JP5332438B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被写体の撮影時に装置本体が振れても撮影画像にブレが生じるのを抑える振れ補正機能を有するデジタルスチールカメラ等の撮像装置に関する。
従来、補正レンズを駆動する際に、摩擦力の影響を低減させることにより、振れ補正効果を向上させることを目的とするブレ補正装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来のブレ補正装置は、光学機器に加わる振れ情報を検出するための振れ検出手段と、該振れ検出手段の検出結果を信号処理する信号処理手段と、補正レンズを駆動して前記振れによる像振れを補正する制御手段と、を有する。そして、前記制御手段は、前記補正レンズの駆動方向に応じて、前記信号処理手段の結果に設定値を加算もしくは減算し、その結果に基づいて前記補正レンズの駆動制御を行うようにしている。
特開2000−66258号公報
しかしながら、従来のブレ補正装置にあっては、目標位置演算部及びフィードフォワード演算部の出力信号に基づいて、駆動部を駆動制御するというように、信号処理手段の結果(出力信号)に対する補正制御である。このため、摩擦力の影響が信号処理手段の結果に表れた後、事後的に摩擦力の影響を取り除こうとする補正制御となり、ブレ補正制御の誤差が最も発生しやすい補正レンズが静止状態から動き出すとき、大きな制御誤差の発生を許してしまう、という問題があった。
また、従来のブレ補正装置にあっては、摩擦力の影響を低減させる補正量として固定された設定値を加算もしくは減算するものである。一方、摩擦は、補正レンズの駆動速度ゼロのときに静止摩擦となるため最も摩擦力の影響が大きく、補正レンズの駆動速度が大きい時には動摩擦に移行しているので摩擦力の影響は少ない。そのため、固定された設定値を加算もしくは減算したのでは、補正レンズの駆動速度ゼロ近傍では不足であり、補正レンズの駆動速度大のときには過大となる、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、振れ補正制御時、応答良く、かつ、適正に摩擦力の影響を低減することで、振れ補正手段の駆動速度の大きさにかかわらず全駆動域にて制御誤差を小さく抑えることができる撮像装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明では、被写体の撮影時に装置本体が振れても撮影画像にブレが生じるのを抑える振れ補正機能を有する撮像装置において、
前記装置本体の振れを検出する角速度センサと、
前記角速度センサの出力を積分し、撮像レンズによる撮像素子面上の像の振れ量を算出する振れ量算出手段と、
前記撮像レンズによる像の振れを、前記装置本体の振れに追従する変位駆動により補正する振れ補正手段と、
前記振れ補正手段の変位量を検出する変位量検出手段と、
前記振れ量算出手段により算出された振れ量と前記変位量検出手段により検出された変位量の偏差に基づいて、前記振れ補正手段に出力する駆動指令値を生成する振れ補正制御手段と、
前記装置本体の姿勢方向を検出する水準器センサと、
前記水準器センサにて検出される装置本体の姿勢方向に基づき、重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるか、重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるかを判定する姿勢判定手段と、を備え、
前記振れ補正制御手段は、
前記偏差に基づく駆動指令値に、前記角速度センサからの出力の大きさが小さいほど大きな値を加算し、前記角速度センサからの出力の大きさが大きいほど小さな値を加算し、
更に、前記装置本体が重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定時に、第1のフィードフォワード制御指令値を算出し、前記装置本体が重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定時に、前記第1のフィードフォワード制御指令値とは異なる第2のフィードフォワード制御指令値を算出し、
更に、前記装置本体が重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるとの判定時、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が第1の設定値以下のとき、第1の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が第1の設定値を超えるとき、第1の係数より小さい第2の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、
前記装置本体が重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるとの判定時、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が第1の設定値以下のとき、第3の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が第1の設定値を超えるとき、第3の係数より小さい第4の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出することを特徴とする。
請求項2に係る発明では、請求項1に記載された撮像装置において、
前記振れ補正制御手段は、前記振れ量と変位量の偏差を無くすように算出されるフィードバック制御指令値に、前記角速度センサからの出力の大きさが小さいほど大きな値による係数を設定し、前記角速度センサからの出力に前記設定した係数を乗じることで得られるフィードフォワード制御指令値を加算し、前記振れ補正手段に出力する駆動指令値を生成することを特徴とする。
請求項3に係る発明では、請求項2に記載された撮像装置において、
前記振れ補正制御手段は、前記角速度センサの出力の大きさが第1の設定値以下のとき、角速度センサの出力に第1の係数を乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさが第1の設定値を超えているとき、角速度センサの出力に第1の係数より小さい第2の係数を乗じてフィードフォワード制御指令値を算出することを特徴とする。
請求項4に係る発明では、請求項3に記載された撮像装置において、
前記振れ補正制御手段は、前記第1の設定値よりも大きな第2の設定値を定めておき、前記角速度センサの出力の大きさが第2の設定値を超えているとき、フィードフォワード制御指令値を算出するときの角速度センサの出力に乗じる係数の値を、ゼロを含み第2の係数より小さい値にすることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、被写体の撮影時に装置本体が振れても撮影画像にブレが生じるのを抑える振れ補正機能を有する撮像装置において、
前記装置本体の振れを検出する角速度センサと、
前記角速度センサの出力を積分し、撮像レンズによる撮像素子面上の像の振れ量を算出する振れ量算出手段と、
前記撮像レンズによる像の振れを、前記装置本体の振れに追従する変位駆動により補正する振れ補正手段と、
前記振れ補正手段の変位量を検出する変位量検出手段と、
前記振れ量算出手段により算出された振れ量と前記変位量検出手段により検出された変位量の偏差に基づいて、前記振れ補正手段に出力する駆動指令値を生成する振れ補正制御手段と、
前記装置本体の姿勢方向を検出する水準器センサと、
前記水準器センサにて検出される装置本体の姿勢方向に基づき、重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるか、重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるかを判定する姿勢判定手段と、
前記角速度センサの出力の符号と前記角速度センサの出力微分値の符号が同じか異なるかを判定する極性判定手段と、を備え、
前記振れ補正制御手段は、
前記偏差に基づく駆動指令値に、前記角速度センサからの出力の大きさが小さいほど大きな値を加算し、前記角速度センサからの出力の大きさが大きいほど小さな値を加算し、
更に、前記装置本体が重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるとの判定時、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が設定値以下で、前記極性判定手段により両符号が同じと判定されたとき、第1の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が設定値以下で、前記極性判定手段により両符号が異なると判定されたとき、前記第1の係数より小さい第2の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、
前記装置本体が重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定時、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が設定値以下で、前記極性判定手段により両符号が同じと判定されたとき、第3の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が設定値以下で、前記極性判定手段により両符号が異なると判定されたとき、前記第3の係数より小さい第4の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出することを特徴とする。
請求項6に係る発明では、請求項に記載された撮像装置において、
前記振れ補正制御手段は、前記振れ量と変位量の偏差を無くすように算出されるフィードバック制御指令値に、前記角速度センサからの出力の大きさが小さいほど大きな値による係数を設定し、前記角速度センサからの出力に前記設定した係数を乗じることで得られるフィードフォワード制御指令値を加算し、前記振れ補正手段に出力する駆動指令値を生成することを特徴とする。
請求項7に係る発明では、請求項に記載された撮像装置において、
前記振れ補正制御手段は、前記角速度センサの出力の大きさが第1の設定値以下のとき、角速度センサの出力に第1の係数を乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさが第1の設定値を超えているとき、角速度センサの出力に第1の係数より小さい第2の係数を乗じてフィードフォワード制御指令値を算出することを特徴とする。
請求項8に係る発明では、請求項に記載された撮像装置において、
前記振れ補正制御手段は、前記第1の設定値よりも大きな第2の設定値を定めておき、前記角速度センサの出力の大きさが第2の設定値を超えているとき、フィードフォワード制御指令値を算出するときの角速度センサの出力に乗じる係数の値を、前記第2の係数より小さいゼロを含む値に設定することを特徴とする。
請求項に係る発明では、請求項1乃至8のいずれか一項に記載された撮像装置において、
前記振れ補正制御手段は、第1の係数と第2の係数と第3の係数と第4の係数を、振れ補正時における前記装置本体の姿勢角度と姿勢方向に基づき算出することを特徴とする。
よって、請求項1に係る撮像装置にあっては、振れ補正制御手段において、偏差に基づく駆動指令値に、角速度センサからの出力の大きさが小さい、つまり、速度が小さく静止摩擦の影響が大きいほど大きな値が加算され、角速度センサからの出力の大きさが大きい、つまり、速度が大きく摩擦力の影響が小さいほど小さな値が加算される。このため、振れ補正制御時、応答良く、かつ、適正に摩擦力の影響を低減することで、振れ補正手段の駆動速度の大きさにかかわらず全駆動域にて制御誤差を小さく抑えることができる。更に、摩擦力の影響が、重力方向に逆らった方向に駆動するときと重力方向に従った駆動するときとで異なるのに対応し、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。更に、摩擦力の影響が、重力方向の駆動か反重力方向の駆動かで異なることに対応すると共に、角速度が小さいか大きいかにより異なることに対応し、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
請求項2、6に係る撮像装置にあっては、振れ補正制御手段において、振れ量と変位量の偏差を無くすように算出されるフィードバック制御指令値に、角速度センサからの出力の大きさが小さいほど大きな値による係数が設定され、角速度センサからの出力に設定した係数を乗じることで得られるフィードフォワード制御指令値が加算され、振れ補正手段に出力する駆動指令値が生成される。このため、振れそのものの発生情報を表す角速度センサからの出力を用いた簡単なフィードフォワード制御系を追加するだけの構成により、振れ補正手段の全駆動域にて制御誤差を小さく抑える駆動指令値を生成することができる。
請求項3、7に係る撮像装置にあっては、振れ補正制御手段において、角速度センサの出力の大きさが第1の設定値以下のとき、角速度センサの出力に第1の係数を乗じてフィードフォワード制御指令値が算出され、角速度センサの出力の大きさが第1の設定値を超えているとき、角速度センサの出力に第1の係数より小さい第2の係数を乗じてフィードフォワード制御指令値が算出される。このため、2つの係数を使い分ける簡単な補正制御としながら、速度ゼロ近傍での駆動指令値の不足を解消し、速度ゼロ近傍でないときに駆動指令値を適正に戻すことができる。
請求項4、8に係る撮像装置にあっては、振れ補正制御手段において、第1の設定値よりも大きな第2の設定値を定めておき、角速度センサの出力の大きさが第2の設定値を超えているとき、フィードフォワード制御指令値を算出するときの角速度センサの出力に乗じる係数の値が、ゼロを含み第2の係数より小さい値にされる。このため、角速度センサの出力の大きさ判断による簡単な補正制御としながら、速度大のときに駆動指令値が過大になるのを確実に防ぐことができる。
請求項5に係る撮像装置にあっては、振れ補正制御手段において、偏差に基づく駆動指令値に、角速度センサからの出力の大きさが小さい、つまり、速度が小さく静止摩擦の影響が大きいほど大きな値が加算され、角速度センサからの出力の大きさが大きい、つまり、速度が大きく摩擦力の影響が小さいほど小さな値が加算される。このため、振れ補正制御時、応答良く、かつ、適正に摩擦力の影響を低減することで、振れ補正手段の駆動速度の大きさにかかわらず全駆動域にて制御誤差を小さく抑えることができる。更に、摩擦力の影響が、重力方向の駆動か反重力方向の駆動かで異なることに対応すると共に、角速度が小さいか大きいかにより異なることに対応するのに加え、加速するときと減速するときとで異なることに対応し、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
請求項に係る撮像装置にあっては、振れ補正制御手段において、第1の係数と第2の係数と第3の係数と第4の係数が、振れ補正時における装置本体の姿勢角度と姿勢方向に基づき算出される。このため、装置本体の姿勢角度と姿勢方向により決まる摩擦力の影響を適正に低減することで、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
以下、本発明の撮像装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例8に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は、実施例1のデジタルスチールカメラ(撮像装置の一例であり、以下、単に「デジタルカメラ」という。)を示す正面図である。図2は、実施例1のデジタルカメラを示す背面図である。図3は、実施例1のデジタルカメラを示す平面図である。以下、デジタルカメラの外観構成を説明する。
カメラ本体の上面(被写体側を正面としたときの上面)には、図1および図3に示すように、レリーズスイッチSW1(レリーズシャッター)、モードダイアルSW2、サブ液晶ディスプレイ1(サブLCDともいう)が配設されている。
カメラ本体の正面(被写体側)には、図1に示すように、撮像レンズを含む鏡胴ユニット7、光学ファインダ4、ストロボ発光器3、測距ユニット5、リモートコントロール受光部6が設けられている。
カメラ本体の背面(撮影者側)には、図2に示すように、電源スイッチSW13、LCDモニタ10、AFLED8、ストロボLED9、光学ファインダ4、広角方向ズームスイッチSW3、望遠方向ズームスイッチSW4、セルフタイマの設定・削除スイッチSW5、メニュースイッチSW6、上移動・ストロボセットスイッチSW7、右移動スイッチSW8、ディスプレイスイッチSW9、下移動・マクロスイッチSW10、左移動・画像確認スイッチSW11、OKスイッチSW12、手振れ補正スイッチSW14が設けられている。カメラ本体の側面には、図1に示すように、メモリカード/電池装填室の蓋2が設けられている。
図4は、実施例1のデジタルカメラの全体システム構成の概要を示すブロック図である。以下、デジタルカメラの全体システム構成を説明する。
実施例1のデジタルカメラは、図4に示すように、鏡胴ユニット7と、モータドライバ20と、CCD21と、画像処理部22と、CCDステージ23と、CCDアクチュエータ24と、CCD位置検出部25と、CPU26と、ROM27と、SDRAM28と、を備えている。
前記鏡胴ユニット7は、被写体の光学画像をCCD21に取り込むズームレンズ、フォーカスレンズ、絞り、メカシャッタ等を備えている。そして、これらのズームレンズ、フォーカスレンズ、絞り、メカシャッタは、各モータにより動かされ、各モータには、モータ駆動を行うモータドライバ20を有する。そして、モータドライバ20は、CPU26からの駆動指令により駆動制御される。
前記CCD21は、鏡胴ユニット7のレンズ群による光軸上に配置され、光学画像を光電変換するための固体撮像素子である。このCCD21に接続された画像処理部22は、画像ノイズ除去のための相関二重サンプリングを行うCDSと、利得調整用のAGCと、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路を有する。なお、撮像素子としては、例えば、CMOS等を使用することもできる。
前記CCDステージ23は、前記CCD21の撮像面を図4の上下方向(Y方向)と図4の左右方向(X方向)に移動可能に支持する部材である。つまり、CCDステージ23に対し、手振れを止める方向にCCD21を移動させることによって、カメラ本体の手振れによる被写体の撮影画像のぶれを抑える。
前記CCDアクチュエータ24は、CCD21のY方向とX方向に駆動させるもので、例えば、コイルや圧電セラミックやパルスモータ等が用いられる。
前記CCD位置検出部25は、CCD21のY方向の位置とX方向の位置を検出するもので、ホール素子や磁気抵抗素子等の磁気センサが用いられる。そして、CCD位置検出部25によりCCD21の位置を検出しながら、CCDアクチュエータ24をCPU26からの駆動指令により駆動制御することで、CCD21の位置制御が行われる。
前記CPU26は、CCD21より画像処理の出力データにホワイトバランス設定やガンマ設定を行い、フィルタリング処理により、輝度データ・色差データへの変換を行う制御ブロックを有する。また、前述した装置各部の動作を制御するブロック、前述した制御に必要なデータ等を一時的に保存するSDRAM28、パソコン等の外部機器とUSB通信を行うUSBブロック、パソコンなどの外部機器とシリアル通信を行うシリアルブロック、JPEG圧縮・伸張を行うブロック、画像データのサイズを補間処理により拡大/縮小するブロック、画像データを液晶モニタやTVなどの外部表示機器に表示するためのビデオ信号に変換するTV信号表示ブロック、撮影された画像データを記録するメモリカードの制御を行うメモリカードブロックを有する。
