboratories,Inc.)をプレハイブリダイゼーションのために、ノザンブロットのハイブリダイゼーション溶液として使用した。ハイブリダイゼーションを65℃において一夜実施し、次いでブロットを4回2×SSCおよび0.05%のSDS中で室温において洗浄し、次いで2回0.1×SSCおよび0.1%のSDS中で50℃において洗浄した。
次いでブロットをフィルムに対して−80℃において2日間および一夜露出した。複数の転写物サイズが観測された。約3.5および約4.0kbの転写物が7、11、15および17日の胚において見られ、最強は7日であり、17日に減少した。約3.0kbの転写物が腎臓、脳、および多分精巣において見られた。約1.0kbの転写物が精巣、筋肉、および脾臓において見られた。ドットブロットはノザンブロットに対応した。
実施例6.
zvegf3遺伝子を発現するトランスジェニック動物をつくるために、成体の生殖能力のある(スタッド(studs))(B6C3f1、2〜8月齢(Taconic Farms、ニューヨーク州ジャーマンタウン))、精管切除した雄(ダッド(duds))(B6D2f1、2〜8月齢(Taconic Farms))、青春期直前の生殖能力のある雌(ドナー)(B6C3f1、4〜5週齢(Taconic Farms))および成体の生殖能力のある雌(レシピエント)(B6D2f1、2〜4月齢(Taconic Farms))を必要とする。
ドナーを1週間順化させ、次いでほぼ8 IU/マウスの妊馬血清コナドトロピン(Sigma、ミゾリー州セントルイス)を腹腔内注射し、46〜47時間後、8 IU/マウスのヒト絨毛膜性性腺刺激ホルモン(hCG)(Sigma))を腹腔内注射して過剰排卵を誘導する。ホルモン注射後、ドナーをスタッドと交配させる。一般にhCG注射の13時間後、排卵が起こる。交配後の朝、膣栓の存在により交尾が確証される。
外科用スコープ(Leica MZ12 Stero Microscope、Leica、ドイツ国ウェッツラー)下に、受精卵を収集する。輸卵管を収集し、ヒアウロニダーゼ(Sigma Chemical Co.)を含有する尿分析スライドの中に卵を解放させる。卵をヒアウロニダーゼ中で1回洗浄し、5%CO2、5%O2、および90%N2と37℃においてインキュベートしたウィッテン(Whitten's)W640培地中で2回洗浄した。マイクロインジェクションまで卵を37℃/5%CO2インキュベーターの中に貯蔵する。
zvegf3 cDNAを発現ベクターpHB12−8の中に挿入する(第2図参照)。ラットインスリンIIイントロン(約200bp)およびポリリンカー(Fse I/Pme I/Asc I)をNru I部位の中に挿入することによって、ベクターpHB12-8をp2999B4から誘導した。ベクターは、10kbのMT-1 5'フランキング配列および7kbのMT-1 3'フランキング配列によりフランクされた、マウスメタロチオネイン(MT−1)プロモーター(約750bp)およびヒト成長ホルモン(hGH)非翻訳領域およびポリアデニル化シグナル(抗体650bp)を含んでなる。cDNAはインスリンIIおよびhGHの間に挿入されている。
10〜20μgのプラスミドDNAを線状化し、ゲル精製し、マイクロインジェクションのために10mM Tris pH7.4、0.25mM EDTA pH8.0の中に5〜10ng/μlの濃度で再懸濁させる。
温かい、CO2平衡化鉱油をオーバーレイした1滴のW640を含有する培地の中に含有された収集した卵の中に、プラスミドDNAをマイクロインジェクトする。DNAを注射針(内径0.5mm、外径1mmのホウケイ酸塩ガラスの毛管から引き出した)の中に抜出し、個々の卵の中に注入する。各卵の一倍体前核の一方または両方の中に注射針を貫通させる。
数ピコリットルのDNAを前核の中に注入し、核小体と接触させないで注射針を抜出す。すべての卵が注入されるまで、この手順を反復する。前もってガス処理したW640培地を含む器官組織培養皿に、首尾よくマイクロインジェクトされた卵を移して、37℃/5%CO2インキュベーター中で一夜貯蔵する。
次の日に、2細胞の胚を擬妊娠レシピエントの中に移す。精管切除したダッドと交尾させた後、交尾栓の存在によりレシピエントを同定する。レシピエントを麻酔し、背左側の毛を剃り、外科用顕微鏡に移す。胸郭、鞍部、および後脚により輪郭され、膝と脾臓との間の中途における、腹領域の中央において、皮膚の中にかつ筋肉壁を通して、小さい切開を作る。生殖器官を小さい外科用布上に出す。脂肪パッドを外科用布の上に引っ張り出し、乳児止血小鉗子(Roboz、マリイランド州ロックビレ)を脂肪パッドに取り付け、マウスの背の上に吊下げたままにし、器官がすべって戻るのを防止する。
鉱油を含有する微細なトランスファーピペット、次いで交互W640および気泡を使用して、前日の注射からの12〜17の健康な2細胞胚をレシピエントの中に移す。膨潤したアンプルを捜し出し、アンプルと嚢との間に輸卵管を保持し、輸卵管の中にニックを嚢に密接させて28gの針で作り、アンプルまたは嚢を引裂さかないように注意する。
ピペットを輸卵管中のニックの中に移し、胚を吹き込み、第1気泡をピペットから逃がす。脂肪パッドを腹腔の中におだやかに押し入れ、生殖器官を滑り込ませる。腹腔壁を1本の縫合糸で閉じ、皮膚を創傷クリップで閉じる。マウスを37℃のスライド加温器上で最小4時間回復させる。
レシピエントをケージに対で戻し、19〜21日の妊娠を可能とさせる。出生後、分娩後19〜21日を経過させた後、離乳させる。離乳子畜を雌雄鑑別し、別々の性別のケージの中に入れ、0.5cmバイオプシー(遺伝子型決定のたに使用する)をきれいなハサミで尾から切り取る。
商業的に入手可能なキット(DNeasy(商標) 96 Tissue Kit;Qiagen、カリフォルニア州バレンシア)を製造業者の取扱説明書に従いを使用して、尾の切り取り物からゲノムDNAを調製する。トランスジェニックベクターのヒト成長ホルモン(hGH)3'UTR部分に対して設計されたプライマーを使用して、PCRにより、ゲノムDNAを分析する。ヒト配列に対してユニークな領域(ヒトおよびマウス成長ホルモン3'UTR DNA配列の整列から同定された)を使用して、PCR反応がマウス配列を増幅しなようにする。プライマーzc17,251(配列番号30)およびzc17,252(配列番号31)はhGHの368塩基対のフラグメントを増幅する。
さらに、ベクター配列に対するハイブリダイゼーションしかつcDNAインサートを増幅する、プライマーzc17,156(配列番号32)およびzc17,157(配列番号33)をhGHプライマーと一緒に使用することができる。これらの実験において、トランスジーンについて陽性の動物からのDNAは2つのバンドを発生する:hGH3'UTRフラグメントに対応する368塩基対のバンドおよびcDNAインサートに対応する可変サイズのバンド。
いったん動物がトランスジェニック(TG)であると確証されると、TG雌を野生型雄と一緒に配置するか、あるいはTG雄を1または2匹の野生型雌と一緒に配置することによって、動物を同系交配系統に戻し交雑する。子供が生まれ、離乳するので、雌雄を分離し、遺伝子型決定のためにそれらの尾を切り取る。
生きている動物におけるトランスジーンの発現をチェックするために、部分的肝切除を実施する。剣状突起の真下の上腹に、外科的準備をする。無菌の技術を使用して、小さい1.5〜2cmの切開を胸骨の下に形成し、肝臓の左横小葉を体外に出す。4−0絹糸を使用して、下の小葉の回りを結束を作って、小葉を体腔の外部に固定する。
非外傷性鉗子を使用して結束を保持すると同時に、吸収性Dexon(American Cyanamid、ニュージャージイ州ワイン)の第2ループを第1結束に近接させて配置する。遠位切断をDexon結束について行い、ほぼ100mgの切除肝組織を無菌のペトリ皿の中に入れる。切除肝切片を14mlのポリプロピレンの丸底管に移し、液体窒素中で短時間凍結し、ドライアイス上で貯蔵する。外科部位を縫合糸および創傷クリップで閉じ、動物のケージを37℃の加熱パッド上に術後24時間配置する。動物を術後毎日チェックし、創傷クリップを外科後7〜10日後に除去する。
ABI Prism 7700(PE Applied Biosystems,Inc.、フォスターシティー、カリフォルニア州)上のRNA溶液のハイブリダイゼーションアッセイまたは実時間PCRを製造業者の取扱説明書に従い使用して、各トランスジーンのmRNA発現レベルを実施する。
肝臓特異的アルブミン遺伝子エンハンサーおよび基底プロモーター(「AEOプロモーター」と表示する)を使用して、アデノウイルスベクターを調製した。pALBdelta2L(Pinkert他、Genes Dev. 1:268-276、1987)からの2.5kbのNotI/EcoRVフラグメントおよびラットインスリンIIイントロン、FseI/PmeI/AscIポリリンカー、およびヒト成長ホルモンポリA配列を含んでなる850bpのNruI/NotI DNAセグメントを商業的に入手可能なファージミドベクター(pBluescript(商標) KS(+);Stratagene、カリフォルニア州ラジョラ)の中に挿入することによって、アルブミンプロモーター構築物(pAEOと表示する)を構築した。マイクロインジェクションのために、プラスミドをNotIで消化して発現カセットを遊離させる。
上皮細胞特異的ケラチン遺伝子(K14)プロモーター(Vssar他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 86:1563−1567、1989)を使用して、追加のアデノウイルスベクターを構築した。プライマーZC20,180(配列番号34)およびZC20,181(配列番号35)を使用してPCRにより、全長のヒトzvegf3をコードする1038bpのオープンリーディングフレームを増幅して、最適化された開始コドンおよびフランキング5'PmeIおよび3'AscI部位を導入した。生ずるPmeI/AscIフラグメントをpKFO114のポリリンカーの中にサブクローニングした。
このポリリンカーは、ヒトケラチン14(K14)プロモーター、ヒトケラチン14(K14)プロモーター(Staggers他、″Seqence of the promoter for the epidermal keratin gene,K14″、GenBank accession #U11076、1994、の配列に基づくヒトゲノムDNA[Clontech Laboratories,Inc.から入手した]から増幅されたほぼ2.3kbのフラグメント)、次いで異種イントロン(pIRES1hyg(Clontech Laboratories,Inc.;HuangおよびGorman,Nucleic Acids Res. 18:937-947、1990、参照、からの294bpのBstXIフラグメント)、PmeI/AscIポリリンカー、およびヒト成長ホルモン遺伝子のポリアデニル化シグナル(627bpのSmaI/EcoRIフラグメント;Seeburg、DNA 1:239-249、1982、参照)を含んでなる基底ケラチノサイト制限トランスジェニックベクターである。
トランスジーンインサートをプラスミドバックボーンからNotI消化により分離し、そしてB6C3F1Tacマウスまたは同系交配FVB/NTacマウスの交配から受精卵を本質的に下記の文献に記載されているように擬妊娠雌の中にマイクロインジェクトし、移植した:Malik他、Mol. Cell. Biol. 15:2349-2358、1995。368bpの診断産物を増幅するためにヒト成長ホルモンポリAシグナル(ZC17,252、配列番号31;およびZC17,251、配列番号30)に対して特異的なプライマーを使用して、ゲノムテイルDNA上でPCRにより、トランスジェニックファウンダー(founders)を同定した。ファウンダーをC57BL/6TacまたはFVB/NTacマウスと交配することによって、トランスジェニック系統を開始した。
本質的に前述したようにMT-1、K14、およびAEOプロモーターを使用して、トランスジェニックマウスを発生させた。4匹のMT-1/zvegf3トランスジェニックマウスを発生させた。1匹の動物(雌)において、亜鉛誘導後にほぼ800個の分子のzvegf3 RNA/細胞が肝臓において産生された。この動物は拡大した肝臓および脾臓を有した。また、肝シヌソイド細胞の増殖および余分の髄質造血が観測された。1匹のK14/zvegf3トランスジェニックマウス(雌)は、小さい体重で低い発現レベル、低いヘマトクリット、および低い血小板計数を示した。低い発現レベルを有する1匹のAEO/zvegf3トランスジェニックマウス(雄)は、肝シヌソイド細胞の増殖を示した。
実施例7.
