JP2006254235A - 無線送信装置及び無線受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 特定ユーザに対する信号品質を劣化させることなく、周波数利用効率を向上させることが可能なSDMA方式の無線無線送信装置及び無線受信装置を提供すること。
【解決手段】 基地局101からの信号を複数の端末102〜104が受信する無線通信システムの下り回線において、基地局101は、特定のユーザの端末に送信する信号電力に余裕がある場合に、不特定多数のユーザに対する共通の同一信号に余剰電力を割当て、特定ユーザへの信号に空間多重して無線ブロードキャスト送信する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のユーザに対して信号を空間多重して信号伝送を行う無線送信装置及び無線受信装置に関する。
無線通信における加入者容量を増加させる手法として、チャネルの利用効率を向上させるため、同一セル内で同一チャネルを複数のユーザに割り当てるSDMA(Space Division Multiple Access:空間分割多元接続)方式が提案されている。SDMAの実現には、同一チャネル干渉を除去する技術が必要であり、MMSE(Minimum Mean Square Error:最小2乗誤差法)基準のアダプティブアレーを用いることが一般的となっている。また、このようなアダプティブアレーを基地局に設置して、送信指向性制御を行うことで、受信時の干渉除去だけではなく、送信時の不要放射を低減し、端末の干渉除去に対する負荷を軽減できる。
一般に送信指向性制御を行う際には予め回線状況を知る必要があるが、例えばTDD(Time Division Duplex:時分割複信)方式の場合に、上下回線間のフェージング変動が小さければ、上り回線での受信パターンをそのまま適用することで不要放射を十分低減できるとされている(例えば、非特許文献1参照)。
一方、適応変調方式を用いてSNR(Signal to Noise Ratio:信号対雑音比)が高い場合の周波数利用効率を高める際、SNRがある一定値以上となると、適用できる変調多値数の限界から、それ以上に伝送速度を高速化することができないという課題に対して、余剰電力を他のユーザに空間多重して割り当てる方式もある(例えば、非特許文献2参照)。
また、TDM(Time Division Multiplexing:時分割多重)方式において、複数のユーザの中から、どのユーザに対する送信データを割り当てるか決定する方法として、それぞれのユーザにおける平均スループットに対する必要スループットの比率を求め、その比率が高いユーザから割り当てを実施するプロポーショナル・フェアネス方式等が知られている(例えば、非特許文献3参照)。
ただし、この方式をそのままSDMAに適用すると、ユーザ間干渉の影響があるために特性が劣化してしまい(例えば、非特許文献4参照)、最適なシステムスループットが得られなくなる。
宮下和巳、外4名、「TDD/SDMA方式におけるチャネル応答推定による下り回線ウェイト制御」、電子情報通信学会技術研究報告、2001年、VOL.101 NO.197(RCS2001 79−94)、P.31−36 岡坂昌蔵、三瓶政一、「TDMAシステムにおけるマルチユーザMIMO多重伝送方式に関する一検討」、電子情報通信学会大会講演論文集、2004年、VOL.2004 通信 1、p.227 Pramod Viswanath、David N. C. Tse、Rajiv Laroia、「Opportunistic Beamforming Using Dumb Antennas」、2002年、IEEE TRANSACTIONS ON INFORMATION THEORY, VOL. 48, NO. 6, JUNE 2002 田中大輔、大鐘武雄、小川恭孝、「アダプティブアレーを用いたSDMA方式におけるチャネル割当基準」、電子情報通信学会論文誌B、1999年11月、VOL.J82−B、NO.11、p.2133−2141
しかしながら、非特許文献2ではユーザ端末が複数のアンテナを有していることを前提としているため、余剰電力を他のユーザに割り当てるよりもむしろ、MIMO(Multi Input Multi Output)技術を利用し、一人のユーザに2つのストリームを送信する方がシステムとしてのスループットが高い場合があることも考慮すべきであるが、その視点が欠けている。
また、上記述べたように、プロポーショナル・フェアネス方式等をそのままSDMAに適用した場合には、ユーザ間干渉による特性劣化があるため、非特許文献2に提案されているような特定の2ユーザにデータを割り当てる場合のシステム最適化は複雑でかつ、必要とされる演算量も大きく、容易に実現することは困難である。すなわち、複数の特定ユーザに対して空間多重して最適なスループットを容易に得る方法が確立されていない。
また一方で、システム内のユーザで共有すると利便性の高いデータというものが存在する。例えば、広告や、システム内においてどのようなサービスが提供されているかを示す番組表のような信号である。このような共有情報は、ストリーム等のユーザ固有の信号と比較すると低レートで優先度の低い信号である場合が多く、わざわざ専用のチャネル(時間、周波数、符号等)を割り当てるよりもむしろ、ユーザ固有の信号に送信する電力に余裕がある場合に、余剰電力を割り当てて送信すると、周波数利用効率が向上でき、好適であるが、これまでにそのような技術がなかった。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、特定ユーザに対する信号品質を劣化させることなく、周波数利用効率を向上させることが可能なSDMA方式の無線送信装置及び無線受信装置を提供することを目的とする。
本発明の第1は、特定ユーザ向けの無線信号である特定ユーザ信号と、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とを空間的に多重する空間多重化処理手段と、前記空間多重化処理手段にて多重された信号を送信する送信手段と、を備える無線送信装置である。
この構成により、無線ブロードキャスト信号を多重させることにより、特定ユーザに対する信号品質を劣化させることなく、周波数利用効率を向上させることができる。
また、本発明の第2は、上記第1の無線送信装置であって、前記送信手段は、複数のアンテナを有する。この構成により、空間多重化処理部において特定ユーザ信号に対する無線ブロードキャスト用信号の干渉を小さくなるように処理することができる。
また、本発明の第3は、上記第2の無線送信装置であって、前記送信手段は、前記特定ユーザ信号と前記無線ブロードキャスト信号とを異なる指向性にて送信する。この構成により、特定ユーザ信号と無線ブロードキャスト信号の干渉を低減させることができる。
また、本発明の第4は、上記第3の無線送信装置であって、前記送信手段は、複数の異なる固定指向性パターンから選択して送信する。この構成により、容易な構成で、特定ユーザ信号と無線ブロードキャスト信号の干渉を低減させることができる。
また、本発明の第5は、上記第3又は第4の無線送信装置であって、前記特定ユーザの伝送路特性を推定する伝送路特性推定手段と、前記推定された伝送路特性に基づき、前記無線ブロードキャスト信号が前記特定ユーザ信号に対して与える干渉を推定する与干渉推定手段と、を更に備える。この構成により、無線ブロードキャスト信号が特定ユーザ信号に対して与える干渉を推定することができる。
また、本発明の第6は、上記第5の無線送信装置であって、前記送信手段は、前記与干渉推定手段で推定される与干渉が所定値以下となる指向性パターンにて前記無線ブロードキャスト信号の送信を行う。この構成により、特定ユーザ信号の品質の劣化を防ぐことができる。
また、本発明の第7は、上記第4の無線送信装置であって、前記複数の固定指向性パターンの各々には、互いに直交した信号が割り当てられる。この構成により、互いに干渉が発生せずしないため、特定ユーザ信号及び無線ブロードキャスト信号の劣化を防ぐことができる。
また、本発明の第8は、上記第3の無線送信装置であって、前記送信手段は、前記特定ユーザ信号を送信する指向性パターンを決定する第一の指向性パターン決定手段と、前記無線ブロードキャスト信号を送信する指向性パターンとして、少なくとも前記特定ユーザ信号の指向性パターンには、ヌルが形成された指向性パターンを決定する第二の指向性パターン決定手段とを備える。この構成により、特定ユーザ信号を受信する対象の端末において、無線ブロードキャスト信号からの干渉の発生を防ぐことができる。
また、本発明の第9は、上記第3の無線送信装置であって、前記空間多重化処理手段は、前記特定ユーザの無線受信装置による伝送路特性を取得する伝送路特性取得手段と、前記伝送路特性を特異値分解する特異値分解手段と、前記特異値分解された伝送路特性における最大特異値に対応する右特異ベクトル列を前記特定ユーザ信号に乗ずる第一の乗算手段と、前記最大特異値に対応する右特異ベクトル列以外の右特異ベクトル列の内の1つを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された右特異ベクトル列を、前記無線ブロードキャスト信号に乗ずる第二の乗算手段と、前記第一の乗算手段から出力された信号と第二の乗算手段から出力された信号とを加算する加算手段と、を有する。
この構成により、無線ブロードキャスト信号と特定ユーザ信号とが直交しており、干渉を与えないため、特定ユーザ向けの信号に対して必要な伝送レートを確保できる上に、余剰電力を無線ブロードキャスト信号に割り振ることで、空間多重送信が可能となる。
また、本発明の第10は、上記第9の無線送信装置であって、前記空間多重化処理手段は、前記特定ユーザ信号の品質が所望のレベルを満たすように、前記特定ユーザ信号の電力と前記無線ブロードキャスト信号の電力との比を制御する電力配分制御手段を更に有する。この構成により、特定ユーザ信号の品質を劣化させることなく無線ブロードキャスト信号を空間多重することができる。
