JP5337191B2 - 釘抜き工具 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばコンクリート構築物、型枠等の種々の建築資材から突出している釘を引き抜くための釘抜き工具に関する。
従来、建築分野等においては、図5(a)の縦断面図に示すように、例えばコンクリート壁、コンクリート天井等のコンクリート躯体50の内部において、内部に電線、各種ケーブル等(不図示)を挿入したフレキシブルホース51aを引き回した後、その電線等を室内52側に露出させるために、躯体側フレキシブルホース51aと室内側フレキシブルホース51bとを、室内52側から接続作業するための埋設部材53が使用されている。
埋設部材53は、図5(a)及び図5(b)の斜視図に示すように、内部が空洞53aになっているプラスチック製品で、一端部にホース51aとの接続口53bを、他端部に型枠54等に埋設部材53全体を釘打ち固定するためのボス部53cを有し、このボス部53cの基端部53e(図3(e)参照)は空洞53a内からの引き抜き力により容易に外れるように薄肉に形成されているものである。
この埋設部材53の使用方法は、まず埋設部材53にホース51aを連結させた状態で開口53d側を、二点鎖線で示す型枠表面54aに当接させ、ボス部53cからスクリュー釘55によって型枠54に釘打ち固定する。
次にコンクリート打設後、型枠54を撤去し、図5(a)及び図5(c)の部分縦断面図に示すように、埋設部材53のボス部53cから、埋設部材53の型枠54との当接面53fを超えて室内52側に突出している釘55をボス部53cごとペンチ56で図の矢印のごとく左右に振る。
前述したように、ボス部53cの基端部53eは薄肉に形成されているので、この部分が破壊され、スクリュー釘55は容易にボス部53cごと埋設部材53から離脱する。この状態で埋設部材53は、コンクリート躯体50内に埋設されたままとなり、その開口53dを利用しての電線等の室内接続作業が可能となる。
しかし、このようなペンチ56によるスクリュー釘55の抜き取り作業は、ペンチ56の繰り返し荷重によるボス部53cの疲労脆化を待って行うものであり、抜き取りまでにかなりの時間を要すること、及び限られた狭い空洞53a内での作業のために、ペンチ56の搖動範囲が制約されること等の問題があった。
また、埋設部材の中には前述した図5の埋設部材53のようなタイプとは異なり、空洞53aからスクリュー釘55が突出していないタイプのものも存在する。
このタイプを示したのが図6(a)の部分縦断面図及び図6(b)の底面図に示す埋設部材53Aである。
図に示すように、このタイプは、フランジ状台座57、胴部58及び頭部59が一体になったプラスチック製品で、室内52から挿入する吊りボルト59が螺合するナット60が頭部59内に、型枠54への固定用釘61が複数本(図では3本)台座57から室内52側に突出状態で胴部58の厚み部58aに埋設されているものである。
使用に際しては、埋設部材53A全体を型枠表面54aに宛てがい、頭部59をハンマーで叩いて釘61により型枠54に打ち込み固定し、その後にコンクリートを打設し、型枠54を除去後、室内52側に突出している釘61を抜き取り、フランジ57の薄肉部57aを破り、室内52から吊りボルト59を挿入して、ナット60にねじ込み固定するものである。
このタイプの釘の抜き取り作業は、台座57から釘61が相互に接近して突出しているために、ペンチを左右に折り曲げる際に隣接釘と緩衝し、作業がしづらい問題があり、また、及び台座57から突出している釘61を直接抜き取るために強力な把持力と抜き取り力が必要であった。
