JP5332318B2 - 乾式洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄対象物に付着した塵埃や粉体等の付着物を、液体を使わずに固体洗浄媒体を用いて除去する乾式洗浄装置に関するものである。
近年、資源循環型社会を実現する要求に応えるため、トナーを用いて画像形成を行う複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置の使用済みの製品本体またはその構成部品を回収した後に、分解、清掃、再加工し、部品や樹脂材料等として再利用することが行われている。
画像形成装置本体またはその構成部品を再利用するためには、付着した微粒子粉体のトナーを除去する清浄作業が必要であるが、清浄作業に必要なコストや環境負荷を減らすことが大きな課題となっている。
例えば、トナーの除去に水や溶剤を用いる湿式の洗浄方法の場合は、付着物を含んだ廃液の処理および洗浄後の乾燥処理のためのエネルギー消費や環境負荷が大きく高コストであることが問題となっている。
また、エアブローによる乾式の洗浄方法の場合は、付着力の強いトナーに対しては洗浄能力が十分ではないため、人手によるウェス拭きなどの後工程が更に必要となってしまうという問題がある。
また、ドライアイスを用いたブラスト洗浄では、ドライアイスを大量に消費するためランニングコストが高く環境負荷も大きいという問題がある。
このような問題に対して、水や溶剤を使用しない乾式の洗浄方法としては、帯電性の洗浄対象物を弾性変形可能な接触部材とともに回転円筒内で撹拌し、除電しながら洗浄対象物に付着した塵埃の付着力を弱めて除去するようにした技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、粒状固体の洗浄媒体を搬送管で供給して空気流に混入させるブラスト装置により、洗浄対象物から付着物を除去するようにした技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、比較的付着力が強い粉塵等の付着物を、ノズルから噴出する気流によって加速された洗浄媒体が接触、衝突することによって洗浄対象物から分離するようにした技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特許第3288462号公報 特許第3468995号公報 特開2007−029945号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、接触部材と洗浄対象物の接触力を攪拌のみにより得ているので、付着力の強い塵埃の除去が困難であり、洗浄力が十分でないという問題があった。
また、特許文献2に記載された技術は、洗浄媒体として粒状固体を用いているため、洗浄対象物の汚れを除去するだけでなく洗浄対象物の表面を削り取って梨地状に荒らしてしまうので、洗浄対象物に傷が付くことが許されない場合には適用できないという問題があった。
また、洗浄対象物に傷をつけないために、仮に薄片状の洗浄媒体を用いたとしても、薄片状の洗浄媒体は粒状固体に比べて流動性が悪いため、特に大量の洗浄媒体を用いた場合に搬送管が閉塞しやすく、洗浄媒体の安定した供給が困難であるという問題があった。
また、特許文献3に記載された技術は、薄片状の洗浄媒体を用いた場合、気流との相互作用(高速な飛翔、長い滞空時間等)、洗浄対象物との接触または衝突時の作用(洗浄媒体のエッジによる付着物の掻き取り、滑り接触による摺擦等)により、洗浄対象物を傷つけることなく高い洗浄品質と洗浄効率を得ることができるが、薄片状の洗浄媒体は、質量に比して表面積が大きいため、静電気力等により洗浄槽等の壁面へ付着しやすいという問題があった。
また、洗浄媒体同士が互いに密着しやすいため、洗浄槽の壁面に沿った姿勢で積み重なって滞留、堆積しやすいという問題があった。
また、薄片状の洗浄媒体は洗浄媒体の面積が大きいため、吸引口や流路を覆って詰まりやすいという問題があった。
また、より短時間かつ少ないエネルギー消費で洗浄を行って洗浄効率を高める目的で洗浄媒体を大量に投入しても、洗浄対象物から除去した粉塵等を気流とともに洗浄槽外に排出する分離手段を洗浄媒体が閉塞し、洗浄槽からの排気が不十分になってしまったり、洗浄槽の底面に洗浄媒体が堆積、滞留してしまい、洗浄に寄与する洗浄媒体の量(洗浄媒体が洗浄対象物へ衝突、接触する頻度)が増加しない場合があり、洗浄効率を高める上で限界があった。
また、薄片状の洗浄媒体を用いた場合、付着物と洗浄媒体の双方が空中に浮遊しやすいものであるため、付着物と洗浄媒体を分離して付着物のみを吸引、排出することが困難であるという問題があった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、薄片状の洗浄媒体を用いて乾式洗浄をするときに、洗浄媒体が装置内を閉塞したり装置内で滞留することを防止して、より多くの洗浄媒体を洗浄対象物に衝突させることにより洗浄効率を向上することができる乾式洗浄装置、洗浄対象物、および再生装置の製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る乾式洗浄装置は、洗浄対象物および薄片状の可撓性洗浄媒体を収容する収容部材と、前記洗浄対象物に付着した付着物を除去するよう、高速気流を噴射して前記洗浄媒体を前記洗浄対象物に衝突させる洗浄媒体加速手段と、を備え、前記収容部材の壁面の少なくとも一部が可撓性を有する素材で構成されていることを特徴としている。
この構成により、洗浄媒体と洗浄対象物を収容する収容部材の壁面の少なくとも一部が可撓性を有することにより、収容部材の壁面を変形させたり振動させたりして壁面から洗浄媒体を分離することが容易になり、洗浄媒体が壁面へ付着および堆積して滞留し、洗浄効率が低下することを防止することができる。
