JP5329017B2 - 酸化モリブデンのナノ粒子を製造するための方法及び装置 - Google Patents

酸化モリブデンのナノ粒子を製造するための方法及び装置 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2000年11月9日付けで出願された米国特許出願第09/709,838号(現在は米国特許第6,468,497号)の分割出願である、2002年8月16日付けで出願された米国特許出願第10/222,626号の一部継続出願である。これらはいずれも、開示するすべてが参照により本明細書中に援用される。
発明の分野
本出願は、一般的にはナノ粒子の製造に関し、より特定的には、酸化モリブデンのナノ粒子を製造するための方法及び装置に関する。
背景
ナノ粒子、すなわち、約1マイクロメートル(すなわち、1ミクロン)未満の平均径を有する粒子は当技術分野において既知であり、ナノ結晶性特徴及び/又は他のナノスケールの特徴により材料の特性が劇的に変化することから、重要である。例えば、ナノ粒子から二次加工されるある材料は、多くの場合、従来の方法で従来の大きさの出発材料(例えば、粉末)を用いて二次加工された同じ材料と比較して、すぐれた機械的特性をもつ。また、他の材料のナノ粒子も、独特の電気的特性及び/又は磁気的特性をもつ場合があり、このことにより、これまでに予期されなかった特性と属性を有する材料の二次加工への扉が開かれる。ナノ粒子の非常に高い表面積対重量比により、ナノ粒子はその周囲と非常に迅速に相互作用することが可能となり、このことが新規な特性を有する新規な材料の二次加工に導くことができる。
要するに、ナノ粒子の形態のいずれかの材料を製造することができるということは、広い範囲の新規で有用な機械的、光学的、電気的、及び化学的な用途を設計し開発するための独特な機会を意味していることが理解される。しかし、これまでナノ粒子の使用を限定してきた一つの問題は、所望の大きさ及び組成のナノ粒子を商業的なスケールで、例えば、グラム単位ではなくキログラム単位で製造することが困難であることである。
ナノ粒子を製造するための一つの方法は、溶媒中に、最終的なナノ粒子生成物の組成を規定する前駆体化学物質を溶解することを包含する。得られる組成を混合して、分子レベルで実質的に均一な溶液をもたらす。次いで、溶媒を充分な速度で蒸発させて、均一な溶液中の諸成分を均一な固体粉末として沈殿させる。このような湿潤法を使用して種々の組成のナノ粒子が製造されてきたが、これらの方法に問題がないわけではない。例えば、このような方法によれば、大きい粒子がナノ粒子とともに製造される傾向があり、大きい粒子は次いでナノ粒子を使用する前にナノ粒子から取り除くか又は分離しなければならない。また、かかる湿潤法は、有意な数の方法工程と試薬を必要とする場合があり、その方法工程及び試薬により、最終ナノ粒子生成物の全体の費用を増加させる傾向がある。
ナノ粒子を製造するための別の方法は、主として、所望の大きさの粒子が製造されるまで前駆体材料をミル(例えば、ボールミル)で粉砕する、機械的方法である。しかし、残念ながら、かかる粉砕法は、エネルギー集約的であり、実質的な量の時間を必要とし、典型的には、所望のナノ粒子生成物だけでなく大きな寸法を有する粒子も同様に含有する粉末を製造する結果となる。もちろん、そのような寸法の大きい粒子は、ナノ粒子を使用する前にナノ粒子から分離しなければならない。また、かかるミル法及び粉砕法において使用される研磨剤が、ナノ粒子材料を汚染する傾向もある。結果として、かかる粉砕法は徐々に、高度に純粋なナノ粒子生成物の製造には貢献しなくなっている。
幾つかの他の方法が開発されており、それらの方法では、核形成を開始しナノ粒子材料を沈殿させるために、前駆体材料を典型的には部分的な真空下で蒸発させてから、素早く冷やしている。例えば、一つの方法においては、蒸発させた前駆体材料の流れを、冷えた(すなわち、冷却した)回転シリンダの表面上に向ける。蒸気はシリンダの冷えた表面上で凝縮する。回転シリンダと接触して配置されたスクレーパにより、凝縮した材料をこすり落とし、次いで、その材料をナノ粒子生成物として集める。別の方法においては、前駆体材料の蒸気流れを、蒸気流れを音波ノズル中で膨張させることにより凝縮させる。すなわち、蒸気流れを最初に、ノズルの収束部分で加速させ、最後にノズルののどで音波速度に到達させる。次いで、蒸気流れを更にノズルの収束部分で超音波速度まで加速させる。蒸気流れの超音速膨張により、蒸気流れを迅速に冷却し、ナノ寸法の粒子の沈殿をもたらす。
前述の蒸発及び冷却法を使用してナノ粒子材料が製造されてきたが、この方法は問題がないわけではない。例えば、回転冷却シリンダ法は、大規模ベースで実行することが困難であることがわかっており、大量のナノ粒子材料を製造する際にはうまくいっていない。音波ノズル法によれば、理論的には、大量のナノ粒子材料を連続的なベースで製造することが可能であるが、方法の間を通じて音波ノズル全体に適切な圧力差を維持する必要がある。音波ノズル法に関連する別の問題は、ナノ粒子材料がノズル壁上で凝縮する傾向があることであり、このことにより、ノズルの効率が非常に低下する可能性があり、更にノズルが機能しなくなることがある。凝縮の問題は、ノズル壁に沿って境界層流れを吹き込むことにより低減することができるが、かかる準備は系の全体的な複雑さと運転費用を増すことになる。
結果として、従来技術の方法の欠点をもたない、ナノ粒子を製造するための方法及び装置に対する必要性が存在する。かかる方法及び装置は、好ましくは、連続的なベースで、かつ低いコストで大量のナノ粒子生成物を製造することが可能であるものとする。理想的には、かかる方法及び装置は、一定の方法パラメータに対して、他の系よりも感度が低く、それにより、この方法及び装置をより容易に大規模(すなわち、商業的)ベースで実施することが可能であるものとする。この方法及び装置により、大きい寸法の粒子及び/又は汚染物質が最少量で、比較的狭い寸法範囲のナノ粒子が製造される場合に、追加の利点が得られるであろう。
発明の要旨
本発明にしたがったナノ粒子を製造するための装置は、その中に蒸気領域を規定する炉を含んでいてもよい。入口端と出口端を有する沈殿導管が、入口端が蒸気領域に対して開放するように、その炉に関して配置される。クエンチ流体供給装置により、気体状態のクエンチ流体と液体状態のクエンチ流体が供給される。沈殿導管内部に配置されるクエンチ流体口は、そのクエンチ流体口への入口が気体状態のクエンチ流体と液体状態のクエンチ流体を受けるように、クエンチ流体供給装置に流体的に接続される。クエンチ流体口により、沈殿導管へのクエンチ流体流れが提供され、ナノ粒子が沈殿導管内部に沈殿する。沈殿導管の出口端に接続された生成物収集装置により、沈殿導管内部に製造されたナノ粒子が収集される。
