JP5344983B2 - フィルタ装置 - Google Patents
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Description
図39に示す2周波アンテナ200は、第1帯域BWaと第2帯域BWbにおいて動作可能とされており、第1帯域BWaと第2帯域BWbとは、例えばマイクロ波帯で約600MHz離れた周波数間隔の関係にあるものとする。このように近接した周波数帯域で動作する2周波アンテナ200においては、第1帯域BWaと第2帯域BWbにおける相互間の干渉を軽減するために、2周波アンテナ200と第1端子213と第2端子214との間にフィルタ装置210を挿入する必要がある。フィルタ装置210は、2周波アンテナ200から導出されている第1帯域BWa用のケーブルと、第1帯域BWaの信号が入出力される第1端子213との間に挿入された第1帯域阻止フィルタ211と、2周波アンテナ200から導出されている第2帯域BWb用のケーブルと、第2帯域BWbの信号が入出力される第2端子214との間に挿入された第2帯域阻止フィルタ212とから構成されている。第1帯域阻止フィルタ211は第1帯域BWaの信号を通過させると共に第2帯域BWbの信号を阻止するフィルタとされ、第2帯域阻止フィルタ212は第2帯域BWbの信号を通過させると共に第1帯域BWaの信号を阻止するフィルタとされている。
従来の帯域阻止フィルタ220の構成の一例を図40に示す。図40に示す帯域阻止フィルタ220は、入力端子INと出力端子OUTとを接続する線路とアース間にコンデンサCと同軸線路221との直列回路が接続されて構成されている。同軸線路221は、円筒状の外部導体221aのほぼ中心に内部導体221bが配置された同軸構造とされ、内部導体221bの先端はアースされた外部導体221aにショートされている。コンデンサCと同軸線路221との直列共振回路が共振した際に、そのインピーダンスは0Ωになって、直列共振回路はショート回路となる。ここで、帯域阻止フィルタ220において、同軸線路221の特性インピーダンスが約77Ωとされて、共振周波数とされる阻止周波数が2.5GHzとされたときの減衰帯域特性を図41および図42に示す。図41は、同軸線路221の波長短縮率が75%の場合であり、図42は同軸線路221の波長短縮率が50%の場合である。図41と図42を参照すると、同軸線路221の波長短縮率が小さい場合は減衰帯域幅が狭くなり、同軸線路221の波長短縮率を大きくすると減衰帯域幅が広くなることが分かる。ただし、波長短縮率を小さくすると挿入損失が急激に増加するため、波長短縮率を50%以下にすることは現実的ではない。
また、従来、所定の特性インピーダンスを有する2つの主線路の接続点に並列にオープンスタブを接続するようにした帯域阻止濾波器が知られている。この帯域阻止濾波器においてはオープンスタブの電気長が所望の周波数の1/8波長とされて、所望周波数の二倍の周波数の信号を阻止するようにしている。
そこで、本発明は、スタブを用いても第1帯域の信号を損失することなく通過させることができると共に第2帯域の信号に十分な減衰量を与えて阻止することができるフィルタ装置を提供することを目的としている。
図1はオープンスタブ100の構成を示す図である。オープンスタブ100は、図1に示すように円筒状の外部導体101aのほぼ中央に内部導体101bが配置された同軸線路101から構成されており、同軸線路101の先端は開放されている。同軸線路101の電気長が、ある周波数の波長の約1/4波長とされた際に端子M100からその周波数で見たインピーダンスは0Ωとなって、オープンスタブ100はショート状態となる。すなわち、同軸線路101がショート状態となる周波数を阻止周波数として、帯域阻止フィルタを構成することができる。図1に示すオープンスタブ100において端子M100から見た特性インピーダンスZxoの理論的な周波数特性は、
Zxo=−jZc×cotβL/√εr (1)
で表される。ただし、Zcは同軸線路101の特性インピーダンスであり、λは波長を示し、βは位相定数で2π/λ、Lは波長換算の同軸線路101の電気長、εrは同軸線路101の内部導体101bと外部導体101a間に充填されている絶縁体の比誘電率である。例えば、同軸線路101の電気長Lをλ/4とすると、Zxoは0Ωとなってショートとなる。同様に、3λ/4,5λ/4・・・・でもショートとなることから、変数Nが0を含む自然数と規定すると、同軸線路の電気長Lが、