従来の釘抜き工具としては、上記ペンチ以外にも例えば特許文献1及び特許文献2に記載のものがある。このうち特許文献1の釘抜きは、図は省略するが、いわばペンチに釘抜きを併設させた構成のものからなり、ペンチの把持部と支点との間に引き抜き時のてこの支点となる枕状部材を設けたもので、釘の引き抜きに際しては、ペンチ先端部で釘を挟持しつつ、上記枕状部材を支点にして引き抜くものである。
一方、特許文献2の釘抜きは、ニッパーの支点軸の端部に広幅の円弧状枕部材を固定したもので、釘の引き抜き時には挟持した釘を支点軸の長手方向に引き起こすものである。

しかし、これらの従来の釘抜きにおいても、いずれのものもてこ支点がペンチ先端部からハンドル方向に離れ過ぎているために、ペンチ先端部に加わる引き抜き力が十分でない問題があった。
また、大きな引き抜き力を得ようとして、てこ支点をペンチ先端部に近づけても、枕状部材が釘を把持するときに釘と緩衝してしまうため、結局釘抜き効果が十分でないという問題があった。
特に、上記埋設部材53を使用する場合は、引き抜き時のてこ支点が空洞53a内に落ち込んでしまうために非常に使いづらいものであった。
特開2001−198852号公報(図1の枕支点2) 実開平7−673号公報(図1乃至図3の支点部2)
本発明は、上記問題点を解決せんとするもので、釘が突出している部位の状況如何に関わらず、突出している釘を大きな引抜力で容易に引き抜くことのできる釘抜き工具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る釘抜き工具は、
近接及び離間操作が可能な一対の操作レバーを有する把持部と、
前記一対の操作レバーを回動自在に枢支する枢支部と、
前記一対の操作レバーを互いに近接又は離間することで、基準面から突出した釘を前記枢支部を介して挟持又は開放する一対の挟持部と、を有する本体部を備え、
前記一対の挟持部のうちのそれぞれの挟持部は、前記挟持部に介設されたリンク機構により前記一対の操作レバーのそれぞれのレバーと略平行となるように配置され、
前記一対の挟持部を前記基準面から突出した釘軸と正対した位置で、かつ、前記基準面に当接した状態で前記釘軸を挟持しつつ、前記釘軸に対して前記一対の挟持部が互いに近接する方向に前記本体部を傾斜させる際の前記釘を引き抜くための支点となる支点部を、
前記一対の挟持部のうちの少なくとも前記本体部を傾斜させる方向側に位置する挟持部の近傍に挟持部よりも先端側に突出形成され、かつ、前記挟持部が釘軸と正対した位置で釘を挟持する前にコンクリート面又は埋設部材の型枠との当接面に当接可能であるか、又は前記挟持部が釘軸の基準面から離れた箇所を挟持した状態で略当接可能となる位置に、配設したことを特徴とする。
請求項2に記載の釘抜き工具は、請求項1に従属し、
前記一対の挟持部は、それぞれの挟持部の把持部側基端部が、前記枢支部の両側から該枢支部を超えて挟持部側に突出した把持部先端部の第1結合点において、回動自在に第1リンク結合され、
それぞれの挟持部の先端部側が、前記第1結合点からの距離よりも挟持部先端部からの距離の方が小なる第2結合点において、対向する挟持部とリンク片で回動自在に第2リンク結合されたものであることを特徴とする。
請求項3に記載の釘抜き工具は、請求項1又は2に従属し、
前記一対の挟持部のうちの一方の挟持部の当接面が、凹凸状に形成されていることを特徴とする。
請求項1に係る釘抜き工具によれば、釘を抜くときの支点となる位置を、従来の釘抜きの支点位置とは異なり、支点部が、挟持部の先端面と略同一か、又は該先端面よりも前方に突出して形成されているので、さらに支点部を基準面に接近して当接させることができ、より一層てこ作用による大きな引き抜き力を釘に作用させることができる。特に、一対の挟持部を一対の把持部と略平行に直結している態様の二段リンク機構(いわゆる倍力リンク機構)としたので、作業者が把持部に握力を加えつつ支点部を支点にして工具の全体を傾斜する際に、作業者の把持部の動きに同調して一対の挟持部が同時に中心方向に互いに拡大された力で接近する。