相同的組換えにより、zvegf3をコードするポリヌクレオチドのすべてまたは一部分を含んでなる発現プラスミドを構築する。zvegf3挿入点をフランクするベクター配列に対応する5'および3'末端にフランキング領域を有する配列番号1のポリヌクレオチド配列を使用して、zvegf3 cDNAのフラグメントをPCRにより単離する。PCRプライマーの各々は、5'→3'の向きでベクターからの40bpのフランキング配列およびzvegf3のオープンリーディングフレームからのアミノおよびカルボキシル末端に対応する17bpを包含する。
0.8%の低融点アガロース(SeaPlaque GTG(商標);FMC BioProducts、メイン州ロックランド)ゲル上で分析のために1×TBE緩衝液を使用して、100μlのPCR反応のうちの10μlを実施する。5μlの1M NaClおよび250μlの無水エタノールの添加により、PCR反応の残りの90μlを沈降させる。SmaIで切断したプラスミドpZMP6をPCRフラグメントとの組換えのために使用する。
pRS316(American Type Culture Collection、10801 University Boulevard、バージニア州20110-2209、マンナス、に受け入れ番号77145で受託された)から取った酵母遺伝的因子、ポリオウイルスからの内部リボソームエントリー部位(IRES)、およびトランスメンブランドメインのC末端においてトランケートされたCD8の細胞外ドメインを使用してpZP9(American Type Culture Collection、10801 University Boulevard、バージニア州20110-2209、マンナス、に受け入れ番号98668で受託された)から、プラスミドpZMP6を構築した。
pZMP6は、サイトメガロウイルス前初期プロモーター、コーディング配列の挿入のための多重制限部位、停止コドン、およびヒト成長ホルモンターミネーターを有する発現カセットを含有する、哺乳動物発現ベクターである。このプラスミドは、また、大腸菌(E. coli)複製起点;SV40プロモーター、エンハンサーおよび複製起点、DHFR遺伝子、およびSV40ターミネーターを含んでなる、哺乳動物選択可能なマーカー発現単位;ならびにサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)における選択および複製に必要なURA3およびCEN−ARS配列を含有する。
100μlの競合酵母(S. cerevisiae)細胞を独立して10μlの前述のものからの種々のDNA混合物と組合わせ、0.2cmのエレクトロポレーションキュベットに移す。0.75kV(5kV/cm)、∽オーム、25μFの電力供給設定を使用して、酵母/DNA混合物をエレクトロパルスする。各キュベットに600μlの1.2Mソルビトールを添加し、酵母を2×300μlのアリコートで2つのURA−Dプレート上にプレートし、30℃においてインキュベートする。約48時間後、単一プレートからのUra+形質転換体を1mlのH2Oの中に再懸濁させ、短時間回転させて酵母細胞を沈降させる。
細胞ペレットを1mlの溶解緩衝液(2%トリトンX−100、1%SDS、100mM NaCl、10mM Tris、pH8.0、1mM EDTA)の中に再懸濁させる。300μlの酸−洗浄ガラスビーズおよび200μlのフェノール−クロロホルムを含有するエッペンドルフ管に、500μlの溶解混合物を添加し、1分の間隔で2または3回渦形成し、エッペンドルフ遠心機中で最大速度で5分間回転する。300μlの水性相を新鮮な管に移し、DNAを600μlのエタノール(EtOH)で沈降させ、次いで4℃において10分間遠心する。DNAペレットを10μlのH2Oの中に再懸濁させる。
0.5〜2mlの酵母DNAプレプおよび40μlの細胞を使用して、エレクトロコンピテント大腸菌(E. coli)宿主細胞(Elecromax DH10BTM細胞;Life Technologies,Inc.、マリイランド州ガイサースバーグ、から入手した)の形質転換を実施する。細胞を1.7kV、25μF、および400オームにおいてエレクトロパルスする。エレクトロポレーション後、1mlのSOC(2%Bacto(商標) Tryptone(Difco、ミシガン州デトロイト)、0.5%酵母エキス(Difco)、10mM NaCl、2.5mM KCl、10mM MgCl2、10mM MgSO4、20mM グルコース)を250μlのアリコートで4枚のAMPプレート(LBブロス(Lennox),1.8%Bacto(商標) Agar(Difco)、100mg/l アンピシリン)上にプレートする。
zvegf3についての正しい発現構築物を収容する個々のクローンを制限消化により同定して、zvegf3インサートの存在を確認し、種々のDNA配列が互いに正しく結合されていることを確証する。陽性クローンのインサートを配列分析に付す。商業的に入手可能なキット(QIAGEN Plasmid Maxi Kit、Qiagen、カリフォルニア州バレンシア)を製造業者の使用説明書に従い使用して、大規模プラスミドDNAを単離する。正しい構築物をpZMP6/zvegf3と表示する(第3図)。
実施例8.
CHO DG44細胞(Chasin他、Somat. Cell. Mol. Genet. 12:555-666、1986)を10cm組織培養皿の中に入れ、Ham's F12/FBS培地(Ham's F12培地、Life Technologies)、5%胎仔ウシ血清(Hyclone、ユタ州ローガン)、1%L−グルタミン(JRH Biosciences,カンサス州レネクサ)、1%ピルビン酸ナトリウム(Life Technologies)中で37℃、5%CO2において一夜ほぼ50%〜70%のコンフルエンシーに成長させる。
次いで無血清(SF)培地処方物(Ham's F12、10mg/mlのトランスフェリン、5mg/mlのインスリン、2mg/mlのフェツイン、1%L−グルタミンおよび1%ピルビン酸ナトリウム)中で、膜濾過した水中のポリカチオン脂質2,3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミンカルボキシアミド)エチル]−N,N−ジメチル−プロパンイミニウム−トリフルオロアセテートおよび中性脂質ジオレイルホスファチジルエタノールアミンの3:1(w/w)リポソーム処方物を使用して、リポソーム仲介トランスフェクションによりプラスミドpZMP6/zvegf3で細胞をトランスフェクトする。プラスミドpZMP6/zvegf3をSF培地で640μlの全最終体積に希釈して15mlの管の中に入れる。
35μlのLipofectamine(商標)を605μlのSF培地と混合する。Lipofectamine(商標)混合物をDNA混合物に添加し、室温においてほぼ30分間インキュベートする。5mlのSF培地をDNA:Lipofectamine(商標)混合物に添加する。細胞を1回5mlのSF培地でリンスし、吸引し、DNA:Lipofectamine(商標)混合物を添加する。細胞を37℃において5時間インキュベートし、次いで6.4mlのHam's F12/10%FBS、1%PSNを各プレートに添加する。プレートを37℃において一夜インキュベートし、次の日にDNA:Lipofectamine(商標)混合物を新鮮な5%FBS/Ham's培地と交換する。
トランスフェクション後第3日に、細胞を成長培地中のT−175フラスコの中に分割する。トランスフェクション後第7日に、細胞をFITC抗CD8モノクローナル抗体(Pharmingen、カリフォルニア州サンディエゴ)で染色し、次いで抗FITC複合化磁気ビーズ(Miltenyl/Biotec)で染色する。商業的に入手可能なカラム(mini−MACSカラム;Miltenyl Biotec)を製造業者の使用説明書に従い使用して、CD8陽性細胞を分離し、ヌクレオシドを含むが、50nMのメトトレキセート(選択培地)を含むDMEM/Ham's F12/5%FBSの中に入れる。
細胞をサブクローニングのために選択培地中において96ウェルの皿中で0.5、1および5細胞/ウェルの密度でプレートし、ほぼ2週間成長させた。ウェルを培地の蒸発についてチェックし、このプロセスの間に必要に応じて200μl/ウェルに戻す。プレート中のコロニーの大きい百分率がコンフルエンシー近くになったとき、ドットブロットによる分析のために、各ウェルから100μlの培地を収集し、細胞に選択培地を供給する。上清をドットブロット装置中のニトロセルロースフィルターに適用し、フィルターを真空炉中で100℃において処理してタンパク質を変性する。
フィルターを625mM Tris−グリシン、pH9.1、5mM β−メルカプトエタノール中で65℃において10分間インキュベートし、次いで2.5%の脱脂粉乳Western A緩衝液(0.25%のゼラチン、50mM Tris-HCl、pH7.4、150mM NaCl、5mM EDTA、0.05%のIgelpal CA-630)中で4℃において回転式震盪培養機上で一夜インキュベートする。フィルターを抗−HRP複合体と2.5%の脱脂粉乳Western A緩衝液中で室温において回転式震盪培養機上で1時間インキュベートする。次いでフィルターを室温においてPBS+0.01%のTween 20中の15分/洗浄で3回洗浄する。
フィルターを化学発光試薬(ECL(商標)直接的標識化キット;Amersham Corp.、イリノイ州アーリントンハイツ)を製造業者の使用説明書に従い使用して展開し、フィルム(Hyperfilm ECL、Amersham)に対してほぼ5分間露出する。陽性クローンを96ウェルの皿からトリプシン処理し、大規模化およびウェスタンブロットによる分析のために選択培地中の6ウェルの皿に移す。
実施例9.
