JP5331600B2 - エンジン冷却回路の制御装置 - Google Patents

エンジン冷却回路の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5331600B2
JP5331600B2 JP2009162383A JP2009162383A JP5331600B2 JP 5331600 B2 JP5331600 B2 JP 5331600B2 JP 2009162383 A JP2009162383 A JP 2009162383A JP 2009162383 A JP2009162383 A JP 2009162383A JP 5331600 B2 JP5331600 B2 JP 5331600B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
engine
radiator
cooling water
control
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009162383A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011017283A (ja
Inventor
政和 上谷
Original Assignee
キャタピラー エス エー アール エル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by キャタピラー エス エー アール エル filed Critical キャタピラー エス エー アール エル
Priority to JP2009162383A priority Critical patent/JP5331600B2/ja
Publication of JP2011017283A publication Critical patent/JP2011017283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5331600B2 publication Critical patent/JP5331600B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、水冷式エンジンを冷却するための冷却回路の制御装置に関する。
従来、油圧ショベルをはじめとする作業機械には水冷式エンジンが搭載されている。水冷式エンジンでは、ラジエータで冷却された冷却水をエンジン内部のウォータージャケットに流通させてシリンダブロックやシリンダヘッドを冷却し、オーバーヒートを防止している。エンジンとラジエータとの間には冷却水が流通する冷却回路が形成されており、エンジンによって駆動されるウォーターポンプでその冷却水を回路内に循環させている。
一方、エンジンの冷態始動時には、過冷却によって始動性が損なわれるおそれがあるため、ラジエータを迂回するようなバイパス回路を冷却回路中に設けて、始動時の暖機時間を短縮している。
例えば、特許文献1には、冷却水を循環させるための冷却回路からバイパス流路を分岐形成し、バイパス流路の分岐部分の何れか一方にサーモスタットを設けたものが記載されている。このような技術に適用されるサーモスタットは、冷却水が低温であるときにラジエータ側の通路を閉鎖するように形成されている。このような構成により、ラジエータを迂回するように冷却水を流通させて、冷却水の温度を迅速に上昇させることができるようになっている。
特開2007−100659号公報
しかしながら、サーモスタットによる流路の切り換えでは、正確に冷却水の温度を制御することができない。例えば、エンジン側の冷却水温が上昇してラジエータ側の流路が開放されると、温められた冷却水がラジエータ内に導入され、同時にそれまでラジエータ内に滞留していた冷たい冷却水がエンジン側へと流入する。そして、その冷たい冷却水がサーモスタットに到達すると、再びラジエータ側の流路が閉鎖されることになる。
つまり、回路内における冷却水の温度分布が概ね均質になるまでの間、サーモスタットは開閉動作を繰り返すことになり、冷却水温が安定しにくい。また、このような温度変動に起因する熱収縮,熱膨張により繰り返し応力が発生するため、エンジン,ラジエータが劣化しやすい。
一方、サーモスタットには、例えばエア抜き孔を備えたもののように、ラジエータ側の流路を完全には閉鎖しない構造のものがある。このようなサーモスタットを用いれば、上記のような開閉動作の繰り返しがある程度は解消される場合もある。