また、本発明の第11は、上記第10の無線送信装置であって、前記第一の乗算手段出力信号の電力が、前記特定ユーザ信号が一定の信号品質を満たすのに必要な電力であり、前記第二乗算手段出力の電力が、送信可能な最大電力からの前記特定ユーザ信号に必要な電力の差分である。
また、本発明の第12は、上記第10又は第11の無線送信装置であって、前記電力配分制御手段は、特定ユーザ信号を受信する無線受信装置における受信信号品質を取得し、前記受信信号品質を用いて、前記特定ユーザ信号の品質が前記所望のレベルを満たすのに必要な電力の算定を行う。この構成により、特定ユーザの無線受信装置における受信信号品質に基づいて電力の算定を行うので、特定ユーザ信号の品質を劣化させることなく無線ブロードキャスト信号を空間多重することができる。
また、本発明の第13は、上記第3の無線送信装置であって、前記特定ユーザ信号を受信する無線受信装置による伝送路特性を取得する伝送路特性取得手段と、前記取得した伝送路特性を特異値分解する手段と、前記特異値分解手段から出力された特異値分解情報と、受信信号品質と、送信要求情報とを入力として、前記特定ユーザ信号用の多重ストリーム数と、それぞれのストリームに割り当てる電力と、総割当電力とを決定するチャネル容量最大化電力配分手段と、前記特異値分解手段により分解された特異値分解情報における信号部分空間の右特異ベクトル列を前記チャネル容量最大化電力配分手段で決定された電力配分に制御する第一の利得制御手段と、前記特定ユーザ信号を前記チャネル容量最大化電力配分手段で決定されたストリーム数分に並列化する並列化手段と、前記並列化手段出力で並列化された、それぞれのストリームに対して、前記第一の利得制御手段からの出力を乗ずる第一の乗算手段と、前記特異値分解手段にて対応する特異値のない右特異ベクトル列と、前記チャネル容量最大化電力配分手段にて信号電力が割り当てられなかった信号部分空間の右特異ベクトル列との内、1つの右特異ベクトル列を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された右特異ベクトル列を、前記無線ブロードキャスト信号に乗ずる第二の乗算手段と、前記第二の乗算手段の出力が、送信可能最大電力から前記総割当て電力との差分となるように電力を制御する第二の利得制御手段と、前記第一の乗算手段から出力された信号と第二の乗算手段から出力された信号とを加算する加算手段と、を有する。
この構成により、無線ブロードキャスト信号と特定ユーザ信号とが直交しており、干渉を与えないため、特定ユーザ向けの信号に対して必要な伝送レートを確保することができる。また、特定ユーザに送信する信号電力に余裕がある場合に、特定ユーザ信号に加え、無線ブロードキャスト信号に余剰電力を割り当てて空間多重することで、チャネル容量を最大化させることができる。
また、本発明の第14は、上記第9又は第13の無線送信装置であって、前記選択手段は、前記右特異ベクトル列をランダムに選択する。この構成により、どのユーザも、平均的に一定の信号品質を満たすことができる。
また、本発明の第15は、上記第9又は第13の無線送信装置であって、前記選択手段は、周期的に選択する右特異ベクトル列を変更する。この構成により、すべてのユーザの品質を平均的に同じにすることが容易に可能である。
また、本発明の第16は、上記第8ないし第13のいずれかの無線送信装置であって、前記無線ブロードキャスト信号を時空間ブロック符号化する時空間ブロック符号化手段と、前記選択手段から出力された複数の右特異ベクトル列と、前記時空間ブロック符号化手段の出力信号とを乗ずる複数の乗算手段と、前記複数の乗算手段からの出力の各々を加える加算手段と、を有する。この構成により、送信ダイバーシチ効果を高めることができる。
また、本発明の第17は、上記第1ないし第16のいずれかの無線送信装置であって、前記送信手段は、特定ユーザ信号又は前記無線ブロードキャスト信号のいずれか一方を受信側でキャンセルするためのパイロット信号を送信する。この構成により、受信側は、自装置が特定ユーザ信号宛か否かに応じて容易にキャンセル処理を行うことができる。
また、本発明の第18は、上記第17の無線送信装置であって、前記パイロット信号は、前記特定ユーザ信号を送信する場合の指向性で送信する第一のパイロット信号と、前記無線ブロードキャスト信号を送信する場合の指向性で送信する第二のパイロット信号とを含む。この構成により、第一及び第二のパイロット信号間の干渉を抑えることができる。
また、本発明の第19は、上記第18の無線送信装置であって、前記送信手段は、前記第一のパイロット信号と前記第二のパイロット信号とを異なる時間に送信する。この構成により、第一及び第二のパイロット信号間の干渉を抑えることができる。
また、本発明の第20は、上記第19の無線送信装置であって、前記送信手段は、第一のパイロット信号又は前記第二のパイロット信号を送信している間、前記特定ユーザ信号及び前記無線ブロードキャスト信号の送信を行わない。この構成により、パイロット信号が特定ユーザ信号又は無線ブロードキャスト信号の影響を受けないため、精度の高いチャネル推定を行うことができる。
また、本発明の第21は、上記第19の無線送信装置であって、前記空間多重化処理手段は、前記パイロット信号及び前記無線ブロードキャスト信号復調用のパイロット信号を、前記特定ユーザ信号に多重する。この構成により、伝送効率を高めることができる。
また、本発明の第22は、上記第1ないし第21のいずれかの無線送信装置であって、前記無線ブロードキャスト信号は、通信を行っている周波数チャネル及びその他の周波数チャネルのトラヒックを示す情報を含む。この構成により、受信側において、通信を行っている周波数チャネル及びその他の周波数チャネルのトラヒックを把握することができ、例えば、各ユーザはトラヒックの状況に応じて周波数チャネルを切り替えたりすることができるので、周波数の有効利用につながる。
また、本発明の第23は、上記第1ないし第22のいずれかの無線送信装置であって、前記無線ブロードキャスト信号は、広告情報を含む。この構成により、上記の無線送信装置を含むネットワークの商用的な価値が向上する。
また、本発明の第24は、上記第1ないし第23のいずれかの無線送信装置であって、前記無線ブロードキャスト信号は、ネットワークでサービスしている内容の概略を示す情報を含む。この構成により、受信側は、ネットワークでサービスしている内容を常に把握でき、スムーズなサービス選択が可能となるため、利便性が向上する。
また、本発明の第25は、上記第1ないし24のいずれかの無線送信装置であって、前記無線ブロードキャスト信号は、前記多重された信号の送信先となる複数の無線受信装置により測定された他の無線受信装置宛ての下り回線信号の受信電界強度を含む信号である。この構成により、受信側は、アドホックモードのように、基地局やアクセスポイントを介さずに直接端末同士で通信する場合の補助情報として使用することができる。
本発明の第26は、特定ユーザ向けの無線信号である特定ユーザ信号と、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とが空間的に多重された信号を受信する受信手段と、前記受信した特定ユーザ信号と前記無線ブロードキャスト信号との比が所定値以下である場合のみ信号を復調する復調手段と、を備える無線受信装置である。
この構成により、例えば、上記第1ないし25のいずれかの無線送信装置から、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とが空間的に多重された信号を受信した場合に好適に復調することができる。
また、本発明の第27は、上記第26の無線受信装置であって、前記受信手段は複数のアンテナを有する。この構成により、受信特性を向上させることができる。
本発明の第28は、特定ユーザ向けの無線信号である特定ユーザ信号と、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とが空間的に多重された信号を受信する受信手段と、前記多重された信号を送信する複数の送信アンテナと、前記受信手段が有する複数の受信アンテナとの間のチャネル特性を推定するチャネル特性推定手段と、前記チャネル特性推定手段出力を特異値分解する特異値分解手段と、前記特異値分解手段で得られる左特異ベクトル列をそれぞれのアンテナ出力に乗ずる複数の乗算手段と、前記複数の乗算手段出力を加える加算手段と、前記加算手段出力から送信ストリームを復調する復調手段と、を備える。
この構成により、例えば、上記第1ないし25のいずれかの無線送信装置、特に上記第9又は13の無線送信装置から、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とが空間的に多重された信号を受信した場合に好適に復調することができる。
本発明の第29は、特定ユーザ向けの無線信号である特定ユーザ信号と、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とが空間的に多重された信号を受信する受信手段と、固有ビーム送信されている場合に、前記多重された信号を送信する複数の送信アンテナと、前記受信手段が有する複数の受信アンテナとの間のチャネル特性を推定するチャネル特性推定手段と、前記チャネル特性推定手段出力を入力とし、送信されているストリームを分離抽出する干渉キャンセル手段と、前記干渉キャンセル手段出力から前記送信ストリームを復調する復調手段と、を備える。
この構成により、例えば、上記第1ないし25のいずれかの無線送信装置、特に上記第9又は13の無線送信装置から、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とが空間的に多重された信号を受信した場合に好適に復調することができる。
また、本発明の第30は、上記第29の無線受信装置であって、前記干渉キャンセル手段は、前記特定ユーザ信号を抽出するものである。この構成により、特定ユーザ信号の対象となった場合、特定ユーザ信号を抽出して復調することができる。
