JPH10200306A

JPH10200306A - 分波・合成器

Info

Publication number: JPH10200306A
Application number: JP9001001A
Authority: JP
Inventors: Kuniharu Takahashi; 邦治高橋
Original assignee: NEC Corp
Current assignee: NEC Corp
Priority date: 1997-01-08
Filing date: 1997-01-08
Publication date: 1998-07-31

Abstract

(57)【要約】【課題】取付け面積を小さくし、フィルタの入出力間
結合に起因する高域側減衰量の劣化および送受信間のア
イソレーションの劣化を防止し、コストの低減を図るこ
とが可能な分波・合成器の提供。【解決手段】誘電体基板１は接地層３ａ，３ｃ，３ｅ
と、その間に夫々設けられるストリップライン共振器１
１，１２を有する導体層３ｂ，３ｄと、これらの層間に
夫々挿入される誘電体層６ａ〜６ｄとにより構成され、
入力端１３からの入力信号はスルーホール５を介してス
トリップライン共振器１１と１２に分岐入力され、出力
端１５，１６より夫々出力される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は分波・合成器に関
し、とくにマイクロ波通信装置用の分波・合成器に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】この種の分波・合成器の一例が特開平５
−２６７９０９号公報に開示されている。図５はこの従
来の分波・合成器の分解斜視図、図６は従来の送受信フ
ィルタの外観斜視図である。

【０００３】この分波・合成器は送信波及び受信波を１
本のアンテナで共用させるためのものである。

【０００４】図５を参照して、アンテナと送受信フィル
タ間の伝送線路が多層回路基板１００であり、内部に接
地パターン１２４，１４３，１５６と、ストリップライ
ン１３５，１３６，１５６を誘電体層（不図示）を挟ん
で交互に内挿したものである。

【０００５】そして、この多層回路基板１００の上に、
図６に示す同軸共振器からなる送信フィルタ１６１と受
信フィルタ１６２とを横並びに載置し、多層回路基板１
００内の伝送線路と接続していた。

【０００６】また、送信フィルタ１６１と受信フィルタ
１６２とは上位装置の金属ケース１６３内に収納されて
いた。

【０００７】一方、特開平５−１４０１０号公報および
特開昭６１−１９２０３号公報にストリップラインでフ
ィルタを構成した装置が、特開平８−４６４０５号公報
にフィルタとストリップラインを組み合わせた装置が、
特開昭６３−５９１０３号公報には接地導体とストリッ
プライン線路導体と誘電体基板とを積層させた回路が、
特開平２−６４２０４号公報にストリップラインフィル
タを有するアンテナ共用器が夫々開示されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平５−２
６７９０９号公報に開示された技術には、第１に分波・
合成フィルタ（送信フィルタ１６１と受信フィルタ１６
２）が、平面状に構成されているため、複数対の分波・
合成フィルタを必要とする場合は、取付面積が大きくな
り、第２に分波・合成フィルタが外部接続となっている
ため、フィルタの入出力間結合に起因する高域側減衰量
の劣化および送受信間のアイソレーションの劣化が発生
し、第３に分岐・合成回路への分波・合成フィルタの取
付けや金属ケース付き同軸共振器フィルタが多層基板の
みの構成に比べ高価になるという欠点があった。

【０００９】一方、他の公報記載の技術にもこれらの欠
点を解決する手段は開示されていない。

【００１０】そこで本発明の目的は、取付け面積を小さ
くすること、フィルタの入出力間結合に起因する高域側
減衰量の劣化および送受信間のアイソレーションの劣化
を防止すること、およびコストの低減を図ることが可能
な分波・合成器を提供することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明は、３つ以上の接地導体層と、各々の接地導体
層間に設けられストリップライン共振器を有する導体層
と、前記接地導体層と前記導体層とにより挟持される誘
電体層と、入力信号を前記各々のストリップライン共振
器へ分岐して入力させる分岐手段とからなることを特徴
とする。

