JP5339134B2 - ガス処理装置 - Google Patents
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Description
手段2は、手段1に係るガス処理装置であって、前記蓄熱材室は、前記反応室について前記ガスが流通する方向の両側の位置に配されて、それぞれ第1蓄熱材室、及び第2蓄熱材室とされており、更に、前記ガスを前記第1蓄熱材室、前記反応室、前記第2蓄熱材室の順に流通させる第1経路、及び、前記ガスを前記第2蓄熱材室、前記反応室、前記第1蓄熱材室の順に流通させる第2経路、を切り替える切り替え手段を備えることが好ましい。
本発明に係るガス処理装置10を、揮発性有機化合物濃縮酸化分解処理装置11(以下、VOC分解処理装置と称する。)に適用した実施形態1について、図1ないし図5を参照しつつ説明する。図1に示すように、VOC分解処理装置11においては、無端状の繊維状活性炭シート12(以下、活性炭シートと称する。)が、複数のローラ13に架設されて周回するようになっている。この活性炭シート12の吸着部分にVOC含有ガスを導入することにより、VOCは活性炭シート12に吸着される。これにより浄化された清浄空気14は、ブロア15Aを経て外気に放出される。
さて、図2に示すように、ガス処理装置10には、VOCを含むガスが流通されるようになっている。このガス処理装置10は、管状の内側容器22と、この内側容器22を外側から覆う管状の外側容器23とを同軸上に配置した二重管構造をなす。
外側容器23は、図2における上下両端部が封止されている。外側容器23の上端部寄りの位置には、図2における左右両側にそれぞれ、外側容器23の内外を連通する第1ガス出入口24、第2ガス出入口25が設けられている。
図2における内側容器22の上端は、外側容器23の上壁の内面に接続されている。これにより、内側容器22は、外側容器23の側壁、及び底壁から離間して隙間を有した状態で、外側容器23内に保持されている。
図2における外側容器23の底壁からは、上方に突出する隔壁29が設けられている。この隔壁29は、内側容器22の支持部28を突き抜けて設けられている。隔壁29の上端縁は、内側容器22の内部に位置すると共に、内側容器22の上壁から隙間を有して配されている。上記の隙間により、隔壁29の上端部と、内側容器22の上壁と間の隙間を、ガスが流通可能になっている。この隔壁29により、内側容器22の内部は、概ね、図2における左側と、右側とに仕切られている。
図2に示すように、内側容器22の内部には、上記の支持部28の上方に、蓄熱材32が収容されている。蓄熱材32は、支持部28によって内側容器22内に支持されている。蓄熱材32は、隔壁29の左右両側にそれぞれ収容されている。図2における左側には第1蓄熱材32Aが収容されている。内側容器22のうち、第1蓄熱材32Aが収容された領域は第1蓄熱材室33Aとされる。また、図2における右側には第2蓄熱材32Bが収容されている。内側容器22のうち、第2蓄熱材32Bが収容された領域は、第2蓄熱材室Bとされる。第1蓄熱材32A及び第2蓄熱材32Bの、内側容器22内における充填高さは、実質的に同じになっている。なお、実質的に同じとは、同じである場合を含み、且つ、同じでなくとも略同じ場合を含む。
図2に示すように、第1蓄熱材32A、及び第2蓄熱材32Bの上方には、それぞれ、第1分解触媒18、及び第2分解触媒19が配されている。第1分解触媒18、及び第2分解触媒19は、VOCを含むガスと接触して、VOCを分解させる。第1分解触媒18、及び第2分解触媒19の、内側容器22内における充填高さは、実質的に同じになっている。
図2に示すように、第1三方バルブ26、及び第2三方バルブ27を切り替えることにより、VOCを含むガスは、第1三方バルブ26、第1通気路30、第1蓄熱材室33A(第1蓄熱材32A)、反応室34(第1分解触媒18、第2分解触媒19)、第2蓄熱材室33B(第2蓄熱材32B)、第2通気路31、第2三方バルブ27の順に流通される。この流通経路は第1経路とされる。第1経路は、図2において矢線Aで示される。
