JP5336695B2 - 繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法に関する。
軽量で高強度な素材として繊維強化プラスチック(FRP)が各種産業分野で注目されており、中でも炭素繊維強化プラスチックはその優れた機械特性等から多用されつつある。そして、このような繊維強化プラスチックは、従来ハンドレイアップ成形法により形成されることが多かったが、比較的大型の成形品を製造するには好ましくなく、コストがかかるとともに、製造中にスチレン等が揮散する問題等もあって、近年では真空吸引による減圧環境下で成形を行う真空注入成形法が採用されつつある。
この種の真空注入成形法については、例えば特許文献1にその基本的な技術が開示されており、成形型に繊維レイアップ層を配置し、この上に樹脂分配用の注入管を配設してバッグフィルムで包被するとともに、その周囲をシールして、真空吸引されたバッグフィルム内に樹脂を注入することにより成形品を得る構成とされている。
特開平10−504501号公報
上記のような従来の真空注入成形法は、各種の成形法の中でも薄肉の成形品の製造に用いられる技術であるので、厚みのある成形品や比較的大型の成形品を形成する場合には、上記と同様の方法では注入樹脂を均一に拡散させることが困難であり、より真空圧を大きくしたり、樹脂の注入管の配置本数を変えたりすることが必要であった。
また、成形型に配置する繊維レイアップ層の形状や、注入管の配設形態によっては、注入樹脂の流動方向や流動速度が部分的に変化することがあり、注入樹脂の未含浸部位を生じてしまいやすく、樹脂を均一に拡散させることが困難であった。
そこで本発明は、上記のような事情にかんがみてなされたものであり、注入樹脂の流動方向に合わせて、強化繊維基材層、および注入樹脂の拡散を促進させるための樹脂拡散ネットの最適な配置方法を確立し、これらを効率よく使用して材料ロスを生じることなく、注入樹脂の未含浸部位の発生を容易に抑えることを可能にする繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法を提供するものである。また、これにより、成形に要する作業時間の短縮化を図り、強化繊維のもつ強度および弾力性を十分に発揮した成形品を、作業者の熟練度によることなく得られるようにするものである。
上記した目的を達成するため、本発明は、成形型上に強化繊維基材層を形成し、注入樹脂の拡散を促進する樹脂拡散ネットを前記強化繊維基材層の上層に配設し、前記樹脂拡散ネットの上に注入樹脂の注入管を一定方向に配設し、これらの強化繊維基材層、樹脂拡散ネット、および注入管をバッグフィルムによって前記成形型上に気密に被覆して成形部を形成するとともに、この成形部内を減圧する減圧源を接続し、真空吸引による減圧環境下で樹脂注入を行って、前記強化繊維基材層に注入樹脂を含浸させて得る繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法であって、強化繊維基材層の厚さをT(mm)、注入管の配設方向に対して交差する方向における強化繊維基材層の辺縁部の長さ寸法をW(mm)、注入管の配設方向と平行な方向における強化繊維基材層の辺縁部と、樹脂拡散ネットの辺縁部との相互間隔をL 1 (mm)としたとき、
0.006TW≦L 1 ≦0.009TW
を満たし、前記強化繊維基材層の大きさに対して前記相互間隔に対応させた寸法だけ小さい大きさで前記樹脂拡散ネットを構成して、前記強化繊維基材層の辺縁部に対し前記相互間隔を設けて樹脂拡散ネットを配設することを特徴としている。
また、本発明は、成形型上に強化繊維基材層を形成し、注入樹脂の拡散を促進する樹脂拡散ネットを前記強化繊維基材層の上層に配設し、前記樹脂拡散ネットの上に注入樹脂の注入管を一定方向に配設し、これらの強化繊維基材層、樹脂拡散ネット、および注入管をバッグフィルムによって前記成形型上に気密に被覆して成形部を形成するとともに、この成形部内を減圧する減圧源を接続し、真空吸引による減圧環境下で樹脂注入を行って、前記強化繊維基材層に注入樹脂を含浸させて得る繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法であって、強化繊維基材層の厚さをT(mm)、注入管の配設方向に対して交差する方向における強化繊維基材層の辺縁部と、樹脂拡散ネットの辺縁部との相互間隔をL 2 (mm)としたとき、
0.8T≦L 2 ≦1.5T
