JP5339254B2 - ピンニング工法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層してなる壁体の壁材間の境界に生じた「浮き」にも、接着剤を注入することができるピンニング工法に関するものである。
従来、この種のピンニング工法として、モルタルおよびコンクリート躯体からなる外壁の要補修箇所に穿孔した挿填穴の開口部を封止して、樹脂(接着剤)を注入する方法が知られている(特許文献1参照)。
このピンニング方法に使用する注入ノズルは、樹脂注入器本体に装着され、軸心に形成された樹脂流路を有するノズル本体(ノズルボディー)と、基端部がノズル本体に保持され、樹脂流路に連なると共に注入流路を形成した注入針(ノズル筒)と、を備えている。
この場合、注入ノズルは、注入針を挿填穴に挿入し押圧することで、ノズル本体が開口部に密接してこれを封止する。そして、樹脂は、この状態で樹脂注入器を操作(ポンピング)することにより、挿填穴の最深部から徐々に満たされ、コンクリート躯体とモルタルとの間の浮き部に行き渡る。さらに所定の回数ポンピングを行うことにより、樹脂の注入が完了する。
特開2003−147971号公報
しかしながら、このようなピンニング工法では、挿填穴廻りにおいて、コンクリート躯体およびモルタルの間のみならず、モルタルおよび装飾材の間にも「浮き」が生じている場合、「浮き」の部分ではエアーが抜けるため、先にコンクリート躯体およびモルタルの間の「浮き」のにのみ樹脂が充填されてしまい、モルタルおよび装飾材の間の「浮き」に樹脂が達しないことがある。かかる場合には、注入ノズルを引き抜きながら、この部分に樹脂を注入せざるを得なかった。但し、注入ノズルを引き抜くと、開口部の封止が解かれてしまうため、モルタルおよび装飾材の間の「浮き」に、樹脂を十分に行き渡らせることができない問題があった。
本発明は、積層してなる壁体の壁材間の境界に生じたすべての「浮き」に十分に接着剤を注入することができるピンニング工法を提供することを課題としている。
本発明のピンニング工法は、複数の壁材を積層してなる壁体に穿孔した挿填穴に対し、接着剤を注入して壁体を補修するピンニング工法であって、挿填穴の深さおよび壁材の境界部分に生じた浮き部を探査する探査手段と、切断可能なノズル筒を有する注入ノズル、および注入ノズルが着脱自在に装着される注入器本体から成る複数の接着剤注入器と、を用い、探査手段により、挿填穴の深さおよび浮き部を探査する探査工程と、探査した挿填穴の最深部に開口するように、1の接着剤注入器のノズル筒を切断して、最深部用の接着剤注入器を準備する第1注入器準備工程と、探査した1以上の浮き部の位置に開口するように、他の1以上の接着剤注入器のノズル筒を切断して、1以上の浮き部用の接着剤注入器を準備する第2注入器準備工程と、最深部用の接着剤注入器により、挿填穴の最深部廻りに接着剤を注入する第1注入工程と、浮き部用の接着剤注入器により、挿填穴の浮き部廻りに接着剤を注入する第2注入工程と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、挿填穴の深さおよび浮き部を探査した後、探査した挿填穴の最深部および浮き部の位置に先端が開口するように、ノズル筒をそれぞれ切断して、最深部用の接着剤注入器および浮き部用の接着剤注入器を準備する。そして、最深部用の接着剤注入器によって、挿填穴の最深部廻りに接着剤を注入し、浮き部用の接着剤注入器によって、浮き部廻りに接着剤を注入する。これにより、挿填穴のみならず、浮き部に対しても十分に接着剤を注入することができる。
この場合、探査工程において、浮き部が複数探査され、第2注入器準備工程では、各浮き部の位置に開口するように、他の複数の接着剤注入器のノズル筒を切断して、複数の浮き部用の接着剤注入器を準備し、第2注入工程では、複数の浮き部用の接着剤注入器を用い、挿填穴の各浮き部廻りに接着剤を注入することが、好ましい。
