JP5330085B2 - 建物の吸音構造 - Google Patents

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本発明は、吸音スペースを有する建物の吸音構造に関する。
従来、住宅等の建物においては、子供が飛び跳ねたり、物を落下させたりした場合に発生する衝撃音を、床または天井等の振動を制振装置等によって制振するなどして抑制し、上下階方向の騒音を防止することが行われていた。
一方、部屋の出入口の外部から部屋内に向かって騒音が発せられる場合は、出入口に、特許文献1に記載のように高い防音性能を有するドアを取り付けるなどして騒音を防止することが行われていた。
特開2002−089142号公報
ところが、防音ドアによる防音だけでは、ドアを開放している場合や、出入口にドアを取り付けない要望があった場合に対応することができないという問題がある。
そこで、このような防音ドアを出入口に設けなくても、出入口の外部からの騒音を確実に抑えることができる技術の開発が望まれていた。
本発明の課題は、部屋空間の静粛性を確保でき、快適な居住環境を形成することが可能な建物の吸音構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、例えば図1〜図4に示すように、主出入口1に対向し、かつ該主出入口1から所定間隔離間して吸音手段2が配置されており、
これら主出入口1と吸音手段2との間が平面視略四角形状の吸音スペース3とされており、
この吸音スペース3は、この吸音スペースの両側部のうちの少なくとも一方側に形成される開口部11a,12aを備えており、
この開口部11a,12aは、前記吸音スペース3と、該吸音スペース3に隣接配置される部屋空間10とを連通する部屋出入口11a,12aとされ
前記部屋空間10は、一方の前記部屋出入口11a側に配置される第1部屋11と、この第1部屋11に隣接配置されるとともに、他方の前記部屋出入口12a側に配置される第2部屋12とを備えており、
これら第1部屋11と第2部屋12とは間仕切壁14によって仕切られており、
この間仕切壁14には、前記第1部屋11と第2部屋12とを連通する開口部14aが形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、主出入口1に対向し、かつ該主出入口1から所定間隔離間して吸音手段2が配置されており、これら主出入口1と吸音手段2との間が平面視略四角形状の吸音スペース3とされているので、前記主出入口1から吸音スペース3へと入ってくる騒音は、まず、前記主出入口1に対向する前記吸音手段2によって吸音されることになる。
そして、前記吸音スペース3は、この吸音スペースの両側部のうちの少なくとも一方側に形成される開口部11a,12aを備えており、この開口部11a,12aは、前記吸音スペース3と、該吸音スペース3に隣接配置される部屋空間10とを連通する部屋出入口11a,12aとされていることから、前記吸音スペース3内に入ってくる騒音は、前記吸音スペース3から、より開けた空間である部屋空間10へと到達することになるので、前記吸音スペース3内で反響しにくくなり、前記吸音スペース3内に入ってくる騒音は確実に弱められることになる。
また、人が前記主出入口1から吸音スペース3を通過して前記部屋空間10へと進む際は、前記主出入口1に入り、吸音スペース3内で直角に曲がってから部屋空間10へと進むことになる。したがって、前記部屋空間10に向かって進む人に対して、前記主出入口1の外部からの騒音が聞こえにくくなる。
これによって、例えば前記主出入口1に防音性能を有するドア等を設けなくても、前記主出入口1からの騒音を確実に抑えることができるので、前記部屋空間10の静粛性を確保でき、快適な居住環境を形成することが可能となる。
また、前記部屋空間10は、一方の前記部屋出入口11a側に配置される第1部屋11と、この第1部屋11に隣接配置されるとともに、他方の前記部屋出入口12a側に配置される第2部屋12とを備えていることから、前記吸音スペース3内に入ってくる騒音は、前記吸音スペース3から、より開けた空間である第1部屋11および第2部屋12へと到達することになるので、前記吸音スペース3内で、より反響しにくくなり、前記吸音スペース3内に入ってくる騒音は、より確実に弱められることになる。