pZMP6/zvegf3でトランスフェクトしたBHK細胞(実施例7)において、全長のzvegf3タンパク質を産生させた。BHK570細胞(ATCC CRL-10314)を10cmの組織培養皿の中にプレートし、37℃、5%CO2においてDMEM/PBS培地(DMEM、Gibco/BRL High Glucose;Life Technologies)、5%胎仔ウシ血清(Hyclone、ユタ州ローガン)、1mM L−グルタミン(JRH Biosciences、カンサス州レネクサ)、1mM ピルビン酸ナトリウム(Life Technologies)中で一夜ほぼ50〜70%のコンフルエンシーに成長させた。
次いで無血清(SF)培地(10mg/mlのトランスフェリン、5mg/mlのインスリン、2mg/mlのフェツイン、1%L−グルタミンおよび1%ピルビン酸ナトリウムを補充したDMEM)中において、細胞をリポソーム仲介トランスフェクション(Lipofectamine(商標);Life Technologies、を使用する)によりpZMP6/zvegf3でトランスフェクトした。プラスミドをSF培地で640μlの全最終体積に希釈して15mlの管の中に入れた。35μlの脂質混合物を605μlのSF培地と混合し、この混合物を室温においてほぼ30分間インキュベートした。5mlのSF培地をDNA:脂質混合物に添加した。
細胞を1回5mlのSF培地でリンスし、吸引し、DNA:脂質混合物を添加した。細胞を37℃において5時間インキュベートし、次いで6.4mlのDMEM/10%FBS、1%PSN培地を各プレートに添加した。プレートを37℃において一夜インキュベートし、次の日にDNA:脂質混合物を新鮮な5%FBS/DMEM培地と交換した。トランスフェクション後3日に、細胞を選択培地(DMEM+5%FBS、1%L−Gln、1%NaPyr、1μMメトトレキセート)中でT−175フラスコの中に分割した。トランスフェクション後10日に、各トランスフェクションからのメトトレキセート耐性コロニーの2つの150mmの培養皿をトリプシン処理し、細胞をプールし、T−162フラスコの中に入れ、大規模培養に移した。
実施例10.
本質的に実施例7に開示されているようにして、zvegf3の成長因子ドメインの哺乳動物細胞発現ベクターを構築した。最適化t−PA分泌シグナル配列をコードする配列(米国特許第5,641,655号)に結合した成長因子ドメイン(配列番号2の残基235〜345)のコーディング配列を、CMVプロモーターから下流の線状化pZMP11ベクターに結合した。プラスミドpZMP11は、CMV前初期プロモーター、マウス免疫グロブリン重鎖遺伝子座の可変領域からのコンセンサスイントロン、コーディング配列の挿入のための多重制限部位、停止コドン、およびヒト成長ホルモンターミネーターを有する発現カセットを含有する、哺乳動物発現ベクターである。
このプラスミドは、また、ポリオウイルスからのIRES因子、トランスメンブランドメインのC末端においてトランケートされたCD8の細胞外ドメイン、SV40プロモーターを有する選択可能なマーカー発現単位、エンハンサーおよび複製起点、DHFR遺伝子、およびSV40ターミネーター、およびサッカロマイセス・セレビシエ(S. cerevisiae)における選択および複製に必要なURA3およびCEN-ARS配列を含有する。生ずるベクター、pZMP11/zv3GF−otPAと表示する、を第4図に示す。
BHK570を本質的に実施例8に開示されているようにpZMP11/zv3GF−otPAでトランスフェクトし、培養した。
実施例11.
アデノウイルスベクターを構築するために、それぞれ5'および3'末端にPmeIおよびAscI部位を添加するプライマーを使用してPCRにより、ヒトzvegf3のタンパク質コーディング配列を増幅した。PCRプライマーZC20,180(配列番号34)およびZC(配列番号35)を次のようにしてPCR反応において全長のzvegf3 cDNA鋳型とともに使用した:1サイクル、95℃で5分間;次いで15サイクル、95℃で1分間、61℃で1分間、および72℃で1.5分間;次いで72℃で7分間;次いで4℃のソーク。PCR反応生成物をTAE緩衝液(0.04M Tris−酢酸塩、0.001M EDTA)中の1.2%の低融点アガロースゲル上に負荷した。
zvegf3 PCR生成物を濾過から切除し、シリカゲル膜スピンカラムを含んでなる(QIAuick(商標) PCR Purifcation Kit;Qiagen,Inc.)を製造業者の使用説明書に従い使用して精製した。次いでPCR生成物をPmeIおよびAscIで消化し、フェノール/クロロホルム抽出し、EtOH沈降させ、そして20mlのTE(Tris/EDTA、pH8)中で再水和した。
次いで1038bpのzvegf3フラグメントをトランスジェニックベクターpTG12−8(また、pHB12−8として知られている;実施例6参照)のPmeI−AscI部位の中に結合し、エレクトロポレーションにより大腸菌(E. coli)DH10B(商標)コンピテント細胞の中に形質転換した。zvegf3を含有するクローンをプラスミドDNAミニプレプにより同定し、次いでPmeIおよびAscIで消化した。陽性クローンを配列決定して、構築物の中に欠失または他の異常が存在しないことを保証した。zvegf3 cDNAの配列が確証された。
商業的に入手可能なキット(Maxi Kit、Qiagen,Inc.)を使用してDNAを調製し、1038bpのzvegf3 cDNAをPmeIおよびAscI酵素によりpTG12-8ベクターから解放させた。cDNAを1%の低融点アガロースゲル上で単離し、ゲルから切除した。ゲルスライスを70℃において溶融し、DNAを等しい体積のTris緩衝化フェノールで2回抽出し、EtOHで沈降させた。DNAを10μlのH2Oの中に再懸濁させた。
zvegf3 cDNAを修飾したpAdTrack-CMV(He、T-C他、Proc. Natl'l. Acad. Sci. USA 95:2509-2514、1998)のEcoRV-AscI部位の中にクローニングした。この構築物は緑色蛍光タンパク質(GFP)マーカー遺伝子を含有する。GFP発現を推進するCMVプロモーターをSV40プロモーターと置換し、そしてSV40ポリアデニル化シグナルをヒト成長ホルモンポリアデニル化シグナルと置換した。さらに、自然ポリリンカーをFseI、EcoRV、およびAscI部位と置換した。pAdTrack-CMVのこの修飾された形態をpZyTrackと命名した。商業的に入手可能なDNA結合およびスクリーニングキット(Fast-Link(商標)キット;Epicentre Technologies、ウイスコンシン州マディソン)を使用して、結合を実施した。
ミニプレプDNAをFseIおよびAscIで消化することによって、zvegf3を含有するクローンを同定した。プラスミドを線状化するために、生ずるpZyTrack zvegf3プラスミドのほぼ5μgをPmeIで消化した。ほぼ1μgの線状化プラスミドを200ngのスーパーコイルドpAdEasy(He他、前掲)とともに大腸菌(E. coli)BJ5183細胞(He他、前掲)の中に共形質転換した。Bio-Rad Gene Pulserを2.5kV、200オームおよび25μFaにおいてussg、共形質転換を実施した。25μg/mlのカナマイシンを含有する4枚のLBプレート上に、全体の形質転換混合物をプレートした。
最小のコロニーを取り上げ、LB/カナマイシン中で拡張させ、標準DNAミニプレプ手順により、組換えアデノウイルスDNAを同定した。FseIおよびAscIで組換えアデノウイルスDNAを消化すると、zvegf3インサートが同定された。組換えアデノウイルスDNAを大腸菌(E. coli)DH10BTMコンピテント細胞の中に形質転換し、Maxi Kit(Qiagen,Inc.)をキットの使用説明書に従い使用してDNAを調製した。
ほぼ5μgの組換えアデノウイルスDNAを、PacI酵素(New England Biolabs)で、20〜30UnoPacIを含有する100μlの反応値で37℃において3時間消化した。消化されたDNAを等しい体積のフェノール/クロロホルムで2回抽出し、エタノールで沈降させた。DNAペレットを10μlの蒸留水の中に再懸濁させた。前日に接種し、60〜70%のコンフルエンシーに成長させた、QBI−293A細胞(Quantum Biotechnolgies,Inc.、Montreal、Qc. Canada)のT25フラスコをPacI消化DNAでトランスフェクトした。PacI消化DNAを無菌HBS(150mM NaCl、20mM HEPES)で50μlの総体積まで希釈した。
別々の管において、20μlの1mg/mlのN−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N,−トリメチル−アンモニウム塩(DOTAP)(Boehringer Mannheim、インジアナ州インジアナポリス))をHBSで100μlの総体積に希釈した。DNAをDOTAPに添加し、ピペットで上下させることによっておだやかに混合し、室温において15分間放置した。培地を293A細胞から除去し、1mMのピルビン酸ナトリウム、0.1mMのMEM非必須アミノ酸、および25mMのHEPES緩衝液(Life Technologies、マリイランド州ガイサースバーグ、から入手した試薬)を含有する5mlの無血清最小必須培地(MEM)アルファで洗浄した。
5mlの無血清MEMを293A細胞に添加し、37℃に保持した。DNA/脂質混合物を293A細胞のT25フラスコに滴下し、おだやかに混合し、37℃において4時間インキュベートした。4時間後、DNA/脂質混合物を含有する培地を吸引除去し、5%の胎仔ウシ血清を含有する5mlの完全MEMと置換した。トランスフェクトされた細胞をGFP発現およびフォーカス(ウイルスプラーク)の形成についてモニターした。
組換えアデノウイルスDNAで293A細胞をトランスフェクション後7日に、細胞をGFPタンパク質を発現し、フォーカス(ウイルスの「プラーク」)を形成し始めた。細胞スクレーパーを使用して粗製ウイルスライゼイトを収集して、293A細胞のすべてを収集した。ライゼイトを50mlの円錐形管に移した。ウイルス粒子の大部分を細胞から解放するために、3回の凍結/融解サイクルをドライアイス/エタノール浴および37℃の水浴中で実施した。
粗製ライゼイトを増幅して(一次(1°)増幅)zvegf3 rAdVライゼイトの作業「ストック」)を得た。ほとんどコンフルエント(80〜90%)293A細胞の10×10cmのプレートを20時間前までに構成し、200μlの粗製rAdVライゼイトを各10cmのプレートに添加し、白色光顕微鏡下にCPEおよび蛍光顕微鏡下にGFPの発現を見ることによって48〜72時間モニターした。293A細胞のすべてがCPE(細胞変性作用)を示したとき、粗製rAdVライゼイトについて記載したように、1°ストックライゼイトを収集し、凍結/融解サイクルを実施した。
