JP5342526B2 - Tdr式検査装置 - Google Patents

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この発明は、検査装置に関し、特にTDR信号を利用して半導体集積回路を計測する検査装置に関するものである。
半導体装置のパッケージの一形態に、BGA(Ball Grid Array)パッケージおよびSOJ(Small Outline J-leaded)パッケージがある。BGAでは、パッケージの底面にはんだボールがグリッド状に配設されており、このはんだボールを介してプリント基板等との接続が行われる。SOJでは、パッケージの両側の長辺から出たリードの先端が、パッケージ本体を抱え込むように内側に曲がっている。
近年のLSI(Large Scale Integration)は構造が複雑化し、かつ多ピン構造になっている。その為BGAパッケージ等の基板集積密度を向上させたパッケージが利用されるようになった。それらのパッケージは、シリコンチップに代表される半導体チップを利用している。半導体チップは、はんだボールがはんだ付けされた樹脂基板上に接着固定される。電気的には半導体チップのパッドと樹脂基板パッドはワイヤーボンドやフリップチップ等の手法で接続されている。
パッケージの接続部の構成も小型化と高密度化が進んでいるため、断線・短絡等の不具合が発生する場合も多い。それらの検出は困難で、容易に検査する手法が必要となっている。近年ではLSIにおいても模倣品が横行している。模倣品の多くは、外見と電気特性は本物と同じに作られており、電気特性試験や目視検査で見分けるのは困難である。
LSIを検査する手法として半導体テスター等がある。これは、電気特性のみを検査するものであり詳細な故障原因を特定する事は難しい。また不良原因の調査を非破壊で実施する手法としてX線による検査が行われている。しかしながらX線では、画像の分解能が荒く、実際に検出したいLSI内部の微小な配線亀裂等による接続不良箇所を見つけるのは極めて困難である。
一方、TDR(Time Domain Reflectmetry:時間領域反射測定装置)を利用したはんだ付け検査装置が提案されている。この検査装置によれば、測定用の専用パッドをプリント基板に設けてこれに電気パルスを入力し、その反射特性によってはんだボールの接続信頼性が検査される。その他には、バウンダリスキャンを用いた検査手法が存在する。
TDRでは高周波プローブを通じ基板に高速立ち上がりパルスを入力しその反射特性で基板の良否を判定する。基板上の多数のBGAや回路を測定するため、百ピン以上の多ピンプローブを用い、一括でプローブする事で測定時間の短縮を図っている。TDRによる検査では、LSI内部の配線の長さや太さの違い、パッケージの材質の違い、シリコンチップの構造の違い等が検出され、目視や電気特性だけでは検出不可能な模造品検出が可能になる。
TDRにて、BGAパッケージのLSIを検査する上ではTDR信号の入力方法が問題となる。BGAやLGA(Land Grid Array)では、はんだボールはグリッド形状に配置され、その間隔は1mmから0.6mm程度である。しかしその信号、GND、電源などのピンアサインはLSIの種類によって違う。実際に測定したいBGAのピンはLSIによりまちまちである。既存のBGAソケットはBGAが脱着可能な構成であるが、測定時の信号、GND、電源等の配線はプリント基板に施され固定であった。量産時の測定には便利であるが、LSI毎にプリント基板を準備する必要がある。準備にはコストと時間がかかり多品種のBGAパッケージLSIを測定するのは困難である。
特開平9−61486号公報 特開平8−83656号公報
本願は以上のような課題を解決するために成されたもので、はんだボールのピッチや形状は同じであるが、ピンアサインの異なる多品種のLSIに対し、容易にTDR検査を実施することを可能にすることを目的にする。