しかしながら、このようなサーモスタットを用いるとエンジン側の冷却水温が低温の状態であってもラジエータ側の流路へ冷却水が漏出するため、冷却水の温度上昇に時間がかかり、暖機時間が長くなってしまう。
つまり、冷却水温が適温となるまでの間は、エンジン側の冷却水の流れがラジエータ側から完全に分離されていることが望ましい一方、冷却水温がある程度上昇したときには、完全に分離されていないことが望ましく、このような制御を正確に実施することが困難であるという課題がある。なお、一般的なサーモスタットでは、流路を開き始めてから全開状態となるまでの作動温度範囲が10度前後と狭くなっていることも、冷却水の温度制御性を阻害する要因となっている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、冷却水の温度変動を安定化させつつ、暖機時間を短縮することができるようにしたエンジン冷却回路の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明のエンジン冷却回路の制御装置は、エンジン及びラジエータ間に冷却水を循環させる冷却回路と、該冷却回路において該ラジエータと並列に接続されたバイパス流路と、該ラジエータにおける該冷却水の第一温度を検出する第一温度検出手段と、該エンジンにおける該冷却水の第二温度を検出する第二温度検出手段と、該冷却回路上に介装され、該ラジエータからの該冷却水の還流量を制御する第一制御弁と、該バイパス流路上に介装され、該バイパス流路を流通する該冷却水の流量を制御する第二制御弁と、該第一温度検出手段で検出された該第一温度と該第二温度検出手段で検出された該第二温度との温度差に基づいて、該第一制御弁及び該第二制御弁の開度を制御するとともに、該第一温度及び該第二温度の差が小さいほど、該第一制御弁を開放する制御手段と、を備え、該制御手段が、該エンジンの始動時から該第二温度が所定暖機温度に達するまでの間は該第一制御弁を閉鎖することを特徴としている。
該第一制御弁が、該バイパス流路と該冷却回路との接続部又は該接続部よりも該ラジエータ側の該冷却回路上に介装されることが好ましい。なお、該第一制御弁の介装位置はこれに限定されない。例えば、該バイパス流路と該冷却回路との接続部よりも該エンジン側の該冷却回路上に介装してもよい。
ここでは、冷態始動時におけるエンジン側の高温の冷却水とラジエータ側の低温の冷却水とそれらの温度差に応じて緩慢に混合される。
また、該制御手段により、該第一温度及び該第二温度の温度差が小さいほど、該第一制御弁開放される。
つまり、該第一温度及び該第二温度の温度差が大きいほど、該第一制御弁が閉鎖され、ラジエータ側からエンジン側へと流入する冷却水量が減少する。
また、該制御手段、該第一温度及び該第二温度の温度差が小さいほど、該第一制御弁を開放するとともに該第二制御弁を閉鎖することが好ましい
この場合、該第一温度及び該第二温度の温度差が大きいほど、該第一制御弁が閉鎖されてラジエータ側からエンジン側へと還流する冷却水量が減少し、一方、該第二制御弁が開放されてバイパス流路側からエンジン側へと還流する冷却水量が増加する。
また、該エンジンのエンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段をさらに備え、該制御手段が、該エンジン回転数検出手段で検出された該エンジン回転数が高いほど、該第一制御弁を閉鎖することが好ましい
また、該制御手段が、該エンジン回転数検出手段で検出された該エンジン回転数が所定値未満である場合に、該第一制御弁を開放することが好ましい
本発明のエンジン冷却回路の制御装置(請求項1)によれば、第一温度及び第二温度の温度差に応じて第一制御弁の開度を制御することにより、ラジエータ側からエンジン側へ流入する冷却水の量を制御することができ、暖機時間を短縮させつつ冷却水の温度変化を安定化させることが可能となる。
また、エンジンの暖機時に、一度温まった冷却水の急激な温度低下を抑制することができ、エンジン及びラジエータの熱膨張や熱収縮を防止することができる。また、たとえ冷却水が温まったとしても、第一温度及び第二温度の温度差が大きければ、ラジエータからエンジンへ流入する冷めた冷却水の量が少ないため、暖機時間の遅延を防止することができる。
また、第一温度及び第二温度の温度差に応じて第一制御弁及び第二制御弁の開度を制御することにより、ラジエータ側から流入する冷却水とバイパス流路を介して流入する冷却水との流入配分を制御することができ、正確に冷却水の温度を制御することが可能となる。
また、エンジンの始動時から第二温度が所定暖機温度に達するまでの間は第一制御弁が閉鎖されるため、ウォータージャケット内の冷却水を素早く昇温させることができ、エンジンの暖機性を高めることができる。