したがって、薄片状の洗浄媒体を用いて乾式洗浄をするときに、洗浄媒体が装置内を閉塞したり装置内で滞留することを防止して、より多くの洗浄媒体を洗浄対象物に衝突させることにより洗浄効率を向上することができる。
また、本発明に係る乾式洗浄装置は、前記収容部材の壁面が、通気性を更に有することを特徴としている。
この構成により、収容部材の壁面が可撓性と通気性を有することにより、洗浄媒体と収容部材の壁面の間に気流が入り込みやすくなり、収容部材の壁面へ付着した洗浄媒体を壁面から容易に分離することができる。
また、本発明に係る乾式洗浄装置は、前記収容部材の壁面が、伸縮性を更に有することを特徴としている。
この構成により、収容部材の壁面が可撓性と伸縮性を有することにより、収容部材の壁面の変形量をより大きくすることができ、収容部材の壁面へ付着した洗浄媒体を壁面から確実に分離することができる。
また、本発明に係る乾式洗浄装置は、前記収容部材の壁面を変形または振動させて前記収容部材の壁面から前記洗浄媒体を分離する洗浄媒体分離手段を備えることを特徴としている。
この構成により、収容部材の壁面を変形または振動させることにより、収容部材の壁面から洗浄媒体を分離することができるので、収容部材の側面や底面の壁面に滞留している洗浄媒体を減らし、洗浄媒体加速手段に供給する洗浄媒体を増やすことにより、洗浄媒体を有効に洗浄に寄与させることができるため、洗浄効率を向上させることができる。
また、本発明に係る乾式洗浄装置は、前記洗浄媒体加速手段を前記収容部材の底部に配置したことを特徴としている。
この構成により、洗浄媒体加速手段を収容部材の底部に配置したことにより、収容部材の側面や底面の壁面から分離された洗浄媒体が重力によって自然に洗浄媒体加速手段付近に集まるので、洗浄媒体を洗浄媒体加速手段に供給するためのエネルギー消費を抑えながら、大量の洗浄媒体を洗浄媒体加速手段に供給できる。
また、収容部材の底面の傾斜角度を小さくしても壁面の変形や振動により洗浄媒体が滞留しにくいため、洗浄媒体加速手段と洗浄対象物の距離を小さくでき、付着物の除去能力を向上することができる。
また、本発明に係る乾式洗浄装置は、前記洗浄媒体分離手段が、前記収容部材の壁面に接触することにより前記収容部材の壁面を変形または振動させる接触部材を有することを特徴としている。
この構成により、収容部材の壁面に接触することにより収容部材の壁面を変形または振動させる接触部材を有することにより、収容部材の壁面に与える変形ないし振動の大きさや速度を適切に設定でき、効率的な洗浄が可能になる。
また、本発明に係る乾式洗浄装置は、前記接触部材が前記収容部材の壁面に衝突することにより前記洗浄媒体を飛翔させることを特徴としている。
この構成により、接触部材が収容部材の壁面に衝突して洗浄媒体を飛翔させることにより、洗浄媒体加速手段が収容部材の底部付近にない場合でも、洗浄媒体加速手段に洗浄媒体を供給することができる。
また、本発明に係る乾式洗浄装置は、前記洗浄媒体加速手段が、前記収容部材の壁面への前記接触部材の衝突に同期して断続的に高速気流を噴射することを特徴としている。
この構成により、浄媒体加速手段が、収容部材の壁面への接触部材の衝突に同期して断続的に高速気流を噴射することにより、洗浄媒体が大量に供給されたタイミングでのみ洗浄媒体加速手段に気流を供給することができるので、洗浄媒体加速手段で消費する圧縮エアの量を減らし、省エネルギーでの洗浄が可能になる。
また、本発明に係る乾式洗浄装置は、前記洗浄媒体分離手段が、前記収容部材の壁面に気流を噴射することにより前記収容部材の壁面を変形または振動させる気流噴射手段を有することを特徴としている。
この構成により、収容部材の壁面に気流を噴射することにより収容部材の壁面を変形または振動させることにより、非接触で収容部材の壁面を変形ないし振動させることができ、収容部材の壁面の消耗を抑えることができる。
また、本発明に係る乾式洗浄装置は、前記収容部材の壁面に前記洗浄媒体加速手段を取り付けるとともに、前記洗浄媒体加速手段の姿勢または位置を変更する変更手段を備えることを特徴としている。
この構成により、収容部材の壁面に取り付けた洗浄媒体加速手段の姿勢または位置を変更することにより、洗浄媒体分離手段と同様に、収容部材の壁面を変形または振動させることができるので、少ない構成要素で収容部材の壁面から洗浄媒体を分離することができる。
また、本発明に係る乾式洗浄装置は、前記収容部材の底部の壁面に前記洗浄媒体加速手段を複数取り付けるとともに、前記複数取り付けた洗浄媒体加速手段の相互の高さを異ならせる変位手段を備えたことを特徴としている。
この構成により、収容部材の底部の壁面に複数取り付けた洗浄媒体加速手段の相互の高さを異ならせることにより、収容部材の底部の壁面の傾斜を変化させることができるので、傾斜変化により所望の洗浄媒体加速手段に洗浄媒体を集中させて効率的に洗浄を行うことができる。
また、本発明に係る洗浄対象物は、前記の乾式洗浄装置によって洗浄したことを特徴としている。
このため、前記の乾式洗浄装置によって洗浄した洗浄対象物は確実に洗浄され、安定して再利用することができる。
また、本発明に係る再生装置の製造方法は、前記の乾式洗浄装置によって、使用済みで回収して分解した装置の部品を洗浄し、洗浄した部品を再度組み立てて装置を復元することを特徴としている。
このため、前記の乾式洗浄装置によって、使用済みで回収して分解した装置の部品を洗浄し、洗浄した部品を再度組み立てて装置を復元することにより、安定した再生装置を得ることができる。
本発明によれば、薄片状の洗浄媒体を用いて乾式洗浄をするときに、洗浄媒体が装置内を閉塞したり装置内で滞留することを防止して、より多くの洗浄媒体を洗浄対象物に衝突させることにより洗浄効率を向上することができる乾式洗浄装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る乾式洗浄装置の構成を示す断面図である。また、図2(a)、(b)は、乾式洗浄装置の接触部材を示す断面図である。また、図3(a)、(b)は、乾式洗浄装置の接触部材の他の例を示す断面図である。なお、図1(a)は図1(b)のB−B矢視図であり、図1(b)は図1(a)のA−A矢視図である。