請求項2に係る釘抜き工具によれば、一対の挟持部が一対の把持部と略平行に直結している態様の二段リンク機構としたので、作業者が把持部に握力を加えつつ支点部を支点にして工具の全体を傾斜する際に、作業者の把持部の動きに同調して一対の挟持部が同時に中心方向に互いに拡大された力で接近する。
請求項3に係る釘抜き工具によれば、一対の挟持部のうちの一方の当接面が、凹凸状
に形成されているので、確実に釘を挟持することができる。よって、釘を引き抜く際に釘
が挟持部から抜け出ることが少ない。
以下、本発明を実施するための最良の形態(実施例)を、図面を参照して説明する。
図1及び図2は、本発明に係る釘抜き工具の一例を示すもので、図1(a)は、釘抜き工具1の全体構成の平面図、図1(b)は、その左側面図、図2(a)乃至図2(f)は、図1に示す釘抜き工具1の挟持部4の構成部品の詳細図である。
まず、図1(a)及び図1(b)を参照して、本発明に係る釘抜き工具1の全体構成を説明する。
図1に示すように、本発明の釘抜き工具1は、把持部2と、枢支部3と、挟持部4とで構成される。
把持部2は、作業者が握力を加える部分で、その形状、長さ、材質等は特に限定されない。本実施例では、断面が略「コ」字状の一対の鋼製操作レバー2aとされ、その先端部2bは後述する枢支部3を超えて挟持部4方向に延在されている。一方、手元の基端部2cは作業者が握るに足る長さとされ、表面に合成樹脂製の保護カバーが巻かれている。
なお、符号2dは、レバー2aに常時「開」方向への付勢力を与えるためのバネで、レバーの鞘内に装着されている。また、符号2eは、レバー2aの閉止位置を設定するためのストッパーで、ボルトとナットとで構成されている。符号2fは、開方向に付勢されているレバー2aをそれ以上開かないようにするための掛止金具である。
枢支部3は、把持部2の一対の操作レバー2aを回動自在に枢支することにより、レバー2aの開閉動作を次の挟持部4に伝えるための支点となるものである。本実施例では、一対の操作レバー2aを回動自在に枢支するピン止め構造となっており、その外周に前述したバネ2dが装着されている。
挟持部4は、釘の突出部分(不図示)をその両側から挟持するためのもので、刃付きヘッドAと支点部付きヘッドBとからなる一対の挟持部で構成される。
一方の挟持部である刃付きヘッドAは、その基端部4aが、操作レバー2aの先端部2bとピン4bで回動自在にリンク結合されているともに、ヘッドAの先端部4cには先細状の咥え刃4dが設けられ、この咥え刃4dは図1(a)の紙面と垂直方向の長さが図1(b)に示すように広幅Wに形成されている。
一方、他方の挟持部である支点部付きヘッドBは、その基端部4aが、ヘッドAと同様に操作レバー2aとピン4bにおいて回動自在にリンク結合されているとともに、先端部4c近傍には、刃受け部4jと支点部4eとが設けられている。
刃受け部4jは、これと対向位置にあるヘッドAの咥え刃4dと挟持の際に当接する部位であり、刃付きヘッドAの咥え刃4dと確実に噛み合うとともに、正対した釘の釘軸を一定長さで確実に挟持するためのものである。
支点部4eは、図3(a)で後述する基準面Fから突出している釘55を引き抜く際に、基準面Fに接触させ、これをてこ支点にして釘抜き工具1全体を傾斜させて引き抜くためのもので、挟持部4の両側方に「T」字状に突出して形成されており、その全幅Lは刃付きヘッドAの咥え刃4dよりもさらに広幅(L>W)に形成されている。