L=(1+2N)λ/4
とされた場合に全てショートとなる。
図2に示す帯域阻止フィルタ1は、入力端子INと出力端子OUTとを接続する線路にオープンスタブ10が接続されている。オープンスタブ10は先端が開放された同軸線路11からなり、同軸線路11は円筒状の外部導体11aのほぼ中央に内部導体11bが配置されて構成されている。この帯域阻止フィルタ1においては、同軸線路11の電気長が阻止周波数の波長λaの約λa/4とされている。なお、外部導体11aはアースされている。帯域阻止フィルタ1において、同軸線路11の特性インピーダンスZcが約77Ω、阻止周波数が2.5GHz(波長λa)とされた際の減衰量の周波数特性を図3および図4に示す。図3の周波数範囲は2.45GHz〜2.55GHzとされ、図4の周波数範囲は0〜20GHzの広帯域とされている。図3および図4を参照すると、2.5GHzの奇数倍(2.5GHz,7.5GHz,12.5GHz,17.5GHz)において減衰量のピークがあることが分かる。このように、阻止周波数は2.5GHzの奇数倍になっている。
L=(1+N)λ/2
で繰り返すようになり、この時のオープンスタブ10の特性インピーダンスZxoは(1)式から∞Ωとなって、オープンとなる。 同軸線路11によるオープンスタブ10には、このように繰り返し特性があるので、λa/4以外でも共振素子として利用できる。
図5に示す帯域阻止フィルタ1は、入力端子INと出力端子OUTとを接続する線路にオープンスタブ20が接続されている。オープンスタブ20は外部導体21aのほぼ中央に内部導体21bが配置され、先端が開放された同軸線路21から構成されている。この帯域阻止フィルタ2においては、同軸線路21の電気長が阻止周波数の波長λaの約3λa/4とされている。なお、外部導体21aはアースされている。帯域阻止フィルタ2において、同軸線路11の特性インピーダンスZcが約77Ω、阻止周波数が2.5GHz(波長λa)とされた際の減衰量の周波数特性を図6に示す。図6の周波数範囲は2.45GHz〜2.55GHzとされ、図5を参照すると、2.5GHzに減衰量のピークがあって、最大の減衰量となっていることが分かる。そして、図3の減衰量の周波数特性と比較して立ち上がり特性が急峻となっているのが分かる。また、阻止周波数は2.5GHzになっている。
Zxs=−jZc×tanβL/√εr (2)
で表される。ただし、Zcは同軸線路111の特性インピーダンスであり、λは波長を示し、βは位相定数で2π/λ、Lは波長換算の同軸線路111の電気長、εrは同軸線路111の内部導体111bと外部導体111a間に充填されている絶縁体の比誘電率である。例えば、同軸線路111の電気長Lをλ/2とすると、Zxsは0Ωとなってショートとなる。同様に、2λ/2,3λ/2・・・・でもショートとなることから、変数Nが0を含む自然数と規定すると、同軸線路の電気長Lが、
L=(1+N)λ/2
とされた場合に全てショートとなる。
図8に示す帯域阻止フィルタ3は、入力端子INと出力端子OUTとを接続する線路にショートスタブ30が接続されている。ショートスタブ30は、先端において内部導体31bがアースされた外部導体31aに短絡された同軸線路31から構成されている。この帯域阻止フィルタ3においては、同軸線路31の電気長が阻止周波数の波長λaの約λa/2とされている。帯域阻止フィルタ3において、同軸線路31の特性インピーダンスZcが約77Ω、阻止周波数が2.5GHz(波長λa)とされた際の減衰量の周波数特性を図9に示す。図9を参照すると、2.5GHzに減衰量のピークがあって、その際の減衰量が約230dBの最大の減衰量となっていることが分かる。このように、阻止周波数は2.5GHzになっている。