zvegf3 rAdVの二次(2°)増幅を次のようにして実施した:細胞が80〜90%のコンフルエントであるようにして、293A細胞の20枚の15cmの組織培養皿を調製した。20mlの5%MEM培地以外はすべて除去し、各皿を300〜500μlの1°増幅rAdVライゼイトを接種した。48時間後、293A細胞をウイルス産生から溶解し、ライゼイトを250mlのポリプロピレン遠心びんの中に収集し、rAdVを精製した。
NP-40洗浄剤を0.5%の最終濃度で粗製ライゼイトのびんに添加して、すべての細胞を溶解した。びんが倒れないようにできるだけ速く撹拌するために、びんを回転プラットフォーム上に10分間配置した。20,000×Gで15分間遠心することによって、破片を沈降させた。上清を250mlのポリカーボネート遠心びんに移し、0.5体積の20%PEG8000/2.5M NaClを添加した。
びん氷上で一夜震盪させた。びんを20,000×Gで15分間遠心し、表面を漂白溶液の中に廃棄した。無菌細胞スクレーパーを使用して、2本のびんからの白色のウイルス/PEG沈降物を2.5mlのPBSの中に再懸濁させた。生ずるウイルス溶液を2mlのマイクロフージ管の中に入れ、マイクロフージ中で14,000×Gで15分間遠心して、追加の細胞破片を除去した。2mlのマイクロフージ管からの上清を15mlのポリプロピレンスナップキャップ管の中に移し、CsClで1.34g/mlの密度に調節した。CsClを溶解し、1mlのこの溶液は1.34gであった。この溶液を3.2mlのポリカーボネートの厚い壁の遠心管に移し、25℃において348,000×Gで3〜4時間回転した。ウイルスは白色バンドを形成した。広い孔のピペット先端を使用して、ウイルスバンドを収集した。
勾配からのウイルスは、細胞上で使用する前に除去しなくてはならなかったCsClを大量に有した。商業的に入手可能なイオン交換カラム(SephadexR G−25を詰めたPD−10カラム;Pharmacia Biotech.、ニュージャージイ州ピスカタウェイ)を使用して、ウイルス調製物を脱塩した。カラムを20mlのPBSと平衡化した。ウイルスを負荷し、コロニーの中に展開させた。5mlのPBSをカラムに添加し、8〜10滴の画分を収集した。各画分の1:50希釈物の光学密度を分光光度計で260nmにおいて測定した。
明瞭な吸収ピークが画分7〜12の間に存在した。これらの画分をプールし、1:25の希釈物の光学密度(OD)を測定した。ODを下記式を使用してウイルス濃度に変換した:(260nmにおけるOD)(25)(1.1×1012)=ヴィリオン/ml.zvegf3 rAdVの1:25希釈のODは0.145であり、4×1012ヴィリオン/mlのウイルス濃度が得られた。
ウイルスを貯蔵するために、グリセロールを精製したウイルスに15%の最終濃度に添加し、おだやかであるが、効果的に混合し、−80℃においてアリコートで貯蔵した。
Quantum Biotechnolgies,Inc.(カナダ国モントリオール)が開発したプロトコルに従い、組換えウイルスの感染性を測定した。簡単に述べると、アッセイすべき各組換えウイルスについて2%の胎仔ウシ血清を含有するMEM中において、2枚の96ウェルの組織培養プレートに1×104の293A細胞/ウェルを播種した。24時間後、2%の胎仔ウシ血清を含有するMEM中において、1×10-2から1×10-14の各ウイルスの10倍希釈物を調製した。100μlの各希釈物を20ウェルの各々の中に入れた。37℃において5日後、ウェルが細胞変性作用(CPE)について陽性または陰性であるかどうかを読み、そして「プラーク形成単位/ml」(PFU)を計算した。
使用したTCID50処方は前述のQuantum Biotechnolgies,Inc.に従った。力価(T)をプレートから測定し、ここでウイルスを10-2から10-14に希釈し、そして感染後5日に読んだ。各希釈において、CPEについて陽性のウェル/ウェルの総数の比(R)を測定した。
未希釈ウイルス試料の力価を計算するために:ファクター、「F」=1+d(S−0.5);ここで「S」は比(R)の合計である;そして「d」は希釈系列のLog10であり、例えば、「d」は10倍の希釈系列について1に等しい。未希釈試料の力価はT=10(1+F)=TCID50/mlである。TCID50/mlをpfu/mlに変換するために、0.7を力価(T)の計算における指数関数から減じられる。
zvegf3アデノウイルスは1.8×1010pfu/mlの力価を有した。
実施例12.
zvegf3アデノウイルスを使用するマウスの処理は、肝臓および脾臓の変化に導いた。肝臓は淡い色であり、非常に拡大されており、小葉の先端における血管は拡大されていた。肝臓はまたシヌソイド細胞増殖を示した。また、変化は肝細胞(栄養過度、変性、および壊死)において見られ、アデノウイルス感染の非特異的作用である可能性が最も高かった。脾臓の変化は、髄質外の造血の増加から成り、これは拡大した脾臓サイズに相関された。
実施例13.
アデノウイルス処置マウスおよびトランスジェニックマウスからのデータは、試験動物における造血および/または血管形成の増加と一致した。したがって、末梢血の検査、組織学的検査、および組織の中へのブロモデオキシウリジン(BrdU)の組込みにより決定して、アデノウイルス的に送出されたzvegf3が造血またはリンパ球系区画における細胞の増殖を刺激するかどうか試験する研究を実施した。
マウス(雄、C57B1、7週齢)を3つのグループに分割した。第0日に、親またはzvegf3アデノウイルスを第1(n=11)および第2(n=12)グループに、それぞれ、尾静脈を介して投与し、各マウスは約0.1mlの体積の約1×1011の粒子を受け取った。各マウスに新しく調製したBrdU溶液の3mgを殺すほぼ24および12時間前に2回腹腔内投与した。第2、4、6、8、および10日に、各処置グループから2匹のマウスおよび1または2匹の未処置マウスを殺し、組織および血液を収集した。試料を完全血液算定(CBC)および血清化学について分析し、そしてマニュアル示差的血液および骨髄子孫細胞分析のためにスライドを調製した。1つの大腿、肺、心臓、胸腺、肝臓、腎臓、脾臓、膵臓、十二指腸、および腸間膜リンパ節を標準的組織学的分析およびBrdU組込みの評価に付した。十二指腸のライニングをBrdU組込みの対照組織として使用した。
さらに、zvegf3アデノウイルス粒子の投与量のほぼ半分を受け取った2匹のマウスおよび親アデノウイルスの全投与量受け取った1匹のマウスを殺し、第19日に前述したように分析した。
各マウスからの肝臓片をアデノウイルスタンパク質のmRNAアッセイのために取って置いて、アデノウイルス調製物の発現の時間経過を検査した。
第6日に開始して、いずれかのアデノウイルスで処置した動物の大部分は、未処置マウスに比較して、可視の拡大した肝臓および脾臓を有した。zvegf3アデノウイルス処置マウスの肝臓は、親ウイルスで処置した動物よりも、淡い色に見える傾向を有した。シヌソイド細胞の増殖が肝臓において観測された。視的検査により、これらの細胞が星状細胞および/または線維芽細胞であることが示唆された。脾臓の色は両方のグループにおいて同一であった。zvegf3アデノウイルスを受け取った動物の大部分は、より淡い大腿骨幹を有し、骨髄は薄い色を有した。
zvegf3処置動物と親ウイルス処置動物との間において、末梢血CBCは血小板数の起こりうる差を示したが、RBCまたはWBCの数において差を示さなかった。未処置および親ウイルス処置グループに比較して、zvegf3グループは第2、4、6、および8日においてにより低い血小板数を有したが、第10日においてそうではなかった。zvegf3グループにおける平均血小板体積(個々の血小板の平均サイズ)は、また、より大きい傾向があり、より大きい、未熟の血小板個体数の相対的増加と一致した。
BrdU標識化は、腎臓、主として髄質、より少ない程度に、皮質における細胞増殖の増加を示した。増殖する細胞は間細胞であるように思われ、これらは線維芽細胞および/または糸球体間質細胞を有することがある。
実施例14.
zvegf3は大動脈リングアウトグロースアッセイにおいてアッセイした(NicosiaおよびOttinetti、Laboratory Investigation 63(1):115、1990;VillaschiおよびNicosia、Am. J. Physiolgy 143(1):181-190、1993)。胸郭大動脈を1〜2月齢のSD雄ラットから分離し、ハンクス緩衝化塩溶液を含有するペトリ皿に移した。大動脈を追加のハンクス緩衝化塩溶液でフラッシュして血液を除去し、大動脈を取り囲む外膜組織を注意して除去した。清浄した大動脈を無血清EBM基底培地(Clontech、カリフォルニア州サンディエゴ)を含有するペトリ皿に移した。メスを使用してほぼ1mmの切片をスライスすることによって、大動脈リングを得た。大動脈を所定位置に保持するために使用した大動脈の端を使用しなかった。
リングを新鮮なEBM基底培地中でリンスし、Matrigel(Becton Dickinson、マサチュセッツ州ベッドフォード)で被覆した24ウェルのプレートのウェルの中に個々に入れた。リングを追加の50μlのMatrigelでオーバーレイし、37℃において30分間配置して基質をゲル化した。100単位/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシンおよびHEPES緩衝液を補充したEBM基底無血清培地中で被験試料を希釈し、1ml/ウェルで添加した。バックグラウンドの対照はEBM基底無血清培地単独であった。塩基性FGF(R & D Systems、ミネソタ州ミネアポリス)を20ng/mlで陽性対照として使用した。
zvegf33pZyTrackアデノウイルス(実施例11)をウェルに添加し、500,000細胞の細胞計数および5000粒子/細胞の感染多重度を仮定した。ヌルZyTrackアデノウイルス(zPar)を対照として使用した。試料を最小四つ組で添加した。リングを37℃において5〜7日間インキュベートし、成長について分析した。多数の、めくらの観測者により、成長なしとして0および最大成長として4を使用して、大動脈アウトグロースにスコアをつけた。zvegf3アデノウイルスは対照に比較してアウトグロースの有意な増加を生成し、他の潜在的成長因子(例えば、bFGF)に匹敵した。追加の実験において、精製したzvegf3成長因子ドメインは、また、ほぼ50ng/mlまで低い濃度においてアウトグロースの有意な増加を引き起こした。
zvegf3応答性細胞をアルファ平滑筋アクチン(SMCの特徴を示す)、フォン・ウィルブランド因子(内皮細胞の特徴を示す)、コラーゲン1型(繊維芽細胞の特徴を示す)、およびビンメチン(すべての3つの細胞型を染色する)について染色された。観測された染色パターンは細胞が繊維芽細胞および平滑筋細胞であることを示し、周細胞を含むことがあった。
実施例15.