続いて、本実施形態の作用、効果について説明する。まず、図2に示すように、第1経路でガスを流通させると、VOCを含んだガスは、第1三方バルブ26から第1出入口を経て外側容器23内に導入される。続いてガスは、第1通気路30内を流通した後、内側容器22の支持部28から内側容器22内に導入される。内側容器22の第1蓄熱材室33Aに導入されたガスは、第1蓄熱材32Aと接触する。
以下、本発明に係るガス処理装置10の実施例1について説明する。上述したガス処理装置10内に、濃度1,000ppmのIPA(VOCの一例)と、濃度10ppmのHMDS(ヘキサメチルジシラザン、触媒毒の一例)と、を含むガスを、流速0.45m3/minで流通させた。なお、HMDSの沸点は、122℃〜127℃(MSDS−OHS (2004))である。第1分解触媒18、及び第2分解触媒19は、パラジウム担持触媒を用いた。SVは、37,000h−1とした。
比較例1に用いたガス処理装置80を図6に模式的に示す。このガス処理装置80は、濃度1000ppmのトルエン(VOCの一例)と、濃度5ppmのHMDS(触媒毒の一例)と、を含む反応ガスが流通される反応管内に、蓄熱材82に相当する板状のコージェライトを4層積層したものと、板状の担体にパラジウムを担持したパラジウム担持触媒88と、が収容されている。コージェライトと、パラジウム担持触媒88とは、反応管内に設けられた加熱手段85により、500℃に維持されるようになっている。反応ガスのSVは80,000h−1に設定された。
図5に示すように、実施例1においては、IPAの出口濃度が200ppmとなる80%破過時間は、570分であった。
次に、本発明の実施形態2を、図7を参照しつつ説明する。本実施形態にかかるガス処理装置40は、反応室44に、複数(本実施形態では3つ)の蓄熱材室43が並設されている。蓄熱材室43は、図7における左から第1蓄熱材室43A、第2蓄熱材室43B、及第3蓄熱材室43Cとされる。各蓄熱材室43A,43B,43Cにはそれぞれ、第1蓄熱材42A、第2蓄熱材42B、及び第3蓄熱材42Cが収容されている。各蓄熱材42A,42B,42Cの上方には、それぞれ第1分解触媒48、第2分解触媒49、及び第3分解触媒50が配されている。また、各分解触媒48,49,50の上方には加熱手段35が配されている。各分解触媒48,49,50、及び加熱手段45が収容された領域が、反応室44とされる。
次に、本発明の実施形態3について、図8を参照しつつ説明する。本実施形態に係るガス処理装置60は、反応室64と蓄熱材室63とは、円筒形をなして一体に形成されている。詳細には、図8における下側に蓄熱材62を収容する蓄熱材室63が形成されており、この蓄熱材室63の上方に、直列に並んで分解触媒67を収容する反応室64が形成されている。反応室64の上部には、加熱手段65が配されている。また、反応室64の上端部は封止されている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)反応室と、蓄熱材室とは、別体に形成されて、流通経路で接続される構成としてもよい。これにより、反応室のメンテナンスと、蓄熱材室のメンテナンスとを個別に行うことができるので、メンテナンス性が向上する。
(2)反応室又は蓄熱材室は、二塔式であってもよく、また、四塔以上の多塔式であってもよい。このとき、1つの反応室に各蓄熱材室が接続される構成としてもよく、また、各蓄熱材室に対して個別に反応室が接続される構成としてもよい。
(3)実施形態3においては、給排気ユニット70を固定して、分解触媒67、及び蓄熱材62を回転させる構成としたが、これに限られず、分解触媒67、及び蓄熱材62を固定して、給排気ユニット70を回転させる構成としてもよい。また、分解触媒67及び蓄熱材62と、給排気ユニット70との双方を回転させる構成としてもよい。