また、前駆体材料からナノ粒子を製造するための方法であって、次の工程:
前駆体材料を蒸発させて蒸気を製造する工程;その蒸気を分離チャンバーへと向ける工程;気体状態のクエンチ流体を液体状態のクエンチ流体と組み合わせて、クエンチ流体流れを形成する工程;その分離チャンバーに含有される蒸気をクエンチ流体流れと接触させて、ナノ粒子をキャリヤ流れ中に沈殿させる工程;及び、そのナノ粒子を分離チャンバーから取り出す工程を含んでなる方法も開示される。
本発明の実例となる現在の好ましい態様を添付する図面に示す。
発明の具体的な説明
前駆体材料のナノ粒子を製造するための装置10を示し、前駆体材料14から酸化モリブデン(MoO)のナノ粒子12(図2〜4)を製造するために使用することができるものとして本明細書中に説明する。また、装置10は、以下により詳細に説明するように、他の蒸発可能又は昇華可能な材料のナノ粒子を製造するために使用してもよい。本明細書中に示し説明する態様においては、ナノ粒子12を製造するための装置10は、それと関係している少なくとも一の蒸気領域18を有する昇華炉16を含んでいてもよい。入口端22と出口端24を有する沈殿導管20は、沈殿導管20の入口端22が蒸気領域18に含有される蒸発させた(例えば、昇華させた)材料36に曝露されるように、蒸気領域18へと延びる。導管20の出口端24は、ナノ粒子生成物12を収集する生成物収集装置26に接続される。
導管20の入口端22は図2において最もよくみられ、その内部にクエンチ流体口30が提供されている分離チャンバー28を規定している。クエンチ流体口30は、液体窒素などのクエンチ流体32の供給に接続される。図1を参照のこと。クエンチ流体はクエンチ流体口30から流体流れ34として放出される。以下により詳細に説明するように、流体流れ34は、沈殿導管20を通って流れる蒸発材料36を迅速に冷やす。この迅速な冷却により、ナノ粒子材料12が沈殿導管20内部に沈殿することとなる。沈殿したナノ粒子材料12は、沈殿導管20に沿って生成物収集装置26まで運ばれ続ける。
生成物収集装置26は、フィルターアセンブリ40及び、フィルターアセンブリ40に流体的に接続されたポンプアセンブリ42を含んでもよい。ポンプアセンブリ42は、蒸発材料36を蒸気領域18から沈殿導管20へ、最終的にはフィルターアセンブリ40へと抜き出したり送ったりする。より具体的には、蒸発材料36は、沈殿導管20内部で、その中に懸濁されたナノ粒子材料12を有するキャリヤ流れへと転化される。懸濁ナノ粒子材料12を含有するキャリヤ流れは、ポンプ42の作動により沈殿導管20を通って抜き出され続け、最終的にフィルターアセンブリ40に到達する。フィルターアセンブリ40はナノ粒子材料20をキャリヤ流れから取り出す。次いで、キャリヤ流れは、濾過されたキャリヤ流れ68として周囲の雰囲気へと放出される。
ナノ粒子を製造するための装置10は、次のように運転して、酸化モリブデン(MoO)のナノ粒子を製造してもよい。方法の第一工程として、MoO又はMoOなどの適するMoO前駆体材料14が昇華炉16へと供給される。前駆体材料14は昇華炉16内部で昇華され(すなわち、液体状態を経ることなく、固体状態から蒸気又は気体に直接転化され)、昇華又は蒸発状態の材料36が製造されることとなる。昇華された又は蒸気の状態の材料36は、一般的には蒸気領域18内部に含有される。前駆体材料14の組成に依存して、昇華(すなわち、蒸発)材料36は、昇華材料を完全に酸化するため、適する酸素含有キャリヤガス38(例えば、空気)と組み合わせてもよい。キャリヤガス38は、その中に提供される適する開口部70を通して蒸気領域18に入れてもよい。かかる追加の酸化は、前駆体材料が「亜酸化物」材料(例えば、MoO)を含んでなり、ナノ粒子材料12がMoOであるべき場合に、必要となるか又は望ましい。
一旦、生成物収集装置26のポンプ42が作動すると、ポンプは、蒸気領域18の内部に含有される昇華又は蒸発材料36を沈殿導管20の入口端22へと抜き出す。昇華材料36は、初めに分離チャンバー28(図2)に入り、分離チャンバーにより蒸気領域18から分離される。昇華材料36は、導管20を通って流れ続けるにつれて、クエンチ流体口30から出てくるクエンチ流体流れ34と接触して混ざる。流体流れ34は、昇華材料36を迅速に(すなわち、実質的に断熱的に)冷やすか又は急冷し、それによりナノ粒子材料12を沈殿させる。沈殿したナノ粒子材料12は、一般的には、(ナノ粒子材料12の沈殿後に蒸気流れ36中に残存する空気及び/又は他のガス状成分を含んでもよい)キャリヤ流れの内部で懸濁される。その後、沈殿したナノ粒子材料12を含有するキャリヤ流れは、導管20に沿って運ばれ続け、そこで最終的に生成物収集装置26中のフィルター40により収集される。フィルター40を、時々採集して、蓄積されたナノ粒子材料12を取り出してもよい。
本発明の方法及び装置にしたがって製造されたMoOのナノ粒子材料は、当技術分野において現在知られているか、又は将来開発されうるナノ寸法範囲の粒子を画像化するのに適する広い範囲の顕微鏡法のいずれかにしたがって、画像化することができる。例えば、図4は、総称して透過型電子顕微鏡法(TEM)と呼ばれる方法において透過型電子顕微鏡によりつくられたナノ粒子材料12の像である。図4に示しているTEM像において容易に分かるように、ナノ粒子材料12の各々の個々の粒子は、一般的に、平均径よりも大きい平均長さを有する、円筒形の棒状の形状である。ナノ粒子材料12の寸法は、(例えば、透過型電子顕微鏡により画像化されるように)粒子の平均長さ又は平均径に関して表わすことができるが、一般的には、ナノ粒子材料12の寸法を単位重量当たりの表面積で表わす方が有用である。単位重量当たりの粒子表面積の測定は、BET分析により得ることができる。よく知られているように、BET分析はブルナウアー、エメット、及びテラーにより開発された多分子層吸着を用いたラングミュア等温方程式の拡張を包含する。BET分析は、高度に正確で明確な結果を提供する確立された分析手法である。本明細書中に示し説明した態様においては、本発明の方法及び装置により、BET分析にしたがって測定して、約4〜44平方メートル/グラム(m2/g)(15〜35m2/gが好ましい)の寸法を有するナノ粒子材料が製造された。また、他のタイプの測定法を使用して粒子寸法を測定してもよい。