前記ROM27には、CPU26にて解読可能なコードで記述された制御プログラムや制御するためのパラメータが格納されている。このデジタルカメラの電源がオン状態になると、前記プログラムは図示しないメインメモリにロードされ、前記CPU26は、そのプログラムに従って装置各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を、一時的に、図示しないRAM及びSRAMに保存する。ROM27として、書き換え可能なフラッシュROMを使用することで、制御プログラムや制御するためのパラメータを変更することが可能となり、機能のバージョンアップが容易に行える。
前記SDRAM28は、前述したCPU26で画像データに各種処理を施す際に、画像データを一時的に保存する。保存される画像データは、例えば、CCD21から、画像処理を経由して取り込んで、ホワイトバランス設定、ガンマ設定が行われた状態の「RAW−RGB画像データ」や輝度データ・色差データ変換が行われた状態の「YUV画像データ」、JPEG圧縮された「JPEG画像データ」等である。なお、このシステムには、記憶媒体として、メモリカードスロットルにメモリカードが装着されていない場合でも、撮影した画像データを記憶できるようにするためのメモリも備えている。
実施例1のデジタルカメラは、図4に示すように、温度検出部29と、LCDモニタ10と、外部I/O30と、操作部材SW1〜SW14と、音声記録ユニット31と、音声再生ユニット32と、測光ユニット33と、測距ユニット5と、ストロボ発光器3と、サブ液晶ディスプレイ1と、手振れ検出部34と、を備えている。
前記温度検出部29は、カメラ内の温度情報をCPU26に送り、カメラ内の温度補正に使用される。温度センサとしては、例えば、サーミスター、正温度係数抵抗器、半導体等が用いられる。
前記LCDモニタ10は、撮影前に被写体の状態を監視するため、撮影した画像を確認するため、メモリカードや前述した内臓メモリに記録した画像データを表示するため、等として用いられるモニタである。
前記外部I/O30は、パソコンなどの外部機器とシリアル通信を行うために、シリアルブロックの出力信号を電圧変換するための回路である。
前記操作部材SW1〜SW14は、図1〜図3に示すように、ユーザーが操作するKey回路によるスイッチである。
前記音声記録ユニット31は、ユーザーが音声信号を入力するマイク、入力された音声信号を増幅するマイクAMP、増幅された音声信号を記録する音声記録回路からなる。
前記音声再生ユニット32は、記録された音声信号をスピーカーから出力できる信号に変換する音声再生回路、変換された音声信号を増幅し、スピーカーを駆動するためのオーディオAMP、音声信号を出力するスピーカーからなる。
前記測光ユニット33は、絞りと露光時間を決める測光情報をCPU26へ送る。前記測距ユニット5は、フォーカスレンズの合焦位置を決める測距情報をCPU26へ送る。
前記手振れ検出部34は、手振れ検出情報である角速度データをCPU26へ送る。この手振れ検出部34は、ジャイロセンサ341と、ハイパスフィルタ342と、ローパスフィルタ343と、を有して構成される(図6参照)。
図5は、実施例1のデジタルカメラにおいてCCD21およびCCDステージ23(振れ補正手段)を示す分解斜視図である。
CCDステージ23は、CCD21を固定するy可動枠231と、yガイド軸234を有するx可動枠232と、xガイド軸235を有する固定枠233と、を備えている。
前記y可動枠231は、x可動枠232に固定されたyガイド軸234に沿ってy方向に移動可能に支持されている。また、前記x可動枠232は、固定枠233に設けられたxガイド軸235に沿ってx方向に移動可能に支持されている。前記固定枠233は、鏡胴ユニット7に固定されており、こうすることでCCD21はx、y両方向に移動可能となる。
さらに、y可動枠231には、x駆動コイル242aとy駆動コイル242bが、それぞれ固定枠233に設けられたx駆動マグネット242cとy駆動マグネット242dに対向する位置に設けられる。x駆動コイル242aとy駆動コイル242bは、x方向とy方向に駆動するCCDアクチュエータ24のコイル242を構成する。
前記CCD21のx方向とy方向の位置は、それぞれホール素子251によるx位置センサ251aとy位置センサ251bで検出される。前記x位置センサ251aとy位置センサ251bは、CCD21と一体にx、y方向に移動するy可動枠231に固定されていて、x駆動マグネット242cとy駆動マグネット242dによる磁界の変化を検知して、CCD21の位置を検出する。
図6は、実施例1のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。
実施例1のデジタルカメラにおける振れ補正制御系は、手振れ検出部34(角速度センサ)と、CCDアクチュエータ24と、CCD位置検出部25(変位量検出手段)と、CPU26と、を備えている。
前記手振れ検出部34は、図6に示すように、装置本体の振れを検出するジャイロセンサ341と、センサ出力から基準電圧Vrefに対するオフセットを除去するハイパスフィルタ342と、オフセットが除去された角速度信号から高周波ノイズを除去するローパスフィルタ343と、を有して構成される。
前記CCDアクチュエータ24は、図6に示すように、CPU26からの駆動指令値をコイル駆動電流に変換する駆動回路241と、該駆動回路241からの駆動電流が印加されるコイル242(x駆動コイル242a、y駆動コイル242b)と、を有して構成される。
前記CCD位置検出部25は、図6に示すように、ホール素子251(x位置センサ251a、y位置センサ251b)と、ホール素子251にて検出された信号から高周波ノイズを除去するローパスフィルタ252と、を有して構成されている。
前記CPU26は、手振れ検出部34からのアナログ信号による角速度データをデジタル変換して制御IC261(振れ補正制御手段)に取り込むA/D変換器262と、制御IC261からのデジタル信号による駆動指令値をアナログ変換してCCDアクチュエータ24に出力するD/A変換器263と、CCD位置検出部25からのアナログ信号によるCCD位置検出値をデジタル変換して制御IC261に取り込むA/D変換器264と、を備えている。
前記制御IC261は、フィードバック制御系として、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを積分処理することで角度信号θx,θyとする積分器265と、角度信号θx,θyにジャイロセンサ341の感度と撮像レンズの焦点距離に応じた係数kを乗じて目標CCD位置CCDx*,CCDy*を得る係数乗算器266と、係数乗算器266からの目標CCD位置CCDx*,CCDy*と、CCD位置検出部25からの実CCD位置CCDx,CCDyとの位置偏差dx,dyを算出する差分器267と、制御安定性を確保するために位相進み補償等を行う位相補償器268と、位置偏差dx,dyにフィードバックゲインG(比例ゲインGPや積分ゲインGIや微分ゲインGD)を乗じることでフィードバック項FBx,FBy(フィードバック制御指令値)を算出するフィードバックゲイン設定器269と、を備えている。
前記制御IC261は、フィードフォワード制御系として、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに応じた係数c(c1>c2>0)と、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する可変係数設定器270を備えている。そして、加算器271において、フィードバックゲイン設定器269からのフィードバック項FBx,FByと、可変係数設定器270からのフィードフォワード項FFx,FFyを加算し、CCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値を生成する。
図7は、実施例1のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
なお、このフローチャートは、モードダイアルSW2を撮影モードに設定して電源スイッチSW13を押し、さらに、手振れ補正スイッチSW14を入れ、例えば、レリーズスイッチSW1(レリーズシャッター)の二段押し下げ操作により撮影する場合の露光中に実行される。
ステップS101では、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを読み込み、ステップS102へ移行する。
ステップS102では、ステップS101での角速度信号ωx,ωyの読み込みに続き、積分器265において、角速度信号ωx,ωyを積分処理することで角度信号θx,θyとし、ステップS103へ移行する。
ステップS103では、ステップS102での角度信号θx,θyの算出に続き、係数乗算器266において、角度信号θx,θyにジャイロセンサ341の感度と撮像レンズの焦点距離に応じた係数kを乗じて目標CCD位置CCDx*,CCDy*を算出し、ステップS104へ移行する。
ステップS104では、ステップS103での目標CCD位置CCDx*,CCDy*の算出に続き、CCD位置検出部25から実CCD位置CCDx,CCDyを読み込み、ステップS105へ移行する。
ステップS105では、ステップS104での実CCD位置CCDx,CCDyの読み込みに続き、差分器267において、係数乗算器266からの目標CCD位置CCDx*,CCDy*と、CCD位置検出部25からの実CCD位置CCDx,CCDyとの位置偏差dx,dyを算出し、ステップS106へ移行する。
ステップS106では、ステップS105での位置偏差dx,dyの算出に続き、位相補償器268において、制御安定性を確保するために位相進み補償等を行い、ステップS107へ移行する。
ステップS107では、ステップS106での位相進み補償に続き、フィードバックゲイン設定器269において、位置偏差dx,dyにフィードバックゲイン(例えば、PID制御の場合、比例ゲインGPと積分ゲインGIと微分ゲインGD)を乗じることでフィードバック項FBx,FByを算出し、ステップS108へ移行する。
ステップS108では、ステップS107でのフィードバック項FBx,FByの算出に続き、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第1の設定値A1以下であるか否かを判断し、YESの場合はステップS109へ移行し、NOの場合はステップS111へ移行する。
ステップS109では、ステップS108でのωx≦A1,ωy≦A1であるとの判断に続き、可変係数設定器270において、係数cとして第1の係数c1を設定し、ステップS110へ移行する。
ステップS110では、ステップS109でのc=c1に続き、第1の係数c1に、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS116へ移行する。
ステップS111では、ステップS108でのωx>A1,ωy>A1であるとの判断に続き、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第2の設定値A2(>A1)以下であるか否かを判断し、YESの場合はステップS112へ移行し、NOの場合はステップS114へ移行する。
ステップS112では、ステップS111でのωx≦A2,ωy≦A2であるとの判断に続き、可変係数設定器270において、係数cとして第2の係数c2(<c1)を設定し、ステップS113へ移行する。
ステップS113では、ステップS112でのc=c2に続き、第2の係数c2に、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS116へ移行する。
ステップS114では、ステップS111でのωx>A2,ωy>A2であるとの判断に続き、可変係数設定器270において、係数cとしてc=0(<c2)を設定し、ステップS115へ移行する。
ステップS115では、ステップS114でのc=0に続き、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに0を乗じることでフィードフォワード項FFx(=0),FFy(=0)を算出し、ステップS116へ移行する。
ステップS116では、ステップS110,ステップS113,ステップS115でのフィードフォワード項FFx,FFyの算出に続き、加算器271において、ステップS107で算出されたフィードバック項FBx,FByと、ステップS110,ステップS113,ステップS115で算出されたフィードフォワード項FFx,FFyを加算し、CCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値Dx,Dyを生成し、リターンへ移行する。
次に、作用を説明する。
実施例1のデジタルカメラの作用を、「手振れ補正の原理」と「角速度信号が第1の設定値以下のときの振れ補正作用」と「角速度信号が第1の設定値を超え第2の設定値以下のときの振れ補正作用」と「角速度信号が第2の設定値を超えるときの振れ補正作用」に分けて説明する。
[手振れ補正の原理]
図8は、手振れ補正の原理を説明するための説明図であって、(a)はデジタルカメラが実線で示す手振れのない状態から破線で示すように傾いた状態を示し、(b)はカメラ本体の撮像レンズとCCD21の撮像面との関係を示す部分拡大図である。
手振れによるカメラの移動がない状態のとき、CCD21の撮像面が位置P1、すなわち、中央位置にあるとき、被写体の像が図8(b)に実線で示す撮像面の位置P1の原点Oに投影されていたとする。ここで、手振れによりカメラがθ(θx、θy)方向に傾いたとする。すると、撮像面は図8(b)に破線で示す撮像面の位置P2に移動し、被写体の像はO’に移動する。そこで、破線で示す撮像面の位置P2が実線で示す撮像面の位置P1と重なるように、x方向にdx、y方向にdyだけ撮像面(CCD面)を平行移動させることにより、被写体の像は元の原点位置Oに戻ることになる。
[角速度信号が第1の設定値以下のときの振れ補正作用]
図9は、実施例1のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。
手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第1の設定値A1以下であるときは、図7のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS103→ステップS104→ステップS105→ステップS106→ステップS107→ステップS108→ステップS109→ステップS110→ステップS116→リターンへと進む流れが繰り返される。
すなわち、ステップS109では、係数cとして最も大きな値による第1の係数c1が設定され、ステップS110では、第1の係数c1に角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyが算出される。そして、ステップS116では、ステップS107で算出されたフィードバック項FBx,FByに、ステップS110で算出されたフィードフォワード項FFx,FFyが加算され、CCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値Dx,Dyが生成される。
例えば、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下で小さく、静止摩擦の影響が大きく受けるときは、CCDステージ23の動きが大きな抵抗により鈍る。このとき、例えば、フィードバック制御だけとした場合は、目標CCD位置CCDx*,CCDy*と実CCD位置CCDx,CCDyの位置偏差dx,dyが大きくなるまで、CCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値が大きくならず、急激に制御誤差が増してしまうことになる。
これに対し、実施例1では、図9に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下である時間帯Δt1では、角速度信号ωx,ωyを、c1倍(例えば、約1.5倍)するような加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
したがって、手振れ検出部34から入力される角速度信号ωx,ωyに基づき、予め摩擦の方向(速度と逆方向)とは逆方向に、CCDステージ23に加えられる摩擦力に打ち勝つような大きな駆動力を与えることで、CCDアクチュエータ24の駆動速度が小さく静止摩擦の影響が大きい角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下の領域にて、制御誤差を小さく抑えることができる。
[角速度信号が第1の設定値を超え第2の設定値以下のときの振れ補正作用]
手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第1の設定値A1を超えているが第2の設定値A2以下であるときは、図7のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS103→ステップS104→ステップS105→ステップS106→ステップS107→ステップS108→ステップS111→ステップS112→ステップS113→ステップS116→リターンへと進む流れが繰り返される。
すなわち、ステップS112では、係数cとして第1の係数c1よりも小さな値による第2の係数c2が設定され、ステップS113では、第2の係数c2に角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyが算出される。そして、ステップS116では、ステップS107で算出されたフィードバック項FBx,FByに、ステップS113で算出されたフィードフォワード項FFx,FFyが加算され、CCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値Dx,Dyが生成される。
例えば、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えているが第2の設定値A2以下のときには、静止摩擦の影響ほどでもないが摩擦の影響を多少受けてCCDステージ23の動きに抵抗が生じる。このとき、例えば、フィードバック制御だけとした場合は、目標CCD位置CCDx*,CCDy*と実CCD位置CCDx,CCDyの位置偏差dx,dyが大きくなるまで、CCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値が大きくならず、制御誤差が増してしまうことになる。
これに対し、実施例1では、図9に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えて第2の設定値A2以下である時間帯Δt2では、角速度信号ωx,ωyを、c2倍(例えば、約0.3倍)するような加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
したがって、手振れ検出部34から入力される角速度信号ωx,ωyに基づき、予め摩擦の方向(速度と逆方向)とは逆方向に、CCDステージ23に加えられる摩擦力に打ち勝つような駆動力を与えることで、CCDステージ23が静止状態から動き出していて、摩擦の影響を多少受ける角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えて第2の設定値A2以下の領域にて、制御誤差を小さく抑えることができる。
[角速度信号が第2の設定値を超えるときの振れ補正作用]
手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第2の設定値A2を超えているときは、図7のフローチャートにおいて、ステップS101→ステップS102→ステップS103→ステップS104→ステップS105→ステップS106→ステップS107→ステップS108→ステップS111→ステップS114→ステップS115→ステップS116→リターンへと進む流れが繰り返される。