また、本発明のエンジン冷却回路の制御装置(請求項)によれば、第一温度と第二温度との温度差が小さいほどバイパス流路の開度が絞られるため、ラジエータ内の冷却水の昇温を促すことができ、暖機時間の遅延を防止することができる。
また、本発明のエンジン冷却回路の制御装置(請求項)によれば、冷却水の単位時間当たりの流量はエンジン回転数に比例するため、エンジン回転数を考慮して第一制御弁の開度を制御することにより、正確に冷却水の温度変化の時間勾配を制御することが可能となる。
また、本発明のエンジン冷却回路の制御装置(請求項)によれば、エンジン回転数が所定値未満である状態(例えば、エンジンが停止している状態)で第一制御弁を開放することにより、回路内のエア抜きをすることができる。
本発明の一実施形態に係るエンジン冷却回路の制御装置の模式図である。 本制御装置におけるラジエータ側及びエンジン側の冷却水の温度差とラジエータ側からの冷却水流量とを関係を示すグラフである。 本制御装置で算出された補正流量と弁開度との関係を示すグラフである。 変形例としてのエンジン冷却回路の制御装置の模式図である。
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[1.構成]
本発明は、図1に模式的に示す油圧ショベルのエンジン冷却回路に適用されている。このエンジン冷却回路には、エンジン1,ラジエータ2及びエンジン冷却水(以下、単に冷却水とも呼ぶ)を循環させるためのウォーターポンプ3が設けられている。
エンジン1のシリンダブロック内には、冷却水の通り道となるウォータージャケットがシリンダボアの外周を囲むように形成されている。本冷却回路は、ウォータージャケットの冷却水入口及び冷却水出口に接続されている。また、エンジン1にはエンジン回転数センサ1a(エンジン回転数検出手段)が併設されている。ここで検出されるエンジン回転数Neは、後述するコントローラ9へ入力されている。
ラジエータ2は、冷却水を冷却するための熱交換器である。ラジエータ2の冷却コア(中央部)には多数の放熱フィンが形成されており、放熱フィンの内部に冷却水を流通させるとともに冷却風を放熱フィンの表面に流通させて、熱交換を行っている。
エンジン1によって駆動されるウォーターポンプ3は、環状に形成された冷却回路内に冷却水を圧送している。図1中に黒矢印で示すように、エンジン1からラジエータ2側へ送出された冷却水は、ラジエータ2で冷やされた後、再びエンジン1へと還流する。
以下、エンジン1及びラジエータ2間に接続された二本の流路4のうち、エンジン1からラジエータ2へと流通する冷却水の流路を第一流路4aと呼び、ラジエータ2からエンジン1へと還流する冷却水の流路を第二流路4bと呼ぶ。
また、本冷却回路には、ラジエータ2に対して並列に接続されたバイパス流路5が設けられている。バイパス流路5は本冷却回路におけるラジエータ2の上流側から分岐形成され、ラジエータ2を迂回してその下流側に接続された流路である。つまり、バイパス流路5は、ラジエータ2を介さずに第一流路4aと第二流路4bとを直接接続する流路である。
図1中に、バイパス流路5の始端部を符号5aで示し、終端部を符号5bで示す。始端部5aは第一流路4aとバイパス流路5との接続部であり、終端部5bは第二流路4bとバイパス流路5との接続部である。この終端部5bには、三方弁6が介装されている。
三方弁6は、バイパス流路5側及び第二流路4bのラジエータ2側から流入される冷却水の流入配分を制御して、第二流路4bのエンジン1側へと流出させるバタフライ弁である。例えば、バイパス流路5側の開度を全閉にすると第二流路4bのラジエータ側の開度が全開となり、バイパス流路5側の開度を全開にすると第二流路4bのラジエータ側の開度が全閉となるように、内部のバタフライ弁体が形成されている。
本実施形態では、冷却水の流入配分を無段階に制御することができる電磁式の制御弁として構成されている。三方弁6における各流入口の開度は、コントローラ9によって連動制御されている。したがって、三方弁6はラジエータ2からの冷却水の還流量を制御する第一制御弁としての機能と、バイパス流路5を流通する冷却水の流量を制御する第二制御弁としての機能とを兼ね備えている。
第二流路4bにおけるラジエータ2側には、ラジエータ2における冷却水の温度T1(第一温度)を検出する第一温度センサ7(第一温度検出手段)が介装されている。また、三方弁6よりもエンジン1側には、エンジン1における冷却水の温度T2(第二温度)を検出する第二温度センサ8(第二温度検出手段)が介装されている。これらの温度センサ7,8で検出された第一温度T1及び第二温度T2は、コントローラ9へと入力されている。コントローラ9では、これらの温度差に起因する冷却水の温度分布の変動を抑制するように、三方弁6の開度が制御されている。