また、本発明の第31は、上記第28ないし30のいずれかの無線受信装置であって、前記復調手段の前段に設けられた時空間ブロック復号手段を更に備える。この構成により、例えば、上記第16の無線送信装置から、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とが空間的に多重された信号を受信した場合に好適に復調することができ、送信ダイバーシチ効果を高めたシステムを構築することができる。
また、本発明の第32は、上記第29の無線受信装置であって、前記干渉キャンセル手段は、前記特定ユーザ信号をキャンセルして前記無線ブロードキャスト信号を抽出するものであり、前記干渉キャンセル手段の後段に設けられた無線ブロードキャスト信号のチャネル特性を推定する第二のチャネル特性推定手段を更に備え、前記復調手段は、前記干渉キャンセル手段から出力された前記無線ブロードキャスト信号を、前記第二のチャネル特性推定手段で推定されたチャネル特性に基づいて復調する。この構成により、特定ユーザ信号の対象ではない場合、無線ブロードキャスト信号を抽出して復調することができる。
また、本発明の第33は、上記第29の無線受信装置であって、前記特定ユーザ信号が自装置向けか否かに応じて動作を切り替える動作切替手段と、前記干渉キャンセル手段の後段に設けられた無線ブロードキャスト信号のチャネル特性を推定する第二のチャネル特性推定手段を更に備え、前記切替手段は、前記特定ユーザ信号が自装置向けである場合には、前記干渉キャンセル手段に、前記特定ユーザ信号を抽出するように動作させ、前記特定ユーザ信号が自装置以外向けである場合には、前記干渉キャンセル手段に、前記特定ユーザ信号をキャンセルして前記無線ブロードキャスト信号を抽出させ、前記復調手段は、前記特定ユーザ信号が自装置以外向けである場合に、前記干渉キャンセル手段から出力された前記無線ブロードキャスト信号を、前記第二のチャネル特性推定手段で推定されたチャネル特性に基づいて復調する。この構成により、特定ユーザ信号が自装置向けか否かに応じて動作を切り替えることができる。
本発明の第34は、上記第26ないし第33のいずれかの無線受信装置であって、他の無線受信装置宛ての下り回線信号の自受信電界強度を測定するアンテナ毎電力測定部と、前記他の無線受信装置と前記受信電界強度とを対応付ける対応付け部と、を含む。
この構成により、無線ブロードキャスト信号に含まれる情報を使用して、アドホックモードのように、基地局やアクセスポイントを介さずに直接端末同士で通信するシステムを構築することができる。
本発明によれば、特定ユーザに対する信号品質を劣化させることなく、周波数利用効率を向上させることが可能なSDMA方式の無線送信装置及び無線受信装置を提供することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの概略構成の第1例を示す図である。本実施形態の通信システムは、基地局101と、端末102、103、104とを有して構成される。基地局101は端末102に向けて特定ユーザ向けの信号を送信している(図1の実線で示される指向性パターン)と同時に、端末103、104などのような不特定ユーザ向けの無線ブロードキャスト信号も空間的に多重して送信している(図1の点線で示される指向性パターン)。
図2は、本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置の第1例を示すブロック回路図である。なお、この無線送信装置は、図1における基地局101に設けられるものである。図2に示すように、本実施形態の第1例の無線送信装置は、選択部201、空間多重処理部202、M個(M≧2)の送信アンテナ203(1)〜203(M)を備える。
図2において、本発明の無線送信装置と通信するユーザの数をLとしている。選択部201では各ユーザからの送信要求レート及び過去の平均送信レート等が含まれる受信品質を取得し、例えば、プロポーショナル・フェアネス方式等により、次に送信すべきユーザをLユーザの中から決定する。図2において、「DATA_X」は、ユーザX(1≦X≦L)に送信するためのデータである。
空間多重処理部202には、選択部201により選択されたユーザの信号と、無線ブロードキャスト用の信号(図2における「Broadcast Data」)とが入力される。そして、空間多重処理部202は、入力された特定ユーザ向けの信号と、無線ブロードキャスト用信号とを空間的に多重する処理を行う。
なお、後段のアンテナ、すなわち送信アンテナ203は、必ずしも複数である必要はないが、複数とすると、空間多重処理部において特定ユーザ向け信号に対する無線ブロードキャスト用信号の干渉を小さくなるように処理することができ、好適である。
例えば、図1に示すように、特定ユーザ向け信号を送信するアンテナは狭い指向性を有し、無線ブロードキャスト用信号を送信するアンテナは指向性のないオムニとするようにすると、容易に空間多重が可能となる。なお、特定ユーザの位置に応じて、アンテナの指向性の方向が電気的又は機械的に変化できるような構成としておくと、あらゆる位置のユーザに対して特定ユーザ向け信号の送信が可能となり、好適である。
また、無線送信装置は、狭い指向性の固定指向性アンテナを複数有していてもよい。図3は、本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置のアンテナ指向性の一例を示す図であり、基地局が、複数の固定指向性アンテナを有する無線送信装置を備えた場合を示している。基地局は、特定ユーザ向け信号を送信する端末に対して最適なアンテナを選択し(図3のB1)、無線ブロードキャスト信号の送信は選択したアンテナ以外のアンテナ(図3のB2〜B8)から送信するようにすると、特定ユーザ向け信号と無線ブロードキャスト信号の干渉が低減でき好適である。ここで、それぞれの固定指向性アンテナから送信する信号が直交するように設定しておくと、各々の指向性間の干渉が発生せず好適である。
図4は、本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置の第2例を示すブロック回路図である。図4に示すように、本実施形態の第2例の無線送信装置は、M個のアンテナ401(1)〜401(M)と、空間多重化処理部402と、重み付けベクトル発生部403とを備える。
空間多重化処理部402は、図2に示す選択部201により選択された特定ユーザ向け信号と、無線ブロードキャスト信号とを空間多重する。この時の重み付けベクトルは重み付けベクトル発生部403から入力されたものであり、空間多重化処理部402は、重み付け後の特定ユーザ向けチャネル特性と無線ブロードキャスト向けチャネル特性との相互相関を求めることで、特定ユーザ向け信号に与える無線ブロードキャスト信号の干渉の大きさが検出できる。
そこで、この干渉が所定値以上の場合には、特定ユーザ向け信号の品質が劣化してしまうことを防ぐために、無線ブロードキャスト信号の送信を停止する、又は、干渉が所定値以下となる指向性パターンにて無線ブロードキャスト信号の送信をすることも好適である。
なお、干渉推定方法としては、上記の他に、受信側(図1、図3の例では端末)において特定ユーザ向け信号を受信する際に干渉成分の大きさを推定し、送信側(図1、図3の例では基地局)にフィードバックさせる方法も考えられる。
図5は、本発明の第1の実施形態に係る無線受信装置の一例を示すブロック回路図である。この無線受信装置は、例えば、基地局と通信を行う端末に設けられるものである。図5に示すように、本実施形態の無線受信装置は、N個(本実施形態では、2≦N≦M)の受信アンテナ1301(1)〜1301(N)と、チャネル推定部1302と、干渉キャンセル部1303と、復調部1304と、チャネル推定部1401とを備える。
受信アンテナ1301(1)〜1301(N)は、無線送信装置から、特定ユーザ向けの無線信号である特定ユーザ信号と、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とが空間的に多重された信号を受信する。この受信アンテナ1301は、必ずしも複数である必要はないが、複数設けることにより、受信特性を向上させることができる。
チャネル推定部1302は、受信アンテナ1301(1)〜1301(N)において受信した受信信号の各々に基づいてチャネル推定を行う。
干渉キャンセル部1303は、自端末が特定ユーザの場合には、多重されている無線ブロードキャスト信号をキャンセルし、自端末が特定ユーザ以外のユーザである非特定ユーザの場合には、特定ユーザ向け信号をキャンセルする。
このとき、特定ユーザ向け信号と無線ブロードキャスト信号とは、別々の重み付けがなされて送信されているため、無線送信装置は特定ユーザ向け信号及び無線ブロードキャスト信号にパイロット信号を挿入し、空間多重化処理部及び送信アンテナを介して送信し、無線受信装置のチャネル推定部1302においてそれぞれのチャネル特性行列が得られるようにしておくとよい。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る送信フレームフォーマットの一例を示す図である。図6に示すように、始めに、特定ユーザ向けの重み付けがなされたパイロット信号と、無線ブロードキャスト向けの重み付けがなされたパイロット信号とが送信される。無線受信装置では、これらのパイロット信号はキャンセル用のパイロット信号として用いる。無線送信装置は、これらのキャンセル用パイロット信号を、互いに干渉を与えないために、別々の時間で送信することが好ましい。
干渉キャンセル部1303は、チャネル推定部1302により推定されたチャネル特性に基づいて、チャネル特性行列の逆行列を乗ずるZF(Zero-forcing)方式や雑音強調を抑制するMMSE(Minimum Mean Square Error:最小2乗誤差法)方式等を用いて、干渉をキャンセルする。もちろん、最尤系列推定方式や連続干渉キャンセル方式(例えば、BLAST:Bell Labs Layered Space-Time Architecture)とすると、回路規模は大きくなるものの、より大きなダイバーシチ利得が得られることで特性が改善するため、好適である。