さらに、前記間仕切壁14には、前記第1部屋11と第2部屋12とを連通する開口部14aが形成されていることから、この開口部14aを通じて、前記第1部屋11に到達する低音域の音を前記第2部屋12へと逃がすことができるので、特に前記第1部屋11における低音域の騒音を軽減することができる。すなわち、低音域の音は、中高音域の音に比して波長が長く、障害物の裏側に回りこむ性質を備えており、中高音域の音に比べて、前記主出入口1から前記第1部屋11へと回りこみやすくなっているため、前記間仕切壁14には、前記第1部屋11と第2部屋12とを連通する開口部14aが形成されていることで、これを確実に防ぐことができる。
また、前記開口部14aによって、前記第1部屋11と第2部屋12との間で空気を流通させることができるので、前記部屋空間10内における通気性を向上させることができる。
請求項2に記載の発明は、例えば図2に示すように、請求項1に記載の建物の吸音構造において、
前記吸音スペース3の床3aと天井3bとのうち、少なくとも一方に吸音手段4,5が設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、前記吸音スペース3の床3aと天井3bとのうち、少なくとも一方に吸音手段4,5が設けられているので、前記吸音スペース3内に入ってくる騒音は、前記吸音手段2とともに前記吸音手段4,5によって吸音されることになる。
請求項に記載の発明は、例えば図4に示すように、請求項1または2に記載の建物の吸音構造において、
前記部屋空間10は、前記第1部屋11に隣接配置されるとともに、前記一方の部屋出入口11aと対向する部屋出入口13aを有する第3部屋13を備えており、
この第3部屋13と前記第1部屋11とは間仕切壁15によって仕切られており、
この間仕切壁15には、前記第1部屋11と第3部屋13とを連通する開口部15aが形成されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、前記部屋空間10は、前記第1部屋11に隣接配置されるとともに、前記一方の部屋出入口11aと対向する部屋出入口13aを有する第3部屋13を備えていることから、前記部屋出入口11aから入ってくる騒音は、前記第1部屋11の空間を介して前記部屋出入口13aへと到達することになるので、前記部屋出入口11aから入ってくる騒音は、前記第1部屋11側と第3部屋13側へと分散し、さらに確実に弱められることになる。
さらに、前記間仕切壁15には、前記第1部屋11と第2部屋13とを連通する開口部15aが形成されていることから、この開口部15aを通じて、前記第1部屋11に到達する低音域の音を前記第3部屋13へと逃がすことができるので、特に前記第1部屋11における低音域の騒音を、より軽減することができる。
また、前記開口部15aによって、前記第1部屋11と第3部屋13との間で空気を流通させることができるので、前記部屋空間10内における通気性を、より向上させることができる。
請求項に記載の発明は、例えば図4に示すように、請求項に記載の建物の吸音構造において、
前記間仕切壁14,15を含む前記第1部屋11を形成する壁のうち、互いに対向する壁の少なくとも一方の壁の部屋側壁面に吸音手段6が設けられていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、前記間仕切壁14,15を含む前記第1部屋11を形成する壁のうち、互いに対向する壁の少なくとも一方の壁の部屋側壁面に吸音手段6が設けられているので、前記第1部屋11内に入ってくる騒音は、前記吸音手段6によって吸音されるとともに、前記第1部屋11内で反響しにくくなる。
請求項に記載の発明は、例えば図1,図3,図4に示すように、請求項1〜のいずれか一項に記載の建物の吸音構造において、
前記主出入口1は、前記部屋空間10とは異なる他の部屋や廊下20等の屋内空間に臨んで配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、前記主出入口1は、前記部屋空間10とは異なる他の部屋や廊下20等の屋内空間に臨んで配置されているので、前記部屋空間10とは異なる他の部屋や廊下20等の屋内空間で発生する騒音を、前記吸音スペース3で確実に吸音することができ、前記部屋空間10の静粛性を確保することができる。すなわち、前記吸音スペース3は、例えば隣り合う部屋と部屋との間や、部屋と廊下20との間などに設けられる緩衝帯となるように構成される。
