JP5332999B2 - 樹脂組成物および成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物および成形体に関する。
従来、電気製品や電子・電気機器の部品には、ポリスチレン、ポリスチレン−ABS樹脂共重合体、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアセタール等の高分子材料が、耐熱性、機械強度、特に、電子・電気機器の部品の場合には、環境変動に対する機械強度の維持性に優れることから用いられてきた。
近年では、環境問題の観点から、上述の高分子材料に代えて、植物由来の材料であり、CO排出量が少なく、枯渇資源である石油の使用量が少なく、環境負荷が少ないポリ乳酸系樹脂材料を用いる検討がなされている。
また、ポリ乳酸を主成分として含む樹脂と、充填剤としてのガラス繊維と、添加剤としてリン酸系難燃剤との混合物から構成され、前記樹脂としては前記主成分たるポリ乳酸以外にポリブチレンテレフタレートのみを含有する樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ポリ乳酸に難燃性を付与するには、従来、リン系や無機水酸化物系などの難燃剤を付与する技術が知られている。
特許3971289号明細書
本発明の課題は、ポリ乳酸にガラス繊維を含む場合であっても、本構成を有しない場合に比べ、成形体にしたとき、難燃性が優れる樹脂組成物を提供することである。
本発明の樹脂組成物および成形体は、以下の特徴を有する。
(1)少なくとも(A)ポリ乳酸と(B)ガラス繊維とを含み、(A)ポリ乳酸と(B)ガラス繊維の質量比(A)/(B)が1.0以上、2.2以下であり、(A)ポリ乳酸の重量平均分子量が、30,000以上、150,000以下である樹脂組成物である。
(3)(A)ポリ乳酸中にクレイが分散されている上記(1)に記載の樹脂組成物である。
(4)少なくとも(A)ポリ乳酸と(B)ガラス繊維とを含み、(A)ポリ乳酸と(B)ガラス繊維の質量比(A)/(B)が1.0以上、2.2以下であり、(A)ポリ乳酸の重量平均分子量が、30,000以上、150,000以下である成形体である。
請求項1に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、耐熱性、難燃性および耐衝撃性が共に向上する。
請求項に記載の発明によれば、クレイを含まない場合に比べ、耐熱性が向上する。
請求項に記載の発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、耐熱性、難燃性および耐衝撃性が共に優れる成形体が提供される。
以下、本発明における樹脂組成物および成形体の実施の形態を説明する。なお、本実施形態は本発明を実施するための一例であり、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
[樹脂組成物]
本実施の形態における樹脂組成物は、少なくとも(A)ポリ乳酸と(B)ガラス繊維とを含み、(A)ポリ乳酸と(B)ガラス繊維の質量比(A)/(B)が1.0以上、2.2以下である。本実施の形態において、ポリ乳酸(A)とガラス繊維(B)を質量比(A)/(B)が1.0以上2.2以下の範囲で配合する樹脂組成物は、本構成を有さない場合に比べ、難燃性を発現し、しかも耐衝撃強度と耐熱性についても高いレベルを実現できることを見出した。ポリ乳酸にガラス繊維を配合することで難燃性を付与できることは従来技術では知られていなかった。上記(A)/(B)の質量比により難燃性が付与される理由については定かではないが、一つはガラス繊維によるポリ乳酸の冷却効果が考えられる。すなわち、燃焼時にポリ乳酸がガラス繊維で冷却されることにより、温度低下し燃焼抑制されるのではないかと考えられる。この理由からはガラス繊維を入れれば入れるほど難燃性は向上するだろうと考えられるのだが、実際にはガラス繊維の量が増えすぎても難燃性は低下する。これは、ガラス繊維が多すぎるとガラス繊維が骨格となり、ポリ乳酸がドリップ(たれ)により自消することを妨げてしまうからであると考えられる。以上より、発明者らは、ポリ乳酸とガラス繊維を含む樹脂化合物が、従来奏し得なかった難燃性に加え耐衝撃性および耐熱性を発現するために、両者の特定の質量比が存在することを見出した。
樹脂組成物中の(A)ポリ乳酸と(B)ガラス繊維の質量比(A)/(B)は、樹脂組成物の一定量(例えば10g)をクロロホルムに溶解させ、残ったガラス繊維の質量を測定する。一定量(たとえば10g)からガラス繊維の質量を差し引いた質量をポリ乳酸の質量とし、これらの値から求められる。