本発明の有意な利点は、本発明を使用してMoOのナノ粒子を非常に多量にとても安い費用で製造できることである。本発明は、また、構成するのが比較的簡単で、作動しやすく、一定の方法パラメータに過度に敏感ではない。結果として、本発明は、理想的には、大規模(すなわち、商業的)用途での使用に適している。また、本発明により製造されるナノ粒子材料12は、かなり狭く規定された寸法範囲内の粒子を、最少量の大きい寸法の粒子とともに含有する。結果として、本発明の方法及び装置にしたがって製造されたナノ粒子材料12は、一般的には、使用する前に追加の処理を殆ど又は全く必要としない高品質の生成物と考えることができる。
本発明の別の利点は、一般的には、沈殿導管20の内部構成要素上へのナノ粒子材料の凝縮に関係する問題に影響されないということである。結果として、系の内部構成要素上へのナノ粒子材料の蓄積を防止するために、追加の処置(例えば、絶縁性境界層の注入)を行う必要がない。そのうえ、ナノ粒子生成物が最終的に系の内部構成要素上に蓄積したとしても、簡単な設計の系であることから、あらゆるそのような蓄積を容易に取り除くことが可能となる。
更に他の利点は、クエンチ流体チューブ54に関係する。例えば、クエンチ流体チューブ54は、広く入手可能な管材料から容易に二次加工することができ、あらゆる収束/拡散部品の準備を必要としない。内部管部材46の内部のクエンチ流体チューブ54の配置は、ナノ粒子装置の構成を更に簡単にしている。
本発明の一の態様にしたがった方法及び装置、並びにそれらのより有意な特徴及び利点のいくつかを簡単に説明してきたが、本発明のナノ粒子を製造するための方法及び装置の種々の態様を、ここで詳細に説明する。
ここで図1に戻って参照すると、ナノ粒子を製造するための装置10の一態様が示され、三酸化モリブデン(MoO)のナノ粒子を製造するために使用することができると本明細書中に説明されている。また、しかしながら、本発明の教示を熟知すれば、当技術分野において通常の技術を有する者にとっては明らかであろうが、本発明を使用して他の蒸発可能又は昇華可能な材料のナノ粒子を製造することもできるであろう。装置10は、それに付随する蒸気領域18を有する昇華炉16を含んでもよい。昇華炉16は、前駆体材料14の供給を受けるのに適している。前駆体材料14は、連続的な様式か又はバッチかのいずれかで炉16に送出することができる。例えば、一の好ましい態様においては、前駆体材料14は、スクリュータイプのコンベア系60により連続的なベースで昇華炉16へと送出される。また、もちろん、他の前駆体材料、蒸発装置、及び/又は生成物送出計画も使用してもよい。
本明細書中に示し説明する態様において、昇華炉16は、前駆体材料14を昇華させるのに充分なレベルまで昇華炉16中の温度を上げるための、その中に提供された一又はそれより多い電気発熱体50を有する電気加熱炉である。一般に理解されるように、「昇華させる」又は「昇華」の語は、材料が固体状態から液体状態を経ることなく気体又は蒸気の状態に直接変態する過程をいう。前駆体材料14の昇華により、高度に純粋なMoO生成物の製造が可能となる。
付言すると、現在のところ、昇華炉を使用して高度に精製された粉末(慣用的には、昇華酸化モリブデンと言われる)が製造されているが、現在使用される昇華法により製造される最終粉末を含んでなる粒子は、本発明の方法及び装置により製造されるナノ寸法の粒子よりも比較的大きいことは銘記すべきである。
ここで引き続き図をみると、本発明は昇華炉の使用に限定されず、その代わりに、当技術分野において現在知られているか、又は、前駆体材料14を蒸発若しくは昇華させるのに適しているか適するであろう、将来開発される広い範囲の他の炉のいずれかを利用できることは銘記すべきである。本発明に関して利用できるであろう他のタイプの炉の例には、限定するものではないが、マッフル炉、誘導炉、真空炉、プラズマアーク炉、管炉、及びアーク炉が含まれる。結果として、本発明は、本明細書中に示し説明する昇華炉16に限定されると考えるべきではない。
以下に詳細に説明するように、炉16には、キャリヤガス38が昇華炉18に入るのを可能とするための一又はそれより多い開口部又は入口70がその中に提供されてもよい。用途に依存して、キャリヤガスは、酸化性ガス、還元性ガス、又は不活性ガスを含んでなることができる。別のやり方を述べると、入口70とその中に許容される特定のキャリヤガス38により、蒸発又は昇華法は制御されたガス雰囲気内で起こることが可能となる。本明細書中に示し説明する態様においては、キャリヤガス38は空気であるので、入口70は周囲の雰囲気に対して開放していてもよい。
ここで図1及び2をみると、沈殿導管20は、沈殿導管の入口端22が、概ね、炉16により規定される蒸気領域18内部に含有されるように、昇華炉内部に配置される。沈殿導管20の出口端24は、収集マニホルド44に接続されてもよく、次いで収集マニホルドは生成物収集系26に接続される。
沈殿導管20は、沈殿導管20の入口端22及び出口端24(図3)を規定する概ね細長い管状の部材46を含んでもよい。細長い管状の部材46は、図1中に最もよくみえるように、その長さの少なくとも一部に沿って、概ね細長い管状の外部部材48によって支持されてもよい。本明細書中に示し説明する態様において、管状外部部材48は、断熱性の空間又は環52が内部管状部材46と外部管状部材48の間に規定されるように、管状内部部材46と概ね同心円上に位置調整されそれから距離をおいて離されている。図2を参照のこと。断熱性環52は、内部管状部材46を冷えた状態に維持するのに役立ち、それにより、内部管46を通って流れる沈殿ナノ粒子材料12の再蒸発を防止する点で都合がよい。
内部管状部材46及び外部管状部材48は、意図される用途に適する多種多様な材料(例えば、高温合金及びステンレス鋼)のいずれかから二次加工してもよい。例として、一の好ましい態様においては、内部管部材46は、内部管46の入口端22が蒸気領域18中の高温にさらされることから、高温合金(例えば、ハステロイ(登録商標)「C」)から二次加工される。外部管状部材48は、他のタイプのステンレス鋼から二次加工することもできるが、SAE316タイプのステンレス鋼から二次加工される。
内部管状部材46及び外部管状部材48は、ナノ粒子を製造するための装置10の大きさ(すなわち、所望の製造能力)につりあう寸法を有することができる。本明細書中に示し説明する態様においては、内部管状部材46は、約41.3mmの内径と約6.4mmの壁厚を有する。外部管状部材48は、約54mmの内径と約6mmの壁厚を有してもよい。したがって、断熱性空間又は環52は約7mmの厚さを有することになる。