30匹のマウス(雄、c57BL6)の各々に2.5×105のルイスラットの肺癌細胞(American Type Culture Collection、バージニア州マンナッサス、から入手した)を皮下注射した。細胞の移植後3日に、マウスを10匹の3グループに分割し、生理食塩水、zvegf3アデノウイルス(1×1011粒子)、または対照アデノウイルス(1×1011粒子)を注射した。第14日に寸法の測定によりそして殺す時(第21日)に全腫瘍重量により、腫瘍の成長をモニターした。肺、肝臓および腫瘍を組織学的方法により検査した。腫瘍サイズは対照アデノウイルスグループに比較して有意に低かった(p<0.007)、生理食塩水処置グループと有意に異ならなかった(p=0.6)。転移の発生率は低く、グループの間で異ならなかった。
実施例16.
zvegf3の骨髄増殖活性を骨髄抑制のマウスモデルにおいて試験した。第0日に、骨髄抑制グループにおけるマウス(雄C57B1)に450cGyの放射線および1.2mgのカルボプラチンを投与する。マウスの第2組は未処置ままである。第0日および第7日の間において、精製したzvegf3、トロンボポイエチン、またはベヒクル対照を皮下投与する。第7、6、10、15、および20日に、マウスを麻酔下に眼窩後の穿刺により採血する。血液試料をCBCについて分析し、そしてマニュアル示差的および未熟細胞の分析のためにスライドを作る。
血球系統の回復が観測されたとき、動物を殺す。顕微鏡分析および骨髄子孫アッセイのために、骨髄を収集する。髄質外造血を測定する組織学的検査のために、脾臓および肝臓を収集する。肺、胸腺、心臓、精巣、および腎臓を組織学的に分析する。
実施例17.
2匹の雌ニュージーランド白ウサギをペプチドhuzvegf3−1(配列番号2の残基80〜104)、huzvegf3−2(配列番号2の残基299〜314)、huzvegf3−3(N末端にcys残基をもつ配列番号2の残基299〜326)、またはhuzvegf3−4(C末端にcys残基をもつ配列番号2の残基195〜225)で免疫化することによって、ポリクローナル抗ペプチド抗体を調製した。Applied Biosystems 431Aペプチド合成装置(Applied Biosystems,Inc.、フォスターシティー、カリフォルニア州)を製造業者の使用説明書に従い使用して、ペプチドを合成した。
次いでペプチドhuzvegf3−1、huzvegf3−3、およびhuzvegf3−4を担体タンパク質マレイミド活性化キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)にシステイン残基(Pierce Chemical Co.、イリノイ州ロックフォード)を通して複合化した。グルタルアルデヒドを使用して、ペプチドhuzvegf3−2を担体タンパク質KLHに複合化した。ウサギの各々に完全フロインドアジュバント(Pierce Chemical Co.)中の200μgの複合体ペプチドを腹腔内(IP)注射し、次いで不完全フロインドアジュバント中の100μgのペプチドを3週毎にブースターIP注射した。第3ブースター注射の投与後7〜10日に、動物から採血し、血清を収集した。次いでウサギにブースター投与し、3週毎に採血した。
10mgのそれぞれのペプチド/gのCNBr−Sepharose(商標)を使用して調製したCNBr−Sepharose(商標) 4Bペプチドカラム(Pharmacia Biotech)を使用して、huzvegf3ペプチド特異的抗体を精製し、次いでPBS中で一夜透析した。抗体ターゲットとして1μg/mlの適当なペプチドを使用して、ELISA力価チェックによりペプチド特異的huzvegf3抗体を特性決定した。huzvegf3−1ペプチド特異的抗体はELISAによりその適当な抗体ターゲットに対して500pg/mlの検出下限(LLD)を有し、ELISAにより全長の組換えタンパク質(NBP−融合物;実施例28参照)を認識する。huzvegf3−2はELISAにより1ng/mlのLLDを有した。huzvegf3−3はELISAにより50ng/mlのLLDを有し、ウェスタンブロット分析により組換えタンパク質を認識した。huzvegf3−4はELISAにより50ng/mlのLLDを有し、ウェスタンブロット分析により組換えタンパク質を認識した。
実施例18.
huzvegf3−1およびhuzvegf3−3ペプチドに対する抗体を使用してウェスタンブロッティングにより、組換えzvegf3を分析した。上に開示したBHK細胞、および慣用法に従いアデノウイルスベクターでトランスフェクトした293およびMVEC(微小血管内皮)において、タンパク質を産生させた。試料を電気泳動させ、室温においてHoeffer Scientific Instruments(カリフォルニア州サンフランシスコ)TE22型ブロッターを撹拌しながら計器マニュアル中の使用説明書に従い使用してニトロセルロース(0.2μm;Bio−Rad Laboratories、カリフォルニア州ハーキュレス)に移した。
25mMのTris塩基、200mMのグリシン、および20%のメタノールを含有する緩衝液中で、500mAにおいて1時間または50mAにおいて12時間転移を実施した。次いでフィルターを緩衝液A(50mM Tris(pH7.4)、5mM EDTA(pH8.0)、0.05%のIgepal CA-630、150mM NaCl、0.25%のゼラチン)中の10%の脱脂粉乳で室温において10分間ブロックした。ニトロセルロースを急速にリンスし、次いで2.5%の脱脂粉乳を含有する緩衝液A中で一次抗体を添加した。ブロットを室温において1時間または4℃においておだやかに震盪または揺動しながら一夜インキュベートした。インキュベーション後、ブロットを緩衝液A中で各10分間3回洗浄した。
2.5%の脱脂粉乳を含有する緩衝液A中で1:4000に希釈した二次抗体(セイヨウワサビペルオキシダーゼに対して複合化したヤギ抗ウサギIgG;Rockland Inc.、ペンシルベニア州ギルバーツヴィレ)を添加し、ブロットを室温においておだやかに震盪または揺動しながら1時間インキュベートした。次いでブロットを緩衝液A中で各回分間3回洗浄し、次いでH2O中の急速にリンスした。商業的に入手可能な化学発光基質試薬(1:1に混合されたSuperSignalR ULTRA試薬1および2;Pierce Chemical Co.から入手した試薬)を使用してブロットを展開し、フィルム(Hyperfilm ECL(商標);Amercham Pharmacia Biotec.、ニュージャージイ州ピスカタウェイ)に1秒〜5分の範囲の時間の間または必要に応じて露出した。
3−1抗体を使用して、BHK細胞において産生された全長のzvegf3は還元性条件下に2つのバンド(Mr≒46kDaおよび30kDa)を示した。より大きいバンドは全長のzvegf3モノマーと一致し、そしてより小さいバンドはCUBドメイン+ドメイン間領域と一致した。還元性条件下に、Mr≒78kDaにおいて主要なバンドが存在し、これはニ量体化した、全長の分子であるように見えた。2つのより小さい、少量のバンドがまた観測された。同様な結果が3−3抗体を使用して得られたが、還元性条件下に、より小さいバンドはMr≒22kDaにおいて展開した。より小さいバンドを引き続いて分析すると、それが成長因子ドメインから単離されたことが示された。
3−3抗体を使用して分析した組換え成長因子ドメイン(BHK細胞において産生された)は、還元性条件下にMr≒18kDaの広いバンドとして展開した。非還元性条件下に、この前処理はMr≒16および28kDaの2つのバンドとして展開し、成長因子ドメインの二量体およびモノマーの両方の形態を示した。
無血清培地中で増殖した293細胞において産生されたzvegf3タンパク質は、予測された全長のタンパク質と一致するサイズを示した。ブロットを抗体3−1または3−3でプロービングしたとき、タンパク質は還元性条件下にMr≒47kDaにおいて展開し、そして非還元性条件下にMr≒78において展開した。この培地に血清を添加すると、BHK産生物質において見られるように、タンパク質は切断された。
1%の血清の存在下に増殖したMVEC細胞は、3−3抗体を使用して、還元性条件下にMr≒23kDaにおいて展開し、そして非還元性条件下にMr≒28において展開するzvegf3タンパク質を産生した。これらの結果が示すように、成長因子ドメインのモノマーおよび二量体の形態を認識する抗体を使用すると、タンパク質は切断される。MVEC細胞を無血清培地に使用すると、全長のタンパク質が観測された。
実施例19.