<ポリ乳酸>
ポリ乳酸は、植物由来であり、環境負荷の低減、具体的にはCOの排出量削減、石油使用量の削減効果がある。ポリ乳酸としては、乳酸の縮合体であれば、特に限定されるものではなく、ポリ−L−乳酸(以下「PLLA」ともいう)であっても、ポリ−D−乳酸(以下「PDLA」ともいう)であっても、それらが共重合やブレンドにより交じり合ったものでもよく、さらに、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とを混合したものであり、これらのらせん構造がうまく噛み合った耐熱性の高い、ステレオコンプレックス型ポリ乳酸(以下「SC−PLA」ともいう)であってもよい。また、ポリ乳酸は、合成したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよい。前記市販品としては、例えば、ユニチカ(株)製の「テラマックTE4000」、「テラマックTE2000」、「テラマックTE7000」、三井化学(株)製の「レイシアH100」等が挙げられる。また、ポリ乳酸は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。なお、本実施形態において、ポリ乳酸は樹脂組成物の主成分として含まれる。ここで「主成分」とは、樹脂組成物全量に対して50質量%を超えることを意味する。
ポリ乳酸の分子量は、特に限定されるものではないが、本実施の形態では、ポリ乳酸の重量平均分子量は、30,000以上、150,000以下であり、50,000以上、120,000以下が好ましい。ポリ乳酸の重量平均分子量が30,000未満の場合、樹脂組成物の燃焼速度が速くなり、一方、ポリ乳酸の重量平均分子量が150,000を越える場合には樹脂組成物のドリップ自消性が低下し、いずれも難燃性が低下する傾向にある。なお、「ドリップ自消性」とは、樹脂組成物が熱によりたれて消失することを意味する。
樹脂組成物中におけるポリ乳酸の重量平均分子量は、樹脂組成物を液体窒素雰囲気下で冷却してその表面から測定用試料を削り取り、測定用試料を重水素化クロロホルムに0.1質量%の濃度で溶解させ、ゲルパーミッションクロマトグラフにて、分離されたポリ乳酸について測定した重量平均分子量を意味する。また、測定には、ゲルパーミッションクロマトグラフとして、東ソー社製HLC−8220GPCが用いられる。
<ガラス繊維>
ガラス繊維は、表面にエポキシ系処理剤により表面処理が施されてなるものである。ガラス繊維を表面処理するエポキシ系処理剤としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ処理剤、フェノール型エポキシ処理剤、シロキサン変性型エポキシ処理剤等が挙げられる。このエポキシ系処理剤による処理量は、例えば、ガラス繊維100質量%に対して0.01質量%以上、5質量%以下が好ましく、0.1質量%以上、3質量%以下がより好ましい。
また、ガラス繊維は、繊維長が2mm以上5mm以下であり、その体積が650mm以下である。この範囲にすることで、樹脂組成物におけるガラス繊維の占有体積が増加し、熱に対する樹脂組成物のたれが抑制され、難燃性が向上する。ここで、繊維長が2mm以上5mm以下である場合にその体積が650mmを越えると、ガラス繊維の『ろうそく効果』によって樹脂組成物の燃焼が促進されてしまう。上述したように、『ろうそく効果』とは、ガラス繊維がいわゆる導線の役割を果たし、ガラス繊維の周りに存在する樹脂の燃焼を誘引する効果を意味する。一方、繊維長が2mm以上5mm以下の場合にその体積が650mmの範囲にすることで、いわゆる『ろうそく効果』による樹脂組成物の燃焼が抑制される。
樹脂組成物中のガラス繊維の繊維径、繊維長は、樹脂組成物の一定量(例えば10g)をクロロホルムに溶解させ、残ったガラス繊維について走査型電子顕微鏡により測定される。なお測定するガラス繊維数は100本とする。
また、本実施の形態における他の樹脂組成物は、さらに、(C)リン酸塩と(D)カルボジイミド化合物とを含有する。
<リン酸塩>
リン酸塩としては、特に制限はなく、リン酸との塩構造を持つ化合物であれば、有機リン酸塩、無機リン酸塩のいずれも挙げられる。有機リン酸塩としては、リン酸アンモニウム、リン酸メラミン、リン酸グアジニン等が挙げられる。無機リン酸塩としては、リン酸アルミニウム、リン酸マグネシウム、リン酸マンガン等が挙げられる。これらの中でも、有機リン酸塩、特にポリリン酸アンモニウムが好ましい。このリン酸塩は、多官能化合物による分散向上効果が大きいことから好ましい。リン酸塩は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
