JP5331369B2 - 両面粘着層付き色補正フィルター - Google Patents
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さらに詳しくは、青色発光LEDと緑色および赤色発光の蛍光体で構成された三波長白色LEDをバックライト光源に用いた透過型液晶表示装置の、色再現性を向上させるための可視光波長選択吸収色素を含有する透明樹脂層と粘着剤層を備えた、両面粘着層付き色補正フィルターに関する。
(1)水銀を使用しており、環境対策上好ましくない。
(2)画像白黒表示のいずれの場合においても、冷陰極管は常時点灯したままであり、消費電力の損失が大きい。
(3)テレビジョンの薄型化要求に対して、冷陰極管を用いたバックライトが一定の容積を必要とするために限界に達している。
青色発光LEDの青色光と、青色光により黄色を発光する蛍光体との組み合わせにより擬似白色光を実現しているタイプは、緑色と赤色が分離できないために色純度がかなり悪く、好ましくない。
三波長白色LEDの発光スペクトルは、例えば図6に示すように、R、G、Bに3つのピークがあるものの、B、Gの中間部分(490nm付近;青緑光)や、G、Bの中間部分(590nm付近;黄色光)の発光強度の極小値が比較的高く、R、G、Bの三原色でフルカラーを表現するには不必要な発光を含んでいる。
カラー液晶ディスプレイは、バックライト光源からの光をR、G、Bに分離し、再度混合させることでフルカラーを実現しており、バックライト光源としては、R、G、Bそれぞれの成分のみに発光ピークがあることが望ましい。R、G、Bに分離する際には、バックライトからの光に各色のカラーフィルターを透過させて分離させているが、不必要な光を完全に吸収することはできない。特にB、Gの中間部分(青緑光)、G、Bの中間部分(黄色光)の光を吸収することは困難であり、色再現性を低下させる要因となっていた。
480nm〜510nmの間の波長領域に吸収極大値を有する色素を含有させることにより、この間に存在する青、および/または、緑の色純度を低下させる光を除去することが可能であり、570nm〜600nmの間の波長領域に吸収極大値を有する色素を含有させることにより、この間に存在する赤、および/または、緑の色純度を低下させる光を除去することが可能である。
上記の可視光波長選択吸収色素を具体的に例示すると、スクアリリウム系、シアニン系、テトラアザポルフィリン系の化合物等が挙げられる。
剥離処理された剥離フィルム5,6を構成する材料は、特に制限されないが好ましくは可視領域で透明であり、またフレキシブル性を有するものである。より好ましくは耐熱性の良好な樹脂からなるプラスチックフィルムである。
そのようなプラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等からなる厚さが10〜600μmの単層または複合フィルムが挙げられる。
粘着剤層3,4を構成する粘着剤としては、可視領域で透明であれば(すなわち、十分な透過率を有すれば)特に限定されない。この粘着剤としては、透明性の観点からは、アクリル系共重合体が好適に用いられる。例えば、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤等いずれのものでもよいが、中でもアクリル系粘着剤が特に好ましい。これにより、透明性に優れ、粘着剤層3,4の耐候性を良好に維持することができる。
このような粘着剤成分の1つとして挙げられるアクリル系粘着剤としては、粘着性を与える低Tgの主モノマー、接着性や凝集力を与える高Tgのコモノマー、架橋や接着性改良のための官能基含有モノマー(モノエチレン性不飽和モノマー)等から成るものが用いられる。
官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、アリルアルコール等のヒドロキシル基含有モノマー、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の三級アミノ基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有モノマー、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−オクチルアクリルアミド等のN−置換アミド基含有モノマー、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モノマーが挙げられる。
粘着剤成分の重量平均分子量は、30万〜300万が好ましく、50万〜200万がより好ましい。粘着剤成分の分子量が小さ過ぎると、粘着剤の粘着力や凝集力が劣り、耐ブリスター性が十分に得られず、分子量が大き過ぎると粘着剤が硬くなり、粘着性が不十分となって貼着の作業性が悪くなる。
また、粘着剤成分のガラス転移点(Tg)は、−20℃以下であるのが好ましい。ガラス転移点が−20℃を超える場合、使用温度によっては粘着剤が硬くなり、粘着性を維持できなくなることがある。
粘着剤層に含まれる硬化性成分は、特に限定されないがエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性を有するもの、または後述する放射線硬化性を有するもの等が挙げられるが、特に放射線硬化性を有するものが好ましい。これにより、硬化性成分を常温や低温下で、かつ非常に短時間で硬化を進行させることができ取扱性に優れる。
このような放射線硬化性成分としては、特に限定されないが、例えばアクリル系モノマーまたはオリゴマーを有するものが好ましい。これにより耐候性の優れた粘着剤層を形成することができる。
このような放射線硬化性のアクリル系モノマーまたは/およびオリゴマーとしては、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられ、これらを1種または2種以上を混合して用いてもよい。