これまで簡単に説明したように、内部管状部材46には、クエンチ流体流れ34を内部管状部材46へと放出するのに適するクエンチ流体口30が提供される。図2を参照のこと。本明細書中に示し説明する態様においては、クエンチ流体口30は、入口端56とJ型出口端58を有する細長い管状部材又はクエンチ流体チューブ54を含んでもよい。クエンチ流体チューブ54の入口端56は、好ましくは、アキュムレータ62を介して、クエンチ流体32の供給に接続される。アキュムレータ62は、クエンチ流体チューブ54の入口端56に供給されるクエンチ流体32(例えば、低温気体)が確実に液体状態でとどまるようにする。クエンチ流体チューブ54のJ型出口端58は、流体口30を規定し、流体口30が沈殿導管20の出口端24に向くように分離チャンバー28内部に配置される。結果として、流体口30により放出されるクエンチ流体流れ34は、概ね、沈殿導管20の出口端24に向けられる。図3を参照のこと。
分離チャンバー28内部のクエンチ流体口30の位置は、本発明にしたがった装置10により製造されるナノ粒子12の大きさに影響を与える。例えば、流体口30の位置を沈殿導管20の入口端22に対してより接近させると、一般的には、より大きいナノ粒子12が製造される結果となる。逆に、流体口30の位置を入口端22から離すと、一般的には、より小さいナノ粒子12となる。しかし、他の因子も粒子の大きさに影響を与え得る。例えば、生成物収集装置26の流速を上げると、流体口30が沈殿導管20の入口端22の近くに位置する場合であっても、小さいナノ粒子が製造される。すなわち、流速(例えば、リットル/分)が高いと、沈殿導管20内部の速度流れは高くなる。もちろん、沈殿導管20内部の速度は、内部管46の内径を変更することにより変えることができる。別の態様においては、クエンチ流体口30は、収集マニホルド44内部に位置してもよい。その場合は、収集マニホルド44は、沈殿導管の一部であると考えられる。しかし、一般的には、本明細書中に示し説明する様式においてクエンチ流体口30を沈殿導管20内部に配置するのが好ましいことがわかっている。
本発明の装置により製造されるナノ粒子の大きさは、本明細書中に説明するように、本発明のいくつかの構造上及び操作上のパラメータに関係することから、本発明は、あらゆる所与の構造上若しくは操作上の構成のためのいずれかの特定のパラメータ、又はパラメータの範囲に限定されるものと考えるべきではない。例えば、本明細書中に示し説明する態様において、クエンチ流体口30は、クエンチ流体口30が沈殿導管20の入口端22から約16.5cmに位置するように、分離チャンバー28の内部に配置される。この位置は、本明細書中に具体的に示される他のパラメータと組み合わさって、実質的に本明細書中に説明されるようなナノ粒子の生成物の形成をもたらす。しかし、生成物収集系26により提供される流速に依存して、クエンチ流体口30を沈殿導管20の入口端22から約150〜360mmの範囲に配置することにより、よい結果が得られている。これまで説明したように、クエンチ流体口30を収集マニホルド44の内部に配置することも可能であり、そのような配置は、製造されるべきナノ粒子生成物、並びに一定の他の方法パラメータに依存して、都合がよい場合がある。
クエンチ流体チューブ54は、意図される用途に適するであろう広い範囲の材料(例えば、ステンレス鋼)のいずれかから製造してもよい。例として、本発明の一の態様において利用されるクエンチ流体チューブ54は、SAE316タイプのステンレス鋼から二次加工される。クエンチ流体チューブ54の大きさ(すなわち、内径)は、装置10の大きさ(すなわち、全体の製造能力)に依存して変化してもよい。本明細書中に示し説明する態様において、クエンチ流体チューブ54は、約4mmの内径を有する。別法として、本発明の教示を熟知すれば、当技術分野において通常の技術を有する者にとっては明らかであろうが、もちろん、他の大きさの管を使用してもよい。本発明の一の態様におけるクエンチ流体口30は、クエンチ流体チューブ54のJ型出口端58によって提供されるが、他の構成も可能である。例えば、別の態様においては、内部管46に、その中に流体出口を有する放出アームを末端とするインテグラルフローチャンネルが内部管中に提供される。放出アームは、内部管により規定される分離チャンバー内部に概ね放射状に向いていてもよく、流体出口は、内部管の中心軸と概ね整列するように配置されてもよい。かかる配列により、クエンチ流体を内部管のほぼ中心で放出することが可能となる。
沈殿導管20の内部領域でクエンチ流体口30の下流の位置に(すなわち、クエンチ流体口30と導管20の出口端24の間)、熱電対(示さず)などの温度センサーを配置することは、必要ではないが、一般的には好ましい。次いで、熱電対(示さず)からの出力信号(示さず)をモニターして、キャリヤ流れ及び懸濁されたナノ粒子生成物12の温度を、特定のナノ粒子材料12を製造するのに適切な所望の温度範囲内に維持してもよい。例として、一の好ましい態様においては、熱電対をクエンチ流体口30の下流、約240mmに配置する。別法として、熱電対を他の位置に配置してもよい。
収集マニホルド44は図3中で最もよくみることができ、クエンチ流体32の供給をクエンチ流体チューブ54中に向けながら、ナノ粒子を生成物収集系26の方に向けるために便利な手段として役立つ。より具体的には、本明細書中に示し説明する態様において、収集マニホルド44は、出口端66を有する内部チャンバー64を規定し、出口端66は生成物収集系26に接続されている。沈殿導管20の内部管46の出口端24は、沈殿導管20を出るナノ粒子材料12が収集マニホルド44の出口端66へと運ばれるように、内部チャンバー64の内部で末端をなす。沈殿導管20の外部支持管48は、(例えば、溶接により)収集マニホルド44を固定して、収集マニホルド44が外部支持管48により保持されるようにすることができる。クエンチ流体チューブ54は、収集マニホルド44を突き通してもよく、そこで、最終的にアキュムレータ62に接続する。
収集マニホルドは、本発明の教示を熟知すれば、当技術分野において通常の技術を有する者にとっては明らかであろうが、意図される用途に適する広い範囲の材料のいずれかから二次加工してもよい。例として、一の好ましい態様においては、収集マニホルド44は、SAE316タイプのステンレス鋼から二次加工されるが、他の軟鋼合金、セラミック、又は他の適する材料を使用してもよい。
