JP5341376B2 - 油入電気機器の劣化診断方法 - Google Patents

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本発明は、絶縁油を大気から遮断する隔膜式コンサベータを有する変圧器等の油入電気機器において、前記隔膜のガス遮断性能の診断や絶縁油特性の劣化予測診断を行う油入電気機器の劣化診断方法に関するものである。
従来から、変圧器やコンデンサ等の油入電気機器には、運転時における温度の変化による絶縁油の膨張・収縮を吸収するためのコンサベータが設けられている。コンサベータは、空気やガス等が絶縁油に侵入するのを遮断するために、耐油性のゴム等からなる隔膜を備えた隔膜式コンサベータが広く用いられている。
しかし、コンサベータ内に配置された隔膜は経年変化で劣化・損傷することがある。また、隔膜に目立った損傷等がなくとも、空気側の気体分子が隔膜を形成するゴム材を透過することがある。空気が隔膜を透過して絶縁油と接触すると、空気中の酸素が絶縁油中に溶解され、絶縁油の劣化を促進し、油入電気機器の寿命に影響を及ぼす原因となる。
したがって、コンサベータの隔膜の異常を早期に発見・予測する技術が求められている。
この点、油入電気機器中の窒素濃度を測定し、窒素濃度が予め定めたしきい値に達するか否かによって隔膜の劣化診断をする技術がある(特許文献1参照)。この技術は、油中窒素濃度の経時的変化から変圧器への窒素ガスの侵入量を評価することで、隔膜の異状を間接的に検知しようとするものである。
特開2005−101391号公報
しかし、上述した従来技術では、油中窒素濃度が絶縁油に対して温度依存性を有するため、油中窒素濃度の上昇が油温の上昇によるものなのか、隔膜の異状によるものなのか、判定が困難である、という問題があった。
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、油入電気機器の隔膜式コンサベータのガス遮断性能を、実際に使用されている隔膜の窒素ガス透過係数の増倍率を用いて評価することにより、油温の影響を排除した高感度で信頼性の高い油入電気機器の劣化診断方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明における油入変圧器の劣化診断方法は、隔膜式コンサベータを有する油入電気機器において、油中窒素濃度と、絶縁油の温度の経時データと、未劣化の隔膜の窒素ガス透過係数の温度特性データとを用いて、未劣化の隔膜を使用し続けた場合に、ある期間における前記油入電気機器の未劣化の隔膜の窒素ガス侵入量Q<N2>をあらかじめ算出し、前記期間における実際の油中窒素ガス濃度の変化量と絶縁油体積との積で表される実際の窒素ガス侵入量Q<N2実>と、前記期間における未劣化の隔膜を使用し続けた場合のあらかじめ算出して得られた前記未劣化の隔膜の窒素ガス侵入量Q<N2>との比(Q<N2実>/Q<N2>)で示した窒素ガス透過係数増倍率α<N2>を評価指標とし、その経時特性に基づき、前記油入電気機器の前記隔膜のガス遮断性能の診断を行うことを特徴とする。
また、本発明の油入変圧器の劣化診断方法は、前記窒素ガス透過係数増倍率の増加が検出された場合、前記隔膜に劣化があると判断し、前記窒素ガス透過係数増倍率の増加が検出されなかった場合、前記隔膜に劣化がないと判断することを特徴とする。
本発明によれば、油入電気機器の隔膜式コンサベータのガス遮断性能を、実際に使用されている隔膜の窒素ガス透過係数の増倍率を用いて評価することにより、油温の影響を排除した高感度で信頼性の高い油入電気機器の劣化診断方法を可能とする。
以下、本発明の実施形態を、油入電気機器の一例として油入変圧器に適用した場合について図を参照しながら説明する。
油入変圧器1の概略構成図を図1に示す。