さらに、上記アクリル系モノマーまたはオリゴマーは、アクリロイル基を有する反応性モノマーまたはオリゴマーを含むものが好ましく、1分子中にアクリロイル基を2個以上有するものがより好ましい。1分子中にアクリロイル基を2個以上含むことにより、網目構造の形成が十分に行われ、粘着剤の凝集性がさらに向上し、良好な粘着剤層が得られる。
硬化性成分は粘着剤成分とブレンドする場合、粘着剤成分との相溶性が良いものが好ましい。その他、硬化性成分を粘着剤成分の主ポリマーとの共重合体として用いることも可能である。
また、放射線硬化性成分を紫外線照射等により硬化させる場合、重合開始剤を添加してもよく、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、o−ベンゾイル安息香酸メチル−p−ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン等のベンゾイン類、ジメチルベンジルケタール、トリクロルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のアセトフェノン類、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−4’−イソプロピル−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン類、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、p−クロルベンゾフェノン、p−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、2−クロルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類、ベンジル、ジベンゾスベロン、α−アシルオキシムエステル等が挙げられる。
一方、上記放射線硬化性成分を電子線照射により硬化させる場合には、前記重合開始剤の添加は不要であるが、この場合、酸素の存在により硬化反応が著しく阻害されるため、窒素等の不活性ガス雰囲気下で行う必要がある。あるいは、透明樹脂からなる剥離フィルムを貼着した状態で行うのが好ましい。
なお、以上のような重合開始剤および重合促進剤は、保存時の安定性を向上するために、マイクロカプセル化して添加することもできる。
さらに、必要に応じて他の添加剤として、例えば、粘着付与剤、軟化剤(可塑剤)、充填剤、老化防止剤、シランカップリング剤等の各種添加剤を添加することができる。
粘着付与剤としては、例えば、ロジンおよびその誘導体、ポリテルペン、テルペンフェノール樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂、スチレン樹脂、キシレン樹脂が挙げられる。
軟化剤としては、例えば、液状ポリエーテル、グリコールエステル、液状ポリテルペン、液状ポリアクリレート、フタル酸エステル、トリメリット酸エステル等が挙げられる。
粘着剤層3,4の厚さ(乾燥膜厚さ)は、特に限定されないが、5〜100μm程度、特に10〜60μm程度とするのが好ましい。
可視光波長選択吸収色素2aを含有する透明樹脂層2と粘着剤層3,4とを分離することにより、粘着材に添加できなかった色素も使用することが可能となる。すなわちシアニン色素の様に吸光係数の大きい特徴を有するが、粘着材と反応して劣化してしまうために使用できなかった色素が使用可能となるといった利点が現れる。
可視光波長選択線吸収色素を含有する透明樹脂層は、透明樹脂からなるバインダーに可視光波長選択線吸収色素を分散して形成することができる。本色素のバインダーとして用いる透明な高分子樹脂としては、共重合ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、アモルファスポリオレフィン、ポリイソシアネート、ポリアリレート、トリアセチルセルロース等の公知の透明プラスチックを用いることができる。
上記バインダーのガラス転移温度(Tg)は−20〜160℃であることが好ましい。これにより、バインダー樹脂自体の耐候性が向上することになり、可視光波長選択線吸収色素を含有する透明樹脂層の波長選択線吸収性能が持続すると共に、可視光波長選択線吸収色素を含有する透明樹脂層の耐候性や物性がより向上することとなる。好ましくは、40〜130℃であり、より好ましくは、70〜110℃である。
色素の耐久性を向上するためにクエンチャーや酸化防止剤を配合することもできる。
このようなクエンチャーとしては、金属錯体系の材料が挙げられ、例えば、みどり化学社製の商品名「MIR101」、住友精化社製の商品名「EST5」等が挙げられる。
可視光波長選択線吸収色素を含有する透明樹脂層を塗布する方法としては、例えば、浸漬、吹き付け、刷毛塗り、カーテンフローコート、グラビアコート、ロールコート、スピンコート、ブレードコート、バーコート、リバースコート、ダイコート、スプレーコート、静電塗装等の方法が挙げられる。これらの場合には、可視光波長選択線吸収色素を含有する透明樹脂組成物に上述した有機溶剤を適宜混合させて塗布することができる。
上記可視光波長選択線吸収色素を含有する透明樹脂層の厚さとしては、使用用途等により適宜設定すればよく特に限定されるものではない。例えば、乾燥時の厚さを1〜50μm、好ましくは、1〜20μmである。