生成物収集系26は、図1中に最もよくみられ、ブロワ又はポンプ42とフィルターアセンブリ40を含んでもよい。ブロワ又はポンプ42により、蒸発した前駆体材料36を沈殿導管20、収集マニホルド44、及びフィルターアセンブリ40を通して抜き出す。より正確には、蒸発した材料36は、沈殿導管20の内部で、その中に懸濁されたナノ粒子材料12を有するキャリヤ流れへと転化する。懸濁ナノ粒子材料12を含有するキャリヤ流れは、ポンプ42の作動下で沈殿導管20を通して継続して抜き出され、最終的にフィルターアセンブリ40に到達する。フィルターアセンブリ40により、ナノ粒子材料12がキャリヤ流れから取り出される。次いで、キャリヤ流れは周囲の雰囲気中に濾過したキャリヤ流れ68として放出される。フィルターアセンブリ40を、時々採集して、捕獲されたナノ粒子材料12を取り出してもよい。
生成物収集系26において利用されるブロワ又はポンプ42は、当技術分野においてよく知られており商業的に容易に入手可能な広い範囲のエアーポンプ装置のいずれかであってもよい。例として、一の好ましい態様においては、ポンプ42は、約2800(例えば、2831)リットル毎分の能力を有する遠心ブロワである。別法として、ポンプ42は、ナノ粒子製造装置10の意図される製造能力に依存して、大きい能力か又は小さい能力を有することができる。別の態様においては、使用者がポンプ42の流速を変更して、ナノ粒子材料12の大きさに一定の変化をより簡単に与えることができるように、ポンプ42には可変性能が提供されていてもよい。
フィルターアセンブリ40は、小さい粒子を空気流れから取り出すのに適する広い範囲の装置のいずれかであってもよい。例として、本明細書中に示し説明する態様において、フィルターアセンブリ40は、ゴアテックス(登録商標)から二次加工された微粒子フィルター媒体である。フィルター材料は、収集マニホルド44を出るナノ粒子材料12のすべてを捕獲するように、充分に細かいものとする。しかし、かかるナノ寸法の粒子を捕獲するためのフィルターは当技術分野においてよく知られており、当技術分野において通常の技術を有する者にとっては本発明の教示を熟知すれば容易に提供することができるだろうことから、本発明の一の好ましい態様において利用されるフィルターは本明細書中に更に詳細には説明しない。
代替的な配列において、フィルターアセンブリ40は、キャリヤ流れとナノ粒子材料12を、他の液体を使用してもよいが、液体(例えば、アルコール)に通して泡立たせることによりナノ粒子材料12を収集する、液体スクラバー型フィルターであってもよい。液体はナノ粒子材料を捕獲し、ナノ粒子材料は、その後、慣用的な手法により液体から取り出すことができる。更に他のフィルター装置及び方法が可能であり、当技術分野において通常の技術を有する者にとっては本発明の教示を熟知すれば明らかであろうが、それらを使用してキャリヤ流れからナノ粒子生成物12を捕獲し取り出すことができる。結果として、本発明は、本明細書中に示し説明する特定の生成物収集装置に限定されると考えるべきではない。
クエンチ流体32の供給は、蒸発した前駆体材料36を迅速に(実質的に、断熱的に)冷却するのに適する流体の供給であることができる。この目的のために、一般的には、クエンチ流体36の供給は低温流体の供給であることが好ましい。本明細書中で使用するように、「低温流体」の語は、大気圧で約110K(-163.15℃)未満の温度で沸騰する液体をいう。低温流体には、限定されないが、水素、ヘリウム、窒素、酸素、アルゴン空気、及びメタンが含まれる。本明細書中に示し説明する態様において、クエンチ流体32の供給は、液体窒素の供給である。最適なクエンチング性能を提供するため、一般的には、アキュムレータ62をクエンチ流体32の供給とクエンチ流体チューブ54の入口56の間に置くのが好ましい。アキュムレータ62は、クエンチ流体が液体/気体混合物ではなく液体として管54に入るのを確実とするのに役立つ。別法として、高い流速が望ましく、最終温度が適切な範囲内に維持される場合は、液体/気体混合物を使用することができる。したがって、沈殿導管20内部に配置される熱電対(示さず)により検知される温度が特定のナノ粒子材料20について適切な温度に維持される限り、クエンチ流体32は、クエンチ流体チューブ54に純粋な液体、純粋な気体、又はその混合物のいずれかとして入ってもよい。
アキュムレータ62は、当技術分野においてよく知られており、商業的に容易に入手可能である、広い範囲のアキュムレータのいずれかであることができる。結果として、本発明の一の好ましい態様において使用されうるアキュムレータ62は、本明細書中により詳細には説明しない。
装置10は、MoOのナノ粒子を製造するために以下の方法にしたがって運転することができる。MoOのナノ粒子12は、MoOに転化できる広い範囲のモリブデンの化合物及び酸化物のいずれかであってもよい前駆体材料14から製造される。例えば、一の好ましい態様において、前駆体材料は、約200U.S. Tylerメッシュ、好ましくは、約100U.S. Tylerメッシュ未満の典型的な大きさを有するいわゆる「工業用等級」の酸化モリブデン(MoO)粉末であってもよい。工業用等級の酸化モリブデン(MoO)前駆体材料14は、焙焼法及びいわゆる「湿潤」法などの、当技術分野においてよく知られている種々の方法のいずれかにしたがって製造することができる。例えば、MoO前駆体材料14は、1998年9月8日付けで発行された「二硫化モリブデンをオートクレーブ処理するための方法」と題する米国特許第5,804,151号(この特許が開示するすべては参照により本明細書中に援用される)に開示される方法にしたがって製造することができる。別法として、MoO前駆体材料14は、1998年10月13日付けで発行された「精製されたMoO組成物の製造方法」と題する米国特許第5,820,844号(この特許が開示するすべては参照により本明細書中に援用される)に開示される方法にしたがって製造してもよい。また、工業用等級のMoO粉末は、Phelps Dodge Corporationの子会社である、アイオワ州、フォートマディソン、52627(USA)のClimax Molybdenum Companyから商業的に容易に入手可能である。
他の前駆体材料も入手可能であり、本発明の教示を熟知すれば、当技術分野において通常の技術を有する者にとっては明らかであろうが、本発明に関連して使用することができる。例えば、別の態様において、前駆体材料14は、すべてモリブデンの「亜酸化物」(例えば、MoO)から構成されてもよく、又はモリブデンの「亜酸化物」とMoOの組合せから構成されてもよい。その場合は、ある量のモリブデン亜酸化物は、酸化性雰囲気を蒸気領域18に提供することにより、その後に酸化してもよい。前駆体材料36中に含有されるあらゆる亜酸化物を、沈殿導管20へと抜き出す前に、酸化性雰囲気により酸化する。酸化過程のための追加の酸素は、キャリヤガス38(例えば、空気)から得ることができ、キャリヤガスは、キャリヤガス入口70を介して昇華炉16の蒸気領域18に入ることができる。別法として、存在し得るあらゆる亜酸化物化合物を完全に酸化するのに必要とされる酸化性雰囲気を提供するために、酸素を含有する気体の異なる供給を蒸気領域18に提供してもよい。もちろん、キャリヤガスは、特定の方法に依存して、他の材料を含むことができる。例えば、キャリヤガス28は還元性ガス又は不活性ガスを含むことができる。
利用する特定の前駆体材料14(例えば、MoOか又はMoOのいずれか)にかかわらず、前駆体材料14は、連続的な様式か又はバッチのいずれかで昇華炉16へと送出することができる。本明細書中に示し説明する態様においては、前駆体材料14はスクリュータイプコンベヤ系60により連続的な様式で炉16へと送出される。一旦、前駆体材料14が昇華炉16に送られると、昇華炉16は前駆体材料14を、MoO前駆体材料14を昇華するのに充分である約800°〜1300℃の温度に加熱し(約1093°〜1260℃の温度範囲内で最適な結果が得られる)、蒸発又は昇華した前駆体材料36が製造される結果となる。これまでに説明したように、昇華は、前駆体材料が固体状態から液体状態を経ることなく直接気体又は蒸気の状態に変態する方法である。前駆体材料14の昇華により、高度に精製されたナノ粒子生成物12の製造が可能となる。
昇華又は蒸発した前駆体材料36は、空気又は他の所望な雰囲気などのキャリヤガス38と組み合わせて、蒸発又は昇華した前駆体材料36が沈殿導管20の入口端22へと流れるのを助けてもよい。これまでに説明したように、キャリヤガス38は、蒸発した前駆体材料36中に含有され得るあらゆる亜酸化物を酸化するための追加の酸素源として役立つことができる。別法として、キャリヤガス38は不活性ガスを含んでもよく、又は必要であるか所望であれば、還元反応を支持するものであってもよい。蒸発した前駆体材料36は(キャリヤガス38とともに)、ポンプ42の作動により、沈殿導管20の入口端22へと抜き出される。沈殿導管20の入口端22へと抜き出されると、蒸発した前駆体材料36は、分離チャンバー28に入る。分離チャンバー28は、蒸発した前駆体材料36を蒸気領域18から分離する。蒸発した前駆体材料36は、引き続き沈殿導管20を下流に移動するので、最終的に、クエンチ流体チューブ54のJ型出口端58に提供される、クエンチ流体口30により放出されるクエンチ流体流れ34と接触する。流体口30により放出されるクエンチ流体流れ34は、蒸発した前駆体材料36より相当冷たい。こうして、蒸発した前駆体材料36は迅速に(すなわち、実質的に断熱的に)冷却されることとなる。迅速な冷却により、蒸発した前駆体材料36からナノ粒子生成物12の沈殿が得られる。得られる沈殿(ナノ粒子生成物12の形態)とキャリヤ流れ(例えば、空気、又は不活性若しくは他のガス雰囲気)の混合物は、沈殿導管20の下流へと運ばれ続け、そこで収集マニホルド44へと放出される。その後、ナノ粒子生成物12は、最終的に生成物収集系26のフィルター40により捕獲される。残りのキャリヤ流れは、ポンプ42を通過して、濾過されたキャリヤ流れ68として周囲の雰囲気へと放出される。
これまでに説明したように、広い範囲の液化ガス、好ましくは、低温ガスのうちいずれかをクエンチ流体として使用して、蒸発した前駆体材料36を迅速に冷却してもよい。本明細書中に示し説明する態様においては、気体窒素をクエンチ流体として使用し、約1.3〜8.3バール(0.13〜0.83MPa)(5.1〜7.6バール(0.51〜0.76MPa)が好ましい)の圧力でクエンチ流体チューブ54の入口端56へと提供する。アキュムレータ62は、クエンチ流体(例えば、窒素)が液体/気体混合物ではなく液体として、又は気体の形態で入口端56に入ることを確実にする。
図4は、一般に透過型電子顕微鏡法(TEM)と呼ばれる方法において透過型電子顕微鏡によりつくったナノ粒子材料12の像である。図4中でみられるように、ナノ粒子材料12の各々個々の粒子、その平均径よりも大きい平均長さを有する、一般的に円柱形で棒状の外形である。ナノ粒子材料12の大きさは粒子の平均長さ又は平均径(例えば、透過型電子顕微鏡により測定)で表わすことができるが、一般的には、ナノ粒子材料12の大きさを大きさと表面積の間での補正による単位重量当たりの表面積で表すのがより有用である。単位重量あたりの特定の表面積の測定値は、これまでに説明したように、高度に正確で一義的な結果を提供する確立した分析手法であるBET分析により得ることができる。本明細書中に示し説明する態様において、本発明の方法及び装置を使用して、BET分析手法にしたがって測定して約4〜44平方メートル/グラム(m2/g)(15〜35m2/gが好ましい)の大きさを有するナノ粒子材料を製造した。別法として、他のタイプの測定法を使用して、粒子の大きさを測定してもよい。
実施例1
この実施例1においては、前駆体材料は、約24〜260ミクロンの典型的な寸法を有する「工業用等級」の酸化モリブデン(MoO)粉末である。かかる工業用等級の酸化モリブデン粉末は、アイオワ州フォートマディソンのClimax Molybdenum Companyにより製造されており、そこから容易に商業的に入手可能である。前駆体材料を、およそ284kg/hrの前駆対材料を昇華させるか又は蒸発させる能力を有している、これまでに説明したタイプの電気加熱昇華炉に供給した。この実施例1においては、昇華炉の能力は、この実施例において説明した量のナノ粒子材料12を製造するために必要とされるより比較的大きい。これは、昇華炉を慣用的な様式で使用して、慣用的な方法にしたがって高度に精製された昇華MoO材料を製造するためである。慣用的に製造された昇華MoO材料は、本発明にしたがって製造されたナノ寸法の粒子よりはるかに大きい粒子を含んでなる。したがって、この炉により製造された昇華又は蒸発MoOの殆どは慣用的な方法において使用し、ごく少量部を沈殿導管から抜き出して、本発明の装置及び方法にしたがってナノ粒子材料を製造した。
これまでに説明した配置と寸法を有する沈殿導管を、昇華炉の内部に含有された蒸気領域の内部に取り付けた。沈殿導管を収集マニホルドに接続し、収集マニホルドを生成物収集装置に接続した。クエンチ流体チューブの入口端を、本明細書中に与えた記載にしたがって、クエンチ流体(例えば、液体窒素)の供給に接続した。工業用等級のMoO前駆体材料をスクリュータイプのコンベヤ系により連続的な様式で昇華炉に送出した。一旦、炉の内部に入ると、MoO前駆体は、MoO前駆体材料を昇華させるのに充分である約1100℃の温度まで加熱される。次いで、生成物収集装置に連結しているポンプを点ける。これまでに説明したように、ポンプは約2831リットル/分の能力を有する。液体窒素をクエンチ流体として利用し、クエンチ流体チューブの入口端に約1.3バール(0.13MPa)の圧力で導入した。アキュムレータを使用して、確実に窒素がクエンチ流体チューブに液体として入るようにした。一旦、窒素流を流すと、装置はナノ粒子材料を製造しはじめ、ナノ粒子材料はその後、生成物収集装置に連結されたフィルターアセンブリにより捕獲される。液体窒素クエンチ流体の流速は、沈殿導管20の内部に配置された熱電対により測定されるナノ粒子材料12を含有するキャリヤ流れの温度を約37°〜54°の範囲で維持するものであった。装置をこの様式で約120分の時間運転し、約2.26kgのナノ粒子材料を製造した。
本発明の別の態様110を図5に示す。第二の態様110は、前述の第一の態様10に類似しているが、追加の要素、代替的な配置、及び方法工程を含み、このため、第二の態様110は、都合のよいことに、一般的に大きいBET数を有するナノ粒子112を製造するのに使用することができる。
ここで最初に図5を参照すると、ナノ粒子を製造するための装置の第二の態様110が示されており、本明細書中には、この態様を使用して酸化モリブデン(MoO)のナノ粒子112を前駆体材料114から製造してもよいと記載されている。もちろん、既に説明した第一の態様10の場合のように、第二の態様110は、他の蒸発可能な材料又は昇華可能な材料を製造するために使用してもよく、本発明の教示を熟知すれば、当技術分野において通常の技術を有する者にとっては明らかであろう。
ナノ粒子112を製造するための装置110は、昇華炉116を含んでもよい。本明細書中に示し説明する態様においては、昇華炉116は、第一の態様についてこれまでに説明した昇華炉16と実質的に同一であってもよく、少なくとも一の蒸気領域118を規定してもよい。入口端112及び出口端124を有する沈殿導管120は、沈殿導管120の入口端122が炉116の蒸気領域118の内部に含有される蒸発した(例えば、昇華した)材料136にさらされるように、蒸気領域へと延びる。沈殿導管120の出口端124は、ナノ粒子生成物112を収集する生成物収集装置126に接続される。一の態様においては、沈殿導管120には、サービス開口部123が提供され、沈殿導管120により規定される内部領域129への都合のよいアクセスが可能となる。サービス開口部123は、OPWタイプの部品157などの適する取外し可能な部品により閉じてもよい。
沈殿導管120の入口端112は、分離チャンバー128を規定し、その内部にはクエンチ流体口130が提供される。クエンチ流体口130は、クエンチ流体供給装置190と流体的に接続され、クエンチ流体供給装置190は、以下により詳細に説明するように、気体状態のクエンチ流体132と液体状態のクエンチ流体を供給する。気体状態及び液体状態のクエンチ流体132が組み合わされたあと、クエンチ流体132は、クエンチ流体口130からクエンチ流体流れ134として放出される。第一の態様10に関して既に説明したように、第二の態様110のクエンチ流体流れ134は、沈殿導管120を通って流れる蒸発された材料136を迅速に冷やし、その結果、ナノ粒子材料112の沈殿が得られる。沈殿したナノ粒子材料112は、沈殿導管120に沿って生成物収集装置126まで運ばれ続ける。
沈殿導管120は、沈殿導管120の入口端122、出口端124、及びサービス開口部146を規定する、一般的に細長い管状の部材146を含んでもよい。しかし、第一の態様10に関する沈殿導管20とは異なり、第二の態様110の沈殿導管120には、外部管状部材(例えば、部材48)は提供されない。
沈殿導管120を含んでなる管状部材146は、ナノ材料を製造するための装置110の大きさ(すなわち、所望の製造能力)と釣り合った寸法を有してもよい。本明細書中に示し説明した態様においては、管状部材146は、約76.2mmの内径、約7.6mmの壁厚、及び約1524mmの長さを有する。管状部材146の入口端122は炉116中におよそ609.6mm延びている。
沈殿導管120を含んでなる管状部材146は、意図された用途に適している多種多様な材料(例えば、高温合金及びステンレス鋼)のいずれかから二次加工してもよい。例として、好ましい態様においては、管状部材146の入口端122が昇華炉116の蒸気領域118において高温に曝されることから、管状部材146は高温鋼(例えば、タイプRA300)から二次加工される。
沈殿導管120には、沈殿導管120を含んでなる管状部材146へとクエンチ流体流れ134を放出するのに適するクエンチ流体口130が提供される。本明細書中に示し説明した太陽においては、クエンチ流体口130は、細長いチューブ状部材、又は分枝入口端156とJ型出口端158とを有するクエンチ流体チューブ154を含んでもよい。分枝入口端156は、クエンチ流体供給装置に流体的に接続され、気体状態及び液体状態両方のクエンチ流体132を以下により詳細に説明する様式で受容する。クエンチ流体チューブのJ型出口端158は、クエンチ流体口130を規定しており、分離チャンバー128の内部に配置されるので、クエンチ流体口130は沈殿導管120の下流又は出口端124に向けられる。その結果として、クエンチ流体口130により放出されるクエンチ流体流れ134は、一般的には、沈殿導管120の出口端124に向けられる。
これまで説明したように、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156は、クエンチ流体供給装置190に流体的に接続される。より具体的には、本明細書中に示し説明した態様においては、分枝入口端156の気体クエンチ流体入口部184は、気体状態のクエンチ流体132の第一の供給200と流体的に接続されるのに対し、分枝入口端156の液体クエンチ流体入口部186は、液体状態のクエンチ流体132の第二の供給202に接続される。本明細書中に示し説明した態様においては、気体状態のクエンチ流体132の第一の供給200と液体状態のクエンチ流体132の第二の供給202は、クエンチ流体132の供給と流体的に接続されたアキュムレータ162に含有される。アキュムレータ162は分離機として機能し、クエンチ流体132を気体状態部分(例えば、第一の供給200)と液体状態の部分(例えば、第二の供給202)とに分離する。気体状態の部分(例えば、供給200)と液体状態の部分(例えば、供給202)は、アキュムレータ162中で気/液界面135により分離される。したがって、アキュムレータ162により、クエンチ流体132は、気体状態と液体状態の両方で、クエンチ流体チューブ154の分枝入口156に確実に送出される。別法として、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156に、気体状態と液体状態の両方のクエンチ流体132を提供するために、他の配置を使用してもよいことはもちろんのことであり、本発明の教示を熟知すれば、当技術分野において通常の技術を有する者にとっては明らかであろう。