請求項に記載の発明は、例えば図1および図3に示すように、請求項1〜のいずれか一項に記載の建物の吸音構造において、前記主出入口1は、屋外に臨んで配置されていることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、前記主出入口1は、屋外に臨んで配置されているので、屋外で発生する騒音を、前記吸音スペース3で確実に吸音することができ、前記部屋空間10の静粛性を確保することができる。すなわち、前記主出入口1は、例えば玄関出入口等の屋外に面する出入口であり、前記吸音スペース3は玄関等となるように構成されることになる。
本発明によれば、主出入口に対向し、かつ該主出入口から所定間隔離間して吸音手段が配置されており、さらに、これら主出入口と吸音手段との間が吸音スペースとされているので、主出入口から吸音スペースへと入ってくる騒音は、まず、主出入口に対向する吸音手段によって吸音されることになる。
そして、吸音スペースは、この吸音スペースの両側部のうちの少なくとも一方側に形成される開口部を備えており、この開口部は、吸音スペースと、該吸音スペースに隣接配置される部屋空間とを連通する部屋出入口とされていることから、吸音スペース内に入ってくる騒音は、吸音スペースから、より開けた空間である部屋空間へと到達することになるので、吸音スペース内で反響しにくくなり、吸音スペース内に入ってくる騒音は確実に弱められることになる。
また、人が主出入口から吸音スペースを通過して部屋空間へと進む際は、主出入口に入り、吸音スペース内で直角に曲がってから部屋空間へと進むことになる。したがって、部屋空間に向かって進む人に対して、主出入口の外部からの騒音が聞こえにくくなる。
これによって、例えば主出入口に防音性能を有するドア等を設けなくても、主出入口からの騒音を確実に抑えることができるので、部屋空間の静粛性を確保でき、快適な居住環境を形成することが可能となる。
本発明の建物の吸音構造を示す概略平面図である。 同、概略断面図である。 同、概略斜視図である。 本発明の実施の形態に係る建物の所定階を示す平面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る建物の吸音構造の一例を示す概略平面図である。
図1において符号1は主出入口を示しており、符号2は吸音手段を示しており、符号3は吸音スペースを示している。
前記吸音手段2は、前記主出入口1に対向し、かつ所定間隔離間して配置されており、さらに、これら主出入口1と吸音手段2との間が平面視略四角形状の吸音スペース3とされている。
また、この吸音スペース3は、部屋空間10に隣接して配置されている。
また、この吸音スペース3は、図1(a)〜図3に示すように、この吸音スペースの両側部の双方に形成される開口部11a,12aを備えている。そして、これら開口部11a,12aは、前記吸音スペース3と前記部屋空間10とを連通する部屋出入口11a,12aとされている。
なお、本実施の形態において、前記開口部11a,12aは、前記吸音スペースの両側部の双方に形成されるものとしたが、図1(b)に示すように、前記吸音スペースの両側部のうちの一方側に形成されるものとしてもよい。
続いて、本実施の形態の建物の吸音構造における各部の構成について説明する。
前記吸音スペース3は、図1(a)に示すように、平面視において略四角形状に形成されている。略四角形状に形成されたスペースの一辺側に前記主出入口1が設けられており、この主出入口1が設けられた位置と対向する一辺側に前記吸音手段3が設けられている。また、図1(a)〜図3に示すように、これら主出入口1および吸音手段3が設けられた互いに対向する二辺とは異なる他の二辺に、前記開口部11a,12aがそれぞれ設けられている。
すなわち、前記吸音スペース3は、前記主出入口1と吸音手段3と開口部11a,12aとによって四方を囲まれた状態となっている。
また、この吸音スペース3には、図2に示すように、床3aと天井3bとのうち、少なくとも一方に吸音手段4,5が設けられている。
本実施の形態においては、床3aと天井3bとの双方に吸音手段4,5がそれぞれ設けられているものとする。