まず、本明細書中で用いる用語と一部の具体例について説明する。
「乾式洗浄」とは、洗浄媒体として水や溶剤等の液体を使用せず、常温で固体の洗浄媒体を使用して洗浄を行うことを意味する。
「気流」、「エアブロー」とは、一般的な空気の流れだけでなく、窒素ガスや二酸化炭素ガス、アルゴンガス等の不活性ガスなど、種々の気体の流れも含むものとする。同様に、「圧縮空気」は、空気以外の気体を圧縮したものを含むものとする。
「固体」の洗浄媒体とは、洗浄媒体が、金属、樹脂、多孔質体、布等の材質からなり、粒状、棒状、筒状、繊維状、または薄片状の形状の固体であること意味する。
「薄片状」の可撓性洗浄媒体とは、洗浄媒体が、面積が1〜1000平方ミリメートルで厚みが1〜500μm程度の樹脂フィルム片、布片、紙片、金属薄片であり、平面形状が、矩形、円形、楕円形、三角形、多角形、その他不定形状に形成された可撓性を有する薄片固体であることを意味する。
「壁面」とは、洗浄槽の内壁面、すなわち、底面、側面、上面、および分離手段のメッシュ面等を意味する。
「可撓性がある」とは、ごく弱い力で容易に変形し得る性質であることを意味する。
「通気性がある」とは、気流が通過し得る性質であることを意味する。
「伸縮性がある」とは、ごく弱い力で容易に伸縮し得る性質であることを意味する。
可撓性を備えた素材として、例えば樹脂フィルム(PET、ポリカーボネート、ポリプロピレン等)等が挙げられる。
可撓性と通気性を備えた素材として、例えば上記樹脂フィルムに多数の小孔を形成したものが挙げられる。
可撓性と伸縮性を備えた素材として、例えば軟質樹脂フィルム(低密度ポリエチレンや塩ビ等)やゴムシート、エラストマーシートが挙げられる。
可撓性と通気性と伸縮性を備えた素材として、例えば上記軟質樹脂フィルムやゴムシート、エラストマーシートに多数の小孔を形成したものや、繊維を利用したネット、網、布等が挙げられる。
本明細書における乾式洗浄装置は、複写機やレーザープリンタ等の電子写真装置に使用された製品ないしユニットを分解したものを洗浄対象物として想定し、複写機やレーザープリンタ等の電子写真装置に使用される乾式トナー(平均粒径5〜10μm程度の粉塵)を除去対象となる付着物として想定しているが、これらに限定されるものではなく、一般的な粉体や塵埃等の付着物を対象とした洗浄装置や塗膜除去装置等にも本発明を適用することができる。なお、洗浄対象物から除去する付着物として、一般的な粉体や塵埃等および塗膜を対象とする場合、洗浄対象物および付着物の性状に応じて洗浄媒体の種類および気流の流速を適切に選択すればよい。
例えば、洗浄対象物が傷つきやすい場合は、洗浄媒体として樹脂フィルム等の柔軟素材で、かつ厚みの薄いものを使用すれば、薄片が柔軟に撓むので洗浄対象を傷つけることがない。
また、塗膜の除去等、強い除去力が必要な場合は、金属薄片などを使用すれば強い除去作用が得られる。
次に、構成について説明する。
図1に示すように、洗浄槽13は洗浄対象物3および洗浄媒体5を収容する内壁1a〜1gと、内壁1a〜1gの周囲を取り囲み、洗浄対象物3から除去した粉塵等の付着物を閉空間に閉じ込める外壁2と、を備えた二重構造となっている。
内壁1a〜1gは、外壁2に対して自由に変形できるよう、外壁2に対して複数箇所でのみ固定されている。
内壁1a〜1gのうち、底面を形成する内壁1a、1bは、可撓性の材料から構成されており、容易に変形または振動することが可能となっている。
例えば、洗浄媒体加速ノズル6が発生する洗浄槽13内の気流と風圧によって、可撓性素材で形成された内壁1a、1bを変形または振動させることができる。
内壁1a、1bを可撓性の材料により構成することにより、内壁1a、1bに付着または堆積した洗浄媒体5を、内壁1a、1bの変形や振動によって内壁1a、1bから容易に分離することができる。
なお、内壁1a〜1gのうち、側面および上面を形成する内壁1c〜1gも、可撓性の材料から構成されていることが好ましい。
また、内壁1a、1bは、可撓性だけでなく伸縮性および通気性を有することが好ましい。
内壁1a、1bが通気性を有することにより、洗浄媒体5と内壁1a、1bの間に気流が入り込みやすくなり、内壁1a、1bへ付着した洗浄媒体5を内壁1a、1bから容易に分離することができる。
また、内壁1a、1bが伸縮性を有することにより、内壁1a、1bの変形量をより大きくすることができ、内壁1a、1bへ付着した洗浄媒体5を内壁1a、1bから確実に分離することができる。
また、図2(a)、(b)に示すように、乾式洗浄装置10が接触部材8を備え、接触部材8が洗浄槽13の内壁1a、1bに衝突ないし接触することにより内壁1a、1bを変形または振動させたり、図3(a)、(b)に示すように、乾式洗浄装置10が気流噴射手段11を備え、気流噴射手段11からの気流が洗浄槽13の内壁1a、1bに衝突することにより内壁1a、1bを変形または振動させるようにしてもよい。
これらのように構成した場合、洗浄槽13の内壁1a、1bに付着または堆積した洗浄媒体5をより確実に内壁1a、1bから分離し、流動化することができる。
図2(a)、(b)のように、接触部材8が衝突または接触するようにした場合は、内壁1a、1bに与える変形ないし振動の大きさや速度を適切に設定でき、効率的な洗浄をすることが可能になる。
一方、図3(a)、(b)のように、気流噴射手段11からの気流の衝突力による場合、非接触で内壁1a、1bを変形ないし振動させることができ、内壁1a、1bの消耗を抑えることができる。
なお、内壁1a、1bをネットや網で構成したり、内壁1a、1bに小孔を多数形成することにより内壁1a、1bに通気性を持たせると好適である。この場合、内壁1a、1bに通気性をもたせることにより、洗浄媒体5と内壁1a、1bの間に気流が入り込みやすくなり、内壁1a、1bに付着ないし堆積した洗浄媒体5の分離を容易にすることができる。