組換えzvegf3成長因子ドメインは、細胞ファクトリー中で増殖したBHK570細胞において産生された。3×15リットルの培養物を収集し、0.2μのフィルターを使用して培地を濾過した。20×vs5Kカットオフに濃縮し、1.25×に2倍に連続希釈した培地の試料をウェスタンブロット分析することによって、発現レベルを推定した。タンパク質濃度をアミノ酸分析により測定した、MBP-zvegf3融合タンパク質標準(実施例28参照)からの同一ブロット上のシグナルと、シグナル強度を比較した。発現レベルは終始一貫して0.25〜0.35mg/lの培地であった。
カチオン交換クロマトグラフィーと疎水性相互作用クロマトグラフィーとの組合わせにより、コンディショニングした培地からタンパク質を精製した。0.3M NaClを含有する0.1Mの酢酸、pH3.0で60%:40%(培地:酢酸)の比で希釈して、プロセス流れを14mSの導電度、pH4.0において送出した。この流れを強カチオン交換樹脂(Poros(商標) HS;PerSeptive Biosystems、マサチュセッツ州フラミンガム)に直径2cmのカラム中の50mlのベッド体積で20ml/分の流速で送出した。50mlのベッドは45リットルの培地を処理しかつターゲットタンパク質のすべてを捕捉するために十分であった。
0.15M NaClを含有する10mMの酢酸、pH4.0中で10カラム体積でカラムを洗浄した後、10mMの酢酸、pH4.0中の2M NaClに対する線状勾配を形成することによって、結合したタンパク質を溶離した。2mlのTris、pH8.0を含有する管の中に、10mlの画分を捕捉した。カチオン交換クロマトグラフィーからの試料を、SDS−PAGEと銀染色およびウェスタンブロッティングとの組合わせによりzvegf3について分析した。zvegf3成長ドメインは0.2〜0.5M NaClにおいて溶離された。タンパク質含有画分をプールした。直径2cmのカラム中の25mlのベッドのクロマトグラフィー媒質(Toso Haas Etherクロマトグラフィーカラム)を、25mMのリン酸ナトリウム緩衝液中の1.8Mの(NH4)2SO4中でpH7.4において平衡化した。
カチオン交換工程からのプールしたタンパク質を、25mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.0中で1.8Mの(NH4)2SO4に調節した。この流れをカラムの上に10ml/分で流した。いったん負荷が完結したとき、カラムを10カラム体積の平衡化緩衝液で洗浄した後、平衡化緩衝液および40mMのホウ酸、pH8.8の間で形成した10カラム体積の勾配で溶離した。zvegf3成長因子ドメインタンパク質は、1.5〜1.0Mの(NH4)2SO4の勾配においてかなり早く溶離された。この時点において、タンパク質は40〜60%の純度であり、主要な汚染物質はインスリン様成長因子結合性タンパク質4(IGFBP4)であった。
HIC(Ether)クロマトグラフィーからのタンパク質をC4逆相HPLCカラムに適用した。zvegf3成長因子ドメインタンパク質は、36%のアセトニトリルにおいて溶離された。この物質はほぼ20%のIGFBP4をまだ含有した。
実施例20.
カチオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、およびニッケルアフィニティークロマトグラフィーの組合わせにより、組換えzvegf3成長因子ドメインを細胞コンディショニングした培地から精製する。タンパク質を強カチオン交換媒質上に捕捉し、本質的に実施例19に開示したように溶離する。溶離されたタンパク質をエーテル樹脂(Poros(商標) ET;PerSeptive Biosystems)上の疎水性相互作用クロマトグラフィーによりさらに精製する。次いで、0.25M NaClを含有する25mMのリン酸ナトリウム緩衝液中でpH7.0〜8.0において、部分的に精製されたzvegf3タンパク質をニッケルキレート樹脂に結合させた。
結合したタンパク質をpH5.0にまで下降するpH勾配またはイミダゾール勾配で溶離する。ニッケルカラムからの溶出液をpH6.0において1Mの(NH4)2SO4、20mMのMES(モルフィリノエタンスルホン酸)に調節し、1Mの(NH4)2SO4、20mMのMES、pH6.0中で平衡化されたフェニルエーテル疎水性相互作用クロマトグラフィーカラム(PorosR PE、PerSeptive Biosystems)に通過させる。IGFBP4および少量の汚染物質はカラム上に保持される。通過した画分は高度に精製されたzvegf3を含有し、これを収集する。収集したタンパク質を慣用法(例えば、透析、イオン交換クロマトグラフィー)に従い脱塩する。
実施例21.
組換えzvegf3を、ヒト大動脈平滑筋細胞(HAoSMC;Clontech Corp.、マリイランド州ウォークスビレ)およびヒト臍静脈内皮細胞(UHVEC;Clontech Corp.)に対する有糸分裂誘発活性について分析した。HAoSMCおよびUHVECを96ウェルの培養プレートの中に5,000細胞/ウェルの密度でプレートし、10%のウシ胎児血清を含有するDMEM中で37℃においてほぼ24時間成長させた。インスリン(5μg/ml)、トランスフェリン(20μg/ml)、およびセレン(16pg/ml)を含有する無血清DMEM/Ham's F−12(ITS)中で細胞を24時間インキュベートすることによって、細胞を休止させた。アッセイ時に、培地を除去し、試験試料をウェルにトリプリケートで添加した。
試験試料は全長のzvegf3を発現するアデノウイルス感染HaCaTヒトケラチノサイト細胞(Boukamp他、J. Cell. Biol. 106:761-771、1988)からのコンディショニングされた培地(CM)、BHK細胞中で発現された精製成長因子ドメイン、または親アデノウイルス感染細胞(Zpar)からの対照培地のいずれかから成っていた。10K膜フィルターを装備した15mlの遠心フィルター装置を使用して、CMを10倍に濃縮し、次いでITSで3×に希釈し、細胞に添加した。親緑色蛍光タンパク質発現アデノウイルスで感染したHaCaT細胞から、対照CMを発生させ、zvegf3CMと同じように処理した。
0.1%のBSAを含有する緩衝液中の精製タンパク質をITS培地中で1μg/ml〜1ng/mlの濃度に連続希釈し、試験プレートに添加した。0.1%のBSAの対照緩衝液を最高濃度のzvegf3タンパク質と同様に希釈し、プレートに添加した。[3H]チミジンの組込みを測定するために、1μCi/ウェルの最終活性のために、20μlのDMEM中の50μCi/mlのストックを細胞に直接添加した。さらに24時間後、[3H]チミジンの吸収を測定することによって、有糸分裂誘発活性を評価した。
培地を除去し、細胞が分離するまで、細胞を0.1mlのトリプシンとインキュベートした。試料収集装置(FlterMateTM;Packard Instrument Co.、コネチカット州メリデン)を使用して、細胞を96ウェルのフィルタープレート上に収集した。次いでプレートを65℃において15分間乾燥し、40μl/ウェルのシンチレーションカクテル(MicroscintTM O;Packard Instrument Co.)を添加した後、シールし、マイクロプレートシンチレーションカウンター(TopcountTM;Packard Instrument Co.)で計数した。
表8に記載する結果が証明するように、zvegf3 CMはHAoSM細胞に対して対照CMよりもほぼ1.5倍高い有糸分裂誘発活性を有し、そして精製したタンパク質は緩衝液対照よりも最大1.8倍の[3H]チミジンに組込みを引き起こした。
表9に記載する結果が証明するように、zvegf3 CMは対照CMに比較してHUVECに対して有糸分裂誘発活性をもたず、そして精製したタンパク質は緩衝液対照よりも最大1.3倍の[3H]チミジンに組込みを引き起こした。
実施例22.
レセプターの結合および活性化のインデューサーとして、組換えzvegf3タンパク質を細胞内カルシウム放出の刺激についてアッセイした。空洞のあるホウケイ酸塩カバーガラスのスライド中で細胞を培養した。アッセイの日に、2μMのfura−2AM(Molecular Probes Inc.、オレゴン州エウジーン、から入手した)を含有するKRW緩衝液(KrebsRingerWollheim;140mMのNaCl、3.6mMのKCl、0.5mMのNaH2PO4、0.5mMのMgSO4、2mMのNaHCO3、3mMのグルコース、1.5mMのCaCl2、10mMのHEPES、pH7.4)中で細胞を室温において30分間インキュベートし、KRW緩衝液で2回洗浄し、室温において少なくとも15分間放置した後、試験すべき成長因子または細胞コンディショニングした培地(CM)を添加した。
蛍光比イメージング(340nmにおける励起を380nmにおける励起で割った値)により、細胞質ゾルのカルシウムの変化を測定した。油対物レンズ(Nikon 40× Plan Fluor)を装備した倒立蛍光顕微鏡(Nikon TE300)を使用して、ディジタルイメージングを実施した。Princeton CCDディジタルカメラを使用して影像を獲得し、ソフトウェア(Universal Imaging Metaflourソフトウェア)を使用して解析した。データを表10に記載する。
実施例23.
ヒトニューロンおよびグリア細胞系統A172(グリア芽細胞腫)、NTera 2(テラトカルシノーマニューロン前駆体;Stratagene Cloning Systems、カリフォルニア州ラジョラ、から入手した)、U−87 MG(グリア芽細胞腫/星状細胞腫)、U-118 MG(グリア芽細胞腫)、U138 MG(グリア芽細胞腫)、U373 MG(グリア芽細胞腫)からのRNAを使用して、ノザンブロット分析を実施した。記載したものを除外して、細胞系統はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection、バージニア州マンナッサス)から入手した。10μgのRNA/レーンを使用してブロットを調製した。
ヒトzvegf3 cDNAをEcoRIおよびBgIIIで消化することによって、ほぼ400bpのDNAプローブを発生させた。DNAプローブをゲル電気泳動させ、次いでシリカゲル膜を含有するスピンカラム(QIAquick(商標) Gel Extraction Kit;Qiagen,Inc.、カリフォルニア州バレンシア)を使用して抽出を実施した。商業的に入手可能なキット(Rediprime(商標) II ランダムプライム標識化システム;Amersham Corp.、イリノイ州アーリントンハイツ)を製造業者の使用説明書に従い使用して、プローブを32Pで放射能標識化した。プッシュカラムを使用して、プローブを精製した。商業的に入手可能な溶液(ExpressHyb(商標) Hybridization Solution;Clontech Laboratories,Inc.)中で、ハイブリダイゼーションを65℃において一夜実施した。
次いでブロットを2×SSCおよび0.05%SDS中で室温において4×洗浄し、次いで0.1×SSCおよび0.1%SDS中で50℃において2×洗浄した。A172、U-87 MG、U-118 MG、U-138 MG、およびU373 MG試料において、1つの転写物のサイズがほぼ4kbにおいて検出された。シグナル強度は、U373 MG、U-118 MG、およびU-87 MGについて最高であった。
実施例24.