本願に関わる検査装置は、TDR信号を発生するTDR装置と、TDR装置で発生したTDR信号の接続先を選定する分岐路が形成されている信号分岐基板と、第1の太さを有する第1のプローブと、第1の太さよりも細い第2の太さを有する第2のプローブと、第1の太さに対応する貫通穴がグリッド状に複数個開口しているプローブソケットと、第2の太さに対応する係止穴がグリッド状に複数個開口していて信号分岐基板で接続先を分岐されたTDR信号が入力する係止ソケット基板とを備えていて、係止ソケット基板は表層にGND配線が形成され、係止穴の側面部分に形成された電極と信号分岐基板の分岐路は対応つけて繋がっているものである。
BGAやLGAICには、ピッチが同一であるがピンアサインの異なるパッケージが多品種存在する。本願によれば、これらのパッケージを簡易にTDRによる非破壊検査することが可能になる。
この発明に関わる半導体装置の検査装置の概略図である。 この発明の実施の形態1に関わるプローブとソケットの関係を示す分解断面図である。 この発明の実施の形態1に関わるプリント基板の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態1に関わるプローブソケットを説明する図である。 この発明の実施の形態1に関わる固定ソケットを説明する図である。 この発明の実施の形態1に関わるプローブとソケットの関係を示す組み立て断面図である。 この発明の実施の形態1に関わる分岐路を説明する図である。 この発明の実施の形態2に関わる係止ソケット基板の構成を説明する図である。 この発明の実施の形態2に関わる分岐路を説明する図である。
実施の形態1.
本発明の実施の形態を、図に基づいて説明する。図1はこの発明に関わるTDR式検査装置の全体構成を示している。半導体装置の検査装置100は、固定治具60、ソケット基板1、高周波コネクタ20と42、信号分岐部プリント基板40およびTDR装置50から構成されている。BGAパッケージLSI30は被測定物である。BGAパッケージLSI30にはソケット基板1が対向配置されている。TDR装置50は測定時に高周波パルス(TDR信号)を発生する。
TDR装置50は信号分岐部プリント基板40に接続されている。信号分岐部プリント基板(信号分岐基板)40には、高周波リレー41が複数個配設されていて、TDR装置50で発生したTDR信号の接続先を選定する分岐路が形成されている。ソケット基板1は信号分岐部の高周波コネクタ42とソケット基板用の高周波コネクタ20を経由して、信号分岐部プリント基板40と連絡している。BGAパッケージLSI30には固定治具60が搭載される。固定治具60でBGAパッケージLSI30を上から押さえる事で、ソケット基板1とBGAパッケージLSI30の接続が確保できる。
図2はBGAパッケージLSIと組み立て前のソケット基板の構成を説明している。被測定物であるBGAパッケージLSI30には、複数個のはんだボール31が実装されている。ソケット基板1は、プローブ3と4、プローブソケット5および係止ソケット基板14に分離できる。係止ソケット基板14はプリント基板2と固定ソケット6からなり、組み立て後には一体物として扱われる。プローブには、太いプローブ(第1のプローブ)3と細いプローブ(第2のプローブ)4の2種類が存在する。
太いプローブ3はGND用で、細いプローブ4はTDR信号用である。樹脂製のプローブソケット5は太いプローブ3を支える。プローブソケット5を貫通するピン穴5aは、プローブ3の大きさに対応していて、プローブ3を抜き差しできるようになっている。樹脂製の固定ソケット6は細いプローブ4を支える。固定ソケット6に設けられている係止穴6aは、プローブ4の大きさに対応していて、プローブ4を抜き差しできるようになっている。プリント基板2を貫通するピン穴2aはプローブ4の大きさに対応していて、プローブ4を抜き差しできるようになっている。係止穴6aは片側は開口されているが、途中から塞がれている。
プリント基板2の構造を図3に基づいて説明する。プリント基板2は最上層に太いプローブ3が接触するGND(Ground)配線層7が配設されている。GND配線層7にはプローブとの接触部に金メッキを施し、接触抵抗を下げる事が望ましい。プリント基板2の2層目から最下層までの構造はビア構造である。ビアにはプローブ4に接触するビアホール電極8が形成されている。ビアホール電極8は信号配線10と導通している。絶縁パターン9はプリント基板2の最上層に設けられていて、GND配線層7とビアホール電極8を絶縁する。2層目から最下層にはコプレナーライン、或いはマイクロストリップライン等の高周波特性を考慮した信号配線10が配置されていて、信号配線10は高周波コネクタ20に接続されている。ビア構造はBGAの配置に合わせた形状(グリッド状)になっていて、数百ピン分が配置されている。