【００１２】本発明によれば、ストリップライン共振器
は複数段に配列された導体層の各層に設けられる。した
がって、ストリップライン共振器を複数個設けても横方
向に面積が広がることがない。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て添付図面を参照しながら説明する。まず、本発明の全
体の構成から説明する。図４は本発明に係る分波・合成
器の一例の全体構成図である。この分波・合成器は一例
として、アンテナ共用器として用いる場合を示している
が、アンテナ共用器に限らず広く信号の分波・合成に用
いることができる。また、２波分波・合成器を示してい
る。

【００１４】分波・合成器はアンテナ（ＡＮＴ）１６４
から入力される信号を分岐させるための分岐回路３１
と、２つのバンドパスフィルタＢＰＦ１，ＢＰＦ２とか
らなる。

【００１５】そして、アンテナ１６４から入力された信
号は分岐回路３１で２つの信号に分岐され、一方の信号
は伝送線路Ｌ１を介してバンドパスフィルタＢＰＦ１へ
入力され、所定周波数帯域の信号のみが第１の回路へ入
力される。

【００１６】一方、他方の信号は伝送線路Ｌ２を介して
バンドパスフィルタＢＰＦ２へ入力され、所定周波数帯
域の信号のみが第２の回路へ入力される。

【００１７】これは、分波器の場合である。

【００１８】合成器の場合は、第１の回路から入力され
た信号はバンドパスフィルタＢＰＦ１へ入力され、所定
周波数帯域の信号のみが伝送線路Ｌ１を介してアンテナ
１６４へ入力される。

【００１９】一方、第２の回路から入力された信号はバ
ンドパスフィルタＢＰＦ２へ入力され、所定周波数帯域
の信号のみが伝送線路Ｌ２を介してアンテナ１６４へ入
力される。

【００２０】これにより、２つの信号が合成されてアン
テナ１６４より放射される。

【００２１】また、アンテナ共用器の場合は、アンテナ
１６４で受信された信号は伝送線路Ｌ１を介してバンド
パスフィルタＢＰＦ１へ入力され、所定周波数帯域の信
号のみが第１の回路へ入力される。

【００２２】一方、第２の回路より出力された送信信号
はバンドパスフィルタＢＰＦ２へ入力され、所定周波数
帯域の信号のみが伝送線路Ｌ２及びアンテナ１６４を介
して外部へ送信される。

【００２３】図１は本発明に係る分波・合成器の最良の
実施の形態の断面図である。分波・合成器は誘電体基板
１により構成される。

【００２４】誘電体基板１は３つの接地導体層３ａ，３
ｃ，３ｅと、接地導体層３ａ，３ｃ間に設けられストリ
ップライン共振器１１を有する導体層３ｂと、接地導体
層３ｃ，３ｅ間に設けられストリップライン共振器１２
を有する導体層３ｄと、接地導体層３ａと導体層３ｂと
により挟持される誘電体層６ａと、導体層３ｂと接地導
体層３ｃとにより挟持される誘電体層６ｂと、接地導体
層３ｃと導体層３ｄとにより挟持される誘電体層６ｃ
と、導体層３ｄと接地導体層３ｅとにより挟持される誘
電体層６ｄとからなる。

【００２５】また、破線で示す４ａ，４ｂは接地導体層
３ａ〜３ｅ間を貫通するスルーホールであり、同じく破
線で示す５は導体層３ｂ〜接地導体層３ｅ間を貫通する
スルーホールである。

【００２６】同図は、２つのストリップライン共振器が
内挿された５層２分岐の誘電体多層基板の場合を示す
が、ストリップライン共振器をさらに１つ増やして７層
３分岐、２つ増やして９層４分岐等、ストリップライン
共振器を任意の数に増設することが可能である。