図2に示す帯域阻止フィルタ1におけるλa/4の電気長とされた同軸線路11および図5に示す帯域阻止フィルタ3における3λa/4の電気長とされた同軸線路21の特性インピーダンスを汎用の同軸ケーブルあるいはセミリジットケーブルの規格インピーダンスに合わせ、36Ω、50Ω、75Ω、100Ωの4種類とした場合の、25dB減衰帯域幅の変化を図10ないし図17に示す。ただし、共振周波数は約1.9GHzとされている。図10は、同軸線路11の特性インピーダンスが36Ωの場合であり、25dB減衰帯域幅として約±47.3MHzが得られている。図11は、同軸線路11の特性インピーダンスが50Ωの場合であり、25dB減衰帯域幅として約±34.1MHzが得られている。図12は、同軸線路11の特性インピーダンスが75Ωの場合であり、25dB減衰帯域幅として約±22.7MHzが得られている。図13は、同軸線路11の特性インピーダンスが100Ωの場合であり、25dB減衰帯域幅として約±17.0MHzが得られている。
このように、オープンスタブを構成する同軸線路のインピーダンスが高くなるに従って、減衰帯域幅が狭くなっていくことが分かる。そこで、オープンスタブを利用する帯域阻止フィルタとする場合には、オープンスタブを構成する同軸線路のインピーダンスと電気長とを組み合わせることにより、複数種類の25dB減衰帯域幅を得ることができるようになる。
本発明のフィルタ装置の設計仕様を次に示す。
・第1の帯域(BWa)の周波数:1884.5MHz〜1919.6MHz(中心周波数Fo=1902.05MHz±17.55MHz)
・第2の帯域(BWb)の周波数:2545.0MHz〜2575.0MHz(中心周波数Fo=2560.00MHz±15.00MHz)
・入出力インピーダンス:公称50Ω
・電圧定在波比(VSWR):通過帯域内において、1.20以下
・挿入損失:0.3dB以下
・減衰量: 50dB以上
図18に示す帯域阻止フィルタ4は、入力端子INと出力端子OUTとを接続する線路に分布定数線路44が接続され、入力端子INと分布定数線路44の一端との接続点に第1のオープンスタブ40が接続され、分布定数線路44の他端と出力端子OUTとの接続点に第2のオープンスタブ41が接続されている。第1のオープンスタブ40は先端が開放された同軸線路42からなり、同軸線路42はアースされた外部導体42aのほぼ中央に内部導体42bが配置され、下端において内部導体42bは外部導体42aより下方へ所定長さだけ突出されて構成されている。この同軸線路42の電気長は、第2の帯域(BWb)の下限周波数における周波数の波長をλ1とした際に約3λ1/4とされ、特性インピーダンスはZ40とされている。
第1のオープンスタブ40では、外部導体42aより下方へ突出している内部導体42bを切断して長さmを調節することにより、第1のオープンスタブ40の共振周波数を微調することができる。また、第2のオープンスタブ41においても同様に、突出している内部導体43bを切断して長さmを調節することにより、第2のオープンスタブ41の共振周波数を微調することができる。
第3のオープンスタブ50では、外部導体52aより下方へ突出している内部導体52bを切断して長さmを調節することにより、第3のオープンスタブ50の共振周波数を微調することができる。また、第4のオープンスタブ51においても同様に、突出している内部導体53bを切断して長さmを調節することにより、第4のオープンスタブ51の共振周波数を微調することができる。
なお、第1オープンスタブ40ないし第4オープンスタブ51の電気長を設定している上限周波数あるいは下限周波数が、仕様で規定された上限周波数より若干高く、下限周波数より若干低くされているのは、同軸線路42ないし同軸線路53の温度特性等のドリフト分を考慮したためである。従って、同軸線路42ないし同軸線路53の温度特性等のドリフト分を無視できる場合は、仕様通りの上限周波数および下限周波数とすることができる。
図22に示す帯域阻止フィルタ6は、第1の帯域(BWa)を通過させ、第2の帯域(BWb)を阻止するフィルタとされ、図24に示す帯域阻止フィルタ7は、第2の帯域(BWb)を通過させ、第1の帯域(BWa)を阻止するフィルタとされて、帯域阻止フィルタ6および帯域阻止フィルタ7を組み合わせることにより、本発明の第2実施例のフィルタ装置が構成されている。本発明の第2実施例のフィルタ装置は、図39に示すフィルタ装置210として使用することができる。
図22に示す帯域阻止フィルタ6は、図18に示す帯域阻止フィルタ4においてオープンスタブ41の接続点とアース間にコンデンサC6を接続した構成とされており、コンデンサC6を除く構成は同様とされていることから、その説明は省略する。