1mCiのNa−125I(Amersham Corp.)を含有する438μlのPBSと、10μgの組換えzvegf3成長因子ドメインタンパク質と組合わせた。1つの誘導化、非多孔質ポリスチレンビーズ(IODO-Beads;Pierce Chemical Co.、イリノイ州ロックフォード)を添加し、反応混合物を氷上で1分間インキュベートした。ヨウ素化タンパク質を非組込み125Iからゲル濾過、緩衝液PBS、0.25%ゼラチンを使用する溶離により分離した。活性画分は4.9μg/mlの125I−zvegf3と組合わせ、比活性は4.3×104cpm/ngであった。
下記の細胞系統を24ウェルの組織培養皿のウェルの中にプレートし、3日間成長培地中で培養した:
1. ラット大動脈リングのプール(ARC)
2. リング大動脈リングのクローン(ARC#14B)
3. ヒト臍静脈内皮細胞、継代培養5(HUVEC)
4. ヒト外膜繊維芽細胞、継代培養4(AOAF)
5. ヒト大動脈平滑筋細胞、継代培養5(AOSMC)
6. ヒト網膜周細胞、継代培養4(周細胞)
細胞を氷冷結合緩衝液(0.1%のBSA、20mMのTris:HCl、pH7.2を含有するRPMI)で1回洗浄し、次いで試験細胞を含有する培養皿の3つのウェルの各々に250μlの下記の溶液を添加した。
10ng/mlの125I−zvegf3を含む5mlの結合緩衝液中で結合溶液を調製し、そして:
1. 添加せず。
2. 1μg/mlのzvegf3。
3. 1μg/mlのVEGF(R & D Systems、ミネソタ州ミネアポリス)。
4. 1μg/mlのPDGF−BB。
5. 5μg/mlのPDGFレセプターα(R & D Systems)。
6. 5μg/mlのPDGFレセプターβ(IgG Fc−レセプター細胞外ドメイン融合物)。
反応混合物を氷上で2時間インキュベートし、次いで1mlの氷冷結合緩衝液で3回洗浄した。細胞のNaOH抽出物をガンマ計数することによって、結合した125I−zvegf3を定量した。
第5図に示す結果は、PDGFレセプターαに対するzvegf3の結合を示す。データを結合した125I−zvegf3/ウェルとしてグラフにする。エラーのバーは標準偏差を示す。
ラット肝臓星細胞、継代培養6(Greenwel他、Laboratory Ivestigation 69:210−216、1993)を添加して、実験を反復した。星細胞は周細胞に匹敵するレベルでzvegf3に結合した。
実施例25.
表面増強レーザー脱着およびイオン化(SELDI)計器(ProteinChipTM、Ciphergen Biosystems、カリフォルニア州パロアルト)を使用して質量分析により、PDGFアルファおよびベータレセプターに対する組換えzvegf3の結合を測定した。この実験のために、8スポットの前もって活性化した表面アレイを使用した。このアミン活性化されたチップに、プロテイン−A(Zymed Laboratories,Inc.、カリフォルニア州サンフランシスコ)を1mg/mlの濃度で添加し、チップを4℃において4時間インキュベートした。
1MのエタノールアミンpH8.0でブロックし、引き続いて洗浄(PBS中の0.1%のトリトンX−100中で1回;100mMの酢酸ナトリウム、pH4.5中で1回;100mMのTris−HCl、pH8.5、0.5MのNaCl中で1回;PBS中で1回)した後、IgG Fc−レセプター細胞外ドメイン融合タンパク質(PDGFアルファレセプター、PDGFベータレセプター、または非標識化対照レセプター)を添加し、チップを4℃において一夜インキュベートした。PBS中で3回洗浄した後、250μlのzvegf3(300ng/ml)、PDGF−AA、またはPDGF−BBを添加し、チップを4℃において一夜インキュベートした。チップを0.05%のトリトンX100、100mMのHEPES、pH7.2で2回、次いで脱イオン水で2回洗浄した。
チップを室温において乾燥させた後、アセトニトリルおよび1%のトリフルオロ酢酸の50:50混合物中の0.3μlのシナピンACD(Ciphergen Biosystems)を2回添加した。レセプターに結合したリガンドは洗浄後チップ上に保持され、引き続いて質量分析により分析した。各リガンドについてのFcのみの対照に対してPDGFレセプターの質量分析を比較することによって、結合についての+または−の帰属を行った。データを表11に示す。
実施例26.
ノザンブロット分析を下記の細胞系統からのポリ(A)RNAを使用して実施した:ヒト血管細胞系統HUVEC(ヒト臍静脈内皮細胞;Cascade Biolgics,Inc.、オレゴン州ポートランド)、HPAEC(ヒト肺動脈内皮細胞;Cascade Biolgics)、HAEC(ヒト大動脈内皮細胞;Cascade Biolgics)、AoSMC(大動脈平滑筋細胞;Clontech Corporation、マリイランド州ウォークスビレ)、UASMC(臍動脈平滑筋細胞;Clontech Corp.)、HISM(ヒト間質性平滑筋;American Type Culture Collection、CRL 7130)、SK5(ヒト皮膚繊維芽細胞;Dr. Russel Ross、University of Washington、から入手した)、NHLF(正常ヒト肺繊維芽細胞;Clontech Corp.)、NHDF-neo(正常ヒト皮膚繊維芽細胞−新生児;Clontech Corp.);および白血病細胞系統Daudi、Raji、Molt−4、K562(すべてはClontech Laboratories,I c.から入手した)、HL60、Jurkat、およびHut 78。
RNAを2μg/レーンで負荷した。全長のzVEGF3クローンをPvuIおよびSfuIで消化することによって、ほぼ490bpのDNAプローブを発生させた。DNAプローブを電気泳動させ、シリカゲル膜を含有するスピンカラム(QIAquick(商標) Gel Extraction Kit;Qiagen,Inc.、カリフォルニア州バレンシア)を使用して精製した。商業的に入手可能なキット(Rediprime(商標) II ランダムプライム標識化システム;Amersham Corp.、イリノイ州アーリントンハイツ)を製造業者の使用説明書に従い使用して、プローブを32Pで放射能標識化した。プッシュカラムを使用して、プローブを精製した。Expresshyb(Clontech、カリフォルニア州パロアルト)をブロットのハイブリダイゼーション溶液のために使用した。
商業的に入手可能な溶液(ExpressHyb(商標) Hybridization Solution;Clontech Laboratories,Inc.、カリフォルニア州パロアルト)中で、ハイブリダイゼーションを65℃において一夜実施した。次いでブロットを2×SSCおよび0.05%SDS中で室温において4回洗浄し、次いで0.1×SSCおよび0.1%SDS中で50℃において2回洗浄した。NHLF、NHDF−neo、SK5、UASMC、HAEC、AoSMC、Jurkat、Hut78において、1つの転写物のサイズがほぼ4kbにおいて検出された。シグナル強度は、UASMC、SK5、NHLF、およびNHDF−neoについて最高であった。
実施例27.
血管内皮再生および内膜過形成に対するzvegf3の作用を、バルーン損傷頸動脈モデルにおいて試験する。デリバリーベクターとして、アデノウイルスを使用する。
アデノウイルスの感染性および血管壁において得られた遺伝子の発現レベルを測定するために、ラットを後に開示するようにバルーン損傷させ、緑色蛍光タンパク質(GFT)についての発現単位を含んでなるアデノウイルスベクターを注入した。各3匹のラットのグループの3つに1.5×1010pfu/ml、3×1010pfu/ml、および6×1010pfu/mlの投与量を注入する。損傷および非損傷頸動脈を感染後48時間に収集し、10%の緩衝化ホルマリン中で24時間固定する。抗GFP抗体を使用して組織を処理し、分析して感染%を決定する。
GFP研究から決定された最適投与量を使用して、14日の研究においてzvegf3の作用を決定する。各14匹の動物のグループの2つをバルーン損傷し、zvegf3アデノウイルスまたは対照アデノウイルスで感染させる。左の総頸動脈を単離し、内部頸動脈、外部頸動脈、および近位に、総頸動脈を結ぶことによって、血管を通る血流を停止させた。動脈切除を外部頸動脈上の結束と分岐との間で行い、血管を乳酸加リンガー溶液でリンスする。2F−塞栓切除カテーテルを挿入し、膨張させ、ねじりながら、取出して、内皮細胞を除去する;このプロセスを3回実施する。
次いで血管を再びリンスし、サイラスティック管のカテーテルを使用して、ほぼ50μlのアデノウイルス溶液を血管の中に挿入する。分岐に対してちょうど遠位にカテーテルを結束して血管の中に入れ、ほぼ20分間所定位置に放置する。次いでカテーテルを取出し、近位の結束をゆるめることによって血管を血液で短時間フラッシュする。分岐に対してちょうど遠位に結束を形成する。内部の頸動脈上の結束および総頸動脈上の近位の結束を除去することによって、血流を回復させる。外部頸動脈上の結束を残留させる。血管壁におけるzvegf3タンパク質の産生を測定するために、各グループからの2匹の動物を第1日および第7日に殺す。
組織を免疫組織化学的分析およびウェスタンブロット分析のためにプロセシングする。免疫組織化学的分析のために、組織をホルマリンの中に24時間保持し、次いで70%のエチルアルコールに移す。ウェスタンブロット分析のために、組織をフラッシュ凍結させ、−80℃において貯蔵する。13日において、動物にBrdUタブレットを皮下投与する。14日(BrdU挿入後24時間)に、エバンスブルー色素を静脈内投与して、非内皮化セグメントを染色し、動物を放血し、殺す。次いで動物を瀉血させ、10%の緩衝化ホルマリンで灌流固定する。両方の頸動脈、肝臓、腎臓および脾臓を収集する。
頸動脈を視的に検査し、分岐から遠位色素(白色/青色)境界までの距離を測定することによって、再内皮化を定量する。すべての組織をホルマリンの中に24時間保持し、次いで70%のエチルアルコールに移す。頸動脈の各々を3つの片に切断し、パラフィンブロックの中に埋め込む。肝臓、腎臓および脾臓を視的に検査し、プロセシングする。頸動脈の断面からスライドを作り、ヘマトキシリンおよびエオシンで染色し、次いでSPOTR診断プログラム(Diagnostic Instruments,Inc.、ミシガン州スターリングハイツ)を使用して測定する。測定は内部弾性薄板の長さおよび中膜、内膜、および管腔の面積を包含する。ICC分析は、感染した細胞の数(抗gfp抗体を使用する)、細胞増殖(BrdU標識化)、および細胞死%を包含する。
第3研究を実施して、バルーン損傷後のzvegf3遺伝子の発現の時間経過を測定する。頸動脈をバルーン損傷動物(5匹の動物/時点)からT=0(非損傷)、T=6時間、1、4、7、および14日に収集する。ノザンブロット分析のために、頸動脈をフラッシュ凍結させ、−80℃において貯蔵する。
実施例28.