この構成によれば、各浮き部に対応して複数準備された複数の接着剤注入器により、各浮き部に対して接着剤が注入される。このため、挿填穴のみならず、生じたすべての浮き部に対しても十分に、且つ適切に接着剤を行き渡らせることができる。なお、挿填穴の深い位置から浅い位置に向かって、接着剤を注入することが好ましい。
この場合、第1注入器準備工程では、断面が楕円形となるように、ノズル筒を斜めに切断することが、好ましい。
この構成によれば、ノズル筒の先端部が挿填穴の最深部に突き当てた状態であっても、ノズル筒の開口が閉塞されることがなく、接着剤を適切に注入することができる。
この場合、注入ノズルは、ノズル筒と、ノズル筒を保持するノズルボディーと、を有し、ノズル筒は、ノズルボディーに対して着脱可能に保持されていることが、好ましい。
この構成によれば、ノズル筒が、ノズルボディーに対して着脱可能に保持されているため、ノズル筒を交換することで、接着剤注入器を繰り返し使用することができると共に、分解して簡単に洗浄することができる。
この場合、第2注入工程の後、挿填穴にアンカーピンを挿填するピン挿填工程を、更に備えたことが、好ましい。
この構成によれば、接着剤が注入された挿填穴に、複数の壁材に亘るようにアンカーピンを最深部まで挿填する。そして、接着剤が硬化することにより、壁体の補修が完了する。この場合、挿填穴の接着剤を介して、アンカーピンにより壁体を強固に押えることができ、且つ浮き部の接着剤により壁材同士を強固に接着することができる。したがって、外壁の補修を良好に行うことができる。
接着剤注入器を、外壁に穿孔した挿填穴に対して使用する断面模式図である。 接着剤注入器の平面図である。 注入ノズルの断面図である。 ノズル筒の切断位置を示す説明図である。 ピンニング工法の工程図(1)である。 ピンニング工法の工程図(2)である。 ピンニング工法の工程図(3)である。
以下、添付した図面を参照して、本発明の一実施形態に係るピンニング工法について説明する。このピンニング工法では、注入ノズルを装着した接着剤注入器を用い、「浮き(浮き部)」が生じた建物の外壁、吹き抜けやホール等の内壁の要補修箇所に穿孔した挿填穴に対して、注入ノズルを挿入して接着剤を注入した後、アンカーピンを挿填して、これを補修する。以下、建物の外壁を施工する場合について説明する。
図1に示すように、建物の外壁1は、例えば下地となるコンクリート躯体2と、その表面に塗着させた仕上げ材3と、で構成されている。また、仕上げ材3は、第1モルタル4(下地)と、第2モルタル5(仕上げ)と、第2モルタル5の表面に貼ったタイルや石材などの装飾材6と、で構成されている。この場合、コンクリート躯体2および第1モルタル4の間には第1浮き部7が生じ、第1モルタル4および第2モルタル5の間には第2浮き部8が生じ、さらに第2モルタル5および装飾材6の間には第3浮き部9が生じているものとする。また、外壁1には、装飾材6、浮き部7,8,9を貫通し、且つコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔した挿填穴10が、装飾材6の中心に形成されている。そして、その挿填穴10に対し、複数の接着剤注入器11による接着剤Rの注入とアンカーピン57の挿填(図4ないし図6参照)とが行われることで、外壁1の補修が行われる。
ここで、図2を参照して、複数の接着剤注入器11およびそれぞれの接着剤注入器11の役割について説明する。各接着剤注入器11は、接着剤Rを供給するポンプ形式の注入器本体12と、注入器本体12の先端部に対して、着脱自在に装着された注入ノズル13と、で構成されている。
