JP5339865B2 - 無線受信方法、及び無線受信装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マルチユーザMIMO(Multiple Input Multiple Output)ダウンリンクにおける無線受信方法、及び無線受信装置に関する。
無線通信システムに求められる課題として、周波数利用効率の向上が挙げられる。近年の無線LAN(Local Area Network)、及びセルラ(携帯電話)などの移動通信システムにおいて、周波数利用効率の向上を達成するため、MIMO技術が注目され、一部、実用化にまで至っている。MIMO技術は、複数のアンテナを送受信機に備えることにより、空間的資源を利用して、複数のストリームを同一周波数で同時に多重して伝送する多重効果や、ダイバーシチによる信頼性向上効果などをもたらす技術である。
ここで、ストリームとは、異なる情報を伝送する仮想的な伝送路を意味しており、送受信機が複数のアンテナ素子を具備している場合、指向性の制御により複数の伝送路(ストリーム)を実現できる。しかし、受信機が物理的に小さくて十分なアンテナ素子を確保できない場合、十分な容量増加効果を(シングルユーザ)MIMOで得ることはできない。そのため、システム全体としての容量を増加させるために、マルチユーザMIMO技術が注目されている。マルチユーザMIMO技術とは、複数のユーザを空間的に分割することにより、同じ周波数を同じ時間内に複数のユーザが共有し、周波数利用効率を向上させる技術である。
マルチユーザMIMOにおいて、複数のユーザを空間的に分割するために、送信側で希望ユーザのみにビームを向け、他のユーザに対してはヌルを向けるブロック対角化法(BD法:Block Diagonalization アルゴリズム)という送信ビーム形成法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。このBD法を用いた場合、各ユーザに対して固有ビーム伝送を行い、受信側のユーザは、線形復号を行えば、端末局の計算量も小さく、十分な容量増加効果が達成できる。
図3は、従来技術による、複数の移動局(MT)に対してBD法を適用した通信システムの構成を示すブロック図である。図において、中央に位置するアクセスポイント(AP)1からの各ビームは、各移動局(MT)2−1〜2−9に対して、互いに干渉せず、直交している。
次に、BD法について詳細に説明する。
まず、チルダ()Hは、次式(1)で表わされる。
Figure 0005339865
ここで、行列Hは、j番目のユーザのチャネル応答行列である。ZF(Zero-Forcing)基準は、ユーザjのウエイトがチルダ()Hのヌル空間に存在していることを必要条件とする。ここで、受信信号とBD法の送信ウエイトとの間には、次式(2)で示す関係がある。
Figure 0005339865
チルダ()Hのヌル空間を得るために、チルダ()Hは、次式(3)で示すように、特異値分解(SVD)される。
Figure 0005339865
ここで、数式(3)の要素Aは、次式(4)で示す、最初のチルダ()L=rank(チルダ()H)個の右特異ベクトルから構成される。そして、数式(3)の要素Bは、最後の(M−チルダ()L個の右特異ベクトルから構成される。結果として、要素Bは、行列チルダ()Hのヌル空間の基底ベクトルとなっている。それゆえ、要素Bは、BD法のj番目のユーザのウエイトとなり得る。全体のBD法のウエイトWBDは、次式(4)で示され、各ユーザの、数式(3)の要素Bから構成される。
Figure 0005339865
もし、完全な推定チャネル情報(CSIT:Channel State Information at the Transmitter)が得られるという条件の下で、線形復号が用いられるならば、数式(5)で表わされるBD法ウエイトがより良い。数式(5)では、各ユーザは、固有ビーム空間分割多重(E−SDM:Eigenbeam-Space Division Multiplexing)を用いており、線形復号は、最尤判定法(MLD:Maximum Likelihood Detection)と同じBER(Bit Error Rate)特性を示す。
Figure 0005339865
ここで、次式(6)で表わされる値を得るために、次式(7)に従って特異値分解が用いられる。
Figure 0005339865
Figure 0005339865