N末端においてマルトース結合性タンパク質(MBP)に融合したヒトzvegf3をコードするポリヌクレオチドを含有する発現プラスミドを、相同的組換えにより構築した。
PCRを使用して、ヒトzvegf3のフラグメントを単離した。PCR反応においてヒトzvegf3フラグメントを調製するとき、2つのプライマーを使用した。プライマーZC20,572(配列番号44)は40bpのベクターフランキング配列およびヒトzvegf3のアミノ末端に対応する25bpを含有し、そしてプライマーZC20,573(配列番号45)は40bpのベクターフランキング配列に対応する3'末端およびヒトzvegf3のカルボキシル末端に対応する25bpを含有した。
二重反復試験において実施したPCR反応の条件は次の通りであった:25サイクル、94℃において30秒間、50℃において30秒間、および72℃において1.5分間;次いで4℃のソーキング。100μlの反応混合物の2μlのアリコートを分析のためにTris/ホウ酸塩/EDTA緩衝液を使用して1.0%のアガロースゲル上で展開し、ほぼ1000bpの期待したバンドが見られた。見られた。反応混合物の残りの90μlを第2PCR管と組合わせ、400μlの無水エタノールで沈降させ、SmaI切断レシピエントベクターpTAP98の中に組換えてMBP−zvegf3融合物をコードする構築物を産生するために使用した。
プラスミドpTAP98をプラスミドpRS316(Saccharomyces cerevisiaeのシャトルベクター;HieterおよびSikorski、Genetics 122:19−27、1989参照)およびpMALTM−c2X(New England Biolabs;マサチュセッツ州ベバーリイ)誘導した。後者のベクターはMalE(MBPをコードする遺伝子)を推進するtacプロモーター、次いでHisタグ、トロンビン切断部位、クローニング部位、およびrrnBターミネーターを担持する。酵母相同的組換えを使用して、ベクターpTAP98を構築した。
100ngのEcoRI切断pMAL(商標)−c2Xを1,μgのPvuI切断pRS316、1μgのリンカー、および1μgのSma1/EcoRI切断pRS316と組合わせた。PCR反応において10サイクル、94℃において30秒間、50℃において30秒間、および72℃において30秒間;次いで4℃のソーキングの間、オリゴヌクレオチドZC19,372(配列番号46)(100pmole)、ZC19,351(配列番号47)(1pmole)、ZC19,352(配列番号48)(1pmole)、およびZC19,371(配列番号49)(100pmole)を組合わせることによって、リンカーを構築した。PCR生成物を100%のエタノール沈降により濃縮した。
MBP−zvegf3融合配列を含有するベクターを相同的組換えにより構築した。ほぼ1μgのヒトzvegf3インサートおよび100ngのSmaI消化pTAP98ベクターを含有する混合物の10μlと、コンピテント酵母細胞(S. cerevisiae)の100μlを組合わせ、直径0.2cmのエレクトロポレーションキュベットに移した。酵母/DNA混合物を0.75kV(5kV/cm)、無限オーム、25μFにおいてエレクトロパルスした。各キュベットに、600μlの1.2Mのソルビトールを添加した。次いで酵母を2×300μlのアリコートで2つのURA Dプレート上にプレートし、30℃においてインキュベートした。
約48時間後、単一プレートからのUra+酵母形質転換体を1mlのH2Oの中に再懸濁させ、短時間回転した。細胞ペレットを1mlの溶解緩衝液)2%のトリトンX−100、1%のSDS、100mMのNaCl、10mMのTris、pH8.0、1mMのEDTA)の中に再懸濁させた。300μlの酸洗浄ガラスビーズおよび200μlのフェノール−クロロホルムを含有するエッペンドルフ管に500μlの溶解混合物を添加し、1分の間隔で2または3回渦形成し、次いでマイクロフージ中で最大速度で5分間回転した。300μlの水性相を新鮮な管に移し、DNAを600μlのエタノール(EtOH)で沈降させ、次いで4℃において10分間遠心した。
DNAペレットを100μlのH2Oの中に再懸濁させた。エレクトロコンピテント大腸菌(E. coli)細胞(MC1061;Casadaban他、J. Mol. Biol. 138:179-207)を、40μlの体積において1μlの酵母DNAプレプで形質転換した。細胞を2.0ktup値、25μF、400オームにおいてエレクトロパルスした。エレクトロポレーション後、0.6mlのSOS(2%のBactoTM Trypton(Difco Laboratories、ミシガン州デトロイト)、0.5%の酵母エキス(Difco Laboratories)、10mMのNaCl、2.5mMのKCl、10mMのMgCl2、10mMのMgSO4、20mMのグルコース)をアリコートでLB AMPプレート(LBブロス(Lennox)、1.8%の寒天(Bacto(商標)、Difco Laboratories)、100mg/lのアンピシリン)上にプレートした。
zvegf3のための正しい発現構築物を収容する個々のクローンを発現により同定した。カサアミノ酸および100μg/mlのアンピシリンを補充した最小培地中で細胞を一夜成長させた。50μlの一夜培養物を使用して、2mlの新鮮な培地を接種した。培養物を37℃において成長させ、2時間震盪させた。1mlの培養物を1mMのIPTGで誘導した。
2〜4時間後、5%のα−MEおよび色素を補充した250μlの酸洗浄ガラスビーズおよび250μlのThorner緩衝液(8Mの尿素、100mMのTris pH7.0、10%のグリセロール、2mMのEDTA、5%のSDS)と、250μlの各培養物を混合した。試料を1分間渦形成し、65℃に5〜10分間加熱した。20μl/レーンを4%〜12%のPAGEゲル(NOVEX、カリフォルニア州サンディエゴ)上に負荷した。ゲルを1MES緩衝液中で展開した。陽性クローンをpCZR236と表示し、配列分析に付した。pCZR236中のMBP−zvegf3融合物のポリヌクレオチド配列を配列番号50に示す。
融合タンパク質を発現させるために、1μlのシークエンシングDNAを使用して大腸菌(E. coli)株W3110(American Type Culture Collection、バージニア州マンナッサス、から入手した)を形質転換した。細胞を2.0ktup値、25μFおよび400オームにおいてエレクトロパルスした。エレクトロポレーション後、0.6mlのSOS(2%のBacto(商標) Trypton(Difco Laboratories)、0.5%の酵母エキス(Difco Laboratories)、10mMのNaCl、2.5mMのKCl、10mMのMgCl2、10mMのMgSO4、20mMのグルコース)をアリコートでLB AMPプレート(LBブロス(Lennox)、1.8%のBactoTM寒天(Difco Laboratories)、100mg/lのアンピシリン)上にプレートした。
細胞をプレートから取り上げ、カサアミノ酸を含有する最小培地中で一夜成長させた。50μlのアリコートの一夜培養物を使用して、2mlの新鮮な培地を接種した。培養物を37℃において成長させ、2時間震盪させた。1mlの培養物を1mMのIPTGで誘導し、細胞を本質的に前述したように溶解した。ライゼイトの20μlのアリコートを前述したようにゲル電気泳動により分析した。
実施例29.
組換えzvegf3をラット星細胞(N. Fausto、University Of Washington、から入手した)に対する有糸分裂誘発活性について分析した。星細胞を96ウェルの培養プレートの中に2,000細胞/ウェルの密度でプレートし、10%のウシ胎児血清を含有するDMEM中で37℃においてほぼ72時間インキュベートした。インスリン(5μg/ml)、トランスフェリン(20μg/ml)、およびセレン(16pg/ml)を含有する無血清DMEM/Ham's F−12(ITS)中で細胞を20時間インキュベートすることによって、細胞を休止させた。アッセイ時に、培地を除去し、試験試料をウェルにトリプリケートで添加した。
試験試料は全長のzvegf3を発現するアデノウイルス感染HaCaTヒトケラチノサイト細胞(Boukamp他、J. Cell. Biol. 106:761-771、1988)からのコンディショニングされた培地(CM)、BHK細胞中で発現された精製成長因子ドメイン、または緑色蛍光タンパク質の発現単位を含有する親アデノウイルス感染細胞(Zpar)からの対照培地のいずれかから成っていた。10K膜フィルターを装備した15mlの遠心フィルター装置(UltrafreeR;Millipore Corp.、マサチュセッツ州ベッドフォード)を使用して、CMを10倍に濃縮し、次いでITSで3×に希釈し、細胞に添加した。
0.1%のBSAを含有する緩衝液中の精製タンパク質をITS培地中で1μg/ml〜1ng/mlの濃度に連続希釈し、試験プレートに添加した。0.1%のBSAの対照緩衝液を最高濃度のzvegf3タンパク質と同様に希釈し、プレートに添加した。[3H]チミジンの組込みを測定するために、1μCi/ウェルの最終活性のために、20μlのDMEM中の50μCi/mlのストックを細胞に直接添加した。さらに24時間後、[3H]チミジンの吸収を測定することによって、有糸分裂誘発活性を評価した。
培地を除去し、細胞が分離するまで、細胞を0.1mlのトリプシンとインキュベートした。試料収集装置(FlterMateTM;Packard Instrument Co.、コネチカット州メリデン)を使用して、細胞を96ウェルのフィルタープレート上に収集した。次いでプレートを65℃において15分間乾燥し、40μl/ウェルのシンチレーションカクテル(MicroscintTM O;Packard Instrument Co.)を添加した後、シールし、マイクロプレートシンチレーションカウンター(Topcount(商標);Packard Instrument Co.)で計数した。
表12に記載する結果が証明するように、zvegf3 CMは星細胞に対して対照CMよりもほぼ4.4倍高い有糸分裂誘発活性を有し、そして精製したタンパク質は緩衝液対照よりも最大14倍の[3H]チミジンに組込みを引き起こした。
以上から理解されるように、本発明の特定の態様を例示の目的で記載したが、本発明の精神および範囲から逸脱しないで種々の修飾が可能である。したがって、本発明は、添付された請求の範囲による以外、限定されない。