内壁1a、1bの小孔の大きさを、劣化して小さくなった洗浄媒体5や気流のみが通過し、通常の大きさの洗浄媒体5が通過できない大きさに設定することにより、内壁1a、1bに、後述するように、分離手段および洗浄媒体再生手段としての機能を持たせることができる。
一方、洗浄槽13の外壁2の一部には排気口7が形成されており、洗浄対象物3から除去された粉塵等の付着物は気流とともに排気口7から洗浄槽13の外に排出されるようになっている。
排気口7の出口には、粉塵等の付着物をろ過する図示しないフィルタまたは吸引式の集塵装置が取り付けられている。吸引式の集塵装置を取り付けた場合は、排気口7および洗浄槽13の内部の流速が高まり、粉塵等の付着物の排出性能をより高めることができる。
洗浄槽13の内壁1a、1bは、多孔板、網、メッシュ等から構成され、洗浄媒体5の大きさより小さい開口を多数備えており、洗浄媒体5と付着物とを分離する分離手段、および付着物の分離により洗浄媒体5を再利用可能な状態に再生する洗浄媒体再生手段としての機能を有している。洗浄媒体5から分離した付着物は洗浄槽13の外へ排出される。
内壁1a、1bに可撓性を持たせるとともに、内壁1a、1bを変形または振動させて洗浄媒体5を分離させる洗浄媒体分離手段として機能させることにより、内壁1a、1bに付着ないし堆積した洗浄媒体5の分離が容易になり、大量の洗浄媒体5を用いた場合でも内壁1a、1bの閉塞を防止することができるようになっている。
洗浄槽13の内壁1a、1bの下方、すなわち洗浄槽13の底部には、洗浄媒体加速ノズル6が洗浄対象物3の長手方向に沿って列状に複数配置されている。
洗浄媒体加速ノズル6を洗浄槽13の底部に配置することにより、重力で落下した洗浄媒体5が自動的に洗浄媒体加速ノズル6に集まるため、効率的に洗浄することが可能になる。
洗浄媒体加速ノズル6には、図示しないコンプレッサー、圧力タンクないしブロワ等の圧縮空気源から圧縮空気が供給されるようになっている。
また、複数の洗浄媒体加速ノズル6への圧縮空気の供給は、図示しない制御装置により制御される電磁弁等により独立して開閉することにより、自動的に洗浄媒体加速ノズル6の気流が制御されるようにしてもよい。
洗浄対象物3は、支持部材4によって洗浄槽13内に保持されている。
支持部材4は、洗浄媒体5が自由に通過し、洗浄対象物3が落下しないよう保持するものであり、例えば、目の粗い網により構成されている。
なお、支持部材4は、洗浄対象物3が気流の力を受けて動いてしまうほど軽量なものである場合は、洗浄対象物3の一部を挟持するクランプ等の保持手段を備えていることが好ましい。
また、支持部材4は、洗浄対象物3の全面を洗浄する場合は、洗浄対象物3を保持したまま回転等することにより洗浄対象物3の姿勢を変更できるように構成することが望ましい。
なお、洗浄対象物3を保持するための保持手段は、洗浄対象物3の形状、特性に応じて適切な方式を選択することが好ましい。具体的には、ねじ留め方式、挟んで固定する方式、または、洗浄対象物3の穴を利用してピンで固定する方式等を用いることができるが、洗浄媒体5が洗浄対象物3に接触、衝突するのをできるだけ妨げないような構造、形状とすることが望ましい。
次に、動作について説明する。
洗浄動作に先立って、洗浄槽13の側面ないし上面等の図示しない洗浄媒体入出口から洗浄対象物3を洗浄槽13内に入れて、洗浄対象物3を支持部材4に支持させるとともに必要に応じて図示しないクランプ等の保持手段に保持させ、洗浄媒体入出口を閉めて洗浄槽13内を密閉する。なお、洗浄対象物3の投入、取出しを行う洗浄媒体入出口を可撓性の内壁1a、1bに設ける場合は、洗浄媒体入出口をジッパー等の適切な方法で封止することにより、洗浄媒体5を洗浄槽13内に確実に閉じ込めることができる。
初めに、洗浄媒体加速ノズル6に圧縮空気を供給して、洗浄媒体加速ノズル6の上部に堆積していた洗浄媒体5を上方へ飛翔させ、洗浄対象物3へ衝突させる。
ついで、図2(a)、(b)に示した接触部材8、または図3(a)、(b)に示した気流噴射手段11により、可撓性の内壁1a、1bを変形、振動させ、内壁1a、1bに付着、堆積している洗浄媒体5を分離、流動化させて重力により下方に移動させる。これにより、大量の洗浄媒体5が、次々と洗浄槽13の内壁1a、1bの最下部に位置する洗浄媒体加速ノズル6へ供給され、洗浄対象物3へ向けて飛翔を繰り返す。
ついで、洗浄媒体5が洗浄対象物3に高速で接触または衝突することにより、洗浄対象物3に付着している付着物は叩き落とされる。叩き落とされた付着物と洗浄媒体5は、洗浄槽13内の気流に乗って洗浄媒体再生手段としての内壁1a、1bへ運ばれる。
ついで、気流に乗って運ばれた付着物と洗浄媒体5のうち、付着物は洗浄媒体再生手段の分離手段としての内壁1a、1bの開口穴を通過して洗浄槽13外に排出される。一方、洗浄対象物3から洗浄媒体5に転移した付着物は、洗浄媒体5が内壁1a、1bに衝突する際の摩擦や、衝突による衝撃や振動の作用により、洗浄媒体5から分離される(洗浄媒体の「再生」作用)。
ついで、洗浄媒体5は内壁1a、1bより離れて落下し、再び気流に乗って洗浄槽13内を循環するか、あるいは洗浄槽13の内壁1a、1bの底部に堆積する。可撓性の内壁1a、1bを振動または変形させて洗浄媒体分離手段として機能させるようにした場合、内壁1a、1bの変形、振動によって洗浄媒体5を容易に内壁1a、1bから分離することができる。
このように、可撓性の内壁1a、1bを変形、振動させながら、洗浄媒体5の飛翔、衝突、再生を行うことにより、洗浄媒体5を洗浄槽13内で循環させながら洗浄対象物3に高速で衝突させ、付着物を除去することができる。
また、比較的付着力が強く、エアブローのみでは除去しにくい粉塵が付着物であっても、高速で飛翔する洗浄媒体5が接触、衝突することによって洗浄対象物3から分離することができる。