支点部4eの幅Lとしては、特に限定するものではないが、図5(c)で前述した埋設部材53のように、釘55が開口53dから室内52側に突出しているような場合は、支点部4eを確実に基準面Fに当接して架設するために、開口53dの内幅よりも長く設定するのが好ましい。
支点部4eの配設位置としては、釘軸と正対した位置であって、かつ、釘を挟持する前に基準面Fに当接可能であるか、又は両ヘッドA、Bが釘を挟持した状態で、基準面Fに略当接可能となる位置である。これらの位置ならば、支点部4eを確実に基準面Fに当接できるとともに、支点部4eを最も基準面Fに近づけることができ、最大の釘抜き効果を発揮できるからである。
なお、支点部4eは、本実施例では図の右側に配設したが、刃付きヘッドAと支点部付きヘッドBを入れ替えて図の左側としてもよく、また、両方をヘッドBで構成することにより、両側に設けても良い。すなわち、一対のヘッドA、Bのうちの少なくとも一方の挟持部に設けられていれば良い。
両ヘッドA、Bは、いずれも先端部寄りの位置において、板状部材4fで相互に結合されているとともに、ピン4gで回動自在にリンク結合されている。
よって、本実施例の挟持部4は、一対のヘッドA、Bのそれぞれが一対の操作レバー2aのそれぞれのレバーと略平行に配置されているとともに、両ヘッドA、Bの基端部4aが、枢支部3の両側から挟持部4側に突出した把持部先端部2bの第1結合点(ピン4b位置)において回動自在に第1リンク結合され、また、それぞれのヘッドA、Bの挟持部4側が、第1結合点からの距離よりも咥え刃4d及び刃受け部4jからの距離の方が小なる第2結合点(ピン4g位置)において、互いにリンク片で回動自在に第2リンク結合されているので、これら部材で倍力リンク機構5を構成している。
すなわち、この倍力リンク機構5は、枢支部3を回動支点とする第一段目の倍力リンク機構と、ピン4gを回動支点とする二段目の倍力リンク機構とが、ピン4bにおいて回動自在に結合された二段構造の倍力リンク機構を形成している。
本実施例の釘抜き工具1は、このような2段倍力リンク機構5を挟持部4側に介設したので、一方の挟持部4(ヘッドA側)を、ピン4bを介して一方の把持部2と直結でき、同様に他方の挟持部4(ヘッドB側)もピン4bを介して他方の把持部2と直結することができ、一対の挟持部同士と一対の把持部同士とを略平行に配置した状態で、枢支部3にて回動自在に結合することができる。
この態様によれば、詳細は図3(b)で述べるが、釘抜き時に優れた作用効果を奏することができる。
次に、図2を参照して、挟持部4の主要構成部品である刃付きヘッドAと、支点部付きヘッドBの構成をさらに詳細に説明する。
図2(a)は刃付きヘッドAの正面図、図2(b)はその左側面図である。図2(c)は、支点部付きヘッドBの正面図、図2(d)はその右側面図、図2(e)は図2(c)の支点部付きヘッドBの平面図、図2(f)はその左側面図である。
図2(a)及び図2(b)において、刃付きヘッドAは、細長い板状部材で、その先端部4cには、枢支部3の軸方向と同一方向に延びる幅Wを有する咥え刃4dが形成され、基端部4aと咥え刃4dの手前にはそれぞれ第1リンク及び第2リンク結合の支点となる第1リンク孔4hと第2リンク孔4iとが形成されている。
一方、図2(c)及び図2(d)に示すように、支点部付きヘッドBは、基端部4aが板状部材で構成され、第1リンク孔4hと第2リンク孔4iとが形成されている点は前述の刃付きヘッドAと同様であるが、先端部4c近傍に前述の支点部4eと、刃受け部4jとを有する点で構成が大きく異なる。