を満たし、前記強化繊維基材層の大きさに対して前記相互間隔に対応させた寸法だけ小さい大きさで前記樹脂拡散ネットを構成して、前記強化繊維基材層の辺縁部に対し前記相互間隔を設けて樹脂拡散ネットを配設することを特徴としている。
さらに、本発明は、成形型上に強化繊維基材層を形成し、注入樹脂の拡散を促進する樹脂拡散ネットを前記強化繊維基材層の上層に配設し、前記樹脂拡散ネットの上に注入樹脂の注入管を一定方向に配設し、これらの強化繊維基材層、樹脂拡散ネット、および注入管をバッグフィルムによって前記成形型上に気密に被覆して成形部を形成するとともに、この成形部内を減圧する減圧源を接続し、真空吸引による減圧環境下で樹脂注入を行って、前記強化繊維基材層に注入樹脂を含浸させて得る繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法であって、強化繊維基材層の厚さをT(mm)、注入管の配設方向に対して交差する方向における強化繊維基材層の辺縁部の長さ寸法をW(mm)、注入管の配設方向と平行な方向における強化繊維基材層の辺縁部と、樹脂拡散ネットの辺縁部との相互間隔をL 1 (mm)、注入管の配設方向に対して交差する方向における強化繊維基材層の辺縁部と、樹脂拡散ネットの辺縁部との相互間隔をL2(mm)としたとき、
0.006TW≦L 1 ≦0.009TW
および
0.8T≦L2≦1.5T
を満たし、前記強化繊維基材層の大きさに対して前記相互間隔に対応させた寸法だけ小さい大きさで前記樹脂拡散ネットを構成して、前記強化繊維基材層の辺縁部に対し前記相互間隔を設けて樹脂拡散ネットを配設することを特徴としている。
このような発明により、注入樹脂の流動方向に合わせて最適な強化繊維基材層および樹脂拡散ネットの配置方法を確立することができ、樹脂拡散ネットを効率よく用いて材料ロスを軽減するとともに、強化繊維基材層への注入樹脂の未含浸部位の発生を容易に抑えることを可能にし、作業時間の短縮化を図りつつ、高品質の成形品を得ることができる。
なお、注入樹脂としては、低粘度であれば特に限定されるものではなく、ビニルエステル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。また、現行の樹脂の中では最も低粘度かつ高強度という理由から、ビニルエステル樹脂が好適である。
上述のように構成される本発明の繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法によれば、注入樹脂を均一に拡散・含浸させて、未含浸部位の発生を抑えつつ、効率よく良好な成型品を得ることができる。また、使用する樹脂拡散ネットの大きさの最適値を容易に求めることができ、材料ロスを生じることなく、作業者の熟練度によらず一定の品質を確保した成型品を形成することが可能になる。
以下、本発明に係る繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法を実施するための最良の形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法を模式的に示す上面視概略図である。
本発明の繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法においては、まず成形型1の上にシート状の強化繊維基材を一枚または複数枚、交互に敷設するなどして、適宜の厚みを有する強化繊維基材層2が形成される。敷設する強化繊維基材には、例えば、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維などの繊維からなる織物または不織布等が好ましい。
次に、強化繊維基材層2を設けた成形型1の上に、図示されない離型シートを敷設する。この離型シートは、硬化した注入樹脂の離型性を高めるものであり、注入樹脂に対して非接着性の材料からなるシート材であることが好ましい。
次に、離型シートの上には、樹脂拡散ネット3を敷設する。樹脂拡散ネット3は、注入樹脂の拡散を促進するものであり、注入樹脂を強化繊維材料2に偏りなく含浸させるとともに、成形型1上の所望の範囲全体に注入樹脂を拡散させることの可能な網状のシート材が好ましい。
ここで、樹脂拡散ネット3は強化繊維基材層2の大きさよりも所定寸法小さい大きさで形成されている。また、この樹脂拡散ネット3は、強化繊維基材層2の四周の辺縁部に対して、その内側に配設される。