特に、薄片状の洗浄媒体5を用いた場合、前述した薄片状の洗浄媒体5の優れた洗浄作用により高い洗浄品質と洗浄効率が得られ、洗浄対象物3を傷つけることもない。
更に、洗浄対象物3から洗浄媒体5に転移した粉塵等の付着物は洗浄媒体再生手段としての内壁1a、1bで効果的に除去され、洗浄媒体5の清浄度が常に保たれるため、洗浄媒体5に転移した付着物が洗浄対象物3に再付着することがなく、高い洗浄品質を得ることができる。
以上のように、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、洗浄対象物3および薄片状の可撓性の洗浄媒体5を収容する洗浄槽13の内壁1a〜1gと、洗浄対象物3に付着した付着物を除去するよう、高速気流を噴射して洗浄媒体5を洗浄対象物3に衝突させる洗浄媒体加速ノズル6と、を備え、内壁1a、1bが可撓性を有する素材で構成されていることを特徴としている。
この構成により、洗浄媒体5と洗浄対象物3を収容する内壁1a、1bが可撓性を有することにより、内壁1a、1bを変形させたり振動させたりして内壁1a、1bから洗浄媒体5を分離することが容易になり、洗浄媒体5が内壁1a、1bへ付着および堆積して滞留し、洗浄効率が低下することを防止することができる。
したがって、薄片状の洗浄媒体5を用いて乾式洗浄をするときに、洗浄媒体5が装置内を閉塞したり装置内で滞留することを防止して、より多くの洗浄媒体5を洗浄対象物3に衝突させることにより洗浄効率を向上することができる。
また、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、内壁1a、1bが、通気性を更に有することを特徴としている。
この構成により、内壁1a、1bが可撓性と通気性を有することにより、洗浄媒体5と内壁1a、1bとの間に気流が入り込みやすくなり、内壁1a、1bへ付着した洗浄媒体5を内壁1a、1bから容易に分離することができる。
また、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、内壁1a、1bが、伸縮性を更に有することを特徴としている。
この構成により、内壁1a、1bが可撓性と伸縮性を有することにより、内壁1a、1bの変形量をより大きくすることができ、内壁1a、1bへ付着した洗浄媒体5を内壁1a、1bから確実に分離することができる。
また、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、内壁1a、1bを変形または振動させて内壁1a、1bから洗浄媒体5を分離する接触部材8または気流噴射手段11を備えることを特徴としている。
この構成により、内壁1a、1bを変形または振動させることにより、内壁1a、1bから洗浄媒体5を分離することができるので、内壁1a、1bに滞留している洗浄媒体5を減らし、洗浄媒体加速ノズル6に供給する洗浄媒体5を増やすことにより、洗浄媒体5を有効に洗浄に寄与させることができるため、洗浄効率を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、洗浄媒体加速ノズル6を内壁1a、1bの底部に配置したことを特徴としている。
この構成により、洗浄媒体加速ノズル6を内壁1a、1bの底部に配置したことにより、内壁1a、1bから分離された洗浄媒体5が重力によって自然に洗浄媒体加速ノズル6付近に集まるので、洗浄媒体5を洗浄媒体加速ノズル6に供給するためのエネルギー消費を抑えながら、大量の洗浄媒体5を洗浄媒体加速ノズル6に供給できる。
また、内壁1a、1bの底面の傾斜角度を小さくしても内壁1a、1bの変形や振動により洗浄媒体5が滞留しにくいため、洗浄媒体加速ノズル6と洗浄対象物3の距離を小さくでき、付着物の除去能力を向上することができる。
また、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、内壁1a、1bの壁面に接触することにより内壁1a、1bを変形または振動させる接触部材8を有することを特徴としている。
この構成により、内壁1a、1bに接触することにより内壁1a、1bを変形または振動させる接触部材8を有することにより、内壁1a、1bの壁面に与える変形ないし振動の大きさや速度を適切に設定でき、効率的な洗浄が可能になる。
また、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、内壁1a、1bに気流を噴射することにより内壁1a、1bを変形または振動させる気流噴射手段11を有することを特徴としている。
この構成により、内壁1a、1bに気流を噴射することにより内壁1a、1bを変形または振動させることにより、非接触で内壁1a、1bを変形ないし振動させることができ、内壁1a、1bの消耗を抑えることができる。
(第2の実施の形態)
図4(a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る乾式洗浄装置の構成を示す断面図である。なお、図4(a)は図4(b)のB−B矢視図であり、図4(b)は図4(a)のA−A矢視図である。本実施の形態では、接触部材を衝突させることによって洗浄媒体を上方へ飛翔させたり、衝突に同期して断続的に高速気流を噴射するようにした例を説明する。なお、前述の実施の形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図4(a)、(b)に示すように、洗浄槽13は、第1の実施の形態と同様に、外壁2と可撓性の内壁1aからなる2重構造を有しており、可撓性の内壁1aは、粉塵等の付着物のみを通過し、洗浄媒体5が通過しないよう、網や多孔フィルム等の素材で構成されている。
洗浄媒体加速ノズル6は、洗浄槽13の側面に配置されており、洗浄対象物3に向けて高速の気流を吹き付けるようになっている。
洗浄槽13内の底部には、洗浄媒体5を上方に向けて跳ね上げるよう可撓性の内壁1aに接触する接触部材8およびこの接触部材8を駆動する接触部材駆動手段9が配置されている。