さらに、本実施の形態の吸音スペース3は、図1(a)および図3に示すように、前記部屋空間10を形成する壁の内側に配置されて、この部屋空間10の一部として設けられるように構成されている。
ただし、これに限られるものではなく、前記部屋空間10を形成する壁の外部に配置して、前記部屋空間10の一部として設けられないように構成してもよいものとする。
前記主出入口1は、前記部屋空間10を形成する壁に形成された開口部分を指しており、この開口部分には、図示はしないが、この開口部分を開閉する扉を設けてもよいものとする。
また、前記吸音スペース3を、上述のように前記部屋空間10を形成する壁の外部に配置して、前記部屋空間10の一部として設けられないように構成する場合は、図示はしないが、前記主出入口1は、前記部屋空間10を形成する壁に形成されたものではなく、前記吸音スペース3を形成する壁に形成されるものである。
また、この主出入口1は、本実施の形態においては前記部屋空間10とは異なる他の部屋や、後述する廊下20等の屋内空間に臨んで配置されている。すなわち、この吸音スペース3は、例えば隣り合う部屋と部屋との間や、部屋と廊下20との間などに設けられる緩衝帯となる。
なお、これに限られず、前記主出入口1は、屋外に臨んで配置されていてもよいものとする。すなわち、この場合の主出入口1は、例えば玄関出入口の屋外に面する出入口となり、前記吸音スペース3は玄関となる。ただし、玄関に限られず、いわゆる裏口や勝手口等でもよい。
前記吸音手段2は、例えば吸音材であり、アルミニウム等の金属繊維,岩石を原料とするロックウール(岩綿)・高炉スラグを原料とするスラグウール(鉱さい綿)・ガラス繊維を原料とするグラスウールなどの無機質繊維,綿や麻などの植物繊維や羽毛や獣毛などの動物繊維等の有機質繊維(以下繊維類と呼ぶ)が使用される。
この繊維類を、綿状・ボード(パネル)状・布状に成形して繊維と繊維の間に複雑に連続した多くの隙間や気泡を有する部材とすることで吸音性能を発揮することができる。
また、ポリウレタンなどの高分子物質を発泡させた発泡樹脂材料(ポリウレタンフォーム)を使用してもよい。
なお、本実施の形態の吸音手段2としては、ポリウレタンフォームを吸音材本体とし、この吸音材本体の表面を張地によって化粧したパネル状の吸音材が用いられている。
吸音材本体として用いるポリウレタンフォームは多孔質体であり、微小な孔部分の空気の摩擦によって音エネルギーを熱エネルギーに変換することで吸音効果を発揮できるようになっている。特に、中高音域の音の吸音性に優れ、厚さを増加することで低音域の音の吸音性も向上できるようになっている。
そして、本実施の形態においては、図1(a)および図3に示すように、このようなパネル状の吸音材2が、前記主出入口1に対向して設けられている。すなわち、例えば、前記部屋空間10の床に吸音材取付用の壁を立設し、この壁面に取り付けるなどして設けられているものとする。
また、このようなパネル状の吸音材2に限られず、例えばカーテン状の吸音材を前記部屋空間10の天井付近から吊り下げるなどして吸音手段とする方法も一例として挙げることができる。
前記吸音スペース3の床3aおよび天井3bに設けられる吸音手段4,5も、前記吸音手段2と同じく、吸音材が用いられている。
前記床3aに設けられる吸音材4は、図2に示すように、綿や麻などの植物繊維や羽毛や獣毛などの動物繊維等の有機質繊維によって成形されたカーペットである。したがって、前記吸音スペース3の床3aだけではなく、この床3aと連続する床面(例えば部屋空間10の床面)にわたって敷設されるようにしてもよい。
前記天井3bに設けられる吸音材5としては、前記吸音材2と同様にパネル状の吸音材が用いられているものとする。
前記開口部11a,12aは、図1(a)および図3に示すように、前記主出入口1付近の壁と、前記パネル状の吸音材2の両側縁部との間の部分を指しており、前記吸音スペース3から、前記部屋空間10に向かって開放された構成となっている。
したがって、前記開口部11a,12aの両側縁部は、前記主出入口1が形成される壁の該主出入口1付近の部分と吸音材2の両側縁部とによって規定されることになる。
また、これら開口部11a,12aの下縁部は、前記吸音スペース3が配置される場所の床に規定されるものであり、本実施の形態においては、前記部屋空間10の床である。