すなわち、ステップS114では、係数cとして第2の係数c2よりも小さな値(実施例1ではゼロ)が設定され、ステップS115では、ゼロに角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx(=0),FFy(=0)が算出される。そして、ステップS116では、フィードフォワード項FFx,FFyが加算されることなく、ステップS107で算出されたフィードバック項FBx,FByにより、CCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値Dx,Dyが生成される。
例えば、角速度信号ωx,ωyが第2の設定値A2を超えているときには、静止状態から動きだし、摩擦の影響を受けないでスムーズにCCDステージ23が駆動している。このとき、例えば、CCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値に加算量を与えると、駆動指令値が過大となり、オーバーシュートによる制御誤差が生じることになる。
これに対し、実施例1では、図9に示すように、角速度信号ωx,ωyが第2の設定値A2を超える時間帯Δt3では、加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)がゼロとされる。
したがって、摩擦の影響を受けないでスムーズにCCDステージ23が駆動しているとき、加算量をゼロとすることで、駆動指令値が過大となることが防止され、CCDステージ23の過剰駆動によるオーバーシュートを防止することができる。
図10は、実施例1のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。図11は、デジタルカメラにおける振れ補正制御で加算量のないフィードバック制御のみとした場合の目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。
実施例1は、摩擦などの影響で振れ補正機構の動きに抵抗が生じとときに、フィードバック制御だけでは目標位置と現在位置との差が大きくなるまで制御信号が大きくならず制御誤差が増してしまうため、予め摩擦の方向(速度と逆方向)とは逆方向に、摩擦力に打ち勝つような駆動力を与えられるように、速度を所定の係数倍した信号を制御信号に加算するようにしている。このとき乗ずる係数cは、速度が小さく摩擦の影響が大きい時に大きく、速度が大きく摩擦の影響が小さい時に小さく設定する。こうすることにより、速度が小さい時には効果的に摩擦の影響を低減でき、速度が大きい時は過大なフィードフォワード項を加算してしまうのを防ぐことができる。図11はフィードフォワード項を加算しなかったときの変位と制御誤差であるが、変位の山と谷付近(速度ゼロ付近)で制御誤差が大きくなっている。これに対し、図10はフィードフォワード項を加算した実施例1の変位と制御誤差であるが、図11との対比からも明らかなように、制御誤差が小さくなっている。
次に、効果を説明する。
実施例1のデジタルカメラにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 被写体の撮影時に装置本体が振れても撮影画像にブレが生じるのを抑える振れ補正機能を有する撮像装置(デジタルカメラ)において、前記装置本体の振れを検出する角速度センサ(ジャイロセンサ341を有する手振れ検出部34)と、前記角速度センサの出力を積分し、撮像レンズによる撮像素子面上の像の振れ量を算出する振れ量算出手段(係数乗算器266、ステップS103)と、前記撮像レンズによる像の振れを、前記装置本体の振れに追従する変位駆動により補正する振れ補正手段(CCDステージ23)と、前記振れ補正手段の変位量を検出する変位量検出手段(CCD位置検出部25)と、前記振れ量算出手段により算出された振れ量と前記変位量検出手段により検出された変位量の偏差に基づいて、前記振れ補正手段に出力する駆動指令値を生成する振れ補正制御手段(制御IC261、図7)と、を備え、前記振れ補正制御手段は、前記偏差に基づく駆動指令値に、前記角速度センサからの出力の大きさが小さいほど大きな値を加算し、前記角速度センサからの出力の大きさが大きいほど小さな値を加算する。このため、振れ補正制御時、応答良く、かつ、適正に摩擦力の影響を低減することで、振れ補正手段(CCDステージ23)の駆動速度の大きさにかかわらず全駆動域にて制御誤差を小さく抑えることができる。
(2) 前記振れ補正制御手段(制御IC261、図7)は、前記振れ量と変位量の偏差を無くすように算出されるフィードバック制御指令値(フィードバック項FBx,FBy)に、前記角速度センサ(ジャイロセンサ341を有する手振れ検出部34)からの出力の大きさが小さいほど大きな値による係数を設定し、前記角速度センサからの出力に前記設定した係数を乗じることで得られるフィードフォワード制御指令値(フィードフォワード項FFx,FFy)を加算し、前記振れ補正手段(CCDステージ23)に出力する駆動指令値を生成する。このため、振れそのものの発生情報を表す角速度センサからの出力を用いた簡単なフィードフォワード制御系を追加するだけの構成により、振れ補正手段(CCDステージ23)の全駆動域にて制御誤差を小さく抑える駆動指令値を生成することができる。
(3) 前記振れ補正制御手段(制御IC261、図7)は、前記角速度センサ(ジャイロセンサ341を有する手振れ検出部34)の出力の大きさが第1の設定値A1以下のとき、角速度センサの出力に第1の係数c1を乗じてフィードフォワード制御指令値(フィードフォワード項FFx,FFy)を算出し、前記角速度センサの出力の大きさが第1の設定値A1を超えているとき、角速度センサの出力に第1の係数c1より小さい第2の係数c2を乗じてフィードフォワード制御指令値(フィードフォワード項FFx,FFy)を算出する。このため、2つの係数c1,c2を使い分ける簡単な補正制御としながら、速度ゼロ近傍での駆動指令値Dx,Dyの不足を解消し、速度ゼロ近傍でないときに駆動指令値Dx,Dyを適正に戻すことができる。
(4) 前記振れ補正制御手段(制御IC261、図7)は、前記第1の設定値A1よりも大きな第2の設定値A2を定めておき、前記角速度センサ(ジャイロセンサ341を有する手振れ検出部34)の出力の大きさが第2の設定値A2を超えているとき、フィードフォワード制御指令値(フィードフォワード項FFx,FFy)を算出するときの角速度センサの出力に乗じる係数の値を、前記第2の係数c2より小さいゼロを含む値に設定する。このため、角速度センサの出力の大きさ判断による簡単な補正制御としながら、速度大のときに駆動指令値Dx,Dyが過大になるのを確実に防ぐことができる。
実施例2は、振れ補正手段が駆動するときの加速と減速を判定し、摩擦の影響が大きい加速のときにのみ駆動指令値に加算するようにした例である。
なお、実施例2のデジタルカメラにおいて、図1,2,3,5の各構成については、実施例1と同様であるので、図示、並びに、説明を省略する。
図12は、実施例2のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。
前記制御IC261は、図12に示すように、フィードバック制御系として、積分器265と、係数乗算器266と、差分器267と、位相補償器268と、フィードバックゲイン設定器269と、を備えている。
前記制御IC261は、図12に示すように、フィードフォワード制御系として、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに応じた係数c(c1>c2>0)と、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する可変係数設定器270を備えている。加えて、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを微分処理する微分器272と、微分処理した角加速度信号αx,αyから高周波ノイズを除去するローパスフィルタ273と、角速度信号ωx,ωyの符号(正負)と角加速度信号αx,αyの符号(正負)の極性を判定する極性判定器274(極性判定手段)と、角速度信号ωx,ωyの符号と角加速度信号αx,αyの符号が同符号の場合にONとし、異符号の場合にOFFとする切換器275と、を備えている。そして、加算器271において、切換器275のON時、フィードバックゲイン設定器269からのフィードバック項FBx,FByと、可変係数設定器270からのフィードフォワード項FFx,FFyを加算し、CCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値を生成する。また、切換器275のOFF時、フィードフォワード項FFx,FFyを算出せず、フィードバックゲイン設定器269からのフィードバック項FBx,FByをそのままCCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値として生成する。
図13は、実施例2のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
なお、このフローチャートにおいて、ステップS201〜ステップS216の各ステップは、図7に示すフローチャートのステップS101〜ステップS116の各ステップと同様の処理を行うステップであるため、説明を省略する。
ステップS217では、ステップS207でのフィードバック項FBx,FByの算出に続き、微分器272において、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを微分処理し、角加速度信号αx,αyを算出し、ステップS218へ移行する。
ステップS218では、ステップS217での角加速度信号αx,αyの算出に続き、角速度信号ωxと角加速度信号αxが同符号であるか、また、角速度信号ωyと角加速度信号αyが同符号であるかを判断し、YESの場合はステップS208へ移行し、NOの場合はステップS219へ移行する。
ステップS219では、ステップS218でのωxとαxが異符号である、あるいは、ωyとαyが異符号であるとの判断に続き、異符号であると判断された方向のフィードフォワード項FFx,FFyをゼロに設定し、ステップS216へ移行する。
次に、作用を説明する。
実施例2のデジタルカメラの作用を、「CCDステージの加速動作による振れ補正制御作用」と「CCDステージの減速動作による振れ補正制御作用」に分けて説明する。
[CCDステージの加速動作による振れ補正制御作用]
図14は、実施例2のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。
CCDステージ23の加速動作による振れ補正時には、図13のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS202→ステップS203→ステップS204→ステップS205→ステップS206→ステップS207→ステップS217→ステップS218→ステップS208へと進む流れとなる。
そして、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第1の設定値A1以下であるときは、図13のフローチャートにおいて、ステップS208からステップS209→ステップS210→ステップS216→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図14に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下である時間帯Δt1では、角速度信号ωx,ωyを、c1倍(例えば、約1.5倍)するような加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
一方、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第1の設定値A1を超えているが第2の設定値A2以下であるときは、図13のフローチャートにおいて、ステップS208からステップS211→ステップS212→ステップS213→ステップS216→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図14に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えて第2の設定値A2以下である時間帯Δt2では、角速度信号ωx,ωyを、c2倍(例えば、約0.3倍)するような加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
また、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第2の設定値A2を超えているときは、図13のフローチャートにおいて、ステップS208からステップS211→ステップS214→ステップS215→ステップS216→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図14に示すように、角速度信号ωx,ωyが第2の設定値A2を超える時間帯Δt3では、加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)がゼロとされる。
したがって、CCDステージ23が加速動作であるときは、摩擦の影響を適正に低減するという実施例1と同様の作用を示し、制御誤差を小さく抑えることができる。
[CCDステージの減速動作による振れ補正制御作用]
CCDステージ23の減速動作による振れ補正時には、図13のフローチャートにおいて、ステップS201→ステップS202→ステップS203→ステップS204→ステップS205→ステップS206→ステップS207→ステップS217→ステップS218→ステップS219→ステップS216へと進む流れが繰り返される。
そして、図14に示すように、角速度信号ωx,ωyの符号(正)と角加速度信号αx,αyの符号(負)が異なる時間帯Δt4では、加算量が算出されず、フィードフォワード項FFx,FFyがゼロとされる。
すなわち、実施例2では、フィードフォワード項FFx,FFyを加算する際に極性判定を行い、所定の条件を満たした時にフィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算する。極性判定の方法を説明する。角速度信号ωx,ωyと、角速度信号ωx,ωyを微分してローパスフィルタ273で高周波ノイズを除去した角加速度信号αx,αyが極性判定器274に入力される。両者の符号が同じ場合のみフィードフォワード項FFx,FFyの加算を行い、符号が異なる場合はフィードフォワード項FFx,FFyの加算はしない。すなわち、角速度がプラスで角加速度もプラスの場合、プラス方向に向かって加速している状態を表している。この場合はフィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算する。角速度がプラスで角加速度がマイナスの場合、プラス方向に動いているが減速していることを示す。この場合はフィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算しない。
摩擦抵抗は、静止状態から動き始める時すなわち加速時に大きく働き、動いている状態、例えば速度大のときや減速のときには小さい。加速しているときは加速を妨げる方向に大きな摩擦力が働くため、それを打ち消すフィードフォワード項FFx,FFyの加算が有効であるが、減速しているときは摩擦の影響は少ないため、フィードフォワード項FFx,FFyを加算するとコイル242の駆動力が大きすぎることとなる。角速度がマイナスの場合も同様に、角加速度がマイナスの場合、マイナス方向に加速しているのでフィードフォワード項FFx,FFyを加算し、角加速度がプラスの場合、マイナス方向に動いているが減速しているので、フィードフォワード項FFx,FFyの加算を行わない。
したがって、実施例2では、静止状態から動き出す(加速する)ときに、摩擦の影響を補正するために駆動指令値Dx,Dyに加算し、動いている状態から停止する(減速する)ときには駆動指令値Dx,Dyに加算しないようにすることにより、駆動指令値Dx,Dyが過大になってしまうのを防ぎ、より適正に摩擦力の影響を低減して制御誤差を小さくすることができる。
図15は、実施例2のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。
実施例1のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置と検出位置と制御誤差のタイムチャート(図10)では、山と谷の手前(減速中)にもフィードフォワード項FFx,FFyを加算しているためCCD位置が目標位置を超えてしまい、わずかに制御誤差を生じてしまっている。これに対し、実施例2では、図15に示すように、山と谷の手前(減速時)にはフィードフォワード項FFx,FFyを加算していないため、コイル242で過大な駆動力を生じない。この結果、制御誤差がほとんどなく正確にCCD位置を目標位置に制御できている。フィードフォワード項FFx,FFyを算出するための係数cは、実施例1と同じである。
次に、効果を説明する。
実施例2のデジタルカメラにあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5) 前記角速度センサ(ジャイロセンサ341を有する手振れ検出部34)の出力(角速度信号ωx,ωy)の符号と前記角速度センサの出力微分値(角加速度信号αx,αy)の符号が同じか異なるかを判定する極性判定器274を設け、前記振れ補正制御手段(制御IC261、図13)は、両符号が同じであると判定されたとき、フィードフォワード項FFx,FFyを算出し、両符号が異なると判定されたとき、フィードフォワード項FFx,FFyを算出しない。このため、静止状態から動き出す(=加速する)とき、摩擦の影響を取り除く補正をし、動いている状態から停止する(=減速する)とき、摩擦の影響を取り除く補正をしないことで、振れ補正手段(CCDステージ23)が減速するときに駆動指令値Dx,Dyが過大になるのを確実に防ぐことができる。
実施例3は、水準器センサにて検出されるカメラの姿勢から振れ補正手段の駆動方向が重力方向に従ったものなのか逆らったものなのかを判定し、重力方向に逆らった方向であるときにのみ駆動指令値に加算するようにした例である。
なお、実施例3のデジタルカメラにおいて、図1,図2,図3,図5の各構成については、実施例1と同様であるので、図示、並びに、説明を省略する。
図16は、実施例3のデジタルカメラの全体システム構成の概要を示すブロック図である。実施例3のデジタルカメラは、図16に示すように、装置本体の姿勢方向を検出する水準器センサ35が追加されている点でのみ、図4に示す実施例1のデジタルカメラと異なる。他の構成は、図4と同様であるので説明を省略する。
図17は、実施例3のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。
前記制御IC261は、図17に示すように、フィードバック制御系として、積分器265と、係数乗算器266と、差分器267と、位相補償器268と、フィードバックゲイン設定器269と、を備えている。