図1において、2は内部に図示しない変圧器本体を収納した油入変圧器タンク、3はコンサベータであり、油入変圧器タンク2内とその上部に設置されたコンサベータ3内は連通管4によって接続されており、この連通管4を介して油入変圧器タンク2内とコンサベータ3内は連通している。油入変圧器タンク2の内部は絶縁油10で満たされており、コンサベータ3の内部にはニトリルゴム等の耐油性ゴムを使用した隔膜5がフランジ6で固定設置されている。このフランジ6を介して隔膜5は、コンサベータ3の外部に設けられた配管7と連通する一方、この配管7に取り付けたブリーザ8を介して外気とも連通している。そして、隔膜5内の空気やガス等の空気ガス(以下、空気という)9をコンサベータ3内の絶縁油10から遮断することで、絶縁油10の劣化を防止する役割を有する。なお、隔膜5内の空気9の圧力は大気圧となっており、またブリーザ8内には、外気中の湿気が隔膜5内に侵入することを防ぐため、シリカゲル等の乾燥剤が装填されている。
ここで、コンサベータ3の機能について説明する。外気温の変化や負荷損による発熱量の増減によって、油入変圧器タンク2内の絶縁油10の温度が変化し、油温が上昇した場合には絶縁油10の体積が膨張し、油温が低下した場合には逆に収縮する。コンサベータ3は、油入変圧器タンク2と連通しているので、絶縁油10の体積が変化すると隔膜5内の空気9が外気と出入りして隔膜5の体積が変化する。
すなわち、コンサベータ3は絶縁油10の体積変化を隔膜5の体積変化に変換することによって、絶縁油10が空気9に曝されることなく油入変圧器タンク2内の圧力を一定に保って油入変圧器タンク2を保護し、絶縁油10が容器から外部に溢れ出ることを防いでいる。この隔膜5に使用されるゴム材は、ガス遮断性能や耐油性に優れるニトリルゴムを基材にしたものが一般的に使用されているが、隔膜5内の空気9の透過を完全に遮断できるわけではない。
隔膜5に穴等の欠陥部位がなくても、空気9の気体分子は隔膜5のゴム材に浸透して内部に拡散し、拡散した気体分子が油側に到達して放出されて空気9が絶縁油10中に侵入する。一般的に、コンサベータ3に使用される耐油性のニトリルゴム製隔膜の空気透過率は、ASTM(米国材料試験協会;American Society for Testing and Materials) D1434に記載される方法で測定を行うと10−6cm3/cm・min・atmオーダの値である。
特に、電力用の油入変圧器は、20年以上の機器としての寿命が期待される。このため長期間の使用においては、隔膜5の空気透過率が微少であっても、その運転期間中の油入変圧器1への空気侵入量を積算すると、その量は無視できない。特に、透過する空気9中の酸素は油入変圧器1内の絶縁油10の劣化、更に油入変圧器1の寿命に大きく影響を及ぼす。
そのため、隔膜5には、長期間に渡る高いガス遮断性能と高い信頼性が求められる。
本実施形態では、油入変圧器1の油中窒素濃度[N2油]と油温(T)の経時変化を測定することによって、コンサベータ3に設置された隔膜5のガス透過性能を診断する方法について述べる。
まず、隔膜5の窒素ガス透過係数k<N2新>を算出する。この窒素ガス透過係数k<N2新>は、隔膜5が劣化していない状態のガス透過係数である。劣化していない状態とは、隔膜に穴も傷も生じていないだけのことを意味し、未使用であるか否かは問題にしない。
コンサベータ3内での隔膜5の空気に接する表面積をS、隔膜5の厚さをdとする。油入変圧器1に対する、単位時間当たりの空気中の窒素ガスの侵入量、すなわち窒素侵入速度F<N2>は、以下で表される。
F<N2> = k<N2新>・S/d・(P<N2空>−P<N2油>)・・・・(1)
ここで、P<N2空>、P<N2油>は、それぞれ空気中(1atm=101,325Pa)、油中の窒素のガス分圧であり、P<N2空>は定数と見なせる。また、油中窒素ガス分圧P<N2油>は、油中窒素濃度[N2油]に比例し、絶縁油における窒素のオストワルドの吸収係数をC<N2>、空気中(1atm)の窒素濃度をそれぞれ[N2空](=定数)とすると、以下で表される。
P<N2油>=(P<N2空>/C<N2>)・([N2油]/[N2空])・・・・(2)
