JP5334778B2 - 火災警報器の試験設備 - Google Patents

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Description

本発明は、擬似火災煙を生成等して火災警報器の作動試験を行うための火災警報器の試験設備に関する。
従来、火災警報器の作動試験を行うための様々な火災警報器の試験設備が提案されている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、擬似火災炎形成装置を用いて、試験室に設置済みの煙感知器の作動試験を行う煙感知器の試験設備が開示されている。この擬似火災炎形成装置は、火災発生時の炎を疑似的に形成するものであって、円環状のフレームと、このフレームの周囲に一辺が固定された複数の布体と、このフレームの下方に配置された揺動ファン及び赤色ランプを備えて構成されている。そして、この火災警報器の試験設備は、擬似火災炎形成装置によって複数の布体を揺動ファンからの送風にて揺動させつつ、赤色ランプからの光によって赤く照らすことで、炎を疑似的に形成することにより、火災が実際に発生したような視覚的演出を行うことができる。
特開2009−004072号公報(未公開特許文献) 特開2009−004073号公報(未公開特許文献)
ここで、住宅用火災警報器の設置義務化に伴い、火災警報器の実際の作動状況を一般ユーザ等に理解してもらうことの必要性が一層高まっている。このため、例えば、様々なイベントや展示会において、火災警報器を実際に作動させることで、火災警報器が、どの程度の火災環境下で、どのように動作するのかを、デモンストレーションすることが考えられる。
しかしながら、従来の火災警報器の試験設備は、擬似火災炎形成装置の布体、揺動ファン、及び赤色ランプによって形成される擬似火災炎の外観が現実感に乏しかったために、ユーザ等に対して、実際の火災発生状況に近い状況下にいるかのような臨場感を与えることができなかった。また、従来の火災警報器の試験設備は、擬似火災炎形成装置の揺動ファンの風量や赤色ランプの照度の調整を駆使したとしても、様々な種類の火災や様々な状況下での火災を視覚的に演出することが困難だった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、実際の火災発生状況に近い状況等を視覚的に演出して、火災警報器の実際の作動状況を試験することに適した火災警報器の試験設備を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の火災警報器の試験設備は、擬似火災煙を生成して火災警報器の作動試験を行うための火災警報器の試験設備であって、前記火災警報器の試験空間を構成する試験室と、前記試験室の内部に配置され、煙を発生する煙発生手段と、火災の映像に関する映像情報を記憶する映像記憶手段と、前記試験室の内部に配置され、前記映像記憶手段にて記憶された映像情報に基づいて、火災の映像を表示する映像表示手段と、前記煙発生手段と前記映像記憶手段とを連動制御する連動制御手段とを備え、前記映像記憶手段は、火炎の大きさが異なる連続的な又は複数の断続的な火災の映像を記憶し、前記連動制御手段は、前記映像表示手段で表示された火炎の大きさに対応した煙量の煙を発生させるように、前記煙発生手段を制御する。
請求項2に記載の火災警報器の試験設備は、請求項1に記載の火災警報器の試験設備において、前記連動制御手段は、前記煙発生手段と、前記映像記憶手段と、前記火災警報器とを連動制御するものであり、前記連動制御手段は、前記火災警報器の出力の大きさに対応した火炎の大きさに関する映像を表示するように、前記映像記憶手段を制御する。
請求項1に記載の火災警報器の試験設備によれば、映像表示手段が、火災警報器の作動試験中に、映像記憶手段に記憶された映像情報に基づいて、火災の映像を表示することができるので、ユーザ等に対して、実際の火災発生状況に近い状況下にいるかのような臨場感を与えることができる。また、映像記憶手段に記憶される映像情報を任意に設定することで、映像表示手段が、様々な種類の火災や様々な状況下での火災の映像を表示することができ、ユーザ等のニーズに応じた火災の映像を表示しながら、煙感知器の作動試験を行うことができる。
また、連動制御手段が、煙発生手段と映像記憶手段とを連動制御することで、映像表示手段の表示内容、及び煙発生手段の煙の煙量を関連づけることができ、ユーザ等に対して、実際の火災状況に近い状況下にいるかのような臨場感を一層与えることができる。
また、連動制御手段が、映像表示手段で表示された火炎の大きさに対応した煙量の煙を発生させるように、煙発生手段を制御するので、実際の火災状況に近い状況下での火炎の大きさに対応する煙の発生状況を、正確に再現することができる。
請求項2に記載の火災警報器の試験設備によれば、連動制御手段が、煙発生手段と、映像記憶手段と、火災警報器とを連動制御するので、映像表示手段の表示内容、煙発生手段の煙の煙量、及び火災警報器の出力の大きさを関連づけることができ、ユーザ等に対して、実際の火災状況に近い状況下にいるかのような臨場感をより一層与えることができる。
また、連動制御手段が、火災警報器の出力の大きさに対応した火炎の大きさに関する映像を表示するように、映像記憶手段を制御するので、実際の火災状況に近い状況下での火災警報器の出力の大きさに対応する火炎状況を、正確に再現することができる。