リン酸塩は、融点が200℃以上が好ましく、210℃以上、300℃以下がより好ましく、220℃以上、280℃以下がさらに好ましい。リン酸塩の融点が200℃未満だと、混練時にリン酸塩がポリ乳酸中に溶け込んでしまうことがあるため、多官能化合物と作用され難くなり分散性が低下してしまう傾向がある。このため、リン酸塩は、融点が200℃以上とすると、耐熱性、難燃性、及び耐衝撃性が共に優れた成形体が得られ易くなる。
リン酸塩は、リン(P)の含有量が15質量%以上、40質量%以下であることが好ましく、20質量%以上、35質量%以下であることがより好ましい。リン酸塩のリン含有量が15質量%未満であると、難燃性が低下する傾向にあり、40質量%を越えると、脂肪族ポリエステルが熱分解しやすくなる傾向にある。
リン酸塩の含有量(2種以上併用する場合には総含有量)には特に限定はないが、樹脂組成物の全量に対し、5質量%以上、40質量%以下であることが好ましく、7質量%以上、30質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上、20質量%以下であることが特に好ましい。
<カルボジイミド化合物>
カルボジイミド化合物は、多官能化合物であり、ポリ乳酸の末端基(例えば カルボキシル基、水酸基等)と反応する官能基を2つ以上持つ化合物である。カルボジイミド化合物としては、例えば、脂肪族モノカルボジイミド、脂肪族ジカルボジイミド、芳香族モノカルボジイミド、芳香族ジカルボジイミド等が挙げられる。これらの中でも、2官能化合物(2つの官能基を持つ多官能化合物)、特に、2官能のカルボジイミド化合物が好ましい。2官能のカルボジイミド化合物は、ガラス繊維及びリン酸塩の分散性向上効果が高く好ましい。カルボジイミド化合物は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
カルボジイミド化合物の含有量(2種以上併用する場合には総含有量)には特に限定はないが、樹脂組成物の全量に対し、0.1質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以上、1.5質量%以下であることが特に好ましい。
<その他成分>
本実施の形態における樹脂組成物は、その他充填剤を含有してもよい。
その他充填剤としては、例えば、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土などのクレイ、タルク、マイカ、モンモリナイト等が挙げられる。また、その他充填剤としては、メラミン含有粒子、フォスフェート粒子、酸化チタン等も挙げられる。その他充填剤は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。また、ポリ乳酸に予めクレイが添加された、例えば、ユニチカ(株)社製の「テラマックTE7000」を適用してもよい。
充填剤の粒子径は、数平均粒子径で0.01μm以上、5μm以下が好ましく、0.05μm以上、2μm以下がより好ましい。0.01μm未満であると充填効果が不十分になる場合があり、5μmを超えると分散が悪くなる場合があり、いずれも耐熱性向上効果が低下する傾向にある。
その他充填剤としては、合成したものを用いてもよいし市販品を用いてもよい。クレイの市販品としては、ナノコア社製の「ナノクレイMX」等が挙げられる。また、タルクの市販品としては、日本タルク社製の「マイクロエースP8」等が挙げられる。マイカの市販品としては、日本マイカ製作所製のマイカパウダー、山口雲母工業「SJ−005」、「SYA21−RS」等が挙げられる。モンモリナイトの市販品としては、クニミネ工業社の「クニピアF」等が挙げられる。なお、例えば、その他充填剤は、ポリ乳酸の市販品に予め配合されているものを適用してもよい。
その他充填剤の含有量には、特に限定はないが、耐熱性、難燃性の観点からは、樹脂組成物の全量に対し、1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
また、本実施形態に係る樹脂組成物には、その他難燃剤を含有してもよい。その他難燃剤としては、シリコーン系難燃剤、窒素系難燃剤、無機水酸化物系難燃剤等が挙げられる。その他難燃剤は1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