図4はプローブソケットの形態を表している。プローブソケット5にはプローブ3の太さに対応している貫通穴が複数個開口されている。貫通穴の配置はBGAの配置に合わせた形(グリッド状)になっている。貫通穴にBGAのはんだボール31を入れる事でBGAとプローブ3、4の位置合わせが完了する。例えばBGAパッケージLSI30のボールピッチが1mmピッチであれば、直径0.6mmのはんだボール31が使用されている。このとき望ましいプローブソケット5の穴径は0.7mmである。
図5は固定ソケットの形態を表している。固定ソケット6もプローブソケット5と同様にBGAの配置に合わせた形にグリッド状に係止穴が開いている。係止穴の直径はプローブ4の太さに対応している。細いプローブ4を支える事が目的になる。プローブ3、4は、両端または方端稼動のスプリングピンを用いる。例えば1mmピッチのBGAパッケージLSI30を測定する場合であれば、プローブ3は直径0.7mm、長さ5mm程度で、稼動範囲は0.5mm程度が望ましい。プローブ4は直径0.3mm、長さ10mm程度で、稼動範囲は1.5mm程度が望ましい。プローブ3、4の先端構造はBGAに対応するクラウン型が好ましい。
実際の測定時には、ソケット基板1は組み立てられた状態で使用する。図6は、測定時のソケット基板1と、BGAパッケージLSI30の関係を示している。図1に示したように、固定治具60でBGAパッケージLSI30を上からソケット基板1に押えつけると、はんだボール31はプローブ3、或いはプローブ4の上端に機械的に接触する。
太いプローブ3の下端はプリント基板2の最上層のGND配線層7に接触している。細いプローブ4は信号配線10に電気的に接続されている。本発明の目的でもあるようにプローブ3、4は脱着可能で、どちらか一方を選択する事ができる。太いプローブ3を選択すれば、そのピンはGNDとなり、細いプローブ4を選択すればTDR信号入力ピンとなる。
BGAのピン数は数百ピン以上である。それらのピンを全て測定するためにはTDR信号を切り替える信号分岐部が必要である。図7に測定系統の電気的な接続関係を示す。信号分岐部プリント基板40には信号分岐部の高周波リレー41が高周波ラインを使って4段にわたって配設されている。高周波リレー41はTDR装置からの信号を分岐する。高周波リレー41の最終段は高周波コネクタ42に接続されている。プリント基板2には高周波コネクタ20が設けられている。
プリント基板2の高周波コネクタ20は信号分岐部の高周波コネクタ42と結合されていて、信号分岐部プリント基板40で切り替え分岐されたTDR信号を電気的に中継する。高周波コネクタ20はプリント基板2の内装に形成された信号配線10を経由して、細いプローブ4に繋がっている。プリント基板2の信号配線10は高周波特性を考慮して、マイクロストリップライン構造やコプレナーライン構造になっている。信号分岐部プリント基板40の配線も高周波特性を考慮して、マイクロストリップライン構造やコプレナーライン構造になっている。
信号分岐部プリント基板40はTDR装置50から入力されたTDR信号を分岐し、その接続先を任意のプローブ4に切り替える。上記構成では、プローブ3、4を除く全ての配線、リレー、コネクタは任意の特性インピーダンスに整合され、高周波特性が保たれている。任意の特性インピーダンスは一般的には50Ωであるが、特に50Ωに限定するものでは無い。
実際の測定手順について説明する。TDR装置50より出力される高周波パルスは信号分岐部プリント基板40により分岐され、高周波コネクタ42、20を通じ、ソケット基板1に入力する。ソケット基板1から細いプローブ4に伝送された高周波パルスは、BGAパッケージLSI30に入力され反射波を発生する。良品である基準品で反射波測定し、不具合品との反射波の波形比較をする事で良否判定及び模倣品の検出を行う。
実施の形態2.