実施の形態1に係る火災警報器の試験設備の全体斜視図である。 図1の水平面による横断面図である。 図1のX方向に沿った断面による縦断面図である。 煙火炎出力装置の斜視図である。 図4の縦断面図である。 制御盤のブロック図である。 制御テーブルの構成例を示す図である。 試験制御処理のフローチャートである。 制御テーブルの構成例を示す図である。 試験制御処理のフローチャートである。 映像表示部の変形例の斜視図である。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る火災警報器の試験設備の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔II〕次に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、これら各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。ここで、「試験」とは、火災警報器の性能が規格に合致するか否かを確認するための検定試験に限らず、実際の火災発生状況に近い状況下において、火災警報器が実際に作動するか否かを確認することも意味し、場合によっては、この作動状況を一般ユーザ等の観察者に見せることを含み得る。
〔I〕各実施の形態の具体的内容
次に、火災警報器の試験設備の各実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
まず、実施の形態1について説明する。この形態は、煙発生手段と映像記憶手段とを連動制御する形態である。
(構成)
まず、火災警報器の試験設備1の構成を説明する。図1は火災警報器の試験設備1の全体斜視図(一部を破断して示す)、図2は図1の水平面による横断面図、図3は図1のX方向に沿った断面による縦断面図である。これら図1から図3に示すように、火災警報器の試験設備1は、試験室10と付室20を備えて構成されている。なお、以下の説明では、図1に示す方向のうち、X方向を前後方向(試験室10から付室20に至る方向を前方、付室20から試験室10に至る方向を後方)、Y方向を左右方向(付室20から試験室10を見た場合の右手側を右側、付室20から試験室10を見た場合の左手側を左側)、Z方向を上下方向(鉛直上方を上方、鉛直下方を下方)とする。
(構成−試験室)
試験室10は、煙を発生させて後述する煙感知器50に導入することで当該煙感知器50を作動させる試験空間を形成するものである。この試験室10は、一般住宅内における煙発生から煙感知に至るまでの煙の自然な流動過程を再現可能な構造、形状、及び大きさで形成されることが好ましい。例えば、構造面に関しては、煙の自然な流動経路を再現できるように外部からの風を遮蔽すべく、試験室10は、前後左右の壁11〜14と、天井15と、試験設備1が設置された設置面Gとによって試験空間を囲繞するように構成されている。ただし、外気を導入することにより所望の試験環境を構築できるように、各壁11〜14の任意の位置に開口を形成してもよい(排気口12a、12bや開口部26については後述する)。また例えば、形状面や大きさ面に関しては、一般住宅の各階の内部空間を再現すべく、試験室10は、高さが2mから4m程度で、平面形状の1辺が1.5mから3m程度であって、全体として略直方体に構成されている。
さらに、試験室10は、煙発生から煙感知に至るまでの煙の自然な流動過程を付室20から容易に観察可能なように形成されることが好ましく、例えば、煙が白色煙であることを想定して、後方の壁12の内面を黒色としている。特に、観察者が煙を外部から見やすいように、照明や太陽の光の向きに応じて、黒色部分の場所を変更ができるようにしてもよく、例えば、後方の壁12の内面の任意の位置に、黒色シートを面ファスナーやテープ等にて貼付可能としてもよい。あるいは、後述するように試験室10及び付室20を組み立て式として可搬可能とした場合には、試験室10及び付室20を照明や太陽の光の向きに応じて全体的に移動させてもよい。なお、前方及び左右の壁11、13、14の内面についても同様に黒色としてもよいが、ここでは、これら各壁11、13、14を介して試験室10の内部を観察する可能性を考慮して、これら各壁11、13、14については無色透明としている。煙が燃焼性のススを想定して黒い煙を出す場合には、各壁を白色としても良い。その他、試験室10に求められる性能としては、耐熱性、耐久性、可搬性、及び低コスト性を挙げることができる。耐熱性及び耐久性の観点からは、各壁11〜14や天井15を構成する素材としては、例えば、石膏ボードや耐熱ガラスの如き耐熱素材を用いることができるが、後述する煙火炎出力装置30からの発熱が少ないことが想定される場合には、耐熱素材を必ずしも用いる必要はなく、最も安価なビニールシートを用いることで、可搬性及び低コスト性を優先させてもよい。また、これら耐熱素材やビニールシートを支持するための支持材としては、木製や金属製のパイプ柱を用いることができる。例えば、ビニールシートや金属製のパイプ柱を用いたものとしては、市販の農業用のビニールハウスを流用することが考えられる。例えば、試験室10及び付室20の骨組みを複数本のパイプを連結することによって構成することで、試験室10及び付室20を組み立て式として容易に可搬できるようにし、どこでも簡単に試験設備1を形成することができるようにしてもよい。
(構成−付室)