絶縁油10のオストワルドの吸収係数C<N2>については、例えばASTM D2779−92(2002)において窒素や酸素ガスに対する値が温度の関数として定式化されており、これを用いればよい。油中窒素ガス分圧P<N2油>を窒素侵入速度F<N2>の式に代入すると以下で表される。
F<N2>=S/d・P<N2空>・k<N2新>・(1−[N2油]/(C<N2> ・[N2空]))・・・(3)
このように、窒素ガス透過係数k<N2新>、オストワルドの吸収係数C<N2>、油中窒素濃度[N2油]が変数となる。上述のように、窒素ガス透過係数k<N2>、オストワルドの吸収係数C<N2>は油温の関数として求める。油中窒素濃度[N2油]は実際の絶縁油10をガス分析することによって求められる。
変圧器への窒素ガス侵入量Q<N2>は、窒素侵入速度F<N2>を時間積分すればよく
Q<N2> = ∫F<N2> dt・・・・(4)
で求められる。この、窒素ガス侵入量Q<N2>、窒素侵入速度F<N2>は、導出に使用した窒素ガス透過係数k<N2新>が、隔膜5が劣化していない状態の値であることから、それぞれ未劣化状態の想定される変圧器への窒素ガス侵入速度、侵入量である。ここで、ある期間における変圧器への窒素ガス侵入量は、式(4)については当該期間においての時間積分を行って求めることができる。
また、実際の窒素ガス侵入量Q<N2実>については、その期間における油中窒素濃度の増加量Δ([N2油])を測定し、これに、油入変圧器の油体積Vとの積を取ることによって、以下で求めることができる。
Q<N2実> = Δ([N2油])・V ・・・・(5)
窒素ガス侵入量Q<N2>に対する実際の窒素ガス侵入量Q<N2実>の比をA<N2>とし、以下に表す。
A<N2> = Q<N2実>/Q<N2> = m・α<N2>・・・・(6)
このA<N2>を窒素ガス量評価係数とする。ここで、mは、油中窒素濃度[N2油]や油体積V等の測定誤差、評価誤差に関する係数であり、同一の変圧器では常数として扱い、誤差が無い理想的な場合にはm=1となる。α<N2>は、コンサベータ隔膜5の劣化による窒素ガス透過係数の増倍率であり、実際の変圧器の劣化したコンサベータ隔膜の窒素ガス透過係数をk<N2劣>とすると、
α<N2> = k<N2劣>/k<N2新>・・・・(7)
となる。
k<N2劣>とk<N2新>の温度依存性が相似であるとすれば、窒素ガス透過係数の増倍率α<N2>は温度には依存せずコンサベータ隔膜5のガス遮断性能が劣化した場合にのみ変化する。したがって、この窒素ガス透過係数の増倍率α<N2>の経時的変化を測定することによって、コンサベータ隔膜5のガス遮断性能の劣化度合いが評価できるとともに、どの時点で劣化あるいは隔膜の破損が発生したかを判断することが可能となる。更に、窒素ガス透過係数の増倍率α<N2>の変化傾向から隔膜の劣化・破損パターンの識別を行うことも可能となる。
以上の実施の形態における作用効果を、図2に基づいて説明する。図2(a)は油温(T)の経時変化を示したグラフ、図2(b)は油中窒素濃度[N2油]の経時変化を示したグラフ、図2(c)は窒素ガス透過係数増倍率α<N2>の経時変化を示したグラフであり、これらのグラフは同一の時間軸(時間(t))で表わされている。
具体的に、時間t1にて外部の温度変化の影響を受けて油温が上昇し、時間t2にて隔膜のガス遮断性能が劣化した場合を想定する。
まず、時間t1において油温(T)が25度から上昇したとする。この油温の上昇は外気温や変圧器の発熱による上昇によるものであるが、隔膜5の窒素ガス透過係数k<N2>は温度依存性を有するため、これに伴い窒素ガス透過係数k<N2>も上昇する。窒素ガス透過係数k<N2>の上昇により油中窒素濃度[N2油]も増加する。しかし、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>は変化がないため、隔膜5に劣化が生じていないと判断される。