また、これら開口部11a,12aの上縁部は、前記主出入口1が形成される壁の該主出入口1の周縁付近の部分と、前記吸音材2の上端縁部とによって規定されるものであるか、前記吸音スペース3が配置される場所の天井に規定されるものである。なお、本実施の形態においては、前記部屋空間10の天井によって規定されているものとする。
すなわち、本実施の形態の開口部11aは、前記主出入口1が形成される壁の該主出入口1付近の部分と吸音材2の一側縁部と、前記部屋空間10の床および天井とによって囲まれた部分を指しており、開口部12aは、前記主出入口1が形成される壁の該主出入口1付近の部分と吸音材2の他側縁部と、前記部屋空間10の床および天井とによって囲まれた部分を指している。
(実施例)
次に、本実施の形態の建物の吸音構造を採用した実施例について説明する。
図4は本発明の実施の形態に係る建物の所定階を示す平面図である。
この建物の所定階には前記吸音スペース3と、前記部屋空間10とが設けられている。
そして、前記吸音スペース3は、前記主出入口1が、前記所定階の中央に配置された廊下20に臨む位置に設けられている。すなわち、前記廊下20の長さ方向の一端部側に前記主出入口1が配置されている。
また、前記部屋空間10は、前記部屋空間10は、前記吸音スペース3の部屋出入口11a側に配置される第1部屋11と、この第1部屋11に隣接配置されるとともに、前記部屋出入口12a側に配置される第2部屋12と、前記第1部屋11に隣接配置されるとともに、前記一方の部屋出入口11aと対向する部屋出入口13aを有する第3部屋13を備えている。
前記第1部屋11は、前記第2部屋12と第3部屋13とに挟まれるようにして配置されており、前記吸音スペース3に隣接配置されている。なお、この第1部屋11は、例えば主寝室として利用されている。
また、本実施例において、前記吸音スペース3は、平面視台形状に形成されており、前記第1部屋11は、平面視略L字状に形成されている。そして、略L字状に形成された第1部屋11の入隅部分に前記吸音スペース3が配置されており、これら吸音スペース3と第1部屋11とを組み合わせることによって、平面視矩形状に形成されている。
なお、本実施例において前記吸音スペース3は、前記第1部屋11を形成する壁の内側に配置されて、この第1部屋11の一部として設けられることによって、前記第1部屋11に隣接配置された構成となっている。したがって、前記主出入口1は、前記第1部屋11を形成する壁に形成されており、前記吸音材2は、前記第1部屋11の床に立設されるとともに前記主出入口1が形成された壁に対向するようにして配置された袖壁11bの吸音スペース3側壁面に取り付けられている。
また、前記第2部屋12および第3部屋13は平面視矩形状に形成されている。
前記第2部屋12は、その一側辺が前記吸音スペース3と第1部屋11とに当接するようにして、これら吸音スペース3および第1部屋11に隣接配置されている。また、この第2部屋12は、例えばクローゼットとして利用されている。
また、前記第3部屋13は、その一側辺が前記第1部屋11に当接するようにして前記第1部屋11に隣接配置されている。また、この第3部屋13は、例えば書斎として利用されている。
前記第1部屋1への部屋出入口11aである開口部11aは、図4中の二点鎖線で示すように、前記主出入口1が形成される壁の該主出入口1付近の部分と前記吸音材2の一側縁部との間に、平面視において前記吸音材2の幅方向に対して所定の角度で傾斜するようにして設けられている。
また、前記第2部屋12への部屋出入口12aである開口部12aは、前記第1部屋11を形成するとともに袖壁11dの端部が当接する壁(間仕切壁14)に形成されている。つまり、前記主出入口1が形成される壁の該主出入口1付近の部分と前記吸音材2の他側縁部との間に設けられている。なお、この部屋出入口12aには、この部屋出入口12aである開口部12aを開閉する引き戸12bが設けられている。
さらに、これら開口部11a,12aは、前記第1部屋11の床と天井と間に設けられている。
また、前記第1部屋11と第2部屋12とは間仕切壁14によって仕切られており、この間仕切壁14には、前記第1部屋11と第2部屋12とを連通する開口部14aが形成されている。