付室20は、試験室10の内部を観察するための観察空間を形成するものであり、試験室10の前方に隣接して設置されている。この付室20は、試験空間における煙発生から煙感知に至るまでの煙の自然な流動過程を容易に観察可能な構造、形状、及び大きさで形成されることが好ましい。例えば、構造面に関しては、付室20から試験室10に対する余分な気流の流入を遮蔽すべく、付室20は、前方及び左右の壁21〜23と、後方の壁24(試験室10の前方の壁11と共通)と、天井25と、付室20が設置された設置面G(試験室10の設置面Gと共通)とによって観察空間を囲繞するように構成されており、前方の壁21には観察者の出入り口28が設けられている。このように付室20を設けたことで、外気が直接的に試験室10に流入する可能性が低減され、試験室10の内部の気流に与える影響が低減される。ただし、外気を導入することにより所望の観察環境を構築できるように、各壁21〜24の任意の位置に開口を形成してもよい(開口部26については後述する)。また例えば、形状面や大きさ面に関しては、少なくとも一人の観察者が立つことが可能なように、付室20は、高さが1.8mから2m程度で、平面形状の1辺が1m程度であって、全体として略直方体に構成されている。ただし、複数の観察者が同時に観察可能なように、この形状や大きさを変更可能としてもよく、例えば、試験室10と同一の形状及び大きさとしてもよい。なお、付室20の各壁21〜24、天井25、あるいは支持材を構成する素材としては、試験室10と同じ素材を用いることができる。
なお、付室20は必ずしも設ける必要はなく、試験室10の周囲のどこからでも移動して見られるようにする場合は付室20を取り除いても良い。
また、安全性を一層高める観点から、付室20の後方の壁24に形成された開口部26には、シャッター27が設置されている。このシャッター27は、開口部26の開閉を自動的に行う開閉手段であり、例えば、開口部26に対応した形状の平板と、この平板をシリンダ等の公知の機構で開閉するための開閉機構とを備えて構成されている。このシャッター27は、図示しない信号線を介して後述する制御盤80に接続されており、この制御盤80からの制御信号によって開閉駆動される。
次に、試験室10の内部又は外部に配置された設備について説明する。試験室10の内部には、煙火炎出力装置30、煙感知器50、及びガス検知器60が設けられており、試験室10の外部には、気流形成機構70、及び制御盤80が設けられている。
(構成−煙火炎出力装置)
図4は煙火炎出力装置30を示す斜視図である。図5は、図4の縦断面図である。これら図4及び図5に示すように、煙火炎出力装置30は、筐体30aの内部に図示しない各種の部品等を収容して構成されている。この筐体30aは、仕切り板30bによって煙発生収容部30cと映像表示収容部30dとに区分けして構成されている。煙発生収容部30cは、後述する煙発生部31を収容するものであり、壁12側に配置されている。この煙発生収容部30cの上面には、後述する煙発生部31によって発生された煙を放出するための開口部30eが設けられている。映像表示収容部30dは、後述する映像記憶部32及び映像表示部33を収容するものであり、壁11側に配置されている。この映像表示収容部30dの壁11側側面には、後述する映像表示部33の表示画面のみを外部に露出させるための開口部30fが設けられている。
この煙火炎出力装置30は、煙発生部31、映像記憶部32、及び映像表示部33を備えて構成されている。煙発生部31は、煙感知器50を作動させるための煙を発生する煙発生手段であって、煙発生収容部30cの内部に収容されている。この煙発生部31の原理や構造としては、公知のものを採用することができるが、ここでは、木材チップ(木片)を加熱することによって煙を発生させる。図5に示すように、この煙発生部31は、加熱用トレー31a、電気ヒータ31b、温度センサ31c、及び煙導管31dを備えている。
加熱用トレー31aは、木材チップを加熱する金属製の平板体であり、この加熱用トレー31aの上面に木材チップを載せて加熱することが可能となっている。電気ヒータ31bは、加熱用トレー31aを介して木材チップを加熱する加熱手段であり、加熱用トレー31aの下方に設けられている。この電気ヒータ31bは、図示しない信号線を介して制御盤80に接続されており、制御盤80からの制御信号によって温度を制御される。温度センサ31cは、加熱用トレー31aの温度を検知する温度検知手段であり、例えば熱電対であって、図示しない信号線を介して制御盤80に接続されており、検知した温度を制御盤80に出力する。煙導管31dは、電気ヒータ31bにて加熱された木材チップから発せられた煙を煙感知器50に向けて導出する煙導手段であり、例えば両端が開口された金属製の円筒として構成され、加熱用トレー31a及びその上方の空間を囲繞するように、かつ、円筒の側面が煙感知器50に至る方向(ここでは鉛直上方)に沿うように配置されている。なお、加熱用トレー31aと煙導管31dは相互に分離する必要はなく、底板のある円筒容器を用いて両者を一体化してもよい。
なお、加熱対象となる木材チップの具体的種類は任意であるが、例えば、燻製調理用に市販されている「さくら」や「リンゴ」のチップを使用することができる。本願発明者の実験によれば、木材としては、チップ状ではなく棒状体のものも考えられるが、発煙量の制御性の観点から、チップ状を選択することが好ましい。また、木材チップの加熱温度は、木材チップから十分に煙が放出される温度であり、かつ、木材チップからの一酸化炭素の排出量を増大させることがない温度(木材チップの燃焼温度未満の温度)とすることが好ましい。具体的には、煙を放出させるためには、一般に燻製調理用は調理箱内の燻製温度が40℃から60℃にするためヒータを制御するのに対して、本装置は火源そのものの温度をそれより高温の300℃から500℃程度とすることが好ましく、400℃程度とすることがより好ましい。特に、加熱温度が600℃を超える場合には、木材チップから炎が出てしまうと共に、一酸化炭素の排出量が格段に増えてしまい危険性が生じるため、加熱温度を600℃未満に維持することが好ましい。