そして、図6に示すように、キャンセル用パイロット信号の後に続いて、特定ユーザ向け重み付けによるパイロット信号と無線ブロードキャスト向け重み付けによるパイロット信号とが送信される。無線受信装置では、これらのパイロット信号を復調用として用いる。なお、干渉キャンセル部1303において干渉をキャンセルしているので、復調用のパイロット信号は、図6のように多重して送信することにより、伝送効率が高まる。
チャネル推定部1401は、受信した復調用パイロット信号(特定ユーザの場合は特定ユーザ向け重み付けによるパイロット信号、非特定ユーザの場合には無線ブロードキャスト向け重み付けによるパイロット信号)からチャネル特性を推定する。復調部1304は、チャネル推定部1401において推定されたチャネル特性に基づいて、パイロット信号に続いて受信する特定ユーザ向け信号又は無線ブロードキャスト信号を復調する。
なお、干渉キャンセル部1303の別の動作として、チャネル特性推定部1302にて推定したチャネル特性を特異値分解し、ヌル空間を張る左特異ベクトルを入力信号に乗ずることで、特定ユーザ向け信号をキャンセルさせることも可能である。
また、送信フレームフォーマットは、図7に示すものとしてもよい。図7は、本発明の第1の実施形態に係る送信フレームフォーマットの他の例を示す図である。図7に示すように、間欠的に無線ブロードキャスト信号の送信を停止させてもよい。このとき、無線受信装置の干渉キャンセル部1303は、その停止時間において受信信号の自己相関行列を求め、求めた自己相関行列を特異値分解し、最小固有値に対応する左特異ベクトルを受信信号に乗ずることで、特定ユーザ向け信号をキャンセルし、キャンセル後の信号から無線ブロードキャスト信号を復調するような構成も可能である。
更に、TDD(Time Division Duplex:時分割複信)や受信側からのフィードバック信号等により、送受でチャネル特性を共有できる場合について説明する。図8は、本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置の第3例を示すブロック回路図であり、TDD方式に対応した通信装置における送信系(無線送信装置)の構成例を示している。
図8に示すような無線送信装置とすることで、特定ユーザに対してヌルが形成されるような重み付けベクトルによって、無線ブロードキャスト信号を重み付けすることが可能となり、特定ユーザ向け信号を受信する対象の端末においては、無線ブロードキャスト信号からの干渉が発生せず、好適である。
この場合の指向性パターンは図9に示すようなものとなる。図9は、本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置の第3例におけるアンテナ指向性を示す図である。図9に示すように、特定ユーザに対してヌルが形成される。ヌルの形成方法としては、特定ユーザの受信端におけるチャネル特性をもとにZF法又はMMSE法を用いると好適である。
図8に示すように、本実施形態の第3例の無線送信装置は、アンテナ401(1)〜401(M)と、空間多重化処理部402と、切替え部501と、チャネル推定部502と、容量最大化部503と、ヌル形成部504とを備える。
切替部501は、TDD方式に対応し、送信タイミングと受信タイミングに応じて送信系及び受信系を切り替える。そして、チャネル推定部502は、切替部501を介して受信した受信信号からチャネル特性を推定する。
容量最大化部503は、チャネル推定部502にて推定された、特定ユーザ向け信号を送信する対象の端末と基地局の間の伝送路におけるチャネル特性に基づいて、チャネル容量を最大化させるための特定ユーザ向け信号に対する重み付けベクトルを求める。そして、求まった重み付けベクトルは、ヌル形成部504と空間多重化処理部402に入力される。
ヌル形成部504は、特定ユーザに対してヌルが形成されるような重み付けベクトルを求め、空間多重化処理部402に入力する。
空間多重化処理部402は、特定ユーザ向け信号及び無線ブロードキャスト信号のそれぞれの信号に対して、容量最大化部503及びヌル形成部504から入力された重み付けベクトルを乗じた後に加え、送信信号として各アンテナから出力させる。
なお、チャネル容量を最大化させる容量最大化部に代えて、所要品質を満たすように電力を割り当てる電力割当て部に置き換えると、回路規模が小さく好適である。
図10は、本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置の第4例を示すブロック回路図である。なお、図8と重複する部分については、同一の符号を付す。図10に示すように、本実施形態の第4例の無線送信装置は、それぞれの端末毎のチャネル推定結果を記憶する記憶部601を更に備えることで、特定ユーザ向け信号を送信する対象となった端末に対する過去のチャネル推定結果が容易に出力することができるものである。
図8及び図10に示す本実施形態の第3例及び第4例の無線送信装置から送信された信号に対する無線受信装置における受信処理に関しては、図9に示すように、特定ユーザに対して無線ブロードキャスト信号の指向性にはヌルが形成されており、干渉が無視できるため、特定ユーザは通常の無線受信装置の構成でよい。一方で、無線ブロードキャスト信号を受信する非特定ユーザの場合には、図5に示すような構成とし、干渉キャンセル部1303にて、特定ユーザ向け信号をキャンセルする。
したがって、本実施形態の第3例又は第4例の無線送信装置のような、無線ブロードキャスト信号にヌルを形成可能な場合における送信信号のフォーマットとしては図11に示されるようなものが想定される。図11は、本発明の第1の実施形態に係る送信フレームフォーマットの一例を示す図である。なお、無線受信装置の構成としては、図5に示される構成について説明する。
多重された信号のキャンセルが必要となる無線受信装置は、無線ブロードキャスト信号を受信する非特定ユーザである。したがって、このような無線受信装置において特定ユーザ信号をキャンセルできるよう、まず、無線送信装置は、特定ユーザ向け重み付けによるパイロットを送信し、無線受信装置は、チャネル推定部1302においてチャネル特性を推定して、干渉キャンセル部1303は干渉をキャンセルする。
そして、無線送信装置は、特定ユーザ用に特定ユーザ向け信号を送信し、また、無線ブロードキャスト向け重み付けがされた復調用パイロット信号に続いて無線ブロードキャスト信号を送信する。無線受信装置においては、チャネル推定部1401は、干渉となる特定ユーザ向け信号のキャンセル後に、復調用に送信される無線ブロードキャスト信号向け重み付けがなされたパイロット信号から伝送路特性を推定し、復調部1304は、推定された伝送路特性に基づいて復調を行う。
このとき、図11に示すように、復調用パイロット信号は、特定ユーザ向け信号と多重されて伝送されると、伝送効率が高まり、好適である。
また、本実施の形態で述べた非特定ユーザ向けの無線ブロードキャスト信号は、非特定ユーザに限定されるものでなく、特定のグループに対する無線ブロードキャスト信号としても良く、もしくは特定ユーザへの信号として割り当てても良い。
(第2の実施形態)
図12は本発明の第2の実施形態に係る無線送信装置の第1例を示すブロック回路図である。図2に示すように、本実施形態の第1例の無線送信装置は、選択部701と、チャネル特性記憶部702と、特異値分解部703と、チャネル容量最大化電力配分部704と、マッピング部705と、乗算部706と、利得制御部707と、列ベクトル選択部708と、乗算部709と、利得制御部711と、電力配分制御部712と、加算部713と、アンテナ振り分け部714と、M個の送信アンテナ715(1)〜715(M)とを備える。
図12において、本発明の無線送信装置と通信するユーザの数をLとしている。選択部701では各ユーザからの送信要求レート及び過去の平均送信レート等が含まれる受信品質を得て、例えば、プロポーショナル・フェアネス方式等により、次に送信すべきユーザをLユーザの中から決定する。決定されたユーザの信号のみが後段のマッピング部705に入力されると共に、どのユーザが選択されたかを示す信号がチャネル特性記憶部702に入力される。
チャネル特性記憶部702では各ユーザの過去のチャネル特性が逐次更新・記憶されており、選択されたユーザの最新のチャネル特性が特異値分解部703に出力される。送信アンテナ数がMで、端末等の無線受信装置に設けられる受信アンテナ数をNとしたとき、記憶されているチャネル特性は[M×N]の行列で表される。なお、本実施形態では複信方式がTDDまたは、受信側からのフィードバック情報等で受信端末におけるチャネル特性が得られることを前提とした場合について説明する。
特異値分解部703では、入力された[M×N]の行列で示されるチャネル特性を特異値分解し、対角成分であるN個の特異値がチャネル容量最大化電力配分部704に入力される。チャネル容量最大化電力配分部704には受信品質信号及び送信要求情報も入力されている。そして、特異値分解部703は、入力されたN個の特異値と、受信品質信号と、送信要求情報とに基づいて、例えば、Water-fillingアルゴリズムに基づいて空間多重すべきストリーム数K(1≦K≦N)と、多重するストリームの電力配分と、総電力とを決定する。
電力の決定方法として、まず、チャネル容量最大化電力配分部704は、チャネル特性から信号対雑音比に対する理論的なチャネル容量の式又は換算テーブルを作成する。続いて、作成した式又は換算テーブルを基にユーザが要求している伝送レート、すなわちチャネル容量を達成するのに必要な信号対雑音比を求める。このとき、誤り訂正符合化率を考慮して信号対雑音比を求めるようにしておく。更に、必要な信号対雑音比と、実際の受信信号品質との差分を求め、必要な送信電力(=総電力)を決定する。続いて、決定された送信電力において、チャネル容量を最大化するようにストリーム毎の電力配分及び変調多値数を決定する。なお、総電力の最大値は装置として送信可能な最大電力である。
マッピング部705ではチャネル容量最大化電力配分部704からの多重ストリーム数信号に基づき、多重ストリーム数分のマッピングを行う。そして、それぞれのストリームについて、決定された電力配分に基づいた変調多値数が決定され、多値変調信号として複素空間ダイヤグラム上にマッピングされる。マッピングされたストリーム[s_1、s_2、…、s_K]は乗算部706に入力される。