(4)分解触媒によるVOCの分解反応は、酸化分解に限られず、無酸素雰囲気下におけるVOCの分解反応であってもよく、任意の分解反応を利用できる。
18,48…第1分解触媒(分解触媒)
19,49…第2分解触媒(分解触媒)
22…内側容器
23…外側容器
26…第1三方バルブ(切り替え手段)
27…第2三方バルブ(切り替え手段)
29…隔壁
32…蓄熱材
32A,43A…第1蓄熱材(蓄熱材)
32B,43B…第2蓄熱材(蓄熱材)
33A,43A…第1蓄熱材室(蓄熱材室)
33B、43B…第2蓄熱材室(蓄熱材室)
34,44,64…反応室
35,65…加熱手段
42C…第3蓄熱材(蓄熱材)
43…蓄熱材室
43C…第3蓄熱材室(蓄熱材室)
50…第3分解触媒(分解触媒)
52…バルブ(切り替え手段)
67…分解触媒
68…給気口
69…排気口
70…給排気ユニット
Claims (8)
- 揮発性有機化合物を含んだガスが流通する蓄熱材を収容した蓄熱材室と、前記揮発性有機化合物を分解させる分解触媒が収容されて前記分解触媒を加熱する加熱手段を有する反応室とを備え、前記蓄熱材を通ったガスが引き続き前記反応室に流れる第1の状態と、前記反応室を通ったガスが引き続き前記蓄熱材に流れる第2の状態とが交互に生ずるようにされ、前記第2の状態において前記蓄熱材を加熱すると共に前記第1の状態で前記蓄熱材によって前記反応室に向かうガスを加熱するようにしたガス処理装置において、
前記ガスには前記分解触媒を被毒する有機シリコン化合物が含まれており、
前記蓄熱材の温度は、前記反応室に向かう前記ガスの流れの上流側において、ヘキサメチルジシラザンの沸点よりも低くなるように維持されているガス処理装置。 - 前記蓄熱材室は、前記反応室について前記ガスが流通する方向の両側の位置に配されて、それぞれ第1蓄熱材室、及び第2蓄熱材室とされており、更に、前記ガスを前記第1蓄熱材室、前記反応室、前記第2蓄熱材室の順に流通させる第1経路、及び、前記ガスを前記第2蓄熱材室、前記反応室、前記第1蓄熱材室の順に流通させる第2経路、を切り替える切り替え手段を備えた請求項1に記載のガス処理装置。
- 内側容器と、前記内側容器を外側から隙間を有して覆う外側容器と、を有し、前記内側容器の内部には前記反応室が設けられている請求項1または請求項2に記載のガス処理装置。
- 前記内側容器には、前記蓄熱材室が更に設けられている請求項3に記載のガス処理装置。
- 前記内側容器の内部は、前記ガスが流通可能な隙間を有して隔壁で仕切られている請求項3または請求項4に記載のガス処理装置。
- 前記蓄熱材室は複数設けられると共に前記反応室に対して並設されており、前記蓄熱材室及び前記反応室への前記ガスの流入方向及び排出方向を切り替える切り替え手段を備えた請求項1に記載のガス処理装置。
- 前記反応室と前記蓄熱材室は一体に形成されると共に互いに直列に配されており、前記反応室及び前記蓄熱材室の内部には、分解触媒及び蓄熱材が一体に積層されて収容されており、前記反応室と前記蓄熱材前記反応室のうち前記蓄熱材室と反対側に位置する端部は封止されており、前記蓄熱材室について前記反応室と反対側の端部には、前記ガスを前記蓄熱材室に供給する給気口と、前記ガスを前記蓄熱材室から排出する排気口とが設けられた給排気ユニットが、前記反応室及び前記蓄熱材室と直列に配されており、前記分解触媒及び前記蓄熱材と、前記給排気ユニットとは、互いの並び方向を軸として相対的に回転可能に配設されている請求項1に記載のガス処理装置。
- 前記分解触媒は、白金、パラジウム、鉄、チタン、ジルコニウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、セリウム、インジウム、タングステン、スズ、マグネシウム、カルシウム、ナトリウムの金属、および金属酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載のガス処理装置。
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