前記制御IC261は、図17に示すように、フィードフォワード制御系として、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに応じた係数c(c1>c2>0)と、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する可変係数設定器270を備えている。加えて、水準器センサ35からのカメラ姿勢方向信号を入力し、カメラ姿勢方向と振れ補正手段であるCCDステージ23の駆動方向により、CCDステージ23の駆動方向が重力方向に従ったものなのか逆らったものなのかを判定する姿勢判定器276(姿勢判定手段)と、CCDステージ23の駆動方向が重力方向に逆らった方向の場合にONとし、CCDステージ23の駆動方向が重力方向に従った方向の場合にOFFとする切換器277と、を備えている。そして、加算器271において、切換器277のON時、フィードバックゲイン設定器269からのフィードバック項FBx,FByと、可変係数設定器270からのフィードフォワード項FFx,FFyを加算し、CCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値を生成する。また、切換器277のOFF時、フィードフォワード項FFx,FFyを算出せず、フィードバックゲイン設定器269からのフィードバック項FBx,FByをそのままCCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値として生成する。
図18は、実施例3のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
なお、このフローチャートにおいて、ステップS301〜ステップS316の各ステップは、図7に示すフローチャートのステップS101〜ステップS116の各ステップと同様の処理を行うステップであるため、説明を省略する。
ステップS317では、ステップS307でのフィードバック項FBx,FByの算出に続き、水準器センサ35から装置本体(カメラ本体)の姿勢方向信号を読み込み、ステップS318へ移行する。
ステップS318では、ステップS317での姿勢方向信号の読み込みに続き、姿勢判定器276において、CCDステージ23の駆動方向が重力方向に逆らった方向であるか否かを判断し、YES(重力方向に逆らった方向)の場合はステップS308へ移行し、NO(重力方向に従った方向)の場合はステップS319へ移行する。
ステップS319では、ステップS318でのCCDステージ23の駆動方向が重力方向に従ったであるとの判断に続き、フィードフォワード項FFx,FFyをゼロに設定し、ステップS316へ移行する。
次に、作用を説明する。
実施例3のデジタルカメラの作用を、「重力に逆らった方向の振れ補正制御作用」と「重力に従った方向の振れ補正制御作用」に分けて説明する。
[重力に逆らった方向の振れ補正制御作用]
図19は、実施例3のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。
CCDステージ23の駆動方向が重力に逆らった方向の振れ補正時には、図18のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS305→ステップS306→ステップS307→ステップS317→ステップS318→ステップS308へと進む流れとなる。
そして、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第1の設定値A1以下であるときは、図18のフローチャートにおいて、ステップS308からステップS309→ステップS310→ステップS316→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図19に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下である時間帯Δt1では、角速度信号ωx,ωyを、c1倍(例えば、約1.5倍)するような加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
一方、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第1の設定値A1を超えているが第2の設定値A2以下であるときは、図18のフローチャートにおいて、ステップS308からステップS311→ステップS312→ステップS313→ステップS316→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図19に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えて第2の設定値A2以下である時間帯Δt2では、角速度信号ωx,ωyを、c2倍(例えば、約0.3倍)するような加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
また、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第2の設定値A2を超えているときは、図18のフローチャートにおいて、ステップS308からステップS311→ステップS314→ステップS315→ステップS316→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図19に示すように、角速度信号ωx,ωyが第2の設定値A2を超える時間帯Δt3では、加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)がゼロとされる。
したがって、CCDステージ23の駆動方向が重力に逆らった方向の振れ補正時には、摩擦の影響を適正に低減するという実施例1と同様の作用を示し、制御誤差を小さく抑えることができる。
[重力に従った方向の振れ補正制御作用]
CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時には、図18のフローチャートにおいて、ステップS301→ステップS302→ステップS303→ステップS304→ステップS305→ステップS306→ステップS307→ステップS317→ステップS318→ステップS319→ステップS316へと進む流れが繰り返される。
そして、図19に示すように、CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時間帯Δt4では、加算量が算出されず、フィードフォワード項FFx,FFyがゼロとされる。
すなわち、実施例3では、フィードフォワード項FFx,FFyを加算する際にカメラ姿勢判定を行い、CCDステージ23の駆動方向が重力に逆らった方向であるという条件を満たした時にのみ、フィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算する。カメラ姿勢判定の方法を説明する。水準器センサ35は、カメラ姿勢を検出するので、デジタルカメラが縦置きされているのか、横置きされているのか、あるいは斜め置きされているのかを判別することができる。これにより、CCDステージ23の駆動方向が重力方向に対し、順方向なのか逆方向なのかの判断が可能となる。
そして、重力と摩擦などの影響で振れ補正手段の動きに抵抗が生じとときに、フィードバック制御だけでは目標位置と現在位置との差が大きくなるまで制御信号が大きくならず制御誤差が増してしまう。このため、重力の方向(水準器センサ35より類推された方向)と摩擦の方向(速度と逆方向)とは逆方向に、摩擦力に打ち勝つような駆動力を与えられるように、速度を所定の係数倍した信号を制御信号に加算するのである。このとき乗ずる係数cは、重力方向とは逆でかつ、速度が小さく摩擦の影響が大きい時に大きく、速度が大きく摩擦の影響が小さい時に小さく設定するが、重力方向に沿った移動をする場合はフィードフォワード制御を行わない。こうすることにより、カメラの姿勢によって、速度が小さい時には効果的に重力と摩擦の影響を低減でき、速度が大きい時は過大なフィードフォワード項を加算してしまうのを防ぐことができる。
したがって、実施例3では、水準器センサ35でカメラ姿勢を検出し、駆動対象が静止状態から重力方向と反対方向に動き出す場合、速度が小さく静止摩擦の影響が大きいときには、重力と摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を大きくして、速度が大きく動摩擦に移行したあとで摩擦力の影響が小さい時には、摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を小さくすることにより、重力と摩擦力の影響を適正に低減して制御誤差を小さくすることができる。
図20は、実施例3のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。図21は、重力方向と逆に振れ補正手段が移動する場合と重力方向に振れ補正手段が移動する場合の目標値・ホール素子出力・制御誤差の関係特性を示す図である。
重力方向と逆に振れ補正手段が移動する場合には、図21に示すように制御誤差が大きく出ているのに対し、重力方向に振れ補正手段が移動する場合には、図21に示すように制御誤差が小さい。つまり、重力影響が振れ補正手段の動きに抵抗を生じさせる原因となっていることが分かると共に、重力方向に振れ補正手段が移動する場合に加算すると、過大な駆動力を生じさせることも分かる。これに対し、実施例3のデジタルカメラでは、図20に示すように、重力方向に振れ補正手段が移動する場合にはフィードフォワード項FFx,FFyを加算していないため、コイル242で過大な駆動力を生じない。この結果、制御誤差がほとんどなく正確にCCD位置を目標位置に制御できている。フィードフォワード項FFx,FFyを算出するための係数cは、実施例1と同じである。
次に、効果を説明する。
実施例3のデジタルカメラにあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記装置本体の姿勢方向を検出する水準器センサ35と、該水準器センサ35にて検出される装置本体の姿勢方向に基づき、重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段(CCDステージ23)を駆動させる姿勢であるか、重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるかを判定する姿勢判定器276と、を設け、前記振れ補正制御手段(制御IC261、図18)は、前記装置本体が重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定されたとき、フィードフォワード項FFx,FFyを算出し、前記装置本体が重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定されたとき、フィードフォワード項FFx,FFyを算出しない。このため、重力方向に逆らった方向に振れ補正手段(CCDステージ23)を駆動させるとき、摩擦の影響を取り除く補正をし、重力方向に従った方向に振れ補正手段を駆動させるとき、摩擦の影響を取り除く補正をしないことで、重力により振れ補正手段の駆動が促されるときに駆動指令値Dx,Dyが過大になるのを確実に防ぐことができる。
実施例4は、振れ補正手段による振れ補正時、加速駆動条件と反重力方向駆動条件が共に成立するときにのみ駆動指令値に加算するようにした例である。
なお、実施例4のデジタルカメラにおいて、図1,2,3,5の各構成については、実施例1と同様であり、図16の構成については、実施例3と同様であるので、図示、並びに、説明を省略する。
図22は、実施例4のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。
前記制御IC261は、図22に示すように、フィードバック制御系として、積分器265と、係数乗算器266と、差分器267と、位相補償器268と、フィードバックゲイン設定器269と、を備えている。
前記制御IC261は、図22に示すように、フィードフォワード制御系として、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに応じた係数c(c1>c2>0)と、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する可変係数設定器270を備えている。加えて、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを微分処理する微分器272と、微分処理した角加速度信号αx,αyから高周波ノイズを除去するローパスフィルタ273と、角速度信号ωx,ωyの符号(正負)と角加速度信号αx,αyの符号(正負)の極性を判定する極性判定器274(極性判定手段)と、角速度信号ωx,ωyの符号と角加速度信号αx,αyの符号が同符号の場合にONとし、異符号の場合にOFFとする切換器275と、を備えている。また、水準器センサ35からのカメラ姿勢方向信号を入力し、カメラ姿勢方向と振れ補正手段であるCCDステージ23の駆動方向により、CCDステージ23の駆動方向が重力方向に従ったものなのか逆らったものなのかを判定する姿勢判定器276(姿勢判定手段)と、CCDステージ23の駆動方向が重力方向に逆らった方向の場合にONとし、CCDステージ23の駆動方向が重力方向に従った方向の場合にOFFとする切換器277と、を備えている。そして、加算器271において、切換器275がONで、かつ、切換器277がONの時、フィードバックゲイン設定器269からのフィードバック項FBx,FByと、可変係数設定器270からのフィードフォワード項FFx,FFyを加算し、CCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値を生成する。また、切換器275と切換器277のうち、少なくとも一方がOFFの時、フィードフォワード項FFx,FFyを算出せず、フィードバックゲイン設定器269からのフィードバック項FBx,FByをそのままCCDアクチュエータ24に出力する駆動指令値として生成する。
図23は、実施例4のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
なお、このフローチャートにおいて、ステップS401〜ステップS416の各ステップは、図7に示すフローチャートのステップS101〜ステップS116の各ステップと同様の処理を行うステップであるため、説明を省略する。
ステップS417では、ステップS407でのフィードバック項FBx,FByの算出に続き、微分器272において、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを微分処理し、角加速度信号αx,αyを算出し、ステップS418へ移行する。
ステップS418では、ステップS417での角加速度信号αx,αyの算出に続き、角速度信号ωxと角加速度信号αxが同符号であるか、また、角速度信号ωyと角加速度信号αyが同符号であるかを判断し、YESの場合はステップS419へ移行し、NOの場合はステップS421へ移行する。
ステップS419では、ステップS418でのωxとαx、または、ωyとαyが同符号であるとの判断に続き、水準器センサ35から装置本体(カメラ本体)の姿勢方向信号を読み込み、ステップS420へ移行する。
ステップS420では、ステップS419での姿勢方向信号の読み込みに続き、姿勢判定器276において、CCDステージ23の駆動方向が重力方向に逆らった方向であるか否かを判断し、YES(重力方向に逆らった方向)の場合はステップS408へ移行し、NO(重力方向に従った方向)の場合はステップS421へ移行する。
ステップS421では、ステップS418でのωxとαxが異符号である、あるいは、ωyとαyが異符号であるとの判断、あるいは、ステップS420でのCCDステージ23の駆動方向が重力方向に従った方向であるとの判断に続き、フィードフォワード項FFx,FFyをゼロに設定し、ステップS416へ移行する。
次に、作用を説明する。
実施例4のデジタルカメラの作用を、「加速駆動と反重力方向駆動の条件成立時の振れ補正制御作用」と「加速駆動と反重力方向駆動の条件不成立時の振れ補正制御作用」に分けて説明する。
[加速駆動と反重力方向駆動の条件成立時の振れ補正制御作用]
図24は、実施例4のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。
CCDステージ23の加速動作による振れ補正時であって、かつ、CCDステージ23の駆動方向が重力に逆らった方向の振れ補正時には、図23のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS403→ステップS404→ステップS405→ステップS406→ステップS407→ステップS417→ステップS418→ステップS419→ステップS420→ステップS408へと進む流れとなる。
そして、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第1の設定値A1以下であるときは、図23のフローチャートにおいて、ステップS408からステップS409→ステップS410→ステップS416→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図24に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下である時間帯Δt1では、角速度信号ωx,ωyを、c1倍(例えば、約1.5倍)するような加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
一方、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第1の設定値A1を超えているが第2の設定値A2以下であるときは、図23のフローチャートにおいて、ステップS408からステップS411→ステップS412→ステップS413→ステップS416→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図24に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えて第2の設定値A2以下である時間帯Δt2では、角速度信号ωx,ωyを、c2倍(例えば、約0.3倍)するような加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
また、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第2の設定値A2を超えているときは、図23のフローチャートにおいて、ステップS408からステップS411→ステップS414→ステップS415→ステップS416→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図24に示すように、角速度信号ωx,ωyが第2の設定値A2を超える時間帯Δt3では、加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)がゼロとされる。
したがって、CCDステージ23が加速動作であり、かつ、CCDステージ23の駆動方向が重力に逆らった方向の振れ補正時には、摩擦の影響を適正に低減するという実施例1と同様の作用を示し、制御誤差を小さく抑えることができる。
[加速駆動と反重力方向駆動の条件不成立時の振れ補正制御作用]
CCDステージ23の減速動作による振れ補正時には、図23のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS403→ステップS404→ステップS405→ステップS406→ステップS407→ステップS417→ステップS418→ステップS421→ステップS416へと進む流れが繰り返される。
そして、図24に示すように、角速度信号ωx,ωyの符号(正)と角加速度信号αx,αyの符号(負)が異なる時間帯Δt4では、加算量が算出されず、フィードフォワード項FFx,FFyがゼロとされる。
また、CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時には、図23のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS403→ステップS404→ステップS405→ステップS406→ステップS407→ステップS417→ステップS418→ステップS419→ステップS420→ステップS421→ステップS416へと進む流れが繰り返される。