そして、かかる樹脂拡散ネット3の上には、注入樹脂の注入管4が配設される。この注入管4としては、例えば断面中空の多孔導管や、長尺帯状部材を螺旋状に巻回して管状に形成した導管などが好ましく、粘着材料やシールテープ等を用いて所定位置に固定される。
このとき、強化繊維基材層2に対して注入樹脂を迅速に、かつ満遍なく均一に拡散させるために、注入管4は樹脂拡散ネット3上に一定方向に配設される。注入管4の配設方向としては、例えば強化繊維基材層2に長辺と短辺とある場合には、注入管4を長辺方向に配設することによって、樹脂が強化繊維基材層2に流入する方向(注入管4の管軸方向に対して直交する方向)を短辺方向に設定し、流入に要する距離および含浸時間を短くすることが好ましい。
本実施形態において、これらの強化繊維基材層2、樹脂拡散ネット3および注入管4は、次のような規則性を保って配設されている。すなわち、強化繊維基材層2の厚さをT(mm)、注入管4の配設方向に対して交差する方向における強化繊維基材層2の辺縁部の長さ寸法をW(mm)とし、注入管4の配設方向と平行な方向における強化繊維基材層2の辺縁部と、樹脂拡散ネット3の辺縁部との相互間隔をL1(mm)としたとき、
0.006TW≦L1≦0.009TW
を満たすように構成されていることが好ましい。
また、厚さがT(mm)の強化繊維基材層2であって、注入管4の配設方向に対して交差する方向における強化繊維基材層2の辺縁部と、樹脂拡散ネット3の辺縁部との相互間隔をL2(mm)としたとき、
0.8T≦L2≦1.5T
を満たすように構成されていることが好ましい。
続いて、これらの離型シート並びに樹脂拡散ネット3、および注入管4を配設した成形型1を、バッグフィルム5で気密に被覆する。バッグフィルム5は、気密性および可撓性を有する合成樹脂製のフィルム材であれば特に限定されないが、例えば、ナイロン、ポリエステル、ポリエチレン、PVC、ポリプロピレン等のフィルム材が利用できる。
そして、成形型1の周縁部において、粘着材料やシールテープなどのシール材7を用いてバッグフィルム5を成形型1の表面に固着する。これにより、成形型1とバッグフィルム5との間を、気密かつ密閉された成形部として構成する。
また、バッグフィルム5で被覆した成形型1の端部には、成形部内の空気を吸気して減圧する減圧ホース(減圧源)6が接続される。
樹脂注入にあたっては、減圧ホース6によりバッグフィルム5内(成形部内)を減圧し、真空状態にする。そして、かかる真空吸引による減圧環境下で、注入管4から樹脂を注入し、成形部内に拡散させる。この注入樹脂としては、例えば、低粘度系のビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が好ましい。注入樹脂は、樹脂拡散ネット3の上面の注入管4から成形部内の全体にわたって均等に拡散される。
成形部内に拡散した樹脂は、真空吸引により強化繊維基材層2に含浸する。真空吸引は、少なくとも強化繊維基材への樹脂含浸が完了するまで運転し、吸引し続けることが好ましい。この後、成形部内において注入樹脂が硬化することにより成形品が得られる。成形型1から固化した成形品を脱型した後は、成形品の縁をトリミングして所望の成形品を得ることができる。
次に、本発明の実施例について説明する。
以下の各実施例において、強化繊維基材層は、ガラスロービングクロス、およびガラスチョップストランドマットを積層して構成されている。ガラスロービングクロスは、ガラス繊維フィラメントを集束したガラスストランドを引き揃えて形成したロービングを横糸として織物に構成された繊維基材である。また、ガラスチョップストランドマットは、ガラス繊維フィラメントを集束したガラスストランドを所定の長さに切断し、面内に配向させて形成されている。
このように構成した強化繊維基材層の上には、離型シートおよび樹脂拡散ネットを敷設し、注入管を配設して、バッグフィルムで気密に被覆した。さらにバッグフィルム内に減圧ラインを接続して、真空環境下において樹脂注入を行った。
この注入樹脂には、硬化剤が0.60%、硬化促進剤(ナフテン酸コバルト)が0.30%含まれたビニルエステル樹脂を用いた。また、室温が23℃であるのに対して、注入樹脂の温度は26℃とされた。注入管の管径は8mmを選択した。
そして、各実施例において、注入樹脂の流動性および強化繊維基材層への含浸度合いを、注入管の配設方向に対して交差する方向と平行な方向との双方について評価し、樹脂拡散ネットの強化繊維基材層に対する大きさの最適値について確認した。