接触部材駆動手段9は、エアシリンダやスプリング、モータ等から構成されており、接触部材8を可撓性の内壁1aに衝突させて、内壁1aの底部に堆積した大量の洗浄媒体5を空中へ飛翔させるようになっている。
洗浄対象物3は、その穴部に挿入されるロッド形状の支持部材4によって保持されている。このため、支持部材4を回転させることにより、洗浄対象物3を回転させ、洗浄対象物3の全面を洗浄することができる。なお、洗浄対象物3をロッド形状の支持部材4に対して回転自在に保持させ、洗浄媒体加速ノズル6の気流によって支持部材4上で洗浄対象物3が回転するようにしてもよい。
次に、動作について説明する。
まず、接触部材8によって空中へ飛翔した洗浄媒体5は、洗浄媒体加速ノズル6の気流によって加速され、洗浄対象物3に高速で衝突する。薄片状の洗浄媒体5は軽量で面積が大きいため、気流によって容易に加速される。なお、洗浄媒体5を大量に用いた場合であっても質量が小さいため、接触部材8の駆動に必要な動力も小さくて済む。
ついで、洗浄対象物3に衝突した洗浄媒体5は、洗浄対象物3に付着した粉塵等の付着物を洗浄対象物3から分離する。分離された付着物は、気流に乗って洗浄槽13の内壁1aを通過し、排気口7から洗浄槽13の外に排出される。また、洗浄対象物3から洗浄媒体5に転移した付着物も、洗浄媒体5同士の接触や洗浄槽13の内壁1aとの接触により洗浄媒体5から分離され、気流に乗って排気口7から洗浄槽13の外に排出される。
以上のように、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、接触部材8が可撓性の内壁1aに衝突して洗浄媒体5を飛翔させることにより、洗浄媒体加速ノズル6が洗浄槽13の底面付近に配置しない場合でも、洗浄媒体加速ノズル6に洗浄媒体5を供給することができる。
また、洗浄槽13の内壁1aの底部に堆積した大量の洗浄媒体5を洗浄媒体加速ノズル6に供給できるため、圧縮エアの消費を抑えて高い洗浄効率を得ることができるので、圧縮空気を生成するためのエネルギー消費が小さくて済み、より環境負荷の小さい乾式洗浄をすることができる。
なお、接触部材8による洗浄媒体5の飛翔のタイミングに合わせて、洗浄媒体加速ノズル6を間欠駆動して気流を発生したり止めたりすれば、圧縮空気の消費をより一層低減することができる。
以上のように、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、接触部材8が内壁1a、1bに衝突することにより洗浄媒体5を飛翔させることを特徴としている。
この構成により、接触部材8が内壁1a、1bに衝突して洗浄媒体5を飛翔させることにより、洗浄媒体加速ノズル6が内壁1a、1bの底部付近にない場合でも、洗浄媒体加速ノズル6に洗浄媒体を供給することができる。
また、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、洗浄媒体加速ノズル6が、内壁1a、1bへの接触部材8の衝突に同期して断続的に高速気流を噴射することを特徴としている。
この構成により、浄媒体加速ノズル6が、内壁1a、1bへの接触部材8の衝突に同期して断続的に高速気流を噴射することにより、洗浄媒体5が大量に供給されたタイミングでのみ洗浄媒体加速ノズル6に気流を供給することができるので、洗浄媒体加速ノズル6で消費する圧縮エアの量を減らし、省エネルギーでの洗浄が可能になる。
(第3の実施の形態)
図5(a)、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る乾式洗浄装置の構成を示す断面図である。また、図6(a)、(b)は、乾式洗浄装置の動作を示す断面図である。また、図7(a)、(b)は、乾式洗浄装置の動作の他の例を示す断面図である。なお、図5(a)は図5(b)のB−B矢視図であり、図5(b)は図5(a)のA−A矢視図である。本実施の形態では、洗浄媒体加速ノズルを動かすことにより可撓性の内壁を動かしたり傾斜させるようにした例を説明する。なお、前述の実施の形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、乾式洗浄装置10は、洗浄槽13内の底部に複数の洗浄媒体加速ノズル6a〜6cを備えている。
また、図6(a)、(b)、図7(a)、(b)に示すように、洗浄槽13は、その姿勢または位置を変更できるようになっている。
洗浄槽13の姿勢または位置を変更する手段としては、例えばモータやエアシリンダ等のアクチュエータ6dを用いることができる。
洗浄媒体加速ノズル6a〜6cは、姿勢と位置の変更、すなわち、揺動(首振り)および往復移動(並行移動)ができるように構成されており、洗浄対象物3の広い領域をカバーできるようになっている。
また、可撓性の内壁1a、1bは、洗浄媒体加速ノズル6a〜6cと固定されており、洗浄媒体加速ノズル6a〜6cの揺動または往復移動によって可撓性の内壁1a、1bが変形、振動するようになっている。
洗浄媒体加速ノズル6a〜6cの揺動または移動をゆっくり行った場合、可撓性の内壁1a、1bに堆積した洗浄媒体5の山を崩すことができる。
また、洗浄媒体加速ノズル6a〜6cの揺動または移動を大きい振幅で高速で行った場合、可撓性の内壁1a、1bが急激に変形し、内壁1a、1bに堆積した洗浄媒体5の山を空中に跳ね上げることができる。
また、洗浄媒体加速ノズル6a〜6cの揺動または移動を小さい振幅で高速で行った場合、可撓性の内壁1a、1bに発生する振動の作用により、内壁1a、1bと洗浄媒体5との間の摩擦および洗浄媒体5同士の摩擦が減って流動性が高まるため、内壁1a、1bに堆積した洗浄媒体5の山を崩して移動させることができる。
次に、動作について説明する。
まず、図6(a)に示すように、洗浄媒体加速ノズル6a〜6cを移動、揺動および振動させ、可撓性の内壁1a、1bを変形、振動させる。