時間t2において、隔膜5のガス遮断性能に劣化が生じた場合、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>に初めて変化が生じる。例えば、耐油性のゴム等から成る隔膜5に穴が開く等、ガス遮断性能が急激に低下した場合には窒素ガス透過係数増倍率α<N2>は階段状に変化する(ア)。ガス遮断性能の低下が連続的に変化する場合には、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>は連続的に変化する(イ)。これらの劣化が生じた場合、油中窒素濃度[N2油]にも変化が現れるが、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>に比べて変化度合いは小さい。
たとえば、ガス遮断性能が急激に低下した場合、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>は図2(c)における(ア)のように階段状に変化するが、油中窒素濃度[N2油]は、図2(b)のように傾きに変化が出る程度である(図2(b)(ア´)参照)。また、ガス遮断性能の低下が連続的に変化する場合には、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>は(イ)のように変化(図2(c))するが、油中窒素濃度[N2油]はやはり傾きに変化が出る程度であり(図2(b)(イ´)参照)、(ア´)と大きな区別がつかない。したがって、油中窒素濃度[N2油]よりも窒素ガス透過係数の増倍率α<N2>を評価指標とする方が、隔膜5のガス遮断性能の診断に対して高い精度・感度が得られる。
この場合、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>に対して管理値を設定し、この管理値を越えた場合に隔膜5の保守や交換等の対策を行うようにすることも可能である。さらに、これまでの窒素ガス透過係数増倍率α<N2>の経時特性のカーブを延長することによって、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>の今後の変化傾向を予測し、管理値に達するまでの寿命診断を行うことが可能である。
この診断に際し、油温(T)や油中窒素濃度[N2油]の測定や窒素ガス透過係数の増倍率α<N2>の評価を、時間的に連続的に行えば、高い精度で時間遅れの無いタイムリーな診断が可能であるが、ある期間毎の定期測定による離散的なデータを用いて診断を行ってもよい。この場合、油温や油中窒素濃度[N2油]は離散区間の平均値として扱われることになるが、特に油温に関しては季節の変化や負荷変動に応じて変化し易いため、その変化の節目毎のデータを用いることが望ましい。
また、油温や油中窒素濃度[N2油]の測定箇所であるが、式(1)〜(4)の導出においては、コンサベータ3内での窒素ガス透過に関する現象であることから、コンサベータ3内の油温、油中窒素濃度[N2油]を基準とするのが望ましい。一方、式(5)に関しては、油入変圧器タンク2内の油中窒素濃度[N2油]とするか、油入変圧器タンク2やコンサベータ3等の各部位の油体積を考慮した体積平均値を用いるのが好ましい。なぜならば、油入変圧器タンク2内の油体積Vは、コンサベータ3内の油体積よりも桁違いに多い為である。
具体的に、隔膜5の劣化状態を診断する方法として、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>を用いたガス透過性能を診断する方法を図3のフローチャートを用いて説明する。
ガス透過性能の診断にあたって、あらかじめ、劣化していない隔膜5における窒素ガス侵入量を測定し、この窒素ガス侵入量に基づき、劣化していない隔膜5における窒素ガス透過係数k<N2新>を測定しておく必要がある。そのうえで、隔膜5の劣化状態の診断を開始する(ステップS20)。
まず、油温度の測定は行う(ステップS21)。油温度の測定は、常時測定してもよいし、定期的に測定してもよい。絶縁油10の油温度が通常通りである場合には、隔膜5に異常がないこととなるが(ステップS26)、絶縁油10の油温度の上昇が見られた場合には、実際の窒素ガス透過係数増倍率α<N2>の測定を行うこととなる。もっとも、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>の測定は、絶縁油10の油温度の上昇の有無にかかわらず、常時あるいは定期的に測定してもよい。