<実施例1〜5>
まず、実施例1〜5では、強化繊維基材層の厚さ(T)が10mmで共通とし、強化繊維基材層の大きさが、一辺200mm〜600mmの正方形状のものについて実施した。注入管は樹脂拡散ネットの中央部であって、注入管の配設方向に平行な樹脂拡散ネットの両辺縁部までの距離が均等となる位置に1本配設した。
実施例1では、強化繊維基材層の大きさが200mm×200mmであり、実施例2では300mm×300mm、実施例3では400mm×400mm、実施例4では500mm×500mm、実施例5では600mm×600mmである。
また、かかる条件下で、実施例ごとに、注入管の配設方向と平行な方向における強化繊維基材層の辺縁部と、樹脂拡散ネットの辺縁部との相互間隔L 1(mm)、最小の5mmから順に5mmずつ拡げていき、最大で50mmの間隔のものまでを実施し、強化繊維基材層に対する注入樹脂の含浸度合いを評価するとともに、最適な相互間隔L1を確認した。これにより、樹脂拡散ネットの最適な大きさを把握するとともに、材料ロスを最小限に抑えた効率のよい成形方法を確立させた。
図2に示すように、実施例1ではL1を15mm、L2を10mmとしたときに、注入樹脂の流動が特に良好であり、未含浸部位の発生を軽減させることができた。
また同様に、実施例2では、L1を25mm、L2を10mmとしたときが最も良好であり、実施例3ではL1を30mm、L2を10mmとしたときが最も良好であった。また、実施例4ではL1を40mm、L2を10mmとしたときが最も良好であり、実施例5ではL1を50mm、L2を10mmとしたときが最も良好であった。
<実施例6〜10>
次に、実施例6〜10では、強化繊維基材層の厚さ(T)を40mmで共通として実施した。その他の条件については上記実施例1〜5と同様であり、実施例ごとに異なる一辺の長さ寸法の強化繊維基材層を用いた。
図3に示すように、実施例6ではL1を60mm、L2を40mmとしたときに、注入樹脂の流動が特に良好であり、未含浸部位の発生を軽減させることができた。
また同様に、実施例7では、L1を80mm、L2を40mmとしたときが最も良好であり、実施例8ではL1を110mm、L2を40mmとしたときが最も良好であった。また、実施例9ではL1を130mm、L2を40mmとしたときが最も良好であり、実施例10ではL1を160mm、L2を40mmとしたときが最も良好であった。
すなわち、相互間隔L1を小さくし過ぎると注入樹脂が強化繊維基材層の辺縁部に回り込んで未含浸部位を生じ、均一に樹脂を拡散させることが困難になり、相互間隔L1を大きくし過ぎると、樹脂拡散ネットを効果的に利用することができず、樹脂注入にかかる時間が長くなってしまうという結果が得られた。
したがって、注入管の配設方向と平行な方向における強化繊維基材層の辺縁部と、樹脂拡散ネットの辺縁部との相互間隔L1(mm)は、
0.006TW≦L1≦0.009TW …(1)
の範囲に設定することが好ましく、注入管の配設方向に対して交差する方向における強化繊維基材層の辺縁部と、樹脂拡散ネットの辺縁部との相互間隔L2(mm)は、
0.8T≦L2≦1.5T …(2)
の範囲に設定することが好ましい。
以上のように、本発明に係る繊維強化プラスチックの真空注入成形方法によれば、比較的大型で肉厚の繊維強化樹脂成形品を形成する場合であっても、強化繊維基材層に対する樹脂拡散ネットの大きさ、および樹脂拡散ネットの配置について相互間隔L1,L2を前記(1),(2)式を満たすように構成することで、注入樹脂を短時間で均一に拡散させることが可能になり、材料ロスや、注入樹脂の未含浸部位を生じさせることなく、良好に、かつ効率よく成形することが可能となる。
また、従来の成形法に比較して物性を安定させることができるので、製品強度を高め、作業者の熟練度によらずに高品質の繊維強化プラスチックを形成することができ、作業中のスチレン等の揮散問題も解消することができる。
本発明は、材料ロスなく効果的に、かつ短時間で高品質の繊維強化樹脂成形品を成形するのに好適に利用することができる。
本発明に係る繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法を示す上面視概略図である。 実施例1〜5の評価を示す表である。 実施例6〜10の評価を示す表である。
符号の説明
1 成形型
2 強化繊維基材層
3 樹脂拡散ネット
4 注入管
5 バッグフィルム
6 減圧ホース(減圧源)