ここで、第3のオープンスタブ50を構成する同軸線路52のインピーダンスZ50を約75Ω、波長λ4を約1.875GHzの波長とし、第4のオープンスタブ51を構成する同軸線路53のインピーダンスZ51を約75Ω、波長λ5を約1.929GHzの波長とし、分布定数線路54のインピーダンスZ53を約50Ω、波長λ6を約1.902GHzの波長とし、コンデンサC7の容量を約0.2pFとした際の減衰量およびリターンロスの周波数特性を図25に示す。図25を参照すると、第1の帯域(BWa)における減衰量は54dB以上の減衰量が得られており、第2の帯域(BWb)における減衰量はほぼ0dBとなっている。また、第2の帯域(BWb)におけるリターンロス特性は、図21に示す帯域阻止フィルタ5のリターンロス特性より改善されて20dB以上が得られており、通過帯域におけるVSWRは約1.2以下の良好なVSWRが得られている。
なお、帯域阻止フィルタ6のオープンスタブ40,41および帯域阻止フィルタ7のオープンスタブ50,51においては、突出している内部導体を切断して長さmを調節することにより、そのオープンスタブの共振周波数を微調することができる。また、本発明の第2実施例のフィルタ装置においては、帯域阻止フィルタ6を図39に示すフィルタ装置210の帯域阻止フィルタ211として使用することができると共に、帯域阻止フィルタ7を帯域阻止フィルタ212として使用することができる。さらに、説明は省略したが第1オープンスタブ40ないし第4オープンスタブ51の電気長を設定している上限周波数あるいは下限周波数は、仕様で規定された上限周波数より若干高く、下限周波数より若干低くされているが、仕様通りの上限周波数および下限周波数としても良いことは上記した通りとされている。
図26に示す帯域阻止フィルタ8は、第1の帯域(BWa)を通過させ、第2の帯域(BWb)を阻止するフィルタとされ、図28に示す帯域阻止フィルタ9は、第2の帯域(BWb)を通過させ、第1の帯域(BWa)を阻止するフィルタとされて、帯域阻止フィルタ8および帯域阻止フィルタ9を組み合わせることにより、本発明の第3実施例のフィルタ装置が構成されている。本発明の第3実施例のフィルタ装置は、図39に示すフィルタ装置210として使用することができる。
図26に示す帯域阻止フィルタ8は、図22に示す帯域阻止フィルタ6における分布定数線路44に相当する分布定数線路84を有し、分布定数線路84のインピーダンスZ83を変更しており、分布定数線路84のインピーダンスZ83を変更したことを除く構成は同様とされていることから、その説明は省略する。
ここで、第3のオープンスタブ50を構成する同軸線路52のインピーダンスZ50を約75Ω、波長λ4を約1.875GHzの波長とし、第4のオープンスタブ51を構成する同軸線路53のインピーダンスZ51を約75Ω、波長λ5を約1.929GHzの波長とし、分布定数線路94のインピーダンスZ93を約52.5Ω、波長λ6を約1.902GHzの波長とし、コンデンサC9の容量を約0.2pFとした際の減衰量およびリターンロスの周波数特性を図29に示す。図29を参照すると、第1の帯域(BWa)における減衰量は約54dB以上の減衰量が得られており、第2の帯域(BWb)における減衰量はほぼ0dBとなっている。また、第2の帯域(BWb)におけるリターンロス特性は、図25に示す帯域阻止フィルタ7のリターンロス特性より改善されて25dB以上が得られており、通過帯域におけるVSWRは約1.1以下のより良好なVSWRが得られている。
なお、帯域阻止フィルタ8のオープンスタブ40,41および帯域阻止フィルタ9のオープンスタブ50,51においては、突出している内部導体を切断して長さmを調節することにより、そのオープンスタブの共振周波数を微調することができる。また、本発明の第3実施例のフィルタ装置においては、帯域阻止フィルタ8を図39に示すフィルタ装置210の帯域阻止フィルタ211として使用することができると共に、帯域阻止フィルタ9を帯域阻止フィルタ212として使用することができる。さらに、説明は省略したが第1オープンスタブ40ないし第4オープンスタブ51の電気長を設定している上限周波数あるいは下限周波数は、仕様で規定された上限周波数より若干高く、下限周波数より若干低くされているが、仕様通りの上限周波数および下限周波数としても良いことは上記した通りとされている。