[2.コントローラ]
コントローラ9(制御手段)は、マイクロコンピュータで構成された電子制御装置であり、周知のマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスとして提供されている。このコントローラ9は、エンジン回転数センサ1aで検出されたエンジン回転数Neと各温度センサ7,8で検出された第一温度T1及び第二温度T2とに基づいて三方弁6の開度を制御するものであり、以下に示す三種類の制御を実施する。
[制御1]エンジン1の始動直後に三方弁6のラジエータ2側流路を閉鎖する制御
[制御2]エンジン1及びラジエータ2の温度差が大きくならないように、
三方弁6のラジエータ2側流路開度を調整する制御
[制御3]エンジン1の停止時に三方弁6のラジエータ2側流路を開放する制御
上記の制御1は、ウォータージャケット内の冷却水温度を迅速に上昇させるための制御である。本実施形態では、エンジン1の始動時から第二温度T2が所定暖機温度TB(例えば、70〜90℃)に達するまでの間、コントローラ9によって三方弁6のラジエータ2側流路を閉鎖する制御が実施される。三方弁6のラジエータ2側流路を閉鎖することにより、冷却水はラジエータ2を迂回してバイパス流路5のみを流通し、エンジン1へと戻ってくることになる。
また、上記の制御3は、エンジン1の停止時におけるエア抜きのための制御である。本実施形態では、エンジン回転数Neがほぼ0になった時点で、コントローラ9が三方弁6のラジエータ2側流路を開放するようになっている。
上記の制御2は、制御1によって昇温されたエンジン1側の冷却水と昇温されないままとなっているラジエータ2側の冷却水とを緩慢に混合するための制御、すなわち冷却水の温度分布を穏やかに均質にするための制御である。本実施形態では、第二温度T2が所定暖機温度TBに達した時点から、第一温度T1及び第二温度T2が一致するまでの間、コントローラ9によって三方弁6のラジエータ2側の開度を調節する制御が実施される。また、コントローラ9には、上記の制御2を実施するための流量設定部9a,補正部9b,開度設定部9c及び開度制御部9dが備えられている。
流量設定部9aは、以下の式1に示すように、入力された第一温度T1及び第二温度T2の温度差ΔTを演算するとともに、温度差ΔTに基づいて流量Qrを設定するものである。
Figure 0005331600
ここで設定される流量Qrは、ラジエータ2側からの三方弁6への冷却水流入量に対応する値である。流量設定部9aには、図2に示すような温度差ΔT及び流量Qrの関係がマップ等で記憶されている。したがって、温度差ΔTが大きいほど流量Qrが小さく設定され、温度差ΔTが小さいほど流量Qrが大きく設定される。本実施形態では、温度差ΔTに関わらず流量Qrが0にならないような設定とされている。
なお、第一温度T1及び第二温度T2が同一の温度になった時点で、冷却回路内における温度分布が均質になったものとみなし、三方弁6におけるラジエータ2側の開度を全開にして、上記の制御2を終了するものとする。図2中のグラフ上において、温度差ΔT=0であるときの流量Qmaxは、三方弁6におけるラジエータ2側の開度が全開の状態で流入する冷却水流量に対応する値である。
補正部9bは、流量設定部9aで設定された流量Qrをエンジン回転数Neに応じて補正するものである。ここでは、以下の式2に従って、補正流量Qcを算出する。
Figure 0005331600
ここで、kは予め設定された係数(k≠0)である。例えば、エンジン回転数Neが最小であるとき(アクセルダイヤルが最小回転位置にあるとき)にk/Neが1になるように係数kを設定しておけば、エンジン回転数Neが高くなるに連れて流量Qrに1以下の係数が乗算され、補正流量Qcが小さくなる。
一般に、ウォーターポンプ3による冷却水の送給量はエンジン回転数Neに比例する。そこで本発明では、冷却水の温度変動が過剰にならないように、エンジン回転数Neが高いほど補正流量Qcを小さくして、三方弁6におけるラジエータ2側の開度を絞り方向に制御するようになっている。
開度設定部9cは、補正部9bで算出された補正流量Qcに基づき、三方弁6におけるラジエータ2側の開度を設定する。開度設定部9cには、図3に示すような補正流量Qc及び弁開度の関係がマップ等で記憶されている。ここでは、補正流量Qcが大きいほど弁開度が開放され、補正流量Qcが小さいほど弁開度が閉鎖される設定となっている。