注入器本体12は、基端側に延在して接着剤Rが充填された筒状のケーシング14と、ケーシング14が着脱自在に取り付けられるポンプ本体15と、ポンプ本体15に保持された略「L」字状のレバー16と、を備えている。注入器本体12は、ポンプ本体15に対して、基端側からケーシング14がセットされることにより組み立てられる。そして、接着剤注入器11は、さらに先端側から注入ノズル13が装着されることにより組み立てられる。接着剤注入器11は、手動でレバー16を操作(ポンピング)することにより、接着剤Rを一定量ずつ注入ノズル13から吐出させるようになっている。なお、接着剤Rは、エポキシ樹脂接着剤のほか、例えば各種有機接着剤や無機接着剤等であってもよい。
図2および図3に示すように、注入ノズル13は、注入器本体12に対して着脱自在に装着され、内部に注入器本体12に連なる接着剤流路26が形成されたノズルボディー21と、ノズルボディー21に保持されたノズル筒18と、を備えている。ノズルボディー21は、ノズル筒18を保持するゴム製のボディー本体23と、ボディー本体23の基端側に突き当てられ、内部に接着剤流路26を形成した連結部材24と、連結部材24に螺合し、ボディー本体23を覆うようにして保持する保持部材25と、から構成されている。注入ノズル13は、ノズル筒18の基端側をボディー本体23に固定し、ボディー本体23の基端側に連結部材24の先端を差し込むと共に、ボディー本体23に先端側から保持部材25を被せて、保持部材25の基端側を連結部材24に螺合することにより、組み立てられている。
ボディー本体23は、フッ素ゴムやブチルゴム等の弾性材で構成されており、先端側に向かって先細りの円錐台形(テーパー形状)に形成されたシール部31と、シール部31の基端に連なり筒状に形成された円筒部32と、環状段部を存して円筒部32の基端に連なった太径の太筒部33と、で一体に成形されている。太筒部33の基端側には、連結部材24の先端が嵌合する円形の装着溝34が形成されている。また、ボディー本体23軸心部には、ノズル筒18を保持する貫通孔が形成されている。
保持部材25は、ステンレスやスチール等の金属材により筒状に形成されており、注入ノズル13において最も太い径となる太径保持部41と、環状段部を存して太径保持部41の先端に連なった細径保持部42と、を有している。太径保持部41は、内径がボディー本体23の太筒部33と同径に形成されており、先端側で太筒部33を囲繞している。また、太径保持部41の基端側内周面には、連結部材24に螺合する雌ねじが螺刻されている。一方、細径保持部42は、内径がボディー本体23の円筒部32と同径に形成されており、円筒部32を囲繞している。ボディー本体23に連結部材24を突き当てた状態で、先方から保持部材25を装着し、その太径保持部41を連結部材24に螺合すると、細径保持部42(環状段部)がボディー本体23を連結部材24側に強く引き付ける。これにより、ボディー本体23と連結部材24とが一体化し、接着剤流路26の下流端がボディー本体23の装着溝34にシールされる。
連結部材24は、ステンレスやスチール等の金属材で形成されており、ボディー本体23の装着溝34に嵌入される先端側の差込部43と、差込部43の基端側に連なる太径の太径螺合部44と、太径螺合部44の基端側に連なる細径の細径螺合部45と、により一体に形成されている。また、連結部材24の軸心には、上流端が注入器本体12に連通すると共に、下流端が注入流路53に連通した接着剤流路26が形成されている。太径螺合部44は、差込部43よりも太径の円筒状に形成され、外周面には雄ねじが螺刻されると共に、外周面基端側には、平坦に研削された一対のスパナ掛け部46(図1参照)が形成されている。また、細径螺合部45の外周面にも、雄ねじが螺刻されており注入器本体12と螺合するようになっている。