そして、図24に示すように、CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時間帯Δt5では、加算量が算出されず、フィードフォワード項FFx,FFyがゼロとされる。
すなわち、実施例4では、フィードフォワード項FFx,FFyを加算する際、極性判定により同符号であるという加速駆動条件を満たし、かつ、姿勢判定により重力に逆らった方向の駆動であるという条件を満たした時、フィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算する。
したがって、実施例4では、実施例2と同様に、静止状態から動き出す(加速する)ときに、摩擦の影響を補正するために駆動指令値Dx,Dyに加算し、動いている状態から停止する(減速する)ときには駆動指令値Dx,Dyに加算しないようにすることにより、駆動指令値Dx,Dyが過大になってしまうのを防ぎ、より適正に摩擦力の影響を低減して制御誤差を小さくすることができる。
加えて、実施例4では、実施例3と同様に、水準器センサ35でカメラ姿勢を検出し、駆動対象が静止状態から重力方向と反対方向に動き出す場合、速度が小さく静止摩擦の影響が大きいときには、重力と摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を大きくして、速度が大きく動摩擦に移行したあとで摩擦力の影響が小さい時には、摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を小さくすることにより、重力と摩擦力の影響を適正に低減して制御誤差を小さくすることができる。
図25は、実施例4のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。
実施例4では、図25に示すように、山と谷の手前となる減速時、並びに、重力方向に従って振れ補正手段が移動する時には、フィードフォワード項FFx,FFyを加算していないため、コイル242で過大な駆動力を生じない。この結果、制御誤差がほとんどなく正確にCCD位置を目標位置に制御できている。フィードフォワード項FFx,FFyを算出するための係数cは、実施例1と同じである。
次に、効果を説明する。
実施例4のデジタルカメラにあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(7) 前記角速度センサ(ジャイロセンサ341を有する手振れ検出部34)の出力(角速度信号ωx,ωy)の符号と前記角速度センサの出力微分値(角加速度信号αx,αy)の符号が同じか異なるかを判定する極性判定器274を設け、前記装置本体の姿勢方向を検出する水準器センサ35と、該水準器センサ35にて検出される装置本体の姿勢方向に基づき、重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段(CCDステージ23)を駆動させる姿勢であるか、重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるかを判定する姿勢判定器276を設け、前記振れ補正制御手段(制御IC261、図23)は、両符号が同じであると判定され、かつ、前記装置本体が重力方向に逆らった方向に振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定されたとき、フィードフォワード項FFx,FFyを算出し、極性判定条件と姿勢判定条件の少なくとも一方の条件が成立しないとき、フィードフォワード項FFx,FFyを算出しない。このため、振れ補正手段(CCDステージ23)が加速状態であり、かつ、重力に逆らって振れ補正手段が駆動される補正要求が高い駆動モードに着目してフィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算することにより、重力と摩擦の影響を取り除く補正を行うことができると共に、それ以外の補正不必要時に駆動指令値Dx,Dyが過大になるのを確実に防ぐことができる。
実施例5は、振れ補正手段による振れ補正時、反重力方向駆動条件と加速駆動条件が共に成立するとき、予め記憶されている個体差毎の係数を用いたフィードフォワード項を駆動指令値に加算するようにした例である。
なお、実施例5のデジタルカメラにおいて、図1,2,3,5の各構成については、実施例1と同様であり、図16の構成については、実施例3と同様であるので、図示、並びに、説明を省略する。
図26は、実施例5のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。
前記制御IC261は、図26に示すように、フィードフォワード制御系として、姿勢判定器276(姿勢判定手段)と、極性判定器274(極性判定手段)と、可変係数設定器278を備えている。なお、姿勢判定器276と極性判定器274については、実施例4と同様の構成である。
実施例5では、姿勢判定器276において、重力に逆らって振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動されていると判定され、かつ、極性判定器274において、振れ補正手段であるCCDステージ23が加速状態であると判定されたとき、可変係数設定器278において、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに、係数cを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する。なお、重力に従って振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動されていると判定された場合には、フィードフォワード項FFx,FFyを算出しない。
ここで、例えば、ROM27(書き換え可能なフラッシュROM)には、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに乗じる個体差毎の係数c(c1M>c2M>0)が調整・記憶されている。そして、可変係数設定器278では、ROM27から係数記憶情報(c1M,c2M)を読み込み、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下であるとき、第1記憶係数値c1Mを用い、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えていて第2の設定値A2以下であるとき、第2記憶係数値c2Mを用いる。なお、角速度信号ωx,ωyが第2の設定値A2を超えている場合には、フィードフォワード項FFx,FFyを算出しない。
図27は、実施例5のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
なお、このフローチャートにおいて、ステップS501〜ステップS520の各ステップのうち、ステップS513、ステップS514、ステップS517、ステップS518を除く各ステップは、図23に示すフローチャートの対応する各ステップと同様の処理を行うステップであるため、説明を省略する。
ステップS513では、ステップS512での角速度信号ωxと角加速度信号αxが同符号である、または、角速度信号ωyと角加速度信号αyが同符号であるとの判断に続き、係数cとして、個体差毎に調整・記憶されている第1記憶係数値c1Mを設定し、ステップS514へ移行する。
ステップS514では、ステップS513でのc=c1Mの設定に続き、第1記憶係数値c1Mに、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS520へ移行する。
ステップS517では、ステップS516での角速度信号ωxと角加速度信号αxが同符号である、または、角速度信号ωyと角加速度信号αyが同符号であるとの判断に続き、係数cとして、個体差毎に調整・記憶されている第2記憶係数値c2Mを設定し、ステップS518へ移行する。
ステップS518では、ステップS517でのc=c2Mの設定に続き、第2記憶係数値c2Mに、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS520へ移行する。
次に、作用を説明する。
実施例5のデジタルカメラの作用を、「反重力方向駆動の条件成立時の振れ補正制御作用」と「反重力方向駆動の条件不成立時の振れ補正制御作用」に分けて説明する。
[反重力方向駆動の条件成立時の振れ補正制御作用]
図28は、実施例5のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。
CCDステージ23の駆動方向が重力に逆らった方向の振れ補正時には、図27のフローチャートにおいて、ステップS501→ステップS502→ステップS503→ステップS504→ステップS505→ステップS506→ステップS507→ステップS508→ステップS509→ステップS510へと進み、ステップS510からステップS511以降へと進む流れとなる。
そして、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下であり、かつ、CCDステージ23の加速動作による振れ補正条件成立時には、図27のフローチャートにおいて、ステップS510からステップS511→ステップS512→ステップS513→ステップS514→ステップS520→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図28に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下である時間帯Δt1では、角速度信号ωx,ωyに、予め個体差毎に調整・記憶された第1記憶係数値c1Mを乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
一方、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えているが第2の設定値A2以下であり、かつ、CCDステージ23の加速動作による振れ補正条件成立時には、図27のフローチャートにおいて、ステップS510からステップS511→ステップS515→ステップS516→ステップS517→ステップS518→ステップS520→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図28に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えて第2の設定値A2以下である時間帯Δt2では、角速度信号ωx,ωyに、予め個体差毎に調整・記憶された第2記憶係数値c2Mを乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
また、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第2の設定値A2を超えているときは、図27のフローチャートにおいて、ステップS510からステップS511→ステップS515→ステップS519→ステップS520→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図28に示すように、角速度信号ωx,ωyが第2の設定値A2を超える時間帯Δt3では、加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)がゼロとされる。
同様に、CCDステージ23の加速動作による振れ補正条件の不成立時には、図27のフローチャートにおいて、ステップS510からステップS511→ステップS512→ステップS519→ステップS520→リターンへと進む流れが繰り返される。または、ステップS510からステップS511→ステップS515→ステップS516→ステップS519→ステップS520→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)がゼロとされる。
したがって、実施例4と同様に、重力に逆らって振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動され、かつ、振れ補正手段であるCCDステージ23が加速状態である補正要求が高い駆動モードに着目して、フィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算することにより、重力と摩擦の影響を取り除く補正を行うことができると共に、それ以外の補正不必要時に駆動指令値Dx,Dyが過大になるのを確実に防ぐことができる。
加えて、CCDステージ23を構成する手振れ機構部品の特性や摩擦係数にはバラツキがあるため、角速度信号ωx,ωyに乗じる係数cは、カメラ個体差毎に調整する必要がある。これに対し、実施例5では、予め工程内で個々に調整を行い、かつ、特性値である第1記憶係数値c1Mと第2記憶係数値c2MをROM27に記憶することにより、CCDステージ23を構成する手振れ機構部品の特性や摩擦係数の個体バラツキ影響が抑えられ、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
[反重力方向駆動の条件不成立時の振れ補正制御作用]
CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時には、図27のフローチャートにおいて、ステップS510からステップS511→ステップS519→ステップS520→リターンへと進む流れが繰り返される。
そして、図28に示すように、CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時間帯Δt4および補正時間帯Δt5では、加算量が算出されず、フィードフォワード項FFx,FFyがゼロとされる。
したがって、実施例5では、実施例3と同様に、水準器センサ35でカメラ姿勢を検出し、駆動対象が静止状態から重力方向と反対方向に動き出す場合、速度が小さく静止摩擦の影響が大きいときには、重力と摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を大きくして、速度が大きく動摩擦に移行したあとで摩擦力の影響が小さい時には、摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を小さくすることにより、重力と摩擦力の影響を適正に低減して制御誤差を小さくすることができる。
図29は、実施例5のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。
実施例5では、実施例4に比べ、CCDステージ23を構成する手振れ機構部品の特性や摩擦係数の個体バラツキ影響が抑えられることになり、図29に示すように、制御誤差がほとんどなく正確にCCD位置を目標位置とする精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例5のデジタルカメラにあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果と、実施例4の(7)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(8) 前記角速度センサ(ジャイロセンサ341を有する手振れ検出部34)からの出力(角速度信号ωx,ωy)に乗ずる係数cを、前記装置本体(カメラ)の個体差毎に予め調整・記憶する係数記憶手段(ROM27)を設け、前記振れ補正制御手段(制御IC261、図27)は、前記係数記憶手段の係数記憶値(c1M,c2M)を、前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値(フィードフォワード項FFx,FFy)を算出する。このため、振れ補正手段(CCDステージ23)を構成する部品の特性や摩擦係数の個体バラツキ影響が抑えられることになり、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
実施例6は、振れ補正手段による振れ補正時、反重力方向駆動条件が成立するとき、予め記憶されている個体差毎の係数を用いたフィードフォワード項を駆動指令値に加算するようにした例である。
なお、実施例6のデジタルカメラにおいて、図1,2,3,5の各構成については、実施例1と同様であり、図16の構成については、実施例3と同様であるので、図示、並びに、説明を省略する。
図30は、実施例6のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。
前記制御IC261は、図30に示すように、フィードフォワード制御系として、姿勢判定器276(姿勢判定手段)と、可変係数設定器279を備えている。なお、姿勢判定器276については、実施例3と同様の構成である。
実施例6では、姿勢判定器276において、重力に逆らって振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動されていると判定されたとき、可変係数設定器279において、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに、係数cを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する。なお、重力に従って振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動されていると判定された場合には、フィードフォワード項FFx,FFyを算出しない。
ここで、ROM27(係数記憶手段:書き換え可能なフラッシュROM)には、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに乗じる個体差毎の係数c(c1M>c2M>0)が調整・記憶されている。そして、可変係数設定器279では、ROM27から係数記憶情報(c1M,c2M)を読み込み、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下であるとき、第1記憶係数値c1Mを用い、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えていて第2の設定値A2以下であるとき、第2記憶係数値c2Mを用いる。なお、角速度信号ωx,ωyが第2の設定値A2を超えている場合には、フィードフォワード項FFx,FFyを算出しない。
図31は、実施例6のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
なお、このフローチャートにおいて、ステップS601〜ステップS619の各ステップのうち、ステップS611、ステップS612、ステップS614、ステップS615を除く各ステップは、図18に示すフローチャートの対応する各ステップと同様の処理を行うステップであるため、説明を省略する。
ステップS611では、ステップS610でのωx≦A1,ωy≦A1であるとの判断に続き、係数cとして、個体差毎に調整・記憶されている第1記憶係数値c1Mを設定し、ステップS612へ移行する。
ステップS612では、ステップS611でのc=c1Mの設定に続き、第1記憶係数値c1Mに、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS619へ移行する。
ステップS614では、ステップS613でのωx≦A2,ωy≦A2であるとの判断に続き、係数cとして、個体差毎に調整・記憶されている第2記憶係数値c2Mを設定し、ステップS615へ移行する。
ステップS615では、ステップS614でのc=c2Mの設定に続き、第2記憶係数値c2Mに、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS619へ移行する。
次に、作用を説明する。
実施例6のデジタルカメラの作用を、「反重力方向駆動の条件成立時の振れ補正制御作用」と「反重力方向駆動の条件不成立時の振れ補正制御作用」に分けて説明する。
[反重力方向駆動の条件成立時の振れ補正制御作用]
図32は、実施例6のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。