ここで、要素Cは、数式(7)の行列Dのゼロではない特異値に対応する、次式(8)で示す最初の右特異値ベクトルに対応する。
Figure 0005339865
数式(7)のΣは、ゼロでない特異値を対角行列で表わしたものである。電力配分Λは、注水定理を用いて計算すれば、各ユーザの伝送速度が決まっているとして、最小値を得ることができる。そして、次式(9)で示すように乗算すればよい。しかし、生BERを評価基準とするならば、数式(4)が適当である。
Figure 0005339865
上述した説明では、BD法を詳細に説明したが、BD法のように、ZF基準ではなく、信号対干渉雑音比(SINR:Signal to Interference and Noise Ratio)基準の送信ビーム形成法も多数考案されている。その場合も、以下の議論が成立する。
通常、受信側の復号方法として、MMSE(Minimum Mean Square Error)や、ZFなどの線形復号が用いられる。しかし、チャネルが時変動しているため、希望信号のみではなく、他のユーザからの非希望信号が干渉して受信される。そのとき、線形復号では、干渉の影響を強く受けるため、特性の劣化が生じる。それで、時変動による干渉に耐性のある計算量を削減したMLDの一種であるES−MLD(Enhanced Simplified-MLD)が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。該ES−MLDは、全ユーザとの間のチャネルを推定して、干渉ストリームも復号することを特徴としており、良好な特性を示す。
次に、ES−MLDの動作原理について簡単に説明する。
図4は、従来技術によるES−MLDの動作を説明するためのフローチャートである。図において、ES−MLDでは、まず、全てのユーザのチャネルを推定し(ステップS1)、全ユーザの全ストリームをオーダリングして、ES−MLDを施す(ステップS2)。より具体的には、ES−MLDでは、干渉も含めた個々の信号ストリームにおいて、複数の候補信号点が最小自乗法(MMSE)を用いて逐次選択される。その後、候補信号点の全ての尤度が計算され、最大尤度の候補が復号結果として選ばれる。以下に、ES−MLDの復号過程を説明する。
最初にアクセスポイント(AP)は、移動局(MS)が自ユーザのストリームのみならず、他のユーザのストリームとの間のチャネル応答の推定も可能とするため、全てのストリームに対して直交したプリアンブルを送信する。推定されたチャネル応答行列H(1)は、サイズM×Kであり、受信信号ベクトルr(0)は、サイズM×1で、最初のステージの候補選択器の入力となる。ここで、Kは、干渉ストリームも含んだ空間信号ストリームの数であり、Mは、移動局(MS)の受信アンテナ数である。
非特許文献2では、候補選択器のk番目のステージにおいて、サイズがM×(K−k+1)のチャネル応答行列H(k)と、信号ベクトルの集合R(k)は、k番目のステージの入力であり、次式(10)のように定義される。
Figure 0005339865
ここで、L(k)は、k番目のステージの候補数で、lは、候補の指数である。また、数式(10)の要素Eは、ユークリッド距離の点で、硬判定結果ハット(^)s(k)に近い候補信号点である。ここで、硬判定結果ハット(^)s(k)は、次式(11)に示すMMSE等化器の出力の最小距離の信号点である。また、数式(11)の要素Fは、k番目のステージのMMSEウエイトベクトルである。
Figure 0005339865
表記h(n(k))は、H(1)のn(k)列目の列ベクトルを表しており、n(k)は、復号ストリーム選択部で、以下の手順で決定される。まず、非特許文献2では、次式(12)で示される、k番目のステージのMMSEウエイト行列が、H(k)から計算される。ここで、ρは、アンテナ素子毎のSNRである。
Figure 0005339865
次に、復号ストリーム選択部で、信号対干渉プラス雑音電力比(SINR)が、次式(13)で示す値と雑音電力とを用いて計算される。最も高いSINRであるストリームの列番号がn(k)である。
Figure 0005339865
次に、次式(14)で表わさる、数式(12)のMMSEウエイト行列のn(k)番目の行ベクトルを用いてMMSE等化が行われる。
Figure 0005339865
次のステージで用いられるH(k+1)は、H(k)からh(n(k))を差し引くことにより生成される。R(k)は、数式(1)と(2)とからR(k+1)に更新される。全体の候補の集合は、次式(15)で表わされ、kが全ストリーム数Kに達したとき決定される。