映像記憶部32は、火災の映像に関する映像情報を記憶する映像記憶手段である。この映像記憶部32は、図示しない信号線を介して制御盤80に接続されており、制御盤80からの制御信号によって制御される。この映像記憶部32の具体的な構成は任意であり、例えば、HD(Hard Disk)の如き記憶装置を使用することができる(後述する記憶部82に対応する構成も同様であるため、重複説明を省略する)。また、映像記憶部32の映像情報の記憶方法は任意であるが、実施の形態1の場合には、映像記憶部32は、映像情報と、当該映像情報とを一意に識別する映像識別情報とを相互に対応付けて記憶している。
ここで、火災の映像の具体的な内容は任意であるが、観察者にとって実際の火災状況が理解しやすい映像が好ましく、例えば、タバコの火がカーテン等に引火して出火する等の居間の火災や、鍋の中の天ぷら油が過熱されて出火する等の台所の火災等の映像が該当する。また、この火災の映像は、火炎の大きさが異なる連続的な又は複数の断続的な火災の映像等を含むものであり、例えば、火災の発生から火災の消火までノンストップで撮影された連続的な映像、又は、所定の時間経過毎、又は所定の煙濃度毎等に応じた複数の断続的な映像等を含む。なお、この火災の映像の作成方法は任意であり、例えば、試験等で実際に居間や台所で撮影された火災の映像であってもよく、あるいはコンピュータグラフィック等で作成された映像であってもよい。
映像表示部33は、映像記憶部32に記録された映像情報に基づいて、火災発生時の火災の映像を表示することにより、火災が実際に発生したような視覚的演出を行って観察者の臨場感を与える映像表示手段である。この映像表示部33は、図示しない信号線を介して映像記憶部32に接続されており、映像記憶部32から出力される出力信号によって火災の映像を表示する。この映像表示部33の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
(構成−煙感知器)
図1から3において、煙感知器50(アナログ式煙感知器又はデジタル式煙感知器)は、煙を感知して警報を出力する煙感知手段である。煙感知器50の作動原理や具体的構造は任意であり、例えば、散乱光式の煙感知器50を用いることができる。また、煙感知器50から出力される信号の出力形式は任意であり、例えば、散乱光式の煙感知器50を用いることができる。この煙感知器50は、試験室10の壁11〜14又は天井15において、煙火炎出力装置30から発生された煙が流入する位置(試験室10の内部における上方位置であって、ここでは、煙火炎出力装置30の鉛直上方の近傍位置)に一つ又は複数配置されている。この煙感知器50は、図示しない信号線を介して制御盤80に接続されており、煙の感知量が所定の閾値を超えた場合には、煙感知信号を制御盤80に出力する。
(構成−ガス検知器)
ガス検知器60(アナログ式ガス検知器又はデジタル式ガス検知器)は、特定種類のガス(ここでは一酸化炭素)を検知して警報を出力する検知手段である。このガス検知器60の作動原理や具体的構造は任意であり、例えば半導体式や電気化学式のガス検知器60を用いることができる。このガス検知器60は、試験室10の壁11〜14又は天井15において、煙火炎出力装置30から発生された一酸化炭素が流入する位置に一つ又は複数配置されている。このガス検知器60は、図示しない信号線を介して制御盤80に接続されており、ガスの検知量が所定の閾値を超えた場合には、ガス検知信号を制御盤80に出力する。このガス検知器60を付室20内にも配置して、付室20に有毒ガスが流入して観察者が危険状態になったことを検出して警報を行い、観察者の退避を促してもよい。この場合において、付室20のガス検知器60が作動したときは、電気ヒータ31bを停止するように、制御盤80にて電気ヒータ31bを制御しても良い。
(構成−気流形成機構)
気流形成機構70は、煙火炎出力装置30から煙感知器50に至る気流を形成する気流形成手段である。具体的には、気流形成機構70は、排気ダクト71と排気ファン72から構成されている。排気ダクト71は、中空管体であって、その一端は、上方排気ダクト71aと、後方排気ダクト71bに分岐されている。上方排気ダクト71aは、主として煙の気流を形成するための排気を行うものであり、試験室10の天井15における位置であって、煙火炎出力装置30の鉛直上方の近傍位置に形成された排気口12aに接続されている。後方排気ダクト71bは、主として煙の量を調整するための排気を行うものであり、試験室10の後方の壁12における位置に形成された排気口12bに接続されている。また、上方排気ダクト71aにはダンパ71a、後方排気ダクト71bにはダンパ71bがそれぞれ設けられており、これらダンパ71a、71bによって、上方排気ダクト71aと後方排気ダクト71bによる排気量が個別的に制御される。一方、排気ダクト71の他端は、試験室10の外部において排気ファン72に接続されている。この排気ファン72は、試験室10の空気を、排気口12a及び排気ダクト71を順次介して排気する。上述したダンパ71a、71bは、図示しない信号線を介して制御盤80に接続されており、この制御盤80からの制御信号によって駆動される。
(構成−制御盤)