特異値分解部703で得られた第1番目〜第K番目の右特異ベクトル列の転置([M×K]行列)は、チャネル容量最大化電力配分部704で決定された電力配分に基づき、利得制御部707において、それぞれのベクトル毎に重み付けがなされた後に、乗算部706においてストリームと乗ぜられ、要素数MのベクトルがKストリーム分だけ出力される。このベクトルをKストリーム分加算して、そのまま各アンテナ715(1)〜715(M)に振り分ければ、通常の固有ビーム送信となる。本実施形態では、この固有ビームに干渉を与えない無線ブロードキャスト信号を以下のような構成で多重する。
まず、特異値分解部703で得られるM個の右特異ベクトルのうち、第(M−N)+1列目から第M列目までの右特異ベクトルと、チャネル容量最大化電力配分部704でストリームとして割り当てられなかった(N−K)個の右特異ベクトルとが、列ベクトル選択部708に入力される。
列ベクトル選択部708では入力された合計(M−K)個の右特異ベクトルから1つのベクトルを選択して乗算部709に出力する。乗算部709において、無線ブロードキャスト信号に対してベクトルを乗じ、M個のアンテナから送信されるようにする。
列ベクトル選択部708における右特異ベクトルの選択方法としては、特に限定されるものではないが、一例としては、ランダム的に抽出する方法等が考えられる。ランダム的に抽出すると、どのユーザも平均的には一定の信号品質を満たせるようになり、好適である。また、他の例として、一定周期ごとに選択する列ベクトルの位置を変更させることも、すべてのユーザの品質を平均的に同じにすることが容易にでき、好適である。
乗算器709から出力された無線ブロードキャスト用信号は、電力配分制御部712が指定する電力となるように利得制御部711で制御される。電力配分方法としては、チャネル容量最大化電力配分部704で決定した総電力Pnが最大電力Pmに満たない場合、Pm−Pnを無線ブロードキャスト用信号電力として配分するようにする。
ここで、無線ブロードキャスト信号は選択されたユーザに対しては直交しており、干渉を与えないため、選択されたユーザが必要な伝送レートを確保できる上に、余剰電力を無線ブロードキャスト信号に割り振ることで、空間多重送信が可能となる。
なお、無線送信装置は図13に示すように、チャネル容量最大化電力配分部704を省略した構成としてもよい。図13は、本発明の第2の実施形態に係る無線送信装置の第2例を示すブロック回路図である。
この場合、特異値分解部703から特定ユーザ向け信号に乗ずる乗算部706に出力される右特異値ベクトルは、送信したいストリーム数分のみとする。このとき、特異値分解部703は、大きな特異値に対応するベクトル列を出力すると、伝送特性に優れ、好適である。また、列ベクトル選択部708に出力するベクトル列は乗算部706に出力しなかった残りのベクトル列とする。
また、無線送信装置の他の例としては、図14に示すものも考えられる。図14は、本発明の第2の実施形態に係る無線送信装置の第3例を示すブロック回路図である。図14に示すように、特異値分解部703から複数の右特異値ベクトルを出力し、固有ビーム生成部901にて固有ビームを生成するようにすると、特定ユーザ向け信号に対して送信ダイバーシチ効果を得ることができ、好適である。固有ビーム生成部901では、入力されたベクトル列を特異値分解し、送信したいストリーム数に対応する右特異値ベクトルを固有ビームとして出力すればよい。
図15は、本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の第1例を示すブロック回路図を示す図であり、選択されたユーザが自分宛ての信号を受信する場合(自装置が特定ユーザ向け信号を受信する場合)の構成を示す。
図15に示すように、本実施形態の第1例の無線受信装置は、N個の受信アンテナ1001(1)〜1001(N)と、チャネル推定部1002と、特異値分解部1003と、N個の乗算部1004(1)〜1004(N)と、加算部1005、復調部1006を備える。なお、選択されたユーザの受信方法は通常の固有ビーム伝送の場合と同じである。
チャネル推定部1002において[M×N]のチャネル特性行列を得る。なお、チャネル特性を容易に推定するために、無線送信装置は、送信信号に既知のパイロット信号を含ませておくと、無線受信装置におけるチャネル推定に好適である。
図15に示すような特異値を利用して受信する装置に対しては、図16に示すような送信フレームフォーマットが適用可能である。図16は、本発明の第2の実施形態に係る送信フレームフォーマットの一例を示す図である。図16に示すように、無線送信装置は、まず、既知のパイロット信号をオムニ送信し、その後、特定ユーザ向け信号と、パイロット信号及びそれに続く無線ブロードキャスト信号とを、多重して送信する。なお、特定ユーザ向け信号は固有ビーム送信、パイロット信号はオムニ送信で送信する。
チャネル推定部1002は、N個のアンテナ1001(1)〜1001(N)で受信した受信信号に対してチャネル推定を行う。特異値分解部1003は、チャネル推定部1002から出力されたチャネル特性行列を特異値分解し、送信側で多重されているK個の左特異ベクトル列をそれぞれ乗算部1004(1)〜1004(N)に入力する。
そして、乗算部1004(1)〜1004(N)は、アンテナ1001(1)〜1001(N)から出力された受信信号毎に、特異値分解部1003から出力された左特異ベクトル列を乗算する。加算部1005は、ストリームごとに、乗算器1004(1)〜1004(N)からの出力を加算し、復調部1006においてストリームごとに復調される。ここで、ストリーム多重数Kは送信側で決定されるものであるが、受信側にも伝送して共有しておく必要があり、多重送信する前になんらかの形で伝送しておくとよい。
図17は、本発明の第2の実施形態に係る送信フレームフォーマットの一例を示す図であり、図18は、本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の第2例を示すブロック回路図である。
無線送信装置は、図17に示すように、特定ユーザ向け信号に乗じた右特異値ベクトルによって固有ビーム伝送しているストリームごとにパイロット信号を挿入し、ストリームごとのチャネル特性を推定できるような送信フォーマットを送信すると、図18に示す無線受信装置のような干渉キャンセラによる受信も可能となる。
送信信号のフォーマットとしては、特定ユーザに加え、無線ブロードキャスト信号を受信するユーザもチャネル特性を推定できるように、固有ビームによってパイロット信号を送信しておく。特定ユーザはこの固有ビーム伝送パイロット信号によって、ストリームごとのチャネル特性を推定する。
図18に示すように、本実施形態の第2例の無線受信装置は、特定ユーザ向け信号を復調するための構成例を示すものであり、N個の受信アンテナ1301(1)〜1301(N)と、チャネル推定部1302と、干渉キャンセル部1303と、復調部1304とを備える。図5に示す無線受信装置と重複する部分については同一の符号を付す。
干渉キャンセル部としては推定されたチャネル行列の逆行列を乗ずるZF方式や、雑音強調を抑制するMMSE方式等がある。もちろん、最尤系列推定方式や連続干渉キャンセル方式(例えばBLAST)とすると、回路規模は大きくなるものの、より大きなダイバーシチ利得が得られることで特性が改善するため、好適である。
なお、特定ユーザ以外のユーザである非特定ユーザが、無線ブロードキャスト信号を受信する場合の構成は図5のように示される。図18の特定ユーザ用との違いは、チャネル推定部1401が干渉キャンセル部の後段にも設けられていることである。
特定ユーザ以外のユーザには、特定ユーザ向け信号が干渉成分となる。そこで、この干渉成分を除去するために、固有ビーム伝送のパイロット信号から、干渉成分のチャネル特性を推定し、これを打ち消すように干渉キャンセル部1303を動作させる。続いて、チャネル推定部1401は、干渉キャンセル部1303を動作させたまま、特定ユーザ向け信号と多重されている無線ブロードキャスト用パイロット信号から、無線ブロードキャスト信号を復調するためのチャネル特性を推定する。このように2つのチャネル特性推定部1302、1401を有する理由は、干渉成分は固有ビーム伝送されているのに対して、無線ブロードキャスト信号はオムニ伝送されているため、送信元は同じ基地局であっても、受信側で得られるチャネル特性が異なっているためである。
なお、図16及び図17に示される信号フォーマットのように、特定ユーザ向けの無線信号又は無線ブロードキャスト信号のどちらかを受信側でキャンセルするためのパイロット信号と、無線ブロードキャスト信号を復調するためのパイロット信号とを異なる時間で送信するようにしておくと、チャネル特性推定が容易となり好適である。
また更に、特定ユーザ向けの無線信号又は無線ブロードキャスト信号のどちらかを、受信側でキャンセルするためのパイロット信号を送信している場合には、無線ブロードキャスト信号の送信を中断し、干渉のない状態でチャネル特性を推定できるようにしておくと、精度の高い推定が可能となり好適である。
システムを運用する場合、選択される特定ユーザは時間的に変更となるため、すべてのユーザが図5に示されるような無線受信装置構成を有しておき、特定ユーザとなった場合のみ、後段のチャネル推定部を停止させるように動作すればよい。また、干渉キャンセル部の動作としては、特定ユーザとなった場合には、それぞれのストリームを分離するように動作させ、無線ブロードキャスト信号の受信ユーザになった場合には、干渉成分である特定ユーザ向け信号をキャンセルするように動作させる。すなわち、特定ユーザ信号が自装置向けか否かに応じて、干渉キャンセル部等の動作を切り替える動作切替手段を設けると好適である。
図19は、本発明の第2の実施形態に係る送信フレームフォーマットの一例を示す図である。図19に示すように、無線送信装置は、特定ユーザであることを明示するためのアドレス信号をパイロット信号の前にオムニ送信しておくと、すべてのユーザがアドレス信号を復調して、どちらのユーザとして受信すべきか判定でき、好適である。