Figure 0005339865
全ての候補信号点に対してメトリックが計算され、最小メトリックの候補信号点が復号結果として選択され、希望信号に対応するストリームのみが希望ストリームの復号結果となる。
Q. H. Spencer, A. Lee Swindlehurst, Martin Haardt, "Zero-forcing Methods for Downlink Spatial Multiplexing in Multiuser MIMO Channels," IEEE Trans. Signal Processing, Vol. 52, No. 2, Feb. 2004, pp.461-471. Tomoyuki Yamada, Wenjie Jiang, Yasushi Takatori, Riichi Kudo, Atsushi Ohta, and Shuji Kubota, "Enhanced Simplified Maximum Likelihood Detection (ES-MLD) in Multiuser MIMO Downlink in Time-Variant Environment," International Symposium on Antennas and Propagation, Oct. 2007.
しかしながら、上述した従来技術によるES−MLDは、計算量を削減したMLDであり、特性の改善は得られるが、計算量が軽減されているため、実際のシステムに用いるためには、十分な特性の改善が得られない。特に、時変動によりCSITと実際のチャネル状態との乖離が大きく、干渉信号の電力が大きい場合、改善量は小さくなる。特に、希望ユーザが遠い場所に位置し、干渉ユーザが近い場所に位置する場合、干渉信号は極めて強くなるため、希望信号を正確に復号することが難しくなるという問題がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、比較的少ない計算量で希望信号を正確に復号することができる無線受信方法、及び無線受信装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明は、複数のアンテナを具備する複数の無線受信装置に対して、複数のアンテナを具備する基地局装置が同時に同一の周波数を用いて信号送信を行う無線通信システムにおける前記無線受信装置の無線受信方法において、前記複数のアンテナで希望信号と非希望信号とを含む受信信号を受信するステップと、前記基地局装置が送信する全てのストリームとの間のチャネル情報を推定するステップと、前記推定したチャネル情報に基づいて、前記受信信号に含まれる前記希望信号と前記非希望信号のうち非希望信号を復号する第1復号ステップと、前記第1復号ステップにより前記非希望信号を復号して得られた信号をレプリカとして、前記復号した非希望信号を含む受信信号から前記レプリカを減算するステップと、前記無線受信装置が具備する前記アンテナの数量と希望信号数が同一であって、前記レプリカを減算した受信信号に対してさらに復号することで前記希望信号を得る第2復号ステップとを含むことを特徴とする無線受信方法である。
本発明は、上記の発明において、前記第1復号ステップ、及び前記第2復号ステップは、SIC(Successive Interference Cancellation)法、またはES−MLD(Enhanced Simplified Maximum Likelihood Detection)法のいずれかを用いて復号することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記第2復号ステップは、MMSE(Minimum Mean Square Error)法、またはZF(Zero-Forcing)法のいずれかを用いて復号することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記第1復号ステップ及び前記第2復号ステップは、ES−MLD(Enhanced Simplified Maximum Likelihood Detection)法を用いて復号し、前記非希望信号の復号に際して、チャネル状況に応じて、前記非希望信号の候補信号の数の増減を制御することを特徴とする。