制御盤80は、火災警報器の試験設備1の電気的制御を行う制御手段である。この制御盤80のブロック図を図6に示す。この制御盤80は、制御部81、記憶部82、及び入出力端子83を備えて構成されている。制御部81は、例えばCPU(Central Processing Unit)及びこのCPU上で実行させる各種のプログラムから構成されている。この制御部81は、機能概念的に、連動制御部81aを備える。この連動制御部81aは、煙火炎出力装置30の煙発生部31と映像記憶部32とを連動制御する連動制御手段である。記憶部82は、制御盤80による制御に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。この記憶部82には、制御テーブル82aが格納されている。この制御テーブル82aの具体的構成例については後述する。入出力端子83は、入力及び出力を行うためのインターフェースであって、上述のように、図示しない信号線を介して、シャッター27、電気ヒータ31b、温度センサ31c、映像記憶部32、煙感知器50、ガス検知器60、排気ファン72、及びダンパ71a、71bに接続されている。
次に、制御テーブル82aの具体的構成例について説明する。図7にはこの構成例を示す。制御テーブル82aは、項目「火災状況種別」、項目「試験時間」、項目「加熱温度」、項目「排気量」、及び項目「映像ID」と、これら各項目に対応するデータとを、相互に対応付けて構成されている。項目「火災状況種別」に対応するデータは、試験において再現したい火災状況種別(ここでは「居間の火災」と「台所の火災」の2種類)を特定するための火災状況特定情報である。項目「試験時間」に対応するデータは、試験開始から試験完了までの時間(ここでは「5分」と「10分」の2種類)を特定するための試験時間特定情報である。項目「加熱温度」に対応するデータは、電気ヒータ31bによる加熱温度を特定するための加熱温度特定情報であり、例えば、加熱温度を縦軸とし、試験開始からの経過時間を横軸とした、グラフデータとして格納されている。項目「排気量」に対応するデータは、排気ファン72による排気量を特定するための排気量特定情報であり、例えば、排気量を縦軸とし、試験開始からの経過時間を横軸とした、グラフデータとして格納されている。項目「映像ID」に対応するデータは、煙火炎出力装置30の映像記憶部32に記憶されている映像識別情報に対応する情報と同じである(ここではID001〜ID004の4種類)。これら項目「加熱温度」に対応するデータ、項目「排気量」に対応するデータ、及び項目「映像ID」に対応するデータ(実際には、映像識別情報に対応する映像情報)には、項目「火災状況種別」に対応するデータ、及び項目「試験時間」に対応するデータの組み合わせに応じて、同一又は異なるデータが格納されている。すなわち、居間の火災と台所の火災では、煙量の変化、火災による熱気流量の変化、あるいは火災の変化が相互に異なる。また、同じ種類の火災であっても、5分で煙が煙感知器50の閾値に達する場合と、10分で煙が煙感知器50の閾値に達する場合とでは、煙量の出方、気流量の変化、あるいは火炎の変化が相互に異なる。これらを考慮して、項目「火災状況種別」に対応するデータ、及び項目「試験時間」に対応するデータに対応するデータの各組み合わせにおける煙量の変化、気流の変化、及び火炎の変化が再現可能なように、各組み合わせ毎に予め実験等によって求められたデータであって、これら各変化を特定するためのデータが制御テーブル82aに格納されている(ただし、煙量は加熱温度に換算して格納されている)。
(試験制御処理)
次に、制御盤80の連動制御部81aにより実行される試験制御処理について説明する。図8は、試験制御処理のフローチャートである。なお、以下の説明においては、ステップを「S」と略記する。作業者が加熱用トレー31aに木材チップを所定量載せた後、図示しない入力手段を介して、試験において再現したい火災状況種別及び試験時間を制御盤80に入力する(ここでは、作業者が、火災状況種別:居間の火災、試験時間:5分を入力したものとする)と共に、試験制御の開始を指示する。
その後、連動制御部81aは、シャッター27を開くことで、付室20から試験室10への空気の流入を可能とする(SA1)。次いで、連動制御部81aは、記憶部82の制御テーブル82aを参照し、入力された火災状況種別、及び入力された試験時間の組み合わせに対応する加熱温度のグラフデータ、排気量のグラフデータ、及び映像識別情報(ここでは、ID001)を取得する(SA2)。そして、連動制御部81aは、これらグラフデータ等を参照し、加熱温度の初期値になるように電気ヒータ31bを制御し、排気量の初期値になるように排気ファン72を制御し、映像識別情報に対応する映像情報を映像表示部33へ出力するように映像記憶部32を制御する(SA3)。このことにより、電気ヒータ31bによって木材チップが加熱されて煙が発生すると共に、たばこの火が居間のカーテンに引火して出火する火災発生時の映像が、映像表示部33によって表示される。また、連動制御部81aは、ダンパ71aを全開にすると共に、ダンパ71bを全閉にすることで(SA4)、排気口12a及び上方排気ダクト71aを順次介した排気のみを行い、煙火炎出力装置30の煙発生部31から鉛直上方に至る気流を形成する。これにより、試験空間の下方で発生させた煙を、気流によって上方に導いて煙感知器50にて感知させることができる。
その後は、連動制御部81aは、試験開始からの経過時間を公知の方法にて取得し(SA5)、この経過時間に基づいてグラフデータを定期的に参照することで、各経過時間における加熱温度及び排気量を特定して、これら加熱温度及び排気量になるように電気ヒータ31b及び排気ファン72を制御する(SA6)。具体的には、カーテンに引火した火炎が時間の経過と共に徐々に大きくなる火災の映像が、映像表示部33によって表示される場合に、連動制御部81aは、その火炎の大きさに対応した煙量の煙を発生させるように、電気ヒータ31bの加熱温度を上昇させると共に、その火炎の大きさに対応した排気量の排気を行うように、排気ファン72の排気量を上昇させる。なお、加熱温度については、温度センサ31cによる検知温度に基づくフィードバック制御を行うことで、正確な制御を行う。このような制御を行うことで、居間の火災又は台所の火災の際の煙量の変化、気流の変化、及び火炎の変化が再現される。