ノズル筒18は、基部側をボディー本体23に保持されており、現場合わせで簡単に切断できるように、ポリプロピレン等の樹脂素材で構成されている。また、ノズル筒18の長さは、想定される最大深の挿填穴10の深さより、長く設計されている。ノズル筒18は、先端部に開口した吐出口51と、基端部に形成した流入口52と、軸心に形成され、吐出口51および流入口52を連通する注入流路53と、から構成されている。注入流路53は、流入口52を介して連結部材24の接着剤流路26に連通しており、流れてきた接着剤Rを吐出口51から挿填穴10内に吐出する。
詳細は後述するが、複数の接着剤注入器11において、それぞれのノズル筒18は、挿填穴10の深さおよび浮き部7,8,9の位置に合わせて、現場で適宜切断して用いられる(図3参照および図4)。例えば、図1に図示した外壁1を補修する際には、図4に示すように、第1の接着剤注入器11におけるノズル筒18の先端(吐出口51)は、挿填穴10への挿入時に挿填穴10の最深部に開口するように(図3におけるAの位置)切断される。同様に、第2の接着剤注入器11におけるノズル筒18の先端は、第1浮き部7の位置に開口するように(図3におけるBの位置)、第3の接着剤注入器11におけるノズル筒18の先端は、第2浮き部8の位置に開口するように(図3におけるCの位置)、さらに第4の接着剤注入器11におけるノズル筒18の先端は、第3浮き部9の位置に開口するように(図3におけるDの位置)、それぞれ切断される。
次に、図4ないし図7を参照して、上記した複数の接着剤注入器11を用いて、図1に例示した外壁1へのピンニング工法について説明する。このピンニング工法は、ハンマー等を用いて外壁1を打診し、その打診音に基づいて外壁1の要補修箇所、すなわち、少なくとも1の浮き部7,8,9が生じている領域を特定して、挿填穴10の穿孔位置を決定する。これに続いて、穿孔位置にマーキングが行われた後、装飾材6およびモルタル4,5を貫通し且つコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔して挿填穴10を形成する穿孔工程と、探査治具(探査手段)55により、浮き部7,8,9の有無と、深さ挿填穴10の深さおよび壁材の境界部分に生じた浮き部7,8,9と、を探査する探査工程と、探査した挿填穴10の最深部および浮き部7,8,9の位置に開口するように、複数の接着剤注入器11の各ノズル筒18を切断して、最深部用の接着剤注入器11および複数の浮き部用の接着剤注入器11を準備する注入器準備工程と、最深部用の接着剤注入器11および浮き部用の接着剤注入器11により、挿填穴10に接着剤Rを注入する接着剤注入工程と、接着剤Rが注入された挿填穴10に、アンカーピン57を挿填するピン挿填工程と、が実施される。
穿孔工程では、ダイヤモンドコアドリル等の穿孔工具54を使用して、マーキングした外壁1の各穿孔位置に挿填穴10を穿孔する(図5(a)参照)。すなわち、装飾材6、第1モルタル4および第2モルタル5を貫通するようにしてコンクリート躯体2を所定の深さまで穿孔して、挿填穴10を形成する。この際、穿孔は、外壁1に対して直角に行い、コンクリート躯体2への穿孔深さを30mm以上とする。また、挿填穴10は、アンカーピン57が遊嵌できるようにアンカーピン57より一回り大きな径(1mm〜2mm太径)のストレート穴に形成する。
探査工程では、先端にフック部56を有し、挿填穴10より長尺に形成された目盛り付きのスケール等の探査治具55を用い、挿填穴10における穴開口17から最深部までの距離と、挿填穴10における浮き部7,8,9の位置を探査する。具体的には、まず探査治具55を挿填穴10の最深部に挿入して、穴開口17から最深部までの深さ(距離)を測定する。続いて挿填穴10の穴壁をなぞるように探査治具55を手前に引いてくる。これにより、浮き部7,8,9が存在した場合、先端のフック部56が浮き部7,8,9に引っ掛かる。フック部56が浮き部7,8,9に引っ掛かったら、穴開口17における目盛りを読み取ることで、穴開口17から浮き部7,8,9までの距離(好ましくは、浮き部7,8,9の間隙寸法も)を測定する(図5(b)参照)。