また、上述した課題を解決するために、本発明は、複数のアンテナを具備する基地局装置との間で、同時に同一の周波数を用いて信号送信を行う複数のアンテナを具備する複数の無線受信装置において、前記複数のアンテナで希望信号と非希望信号とを含む受信信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された受信信号から前記基地局装置が送信する全てのストリームとの間のチャネル情報を推定するチャネル情報推定手段と、前記チャネル情報推定手段により推定されたチャネル情報に基づいて、前記受信信号に含まれる前記希望信号と前記非希望信号のうち非希望信号を復号する第1復号手段と、前記第1復号手段により前記非希望信号を復号して得られた信号をレプリカとして、前記復号した非希望信号を含む受信信号から前記レプリカを減算する減算手段と、前記無線受信装置が具備する前記アンテナの数量と希望信号数が同一であって、前記減算手段によりレプリカが減算された受信信号に対してさらに復号することで前記希望信号を得る第2復号手段とを備えることを特徴とする無線受信装置である。
本発明は、上記の発明において、前記第1復号手段、及び前記第2復号手段は、SIC(Successive Interference Cancellation)法、またはES−MLD(Enhanced Simplified Maximum Likelihood Detection)法のいずれかを用いて復号することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記第2復号手段は、MMSE(Minimum Mean Square Error)法、またはZF(Zero-Forcing)法のいずれかを用いて復号することを特徴とする。
本発明は、上記の発明において、前記第1復号手段及び前記第2復号手段は、ES−MLD(Enhanced Simplified Maximum Likelihood Detection)法を用いて復号し、前記非希望信号の復号に際して、チャネル状況に応じて、前記非希望信号の候補信号の数の増減を制御することを特徴とする。
この発明によれば、まず、干渉信号を正確に推定してから、受信信号から干渉信号レプリカを差し引いて希望信号を抽出し、その後、希望信号のみを復号するようにしたので、干渉信号の電力が比較的大きい場合、高い確率で正確な干渉信号を抽出できるため、希望信号だけが残留するので、比較的少ない計算量で希望信号を正確に復号することができるという利点が得られる。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、ユーザ端末数を2、1ユーザ端末当たりのストリーム数を2、1ユーザ端末当たりのアンテナ数を2とする。したがって、ストリームの合計数は、4である。
図1は、本発明の実施形態によるユーザ端末の構成を示すブロック図である。図において、受信部1は、2つのアンテナ素子を備え、希望信号S4及び非希望信号S2を含む、基地局が送信する複数のストリームを受信する。したがって、時変動が存在しない場合には、2ストリームしか見えないが、時変動が存在する場合には、4ストリームが見えることになる。つまり、各ユーザ端末のチャネル行列は横長となる。チャネル情報推定部2は、基地局が送信する全てのストリームとの間のチャネル情報を推定する。
非希望信号復号部3は、推定したチャネル情報を元に受信信号S1から非希望信号S2を復号する。減算部4は、非希望信号復号部3により復号された信号S2をレプリカとして、受信部1で受信された受信信号S1から該レプリカを減算する。復号部5は、レプリカを減算した受信信号S3に対してさらに復号することで希望信号S4を取り出して出力する。
図2は、本実施形態によるユーザ端末の動作を説明するためのフローチャートである。まず、チャネル情報推定部2は、希望信号S4及び非希望信号S2を含む、基地局が送信する全てのストリーム(全ユーザ)間のチャネルを推定し(ステップS10)、非希望信号復号部3は、推定したチャネル情報を元に非希望信号S2を先に復号するようにオーダリングして、ES−MLDを施し、非希望信号S2を取り出す(ステップS11)。
次に、減算部4は、受信信号S1から干渉信号S2を差し引いて、希望信号のみが含まれる受信信号S3を生成する(ステップS12)。そして、復号部5は、希望信号のみが含まれる受信信号S3に対して、ES−MLDを施し、希望信号S4を取り出す(ステップS13)。
従来のES−MLDでは、例えば、候補の組は、[16 16 1 1]として、希望ストリームから逐次的に復号していく。ここで、候補の組の数値は、各ステージ(ストリーム)において候補として残すコンスタレーションの数を表している。しかし、干渉成分が強い場合、特性は劣化し、十分な改善効果は得られない。候補の組を[16 16 16 1]とする方法もあるが、メトリック計算が16倍になり、計算量が増えてしまう。特に、本実施形態の場合、1ユーザ端末当たり2ストリームであるから、計算量の増加が16倍であるが、1ユーザ当たりのストリーム数が増加すると、計算量の増加は、さらに大きくなる。
そこで、本実施形態では、干渉が比較的大きい場合、第1ステージで、干渉成分である非希望信号S2をまず復号し、その後、干渉成分である非希望信号S2(のレプリカ)を受信信号S1から差し引いて、第2ステージで、希望信号S4のみの受信信号S3にして復号を行うという手法をとる。ここで、干渉成分かどうかは受信した信号のプリアンブルにより判別することができる。
本実施形態では、まず、第1ステージで、干渉成分の復号のために、干渉ストリームを優先的に候補の組が[16 16 1 1]で復号しても、希望信号S4のノイズに対する電力が大きいため、正確な干渉成分である非希望信号S2の復号が可能となる確率が高い。その後、干渉成分である非希望信号S2(のレプリカ)を受信信号S1から差し引くと、希望信号S4のみを含んだ受信信号S3となる。
第2ステージでは、その希望信号S4に対して復号を行うのであるが、チャネル行列は、正方行列か、縦長行列となるため、MMSE−ZFなどの線形復号であっても、かなり良好な特性が得られる。SIC(Successive Interference Cancellation)や、候補数の少ない計算量を削減したES−MLDを用いると、さらに良好な特性が得られることが期待できる。このため、第2ステージの計算量は、比較的少なくすることができる。ゆえに、計算量の少しの増加で、従来のES−MLDでは得られない特性を得ることができる。
なお、干渉成分である非希望信号S2が希望信号S4と比べて非常に大きい場合には、第1ステージにおけるES−MLDによる復号処理において、干渉成分である非希望信号S2の候補の数を更に減らしてもよい。
また、上述した説明は、干渉成分である非希望信号S2を復号した後に、受信信号S1から干渉成分である非希望信号S2(のレプリカ)を差し引いて、希望信号S4を復号する方法であったが、干渉成分である非希望信号S2(のレプリカ)を差し引くことなく、逐次的な復号(SIC−ES−MLD)のみを行う方法であっても有効である状況が少なからず存在する。
例えば、干渉成分である非希望信号S2も、希望信号S4も強い場合、[16 16 1 1]であっても、非希望信号S2を正確に復号できる。また、希望信号S4の候補が1であるが、希望信号S4も強いので、V−BLAST(干渉信号の候補が1であるSIC)で十分正確に希望信号S4も復号することができる。
また、希望信号と非希望信号とは、受信電力の強さの順番によって、希望・非希望とに分割できない場合がある。その場合には、希望・非希望に係わらず受信電力の強い順番に、逐次的な復号を行い、それらの復号結果から希望信号の復号結果のみを用いる方法も、良好な特性を示す。
上述した実施形態によれば、まず、干渉信号を正確に推定してから、受信信号から干渉信号レプリカを差し引いて希望信号を抽出し、その後、希望信号のみを復号するようにしたので、干渉信号の電力が比較的大きい場合、高い確率で正確な干渉信号を抽出できるため、希望信号だけが残留するので、比較的少ない計算量で希望信号を正確に復号することができるという利点が得られる。
また、マルチユーザMIMOダウンリンクの時変動対策のみならず、干渉信号と希望信号とが混在している信号の場合に、本発明による方法を適用することができる。
また、干渉信号と希望信号とが混在している信号の場合に、干渉信号電力が強い場合、干渉信号に対して優先的にSIC復号を行い、或いはSIC復号の処理により十分な特性が得られない場合に計算量を削減したMLDを行えば、少ない計算量であっても干渉成分を取り除くことができるため、希望信号を正確に復号できる確率を高めることができる。
なお、ES−MLDによる複合処理では計算量を減らす効果が得られるが、候補数を減らすことによりさらに計算量を少なくすることが可能となる。
本発明の実施形態によるユーザ端末の構成を示すブロック図である。 本実施形態によるユーザ端末の動作を説明するためのフローチャートである。 従来技術による、複数の移動局(MT)に対してBD法を適用した通信システムの構成を示すブロック図である。 従来技術によるES−MLDの動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1 受信部
2 チャネル情報推定部
3 非希望信号復号部
4 減算部
5 復号部

Claims (8)

  1. 複数のアンテナを具備する複数の無線受信装置に対して、複数のアンテナを具備する基地局装置が同時に同一の周波数を用いて信号送信を行う無線通信システムにおける前記無線受信装置の無線受信方法において、
    前記複数のアンテナで希望信号と非希望信号とを含む受信信号を受信するステップと、
    前記基地局装置が送信する全てのストリームとの間のチャネル情報を推定するステップと、
    前記推定したチャネル情報に基づいて、前記受信信号に含まれる前記希望信号と前記非希望信号のうち非希望信号を復号する第1復号ステップと、
    前記第1復号ステップにより前記非希望信号を復号して得られた信号をレプリカとして、前記復号した非希望信号を含む受信信号から前記レプリカを減算するステップと、
    前記無線受信装置が具備する前記アンテナの数量と希望信号数が同一であって、前記レプリカを減算した受信信号に対してさらに復号することで前記希望信号を得る第2復号ステップと
    を含むことを特徴とする無線受信方法。
  2. 前記第1復号ステップ、及び前記第2復号ステップは、SIC(Successive Interference Cancellation)法、またはES−MLD(Enhanced Simplified Maximum Likelihood Detection)法のいずれかを用いて復号することを特徴とする請求項1記載の無線受信方法。
  3. 前記第2復号ステップは、MMSE(Minimum Mean Square Error)法、またはZF(Zero-Forcing)法のいずれかを用いて復号することを特徴とする請求項1記載の無線受信方法。
  4. 前記第1復号ステップ及び前記第2復号ステップは、ES−MLD(Enhanced Simplified Maximum Likelihood Detection)法を用いて復号し、前記非希望信号の復号に際して、チャネル状況に応じて、前記非希望信号の候補信号の数の増減を制御することを特徴とする請求項1記載の無線受信方法。
  5. 複数のアンテナを具備する基地局装置との間で、同時に同一の周波数を用いて信号送信を行う複数のアンテナを具備する複数の無線受信装置において、
    前記複数のアンテナで希望信号と非希望信号とを含む受信信号を受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信された受信信号から前記基地局装置が送信する全てのストリームとの間のチャネル情報を推定するチャネル情報推定手段と、
    前記チャネル情報推定手段により推定されたチャネル情報に基づいて、前記受信信号に含まれる前記希望信号と前記非希望信号のうち非希望信号を復号する第1復号手段と、
    前記第1復号手段により前記非希望信号を復号して得られた信号をレプリカとして、前記復号した非希望信号を含む受信信号から前記レプリカを減算する減算手段と、
    前記無線受信装置が具備する前記アンテナの数量と希望信号数が同一であって、前記減算手段によりレプリカが減算された受信信号に対してさらに復号することで前記希望信号を得る第2復号手段と
    を備えることを特徴とする無線受信装置。
  6. 前記第1復号手段、及び前記第2復号手段は、SIC(Successive Interference Cancellation)法、またはES−MLD(Enhanced Simplified Maximum Likelihood Detection)法のいずれかを用いて復号することを特徴とする請求項5記載の無線受信装置。
  7. 前記第2復号手段は、MMSE(Minimum Mean Square Error)法、またはZF(Zero-Forcing)法のいずれかを用いて復号することを特徴とする請求項5記載の無線受信装置。
  8. 前記第1復号手段及び前記第2復号手段は、ES−MLD(Enhanced Simplified Maximum Likelihood Detection)法を用いて復号し、前記非希望信号の復号に際して、チャネル状況に応じて、前記非希望信号の候補信号の数の増減を制御することを特徴とする請求項5記載の無線受信装置。
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