図6(a)に示す状態では、洗浄槽13全体が左下がりの姿勢に傾斜して洗浄媒体加速ノズル6c側が低くなっているため、可撓性の内壁1a、1bに堆積した洗浄媒体5は、内壁1a、1bの変形、振動の作用および重力の作用によって洗浄媒体加速ノズル6c側に徐々に移動する。
ついで、洗浄媒体加速ノズル6b、6cへ圧縮空気を供給することにより、洗浄媒体5は傾斜面を移動しながら次々に洗浄媒体加速ノズル6b、6cによって加速され、洗浄対象物3に向けて飛翔する。
洗浄対象物3に衝突した洗浄媒体5は、重力によって下方に落下し、洗浄媒体加速ノズル6b、6cからの気流によって再び洗浄対象物3に向けて飛翔する。あるいは、洗浄媒体5は分離手段である通気性の内壁1a、1bの表面で付着物を分離し、下方に落下する。
このように、可撓性の内壁1a、1bを洗浄媒体分離手段として機能させることにより、内壁1a、1bの変形、振動によって洗浄媒体5を内壁1aから分離できるため、大量の洗浄媒体5が内壁1a、1bに付着して内壁1aを閉塞してしまうことを防止できる。
所定時間経過後、多くの洗浄媒体5は洗浄媒体加速ノズル6c側に移動した状態となるため、洗浄槽13全体の姿勢を、図6(b)に示すように右下がりの姿勢に変更する。
この場合、洗浄媒体加速ノズル6a側が低くなっているため、内壁1a、1bに堆積した洗浄媒体5は、内壁1a、1bの変形、振動の作用および重力の作用によって洗浄媒体加速ノズル6a側へと移動する。
ついで、洗浄媒体加速ノズル6a、6bへ圧縮空気を供給することにより、洗浄媒体5は傾斜面を移動しながら次々に洗浄媒体加速ノズル6a、6bによって加速され、洗浄対象物3に向けて飛翔する。
以下、図6(a)に示す右下がりの状態と図6(b)に示す左下がりの状態とを繰り返すことにより、大量の洗浄媒体5を次々に洗浄媒体加速ノズル6a〜6cに供給しながら洗浄を行う。
このように、可撓性の内壁1a、1bの底面を傾斜面としてその途中ないし最下部に複数の洗浄媒体加速ノズル6a〜6cを配置し、内壁1a、1bを変形、振動させることにより、洗浄媒体5の量が多くても堆積した洗浄媒体5を動かして洗浄媒体加速ノズル6a〜6cに供給することができる。
すなわち、壁面および底面に滞留している洗浄媒体5を減らし、有効に洗浄に寄与させることができるため、洗浄効率を向上させることができる。
また、洗浄槽13の底面の傾斜が小さくても、堆積した洗浄媒体5を崩して滞留を解消することができるため、洗浄槽13の高さが低く抑えられ、洗浄媒体加速ノズル6a〜6cから洗浄媒体5までの距離を小さくできるので高い洗浄能力が得られる。
また、洗浄槽13の傾斜を逆にすることにより、洗浄媒体5の移動方向が切り替わるため、洗浄媒体5が一箇所に滞留し続けることがない。
したがって、洗浄媒体加速ノズル6a〜6cへ供給する洗浄媒体5の量を十分に確保でき、洗浄効率を高めることが可能である。
なお、洗浄槽13全体の姿勢を変更して底面の傾斜を切り替える代わりに、図7(a)、(b)に示すように、洗浄媒体加速ノズル6a〜6cの相対的な高さをノズル毎に独立して変更することにより底面の傾斜を切り替えるようにしてもよい。
すなわち、洗浄媒体加速ノズル6a〜6cのうち、洗浄媒体5を供給したいノズルの相対的な高さが低くなるようにすれば、そのノズルに向かって洗浄媒体5を集めることができるので、洗浄対象物3の特に洗浄したい箇所を集中的に洗浄でき、洗浄効率を高めることができる。
以上のように、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、内壁1a、1bに洗浄媒体加速ノズル6a〜6cを取り付けるとともに、洗浄媒体加速ノズル6a〜6cの姿勢または位置を変更するアクチュエータ6dを備えることを特徴としている。
この構成により、内壁1a、1bに取り付けた洗浄媒体加速ノズル6a〜6cの姿勢または位置を変更することにより、接触部材8や気流噴射手段11と同様に、内壁1a、1bを変形または振動させることができるので、少ない構成要素で内壁1a、1bから洗浄媒体を分離することができる。
また、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、内壁1a、1bの底部の壁面に洗浄媒体加速ノズル6a〜6cを取り付けるとともに、洗浄媒体加速ノズル6a〜6cの相互の高さを異ならせるアクチュエータ6dを備えたことを特徴としている。
この構成により、内壁1a、1bの底部の壁面に複数取り付けた洗浄媒体加速手段の相互の高さを異ならせることにより、内壁1a、1bの底部の壁面の傾斜を変化させることができるので、傾斜変化により所望の洗浄媒体加速ノズル6a〜6cに洗浄媒体5を集中させて効率的に洗浄を行うことができる。
(第4の実施の形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態に係る乾式洗浄装置の構成を示す斜視図である。本実施の形態では、洗浄媒体加速ノズルを動かすことにより可撓性の内壁を動かすようにした例を説明する。なお、前述の実施の形態と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、洗浄槽13は、前述の実施の形態と同様に、外壁2と内壁1aからなる2重構造を有している。
内壁1aは、伸縮性の高い可撓性素材により構成され、洗浄媒体5を内部に閉じ込めるとともに、洗浄媒体加速ノズル6の移動に応じて伸縮するようになっている。
洗浄媒体加速ノズル6は、ノズル移動手段12aおよびノズル移動手段12bによって、略水平面内、すなわち高さ方向を除く平面内を自由に移動することができる。
ノズル移動手段12a、12bの駆動は、乾式洗浄装置10が備える図示しない制御装置の動作プログラムに従って制御され、洗浄が行われる。また、ノズル移動手段12a、12bの駆動を洗浄対象物3の形状や汚れの程度に応じて適切に制御することにより、洗浄不足や洗浄過剰を防ぎ、洗浄効率を高めることができる。