CCDステージ23の駆動方向が重力に逆らった方向の振れ補正時には、図31のフローチャートにおいて、ステップS601→ステップS602→ステップS603→ステップS604→ステップS605→ステップS606→ステップS607→ステップS608→ステップS609へと進み、ステップS609からステップS610以降へと進む流れとなる。
そして、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下であるときには、図31のフローチャートにおいて、ステップS609からステップS610→ステップS611→ステップS612→ステップS619→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図32に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下である時間帯Δt1では、角速度信号ωx,ωyに、予め個体差毎に調整・記憶された第1記憶係数値c1Mを乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
一方、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えているが第2の設定値A2以下であるときには、図31のフローチャートにおいて、ステップS609からステップS610→ステップS613→ステップS614→ステップS615→ステップS619→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図32に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えて第2の設定値A2以下である時間帯Δt2では、角速度信号ωx,ωyに、予め個体差毎に調整・記憶された第2記憶係数値c2Mを乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
また、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第2の設定値A2を超えているときは、図31のフローチャートにおいて、ステップS609からステップS610→ステップS613→ステップS616→ステップS617→ステップS619→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図32に示すように、角速度信号ωx,ωyが第2の設定値A2を超える時間帯Δt3では、加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)がゼロとされる。
したがって、実施例3と同様に、重力に逆らって振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動される補正要求が高い駆動モードに着目してフィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算することにより、重力影響を取り除く補正を行うことができると共に、重力により振れ補正手段であるCCDステージ23の駆動が促されるときに駆動指令値Dx,Dyが過大になるのを確実に防ぐことができる。
加えて、CCDステージ23を構成する手振れ機構部品の特性や摩擦係数にはバラツキがあるため、角速度信号ωx,ωyに乗じる係数cは、カメラ個体差毎に調整する必要がある。これに対し、実施例6では、実施例5と同様に、予め工程内で個々に調整を行い、かつ、特性値である第1記憶係数値c1Mと第2記憶係数値c2MをROM27に記憶することにより、CCDステージ23を構成する手振れ機構部品の特性や摩擦係数の個体バラツキ影響が抑えられ、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
[反重力方向駆動の条件不成立時の振れ補正制御作用]
CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時には、図31のフローチャートにおいて、ステップS609からステップS618→ステップS619→リターンへと進む流れが繰り返される。
そして、図28に示すように、CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時間帯Δt4では、加算量が算出されず、フィードフォワード項FFx,FFyがゼロとされる。
したがって、実施例6では、実施例3と同様に、水準器センサ35でカメラ姿勢を検出し、駆動対象が静止状態から重力方向と反対方向に動き出す場合、速度が小さく静止摩擦の影響が大きいときには、重力と摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を大きくして、速度が大きく動摩擦に移行したあとで摩擦力の影響が小さい時には、摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を小さくすることにより、重力と摩擦力の影響を適正に低減して制御誤差を小さくすることができる。
図33は、実施例6のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。
実施例6では、実施例3に比べ、CCDステージ23を構成する手振れ機構部品の特性や摩擦係数の個体バラツキ影響が抑えられることになり、図33に示すように、制御誤差がほとんどなく正確にCCD位置を目標位置とする精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例6のデジタルカメラにあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果と、実施例3の(6)の効果に加え、実施例5の(8)の効果を得ることができる。
すなわち、前記角速度センサ(ジャイロセンサ341を有する手振れ検出部34)からの出力(角速度信号ωx,ωy)に乗ずる係数cを、前記装置本体の個体差毎に予め調整・記憶する係数記憶手段(ROM27)を設け、前記振れ補正制御手段(制御IC261、図31)は、前記係数記憶手段の係数記憶値(c1M,c2M)を、前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値(フィードフォワード項FFx,FFy)を算出する。このため、振れ補正手段(CCDステージ23)を構成する部品の特性や摩擦係数の個体バラツキ影響が抑えられることになり、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
実施例7は、振れ補正手段による振れ補正時、反重力方向駆動条件の成立・不成立にかかわらず、それぞれフィードフォワード項を算出し、駆動指令値に加算するようにした例である。
なお、実施例7のデジタルカメラにおいて、図1,2,3,5の各構成については、実施例1と同様であり、図16の構成については、実施例3と同様であるので、図示、並びに、説明を省略する。
図34は、実施例7のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。
前記制御IC261は、図34に示すように、フィードフォワード制御系として、姿勢判定器276(姿勢判定手段)と、切換器277と、第1可変係数設定器280と、第2可変係数設定器281と、を備えている。なお、姿勢判定器276については、実施例3と同様の構成である。
前記切換器277は、姿勢判定器276にて重力に逆らって振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動されていると判定されると第1可変係数設定器280を選択し、姿勢判定器276にて重力に従って振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動されていると判定されると第2可変係数設定器281を選択する。
前記第1可変係数設定器280には、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに乗じる第1の係数c1と第2の係数c2(c1>c2>0)が予め設定されている。そして、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が、第1の設定値A1以下であるときには、角速度信号ωx,ωyに第1の係数c1を乗じることでフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する。また、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が、第1の設定値A1を超えていて第2の設定値A2以下であるときには、角速度信号ωx,ωyに第2の係数c2を乗じることでフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する。
前記第2可変係数設定器281には、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに乗じる第3の係数c3と第4の係数c4(c3>c4>0)が予め設定されている。そして、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が、第1の設定値A1以下であるときには、角速度信号ωx,ωyに第3の係数c3を乗じることでフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する。また、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が、第1の設定値A1を超えていて第2の設定値A2以下であるときには、角速度信号ωx,ωyに第4の係数c4を乗じることでフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する。
図35は、実施例7のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
なお、このフローチャートにおいて、ステップS701〜ステップS726の各ステップのうち、ステップS718〜ステップS725を除く各ステップは、図18に示すフローチャートの対応する各ステップと同様の処理を行うステップであるため、説明を省略する。
ステップS718では、ステップS709での重力に従った方向への振れ補正であるとの判断に続き、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が、第1の設定値A1以下であるか否かを判断し、YESの場合はステップS719へ移行し、NOの場合はステップS721へ移行する。
ステップS719では、ステップS718での|ωx|≦A1,|ωy|≦A1であるとの判断に続き、係数cとして第3の係数c3を設定し、ステップS720へ移行する。
ステップS720では、ステップS719でのc=c3の設定に続き、第3の係数c3に、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS726へ移行する。
ステップS721では、ステップS718での|ωx|≦A1,|ωy|≦A1ではないとの判断に続き、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が、第2の設定値A2以下であるか否かを判断し、YESの場合はステップS722へ移行し、NOの場合はステップS724へ移行する。
ステップS722では、ステップS721での|ωx|≦A2,|ωy|≦A2であるとの判断に続き、係数cとして第4の係数c4を設定し、ステップS723へ移行する。
ステップS723では、ステップS722でのc=c4の設定に続き、第4の係数c4に、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS726へ移行する。
ステップS724では、ステップS721での|ωx|≦A2,|ωy|≦A2ではないとの判断に続き、係数cとしてc=0を設定し、ステップS725へ移行する。
ステップS725では、ステップS724でのc=0の設定に続き、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyに0を乗じることでフィードフォワード項FFx(=0),FFy(=0)を算出し、ステップS726へ移行する。
次に、作用を説明する。
実施例7のデジタルカメラの作用を、「反重力方向駆動の条件成立時の振れ補正制御作用」と「反重力方向駆動の条件不成立時の振れ補正制御作用」に分けて説明する。
[反重力方向駆動の条件成立時の振れ補正制御作用]
図36は、実施例7のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。
CCDステージ23の駆動方向が重力に逆らった方向の振れ補正時、あるいは、CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時には、図35のフローチャートにおいて、ステップS701→ステップS702→ステップS703→ステップS704→ステップS705→ステップS706→ステップS707→ステップS708→ステップS709へと進み、ステップS709からステップS710以降へと進む流れとなる。
そして、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が第1の設定値A1以下であるときには、図35のフローチャートにおいて、ステップS709からステップS710→ステップS711→ステップS712→ステップS726→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図36に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下である時間帯Δt1では、角速度信号ωx,ωyに、第1の係数c1を乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
一方、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が第1の設定値A1を超えているが第2の設定値A2以下であるときには、図35のフローチャートにおいて、ステップS709からステップS710→ステップS713→ステップS714→ステップS715→ステップS726→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図36に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えて第2の設定値A2以下である時間帯Δt2では、角速度信号ωx,ωyに、第2の係数c2を乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
また、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第2の設定値A2を超えているときは、図35のフローチャートにおいて、ステップS709からステップS710→ステップS713→ステップS716→ステップS717→ステップS726→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図36に示すように、角速度信号ωx,ωyが第2の設定値A2を超える時間帯Δt3では、加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)がゼロとされる。
したがって、実施例3と同様に、重力に逆らって振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動されることで、重力と摩擦の影響を補正する必要がある時にフィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算することにより、重力と摩擦の影響を取り除く補正を行うことができると共に、重力により振れ補正手段であるCCDステージ23の駆動が促されるときに駆動指令値Dx,Dyが過大になるのを確実に防ぐことができる。
加えて、摩擦は、速度ゼロの時に静止摩擦となるため最も摩擦力の影響が大きく、速度が大きいときには動摩擦に移行しているので、摩擦力の影響は少ない。そのため、角速度信号ωx,ωyの大きさを3段階に分け、角速度信号ωx,ωyに乗じる係数cを、c1>c2>0に分けることで、摩擦力の影響度合いに応じた適正なフィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算することができる。
[反重力方向駆動の条件不成立時の振れ補正制御作用]
CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時であって、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が第1の設定値A1以下であるときには、図35のフローチャートにおいて、ステップS709からステップS718→ステップS719→ステップS720→ステップS726→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図36に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1以下である時間帯Δt4では、角速度信号ωx,ωyに、第3の係数c3を乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
一方、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が第1の設定値A1を超えているが第2の設定値A2以下であるときには、図35のフローチャートにおいて、ステップS709からステップS718→ステップS721→ステップS722→ステップS723→ステップS726→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図36に示すように、角速度信号ωx,ωyが第1の設定値A1を超えて第2の設定値A2以下である時間帯Δt5では、角速度信号ωx,ωyに、第4の係数c4を乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
また、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyが、第2の設定値A2を超えているときは、図35のフローチャートにおいて、ステップS709からステップS718→ステップS721→ステップS724→ステップS725→ステップS726→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図36に示すように、角速度信号ωx,ωyが第2の設定値A2を超える時間帯Δt6では、加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)がゼロとされる。
したがって、実施例7では、水準器センサ35でカメラ姿勢を検出し、駆動対象が静止状態から重力方向と同方向に動き出す場合、速度が小さく静止摩擦の影響が大きいときには、重力と摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を若干大きくして、速度が大きく動摩擦に移行したあとで摩擦力の影響が小さい時には、摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を十分小さくすることにより、重力と摩擦力の影響を適正に低減して制御誤差を小さくすることができる。
図37は、実施例7のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。