Claims (3)

  1. 成形型上に強化繊維基材層を形成し、
    注入樹脂の拡散を促進する樹脂拡散ネットを前記強化繊維基材層の上層に配設し、
    前記樹脂拡散ネットの上に注入樹脂の注入管を一定方向に配設し、
    これらの強化繊維基材層、樹脂拡散ネット、および注入管をバッグフィルムによって前記成形型上に気密に被覆して成形部を形成するとともに、この成形部内を減圧する減圧源を接続し、
    真空吸引による減圧環境下で樹脂注入を行って、前記強化繊維基材層に注入樹脂を含浸させて得る繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法であって、
    強化繊維基材層の厚さをT(mm)、注入管の配設方向に対して交差する方向における強化繊維基材層の辺縁部の長さ寸法をW(mm)、注入管の配設方向と平行な方向における強化繊維基材層の辺縁部と、樹脂拡散ネットの辺縁部との相互間隔をL 1 (mm)としたとき、
    0.006TW≦L 1 ≦0.009TW
    を満たし、
    前記強化繊維基材層の大きさに対して前記相互間隔に対応させた寸法だけ小さい大きさで前記樹脂拡散ネットを構成して、
    前記強化繊維基材層の辺縁部に対し前記相互間隔を設けて樹脂拡散ネットを配設することを特徴とする繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法。
  2. 成形型上に強化繊維基材層を形成し、
    注入樹脂の拡散を促進する樹脂拡散ネットを前記強化繊維基材層の上層に配設し、
    前記樹脂拡散ネットの上に注入樹脂の注入管を一定方向に配設し、
    これらの強化繊維基材層、樹脂拡散ネット、および注入管をバッグフィルムによって前記成形型上に気密に被覆して成形部を形成するとともに、この成形部内を減圧する減圧源を接続し、
    真空吸引による減圧環境下で樹脂注入を行って、前記強化繊維基材層に注入樹脂を含浸させて得る繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法であって、
    強化繊維基材層の厚さをT(mm)、注入管の配設方向に対して交差する方向における強化繊維基材層の辺縁部と、樹脂拡散ネットの辺縁部との相互間隔をL 2 (mm)としたとき、
    0.8T≦L 2 ≦1.5T
    を満たし、
    前記強化繊維基材層の大きさに対して前記相互間隔に対応させた寸法だけ小さい大きさで前記樹脂拡散ネットを構成して、
    前記強化繊維基材層の辺縁部に対し前記相互間隔を設けて樹脂拡散ネットを配設することを特徴とする繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法。
  3. 成形型上に強化繊維基材層を形成し、
    注入樹脂の拡散を促進する樹脂拡散ネットを前記強化繊維基材層の上層に配設し、
    前記樹脂拡散ネットの上に注入樹脂の注入管を一定方向に配設し、
    これらの強化繊維基材層、樹脂拡散ネット、および注入管をバッグフィルムによって前記成形型上に気密に被覆して成形部を形成するとともに、この成形部内を減圧する減圧源を接続し、
    真空吸引による減圧環境下で樹脂注入を行って、前記強化繊維基材層に注入樹脂を含浸させて得る繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法であって、
    強化繊維基材層の厚さをT(mm)、注入管の配設方向に対して交差する方向における強化繊維基材層の辺縁部の長さ寸法をW(mm)、注入管の配設方向と平行な方向における強化繊維基材層の辺縁部と、樹脂拡散ネットの辺縁部との相互間隔をL 1 (mm)、注入管の配設方向に対して交差する方向における強化繊維基材層の辺縁部と、樹脂拡散ネットの辺縁部との相互間隔をL2(mm)としたとき、
    0.006TW≦L 1 ≦0.009TW
    および
    0.8T≦L2≦1.5T
    を満たし、
    前記強化繊維基材層の大きさに対して前記相互間隔に対応させた寸法だけ小さい大きさで前記樹脂拡散ネットを構成して、
    前記強化繊維基材層の辺縁部に対し前記相互間隔を設けて樹脂拡散ネットを配設することを特徴とする繊維強化樹脂成形品の真空注入成形方法。
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