開度制御部9dは、三方弁6におけるラジエータ2側の開度を開度設定部9cで設定された弁開度に制御するものである。三方弁6はバタフライ弁であるため、ラジエータ2側の開度制御により、バイパス流路5側の開度も同時に制御されることになる。
[3.作用,効果]
エンジン1を始動させると、第一温度T1,第二温度T2及びエンジン回転数Neがコントローラ9へ入力される。コントローラ9ではまず、第二温度T2が所定暖機温度TB未満であるか否かが判定される。
ここでT2<TBである場合には、三方弁6のラジエータ2側流路が閉鎖され、冷却水がラジエータ2を迂回してバイパス流路5のみを流通する。これにより、ウォータージャケット内の冷却水を素早く昇温させることができ、エンジン1の暖機性を高めることができる。
その後、第二温度T2が所定暖機温度TBに達すると、流量設定部9aにおいて第一温度T1及び第二温度T2の温度差ΔTが演算され、温度差ΔTに基づいて流量Qrが設定される。温度差ΔTが大きいほど、流量Qrは小さな値となる。つまり、ラジエータ2側に滞留していた冷却水の温度が低いほど、ラジエータ2側からの冷却水流入量が少なくなる。
また、補正部9bでは流量Qrが補正され、すなわちエンジン回転数Neに応じた補正流量Qcが算出される。ここでは、エンジン回転数Neが高いほど補正流量Qcが小さく設定され、ラジエータ2側からの冷却水流入量がさらに少なくされることになる。そして、開度設定部9cにおいて、補正部9bで算出された補正流量Qcに基づいて三方弁6におけるラジエータ2側の開度が設定され、開度制御部9dによって制御される。
すなわち、温度差ΔTが大きいほど三方弁6におけるラジエータ2側からの流入量が絞られ、また、第一温度T1が第二温度T2に近づくに連れてラジエータ2側からの流入量が増加する。一方、温度差ΔTが大きいほど三方弁6におけるバイパス流路5側からの流入量が増加し、また、第一温度T1が第二温度T2に近づくに連れてバイパス流路5側からの流入量が絞られることになる。
これにより、冷却水回路内における温度分布が均質になるまでの間、ラジエータ2側の低温の冷却水とエンジン1側の高温の冷却水とが徐々に混合されることになり、全体の冷却水温の変動が抑制される。
したがって、エンジンの暖機時に、エンジン1側の高温の冷却水がラジエータ2側の低温の冷却水によって急激に冷やされるようなことを防止でき、エンジン1及びラジエータ2の熱膨張や熱収縮を抑制することができる。また、第一温度T1及び第二温度T2の温度差ΔTが大きければ、ラジエータ2からエンジン1へ流入する冷却水の量が少ないため、暖機時間の遅延を防止することができる。
また、本実施形態では、三方弁6におけるラジエータ2側の開度だけでなくバイパス流路5側の開度も同時に制御されるため、温度差ΔTが小さくなるほどラジエータ2側への冷却水の流通を促進することができ、暖機時間をさらに短縮することができる。
また、三方弁6におけるラジエータ2側の開度が、エンジン回転数Neに応じて補正されるため、正確に冷却水の温度変化の時間勾配を制御することができる。例えば、温度差ΔTが同一であるときには、エンジン回転数Neに関わらず、低温の冷却水と高温の冷却水との混合による冷却水温の変動量を同一にすることができる。
また、エンジン1を停止させた場合には、コントローラ9によって三方弁6のラジエータ2側の開度が開放される。これにより、エンジン1とラジエータ2とが連通した状態とすることができ、エア抜き性を高めることができる。
このように、本実施形態のエンジン冷却回路の制御装置によれば、第一温度T1及び第二温度T2に応じて三方弁6の開度を制御することにより、ラジエータ2側から流入する冷却水とバイパス流路5を介して流入する冷却水との流入配分を制御することができ、正確に冷却水の温度を制御して、冷却水の温度変動を安定化させつつ、暖機時間を短縮することができる。
[4.その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態では、バイパス流路5及び第二流路4bの接続部に三方弁6を備えた冷却回路を示したが、三方弁6の配設位置をバイパス流路5及び第一流路4aの接続部としてもよい。三方弁6の配設位置に関わらずラジエータ2側の開度を制御することにより、上述の実施形態と同一の効果を奏するものとなる。
また、図4に示すように、第二流路4b上にラジエータ2からの還流量を制御する可変絞り弁6a(第一制御弁)を設け、この可変絞り弁6aの開度をコントローラ9で制御する構成としてもよいし、あるいは、同様の可変絞り弁を第一流路4a上に配置してもよい。本発明では、少なくともラジエータ2側の冷却水のエンジン1側への流入量が制御できれば、上述の実施形態と同一の効果が期待できる。エンジンの暖機運転時における冷却水の温度変化を安定化させるうえでは、少なくとも可変絞り弁6aを備えた構成とすればよい。