本願に関わる実施の形態2を図8、9に基づいて説明する。実施の形態1のうち係止ソケット基板14の配線方法を変更し、太いプローブ3と細いプローブ4の役割を反対にする事でピン数の少ないBGAに対応することが可能となる。多層基板を利用する必要が無くなるので、構成が容易で安価に製作可能となる。BGAのピン数が少ない場合(目安として50ピン以下)には図8に示すように、係止ソケット基板14の最上層に信号配線11を設け、2層目にGNDパターン12を設ける。その場合太いプローブ3を選択すればTDR信号線に、細いプローブ4を選択すればGNDになる。基板の構造が簡素化しコスト的にも有利である。また基板最下層をGNDパターン12にし、固定ソケット部13を金属製にする事でGNDの強化が図れる。
図9に測定系統の電気的な接続関係を示す。信号分岐部プリント基板40には信号分岐部の高周波リレー41が高周波ラインを使って4段にわたって配設されている。高周波リレー41はTDRからの信号を分岐する。高周波リレー41の最終段は信号分岐部の高周波コネクタ42に接続されている。係止ソケット基板14には高周波コネクタ20が設けられている。信号分岐部プリント基板40はTDR装置50から入力されたTDR信号を分岐し、その接続先を任意のプローブ3に切り替える。
1 ソケット基板、2 プリント基板、3 プローブ、4 プローブ、5 プローブソケット、6 固定ソケット、7 GND配線層、8 ビアホール電極、14 係止ソケット基板、20 高周波コネクタ、30 BGAパッケージLSI、31 はんだボール、40 信号分岐部プリント基板、41 高周波リレー、42 高周波コネクタ、50 TDR装置、60 固定治具、100 検査装置

Claims (3)

  1. TDR信号を発生するTDR装置と、
    前記TDR装置で発生したTDR信号の接続先を選定する分岐路が形成されている信号分岐基板と、
    第1の太さを有する第1のプローブと、
    前記第1の太さよりも細い第2の太さを有する第2のプローブと、
    前記第1の太さに対応する貫通穴がグリッド状に複数個開口しているプローブソケットと、前記第2の太さに対応する係止穴がグリッド状に複数個開口していて前記信号分岐基板で接続先を分岐されたTDR信号が入力する係止ソケット基板とを備えていて、
    前記係止ソケット基板は表層にGND配線が形成され、前記係止穴の側面部分に形成された電極と前記信号分岐基板の分岐路は対応つけて繋がっていることを特徴とするTDR式検査装置。
  2. 前記係止ソケット基板は、前記プローブソケットに対向配置され、前記第2の太さに対応する貫通穴がグリッド状に開口していて多層配線されたプリント基板と、前記プリント基板と対向配置され、前記第2の太さに対応する係止穴がグリッド状に開口されている固定ソケットからなることを特徴とする請求項1に記載のTDR式検査装置。
  3. TDR信号を発生するTDR装置と、
    前記TDR装置で発生したTDR信号の接続先を選定する分岐路が形成されている信号分岐基板と、
    第1の太さを有する第1のプローブと、
    前記第1の太さよりも細い第2の太さを有する第2のプローブと、
    前記第1の太さに対応する貫通穴がグリッド状に複数個開口しているプローブソケットと、前記第2の太さに対応する係止穴がグリッド状に複数個開口していて前記信号分岐基板で接続先を分岐されたTDR信号が入力する係止ソケット基板とを備えていて、
    前記係止ソケット基板は2層目にGNDパターンが形成され、最上層に形成された信号配線と前記信号分岐基板の分岐路は対応つけて繋がっていることを特徴とするTDR式検査装置。
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