また、連動制御部81aは、試験開始からの経過時間が所定時間に達した場合には(SA7、Yes)、ダンパ71aを半開にすると共に、ダンパ71bを半閉にすることで(SA8)、排気口12a及び上方排気ダクト71aを順次介した排気の排気量を低減させると共に、排気口12b及び後方排気ダクト71bを順次介した排気を開始することで、試験室10の内部の煙量を調整する。
また、連動制御部81aは、試験開始後、ガス検知器60からのガス検知出力を監視する(SA9)。ガス検知器60は、所定の閾値以上のガス濃度を検知した場合には、警報音出力や警報灯点滅を行うと共に、制御盤80にガス検知信号を出力する。またこの場合には(SA9、Yes)、予想を上回る一酸化炭素が何らかの原因で発生したと考えられ、試験を中止することが好ましいため、ガス感知信号の出力を受けた制御盤80の連動制御部81aは、電気ヒータ31bを制御して加熱を停止し、ダンパ71a1、71bを全開にすると共に排気ファン72を制御して排気量を最大化することで排気を行い、かつ、シャッター27を閉じることで一酸化炭素が付室20に流出することを防止する(SA11)。ただし、シャッター27を閉じることで排気ファン72による排気が阻害されて却って好ましくない場合には、シャッター27を閉じることなく排気を継続するようにしてもよい。これにて試験制御処理が終了する。
一方、ガス検知信号が出力されない場合(SA9、No)、連動制御部81aは、煙感知器50からの煙感知出力を監視し(SA10)、煙感知信号が出力されるまでSA5からSA9を繰り返す。煙感知器50は、所定の閾値以上の煙濃度を感知した場合には、警報音出力や警報灯点滅を行う。観察者は、この様子を観察することで、煙感知器50の作動の状況を学ぶことができる。またこの場合には(SA10、Yes)、試験が予定通り終了したと考えられ、それ以上に煙を発生させることが好ましくないため、煙感知信号の出力を受けた制御盤80の連動制御部81aは、煙感知器50の作動が十分に観察されたと考えられる所定時間後(例えば煙感知信号の出力から1分後)、電気ヒータ31bを制御して加熱を中止することで木材チップが燃焼することを防止し、ダンパ71a1、71bを全開にすると共に排気ファン72を制御して排気量を最大化することで排気を行い、かつ、シャッター27を閉じることで煙が付室20に流出することを防止する(SA11)。ただし、シャッター27を閉じることで排気ファン72による排気が阻害されて却って好ましくない場合には、シャッター27を閉じることなく排気を継続するようにしてもよい。これにて試験制御処理が終了する。
(実施の形態1の効果)
このように本実施の形態によれば、映像表示部33が、煙感知器50の作動試験中に、映像記憶部32に記憶された映像情報に基づいて、火災の映像を表示することができるので、観察者に対して、実際の火災発生状況に近い状況下にいるかのような臨場感を与えることができる。また、映像記憶部32に記憶される映像情報を任意に設定することで、映像表示部33が、様々な種類の火災や様々な状況下での火災の映像を表示することができるので、観察者のニーズに応じた火災の映像を表示しながら、煙感知器50の作動試験を行うことができる。
また、連動制御部81aが、煙発生部31と映像記憶部32とを連動制御することで、映像表示部33の表示内容と、煙発生部31の煙の煙量を関連づけることができるので、観察者に対して、実際の火災状況に近い状況下にいるかのような臨場感を一層与えることができる。
また、連動制御部81aが、映像表示部33で表示された火炎の大きさに対応した煙量の煙を発生させるように、煙発生部31を制御するので、実際の火災状況に近い状況下での火炎の大きさに対応する煙の発生状況を、正確に再現することができる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この形態は、煙発生手段と、映像記憶手段と、火災警報器とを連動制御する形態である。なお、実施の形態2の構成は、特記する場合を除いて実施の形態1の構成と略同一であり、実施の形態1の構成と略同一の構成についてはこの実施の形態1で用いたのと同一の符号及び/又は名称を必要に応じて付して、その説明を省略する。
(構成)
実施の形態2に係る火災警報器の試験設備1は、図1に示した実施の形態1の火災警報器の試験設備1とほぼ同様に構成でき、記憶部82の制御テーブル82aの構成と、制御部81の後述する制御内容のみが異なるため、その構成の説明は省略する。