ここで、劣化していない隔膜の油中窒素ガス侵入量を算出(式(4))するとともに、測定時の隔膜5の油中窒素ガス侵入量Q<N2実>を算出する(式(5))(ステップS23)。
この、式(4)、式(5)の油中窒素ガス侵入量の比から、実際の窒素ガス透過係数増加率α<N2>を算出することとなる。すなわち、実際の窒素ガス透過係数k<N2劣>を測定し(ステップS24)、測定開始の前に測定した劣化していない窒素ガス透過係数k<N2新>と比較する(ステップS25)。実際のガス透過係数増倍率α<N2>が増加していない場合、隔膜5の劣化はないと判断する(ステップS25)。事前に測定した窒素ガス透過係数増倍率α<N2>と比較して、ガス透過係数増倍率α<N2>が増加した場合(ステップS24)、隔膜5の劣化があったと判断する(ステップS27)。
隔膜5に劣化があると判断された場合、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>の増加の状況から、隔膜5の劣化状態を検出する(ステップS28)。窒素ガス透過係数増倍率α<N2>の増加が連続的でない場合、すなわち断続的である場合、隔膜5に穴が開いていることを検出する(ステップS29)。窒素ガス透過係数増倍率α<N2>の増加が連続的である場合、隔膜5に傷があるが、穴が開くに至っていないと判断する(ステップS30)。
以上より、隔膜5の劣化状況の診断を終了する(ステップS31)。
このように、本発明は、窒素ガス透過係数増倍率α<N2>の増加状況から、隔膜5の劣化状態を検出することで、油温Tの上昇に左右されずに、コンサベータのガス遮断性能の劣化状態を検出するとこができる。
本発明の実施形態に係る油入変圧器を示す図。 本発明の実施形態に係る効果を示すグラフ図。 窒素ガス透過係数増倍率αを用いた窒素ガス透過性能を診断する方法を示したフローチャート。
符号の説明
1・・・・油入変圧器
2・・・・油入変圧器タンク
3・・・・コンサベータ
4・・・・連通管
5・・・・隔膜
6・・・・フランジ
7・・・・配管
8・・・・ブリーザ
k<N2>・・・・窒素ガス透過係数
α<N2>・・・・窒素ガス透過係数増倍率
[N2油]・・・・油中窒素濃度
T・・・・油温

Claims (3)

  1. 隔膜式コンサベータを有する油入電気機器において、
    油中窒素濃度と、絶縁油の温度の経時データと、未劣化の隔膜の窒素ガス透過係数の温度特性データとを用いて、未劣化の隔膜を使用し続けた場合に、ある期間における前記油入電気機器の未劣化の隔膜の窒素ガス侵入量Q<N2>をあらかじめ算出し、
    前記期間における実際の油中窒素ガス濃度の変化量と絶縁油体積との積で表される実際の窒素ガス侵入量Q<N2実>と、前記期間における未劣化の隔膜を使用し続けた場合のあらかじめ算出して得られた前記未劣化の隔膜の窒素ガス侵入量Q<N2>との比(Q<N2実>/Q<N2>)で示した窒素ガス透過係数増倍率α<N2>を評価指標とし、その経時特性に基づき、
    前記油入電気機器の前記隔膜のガス遮断性能の診断を行うことを特徴とする油入変圧器の劣化診断方法。
  2. 前記窒素ガス透過係数増倍率の増加が検出された場合は、前記隔膜に劣化があると判断し、前記窒素ガス透過係数増倍率の増加が検出されなかった場合は、前記隔膜に劣化がないと判断することを特徴とする請求項1に記載の油入電気機器の劣化診断方法。
  3. 前記窒素ガス透過係数増倍率の増加が検出された場合において、前記窒素ガス透過係数増倍率の増加が断続的である場合は、前記隔膜に穴があると判断し、前記窒素ガス透過係数増倍率の増加が断続的でない場合は、前記隔膜に穴がないと判断することを特徴とする請求項2に記載の油入電気機器の劣化診断方法。
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