【００２７】図２は、誘電体基板１の分解斜視図であ
る。なお、図１と同様の構成部分については同一番号を
付し、その説明を省略する。

【００２８】接地導体層３ａの周囲及び中心部には複数
個のスルーホール１４が設けられている。

【００２９】導体層３ｂの周囲には接地導体層４１が設
けられ、中央部にはストリップラインフィルタ（ストリ
ップライン共振器）１１が設けられている。

【００３０】そして、接地導体層４１には各層を貫通す
るスルーホール１４が設けられている。

【００３１】ストリップラインフィルタ１１は、ストリ
ップラインが、一方がオープン（開放）、他方がショー
ト（短絡）のライン片１１ａ〜１１ｅからなる４分の１
波長共振器であり、後述するストリップラインフィルタ
１２と互いに逆方向に結合させた、いわゆるインターデ
ィジタルフィルタ（ｉｎｔｅｒｄｉｇｉｔａｌｆｉｌ
ｔｅｒ）である。このストリップラインフィルタ１１
は、前述のバンドパスフィルタＢＰＦ１である。

【００３２】また、ライン片１１ｅの中間より直角に左
方に伝送ライン１１ｆが延出し、その先端は更に直角に
屈曲し伝送ライン１１ｆ全体としてＬ字状をなす。この
伝送ライン１１ｆは前述の伝送線路Ｌ１である。

【００３３】そのＬ字状伝送ライン１１ｆの先端には入
力端１３が設けられ、この入力端１はスルーホール５に
より接地導体層３ｅまで貫通している。この入力端１３
は信号の入力端子である。

【００３４】また、ライン片１１ａの中間より直角に右
方に出力端１５が延出している。

【００３５】すなわち、入力端１３より入力された信号
は、伝送ライン１１ｆおよびストリップラインフィルタ
１１を介して出力端１５より外部へ出力される。

【００３６】接地導体層３ｃの周囲及び中心部には接地
導体層３ａと同様に複数個のスルーホール１４が設けら
れている。ただし、入力端１３を形成するスルーホール
５は接地導体層３ｃと電気的に絶縁されるよう絶縁部４
２が設けられている。

【００３７】導体層３ｄの構成は導体層３ｂと同様であ
る。すなわち、ストリップラインフィルタ１１に相当す
るのがストリップラインフィルタ１２、ライン片１１ａ
〜１１ｅに相当するのがライン片１２ａ〜１２ｅ、伝送
ライン１１ｆに相当するのが伝送ライン１２ｆ、出力端
１５に相当するのが出力端１６である。また、１３は入
力端である。

【００３８】ただし、ストリップラインフィルタ１１と
互いに逆方向に結合されていることのみがストリップラ
インフィルタ１１と異なる。

【００３９】接地導体層３ｅは接地導体層３ｃと同一構
成につき同一番号を付して説明を省略する。

【００４０】そして、各層間には誘電体層６ａ〜６ｄが
挿入される。

【００４１】次に、動作について説明する。入力端１３
に信号が入力されると、その信号はスルーホール５、伝
送ライン１１ｆ，１２ｆを経てストリップラインフィル
タ１１，１２を介して夫々の周波数に分波され、出力端
１５，１６より夫々の信号が得られる。

【００４２】これは、分波器としての動作であるが、合
成器としても動作する。すなわち、分波器とした場合の
出力端１５，１６を入力端とし、分波器とした場合の入
力端１３を出力端としたものが合成器であり、信号の流
れが分波器と逆になるだけである。

【００４３】次に、分岐回路の設計方法について説明す
る。図３は、この分波・合成器の等価回路図である。

【００４４】同図中、入力端１３に相当するのが入力端
子２１ａ，２１ｂ、出力端１５に相当するのが出力端子
２２ａ，２２ｂ、出力端１６に相当するのが出力端子２
３ａ，２３ｂ、ストリップラインフィルタ１１に相当す
るのがバンドパスフィルタＢＰＦ１、ストリップライン
フィルタ１２に相当するのがバンドパスフィルタＢＰＦ
２、伝送ライン１１ｆに相当するのが線路長Ｌ１の線
路、伝送ライン１２ｆに相当するのが線路長Ｌ２の線路
である。

【００４５】本発明では、入力端子２１ａ，２１ｂ（入
力端１３）から見たインピーダンスが最良となるよう
に、分岐部１３からフィルタの初段共振器までの線路長
Ｌ１，Ｌ２を計算により求めている。