図2(c)及び図2(f)に示すように、刃受け部4jの幅Wは、刃付きヘッドAの咥え刃4dの幅Wと同じであるが、刃受け部4jの釘抜き工具1の長手方向に沿う寸法Hは、刃付きヘッドAの咥え刃4dのそれよりは数倍長く形成され、一定面積を占めるように形成されている。
この刃受け部4jは、図2(f)に示すように、釘を引き抜く際に容易に抜けないように、ローレット加工その他の抜け止め加工が施されているのが好ましく、また、繰り返し使用に耐えられるように、その当接面は焼入れ、窒化加工その他の硬化加工が施されているのが好ましい。刃付きヘッドAの咥え刃4dについても同様である。
支点部4eは、図2(d)及び図2(f)に示すように、前述した刃受け部4jの長さよりは遥かに長い長さLを有する断面円形の棒状部材とされている。勿論、断面形状は特に限定するものではなく、基準面F方向を頂点とする三角形や楕円形等であっても良い。
以上に述べた両ヘッドA、Bの材質としては、特に限定するものではなく、例えばクロムモリブデン鋼、工具鋼などが好ましい。また、咥え刃4dと刃受け部4jの当接部は、前述した焼入れ加工、窒化加工等により、繰り返し使用による摩滅が生じにくいものが好ましい。
次に、図3を参照して、本発明に係る釘抜き工具1の作用効果について説明する。
なお、前述の図面で説明した部材の符号と同一符号のものは同一部材であることを示している。
まず、図3(a)の状態は、図5(a)で説明した型枠54が撤去され、埋設部材53が型枠54との当接面53fに一致した状態でコンクリート躯体50内に埋設され、ボス部53cから室内52側にスクリュー釘55の先端部が基準面Fから突出している様子を示している。
ここで、「基準面F」とは、ヘッドBの支点部4eが当接する相手部材の平面を言うものとする。例えば、当接する相手部材がコンクリート面50aのみの場合はコンクリート面50aが基準面Fであり、当接する相手部材が図に示すような埋設部材53の場合は、型枠54との当接面53f(当接面であるから開口53d部分を除く。)が基準面Fである。
この状態のスクリュー釘55に対し、釘抜き工具1の全体を、突出した釘軸と正対する位置で、かつ、支点部付きヘッドBの支点部4eを基準面Fに当接させた状態で、釘軸を刃付きヘッドAの咥え刃4dと支点部付きヘッドBの刃受け部4jとで挟持する。
この時、ヘッドBの支点部4eは、この部分の左側面図である図3(b)に示すように、挟持部4の両側方が長さLの広幅に形成されているから、埋設部材53の開口53dの内幅を超えて当接面53fに架設することができ、また、その架設位置も安定する。
また、スクリュー釘55は、通常は図の実線位置で挟持するが、仮に図の二点鎖線で示すスクリュー釘55aのように、先端部が開口53dから突出して両ヘッドA、B又はリンク片4fと緩衝するような長いものである場合であっても、ヘッドAの咥え刃4dとこれに当接するヘッドBの刃受け部4jとは共に幅Wの広幅に形成されているから、両ヘッドA、Bを図の右方にずらことができ、図の二点鎖線位置において支障なく挟持できる。
さらに、咥え刃4dと刃受け部4jとが広幅Wに形成されていることは、釘55が長くないまでも、仮に基準面F上に障害物が突出しているがためにヘッドBの支点部4eの端部が障害物に干渉する場合においても同様であり、幅Wの範囲内でヘッドの側方移動が可能であるから支障なく挟持でき、本実施例の釘抜き工具は周囲環境に柔軟に対応できる自由度の高いものである。
次に、釘55には、把持部2に加えられた作業者の握力F1により、枢支部3を介して倍力リンク機構5による増大された挟持力が加わる。
具体的には、握力の作用点Pから枢支部3までの長さをL1、枢支部3からピン4bまでの長さをL2、ピン4bからピン4gまでの長さをL3、ピン4gから両ヘッドA、Bの挟持点Qまでの長さをL4とし、作用点Pに作業者の握力F1が加わると、ヘッドAの咥え刃4dとヘッドBの刃受け部4jとが中心方向に同時に接近し、挟持点Qには、倍力リンク機構5により、下記式による挟持力F2が作用する。