これらの図に示すように、フィルタ装置120は金属製のケース130を備えており、ケース130はほぼ中央に壁部130cが形成されて2分割されることにより、第1帯域阻止フィルタ131が収納される部屋と、第2帯域阻止フィルタ132が収納される部屋との2部屋が形成されている。第1帯域阻止フィルタ131が収納される部屋を塞ぐように上蓋130aがケース130の上面に嵌着されており、第2帯域阻止フィルタ132が収納される部屋を塞ぐように下蓋130bがケース130の下面に嵌着されている。一方の側面からは多周波アンテナに接続される入力側の2本の同軸ケーブルが導出され、一方の同軸ケーブルIN−1は第1の帯域(BWa)用とされ、他方の同軸ケーブルIN−2は第2の帯域(BWb)用とされている。また、ケース130の他方の側面には出力側の2つの同軸端子OUT−1,OUT−2が設けられている。
図33および図34に示す第1帯域阻止フィルタ131は、プリント基板とされた基板131bに組まれており、裏面にはオープンスタブ40,41に相当する阻止帯域に関する周波数の3/4波長の電気長とされる2本のセミリジットケーブル131dが配置され、セミリジットケーブル131dの接続部を除く裏面のほぼ全面にアース導体が設けられている。セミリジットケーブル131dの外部導体は裏面のアース導体にハンダ付けされている。基板131bの表面には入力端子INと出力端子OUTとの間を接続するラインがプリントされていると共に両長辺に沿ってアース導体がプリントされている。2本のセミリジットケーブル131dの内部導体が接続されている間のラインはストリップ線路131cからなる分布定数線路84とされている。また、コンデンサC8に相当するキャパシタンス131bのパターンが、出力端子OUT側のセミリジットケーブル131dの接続点に形成されている。このように、キャパシタンス131bはストリップライン131cの形状を変えることで安価で容易に実現することができる。また、セミリジッドケーブル131dの内部導体は基板131bの表面から突出されて、表面に沿って折曲された調整部131aが形成されている。この調整部131aを切断して長さを調節することにより、そのセミリジットケーブル131dからなるオープンスタブの共振周波数を微調することができる。
このように構成された第1帯域阻止フィルタ131および第2帯域阻止フィルタ132は、ノイズの影響を軽減できるように共に基板131b、132bの裏面が壁部130cに対面するようにケース130内に収納されている。
本発明のフィルタ装置の以上の説明においては、オープンスタブを用いるフィルタ装置と説明したが、ショートスタブを用いるフィルタ装置としても良い。ただし、ショートスタブを用いるフィルタ装置においては、ショートスタブの電気長として所望の周波数の1/2波長あるいはその整数倍が必要とされることから、オープンスタブを用いるフィルタ装置よりは大きくなる。しかし、ショートスタブを用いるフィルタ装置としても簡易なフィルタ構成とすることができる。
Claims (7)
- 多周波アンテナから並列に導出されている2本のケーブルが、それぞれ接続される第1の入力端子および第2の入力端子と、第1の帯域の信号が出力される第1の出力端子および前記第1の帯域より高い第2の帯域の信号が出力される第2の出力端子とを備えるフィルタ装置であって、
前記ケーブルの一方は前記第1の帯域の信号用とされ、前記ケーブルの他方は前記第2の帯域の信号用とされ、前記フィルタ装置は、前記第1の入力端子と前記第1の出力端子を備え、前記第2の帯域の信号を阻止して前記第1の帯域を通過させる第1の帯域阻止フィルタと、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子を備え、前記第1の帯域の信号を阻止して前記第2の帯域を通過させる第2の帯域阻止フィルタからなり、