したがって、この開口部14aを通じて、前記第1部屋11に到達する低音域の音を前記第2部屋12へと逃がすことができる。すなわち、低音域の音は、中高音域の音に比して波長が長く、障害物の裏側に回りこむ性質を備えており、中高音域の音に比べて、前記主出入口1から前記第1部屋11へと回りこみやすくなっているため、前記間仕切壁14には、前記第1部屋11と第2部屋12とを連通する開口部14aが形成されていることで、これを確実に防ぐことができる。
また、この開口部14aは、前記第1部屋11と第2部屋12との間で空気を流通させる通気孔としても利用することができる。
また、第3部屋13と前記第1部屋11とは間仕切壁15によって仕切られており、この間仕切壁15には、前記第1部屋11と第3部屋13とを連通する開口部15aが形成されている。
したがって、この開口部15aを通じて、前記第1部屋11に到達する低音域の音を前記第3部屋13へと逃がすことができる。
また、前記開口部15aも前記開口部14と同様に、前記第1部屋11と第3部屋13との間で空気を流通させる通気孔として利用することができる。
さらに、前記間仕切壁14,15を含む前記第1部屋11を形成する壁のうち、互いに対向する壁の少なくとも一方の壁の部屋側壁面に吸音手段6が設けられている。なお、この吸音手段6も、前記吸音手段2と同様に吸音材が用いられている。
すなわち、前記吸音手段6は、前記主出入口1が形成された壁と、前記袖壁11bの前記吸音スペース3側とは反対の壁面と、この壁面と直交する壁面11cと、この壁面11cと直交する壁面11dと、前記袖壁11bの同一直線上に設けられる袖壁11bの壁面11eとに設けられている。
なお、前記吸音手段6は、前記第1部屋11に対して、より多く設けてもよいし、より少なく設けてもよい。また、前記第1部屋11だけでなく、前記第2部屋12や第3部屋13にも設けてもよいものとする。
本実施の形態によれば、前記主出入口1に対向し、かつ該主出入口1から所定間隔離間して吸音手段2が配置されており、これら主出入口1と吸音手段2との間が平面視略四角形状の吸音スペース3とされているので、前記主出入口1から吸音スペース3へと入ってくる騒音は、まず、前記主出入口1に対向する前記吸音手段2によって吸音されることになる。
そして、前記吸音スペース3は、この吸音スペースの両側部の双方に形成される開口部11a,12aを備えており、この開口部11a,12aは、前記吸音スペース3と、該吸音スペース3に隣接配置される部屋空間10とを連通する部屋出入口11a,12aとされていることから、前記吸音スペース3内に入ってくる騒音は、前記吸音スペース3から、より開けた空間である部屋空間10へと到達することになるので、前記吸音スペース3内で反響しにくくなり、前記吸音スペース3内に入ってくる騒音は確実に弱められることになる。
また、人が前記主出入口1から吸音スペース3を通過して前記部屋空間10へと進む際は、前記主出入口1に入り、吸音スペース3内で直角に曲がってから部屋空間10へと進むことになる。したがって、前記部屋空間10に向かって進む人に対して、前記主出入口1の外部からの騒音が聞こえにくくなる。
これによって、例えば前記主出入口1に防音性能を有するドア等を設けなくても、前記主出入口1からの騒音を確実に抑えることができるので、前記部屋空間10の静粛性を確保でき、快適な居住環境を形成することが可能となる。
また、前記吸音スペース3の床3aと天井3bとのうち、少なくとも一方に吸音手段4,5が設けられているので、前記吸音スペース3内に入ってくる騒音は、前記吸音手段2とともに前記吸音手段4,5によって吸音されることになる。
また、前記部屋空間10は、一方の前記部屋出入口11a側に配置される第1部屋11と、この第1部屋11に隣接配置されるとともに、他方の前記部屋出入口12a側に配置される第2部屋12とを備えていることから、前記吸音スペース3内に入ってくる騒音は、前記吸音スペース3から、より開けた空間である第1部屋11および第2部屋12へと到達することになるので、前記吸音スペース3内で、より反響しにくくなり、前記吸音スペース3内に入ってくる騒音は、より確実に弱められることになる。
さらに、前記間仕切壁14には、前記第1部屋11と第2部屋12とを連通する開口部14aが形成されていることから、この開口部14aを通じて、前記第1部屋11に到達する低音域の音を前記第2部屋12へと逃がすことができるので、特に前記第1部屋11における低音域の騒音を軽減することができる。
また、前記開口部14aによって、前記第1部屋11と第2部屋12との間で空気を流通させることができるので、前記部屋空間10内における通気性を向上させることができる。
また、前記部屋空間10は、前記第1部屋11に隣接配置されるとともに、前記一方の部屋出入口11aと対向する部屋出入口13aを有する第3部屋13を備えていることから、前記部屋出入口11aから入ってくる騒音は、前記第1部屋11の空間を介して前記部屋出入口13aへと到達することになるので、前記部屋出入口11aから入ってくる騒音は、前記第1部屋11側と第3部屋13側へと分散し、さらに確実に弱められることになる。
さらに、前記間仕切壁15には、前記第1部屋11と第2部屋13とを連通する開口部15aが形成されていることから、この開口部15aを通じて、前記第1部屋11に到達する低音域の音を前記第3部屋13へと逃がすことができるので、特に前記第1部屋11における低音域の騒音を、より軽減することができる。なお、この間仕切壁15には前記部屋出入口13aも形成されている。
また、前記開口部15aによって、前記第1部屋11と第3部屋13との間で空気を流通させることができるので、前記部屋空間10内における通気性を、より向上させることができる。
また、前記間仕切壁14,15を含む前記第1部屋11を形成する壁のうち、互いに対向する壁の少なくとも一方の壁の部屋側壁面に吸音手段6が設けられているので、前記第1部屋11内に入ってくる騒音は、前記吸音手段6によって吸音されるとともに、前記第1部屋11内で反響しにくくなる。
また、前記主出入口1は、前記廊下20等の屋内空間に臨んで配置されているので、前記廊下20等の屋内空間で発生する騒音を、前記吸音スペース3で確実に吸音することができ、前記部屋空間10の静粛性を確保することができる。
1 主出入口
2 吸音手段
3 吸音スペース
10 部屋空間
11a 開口部(部屋出入口)
12a 開口部(部屋出入口)

Claims (6)

  1. 主出入口に対向し、かつ該主出入口から所定間隔離間して吸音手段が配置されており、
    これら主出入口と吸音手段との間が平面視略四角形状の吸音スペースとされており、
    この吸音スペースは、この吸音スペースの両側部のうちの少なくとも一方側に形成される開口部を備えており、
    この開口部は、前記吸音スペースと、該吸音スペースに隣接配置される部屋空間とを連通する部屋出入口とされ
    前記部屋空間は、一方の前記部屋出入口側に配置される第1部屋と、この第1部屋に隣接配置されるとともに、他方の前記部屋出入口側に配置される第2部屋とを備えており、
    これら第1部屋と第2部屋とは間仕切壁によって仕切られており、
    この間仕切壁には、前記第1部屋と第2部屋とを連通する開口部が形成されていることを特徴とする建物の吸音構造。
  2. 請求項1に記載の建物の吸音構造において、
    前記吸音スペースの床と天井とのうち、少なくとも一方に吸音手段が設けられていることを特徴とする建物の吸音構造。
  3. 請求項1または2に記載の建物の吸音構造において、
    前記部屋空間は、前記第1部屋に隣接配置されるとともに、前記一方の部屋出入口と対向する部屋出入口を有する第3部屋を備えており、
    この第3部屋と前記第1部屋とは間仕切壁によって仕切られており、
    この間仕切壁には、前記第1部屋と第3部屋とを連通する開口部が形成されていることを特徴とする建物の吸音構造。
  4. 請求項に記載の建物の吸音構造において、
    前記間仕切壁を含む前記第1部屋を形成する壁のうち、互いに対向する壁の少なくとも一方の壁の部屋側壁面に吸音手段が設けられていることを特徴とする建物の吸音構造。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の建物の吸音構造において、
    前記主出入口は、前記部屋空間とは異なる他の部屋や廊下等の屋内空間に臨んで配置されていることを特徴とする建物の吸音構造。
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の建物の吸音構造において、
    前記主出入口は、屋外に臨んで配置されていることを特徴とする建物の吸音構造。
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