実施例7では、CCDステージ23の駆動方向が重力に逆らった方向であるときだけではなく、CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向であるときにも、摩擦力の影響を抑える振れ補正を行うようにしているため、図37に示すように、制御誤差がほとんどなく正確にCCD位置を目標位置とする精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例7のデジタルカメラにあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(9) 前記装置本体の姿勢方向を検出する水準器センサ35と、前記水準器センサ35にて検出される装置本体の姿勢方向に基づき、重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段(CCDステージ23)を駆動させる姿勢であるか、重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるかを判定する姿勢判定手段(姿勢判定器276)と、を設け、前記振れ補正制御手段(制御IC261、図35)は、前記装置本体が重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定時に(ステップ709でYES)、第1のフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出し(ステップS712,715,717)、前記装置本体が重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定時に(ステップ709でNO)、前記第1のフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)とは異なる第2のフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する(ステップS720,722,724)。このため、摩擦力の影響が、重力方向に逆らった方向に駆動するときと重力方向に従った駆動するときとで異なるのに対応し、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
(10) 前記振れ補正制御手段(制御IC261、図35)は、前記装置本体が重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段(CCDステージ23)を駆動させる姿勢であるとの判定時(ステップ709でYES)、前記角速度センサ(手振れ検出部34)の出力(ωx,ωy)の大きさの絶対値(|ωx|,|ωy|)が第1の設定値A1以下のとき(ステップS710でYES)、第1の係数c1を前記角速度センサの出力(ωx,ωy)に乗じてフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出し(ステップS712)、前記角速度センサの出力(ωx,ωy)の大きさの絶対値(|ωx|,|ωy|)が第1の設定値A1を超えるとき、第1の係数c1より小さい第2の係数c2を前記角速度センサ(ωx,ωy)の出力に乗じてフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出し(ステップS715)、前記装置本体が重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるとの判定時(ステップ709でNO)、前記角速度センサの出力(ωx,ωy)の大きさの絶対値(|ωx|,|ωy|)が第1の設定値A1以下のとき、第3の係数c3を前記角速度センサの出力(ωx,ωy)に乗じてフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出し(ステップS720)、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値(|ωx|,|ωy|)が第1の設定値A1を超えるとき、第3の係数c3より小さい第4の係数c4を前記角速度センサの出力(ωx,ωy)に乗じてフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する(ステップS723)。このため、摩擦力の影響が、重力方向の駆動か反重力方向の駆動かで異なることに対応すると共に、角速度が小さいか大きいかにより異なることに対応し、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
実施例8は、振れ補正手段による振れ補正時、反重力方向駆動条件の成立・不成立にかかわらず、演算により求めた係数を用いてそれぞれフィードフォワード項を算出し、駆動指令値に加算するようにした例である。
なお、実施例8のデジタルカメラにおいて、図1,2,3,5の各構成については、実施例1と同様であり、図16の構成については、実施例3と同様であるので、図示、並びに、説明を省略する。
図38は、実施例8のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。
前記制御IC261は、図38に示すように、フィードフォワード制御系として、極性判定器274(極性判定手段)と、切換器275,275'と、姿勢判定器276(姿勢判定手段)と、切換器277と、第1の係数演算器282と、第2の係数演算器283と、第3の係数演算器284と、第4の係数演算器285と、を備えている。なお、極性判定器274については、実施例2と同様の構成である。姿勢判定器276については、実施例3と同様の構成である。
前記切換器277は、姿勢判定器276にて重力に逆らって振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動されていると判定されると第1,第2の係数演算器282,283を選択し、姿勢判定器276にて重力に従って振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動されていると判定されると第3,第4の係数演算器284,285を選択する。
前記切換器275は、極性判定器274にて符号が同じであると判定されると第1の係数演算器282を選択し、極性判定器274にて符号が異なると判定されると第2の係数演算器283を選択する。
前記切換器275'は、極性判定器274にて符号が同じであると判定されると第3の係数演算器284を選択し、極性判定器274にて符号が異なると判定されると第4の係数演算器285を選択する。
前記第1の係数演算器282、第2の係数演算器283、第3の係数演算器284、第4の係数演算器285は、第1の係数c1と第2の係数c2と第3の係数c3と第4の係数c4を、振れ補正時におけるカメラの姿勢角度と姿勢方向に基づき算出する。
図39は、実施例8のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
なお、このフローチャートにおいて、ステップS801〜ステップS827の各ステップのうち、ステップS811〜ステップS816、および、ステップS819〜ステップS824を除く各ステップは、図23に示すフローチャートの対応する各ステップと同様の処理を行うステップであるため、説明を省略する。
ステップS811では、ステップS810での重力に逆らった方向への振れ補正であるとの判断に続き、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が、設定値A以下であるか否かを判断し、YESの場合はステップS812へ移行し、NOの場合はステップS817へ移行する。
ステップS812では、ステップS811での|ωx|≦A,|ωy|≦Aであるとの判断に続き、ωxとαxが同符号、ωyとαyが同符号であるか否かという極性判定を行い、YESの場合はステップS813へ移行し、NOの場合はステップS815へ移行する。
ステップS813では、ステップS812でのωxとαxが同符号、ωyとαyが同符号であるとの判断に続き、振れ補正時におけるカメラの姿勢角度と姿勢方向に基づき第1の係数c1を演算し、ステップS814へ移行する。
ステップS814では、ステップS813での第1の係数c1の演算に続き、第1の係数c1に、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS827へ移行する。
ステップS815では、ステップS812でのωxとαxが異符号、ωyとαyが異符号であるとの判断に続き、振れ補正時におけるカメラの姿勢角度と姿勢方向に基づき第2の係数c2(<c1)を演算し、ステップS816へ移行する。
ステップS816では、ステップS815での第2の係数c2の演算に続き、第2の係数c2に、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS827へ移行する。
ステップS819では、ステップS810での重力に従った方向への振れ補正であるとの判断に続き、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が、設定値A以下であるか否かを判断し、YESの場合はステップS820へ移行し、NOの場合はステップS825へ移行する。
ステップS820では、ステップS819での|ωx|≦A,|ωy|≦Aであるとの判断に続き、ωxとαxが同符号、ωyとαyが同符号であるか否かという極性判定を行い、YESの場合はステップS821へ移行し、NOの場合はステップS823へ移行する。
ステップS821では、ステップS820でのωxとαxが同符号、ωyとαyが同符号であるとの判断に続き、振れ補正時におけるカメラの姿勢角度と姿勢方向に基づき第3の係数c3を演算し、ステップS822へ移行する。
ステップS822では、ステップS821での第3の係数c3の演算に続き、第3の係数c3に、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS827へ移行する。
ステップS823では、ステップS820でのωxとαxが異符号、ωyとαyが異符号であるとの判断に続き、振れ補正時におけるカメラの姿勢角度と姿勢方向に基づき第4の係数c4(<c3)を演算し、ステップS824へ移行する。
ステップS824では、ステップS823での第4の係数c4の演算に続き、第4の係数c4に、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyを乗じることでフィードフォワード項FFx,FFyを算出し、ステップS827へ移行する。
次に、作用を説明する。
実施例7のデジタルカメラの作用を、「反重力方向駆動の条件成立時の振れ補正制御作用」と「反重力方向駆動の条件不成立時の振れ補正制御作用」に分けて説明する。
[反重力方向駆動の条件成立時の振れ補正制御作用]
図40は、実施例8のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。
CCDステージ23の駆動方向が重力に逆らった方向の振れ補正時、あるいは、CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時には、図39のフローチャートにおいて、ステップS801→ステップS802→ステップS803→ステップS804→ステップS805→ステップS806→ステップS807→ステップS808→ステップS809→ステップS810へと進み、ステップS810からステップS811以降へと進む流れとなる。
そして、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が設定値A以下であり、かつ、同符号であると極性判定されたときには、図39のフローチャートにおいて、ステップS810からステップS811→ステップS812→ステップS813→ステップS814→ステップS827→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図40に示すように、角速度信号の絶対値|ωx|,|ωy|が設定値A以下であり、同符号であるとの極性判定される時間帯Δt1では、角速度信号ωx,ωyに、演算による第1の係数c1を乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
一方、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が設定値A以下であり、かつ、異符号であると極性判定されたときには、図39のフローチャートにおいて、ステップS810からステップS811→ステップS812→ステップS815→ステップS816→ステップS827→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図40に示すように、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が設定値A以下であり、異符号であるとの極性判定される時間帯Δt2では、角速度信号ωx,ωyに、演算による第2の係数c2を乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
また、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が、設定値Aを超えているときは、図39のフローチャートにおいて、ステップS810からステップS811→ステップS817→ステップS818→ステップS827→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図40に示すように、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が設定値Aを超える時間帯では、加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)がゼロとされる。
したがって、実施例3と同様に、重力に逆らって振れ補正手段であるCCDステージ23が駆動されることで、重力と摩擦の影響を補正する必要がある時にフィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算することにより、重力と摩擦の影響を取り除く補正を行うことができると共に、重力により振れ補正手段であるCCDステージ23の駆動が促されるときに駆動指令値Dx,Dyが過大になるのを確実に防ぐことができる。
加えて、極性が同符号になり静止状態から動き出すときと、極性が異符号になり動いている状態から停止するときでは、静止状態から動き出す(加速)ときの方が摩擦力の影響が大きく、動いている状態から停止する(減速)ときの方が摩擦力の影響は少ない。そのため、極性判定を加え、角速度信号ωx,ωyに乗じる係数cを、c1>c2>0に分けることで、摩擦力の影響度合いに応じた適正なフィードフォワード項FFx,FFyを駆動指令値Dx,Dyに加算することができる。
[反重力方向駆動の条件不成立時の振れ補正制御作用]
CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向の振れ補正時であって、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が設定値A以下であり、かつ、同符号であると極性判定されたときには、図39のフローチャートにおいて、ステップS810からステップS819→ステップS820→ステップS821→ステップS822→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図40に示すように、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が設定値A以下であり、同符号であると極性判定される時間帯Δt4では、角速度信号ωx,ωyに、演算による第3の係数c3を乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
一方、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が設定値A以下であり、かつ、異符号であると極性判定されたときには、図39のフローチャートにおいて、ステップS810からステップS819→ステップS820→ステップS823→ステップS824→ステップS827→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図40に示すように、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が設定値A以下であり、異符号であるとの極性判定される時間帯Δt5では、角速度信号ωx,ωyに、演算による第4の係数c4を乗じた加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)が与えられる。
また、手振れ検出部34からの角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が、設定値Aを超えているときは、図39のフローチャートにおいて、ステップS810からステップS819→ステップS825→ステップS826→ステップS827→リターンへと進む流れが繰り返される。そして、図40に示すように、角速度信号ωx,ωyの絶対値|ωx|,|ωy|が設定値Aを超える時間帯では、加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)がゼロとされる。
したがって、実施例8では、水準器センサ35でカメラ姿勢を検出し、駆動対象が静止状態から重力方向と同方向に動き出す場合、速度が小さく静止摩擦の影響が大きいときには、重力と摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を若干大きくして、速度が大きく動摩擦に移行したあとで摩擦力の影響が小さい時には、摩擦の影響を補正するために駆動信号に加算する値を十分小さくすることにより、重力と摩擦力の影響を適正に低減して制御誤差を小さくすることができる。
図41は、実施例8のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。
実施例8では、CCDステージ23の駆動方向が重力に逆らった方向であるときだけではなく、CCDステージ23の駆動方向が重力に従った方向であるときにも、摩擦力の影響を抑える振れ補正を行うようにし、かつ、極性が同符号であるか異符号であるかという摩擦力影響も考慮しているため、図41に示すように、制御誤差がほとんどなく正確にCCD位置を目標位置とする精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
次に、効果を説明する。