前記第1の帯域阻止フィルタは、前記第1の入力端子と前記第1の出力端子との間に接続されている、前記第2の帯域における中心周波数の波長をλ 3 とした時に、約λ 3 /4の電気長とされた第1の分布定数線路と、前記第1の入力端子と前記第1の分布定数線路との接続点に接続されている、前記第2の帯域の下限周波数近傍に共振する第1のオープンスタブと、前記第1の出力端子と前記第1の分布定数線路との接続点に接続されている、前記第2の帯域の上限周波数近傍に共振する第2のオープンスタブとを有し、前記第1の帯域を通過させるように前記第1のオープンスタブの電気長が、前記第2の帯域の上限周波数の波長をλ 2 とした時に、約3λ 2 /4とされていると共に、前記第2のオープンスタブの電気長が、前記第2の帯域の下限周波数の波長をλ 1 とした時に、約3λ 1 /4とされており、
前記第2の帯域阻止フィルタは、前記第2の入力端子と前記第2の出力端子との間に接続されている、前記第1の帯域における中心周波数の波長をλ 6 とした時に、約λ 6 /4の電気長とされた第2の分布定数線路と、前記第2の入力端子と前記第2の分布定数線路との接続点に接続されている、前記第1の帯域の下限周波数近傍に共振する第3のオープンスタブと、前記第2の出力端子と前記第2の分布定数線路との接続点に接続されている、前記第1の帯域の上限周波数近傍に共振する第4のオープンスタブとを有し、前記第2の帯域を通過させるように前記第3のオープンスタブの電気長が、前記第1の帯域の上限周波数の波長をλ 5 とした時に、約λ 5 /4とされていると共に、前記第4のオープンスタブの電気長が、前記第1の帯域の下限周波数の波長をλ 4 とした時に、約λ 4 /4とされていることを特徴とするフィルタ装置。 - 前記第1の帯域阻止フィルタにおける前記第1のオープンスタブおよび前記第2のオープンスタブのインピーダンスが、前記第1の帯域のリターンロスを大きくできると共に、前記第2の帯域の信号に十分な減衰量を与えられるように調整されていると共に、前記第2の帯域阻止フィルタにおける前記第3のオープンスタブおよび前記第4のオープンスタブのインピーダンスが、前記第2の帯域のリターンロスを大きくできると共に、前記第1の帯域の信号に十分な減衰量を与えられるように調整されていることを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。
- 前記第1の帯域阻止フィルタにおける前記第2のオープンスタブに並列にコンデンサを接続することにより、前記第1の帯域阻止フィルタの通過特性を低域側へシフトすることができ、前記第2の帯域阻止フィルタにおける前記第4のオープンスタブに並列にコンデンサを接続することにより、前記第2の帯域阻止フィルタの通過特性を低域側へシフトすることができることを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。
- 前記第1の帯域阻止フィルタにおける前記第1の分布定数線路のインピーダンスが、前記第1の帯域のリターンロスを大きくできると共に、前記第2の帯域の信号に十分な減衰量を与えられるように調整されていると共に、前記第2の帯域阻止フィルタにおける前記第2の分布定数線路のインピーダンスが、前記第2の帯域のリターンロスを大きくできると共に、前記第1の帯域の信号に十分な減衰量を与えられるように調整されていることを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。
- 前記第1のオープンスタブないし前記第4のオープンスタブがセミリジットケーブルにより構成されていることを特徴とする請求項1記載のフィルタ装置。
- 一面がほぼアース面とされ、他面に前記第1の分布定数線路とされるストリップラインが形成されている第1の基板の前記一面に前記第1のオープンスタブおよび前記第2のオープンスタブが配置されていると共に、一面がほぼアース面とされ、他面に前記第2の分布定数線路とされるストリップラインが形成されている第2の基板の前記一面に前記第3のオープンスタブおよび前記第4のオープンスタブが配置されていることを特徴とする請求項5記載のフィルタ装置。
- 導電性のケース内に、前記第1の基板の前記一面と、前記第2の基板の前記一面とが、前記ケースのほぼ中央に形成されている壁部に対面するように収納されていることを特徴とする請求項6記載のフィルタ装置。
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