また、図4に示すように、バイパス流路5の冷却水の流量を制御する可変絞り弁6b(第二制御弁)を設け、これらの可変絞り弁6a,6bの開度を同時にコントローラ9で制御する構成としてもよい。これは、実質的に上述の実施形態の構成と同一である。なお、可変絞り弁6a,6bと同様の機能を有するバルブであればその形式は任意であり、例えばボール弁やバタフライ弁,ポペット弁,スプール弁等を使用することが可能である。
また、上述の実施形態では、第一温度センサ7及び第二温度センサ8が第二流路4b上に介装されているが、各センサ7,8の配設位置はこれに限定されない。例えば、エンジン1内部,ラジエータ2内部の冷却水温度を検出する位置に各センサ7,8を配置してもよい。
なお、上述の実施形態における温度差ΔTと流量Qrとの関係や、エンジン回転数Neを用いた補正流量Qcの算定方法,補正流量Qcと三方弁6におけるラジエータ側の開度との関係等については、任意にその設定内容を変更してもよい。これらの設定内容は、本発明を適用する冷却回路の形状や特性,三方弁6のバルブ特性等に応じて適宜定められる。
本発明は、油圧ショベルをはじめとして、ブルドーザやホイールローダ,油圧式クレーン等様々な作業機械の製造産業全般に利用可能である。さらに、本発明は、水冷式エンジンの冷媒を熱交換器で冷却する冷却回路を備えた車両の製造産業全般に適用可能である。
1 エンジン
1a エンジン回転数センサ(エンジン回転数検出手段)
2 ラジエータ
3 ウォーターポンプ
4 流路
4a 第一流路
4b 第二流路
5 バイパス流路
6 三方弁(第一制御弁,第二制御弁)
6a 第一可変絞り弁(第一制御弁)
6b 第二可変絞り弁(第二制御弁)
7 第一温度センサ(第一温度検出手段)
8 第二温度センサ(第二温度検出手段)
9 コントローラ(制御手段)
9a 流量設定部
9b 補正部
9c 開度設定部
9d 開度制御部

Claims (4)

  1. 作業機械に搭載されたエンジン及びラジエータ間に冷却水を循環させる冷却回路と、
    該冷却回路において該ラジエータと並列に接続されたバイパス流路と、
    該ラジエータにおける該冷却水の第一温度を検出する第一温度検出手段と、
    該エンジンにおける該冷却水の第二温度を検出する第二温度検出手段と、
    該冷却回路上に介装され、該ラジエータからの該冷却水の還流量を制御する第一制御弁と、
    該バイパス流路上に介装され、該バイパス流路を流通する該冷却水の流量を制御する第二制御弁と、
    該第一温度検出手段で検出された該第一温度及び該第二温度検出手段で検出された該第二温度に基づいて、該第一制御弁及び該第二制御弁の開度を制御するとともに、該第一温度及び該第二温度の差が小さいほど、該第一制御弁を開放する制御手段と、を備え、
    該制御手段が、該エンジンの始動時から該第二温度が所定暖機温度に達するまでの間は該第一制御弁を閉鎖する
    ことを特徴とする、エンジン冷却回路の制御装置。
  2. 該制御手段が、該第一温度及び該第二温度の差が小さいほど、該第一制御弁を開放するとともに該第二制御弁を閉鎖する
    ことを特徴とする、請求項記載のエンジン冷却回路の制御装置。
  3. 該エンジンのエンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段をさらに備え、
    該制御手段が、該エンジン回転数検出手段で検出された該エンジン回転数が高いほど、該第一制御弁を閉鎖する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のエンジン冷却回路の制御装置。
  4. 該制御手段が、該エンジン回転数検出手段で検出された該エンジン回転数が所定値未満である場合に、該第一制御弁を開放する
    ことを特徴とする、請求項記載のエンジン冷却回路の制御装置。
JP2009162383A 2009-07-09 2009-07-09 エンジン冷却回路の制御装置 Expired - Fee Related JP5331600B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009162383A JP5331600B2 (ja) 2009-07-09 2009-07-09 エンジン冷却回路の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009162383A JP5331600B2 (ja) 2009-07-09 2009-07-09 エンジン冷却回路の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011017283A JP2011017283A (ja) 2011-01-27