実施例8のデジタルカメラにあっては、実施例1の(1)〜(4)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(11) 前記装置本体の姿勢方向を検出する水準器センサ35と、前記水準器センサ35にて検出される装置本体の姿勢方向に基づき、重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段(CCDステージ23)を駆動させる姿勢であるか、重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるかを判定する姿勢判定手段(姿勢判定器276)と、前記角速度センサ(手振れ検出部34)の出力の符号(ωx,ωy)と前記角速度センサの出力微分値(αx,αy)の符号が同じか異なるかを判定する極性判定手段(極性判定器274)と、を設ける。前記振れ補正制御手段(制御IC261、図39)は、前記装置本体が重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるとの判定時、前記角速度センサの出力(ωx,ωy)の大きさの絶対値(|ωx|,|ωy|)が設定値A以下で、前記極性判定手段により両符号が同じと判定されたとき、第1の係数c1を前記角速度センサの出力(ωx,ωy)に乗じてフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出し、前記角速度センサの出力(ωx,ωy)の大きさの絶対値(|ωx|,|ωy|)が設定値A以下で、前記極性判定手段により両符号が異なると判定されたとき、前記第1の係数c1より小さい第2の係数c2を前記角速度センサの出力(ωx,ωy)に乗じてフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する。そして、前記装置本体が重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定時、前記角速度センサの出力(ωx,ωy)の大きさの絶対値(|ωx|,|ωy|)が設定値A以下で、前記極性判定手段により両符号が同じと判定されたとき、第3の係数c3を前記角速度センサの出力(ωx,ωy)に乗じてフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出し、前記角速度センサの出力(ωx,ωy)の大きさの絶対値(|ωx|,|ωy|)が設定値A以下で、前記極性判定手段により両符号が異なると判定されたとき、前記第3の係数c3より小さい第4の係数c4を前記角速度センサの出力(ωx,ωy)に乗じてフィードフォワード項FFx,FFy(フィードフォワード制御指令値)を算出する。このため、摩擦力の影響が、重力方向の駆動か反重力方向の駆動かで異なることに対応すると共に、角速度が小さいか大きいかにより異なることに対応するのに加え、加速するときと減速するときとで異なることに対応し、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
(12) 前記振れ補正制御手段(制御IC261、図39)は、第1の係数c1と第2の係数c2と第3の係数c3と第4の係数c4を、振れ補正時における前記装置本体の姿勢角度と姿勢方向に基づき算出する。このため、装置本体の姿勢角度と姿勢方向により決まる摩擦力の影響を適正に低減することで、精度の良い手振れ補正制御を行うことができる。
以上、本発明の撮像装置を実施例1〜実施例8に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜実施例8では、撮像素子であるCCDを移動させて振れ補正をする例を用いて説明したが、例えば、特開2006−154014号公報に記載されているように、振れ補正レンズを移動させて撮像素子上の像の振れを防止するようにした場合も同様の効果を奏する。
実施例1〜実施例8では、撮像素子としてCCDを用いる例を示したが、CMOS等の他の撮像素子を用いる例としても良い。
実施例1〜実施例8では、角速度センサとしてジャイロセンサを有する手振れ検出部34の例を示したが、カメラ本体の角速度を検出するセンサであれば、ジャイロセンサに限られることはない。
実施例1〜実施例8では、角速度センサからの出力(角速度信号)に対し、第1の設定値A1と第2の設定値A2、あるいは、設定値Aを決めておき、係数cとして3段階の係数を与えることで、加算量を決める例を示した。しかし、角速度センサからの出力に応じて2段階あるいは3段階を超える多段階により係数を与え、加算量を決めるようにしても良い。また、角速度センサからの出力に応じて無段階の値による係数を与え、加算量を決めるようにしても良い。
実施例1〜実施例8では、決定した係数に角速度センサからの出力(角速度信号)を乗じて加算値を決める例を示したが、係数を用いることなく、角速度センサからの出力(角速度信号)に応じて予め加算値を決めておくような例としても良い。
実施例1〜実施例8では、デジタルスチールカメラに対し本発明の撮像装置を適用する例を示したが、デジタル動画カメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置に対しても適用することができる。要するに、被写体の撮影時に装置本体が振れても撮影画像にブレが生じるのを抑える振れ補正機能を有する撮像装置であれば適用できる。
実施例1のデジタルスチールカメラ(撮像装置の一例)を示す正面図である。 実施例1のデジタルカメラを示す背面図である。 実施例1のデジタルカメラを示す平面図である。 実施例1のデジタルカメラの全体システム構成の概要を示すブロック図である。 実施例1のデジタルカメラにおいてCCD21およびCCDステージ23(振れ補正手段)を示す分解斜視図である。 実施例1のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。 実施例1のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートである。 本発明に係わるデジタルカメラの手振れ補正の原理を説明するための図であって、(a)はデジタルカメラの傾きを示し、(b)はデジタルカメラの撮像レンズとCCDの撮像面との関係の部分拡大を示す。 実施例1のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。 実施例1のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。 デジタルカメラにおける振れ補正制御で加算量のないフィードバック制御のみとした場合の目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。 実施例2のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。 実施例2のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例2のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。 実施例2のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。 実施例3のデジタルカメラの全体システム構成の概要を示すブロック図である。 実施例3のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。 実施例3のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例3のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。 実施例3のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。 重力方向と逆に振れ補正手段が移動する場合と重力方向に振れ補正手段が移動する場合の目標値・ホール素子出力・制御誤差の関係特性を示す図である。 実施例4のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。 実施例4のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例4のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。 実施例4のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。 実施例5のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。 実施例5のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例5のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。 実施例5のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。 実施例6のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。 実施例6のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例6のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。 実施例6のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。 実施例7のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。 実施例7のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例7のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。 実施例7のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。 実施例8のデジタルカメラにおける振れ補正制御系を示す制御ブロック図である。 実施例8のデジタルカメラのCPU26の制御IC261にて実行される手振れ補正制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施例8のデジタルカメラにおける振れ補正制御での角速度検出値(=角速度信号ωx,ωy)と加算量(=フィードフォワード項FFx,FFy)を示すタイムチャートである。 実施例8のデジタルカメラにおける振れ補正制御での目標位置(=目標CCD位置CCDx*,CCDy*)と検出位置(=実CCD位置CCDx,CCDy)と制御誤差(=位置偏差dx,dy)を示すタイムチャートである。
符号の説明
21 CCD(撮像素子)
22 画像処理部
23 CCDステージ(振れ補正手段)
24 CCDアクチュエータ
25 CCD位置検出部(変位量検出手段)
26 CPU
34 手振れ検出部(角速度センサ)
35 水準器センサ
261 制御IC
262 A/D変換器
263 D/A変換器
264 A/D変換器
265 積分器
266 係数乗算器
267 差分器
268 位相補償器
269 フィードバックゲイン設定器
270 可変係数設定器
271 加算器
272 微分器
273 ローパスフィルタ
274 極性判定器(極性判定手段)
275 切換器
276 姿勢判定器(姿勢判定手段)
277 切換器
ωx,ωy 角速度信号
αx,αy 角加速度信号
c 係数
FFx,FFy フィードフォワード項(フィードフォワード制御指令値)
FBx,FBy フィードバック項(フィードバック制御指令値)
Dx,Dy 駆動指令値

Claims (9)

  1. 被写体の撮影時に装置本体が振れても撮影画像にブレが生じるのを抑える振れ補正機能を有する撮像装置において、
    前記装置本体の振れを検出する角速度センサと、
    前記角速度センサの出力を積分し、撮像レンズによる撮像素子面上の像の振れ量を算出する振れ量算出手段と、
    前記撮像レンズによる像の振れを、前記装置本体の振れに追従する変位駆動により補正する振れ補正手段と、
    前記振れ補正手段の変位量を検出する変位量検出手段と、
    前記振れ量算出手段により算出された振れ量と前記変位量検出手段により検出された変位量の偏差に基づいて、前記振れ補正手段に出力する駆動指令値を生成する振れ補正制御手段と、
    前記装置本体の姿勢方向を検出する水準器センサと、
    前記水準器センサにて検出される装置本体の姿勢方向に基づき、重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるか、重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるかを判定する姿勢判定手段と、を備え、
    前記振れ補正制御手段は、
    前記偏差に基づく駆動指令値に、前記角速度センサからの出力の大きさが小さいほど大きな値を加算し、前記角速度センサからの出力の大きさが大きいほど小さな値を加算し、
    更に、前記装置本体が重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定時に、第1のフィードフォワード制御指令値を算出し、前記装置本体が重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定時に、前記第1のフィードフォワード制御指令値とは異なる第2のフィードフォワード制御指令値を算出し、
    更に、前記装置本体が重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるとの判定時、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が第1の設定値以下のとき、第1の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が第1の設定値を超えるとき、第1の係数より小さい第2の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、
    前記装置本体が重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるとの判定時、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が第1の設定値以下のとき、第3の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が第1の設定値を超えるとき、第3の係数より小さい第4の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出することを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1に記載された撮像装置において、
    前記振れ補正制御手段は、前記振れ量と変位量の偏差を無くすように算出されるフィードバック制御指令値に、前記角速度センサからの出力の大きさが小さいほど大きな値による係数を設定し、前記角速度センサからの出力に前記設定した係数を乗じることで得られるフィードフォワード制御指令値を加算し、前記振れ補正手段に出力する駆動指令値を生成することを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項2に記載された撮像装置において、
    前記振れ補正制御手段は、前記角速度センサの出力の大きさが第1の設定値以下のとき、角速度センサの出力に第1の係数を乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさが第1の設定値を超えているとき、角速度センサの出力に第1の係数より小さい第2の係数を乗じてフィードフォワード制御指令値を算出することを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項3に記載された撮像装置において、
    前記振れ補正制御手段は、前記第1の設定値よりも大きな第2の設定値を定めておき、前記角速度センサの出力の大きさが第2の設定値を超えているとき、フィードフォワード制御指令値を算出するときの角速度センサの出力に乗じる係数の値を、前記第2の係数より小さいゼロを含む値に設定することを特徴とする撮像装置。
  5. 被写体の撮影時に装置本体が振れても撮影画像にブレが生じるのを抑える振れ補正機能を有する撮像装置において、
    前記装置本体の振れを検出する角速度センサと、
    前記角速度センサの出力を積分し、撮像レンズによる撮像素子面上の像の振れ量を算出する振れ量算出手段と、
    前記撮像レンズによる像の振れを、前記装置本体の振れに追従する変位駆動により補正する振れ補正手段と、
    前記振れ補正手段の変位量を検出する変位量検出手段と、
    前記振れ量算出手段により算出された振れ量と前記変位量検出手段により検出された変位量の偏差に基づいて、前記振れ補正手段に出力する駆動指令値を生成する振れ補正制御手段と、
    前記装置本体の姿勢方向を検出する水準器センサと、
    前記水準器センサにて検出される装置本体の姿勢方向に基づき、重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるか、重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるかを判定する姿勢判定手段と、
    前記角速度センサの出力の符号と前記角速度センサの出力微分値の符号が同じか異なるかを判定する極性判定手段と、を備え、
    前記振れ補正制御手段は、
    前記偏差に基づく駆動指令値に、前記角速度センサからの出力の大きさが小さいほど大きな値を加算し、前記角速度センサからの出力の大きさが大きいほど小さな値を加算し、
    更に、前記装置本体が重力方向に逆らった方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であるとの判定時、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が設定値以下で、前記極性判定手段により両符号が同じと判定されたとき、第1の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が設定値以下で、前記極性判定手段により両符号が異なると判定されたとき、前記第1の係数より小さい第2の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、
    前記装置本体が重力方向に従った方向に前記振れ補正手段を駆動させる姿勢であると判定時、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が設定値以下で、前記極性判定手段により両符号が同じと判定されたとき、第3の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさの絶対値が設定値以下で、前記極性判定手段により両符号が異なると判定されたとき、前記第3の係数より小さい第4の係数を前記角速度センサの出力に乗じてフィードフォワード制御指令値を算出することを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項に記載された撮像装置において、
    前記振れ補正制御手段は、前記振れ量と変位量の偏差を無くすように算出されるフィードバック制御指令値に、前記角速度センサからの出力の大きさが小さいほど大きな値による係数を設定し、前記角速度センサからの出力に前記設定した係数を乗じることで得られるフィードフォワード制御指令値を加算し、前記振れ補正手段に出力する駆動指令値を生成することを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項に記載された撮像装置において、
    前記振れ補正制御手段は、前記角速度センサの出力の大きさが第1の設定値以下のとき、角速度センサの出力に第1の係数を乗じてフィードフォワード制御指令値を算出し、前記角速度センサの出力の大きさが第1の設定値を超えているとき、角速度センサの出力に第1の係数より小さい第2の係数を乗じてフィードフォワード制御指令値を算出することを特徴とする撮像装置。
  8. 請求項に記載された撮像装置において、
    前記振れ補正制御手段は、前記第1の設定値よりも大きな第2の設定値を定めておき、前記角速度センサの出力の大きさが第2の設定値を超えているとき、フィードフォワード制御指令値を算出するときの角速度センサの出力に乗じる係数の値を、前記第2の係数より小さいゼロを含む値に設定することを特徴とする撮像装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載された撮像装置において、
    前記振れ補正制御手段は、第1の係数と第2の係数と第3の係数と第4の係数を、振れ補正時における前記装置本体の姿勢角度と姿勢方向に基づき算出することを特徴とする撮像装置。
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