その他難燃剤としては、合成したものを用いてもよいし市販品を用いてもよい。リン系難燃剤の市販品としては、大八化学製の「PX−200」、「X−202」、ブーテンハイム製の「TERRAJU C80」、クラリアント製の「EXOLIT AP422」、「EXOLIT OP930」等が挙げられる。シリコーン系難燃剤の市販品としては、東レダウシリコーン製の「DC4−7081」等が挙げられる。窒素系難燃剤の市販品としては、三和ケミカル製の「アピノン901」、下関三井化学製の「ピロリンサンメラミン」、ADEKA製の「FP2100」等が挙げられる。無機水酸化物系難燃剤の市販品としては、堺化学工業製「MGZ300」、日本軽金属製「B103ST」等が挙げられる。
その他難燃剤の含有量には、特に限定はないが、難燃性と耐衝撃強度の観点から、樹脂組成物の全量に対し、2質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
また、本実施の形態における樹脂組成物は、ポリ乳酸以外の樹脂、離型剤、耐候剤、耐光剤、着色剤等を含有してもよい。
ポリ乳酸以外の樹脂として、本実施の形態では、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブチレンサクシネートからなる群から選択される樹脂が含有される。市販品であれば、例えば三菱レイヨン(株)製の「メタブレンSX−005」、「メタブレンC−223A」が好ましく、これらは、粒子状のゴムの外部にグラフト層を持ったコアシェル対応であって、「メタブレンSX−005」はコアがブラジエン系ゴムで、グラフト層がポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、塩化ビニル樹脂(PVC)、ABS樹脂(ABS)、アクリル樹脂(MMA)からなり、「メタブレンC−223A」はコアがシリコーン・アクリル複合ゴムで、グラフト層がPC,PBT,PA,PS,PVCである。
<樹脂組成物の製法>
本実施の形態における樹脂組成物は、上記(A)、(B)および(C)、(D)の成分と、必要に応じてその他成分とを、混練して作製される。
前記混練は、例えば、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)、簡易ニーダー(東洋精機製、ラボプラストミル)等の公知の混練装置を用いて行う。ここで、混練の温度条件(シリンダ温度条件)としては、リン酸塩の融点未満であることが好ましく、具体的には、融点が200℃以上のリン酸塩を適用する場合、150℃以上、190℃以下が好ましく、160℃以上、180℃以下がより好ましい。これにより、混練時にリン酸塩がポリ乳酸中に溶け込んでしまうことが抑制され、耐熱性、難燃性、及び耐衝撃性が共に優れた成形体が得られ易くなる。
[成形体]
本実施の形態における成形体は、上述した本実施の形態における樹脂組成物を成形することにより得ることができる。例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形などの成形方法により成形して、本実施形態に係る成形体が得られる。本実施形態においては、成形体における成分(例えばガラス繊維やリン酸塩)の分散性の理由から、本実施形態の樹脂組成物を射出成形して得られたものであることが好ましい。
前記射出成形は、例えば、日精樹脂工業製「NEX150」、日精樹脂工業製「NEX70000」、東芝機械製「SE50D」等の市販の装置を用いて行う。この際、シリンダ温度としては、ポリ乳酸の分解抑制などの観点から、160℃以上、240℃以下とすることが好ましく、170℃以上、210℃以下とすることがより好ましい。また、金型温度としては、生産性の観点から、30℃以上、120℃以下とすることが好ましく、30℃以上、60℃以下とすることがより好ましい。
また、本実施の形態における成形体中における、(A)ポリ乳酸の結晶化度は20%以上が好ましい。前記結晶化度が20%未満だと耐熱性が低下する傾向にある。ここで、結晶化度は、密度勾配管法により測定した値を指す。具体的には、結晶化度100%と0%の標準試験片を、2種類のアルコールの混合系で作った密度勾配管中に浮遊させる。これら2種類の標準試験片の浮遊位置から密度を決めることができ、密度と結晶化度の検量線を作成する。次に、この密度勾配管中に、結晶化度を測定したいサンプルの試験片(標準試験片と同体積のもの)を浮遊させ、浮遊位置から密度を求め、検量線から結晶化度を求めた値を指す。
<電子・電気機器の部品>