F2=F1×(L1/L2)×(L3/L4)
すなわち、挟持点Qの挟持力F2は、前述した第一段目の倍力リンク機構により(L1/L2)倍に拡大され、さらに第二段目の倍力リンク機構により(L3/L4)倍に拡大されるので、釘55は、両リンク機構の相乗作用により、釘軸の両側から非常に大きな挟持力で挟持される。
次に、図3(c)に示すように、作業者がヘッドBの支点部4eを基準面Fに当接させた状態で、かつ、把持部2に握力F1を加えた状態で、釘抜き工具1の全体を、支点部4eをてこ支点にして、図の矢印(反時計方向)方向に傾斜角θ1まで傾斜させる。
この時、両ヘッドA、Bの挟持点Qには、作業者が把持部2の作用点Rに加える力をF3とし、作用点Rから支点部4eの基準面Fとの当接点S(この当接点Sは、傾斜時のてこ支点である。)までの長さをL5とし、この当接点Sから挟持点Qまでの長さをL6とすると、挟持点Qには、線分SRに直交する反時計回り方向の概ね下記式による力F4が作用する。
F4=F3×(L5/L6)
すなわち、挟持点Qには、握力による挟持力F2と、てこ作用による力F4とが作用する。
この二つの力のうち力F4は、スクリュー釘55を釘軸方向に引き抜く力と、釘軸に直交する方向の力(釘を傾斜させ、ボス部53cを折損させる力)との二つの分力に分けられる。これら二つの分力は、いずれも本発明においてはてこの原理により(L5/L6)比が相当大きいから、非常に大きな力が作用することになる。よって、作業者は、釘55からの引き抜き反力に負けることはなく、スムーズに引き抜き作業を継続することができる。
この際、本実施例の釘抜き工具1は、図1(a)で説明したように、挟持部4側に2段倍力リンク機構5を介設したことにより、ヘッドA、Bのそれぞれがピン4bを介して把持部2側と直結され、かつ、略平行に配置した状態で枢支部3にて回動自在に結合されているので、作業者が釘抜き工具1の全体に釘55を引き抜く傾斜側へ力F3を加えると、作業者が操作ハンドル2aを力F1で握る方向と、支点部4eをてこ支点として工具1の全体を傾斜させる力F3の方向とが同一方向となり、作業者が把持部2に加えている力F1は、枢支部3を介して倍力リンク機構5で増大された上、直接両ヘッドA、Bの挟持点Qに作用する。
よって、本実施例の釘抜き工具1は、作業者が把持部2を力F1で握った状態で釘55を引き抜く傾斜側へ力を加えると、直接、挟持点Qに釘55をより挟持する方向の挟持力が作用し、この分、挟持点Qにはより増大された挟持力(図1(a)の挟持力F2よりも大きい。)が作用する。
よって、スクリュー釘55は、より一層強力な挟持力により挟持されつつ、傾斜が進み、釘軸方向に引き抜かれることになる。
かくして、釘抜き工具1全体の傾斜がさらに進み、図3(d)の状態となると(傾斜角θ1<θ2)、前述したようにボス部53cの基端部53eが薄肉に形成されているので、釘55は、この部分からボス部53cごと埋設部材53から離脱し、図の右下下方に引き抜かれる。
この際の工具1全体の傾斜角度θ2としては、支点部4eを挟持点Qに最も近い当接面53fに当接させた状態で釘55に上述した強力な引き抜き力を加えることができるためわずかな傾斜角で十分であり、例えば支点部4eの周辺又は工具の回動方向に緩衝する障害物等が存在するなど、わずかな角度でしか傾斜できない場合においても容易に引き抜くことができる。