制御テーブル82aの具体的構成例について説明する。図9にはこの構成例を示す。制御テーブル82aは、項目「火災状況種別」、項目「詳細状況」、項目「煙濃度」、及び項目「映像ID」と、これら各項目に対応するデータとを、相互に対応付けて構成されている。項目「火災状況種別」に対応するデータは、実施の形態1に係る制御テーブル82aの同一項目に対応する情報(ここでは「居間の火災」と「台所の火災」の2種類)と同じである。項目「詳細状況」に対応するデータは、火災の詳細状況(ここでは、「火災時」と「消火時」の2種類)を特定するための火災詳細状況特定情報である。項目「煙濃度」に対応するデータは、煙感知器50の感知量(ここでは、「煙濃度0〜5%/m」と、「煙濃度5〜10%/m」と、「煙濃度10〜15%/m」との3種類)を特定するための煙感知量特定情報である。項目「映像ID」に対応するデータは、実施の形態1に係る制御テーブル82aの同一項目に対応する情報(ここではID001〜ID008の8種類)と同じである。この項目「映像ID」に対応するデータ(実際には、映像識別情報に対応する映像情報)としては、項目「火災状況種別」に対応するデータ、項目「詳細状況」に対応するデータ、及び項目「煙濃度」に対応するデータの組み合わせに応じて、同一又は異なるデータが格納されている。すなわち、居間の火災と台所の火災では、火災の変化が異なる。また、同じ種類の火災であっても、火災時と消火時とでは火炎の変化が異なる。さらに、同一の火災状況下の火災であっても、煙濃度によって火炎の変化が異なる。これらを考慮して、項目「火災状況種別」に対応するデータ、項目「詳細状況」に対応するデータ、及び項目「煙濃度」に対応するデータの各組み合わせにおける火炎の変化が再現可能なように、各組み合わせ毎に予め実験等によって求められたデータであって、これら各変化を特定するためのデータが制御テーブル82aに格納されている。
(試験制御処理)
次に、制御盤80の連動制御部81aにより実行される試験制御処理について説明する。図10は、試験制御処理のフローチャートである。ただし、この試験制御処理におけるSB1、SB5、SB10は、図8に示した試験制御処理のSA1、SA4、SA8とそれぞれ同じであるため、その説明を省略する。なお、作業者が加熱用トレー31aに木材チップを所定量載せた後、図示しない入力手段を介して、試験において再現したい火災状況種別を制御盤80に入力する(ここでは、作業者が、火災状況種別:居間の火災を入力したものとする)と共に、試験制御の開始を指示する。なお、火災状況種別が入力された後に、詳細状況及び煙濃度(ここでは、詳細状況:火災時、及び煙濃度:0〜5%/m)は、制御部81によって自動的に入力されるものとする。
SB1の処理後、連動制御部81aは、記憶部82の制御テーブル82aを参照し、入力された火災状況種別、入力された詳細状況、入力された煙濃度の組み合わせに対応する映像識別情報(ここでは、ID001)を取得する(SB2)。そして、連動制御部81aは、電気ヒータ31b及び排気ファン72を起動させて(SB3)、所定条件に基づいて電気ヒータ31b及び排気ファン72を制御する。電気ヒータ31bによって木材チップが加熱されて煙が発生すると同時に、連動制御部81aは、SB2にて取得された映像識別情報に対応する映像情報(例えば、たばこの火が居間のカーテンに引火して出火する火災発生時の映像)を映像表示部33へ出力するように映像記憶部32を制御する(SB4)。
SB5の処理後、連動制御部81aは、煙感知器50から出力される煙感知信号によって試験室10の煙濃度を定期的に取得し(SB6)、記憶部82の制御テーブル82aを参照して、当該取得された煙濃度に対応する映像識別情報(ここでは、ID001〜ID003のうちいずれか一つ)を取得する(SB7)。なお、この連動制御部81aは、同一の煙濃度に対応する映像識別情報を繰り返し取得することができる。そして、連動制御部81aは、取得された映像識別情報に対応する映像情報(例えば、カーテンに引火した火炎が発生時に比べて大きくなった映像)を映像表示部33によって表示させるように映像記憶部32を制御する(SB8)。その後、連動制御部81aは、試験室10の煙濃度が所定濃度に達すると(SB9、Yes)、SB10の処理を行う。
ここで、映像表示部33によって表示される火災の映像の具体的な内容は任意であるが、観察者に対して臨場感を与えられる映像が好ましく、例えば、試験室10の内部の煙濃度によって、映像表示部33によって表示される火災の映像の明るさが異なる映像が用いられる。具体的には、図4に示すようなテレビや照明器具等が表示されている居間の火災の映像の場合に、煙濃度が0%/m〜5%/mにおいては、テレビの映像や照明器具の灯りが徐々にくもっていく映像、煙濃度が5%/m〜10%/mにおいては、テレビの映像や照明器具の灯りが徐々にではあるが、煙濃度が0%/m〜5%/mに比べてくもっていく映像、又は、煙濃度が10%/m〜15%/mにおいては、テレビの映像や照明器具の灯りが見えないほどくもる映像等が用いられる。
また、連動制御部81aは、試験開始後、煙感知器50からの警報音の出力を監視し(SB11)、煙感知信号が出力されるまでSB6からSB10を繰り返す。煙感知器50は、所定の閾値以上の煙濃度を感知した場合には、警報音出力や警報灯点滅を行う。またこの場合には(SB11、Yes)、試験が予定通り終了したと考えられ、連動制御部81aは、電気ヒータ31bを制御して加熱を中止し、ダンパ71a1、71bを全開にすると共に排気ファン72を制御して排気量を最大化することで排気を行う(SB12)。
また、SB11の警報音の出力後、制御盤80に入力された詳細状況が制御部81によって変更されるので(ここでは、詳細状況:消火時に変更される)、連動制御部81aは、記憶部82の制御テーブル82aを参照して、変更された詳細状況に対応する映像識別情報(ここでは、ID004)を取得する(SB13)。そして、連動制御部81aは、SB13にて取得された映像識別情報に対応する映像情報(例えば、カーテンに引火した火炎が消火剤等によって消火される映像、又は居間周辺に設けられた防火扉や排煙窓が起動する映像)を映像表示部33によって表示させるように映像記憶部32を制御する(SB14)。次いで、SB14の処理にて映像が表示されてから所定の時間経過後、連動制御部81aは、シャッター27を閉じる(SB15)。これにて試験制御処理が終了する。