注入器準備工程では、探査工程の探査結果に基づいて、各ノズル筒18を切断する。具体的には、第1の接着剤注入器11におけるノズル筒18の長さ(実際には、シール部31のシール位置からノズル筒18の先端までの長さ)を挿填穴10における穴開口17から最深部までの距離と同じになるように、且つその吐出口51が断面楕円状になるように(斜めに)先端を切断する(第1注入器準備工程)。次に、第2の接着剤注入器11におけるノズル筒18を、挿填穴10における穴開口17から第1浮き部7までの距離と同じになるように、また第3の接着剤注入器11におけるノズル筒18を、挿填穴10における穴開口17から第2浮き部8までの距離と同じになるように、さらに第4の接着剤注入器11におけるノズル筒18を、挿填穴10における穴開口17から第3浮き部9までの距離と同じになるように、それぞれ切断する(第2注入器準備工程)。これにより、接着剤Rの注入時において、吐出口51が挿填穴10の最深部に位置に開口する最深部用(第1)の接着剤注入器11が準備されると共に、吐出口51が浮き部7,8,9に位置する複数の浮き部用(第2ないし第4)の接着剤注入器11が準備される。
注入工程では、挿填穴10の深い位置から接着剤Rを注入していく。まず、最深部用(第1)の接着剤注入器11を用いて、挿填穴10の最深部から接着剤Rを注入する(第1注入工程)。具体的には、ノズル筒18を挿填穴10に挿入して、接着剤注入器11を外壁1に押し付けることで、シール部31により穴開口17を封止する。続いて、注入器本体12のレバー16を操作(ポンピング)して、接着剤Rを挿填穴10に注入していく。ポンピングを開始すると、ノズル筒18の吐出口51から接着剤Rが吐出され、接着剤Rが挿填穴10の最深部から徐々に注入されてゆく。そして、接着剤Rが、第1浮き部6に達する前にポンピングを中止する(図5(c)参照)。
続いて、複数の浮き部用の接着剤注入器11,11,11を用いて、浮き部7,8,9廻りに接着剤Rを注入する(第2注入工程)。まず、第1浮き部用(第2)の接着剤注入器11のノズル筒18を挿填穴10に挿入し、シール部31により穴開口17を封止した状態で、第1浮き部7廻りに接着剤Rを注入する(図6(a)参照)。次に、第1浮き部用の接着剤注入器11にかえて、第2浮き部用(第3)の接着剤注入器11のノズル筒18を挿填穴10に挿入して、第2浮き部8廻りに接着剤Rを注入する(図6(b)参照)。最後に、第2浮き部用の接着剤注入器11にかえて、第3浮き部用(第4)の接着剤注入器11のノズル筒18を挿填穴10に挿入して、第3浮き部9廻りに接着剤Rを注入する(図7(a)参照)。すなわち、ノズル筒18が長い接着剤注入器11から順番に用いて、挿填穴10における深い位置に生じている浮き部7廻りから順番に、浅い位置に生じている浮き部8,9に接着剤Rを注入する。なお、注入工程では、少なくとも浮き部7,8,9に接着剤を注入することができればよく、第1注入工程および第2注入工程のいずれを先に実施してもよい。また同様に、第2注入工程において浮き部7,8,9廻りに対する接着剤の注入も、いずれの順番であってもよい。
ピン挿填工程では、接着剤Rが注入された挿填穴10に対し、アンカーピン57のピン胴部を案内させながら挿填してゆく(図7(b)参照)。挿填されてゆくアンカーピン57は、挿填穴10内の接着剤Rを押し退けるようにして最深部に達する。これに伴い、接着剤Rは、ピン胴部となじむように隙間に流動し、さらにその一部は挿填穴10の穴開口17に向かって押し出されていく。そして、アンカーピン57は、先端が挿填穴10の最深部に達するところで、頭部が穴開口17を閉止する。