一方、障害物等が存在しない場合は、本発明の釘抜き工具1は、従来の釘抜き工具と異なり、支点部4eが当接面53fに最も近い位置に存在するので、工具1を図3(a)の位置からほぼ90°に近い位置まで傾斜させることができ、一回の傾斜動作で釘55に対する引き抜き距離を大きくとることができる。よって、再度の傾斜動作を加えずとも、一回の傾斜動作で確実に釘55を引き抜くことが可能になる。
このように、本発明の釘抜き工具1は、先端部に支点部4eを有する挟持部4の特徴ある構成により、スクリュー釘55に対して、倍力リンク機構5で増幅された挟持力F2で挟持しつつ、てこ作用による力F4の二つの分力により強力な引き抜き力を加えることができるから、容易に引き抜くことができる。
なお、釘抜き工具1の傾斜方向としては、本実施例タイプの場合は、反時計回り方向であるが、支点部4eが図の左側のヘッドA側にあるタイプの場合は時計回り方向に傾斜させる。また、支点部4eが両ヘッドA、Bにあるタイプの場合は、傾斜できる周囲のスペースと作業者の利き手とにより、任意の方向を選択する。
本実施例では釘抜きの対象物として、スクリュー釘55は、先端部分が埋設部材53の空洞53a内から室内52側に突出している形態のものについて説明したが、これは本発明の最も好ましい形態であって、勿論頭部が室内側に突出しているものであっても良いし、釘に限らず線材その他の挟持できるものならばあらゆるものに適用できる。
図4は、本発明に係る釘抜き工具の別例の平面図で、倍力リンク機構が把持部2A側にも配設されている例である。なお、前述の図面で説明した部材の符号と同一符号のものは同一部材であることを示している。
図4のタイプの釘抜き工具1Aは、一対の操作レバー2kがその先端部の枢支部3Aにおいて回動自在にリンク結合され、また、その枢支部3Aから、操作レバー2k寄りに離れた位置において、刃付きヘッドAと支点部付きヘッドBとが交差ピン4k(第2結合点)で交差した状態の挟持部4Aが、ピン2l(第1結合点)で回動自在にリンク結合されており、これら部材で倍力リンク機構6を構成している。
なお、符号2mは、一対の操作ハンドル2kを常時開状態に付勢するためのバネである。
すなわち、この倍力リンク機構6は、枢支部3Aを回動支点とする第一段目の倍力リンク機構と、交差ピン4kを回動支点とする二段目の倍力リンク機構とが、ピン2lにおいて回動自在に結合された二段構造の倍力リンク機構を形成している。
したがって、この形式の釘抜き工具1Aにおいても、作業者が一対の操作レバー2kの作用点P点に握力F5を加えて互いに近接させると、刃付きヘッドAと支点部付きヘッドBも操作レバー2aの動きに同調して両ヘッドA、Bが同時に中心方向に互いに接近し、両ヘッドA、Bの挟持点Qには、倍力リンク機構6による増大された大きな挟持力F6を作用させることができる。
具体的には、握力の作用点Pから枢支部3Aまでの長さをL7、枢支部3Aからピン2lまでの長さをL8、ピン2lから交差ピン4kまでの長さをL9、交差ピン4kから両ヘッドA、Bの挟持点Qまでの長さをL10とし、P点に作業者の握力F5が加わると、挟持点Qには、倍力リンク機構6により、下記式による挟持力F6が作用する。
F6=F5×(L7/L8)×(L9/L10)
すなわち、挟持力F6は、第一段目の倍力リンク機構により(L7/L8)倍に拡大され、さらに第二段目の倍力リンク機構により、(L9/L10)倍に拡大されるので、本実施例においても、釘は釘軸の両側から非常に大きな挟持力で挟持されることになる。
この場合、作業者が把持部2Aの作用点Pに握力F5を加えると、作業者の把持部2Aの動きに同調して一対の挟持部4Aが同時に中心方向に互いに増大された挟持力F6で接近するが、この時の挟持力F6の方向は、支点部4eをてこ支点として工具1Aの全体を傾斜させる力の方向と同一方向となるので、釘抜き工具1Aの全体を傾斜させると釘をより一層挟持する方向に作用し、実施例1の工具1と同様、容易に釘を引き抜くことができる。