JP5331600B2 true JP5331600B2 (ja) 2013-10-30

Family

ID=43595245

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009162383A Expired - Fee Related JP5331600B2 (ja) 2009-07-09 2009-07-09 エンジン冷却回路の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5331600B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004156490A (ja) * 2002-11-05 2004-06-03 Denso Corp 内燃機関の冷却制御装置
JP2004124798A (ja) * 2002-10-02 2004-04-22 Denso Corp 内燃機関の制御装置
JP2004293508A (ja) * 2003-03-28 2004-10-21 Mitsubishi Motors Corp 冷却水の流量制御装置
JP2006105106A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Aisan Ind Co Ltd エンジンの冷却装置
JP2007100659A (ja) * 2005-10-07 2007-04-19 Calsonic Kansei Corp エンジン冷却システム
JP4456162B2 (ja) * 2008-04-11 2010-04-28 株式会社山田製作所 エンジンの冷却装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011017283A (ja) 2011-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4883225B2 (ja) 車両の冷却装置
JP6265171B2 (ja) 車両の熱交換装置
JP6160646B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP5699839B2 (ja) エンジン冷却装置
JP6090138B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP6386411B2 (ja) 内燃機関の冷却システム及びその制御方法
JP6306529B2 (ja) 車両用内燃機関の冷却装置及び制御方法
KR101637779B1 (ko) 차량의 배기열 회수 장치 및 방법
JP5904227B2 (ja) エンジンの冷却装置
WO2014027238A1 (en) Coolant control device
WO2014192747A1 (ja) エンジンの制御装置及び制御方法
JP2011099400A (ja) 車両の冷却装置
JP6655220B2 (ja) 内燃機関の冷却装置及び冷却方法
JP2014025381A (ja) エンジン冷却装置
JP2013047473A (ja) エンジン冷却装置
JP5267654B2 (ja) エンジンの冷却装置
JP5331600B2 (ja) エンジン冷却回路の制御装置
US20200088086A1 (en) Engine cooling system
JP2012215141A (ja) エンジン冷却装置
KR20120050845A (ko) 자동차 엔진의 냉각수 순환회로
JP2012197729A (ja) エンジン
JP2011017296A (ja) 内燃機関の排気還流装置
JP6604540B2 (ja) エンジン冷却装置
JP2014145326A (ja) 内燃機関
GB2581479A (en) Engine cooling circuit and method of cooling an engine

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130716

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130729

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees