JP5329384B2 - ドラム式製氷機 - Google Patents

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Description

この発明は、ドラム式製氷機に関する。
自動製氷機には、蒸発器によって冷却される円筒ドラムを、製氷水が貯留された製氷水タンク内で回転させることにより、円筒ドラムの表面に層状の氷を形成し、この形成された氷をカッタにより剥離して氷片を連続製氷するドラム式製氷機がある。
特許文献1には、ドラム式製氷機が記載されており、このドラム式製氷機は、所定量の製氷水を貯留した製氷水タンクと、製氷水タンクの内部において製氷水にその一部を浸した状態で水平軸回りに回転自在に配置された製氷ドラムとを備えている。さらに、ドラム式製氷機は、製氷ドラムの外表面に形成された氷を剥ぎ取るカッタを備えている。カッタは、その刃先を製氷ドラムの製氷水から出ている部分の外表面に向け、製氷ドラムの軸方向に沿って設けられている。そして、カッタの上面には下方に向かって傾斜したスロープが設けられており、カッタによって剥ぎ取られた氷片は、カッタの上面及びスロープを滑り、下方に向かって延びるシュートに案内され、シュートを介して貯氷庫に導入される。
また、カッタは、その両端を製氷水タンクの側壁に係合させ、位置決めをされた状態で側壁に固定されている。さらに、カッタの下方には、カッタの周辺を加熱するヒータが設けられている。ヒータは、カッタにより剥ぎ取られた氷片のうち微細なもの(屑氷)を融解除去する。そして、このドラム式製氷機では、カッタの下方には製氷水タンクの製氷水が位置しており、ヒータは、刃先と反対側となるカッタの基部からその熱をカッタに伝達する。
特開2007−46828号公報
しかしながら、特許文献1のドラム式製氷機では、カッタに対してヒータの熱が局所的に加えられて屑氷を融解しているため、氷の融解が局所に集中して発生し、その局所で融解水が集まって溜まってしまう。そして、局所に溜まった融解水は、その表面張力によって、カッタにより剥ぎ取られた氷片のスロープへの移動を妨げてしまうため、氷片の流れが悪くなるという問題がある。
また、カッタ全体の温度を上昇させるためにカッタをヒータによって直接的に加熱すると、ヒータで加熱した箇所において過剰に氷が融解し、発生した融解水が集まって溜まるため、溜まった融解水の表面張力によって氷片の流れが悪くなるという問題がある。
この発明はこのような問題点を解決するためになされたものであり、カッタへの均一なヒータの熱の伝達を図るドラム式製氷機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明に係るドラム式製氷機は、回転駆動され、ドラム表面に水から生成された氷が成長するドラムと、ドラムのドラム表面の氷を剥離するカッタと、カッタが取り付けられると共にドラムの回転軸方向に沿って延在する複数の溝によって形成される第一凹部を有し且つ熱伝導性を有するカッタマウントと、カッタマウントの溝内に沿って設けられた紐状の発熱体とを備え、カッタマウントは、カッタマウントの側部に、ドラムのドラム表面に対向する第一表面を有すると共に、カッタマウントの底部に、溝が設けられた第二表面を有し、第一表面が氷を生成するための水と接触し、溝は、発熱体の外周に沿った断面形状を有する。これによって、発熱体の熱は、カッタマウントに伝達され、さらにカッタマウントを伝導する過程で分散されて均一化された状態でカッタに伝達されるため、カッタを均一に加熱することができる。さらに、発熱体を第一凹部内に設けることにより、発熱体からカッタマウントへの伝熱面積が増大するため、発熱体による加熱効率が向上する。
ッタマウントの第一表面とドラムのドラム表面との間隔が、ドラムの回転方向に沿って広くなってもよい
ドラム式製氷機は、ドラムを収容する筐体をさらに備え、筐体は、突出部を含む側壁を有し、カッタマウントは、突出部の形状に沿った形状をもつキー溝を有し、カッタマウントは、キー溝に突出部を係合させて筐体の側壁に取り付けられてもよい。
ドラム式製氷機は、氷を生成するための水を貯留する製氷水タンクをさらに備え、カッタマウントは、第二凹部を有し、第二凹部を製氷水タンクに係合させてもよい。
カッタマウントは、第二凹部の開口端部に、開口端部を切り欠いた面取り部を有し、面取り部と製氷水タンクとの間に、第二凹部と製氷水タンクとの間を密封するシール材を有してもよい。
ドラム式製氷機は、カッタマウントに、カッタマウントの温度を検出するための温度検出体を備え、温度検出体は、カッタマウントに取り付けられた熱伝導性を有するホルダによって、カッタマウントに接触して固定されてもよい。
側壁は、側壁から突出し且つカッタマウントに当接してカッタマウントを支持する支持部を有してもよい。
支持部は、カッタマウントの第二表面の第一凹部より上方に設けられてもよい。
支持部は、下面を有し、下面は、カッタマウント側の端部がカッタマウントの第二表面の第一凹部より上方となり、凹むように湾曲してもよい。
複数の溝は、互いに間隔をあけて配置されてもよい。
この発明に係るドラム式製氷機によれば、カッタへ均一にヒータの熱を伝達することが可能になる。
この発明の実施の形態1に係るドラム式製氷機の構成を示す上方から見た斜視図である。 図1のドラム式製氷機の分解斜視図である。 図1のIII−III線に沿った断面側面図である。 図3のカッタマウント周辺部の構成を示す拡大断面側面図である。 図4のカッタマウントの構成を示す下方から見た斜視図である。 図1のドラム式製氷機を下方から見た斜視図である。 図1のVII−VII線に沿った部分断面側面図である。 図4のサーミスタの構成を示す上方から見た斜視図である。 この発明の実施の形態2に係るドラム式製氷機のカッタマウント周辺部の構成を示す断面側面図である。 図9のカッタマウントの構成を示す下方から見た斜視図である。 この発明の実施の形態2に係るドラム式製氷機の側壁に対するカッタマウントの取付部分の構成を示す部分断面側面図である。 この発明の実施の形態3に係るドラム式製氷機の側壁に対するカッタマウントの取付部分の構成を示す部分断面側面図である。 この発明の実施の形態4に係るドラム式製氷機の側壁に対するカッタマウントの取付部分の構成を示す部分断面側面図である。
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1〜8を用いて、この発明の実施の形態1に係るドラム式製氷機101の構成を説明する。
図1及び2を参照すると、ドラム式製氷機101は、側壁10a及び10bと、その両側を側壁10a及び10bに係合させて支持される製氷水タンク本体1aと、側壁10a及び10b並びに製氷水タンク本体1aに係合して支持されるカッタマウント11とを備えている。そして、側壁10a及び10bと製氷水タンク本体1aとカッタマウント11とによって製氷水タンク1が構成されている。
また、側壁10a及び10bは、ドラム式製氷機101の筐体100の一部を構成している。
さらに、ドラム式製氷機101は、製氷水タンク本体1a内に、回転軸3を中心に回転可能な円筒ドラム2を備えている。円筒ドラム2の回転軸3の両端部分3a及び3bはそれぞれ、側壁10a及び10bに設けられた軸受10c及び10dによって回転可能に支持されている。
円筒ドラム2の内部には図示しない蒸発器が設けられている。回転軸3の端部分3bは筒状になっており、端部分3bを介して、円筒ドラム2の内部が外部に連通している。さらに、回転軸3の端部分3bは、図示しない冷凍回路に接続されている。そして、円筒ドラム2の内部には冷凍回路から冷媒が導入され、円筒ドラム2の内部を流通し、円筒ドラム2の円筒状の外周面2aにおいて外部と熱交換を行った冷媒が冷凍回路に導出される。ここで、外周面2aは、ドラム表面を構成している。
また、円筒ドラム2の回転軸3の端部分3aは、側壁10aから突出して図示しないモータに連結されており、モータの駆動によって円筒ドラム2が回転する。
図3を参照すると、ドラム式製氷機101の製氷水タンク本体1aの内部には、円筒ドラム2の一部が浸漬するようにして氷を生成するための水である製氷水が所定の水位まで満たされている。
さらに、製氷水の所定の水位より上方に、金属刃を備えるカッタ4が設けられている。カッタ4は、その刃先を斜め上方に向け且つ円筒ドラム2の外周面2aにおける製氷水から出ている部分2a1に向けて設けられ、円筒ドラム2の回転軸3の方向に沿って延びている(図1及び2参照)。また、円筒ドラム2は、図3の破線矢印で示され、図面上で反時計回りである回転方向Rに回転駆動され、カッタ4は、円筒ドラム2の外周面2a上の氷を剥ぎ取る。
カッタ4は、その下方に設けられたカッタマウント11に固定・支持されている。
カッタマウント11は、略台形状の断面形状を有しており、円筒ドラム2の回転軸3の方向に沿って延びる無垢の角柱状の部材である。カッタマウント11は、その両端を側壁10a及び10b(図1参照)に係合させて支持・固定され、その底部を製氷水タンク本体1aの端部1a1に係合させて支持されている。そして、カッタマウント11は、熱伝導性に優れる材料により製作されており、例えば、アルミニウムを使用して製作されている。
図4を参照すると、カッタマウント11周辺部の詳細な構成が示されている。
カッタマウント11は、円筒ドラム2の外周面2aに対向し、且つ外周面2aに沿った形状を有する第一表面である側面11aを有している。すなわち、側面11aは、カッタ4によって氷が剥離された直後の円筒ドラム2の外周面2aに対向する。さらに、カッタマウント11は、その側面11aが円筒ドラム2の外周面2aと隙間Sa1をあけて位置するように、配置されている。そして、隙間Sa1の幅であるカッタマウント11の側面11aと円筒ドラム2の外周面2aとの間の距離は、一定となっている。さらに、カッタマウント11は、製氷水の所定の水位が側面11aに位置するように配置されている。
図3に戻り、カッタ4の上面には、氷片を導くスロープ5がカッタ4と境を作らないように固定されており、スロープ5は、カッタ4の上面に沿って下方に向かって傾斜させて設けられている。これにより、氷片はカッタ4とスロープ5との間の境目に引っ掛かることなく下方へ移動する。
なお、スロープ5には、氷が常に密着することから、この氷が解けないように熱伝導性の低い樹脂材料が使用される。
また、製氷水タンク1すなわち側壁10a及び10b(図1参照)には、スロープ5から落下する氷片を図示しない貯氷庫に案内するためシュート8が固定されている。シュート8は、下方に向かって延びており、シュート8内を落下する氷片がそのまま貯氷庫に入る構成となっている。
さらに、図4及び5を参照すると、カッタマウント11の詳細な構成が示されている。
カッタマウント11の第二表面である底面11bには、長手方向すなわち円筒ドラム2の回転軸3(図1参照)の方向に沿って、複数の第一溝11b1と1つの第二溝11b2とが直線状に形成されている。第一溝11b1及び第二溝11b2はそれぞれ、途中で分断されることなくカッタマウント11の両端まで延びている。さらに、第二溝11b2は、第一溝11b1より円筒ドラム2側に設けられている。ここで、第一溝11b1及び第二溝11b2はそれぞれ、第一凹部及び第二凹部を構成している。
そして、第一溝11b1の内部には、紐状の発熱体であるコードヒータ15が第一溝11b1に沿って設けられている。
ここで、カッタマウント11の第一溝11b1の断面形状は、コードヒータ15の断面形状と同様、すなわちコードヒータ15の外周の形状に沿った形状とすることが好ましい。これにより、コードヒータ15とカッタマウント11との接触面積が増大するため、コードヒータ15の発生する熱がカッタマウント11に効率よく伝達される。
また、第二溝11b2には、製氷水タンク本体1aの端部1a1が嵌合している。これにより、カッタマウント11はその下方を製氷水タンク本体1aによって支持される。
また、カッタマウント11の底面11bには、第一溝11b1の下部全体を塞ぐようにして、コの字状の断面形状を有する板状のヒータ支持部材16が設けられている。ヒータ支持部材16は、例えば、締結具によってカッタマウント11に取り付け・固定されており、第一溝11b1内にコードヒータ15を固定し、コードヒータ15の落下を防止するものである。
さらに、図6を参照すると、ドラム式製氷機101を下方から見た図が示されている。なお、図6では、ヒータ支持部材16が取り付けられておらず、カッタマウント11の底面11bの第一溝11b1へのコードヒータ15の設置状態が見えるようになっている。
コードヒータ15は、1つの連続した紐状の形状を有しており、コードヒータ15同士を接触させることなく、略S字状に曲げられてカッタマウント11の第一溝11b1内に埋め込まれている。コードヒータ15は、その両端部15b及び15cがそれぞれ、側壁10aの内側面10aa及び側壁10bの内側面10baに沿って下方に垂下されて、図示しない電源装置に接続されており、この電源装置の制御により電圧が印加されて発熱する。(図2参照)
また、コードヒータ15は、曲がり部15aにおいて、屈折させずに円弧状に曲げられており、コードヒータ15の最小曲げ半径は、コードヒータ15の仕様により定まる。このため、カッタマウント11の第一溝11b1の間隔は、曲がり部15aの曲げ半径がコードヒータ15の最小曲げ半径以上となるように、設定されている。さらに、第一溝11b1の間隔は、コードヒータ15の発生する熱がカッタマウント11の底面11bの全体に均一に与えられるように、等間隔に設定されている。
また、図5を参照すると、カッタマウント11において、側面11aに対向する側面11cには、その両端に矩形状の断面形状を有するキー溝11g及び11hが形成されている。キー溝11gは、側面11cにおいて、側面11cに隣接する側面11e側の端部に形成され、側面11c及び11eにおいて外部に開放している。キー溝11hは、側面11cにおいて、側面11eと反対側で側面11cに隣接する側面11f側の端部に形成され、側面11c及び11fにおいて外部に開放している。
さらに、図2及び6を参照すると、側壁10aの内側面10aaには、内側に向かって突出する突出部であるキー凸部10a1が側壁10aと一体に形成され、キー凸部10a1は、カッタマウント11のキー溝11gの内側に沿った形状を有している。また、側壁10bの内側面10baには、内側に突出するキー凸部10b1が側壁10bと一体に形成され、キー凸部10b1は、カッタマウント11のキー溝11hの内側に沿った形状を有している。
カッタマウント11は、側壁10a及び10bに取り付けられる際、キー溝11gに側壁10aのキー凸部10a1を嵌合させ、キー溝11hに側壁10bのキー凸部10b1を嵌合させる。すなわち、カッタマウント11は、キー溝11g及び11hとキー凸部10a1及び10b1との間のキー結合を介して、側壁10a及び10bに取り付けられ、所定の位置に固定される。
キー結合によるカッタマウント11の固定は、カッタマウント11の上下方向及び横方向の移動を防ぐことができるだけでなく、キー凸部10a1及び10b1の周りを回転するカッタマウント11のローリング方向の移動も防ぐことができる。よって、円筒ドラム2上の氷を剥離する際に、カッタマウント11にはそのローリング方向にカッタ4を介して剥離負荷がかかるが、経時の使用に伴ってこの剥離負荷がかかり続けても、キー結合によるカッタマウント11の固定によって、カッタマウント11は所定の位置に不動な状態で維持される。(図3参照)
また、例えば、ねじ等の締結具のみを使用してカッタマウント11を側壁10a及び10bに固定する場合、カッタマウント11には、締結具自体の有するアソビによる移動、及び、経時の使用に伴い発生する締結具のゆるみによる移動が生じるのに対して、キー結合によるカッタマウント11の固定では、上述のカッタマウント11の移動が生じない。
次に、図7を参照すると、側壁10aに対するカッタマウント11の取付部分の構成が示されている。
側壁10aの内側面10aaには、内側面10aaから突出して台状の形状を有するマウント支持部10a2が側壁10aと一体に形成されている。マウント支持部10a2は、カッタマウント11が側壁10aに取り付けられる際に、その台状形状の天面となる支持面10a3をカッタマウント11の側面11eと当接させてカッタマウント11を支持する。また、マウント支持部10a2の支持面10a3上には、キー凸部10a1がマウント支持部10a2と一体に形成されている。
マウント支持部10a2は、その下端面10a4が、カッタマウント11を側壁10aに取り付けた際に、カッタマウント11の第一溝11b1の上端と同じ高さ位置になる又は第一溝11b1より上方に位置するように、形成されている。
また、ヒータ支持部材16は、第一溝11b1を全て覆うようにして設けられ、カッタマウント11の側面11eの位置まで延びている。
そして、マウント支持部10a2の下端面10a4の下方には、側壁10aの内側面10aaと、カッタマウント11及びヒータ支持部材16との間に隙間Sb1が形成されている。
このため、コードヒータ15の曲がり部15aは、第一溝11b1からカッタマウント11の外部に突出し、隙間Sb1の中で屈折することなく下方に向かって湾曲させて曲げられる。また、コードヒータ15の両端部15b及び15c(図2参照)も、隙間Sb1の中で屈折することなく下方に向かって湾曲させて曲げられる。これにより、コードヒータ15は、その曲がりの部分において、コードヒータ15に設定される最小曲げ半径以上の曲げ半径で曲げられることが可能であり、屈折による断線や発熱不良が防止される。
また、このとき、コードヒータ15は、カッタマウント11の側面11eにおける端部を含む第一溝11b1の全体においてカッタマウント11と接触している。これにより、コードヒータ15の熱がカッタマウント11に効率的に伝達される。
また、マウント支持部10a2の下端面10a4が、第一溝11b1の上端と同じ高さ位置にある又は第一溝11b1より上方にあるため、コードヒータ15がマウント支持部10a2の端部10a5に接触して損傷することがない。
なお、側壁10bに対するカッタマウント11の取付部分の構成は、側壁10aと同様である。
図4及び8を参照すると、カッタマウント11は、その上面11dが、カッタ4を支持・固定する下方に傾斜した第一上面11d1と、第一上面11d1より低くなっており且つ第一上面11d1と同様の傾斜角度で傾斜した第二上面11d2と、第二上面11d2に下方で連続し且つ第二上面11d2より緩い傾斜角度で下方に傾斜した第三上面11d3とを有している。
第二上面11d2及び第三上面11d3の境界部分には、ホルダ18によって固定された円柱状のサーミスタ17が設けられている。ここで、サーミスタ17は、温度検出体を構成している。さらに、サーミスタ17には、金属酸化物や半導体等の温度が変化すると電気抵抗が変化する材料が用いられている。そして、サーミスタ17には、電圧が印加されるようになっており、サーミスタ17を流れる電流値からサーミスタ17の電気抵抗値が検出され、この電気抵抗値からサーミスタ17の温度が算出される。
また、サーミスタ17は、第二上面11d2及び第三上面11d3に当接させて、その下方が支持されている。
ホルダ18は、熱伝導性の高い材料によって形成されている。また、ホルダ18は、締結具19によって第二上面11d2に固定される固定部18aを有しており、さらに、サーミスタ17の上方を覆うようにして固定部18aから連続して延びる当接部18b及び18cを有している。当接部18b及び18cは、山型状の断面形状を形成し、それぞれがサーミスタ17の上方から接触してサーミスタ17を支持・固定している。
よって、サーミスタ17は、カッタマウント11の第二上面11d2及び第三上面11d3、並びに、ホルダ18の当接部18b及び18cの当接面からなる4つの面と接触し、この4つの面によって支持・固定されている。
このため、サーミスタ17には、第二上面11d2及び第三上面11d3からカッタマウント11の熱が直接伝達され、さらに、熱伝導性の高いホルダ18を介して、当接部18b及び18cからカッタマウント11の熱が伝達される。
また、第二上面11d2及び第三上面11d3には、氷の融解した水が流入すること、及び、結露により結露水が発生することがある。しかしながら、第三上面11d3が下方に傾斜しているため、第二上面11d2及び第三上面11d3の水は、サーミスタ17の周辺に溜まることなく、第三上面11d3から流出する。このため、サーミスタ17は、周囲の水の温度による受ける影響が少なくなっている。
さらに、サーミスタ17は、その上方がスロープ5によって覆われており、スロープ5は熱伝導性の低い材料から形成されているため、スロープ5を滑り落ちる氷片の冷熱の影響を受けることがない。
次に、図3及び4を用いて、この発明の実施の形態1に係るドラム式製氷機101の動作を説明する。
図3を参照すると、図示しない冷凍回路が作動して円筒ドラム2が冷却されると、製氷水タンク1に満たされた製氷水の水面下では、円筒ドラム2の外周面2aに層状の氷が時間と共に成長する。この氷は、円筒ドラム2の回転により水面上にあらわれ、過冷却されて水分を含まない乾いた氷となる。そして、この氷は、カッタ4で剥離されて薄い鱗状の氷片になり、スロープ5上を滑り降り、シュート8内を落下して図示しない貯氷庫に入る。このとき、スロープ5上には新たに剥離され氷片が次々に送られてくるため、既に剥離された氷片はこの新たに剥離された氷片によりスロープ5に沿ってシュート8の方向へ押し出され、強制的にスロープ5上を滑り落とされる。
図4を参照すると、図示しない冷凍回路が作動して円筒ドラム2が冷却されると、コードヒータ15には図示しない電源装置によって電圧が印加される。これにより、コードヒータ15は発熱し、コードヒータ15の発生した熱は、カッタマウント11の底面11bの第一溝11b1からカッタマウント11に伝達される。第一溝11b1は、カッタマウント11の底面11bにおいて複数設けられており、各第一溝11b1は、直線状に形成されて等間隔に配置されているので、コードヒータ15の発生した熱は、カッタマウント11の底面11b全体に対して均一に伝達される。
コードヒータ15からカッタマウント11に伝達された熱は、カッタマウント11内を伝導し、カッタマウント11内を伝導する過程で分散されて均一化された状態で、カッタマウント11の第一上面11d1及び側面11aに伝導される。
カッタマウント11の第一上面11d1に伝導された熱は、第一上面11d1全体からカッタ4に伝達し、カッタ4を加熱してその温度を上昇させる。これにより、カッタ4によって剥離されたがスロープ5上を滑り落ちずにカッタ4の表面に残った微細な氷片が融解する。
よって、カッタ4の表面に氷が堆積して固着し、カッタ4及びスロープ5上における剥離された氷片の流れが妨げられるようなことがない。また、カッタ4には、カッタマウント11の第一上面11d1全体から熱が均一に与えられるため、カッタ4の表面における氷片の融解は局所に集中せず、氷片の融解水が局所に集中しない。このため、融解水の表面張力によって、剥離された氷片の流れが妨げられることがない。
また、カッタマウント11の側面11aに伝導された熱は、カッタマウント11の側面11aと円筒ドラム2の外周面2aとの間である隙間Sa1の製氷水を加熱する。カッタマウント11の側面11aにはその全体に均一に熱が伝導するため、隙間Sa1の製氷水は、その全体が均一に加熱される。このため、製氷水の温度が低い場合に発生しやすい隙間Sa1での製氷水の凍り付きが防止される。また、隙間Sa1で製氷水の凍り付きが発生した場合であっても、凍り付いた製氷水が融解される。これにより、隙間Sa1での製氷水の凍り付きに起因して発生するカッタマウント11及び円筒ドラム2の音なり及び振動が防止される。
なお、カッタマウント11の側面11aは、カッタ4によって表面の氷が剥離された直後の円筒ドラム2の外周面2aに対向する位置にあるため、側面11aの熱が円筒ドラム2の外周面2a上での氷の生成に与える影響は、ほとんどない。
また、ドラム式製氷機101では、コードヒータ15によるカッタマウント11の加熱は、サーミスタ17の検出するカッタマウント11の温度に対応して、間欠的に行なわれる。例えば、サーミスタ17の検出するカッタマウント11の温度が、隙間Sa1において製氷水の凍り付きが発生するとみなされる所定の温度T1に低下すると、コードヒータ15には図示しない電源装置によって電圧が印加され、カッタマウント11が加熱される。そして、コードヒータ15の過剰な発熱を防止するために、サーミスタ17の検出するカッタマウント11の温度が所定の温度T2まで上昇すると、コードヒータ15に印加されている電圧は切断される。よって、コードヒータ15は、サーミスタ17の検出温度が所定の温度範囲である温度T1から温度T2の間にある場合に、電圧が印加される。
このように、この発明に係るドラム式製氷機101は、回転駆動され、外周面2aに製氷水から生成された氷が成長する円筒ドラム2と、円筒ドラム2の外周面2aの氷を剥離するカッタ4と、カッタ4が取り付けられ、第一溝11b1を有し且つ熱伝導性を有するカッタマウント11と、カッタマウント11の第一溝11b1に設けられたコードヒータ15とを備える。
これによって、コードヒータ15の熱は、カッタマウント11に伝達され、さらにカッタマウント11を伝導する過程で分散されて均一化された状態でカッタ4に伝達されるため、カッタ4を均一に加熱することができる。さらに、コードヒータ15を第一溝11b1内に設けることにより、コードヒータ15からカッタマウント11への伝熱面積が増大するため、コードヒータ15による加熱効率が向上する。
また、カッタマウント11は、円筒ドラム2の外周面2aに対向する側面11aと、第一溝11b1が設けられた底面11bとを有し、側面11aが製氷水と接触している。これによって、コードヒータ15の熱は、カッタマウント11を伝導して側面11aに接触する製氷水に伝達される。よって、カッタマウント11の側面11aと円筒ドラム2の外周面2aとの隙間Sa1で氷が成長し、成長した氷が隙間Sa1に詰まることを防止することができる。
また、ドラム式製氷機101におけるカッタマウント11では、その底面11bに直線状の第一溝11b1を形成することにより、コードヒータ15を直線状に配置することができる。さらに、コードヒータ15を複数の第一溝11b1に直線状に配置することにより、コードヒータ15同士を接触させることなく固定することができる。
また、ドラム式製氷機101におけるカッタマウント11では、直線状の第一溝11b1を等間隔に複数形成し、コードヒータ15を複数の第一溝11b1に配置することにより、底面11bを均一に加熱することができる。
また、ドラム式製氷機101におけるカッタマウント11では、第一溝11b1の間隔を、コードヒータ15の曲がり部15aの曲げ半径がコードヒータ15の最小曲げ半径以上となるように設定することにより、コードヒータ15の屈折による断線や発熱不良を防止することができる。
また、ドラム式製氷機101におけるカッタマウント11では、第一溝11b1の断面形状を、コードヒータ15の外周の形状に沿った形状とすることにより、コードヒータ15とカッタマウント11との接触面積が増大するため、コードヒータ15の熱をカッタマウント11に効率よく伝達することができる。
また、ドラム式製氷機101におけるカッタマウント11では、コードヒータ15が第一溝11b1に埋め込まれ、第一溝11b1を覆うようにしてヒータ支持部材16が取り付けられているため、コードヒータ15がカッタマウント11から外れること及び剥がれることを防ぐことができる。
また、ドラム式製氷機101におけるカッタマウント11では、コードヒータ15は第一溝11b1に埋め込むことによって取り付けられるため、取付時にコードヒータ15の位置合わせを必要とせずに所定の位置への取付が可能になる。これにより、ドラム式製氷機101の組立時間の短縮によるコストの低減と組立精度の向上による品質の向上とが可能になる。
また、ドラム式製氷機101におけるカッタマウント11には、溝11b1及び11b2を有した押出材を用いてもよい。これにより、カッタマウント11への溝加工が不要になり、コストを低減することができる。
また、ドラム式製氷機101は、円筒ドラム2を収容する筐体100をさらに備え、筐体100は、キー凸部10a1及び10a2を含む側壁10a及び10bを有している。さらに、カッタマウント11は、キー凸部10a1及び10a2の形状に沿った形状をもつキー溝11g及び11hを有し、カッタマウント11は、キー溝11g及び11hのそれぞれにキー凸部10a1及び10a2を係合させて筐体100の側壁10a及び10bに取り付けられている。これによって、キー溝11g及び11hとキー凸部10a1及び10a2との係合であるキー結合によりカッタマウント11が側壁10a及び10bに固定される。このため、ねじ等の締結具を使用してカッタマウント11を側壁10a及び10bに取り付ける場合に比べ、ねじとその取付穴とのアソビに影響されることがないので、カッタ4と円筒ドラム2との隙間を一定にと保つことができる。さらに、ねじ等の締結具を使用してカッタマウント11を側壁10a及び10bに取り付ける場合に比べ、キー結合による取付は、ねじの経年的な緩みに影響されないため、カッタ4と円筒ドラム2との隙間を一定にと保つことができる。
また、キー結合によりカッタマウント11を側壁10a及び10bに固定することによって、経時の使用に伴ってカッタマウント11に剥離負荷がかかり続けても、剥離負荷に影響されずにカッタ4と円筒ドラム2との隙間を一定にと保つことができる。
また、キー結合によりカッタマウント11を側壁10a及び10bに固定することによって、カッタ4及びカッタマウント11を円筒ドラム2に対して位置合わせを行なうことを必要とせずに所定の位置へ取り付けることが可能になる。これにより、ドラム式製氷機101の組立時間の短縮によるコストの低減と組立精度の向上による品質の向上とが可能になる。
また、キー結合によりカッタ4と円筒ドラム2との隙間Sa1が一定に保たれるため、カッタ4と円筒ドラム2とが接触して損傷が発生すること及び損傷の発生により異物が氷に混入することを防ぐことができる。
また、キー結合によりカッタ4と円筒ドラム2との隙間Sa1が一定に保たれるため、隙間Sa1が狭くなって氷が詰まることにより製氷が停止すること及び異音・振動が発生することを防止することができ、また、隙間Sa1が開くことにより氷の質が劣化すること及び製氷能力が低下することを防止することもできる。
また、ドラム式製氷機101は、製氷水を貯留する製氷水タンク本体1aをさらに備え、カッタマウント11は、第二溝11b2を有し、第二溝11b2を製氷水タンク本体1aに係合させている。カッタマウント11を製氷水タンク本体1aに係合させて取り付けることによって、カッタマウント11が位置決めされるため、カッタマウント11の位置決めが容易になりそして確実なものになる。また、カッタマウント11及び製氷水タンク本体1aの係合により、カッタマウント11が固定されるため、カッタマウント11の固定が容易になる。さらに、製氷水タンク本体1aの端部1a1をカッタマウント11の第二溝11b2に係合させることにより、製氷水タンク本体1aの強度を向上させることができる。これにより、製氷水タンク本体1aに使用する材料の肉厚を薄くすることができるため、コストを低減することが可能になる。
また、ドラム式製氷機101は、カッタマウント11に、カッタマウント11の温度を検出するためのサーミスタ17を備え、サーミスタ17は、カッタマウント11に取り付けられた熱伝導性を有するホルダ18によって、カッタマウント11に接触して固定されている。これにより、サーミスタ17には、カッタマウント11の熱が、カッタマウント11から直接伝達されると共に、ホルダ18を介して伝達される。よって、サーミスタ17の検出温度の精度を向上させ、温度検出の速度を向上させることができる。
また、ドラム式製氷機101では、カッタマウント11において、下方に傾斜した第二上面11d2と、第二上面11d2より緩い傾斜角度で下方に傾斜した第三上面11d3とに当接させて、サーミスタ17が取り付けられるため、サーミスタ17の位置決めを容易に且つ確実にすることができる。さらに、サーミスタ17を所定の位置に容易に固定することもできる。
また、ドラム式製氷機101では、サーミスタ17には、第二上面11d2及び第三上面11d3からカッタマウント11の熱が伝達され、さらに、ホルダ18における当接部18b及び18cから、ホルダ18を介してカッタマウント11の熱が伝達される。よって、サーミスタ17の検出温度の精度をさらに向上させ、温度検出の速度をさらに向上させることができる。さらに、第二上面11d2及び第三上面11d3、並びに、ホルダ18における当接部18b及び18cによってサーミスタ17が固定されるため、サーミスタ17の固定を強固にすることができる。
また、ドラム式製氷機101では、第二上面11d2及び第三上面11d3は下方に傾斜しているため、サーミスタ17及びその周囲に、剥離された氷が溶けた水及び結露によって生じた水が溜まることがない。よって、サーミスタ17は、これらの水によって影響を受けない温度検出を行なうことができる。
また、ドラム式製氷機101では、第二上面11d2及び第三上面11d3を、剥離された氷が流れる流路であるスロープ5から離れた下方となる位置に設けたことにより、サーミスタ17は、剥離された氷の熱影響を受けずに温度検出を行なうことができる。
また、ドラム式製氷機101のカッタマウント11では、サーミスタ17を第二上面11d2及び第三上面11d3に当接する位置に設けることによって、サーミスタ17は、側面11aが受ける製氷水からの熱の影響と、底面11bがコードヒータ15から受ける熱の影響とを検出することができる。そして、1つのサーミスタ17によって、2つの位置の熱影響を検出することができるため、コストを低減することができる。
また、側壁10aは、側壁10aから突出し且つカッタマウント11に当接してカッタマウント11を支持するマウント支持部10a2を有している。さらに、マウント支持部10a2は、カッタマウント11の底面11bの第一溝11b1の上端と同じ高さ位置又は第一溝11b1より上方に設けられている。これにより、カッタマウント11の第一溝11b1のコードヒータ15が、第一溝11b1から側壁10aに向かって突出する場合、マウント支持部10a2と側壁10aの内側面10aaとの段差部分である隙間Sb1においてコードヒータ15を曲げることができる。このため、第一溝11b1全体においてカッタマウント11とコードヒータ15とを接触させることができ、コードヒータ15の熱がカッタマウント11に効率的に伝達される。また、突出するマウント支持部10a2の端部10a5とコードヒータ15が接触することがないため、コードヒータ15の損傷を防止することができる。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るドラム式製氷機は、実施の形態1におけるドラム式製氷機101のカッタマウント11の構成を変更したものである。
なお、以下の実施の形態において、前出した図における参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図9を参照すると、実施の形態2に係るドラム式製氷機のカッタマウント21では、円筒ドラム2の外周面2aと対向する側面21aが、円筒ドラム2の外周面2aに沿った、外周面2aの形状に近似した形状を有している。しかしながら、側面21aは、実施の形態1のカッタマウント11の側面11aと異なり、側面21aと円筒ドラム2の外周面2aとの距離である隙間Sa2の幅が、カッタ4から離れるに従い大きくなる形状を有している。すなわち、隙間Sa2の幅は、円筒ドラム2の回転方向Rに沿って大きくなっている。例えば、カッタ4に最も近い部位Aにおける隙間Sa2の幅A2、カッタ4から最も遠い部位Cにおける隙間Sa2の幅C2、及び、部位Aと部位Cの間となる部位Bの幅B2を比較すると、幅B2は幅A2より大きく、幅C2は幅B2より大きくなっている。すなわち、幅A2<幅B2<幅C2となっている。
隙間Sa2が幅A2<幅B2<幅C2となった幅を有することにより、カッタ4により剥離された氷片の一部は、カッタ4と円筒ドラム2の外周面2aとの間から隙間Sa2内の製氷水に落ちるが、落ちた氷片は、隙間Sa2内で滞留せずに、円筒ドラム2の回転によって隙間Sa2の下方となる外部に掻き出される。よって、隙間Sa2において、氷が成長して隙間Sa2に詰まることがない。
また、カッタマウント21では、その底面21bにおける第二溝21b2において、製氷水タンク本体1aの外側となる開口端部21b3を切り欠いて面取り部21b4が形成されている。そして、面取り部21b4は、第二溝21b2の長手方向に沿って形成されている。(図10参照)
また、製氷水タンク本体1aと面取り部21b4とによって形成される隙間には、シール材であるコーキング24が設けられている。コーキング24により、製氷水タンク本体1aの内部の製氷水が、製氷水タンク本体1aと第二溝21b2との間を通って外部に漏れることが防止される。
次に、図11を参照すると、側壁20aに対するカッタマウント21の取付部分の構成が示されている。側壁20aの内側面20aaには、実施の形態1における側壁10aのマウント支持部10a2と同様にして、マウント支持部20a2が一体に形成されている。さらに、マウント支持部20a2の支持面20a3上には、キー凸部20a1が一体に形成されている。
マウント支持部20a2は、凹むように湾曲した、すなわち上方に向かって凹んで円筒面状に湾曲した下端面20a4を有しており、下端面20a4は、下面を構成している。下端面20a4は、カッタマウント21を側壁20aに取り付けた際に、支持面20a3との境界をなす端部20a5が、カッタマウント21の第一溝21b1の上端と同じ高さ位置になる又は第一溝21b1より上方に位置するように、形成されている。そして、マウント支持部20a2の下端面20a4及び側壁20aの内側面20aaと、カッタマウント21及びヒータ支持部材16との間に隙間Sb2が形成される。
このため、第二溝21b2からカッタマウント21の外部に突出するコードヒータ15の曲がり部15aは、マウント支持部20a2の下端面20a4に沿って下方に向かって円弧状に曲げられ、側壁20aの内側面20aaに沿って延びる。また、コードヒータ15の両端部15b及び15c(図2参照)も、マウント支持部20a2の下端面20a4に沿って下方に向かって円弧状に曲げられ、側壁20aの内側面20aaに沿って延びる。これにより、コードヒータ15は、下端面20a4において、コードヒータ15に設定される最小曲げ半径以上の曲げ半径で曲げられることが可能であり、屈折することがない。また、このとき、コードヒータ15は、カッタマウント21の側面21eにおける端部を含む第一溝21b1の全体においてカッタマウント21と接触している。
また、マウント支持部20a2の下端面20a4の端部20a5が、第一溝21b1の上端と同じ高さ位置にある又は第一溝21b1より上方にあるため、コードヒータ15が端部20a5に接触することがない。
また、コードヒータ15の曲がり部15aは、マウント支持部20a2の下端面20a4及び側壁20aの内側面20aaに沿って延びるため、コードヒータ15の熱が側壁20aにも伝達される。
なお、カッタマウント21における側壁に対する他方の取付部分の構成は、側壁20aと同様である。
また、この発明の実施の形態2に係るドラム式製氷機のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
このように、実施の形態2におけるドラム式製氷機によれば、上記実施の形態1のドラム式製氷機101と同様な効果が得られる。
また、カッタマウント21の側面21aと円筒ドラム2の外周面2aとの隙間Sa2の間隔が、円筒ドラム2の回転方向Rに沿って広くなっている。これによって、隙間Sa2内に氷片が存在しても、氷片は隙間Sa2で滞留することなく、円筒ドラム2の回転によって隙間Sa1の下方となる外部へ掻き出される。また、隙間Sa2内の氷片が成長したとても、円筒ドラム2の回転によって隙間Sa1の下方となる外部へ掻き出される。よって、隙間Sa2において、氷が詰まることを防止することができる。
さらに、隙間Sa2において氷の詰まりを防止することによって、氷の詰まりに起因して発生するカッタマウント21及び円筒ドラム2間での音鳴り・振動を防止することができる。また、氷が詰まることによって、カッタ4、カッタマウント21及び円筒ドラム2の間に過大な力が作用するが、氷の詰まりを防ぐことにより、この過大な力の発生を防止することができる。そして、カッタ4、カッタマウント21及び円筒ドラム2の間での過大な力の発生を防止することにより、カッタ4のズレ、及び円筒ドラム2の回転軸3(図1参照)のズレを防ぐことができ、カッタ4及び円筒ドラム2間の隙間を一定に保つことが可能になる。
また、カッタマウント21は、第二溝21b2の開口端部21b3に、開口端部21b3を切り欠いた面取り部21b4を有し、面取り部21b4と製氷水タンク本体1aとの間に、第二溝21b2と製氷水タンク本体1aとの間を密封するコーキング24を有している。第二溝21b2に面取り部21b4を設けることにより、第二溝21b2と製氷水タンク本体1aとの間にコーキング24を確実に設けることができ、第二溝21b2及び製氷水タンク本体1a間の水密性、及びその耐久性を向上させることが可能になる。
また、側壁20aのマウント支持部20a2は、下端面20a4を有し、下端面20a4は、カッタマウント21側の端部20a5がカッタマウント21の底面21bの第一溝21b1の上端と同じ高さ位置になる又は第一溝21b1より上方となり、凹むように湾曲している。これにより、カッタマウント21の第一溝21b1のコードヒータ15が、第一溝21b1から側壁20aに向かって突出する場合、マウント支持部20a2と側壁20aの内側面20aaとの隙間Sb2におけるコードヒータ15の曲がりを緩くすることができる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るドラム式製氷機は、実施の形態1の側壁10a及び10bに対するカッタマウント11の取付部分の構成を変更したものである。
図12を参照すると、側壁30aに対するカッタマウント11の取付部分の構成が示されている。側壁30aの内側面30aaには、実施の形態1における側壁10aのマウント支持部10a2と同様にして、マウント支持部30a2が一体に形成されている。さらに、マウント支持部30a2の支持面30a3上には、キー凸部30a1が一体に形成されている。
マウント支持部30a2は、カッタマウント11を側壁30aに取り付けた際に、その下端面30a4が、カッタマウント11の底面11bと同じ高さ位置となるように形成されている。
また、ヒータ支持部材16は、カッタマウント11の側面11eの位置から後退した位置まで延びている。このため、カッタマウント11の第一溝11b1は、側面11e付近の露出部11b4においてヒータ支持部材16に覆われずに外部に露出している。
このため、コードヒータ15の曲がり部15aは、第一溝11b1の露出部11b4から下方に向かって突出し、マウント支持部30a2の下端面30a4の端部30a5及び側壁30aの内側面30aaに当接して、円弧状に曲げられる。また、コードヒータ15の両端部15b及び15c(図2参照)も、曲がり部15aと同様にして、円弧状に曲げられて下方に延びる。これにより、コードヒータ15は、コードヒータ15に設定される最小曲げ半径以上の曲げ半径で曲げられることが可能であり、屈折することがない。また、このとき、コードヒータ15は、第一溝11b1の端部近傍までカッタマウント11と接触している。これにより、コードヒータ15の熱がカッタマウント11に効率的に伝達される。
なお、カッタマウント11における側壁に対する他方の取付部分の構成は、側壁30aと同様である。
また、この発明の実施の形態3に係るドラム式製氷機のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
このように、実施の形態3におけるドラム式製氷機によれば、上記実施の形態1のドラム式製氷機101と同様な効果が得られる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係るドラム式製氷機は、実施の形態1の側壁10a及び10bに対するカッタマウント11の取付部分の構成を変更したものである。
図13を参照すると、側壁40aに対するカッタマウント11の取付部分の構成が示されている。側壁40aの内側面40aaには、実施の形態1における側壁10aのマウント支持部10a2と同様にして、マウント支持部40a2が一体に形成されている。さらに、マウント支持部40a2の支持面40a3上には、キー凸部40a1が一体に形成されている。
マウント支持部40a2は、カッタマウント11を側壁40aに取り付けた際に、その下端面40a4が、カッタマウント11の第一溝11b1の上端と同じ高さ位置にある又は第一溝11b1より上方に位置するように、形成されている。
さらに、側壁40aの内側面40aaにおいて、マウント支持部40a2の下方には、凹み40a6が形成されている。凹み40a6は、マウント支持部40a2の下端面40a4と一体に形成されている、すなわち、下端面40a4が凹み40a6の側面の一部を構成している。
このため、コードヒータ15の曲がり部15aは、第一溝11b1から水平方向に突出して、凹み40a6内に延びており、上下方向に曲げられることがなく、また、側壁40aに接触することなく延びている。さらに、コードヒータ15の曲がり部15aは、マウント支持部40a2の下端面40a4の端部40a5に接触することもない。また、このとき、コードヒータ15は、カッタマウント11の側面11eにおける端部を含む第一溝11b1の全体においてカッタマウント11と接触している。
なお、カッタマウント11における側壁に対する他方の取付部分の構成は、側壁40aと同様である。
また、この発明の実施の形態4に係るドラム式製氷機のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
このように、実施の形態4におけるドラム式製氷機によれば、上記実施の形態1のドラム式製氷機101と同様な効果が得られる。
また、実施の形態4では、凹み40a6は、マウント支持部40a2の下端面40a4と一体に形成されていたが、これに限定されるものではなく、マウント支持部40a2と間隔をあけて形成されてもよい。
また、実施の形態において、カッタマウント11及び21を加熱する発熱体としてコードヒータ15を使用していたが、これに限定されるものでなく、ベルトヒータであってもよい。さらに、このとき、第一溝11b1及び21b1は、カッタマウント11及び21の両端に亘って連続して延びるものでなくてもよく、途中で分断されていてもよい。
1 製氷水タンク、1a 製氷水タンク本体(製氷水タンク)、2 円筒ドラム(ドラム)、2a 外周面(ドラム表面)、4 カッタ、10a,10b,20a,30a,40a 側壁、10a1,10b1,20a1,30a1,40a1 キー凸部(突出部)、10a2,20a2,30a2,40a2 マウント支持部(支持部)、11,21 カッタマウント、11a,21a 側面(第一表面)、11b,21b 底面(第二表面)、11b1,21b1 第一溝(第一凹部)、11b2,21b2 第二溝(第二凹部)、11g,11h キー溝、15 コードヒータ(発熱体)、17 サーミスタ(温度検出体)、18 ホルダ、20a4 下端面(支持部の下面)、20a5 端部(カッタマウント側の端部)、21b3 開口端部(第二凹部の開口端部)、21b4 面取り部、24 コーキング(シール材)、100 筐体、101 ドラム式製氷機、R 回転方向(ドラムの回転方向)。

Claims (10)

  1. 回転駆動され、ドラム表面に水から生成された氷が成長するドラムと、
    前記ドラムの前記ドラム表面の氷を剥離するカッタと、
    前記カッタが取り付けられると共に前記ドラムの回転軸方向に沿って延在する複数の溝によって形成される第一凹部を有し且つ熱伝導性を有するカッタマウントと、
    前記カッタマウントの前記溝内に沿って設けられた紐状の発熱体と
    を備え
    前記カッタマウントは、
    前記カッタマウントの側部に、前記ドラムの前記ドラム表面に対向する第一表面を有すると共に、
    前記カッタマウントの底部に、前記溝が設けられた第二表面を有し、
    前記第一表面が氷を生成するための水と接触し、
    前記溝は、前記発熱体の外周に沿った断面形状を有するドラム式製氷機。
  2. 前記カッタマウントの前記第一表面と前記ドラムの前記ドラム表面との間隔が、前記ドラムの回転方向に沿って広くなる請求項に記載のドラム式製氷機。
  3. 前記ドラムを収容する筐体をさらに備え、
    前記筐体は、突出部を含む側壁を有し、
    前記カッタマウントは、前記突出部の形状に沿った形状をもつキー溝を有し、
    前記カッタマウントは、前記キー溝に前記突出部を係合させて前記筐体の前記側壁に取り付けられる請求項1または2に記載のドラム式製氷機。
  4. 氷を生成するための水を貯留する製氷水タンクをさらに備え、
    前記カッタマウントは、第二凹部を有し、前記第二凹部を前記製氷水タンクに係合させる請求項1〜のいずれか一項に記載のドラム式製氷機。
  5. 前記カッタマウントは、
    前記第二凹部の開口端部に、前記開口端部を切り欠いた面取り部を有し、
    前記面取り部と前記製氷水タンクとの間に、前記第二凹部と前記製氷水タンクとの間を密封するシール材を有する請求項に記載のドラム式製氷機。
  6. 前記カッタマウントに、前記カッタマウントの温度を検出するための温度検出体を備え、
    前記温度検出体は、前記カッタマウントに取り付けられた熱伝導性を有するホルダによって、前記カッタマウントに接触して固定される請求項1〜のいずれか一項に記載のドラム式製氷機。
  7. 前記側壁は、前記側壁から突出し且つ前記カッタマウントに当接して前記カッタマウントを支持する支持部を有する請求項3及び請求項3を引用する請求項4〜6のいずれか一項に記載のドラム式製氷機。
  8. 前記支持部は、前記カッタマウントの前記第二表面の前記第一凹部より上方に設けられる請求項に記載のドラム式製氷機。
  9. 前記支持部は、下面を有し、
    前記下面は、前記カッタマウント側の端部が前記カッタマウントの前記第二表面の前記第一凹部より上方となり、凹むように湾曲する請求項に記載のドラム式製氷機。
  10. 複数の前記溝は、互いに間隔をあけて配置される請求項1〜9のいずれか一項に記載のドラム式製氷機。
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