本発明に係る釘抜き工具の一例を示すもので、図1(a)は、全体構成の平面図、図1(b)は、その左側面図である。 図1の釘抜き工具の挟持部4の各構成部品図で、図2(a)は刃付きヘッドの正面図、図2(b)はその左側面図、図2(c)は支点部付きヘッドの正面図、図2(d)はその右側面図、図2(e)は図2(c)の支点部付きヘッドの平面図、図2(f)はその左側面図である。 図1及び図2の釘抜き工具の動きを説明する図で、図3(a)は釘抜き工具で釘を挟持した状態を示す一部断面の正面図、図3(b)は図3(a)の釘抜き工具の挟持部の部分左側面図、図3(c)は作業者が工具に力を加えて傾斜させた状態を示す一部断面の正面図、図4(d)は釘を抜き取った直後の状態を示す一部断面の正面図である。 本発明に係る釘抜き工具の別例の平面図である。 従来技術における釘抜きの様子を示した図で、図5(a)はコンクリート躯体内に埋設されている埋設部材の縦断面図、図5(b)はその埋設部材の斜視図、図5(c)は埋設部材内から突出している釘の抜き取り状況を示す縦断面図である。 図5の埋設部材とは異なる形態の埋設部材で、図5(a)は、その一部断面の縦断面図、図5(b)は、その底面図である。
1 釘抜き工具
1A 釘抜き工具
2 把持部
2a 操作レバー
3 枢支部
4 挟持部
4d 咥え刃
4e 支点部
4j 刃受け部
4k 交差ピン
5 倍力リンク機構
6 倍力リンク機構
53 埋設部材
53A 埋設部材
53d 開口
54 コンクリート型枠
55 スクリュー釘
A 刃付きヘッド
B 支点部付きヘッド
F 基準面
Q 挟持点

Claims (3)

  1. 近接及び離間操作が可能な一対の操作レバーを有する把持部と、
    前記一対の操作レバーを回動自在に枢支する枢支部と、
    前記一対の操作レバーを互いに近接又は離間することで、基準面から突出した釘を前記枢支部を介して挟持又は開放する一対の挟持部と、を有する本体部を備え、
    前記一対の挟持部のうちのそれぞれの挟持部は、前記挟持部に介設されたリンク機構により前記一対の操作レバーのそれぞれのレバーと略平行となるように配置され、
    前記一対の挟持部を前記基準面から突出した釘軸と正対した位置で、かつ、前記基準面に当接した状態で前記釘軸を挟持しつつ、前記釘軸に対して前記一対の挟持部が互いに近接する方向に前記本体部を傾斜させる際の前記釘を引き抜くための支点となる支点部を、
    前記一対の挟持部のうちの少なくとも前記本体部を傾斜させる方向側に位置する挟持部の近傍に挟持部よりも先端側に突出形成され、かつ、前記挟持部が釘軸と正対した位置で釘を挟持する前にコンクリート面又は埋設部材の型枠との当接面に当接可能であるか、又は前記挟持部が釘軸の基準面から離れた箇所を挟持した状態で略当接可能となる位置に、配設したことを特徴とする釘抜き工具。
  2. 前記一対の挟持部は、それぞれの挟持部の把持部側基端部が、前記枢支部の両側から該枢支部を超えて挟持部側に突出した把持部先端部の第1結合点において、回動自在に第1リンク結合され、
    それぞれの挟持部の先端部側が、前記第1結合点からの距離よりも挟持部先端部からの距離の方が小なる第2結合点において、対向する挟持部とリンク片で回動自在に第2リンク結合されたものであることを特徴とする請求項1に記載の釘抜き工具。
  3. 前記一対の挟持部のうちの一方の挟持部の当接面が、凹凸状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の釘抜き工具。
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