前述の本実施の形態における成形体は、機械的強度(耐衝撃性及び柔軟性)、耐熱性及び難燃性に優れたものになり得るため、電子・電気機器、家電製品、容器、自動車内装材などの用途に好適に用いることができる。より具体的には、家電製品や電子・電気機器などの筐体、各種部品など、ラッピングフィルム、CD−ROMやDVDなどの収納ケース、食器類、食品トレイ、飲料ボトル、薬品ラップ材などであり、中でも、電子・電気機器の部品に好適である。電子・電気機器の部品は、複雑な形状を有しているものが多く、また重量物であるので極めて高い耐衝撃強度及び面衝撃強度が要求されるが、本実施形態の樹脂成形体によれば、このような要求特性を十分満足させることができる。
以下実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1から実施例18、比較例7,8
表1に示す実施例1から実施例18、比較例7,8に示す組成を、2軸混練装置(東芝機械製、TEM58SS)にて、表1に示すシリンダ温度で混練し、樹脂組成物ペレットを得た。なお、ガラス繊維についてはサイドフィードから投入した。得られたペレットを射出成形機(日精樹脂工業製、NEX150)にて、実施例に示すシリンダ温度、金型温度で、ISO多目的ダンベル試験片(ISO527引張試験、ISO178曲げ試験に対応)(試験部厚さ4mm、幅10mm)と、UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ:0.8mm、1.6mm)を成形した。
また、表1に示す製品名の組成について、表3から表6に示す。また、カルボジイミド化合物として、日清紡社製の「カルボジライトLA1」を用いた。
ISO多目的ダンベル試験片を加工して、ISO179に従い耐衝撃試験装置(東洋精機製、DG−5)にてシャルピー耐衝撃強度を測定、ISO75に従い、HDT測定装置(東洋精機製、HDT−3)にて1.80MPa荷重時の熱変形温度を測定した。更に、UL試験片を用い、UL−94の方法でUL−Vテストを実施した。結果を表2に示す。
比較例1から比較例6:
表1に示す比較例1から比較例6に示す組成を、実施例と同様に樹脂組成物ペレットを得て、射出成形、特性評価を実施した。結果を表2に示す。
<測定・評価>
得られた試験片を用いて、下記各測定・評価を行った。表2に結果を示す。
(シャルピー耐衝撃強度の測定)
ISO多目的ダンベル試験片(ISO527引張試験、ISO178曲げ試験に対応、試験部厚さ4mm、幅10mm)を加工して、ISO179に従い耐衝撃試験装置(東洋精機製、DG−5)にてシャルピー耐衝撃強度を測定した。シャルピー耐衝撃強度は、数値が大きい程、耐衝撃性に優れていることを示す。
(熱変形温度の測定)
上記ISO多目的ダンベル試験片を用い、ISO75に準拠して1.80MPa荷重時の熱変形温度(重荷たわみ温度)を測定した。熱変形温度は、温度が高い程、耐熱性に優れていることを示す。
(UL−Vテスト)
UL−94におけるVテスト用UL試験片(厚さ1.6mm)を用い、UL−94の方法でUL−Vテストを実施した。UL−Vテストの結果は、V−0が最も難燃性が高く、V−1がV−0に次いで最も難燃性が高く、V−2がV−1に次いで難燃性が高いことを示す。V−notは、V−2よりも難燃性に劣ることを示す。
(剛球落下試験)
試験片として厚さ2mm、10×10cmの平板を用い、この平板に対して1300mの高さから直径50mm、重さ500gの鋼球を落下衝突させ、割れが発生するかどうかを調べた。
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本発明の活用例として、難燃性の樹脂成形体への適用がある。

Claims (4)

  1. 少なくとも(A)ポリ乳酸と(B)ガラス繊維とを含み、(A)ポリ乳酸と(B)ガラス繊維の質量比(A)/(B)が1.0以上、2.2以下であり、
    (A)ポリ乳酸の重量平均分子量が、30,000以上、150,000以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. (A)ポリ乳酸中にクレイが分散されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 少なくとも(A)ポリ乳酸と(B)ガラス繊維とを含み、(A)ポリ乳酸と(B)ガラス繊維の質量比(A)/(B)が1.0以上、2.2以下であり、
    (A)ポリ乳酸の重量平均分子量が、30,000以上、150,000以下である成形体。
  4. (A)ポリ乳酸中にクレイが分散されていることを特徴とする請求項3に記載の成形体。
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