なお、特定ユーザでないユーザは、必ずしも複数のアンテナを用いなくても、一本のアンテナだけとし、所定の信号対干渉比(無線ブロードキャスト信号電力対特定ユーザ信号比)が得られる場合のみ無線ブロードキャスト信号を受信することも可能である。
また、無線ブロードキャスト信号に割り当てられる電力は、小さいと想定されるため、誤り訂正能力の高い誤り訂正符合化を実施しておくと好適である。例えば、Raptor符合やLT符合等を適用することも考えられる。
更に、無線ブロードキャスト信号を時空間ブロック符合化(STBC:Space Time Block Coding)して送信することで送信ダイバーシチ効果を高めることも可能となる。図20は、本発明の第2の実施形態に係る無線送信装置の第4例を示すブロック回路図である。図12に示す無線送信装置と重複する部分には同一の符号を付す。
図20に示すように、本実施形態の第4例の無線送信装置は、図12に示す本実施形態の第1例の無線送信装置の構成に加え、無線ブロードキャスト信号を時空間ブロック符合化するSTBC部1601と、時空間ブロック符合化された複数のストリームに対して、列ベクトル選択部708から出力した複数の列ベクトルを乗ずる乗算部1602、1603と、乗算部1602、1603からの出力を加算する加算部1604とを更に備える。
STBC部1601によって分割された2つのストリーム信号それぞれに対して、特定ユーザと直交する合計(M−K)個の右特異ベクトルから2つのベクトルを選択して乗算し、乗算結果を加算して後段の利得制御部711に入力する。このように、特定ユーザと直交する複数の部分空間を利用してダイバーシチ送信することで、特性が向上する。なお、図20には2ストリームにSTBCを行う場合を示しているが、3ストリーム以上の場合にも、選択する右特異ベクトルの数を増やし、乗算部の個数を増やせば同様に対応できる。
図21は、本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の第3例を示すブロック回路図であり、図20に示すSTBC送信を行う本実施形態の第4例の無線送信装置に対応する無線受信装置は概略構成を示すものである。図21において、図5に示す無線受信装置と重複する部分については同一の符号を付す。
図21に示すように、本実施形態の第3例の無線受信装置は、図5に示す無線受信装置の構成に加え、干渉キャンセル部1303の後段に設けられるSTBC復号部1701を更に備える。
干渉キャンセル部1303は、1ストリーム送信の場合と同様に特定ユーザ向けの干渉信号をキャンセルした信号をSTBC復号部1701に出力し、STBC復号部1701では受信アンテナ数1のSTBC復号と同様に動作させ、シングルストリーム化した信号を後段の復調部1304で復調する。STBCの復号にはチャネル特性が必要であるため、キャンセル後のチャネル特性を得るためにチャネル推定部1401が設けられている。
図22は、本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の第4例を示すブロック回路図である。送信側を差動型STBCとしておくと、復調においてチャネル特性が不要であるため、図22に示すように簡易な装置構成、すなわち、図21に示すチャネル推定部1401が不要となる。
また、別の受信方法として図23に示す無線受信装置構成も考えられる。図23は、本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の第5例を示すブロック回路図である。干渉が含まれる受信信号を通常のSTBC復調と同様の処理を行う。具体的には、ブロック単位で受信した信号を行列化する。以下では2×2のSTBC符号を用いた場合の例を示す。なお、詳細は公知文献(「Introduction to Space-Time Wireless Communications」, Arogyaswami Paulraj, Rohit Nabar, Dhananjay Gore, Cambridge University Press P92-P94)等を参照されたい。
時刻「0」で受信した信号をy(0)、時刻「1」で受信した信号をy(1)として、次の(1)式のような行列を作成する。ただし、y*(1)はyの複素共役転置を示す。
Figure 2006254235
チャネル特性行列をHとし、送信アンテナ数3、受信アンテナ数2としたとき、時刻「0」及び時刻「1」でチャネル行列が不変であり、次の(2)式のとおりであるとすると、受信信号ベクトルYは(3)式のとおり表される(式変形省略)。
Figure 2006254235
Figure 2006254235
ここで、x(0)、x(1)は時刻「0」、「1」における特定ユーザ向け信号であり、s(0)、s(1)は時刻「0」、「1」における不特定ユーザ向けのSTBC信号である。
上記(3)式において、次の(4)式とした場合に、更に式変形を行うと、次の(5)式のように表される。
Figure 2006254235
Figure 2006254235
上記の(5)式に対して、特定ユーザ向けの信号を除去するために、次の(6)式のような射影演算子を用いたウェイトを乗ずると、(7)式となる。
Figure 2006254235
Figure 2006254235
このようにして、不特定ユーザ向けのSTBC信号を復調することが可能となる。すなわち、STBCプロセス部2501において、受信信号を(1)式のように、時刻「0」及び時刻「1」で受信した信号を行列化した後に、チャネル推定部1302で推定したチャネル行列を利用して、(5)式のような演算を行う。
演算結果を直交射影化部2502にて(6)式の射影演算子を乗じ、乗算結果を復調部1304にて復調する。復調部ではチャネル推定部1401では、チャネル推定部1302で得られたチャネル特性に対し、STBCプロセス部及び干渉除去部で施した受信処理を考慮した推定したチャネル特性を利用して復調する。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態では、無線ブロードキャスト信号の例を中心に説明する。ここで、無線ブロードキャスト信号の例としては、受信が必須でなく任意なものとすると、無線通信システムの利便性向上につながり、好適である。例えば、複数の周波数チャネルでネットワークを運用している場合に、それぞれの周波数チャネルのトラヒック状況をブロードキャストしておけば、各ユーザはトラヒックの状況に応じて周波数チャネルを切り替えたりすることができ、周波数の有効利用につながる。
また、例えば、広告をブロードキャストすれば、任意のユーザが受信することで、ネットワーク運営の商用的な価値が向上する。ユーザとしても、電池の消耗を避けたい場合には無線ブロードキャスト信号は受信しないように設定することも可能である。
更にまた、テレビ放送で用いられている電子番組表のようなデータをブロードキャストしておけば、ネットワークでサービスしている内容を常に把握でき、スムーズなサービス選択が可能となるため、利便性が向上する。
また、アドホックモードのように基地局やアクセスポイントを介さずに、直接端末同士で通信する場合の補助情報として有益なデータを、無線ブロードキャスト信号に含めて送信することも好適である。各端末では、アクセスポイントから送信されている別の端末宛て信号の自端末における平均受信電界強度を測定し、端末名及び平均受信電界強度をアクセスポイントに送信する。
アクセスポイントでは各端末から集まった測定データを図24のような表にまとめて、無線ブロードキャスト信号として送信する。図24は、本発明の第3の実施形態に係る端末名と平均受信電界強度の関係を示す表の一例を示す図であり、受信電界強度を0〜9までに分割し、最大受信電界強度を9とした場合の例を示す。受信電界強度にはある程度の双対性があるため、受信端末と測定端末とを交換させた場合もほぼ同程度の値となるように記載している。
図25は、本発明の第3の実施形態に係る通信システムの概略構成の一例を示す図であり、図24のような測定結果が得られている場合の例を示すものである。基地局の一例であるアクセスポイント(AP)1901は、この受信電界強度の一覧表を取得することにより、例えば、アクセスポイントから端末A1902に送信している場合に、端末B1903及び端末C1904では所定以下の受信電界強度しかないということがわかる。すなわち、端末Bと端末Cは共に端末Aから遠い距離にあることが類推できる。
また、アクセスポイント1901から端末C1904に送信するとき、端末B1903においては高受信電界強度であり、アクセスポイントから端末B1903に送信するときにも、端末C1904においては高受信電界強度であることがわかり、端末B1903と端末C1904とが近い距離にあることが類推できる。
今、端末B1903及び端末C1904が、通信待ちの状態であるとする。通常のインフラストラクチャ型通信であれば、チャネルが空いたときに端末B1903がアクセスポイント1901にデータを送信し、また、次にチャネルが空いたときにアクセスポイント1902から端末C1904にデータを送信する。しかし、アドホック型通信においては、直接通信可能であれば、アクセスポイントを介さずに端末B1903が端末C1904に直接信号を送信できるため、この方式を利用する。
すなわち、端末B1903では図24のような測定結果が得られているため、アクセスポイント1901から端末A1902に送信する時間中に、端末B1903と端末C1904とが直接通信しても、お互いの通信に与える干渉量は少ないものと判断し、この時間中に端末B1903と端末C1904が直接通信を実施する。
すなわち、物理的な位置の多様性を利用し、インフラストラクチャ型通信とアドホック型通信を空間多重させていることとなる。この場合、端末B1903と端末C1904の直接通信によって端末A1902に干渉を与えないよう、最小限の信号電力で通信を行う必要がある。