洗浄媒体加速ノズル6の周囲には、リング状の接触部材8が配置されており、図示しない接触部材駆動手段により接触部材8を内壁1aに接触させ、内壁1aに付着、堆積した洗浄媒体5を動かして洗浄媒体加速ノズル6に供給することができる。
洗浄対象物3は、本実施の形態では、矩形の略平板状の形状であり、枠形状の支持部材4に固定されるようになっている。
以上のように、本実施の形態に係る乾式洗浄装置10は、内壁1aを洗浄媒体加速ノズル6の移動に応じて伸縮するように伸縮性の材料により構成し、洗浄媒体加速ノズル6の移動、および接触部材8の内壁1aへの接触を行うことにより、内壁1aを変形または振動させることができるので、内壁1aから洗浄媒体を分離したり、内壁1aに付着、堆積した洗浄媒体5を動かして効率よく洗浄を行うことができる。
なお、前述の乾式洗浄装置10を使用して、使用済みで回収して分解した装置の部品を洗浄し、洗浄した部品を再度組み立てて装置を復元することにより、安定した再生装置を得ることができる。すなわち、本発明は、再生装置の製造方法として適用することができる。ここでいう、再生装置とは、一般にリユース製品またはリビルト製品と称されるもののことであり、分解、洗浄、再組立により「再生された装置」を意味する。
以上説明したように、本発明に係る乾式洗浄装置は、薄片状の洗浄媒体を用いて乾式洗浄をするときに、洗浄媒体が装置内を閉塞したり装置内で滞留することを防止して、より多くの洗浄媒体を洗浄対象物に衝突させることにより洗浄効率を向上することができるという効果を有し、洗浄対象物に付着した塵埃や粉体等の付着物を、液体を使わずに固体洗浄媒体を用いて除去する乾式洗浄装置として有用である。
(a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る乾式洗浄装置の構成を示す断面図である。 (a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る乾式洗浄装置の接触部材を示す断面図である。 (a)、(b)は、本発明の第1の実施の形態に係る乾式洗浄装置の接触部材の他の例を示す断面図である。 (a)、(b)は、本発明の第2の実施の形態に係る乾式洗浄装置の構成を示す断面図である。 (a)、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る乾式洗浄装置の構成を示す断面図である。 (a)、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る乾式洗浄装置の動作を示す断面図である。 (a)、(b)は、本発明の第3の実施の形態に係る乾式洗浄装置の動作の他の例を示す断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る乾式洗浄装置の構成を示す斜視図である。
符号の説明
1a、1b 内壁(収容部材)
1c、1d、1e、1f、1g 内壁(収容部材)
2 外壁
3 洗浄対象物
4 支持部材
5 洗浄媒体
6、6a、6b、6c 洗浄媒体加速ノズル(洗浄媒体加速手段)
6d アクチュエータ(変更手段、変位手段)
7 排気口
8 接触部材(洗浄媒体分離手段)
9 接触部材駆動手段
10 乾式洗浄装置
11 気流噴射手段(洗浄媒体分離手段)
12 ノズル移動手段
13 洗浄槽

Claims (10)

  1. 洗浄対象物および薄片状の樹脂フィルムを収容する収容部材と、
    前記洗浄対象物に付着した付着物を除去するよう、高速気流を噴射して前記樹脂フィルムを前記洗浄対象物に衝突させる洗浄媒体加速手段と、を備え、
    前記収容部材の壁面を構成する底面、側面および上面のうち、少なくとも前記樹脂フィルムが堆積する底面、前記洗浄媒体加速手段が噴射する高速気流と風圧によって変形または振動する可撓性と伸縮性を有する軟質樹脂フィルムから構成されていることを特徴とする乾式洗浄装置。
  2. 前記収容部材の壁面が、通気性を更に有することを特徴とする請求項1に記載の乾式洗浄装置。
  3. 前記収容部材の壁面を変形または振動させて前記収容部材の壁面から前記樹脂フィルムを分離する洗浄媒体分離手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乾式洗浄装置。
  4. 前記洗浄媒体加速手段を前記収容部材の底部に配置したことを特徴とする請求項3に記載の乾式洗浄装置。
  5. 前記洗浄媒体分離手段が、前記収容部材の壁面に接触することにより前記収容部材の壁面を変形または振動させる接触部材を有することを特徴とする請求項3に記載の乾式洗浄装置。
  6. 前記接触部材が前記収容部材の壁面に衝突することにより前記樹脂フィルムを飛翔させることを特徴とする請求項5に記載の乾式洗浄装置。
  7. 前記洗浄媒体加速手段が、前記収容部材の壁面への前記接触部材の衝突に同期して断続的に高速気流を噴射することを特徴とする請求項6に記載の乾式洗浄装置。
  8. 前記洗浄媒体分離手段が、前記収容部材の壁面に気流を噴射することにより前記収容部材の壁面を変形または振動させる気流噴射手段を有することを特徴とする請求項3に記載の乾式洗浄装置。
  9. 前記収容部材の壁面に前記洗浄媒体加速手段を取り付けるとともに、
    前記洗浄媒体加速手段の姿勢または位置を変更する変更手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乾式洗浄装置。
  10. 前記収容部材の底部の壁面に前記洗浄媒体加速手段を複数取り付けるとともに、
    前記複数取り付けた洗浄媒体加速手段の相互の高さを異ならせる変位手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項9の何れかに記載の乾式洗浄装置。
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