【００４６】すなわち、線路長Ｌ１はＬ字状の伝送ライ
ン１１ｆの全長を意味し、線路長Ｌ２はＬ字状の伝送ラ
イン１２ｆの全長を意味する。

【００４７】本実施の形態ではバンドパスフィルタＢＰ
Ｆ１，２を５段構成とし、バンドパスフィルタＢＰＦ１
を中心周波数４ＧＨｚ、通過帯域１０００ＭＨｚ、バン
ドパスフィルタＢＰＦ２を中心周波数６ＧＨｚ、通過帯
域１０００ＭＨｚとしている。

【００４８】これらのデータより計算すると線路長Ｌ
１，Ｌ２の長さはともに９．６ｍｍとなる。

【００４９】なお、本実施の形態では、ストリップライ
ンフィルタをインターディジタルフィルタで構成した
が、これに限定されるものではなく、２分の１波長共振
器を用いた平行平板結合タイプのフィルタで置き換えて
も同様の効果が得られる。また、多層基板同士を張り合
わせた場合も同様の効果が得られる。

【００５０】

【発明の効果】本発明によれば、３つ以上の接地導体層
と、各々の接地導体層間に設けられストリップライン共
振器を有する導体層と、前記接地導体層と前記導体層と
により挟持される誘電体層と、入力信号を前記各々のス
トリップライン共振器へ分岐して入力させる分岐手段と
により分波・合成器を構成したため、ストリップライン
共振器１つ分の面積で複数個のストリップライン共振器
を実装することができる。

【００５１】また、導体層にストリップライン共振器を
組み込んだため、フィルタの入出力間結合に起因する高
域側減衰量の劣化を防止することができる。

【００５２】また、ストリップライン共振器は上下の接
地導体層によりほぼ完全に電気的に遮蔽されているた
め、ストリップライン共振器間のアイソレーションの劣
化を防止することができる。

【００５３】さらに、外部に送受信フィルタを設ける必
要がなくなるため、部品点数が少なくなり、よって組み
立て工数が削減され、コストの低減が実現される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る分波・合成器の最良の実施の形態
の断面図である。

【図２】同分波・合成器の誘電体基板１の分解斜視図で
ある。

【図３】同分波・合成器の等価回路図である。

【図４】同分波・合成器の一例の全体構成図である。

【図５】従来の分波・合成器の分解斜視図である。

【図６】同分波・合成器の送受信フィルタの外観斜視図
である。

【符号の説明】

１誘電体基板３ａ，３ｃ，３ｅ接地導体層３ｂ，３ｄ導体層６ａ〜６ｄ誘電体層１１，１２ストリップライン共振器１１ｆ，１２ｆ伝送ライン

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】３つ以上の接地導体層と、各々の接地導
体層間に設けられストリップライン共振器を有する導体
層と、前記接地導体層と前記導体層とにより挟持される
誘電体層と、入力信号を前記各々のストリップライン共
振器へ分岐して入力させる分岐手段とからなることを特
徴とする分波・合成器。
【請求項２】前記ストリップライン共振器は各々異な
る周波数の信号を通過させるフィルタと、前記入力信号
を伝送させる伝送線路とからなることを特徴とする請求
項１記載の分波・合成器。
【請求項３】各接地導体層はスルーホールを介して短
絡されることを特徴とする請求項１又は２記載の分波・
合成器。
【請求項４】前記分岐手段は最下段の接地導体層より
最上段の導体層まで貫通するスルーホールを介して前記
入力信号を前記各々のストリップライン共振器へ分岐入
力させることを特徴とする請求項１〜３いずれかに記載
の分波・合成器。
【請求項５】前記フィルタはインターディジタルフィ
ルタであることを特徴とする請求項２〜４いずれかに記
載の分波・合成器。
【請求項６】前記分岐手段は前記各ストリップライン
共振器からの信号を合成して出力することを特徴とする
請求項１〜５いずれかに記載の分波・合成器。