使用する粒子としては、十分な光の拡散性が得られれば特に限定するものではないが、ベースとなる粘着材の屈折率と異なる屈折率を有する材質の粒子を好ましく用いることができる。具体的に例示すると、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂等の有機系の粒子、各種ガラス、シリカ、二酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、炭酸カルシウム等の無機系の粒子を制限なく用いることができる。中でも、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂を好ましく用いることができる。ベースとなる粘着材と粒子との屈折率の差としては、その絶対値が0より大きければ特に限定するものではないが、光の拡散性の観点から、好ましくは、0.02〜0.5である。さらに好ましくは、0.05〜0.2である。屈折率差の絶対値が0.02より小さい場合、光は十分に拡散することができず、0.5より大きい場合は、光拡散層内での内部拡散が増加し、光線透過率が低くなる。また、使用する粒子は、単独、または、2種類以上の材質を同時に使用しても構わない。さらに、光学特性の観点から、使用する粒子は、透明、または、白色の粒子であることが好ましい。また、均一な拡散性の観点から、粒子は球状であることが好ましい。
使用する粒子は、拡散性を実現できれば特に制限するものではないが、一般的に光の拡散性の観点から、粒度分布をある程度有することが好ましく、また、異なる屈折率を有する粒子を同時に使用することが好ましい。
なお、本発明の可視光波長選択吸収色素を含有する透明樹脂層と粘着剤層を備える両面粘着層付き色補正フィルターの作製方法はこれに限定されるものではない。
例えば図3に示すように、可視光波長選択吸収色素2aを含有する透明樹脂層2の片側に、粘着剤層3を介して拡散フィルム11を貼合し、反対側に、粘着剤層4を介してプリズムシート12を貼合することができる。
この構成例では、バックライト光源20は、青色発光LEDと緑色および赤色発光の蛍光体で構成された三波長白色LED21を複数、基板22上に配置してなるものである。三波長白色LED21は、LEDが発光する青色光と、青色光により励起される蛍光体発光(緑色発光と赤色発光)との組み合わせにより混色させて白色光を実現している。蛍光体は、青色光により緑色および赤色を発光する蛍光体を用いる他、青色光により緑色を発光する蛍光体と青色光により赤色を発光する蛍光体を併用するのでも良い。
なお、バックライト光源から面状の発光を得る構成としては、LED21を二次元的に配置し、拡散フィルム24を通じて面内の光強度を均一化する構成の他、導光板の側部に一次元的にLEDを配置し、LEDの発光を導光板内部で反射もしくは散乱させて面状に出射させる構成も採用可能である。
液晶層29よりバックライト光源20側に偏光板27を配置し、バックライト光源20から発せられた光が液晶層29に達する前に偏光板27を通過することで、液晶層29に所定の偏光成分のみが入射される。偏光板27には吸収型、反射型のいずれも用いることができる。反射型偏光板であれば、通過させる偏光成分と異なる偏光成分を光源20側に反射させ、バックライトユニット内における反射や散乱を経て光の振動方向が変化してから再び偏光板27に入射することにより、偏光板27を通過する偏光成分の割合を増加し、透過型液晶表示装置の輝度を向上することができる。
なお、本発明において光学部材とは、透過型液晶表示装置の中でバックライト光源20から発せられた光が通過する、任意の部材を意味する。例えば、図4および図5の構成例では、拡散フィルム24、プリズムシート25、輝度向上フィルム26、偏光板27、およびガラス基板28はいずれも光学部材である。このうちバックライト光源20と偏光板27との間にある光学部材としては、拡散フィルム24、プリズムシート25、および輝度向上フィルム26がある。
図5に示す構成の場合、両面粘着層付き色補正フィルターFがプリズムシート25と輝度向上フィルム26との間に組み込まれている。
具体的に例示すると、青色発光LEDと緑色および赤色発光の蛍光体で構成された三波長白色LED21をバックライト光源20に用いた透過型液晶表示装置においては、紫外線カット能を有した拡散フィルム24(または導光板)とともに、本発明の可視光波長選択吸収色素を含有する透明樹脂層と粘着剤層を備える両面粘着層付き色補正フィルターFを使用することが好ましい形態の1つとなる。
Claims (2)
- 青色発光LEDと緑色および赤色発光の蛍光体で構成された三波長白色LEDをバックライト光源に用いた透過型液晶表示装置に適用される、両面粘着層付き色補正フィルターであって、
シアニン系化合物、スクアリリウム系化合物、テトラアザポルフィリン系化合物の中から選択された1種類以上の、可視光波長選択吸収色素を含有する透明樹脂層の両面に、粘着剤層と剥離処理された剥離フィルムとを順に積層してなり、
前記可視光波長選択吸収色素は、480nm〜510nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有し、吸収半値幅が100nm以下である色素、および570nm〜600nmの間の波長領域に選択的な吸収極大値を有し、吸収半値幅が100nm以下である色素であり、
前記バックライト光源と、液晶層より前記バックライト光源側に配置された偏光板との間にある光学部材同士を貼合するために、前記剥離フィルムを剥がして表出した粘着剤層を介して前記光学部材の間に貼合され、青色発光LEDと緑色および赤色発光の蛍光体で構成された三波長白色LEDをバックライト光源に用いた透過型液晶表示装置中に組み込まれる、両面粘着層付き色補正フィルター。 - 前記透明樹脂層は、透明樹脂からなるバインダーのガラス転移温度(Tg)が−20〜160℃であることを特徴とする請求項1に記載の両面粘着層付き色補正フィルター。
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JP2009251511A (ja) | 2009-10-29 |
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