また更に、端末B1903と端末C1904とが通信を行う場合、これらの端末は、端末A1902に干渉を与えないよう、指向性を持たせて送信することも好適である。そのために、各端末では、別の端末宛て信号の自端末における平均受信電界強度を測定する際、アンテナ毎の受信電界強度を測定し、他端末の大まかな方向を把握しておくようにしておき、アドホック型通信を行う際に、対象となる端末の方向にのみ指向性を向けて送信すると、端末A1902に対する干渉を軽減でき、好適である。
なお、他端末の方向を把握する方法としてはアンテナ毎の受信電界強度測定を用いる方法に限らず、従来技術として公知である、ビームフォーマ法、Capon法、最大エントロピー法、線形予測法、最小ノルム法、MUSIC、ESPRITなどを用いるとより高精度に推定することができ、好適である。
図25にアクセスポイント1901、端末A1902、端末B1903、端末C1904の位置関係の概略を示している。アクセスポイント1901と端末A1902が通信する場合、点線1905のような指向性が形成され、端末A1902及び端末B1903での受信電界強度は小さいと想定される。
一方でアクセスポイント1901と端末B1903とが通信している場合、点線1907のような指向性が形成され、端末C1904における受信電界強度は大きいと想定される。また、端末B1903と端末C1904とが逆になった場合にも同様である。このような場合、アクセスポイント1901が端末A1902と通信している間に端末B1903と端末C1904が通信を行っても、互いに与える干渉は小さく、空間多重が可能となると考えられる。
図26は、本発明の第3の実施形態に係る無線受信装置の一例を示すブロック回路図である。図26は、図18に示す無線受信装置の構成に加え、アンテナ毎電力測定部2001と、アドレス取得部2002と、対応付け部2003を更に備える。
アクセスポイント1901から、他端末に対して送信している時の自端末における受信電界強度をアンテナ毎電力測定部2001で測定する。なお、他端末からアクセスポイント1901に対して送信している時の自端末における受信電界強度も測定すると好適である。
アドレス取得部2002では、通信対象となっている他端末のアドレスを取得し、対応付け部2003で、他端末のアドレスと測定値との対応付けをする。すなわち、端末に対するアンテナ毎の受信電界強度を表にする。そして、まとめられた表をアクセスポイントにフィードバックし、アクセスポイントでは図24に示されるような表に変換してまとめる。
更に、過去のアドホック型通信による成功頻度等もアクセスポイントに送信し、アクセスポイントが集計して表にまとめておけば、複数ホップ以上のマルチホップ通信とインフラストラクチャ型通信の空間多重も原理的には可能となる。
このように物理的な位置の多様性を利用した空間多重を実施する場合には、端末の移動が比較的遅いことを前提としており、平均受信電界強度の時間的変動も考慮し、時間的変動が大きい場合には表の値を空欄にしておくなどとしておくと好適である。
このような本発明の第1ないし第3の実施形態によれば、特定ユーザに対する信号品質を劣化させることなく、特定ユーザに対する信号に無線ブロードキャスト信号を空間多重することで、周波数利用効率を向上させることができる。
本発明の無線送信装置及び無線受信装置は、特定ユーザに対する信号品質を劣化させることなく、周波数利用効率を向上させることが可能な効果を有し、空間分割多元接続方式の無線システム等に有用である。
本発明の第1の実施形態に係る通信システムの概略構成の第1例を示す図 本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置の第1例を示すブロック回路図 本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置のアンテナ指向性の一例を示す図 本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置の第2例を示すブロック回路図 本発明の第1の実施形態に係る無線受信装置の一例を示すブロック回路図 本発明の第1の実施形態に係る送信フレームフォーマットの一例を示す図 本発明の第1の実施形態に係る送信フレームフォーマットの他の例を示す図 本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置の第3例を示すブロック回路図 本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置の第3例におけるアンテナ指向性を示す図 本発明の第1の実施形態に係る無線送信装置の第4例を示すブロック回路図 本発明の第1の実施形態に係る送信フレームフォーマットの一例を示す図 本発明の第2の実施形態に係る無線送信装置の第1例を示すブロック回路図 本発明の第2の実施形態に係る無線送信装置の第2例を示すブロック回路図 本発明の第2の実施形態に係る無線送信装置の第3例を示すブロック回路図 本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の第1例を示すブロック回路図 本発明の第2の実施形態に係る送信フレームフォーマットの一例を示す図 本発明の第2の実施形態に係る送信フレームフォーマットの一例を示す図 本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の第2例を示すブロック回路図 本発明の第2の実施形態に係る送信フレームフォーマットの一例を示す図 本発明の第2の実施形態に係る無線送信装置の第4例を示すブロック回路図 本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の第3例を示すブロック回路図 本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の第4例を示すブロック回路図 本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の第5例を示すブロック回路図 本発明の第3の実施形態に係る端末名と平均受信電界強度の関係を示す表の一例を示す図 本発明の第3の実施形態に係る通信システムの概略構成の一例を示す図 本発明の第3の実施形態に係る無線受信装置の一例を示すブロック回路図
符号の説明
101 基地局
102、103、104 端末
201 選択部
202 空間多重化処理部
203 アンテナ
401 アンテナ
402 空間多重化処理部
403 重み付けベクトル発生部
501 切替え部
502 チャネル特性推定部
503 容量最大化部
504 ヌル形成部
601 端末毎チャネル特性記憶部
701 選択部
702 チャネル特性推定部
703 特異値分解部
704 チャネル容量最大化電力配分部
705 マッピング部
706 乗算部
707 利得制御部
708 列ベクトル選択部
709 乗算部
711 利得制御部
712 電力配分決定部
713 加算部
714 アンテナ振り分け部
715 アンテナ
901 受信アンテナ
1001 アンテナ
1002 チャネル特性推定部
1003 特異値分解部
1004 乗算部
1005 加算部
1006 復調部
1301 アンテナ
1302 チャネル特性推定部
1303 干渉キャンセル部
1304 復調部
1401 チャネル特性推定部
1601 時空間ブロック符合化部
1602、1603 乗算部
1604 加算部
1701 時空間ブロック復号化部
1901 アクセスポイント
1902 端末A
1903 端末B
1904 端末C
2001 アンテナ毎電力測定部
2002 アドレス取得部
2003 対応付け手段
2501 STBCプロセス部
2502 直交射影化部

Claims (34)

  1. 特定ユーザ向けの無線信号である特定ユーザ信号と、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とを空間的に多重する空間多重化処理手段と、
    前記空間多重化処理手段にて多重された信号を送信する送信手段と、
    を備える無線送信装置。
  2. 請求項1に記載の無線送信装置であって、
    前記送信手段は、複数のアンテナを有する無線送信装置。
  3. 請求項2に記載の無線送信装置であって、
    前記送信手段は、前記特定ユーザ信号と前記無線ブロードキャスト信号とを異なる指向性にて送信する無線送信装置。
  4. 請求項3に記載の無線送信装置であって、
    前記送信手段は、複数の異なる固定指向性パターンから選択して送信する無線送信装置。
  5. 請求項3又は4に記載の無線送信装置であって、
    前記特定ユーザの伝送路特性を推定する伝送路特性推定手段と、
    前記推定された伝送路特性に基づき、前記無線ブロードキャスト信号が前記特定ユーザ信号に対して与える干渉を推定する与干渉推定手段と、
    を更に備える無線送信装置。
  6. 請求項5に記載の無線送信装置であって、
    前記送信手段は、前記与干渉推定手段で推定される与干渉が所定値以下となる指向性パターンにて前記無線ブロードキャスト信号の送信を行う無線送信装置。
  7. 請求項4に記載の無線送信装置であって、
    前記複数の固定指向性パターンの各々には、互いに直交した信号が割り当てられる無線送信装置。
  8. 請求項3に記載の無線送信装置であって、
    前記送信手段は、前記特定ユーザ信号を送信する指向性パターンを決定する第一の指向性パターン決定手段と、前記無線ブロードキャスト信号を送信する指向性パターンとして、少なくとも前記特定ユーザ信号の指向性パターンには、ヌルが形成された指向性パターンを決定する第二の指向性パターン決定手段とを備える無線送信装置。
  9. 請求項3に記載の無線送信装置であって、
    前記空間多重化処理手段は、
    前記特定ユーザの無線受信装置による伝送路特性を取得する伝送路特性取得手段と、
    前記伝送路特性を特異値分解する特異値分解手段と、
    前記特異値分解された伝送路特性における最大特異値に対応する右特異ベクトル列を前記特定ユーザ信号に乗ずる第一の乗算手段と、
    前記最大特異値に対応する右特異ベクトル列以外の右特異ベクトル列の内の1つを選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された右特異ベクトル列を、前記無線ブロードキャスト信号に乗ずる第二の乗算手段と、
    前記第一の乗算手段から出力された信号と第二の乗算手段から出力された信号とを加算する加算手段と、
    を有する無線送信装置。
  10. 請求項9に記載の無線送信装置であって、
    前記空間多重化処理手段は、前記特定ユーザ信号の品質が所望のレベルを満たすように、前記特定ユーザ信号の電力と前記無線ブロードキャスト信号の電力との比を制御する電力配分制御手段を更に有する無線送信装置。
  11. 請求項10に記載の無線送信装置であって、
    前記第一の乗算手段出力信号の電力が、前記特定ユーザ信号が一定の信号品質を満たすのに必要な電力であり、前記第二乗算手段出力の電力が、送信可能な最大電力からの前記特定ユーザ信号に必要な電力の差分である無線送信装置。
  12. 請求項10又は11に記載の無線送信装置であって、
    前記電力配分制御手段は、特定ユーザ信号を受信する無線受信装置における受信信号品質を取得し、前記受信信号品質を用いて、前記特定ユーザ信号の品質が前記所望のレベルを満たすのに必要な電力の算定を行う無線送信装置。
  13. 請求項3に記載の無線送信装置であって、
    前記特定ユーザ信号を受信する無線受信装置による伝送路特性を取得する伝送路特性取得手段と、
    前記取得した伝送路特性を特異値分解する手段と、
    前記特異値分解手段から出力された特異値分解情報と、受信信号品質と、送信要求情報とを入力として、前記特定ユーザ信号用の多重ストリーム数と、それぞれのストリームに割り当てる電力と、総割当電力とを決定するチャネル容量最大化電力配分手段と、
    前記特異値分解手段により分解された特異値分解情報における信号部分空間の右特異ベクトル列を前記チャネル容量最大化電力配分手段で決定された電力配分に制御する第一の利得制御手段と、
    前記特定ユーザ信号を前記チャネル容量最大化電力配分手段で決定されたストリーム数分に並列化する並列化手段と、
    前記並列化手段出力で並列化されたそれぞれのストリームに対して前記第一の利得制御手段からの出力を乗ずる第一の乗算手段と、
    前記特異値分解手段にて対応する特異値のない右特異ベクトル列と、前記チャネル容量最大化電力配分手段にて信号電力が割り当てられなかった信号部分空間の右特異ベクトル列との内、1つの右特異ベクトル列を選択する選択手段と、
    前記選択手段により選択された右特異ベクトル列を、前記無線ブロードキャスト信号に乗ずる第二の乗算手段と、
    前記第二の乗算手段の出力が、送信可能最大電力から前記総割当て電力との差分となるように電力を制御する第二の利得制御手段と、
    前記第一の乗算手段から出力された信号と第二の乗算手段から出力された信号とを加算する加算手段と、
    を有する無線送信装置。
  14. 請求項9又は13に記載の無線送信装置であって、
    前記選択手段は、前記右特異ベクトル列をランダムに選択する無線送信装置。
  15. 請求項9又は13に記載の無線送信装置であって、
    前記選択手段は、周期的に選択する右特異ベクトル列を変更する無線送信装置。
  16. 請求項8ないし13のいずれか一項に記載の無線送信装置であって、
    前記無線ブロードキャスト信号を時空間ブロック符号化する時空間ブロック符号化手段と、
    前記選択手段から出力された複数の右特異ベクトル列と、前記時空間ブロック符号化手段の出力信号とを乗ずる複数の乗算手段と、
    前記複数の乗算手段からの出力の各々を加える加算手段と、
    を有する無線送信装置。
  17. 請求項1ないし16のいずれか一項に記載の無線送信装置であって、
    前記送信手段は、特定ユーザ信号又は前記無線ブロードキャスト信号のいずれか一方を受信側でキャンセルするためのパイロット信号を送信する無線送信装置。
  18. 請求項17に記載の無線送信装置であって、
    前記パイロット信号は、前記特定ユーザ信号を送信する場合の指向性で送信する第一のパイロット信号と、前記無線ブロードキャスト信号を送信する場合の指向性で送信する第二のパイロット信号とを含む無線送信装置。
  19. 請求項18に記載の無線送信装置であって、
    前記送信手段は、前記第一のパイロット信号と前記第二のパイロット信号とを異なる時間に送信する無線送信装置。
  20. 請求項19に記載の無線送信装置であって、
    前記送信手段は、第一のパイロット信号又は前記第二のパイロット信号を送信している間、前記特定ユーザ信号及び前記無線ブロードキャスト信号の送信を行わない無線送信装置。
  21. 請求項19に記載の無線送信装置であって、
    前記空間多重化処理手段は、前記パイロット信号及び前記無線ブロードキャスト信号復調用のパイロット信号を、前記特定ユーザ信号に多重する無線送信装置。
  22. 請求項1ないし21のいずれか一項に記載の無線送信装置であって、
    前記無線ブロードキャスト信号は、通信を行っている周波数チャネル及びその他の周波数チャネルのトラヒックを示す情報を含む無線送信装置。
  23. 請求項1ないし22のいずれか一項に記載の無線送信装置であって、
    前記無線ブロードキャスト信号は、広告情報を含む無線送信装置。
  24. 請求項1ないし23のいずれか一項に記載の無線送信装置であって、
    前記無線ブロードキャスト信号は、ネットワークでサービスしている内容の概略を示す情報を含む無線送信装置。
  25. 請求項1ないし24のいずれか一項に記載の無線送信装置であって、
    前記無線ブロードキャスト信号は、前記多重された信号の送信先となる複数の無線受信装置により測定された他の無線受信装置宛ての下り回線信号の受信電界強度を含む信号である無線送信装置。
  26. 特定ユーザ向けの無線信号である特定ユーザ信号と、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とが空間的に多重された信号を受信する受信手段と、
    前記受信した特定ユーザ信号と前記無線ブロードキャスト信号との比が所定値以下である場合のみ信号を復調する復調手段と、
    を備える無線受信装置。
  27. 請求項26に記載の無線受信装置であって、
    前記受信手段は複数のアンテナを有する無線受信手段。
  28. 特定ユーザ向けの無線信号である特定ユーザ信号と、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とが空間的に多重された信号を受信する受信手段と、
    前記多重された信号を送信する複数の送信アンテナと、前記受信手段が有する複数の受信アンテナとの間のチャネル特性を推定するチャネル特性推定手段と、
    前記チャネル特性推定手段出力を特異値分解する特異値分解手段と、
    前記特異値分解手段で得られる左特異ベクトル列をそれぞれのアンテナ出力に乗ずる複数の乗算手段と、
    前記複数の乗算手段出力を加える加算手段と、
    前記加算手段出力から送信ストリームを復調する復調手段と、
    を備える無線受信装置。
  29. 特定ユーザ向けの無線信号である特定ユーザ信号と、不特定多数向けの無線ブロードキャスト信号とが空間的に多重された信号を受信する受信手段と、
    固有ビーム送信されている場合に、前記多重された信号を送信する複数の送信アンテナと、前記受信手段が有する複数の受信アンテナとの間のチャネル特性を推定するチャネル特性推定手段と、
    前記チャネル特性推定手段出力を入力とし、送信されているストリームを分離抽出する干渉キャンセル手段と、
    前記干渉キャンセル手段出力から前記送信ストリームを復調する復調手段と、
    を備える無線受信装置。
  30. 請求項29に記載の無線受信装置であって、
    前記干渉キャンセル手段は、前記特定ユーザ信号を抽出するものである無線受信装置。
  31. 請求項28ないし30のいずれか一項に記載の無線受信装置であって、
    前記復調手段の前段に設けられた時空間ブロック復号手段を更に備える無線受信装置。
  32. 請求項29に記載の無線受信装置であって、
    前記干渉キャンセル手段は、前記特定ユーザ信号をキャンセルして前記無線ブロードキャスト信号を抽出するものであり、
    前記干渉キャンセル手段の後段に設けられた無線ブロードキャスト信号のチャネル特性を推定する第二のチャネル特性推定手段を更に備え、
    前記復調手段は、前記干渉キャンセル手段から出力された前記無線ブロードキャスト信号を、前記第二のチャネル特性推定手段で推定されたチャネル特性に基づいて復調する無線受信装置。
  33. 請求項29に記載の無線受信装置であって、
    前記特定ユーザ信号が自装置向けか否かに応じて動作を切り替える動作切替手段と、
    前記干渉キャンセル手段の後段に設けられた無線ブロードキャスト信号のチャネル特性を推定する第二のチャネル特性推定手段を更に備え、
    前記切替手段は、前記特定ユーザ信号が自装置向けである場合には、前記干渉キャンセル手段に、前記特定ユーザ信号を抽出するように動作させ、前記特定ユーザ信号が自装置以外向けである場合には、前記干渉キャンセル手段に、前記特定ユーザ信号をキャンセルして前記無線ブロードキャスト信号を抽出させ、
    前記復調手段は、前記特定ユーザ信号が自装置以外向けである場合に、前記干渉キャンセル手段から出力された前記無線ブロードキャスト信号を、前記第二のチャネル特性推定手段で推定されたチャネル特性に基づいて復調する無線受信装置。
  34. 請求項26ないし33のいずれか一項に記載の無線受信装置であって、
    他の無線受信装置宛ての下り回線信号の受信電界強度を測定するアンテナ毎電力測定部と、
    前記他の無線受信装置と前記受信電界強度とを対応付ける対応付け部と
    を含む無線受信装置。
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