(実施の形態2の効果)
また、連動制御部81aが、煙発生部31と、映像記憶部32と、煙感知器50とを連動制御するので、映像表示部33の表示内容、煙発生部31の煙の煙量、及び煙感知器50の出力の大きさを関係づけることができるので、観察者に対して、実際の火災状況に近い状況下にいるかのような臨場感を一層与えることができる。
また、連動制御部81aが、煙感知器50の出力の大きさに対応した火炎の大きさに関する映像を表示するように、映像記憶部32を制御するので、実際の火災状況に近い状況下での煙感知器50の出力の大きさに対応する火炎状況を、正確に再現することができる。
また、連動制御部81aが、煙感知器50による火災感知の前後で、映像表示部33によって表示される火災の映像を切り替えるように、映像記憶部32を制御するので、映像表示部33によって、観察者に対して、煙感知器50が火災を感知したことを視覚的に知らせることができる。
〔II〕各実施の形態に対する変形例
以上、各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。さらに、本発明によって、上述していない課題を解決したり、上述していない効果を奏することもある。
(映像表示部の設置について)
図11は、映像表示部33の変形例の斜視図である。各実施の形態では、映像表示部33は、図4及び図5に示すように、煙火炎出力装置30の映像表示収容部30dに収容すると説明したが、これに限らず、例えば、図11に示すように、ガスコンロ90の上に映像表示部33を設置してもよい。これにより、鍋の中の天ぷら油が過熱されて出火する等の映像を映像表示部33によって表示することで、実際の火災発生状況下に近い状況下であることを観察者に一層理解してもらいながら、煙感知器50の作動試験を行うことができる。
(煙発生部の原理や構造について)
各実施の形態では、煙発生部31の原理や構造は、電気ヒータ31bによって木材チップ(木片)を加熱することによって煙を発生させると説明したが、例えば、舞台用の擬似煙発生装置によってドライアイスを気化することによって煙を発生させてもよい。
(映像記憶部について)
実施の形態2では、映像記憶部32は、制御テーブル82aに記載の項目「火災状況種別」に対応するデータ、項目「詳細状況」に対応するデータ、及び項目「煙濃度」に対応するデータの各組み合わせ毎に予め実験等によって求められた映像情報であって、これら各変化を特定するため映像情報を映像記憶部32に記憶していると説明したが、他の映像情報を記憶させてもよい。例えば、映像記憶部32は、火災発生から消火までノンストップで撮影された連続的な映像に関する映像情報を記憶してもよい。このような映像情報を用いる場合には、制御テーブル82aの構成は、例えば、項目「映像ID」に対応するデータに代えて、項目「再生時間」に対応するデータを、他の各項目に対応するデータと、相互に対応付けて構成される。ここで、項目「再生時間」に対応するデータは、映像記憶部32に記憶されている映像情報に関する映像の再生時間(例えば、「0〜1分間」と、「1〜3分間」と、「3〜5分間」との3種類)を特定するための再生時間情報である。これにより、連動制御部81aは、煙感知器50から煙濃度を取得し、記憶部82の制御テーブル82aを参照して、当該取得した煙濃度に対応する再生時間情報を取得し、当該取得された再生時間情報の再生時間に対応する映像情報の映像の一部を映像表示部33へ出力するように映像記憶部32を制御することができる。
1 火災警報器の試験設備
10 試験室
11〜14、21〜24 壁
12a、12b 排気口
15、25 天井
G 設置面
20 付室
26、30e、30f 開口部
27 シャッター
28 出入り口
30 煙火炎出力装置
30a 筐体
30b 仕切り板
30c 煙発生収容部
30d 映像表示収容部
31 煙発生部
31a 加熱用トレー
31b 電気ヒータ
31c 温度センサ
31d 煙導管
32 映像記憶部
33 映像表示部
50 煙感知器
60 ガス検知器
70 気流形成機構
71 排気ダクト
71a 上方排気ダクト
71b 後方排気ダクト
71a、71b ダンパ
72 排気ファン
80 制御盤
81 制御部
81a 連動制御部
82 記憶部
82a 制御テーブル
83 入出力端子
90 ガスコンロ

Claims (2)

  1. 擬似火災煙を生成して火災警報器の作動試験を行うための火災警報器の試験設備であって、
    前記火災警報器の試験空間を構成する試験室と、
    前記試験室の内部に配置され、煙を発生する煙発生手段と、
    火災の映像に関する映像情報を記憶する映像記憶手段と、
    前記試験室の内部に配置され、前記映像記憶手段にて記憶された映像情報に基づいて、火災の映像を表示する映像表示手段と、
    前記煙発生手段と前記映像記憶手段とを連動制御する連動制御手段とを備え、
    前記映像記憶手段は、火炎の大きさが異なる連続的な又は複数の断続的な火災の映像を記憶し、
    前記連動制御手段は、前記映像表示手段で表示された火炎の大きさに対応した煙量の煙を発生させるように、前記煙発生手段を制御する、
    災警報器の試験設備。
  2. 前記連動制御手段は、前記煙発生手段と、前記映像記憶手段と、前記火災警報器とを連動制御するものであり、
    前記連動制御手段は、前記火災警報器の出力の大きさに対応した火炎の大きさに関する映像を表示するように、前記映像記憶手段を制御する、
    求項1に記載の火災警報器の試験設備。
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