ところで、実際の施工においては(1人作業)、要補修箇所に対し、必要数の挿填穴10を連続して穿孔し(穿孔工程)、そのうちの代表的な数箇所の挿填穴10に対し探査を行う(探査工程)ことが好ましい。また、注入器準備工程の後、全部の挿填穴10に連続して最深部への接着剤R注入を行い(第1注入工程)、さらに全部の挿填穴10に連続して各浮き部7,8,9への接着剤R注入を行う(第2注入工程)ことが好ましい。
なお、装飾材6にザグリ穴を形成し、この部分にアンカーピン57の頭部を係止してもよい(図示省略)。かかる場合には、別途、穴開口17を閉止する化粧キャップを設けるようにする。また、注入口付アンカーピンを用いる場合も、注入口付アンカーピンを装填する前に、上記のように接着剤Rを注入することが好ましい。
以上の構成によれば、挿填穴10の深さおよび浮き部7,8,9を探査した後、ノズル筒18をそれぞれ切断して、最深部用の接着剤注入器11および浮き部用の接着剤注入器11を準備する。そして、最深部用および浮き部用の接着剤注入器11,11,11,11を用いて接着剤Rを注入する。これにより、挿填穴10のみならず、浮き部7,8,9に対しても十分に接着剤Rを注入することができる。また、ピンニング工法においては、外壁1の補修を良好に行うことができる。
1…外壁 7…第1浮き部 8…第2浮き部 9…第2浮き部 10…挿填穴 11…接着剤注入器 12…注入器本体 13…注入ノズル 18…ノズル筒 21…ノズルボディー 26…接着剤流路 51…吐出口 55…探査治具 57…アンカーピン R…接着剤

Claims (5)

  1. 複数の壁材を積層してなる壁体に穿孔した挿填穴に対し、接着剤を注入して前記壁体を補修するピンニング工法であって、
    前記挿填穴の深さおよび前記壁材の境界部分に生じた浮き部を探査する探査手段と、切断可能なノズル筒を有する注入ノズル、および前記注入ノズルが着脱自在に装着される注入器本体から成る複数の接着剤注入器と、を用い、
    前記探査手段により、前記挿填穴の深さおよび前記浮き部を探査する探査工程と、
    探査した前記挿填穴の最深部に開口するように、1の前記接着剤注入器の前記ノズル筒を切断して、最深部用の接着剤注入器を準備する第1注入器準備工程と、
    探査した1以上の前記浮き部の位置に開口するように、他の1以上の前記接着剤注入器の前記ノズル筒を切断して、1以上の浮き部用の接着剤注入器を準備する第2注入器準備工程と、
    前記最深部用の接着剤注入器により、前記挿填穴の最深部廻りに前記接着剤を注入する第1注入工程と、
    前記浮き部用の接着剤注入器により、前記挿填穴の浮き部廻りに前記接着剤を注入する第2注入工程と、を備えたことを特徴とするピンニング工法。
  2. 前記探査工程において、前記浮き部が複数探査され、
    前記第2注入器準備工程では、前記各浮き部の位置に開口するように、他の複数の前記接着剤注入器の前記ノズル筒を切断して、複数の浮き部用の接着剤注入器を準備し、
    前記第2注入工程では、複数の前記浮き部用の接着剤注入器を用い、前記挿填穴の前記各浮き部廻りに前記接着剤を注入することを特徴とする請求項1に記載のピンニング工法。
  3. 前記第1注入器準備工程では、断面が楕円形となるように、前記ノズル筒を斜めに切断することを特徴とする請求項1または2に記載のピンニング工法。
  4. 前記注入ノズルは、前記ノズル筒と、前記ノズル筒を保持するノズルボディーと、を有し、
    前記ノズル筒は、前記ノズルボディーに対して着脱可能に保持されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のピンニング工法。
  5. 前記第2注入工程の後、前記挿填穴にアンカーピンを挿填するピン挿填工程を、更に備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のピンニング工法。
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