第一のバルブ139は、気体状態のクエンチ流体132の第一の供給200と、分枝入口156の気体クエンチ流体入口部184の間に接続している。第二のバルブ137は、液体状態のクエンチ流体132の第二の供給202と、分枝入口156の液体クエンチ流体入口部186の間に接続している。第一のバルブ139と第二のバルブ137に機能的に接続しているバルブ制御系220を使用して、第一のバルブ139と第二のバルブ137の位置を、以下により詳細に説明する様式で、操作又は制御することができる。
装置110には、沈殿導管120の内部領域129内部に提供される温度センサー又は熱電対155も提供される。温度センサー又は熱電対155は、ナノ粒子生成物112を含有するキャリヤ流れの温度を感知して、その温度に関連した出力信号171を発信する。本明細書中に示し説明した態様においては、熱電対155の遠位端153は、温度変化に対して高度に敏感であり、クエンチ流体口130の下流約914mmの位置に配置される。したがって、熱電対155により感知される温度は、ナノ粒子生成物112を含有するキャリヤ流れのおよそその位置における温度に相当する。
温度センサー又は熱電対155はバルブ制御系220に機能的に接続しているので、バルブ制御系220は温度センサー115からの出力信号171を受信する。沈殿導管120中の温度、又はより正確には、温度センサー155の遠位端153のまわりを流れる、ナノ粒子生成物112を含有するキャリヤ流れの温度を制御するため、バルブ制御系220は、温度センサー115からの出力信号171を利用して、バルブ137を作動させる。本明細書中に示し説明した態様110においては、キャリヤ流れ及び懸濁されたナノ粒子生成物112に関する所望の温度範囲は、約32°〜55℃である(48℃が好ましい)。
装置110には、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156と機能的に関連している圧力センサー159も提供される。圧力センサー159は、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156に含有されるクエンチ流体132の圧力を感知して、その圧力に関連した出力信号173を発信する。圧力センサー159は、バルブ制御系220と機能的に接続しているので、バルブ制御系220は、圧力センサー159からの出力信号173を受信する。バルブ制御系220は、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156中に含有されるクエンチ流体132の圧力を制御するために、圧力センサー159からの出力信号173を利用して、第一のバルブ139を作動させる。本明細書中に示し説明した態様110においては、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156中に含有されるクエンチ流体132に関する所望の圧力範囲は、約2〜5バール(0.2〜0.5MPa)である。
沈殿導管120内部のクエンチ流体口130の位置は、本発明にしたがった装置110により製造されるナノ粒子112の大きさに影響を与える。例えば、流体口130の位置を沈殿導管120の入口端122の近くに移動させると、一般的には、大きいナノ粒子が製造される結果となる。反対に、流体口130の位置を入口端122から遠くに移動させると、一般的には、小さいナノ粒子となる。しかし、他の因子も粒子サイズに影響を及ぼし得る。例えば、炉(例えば、116)の加熱要素(例えば、図1の加熱要素50)を沈殿導管120にきわめて接近させることにより、沈殿導管120を大きな放射エネルギーに曝すと、大きいBET数をもつ小さいナノ粒子112が製造される傾向がある。加えて、流体口130を沈殿導管120の入口端122の近くに配置する場合であっても、生成物収集装置126の流速を増加することにより、小さいナノ粒子が製造され得る。すなわち、流速(例えば、リットル/分)が高いと、沈殿導管120内部の速度流れが高くなる。沈殿導管120の内径を変更することにより、沈殿導管120内部の速度も変化させることができるのはもちろんのことである。
本発明の装置により製造されるナノ粒子の大きさは、本発明のいくつかの構造上及び操作上のパラメータに関係することから、本発明は、あらゆる所与の構造上若しくは操作上の構成のためのいずれかの特定のパラメータ、又はパラメータの範囲に限定されるものと考えるべきではない。しかし、例として、一の好ましい態様においては、クエンチ流体口130は、クエンチ流体口130が沈殿導管120の入口端122から約300mmに位置するように、沈殿導管120の内部に配置される。このクエンチ流体口130の位置は、本明細書中に具体的に示される他のパラメータと組み合わさって、実質的に本明細書中に説明されるようなナノ粒子生成物の形成をもたらす。
これまでに説明したように、装置110には、収集マニホルド144も提供される。収集マニホルド144は、ナノ粒子112を生成物収集系126へと向けるための都合のよい手段として役に立つ。図5中に図示する態様において、収集マニホルド144は、出口端166を有する内部チャンバー164を規定し、出口端166は生成物収集系126に接続されている。収集マニホルド144は、本発明の教示を熟知すれば、当技術分野において通常の技術を有する者にとっては明らかであろうが、意図される用途に適する広い範囲の材料のいずれかから二次加工してもよい。例として、一の好ましい態様においては、収集マニホルド144は、SAE316タイプのステンレス鋼から二次加工されるが、他の軟鋼合金、セラミック、又は他の適する材料を使用してもよい。
生成物収集系126は、ブロワ又はポンプ142とフィルターアセンブリ140を含んでもよい。ブロワ又はポンプ142により、蒸発した前駆体材料136を、沈殿導管120、収集マニホルド144、及びフィルターアセンブリ140を通して抜き出す。より正確には、蒸発した材料136は、沈殿導管120の内部で、その中に懸濁されたナノ粒子材料112を有するキャリヤ流れへと転化する。懸濁ナノ粒子材料112を含有するキャリヤ流れは、ポンプ142の作動下で沈殿導管120を通して継続して抜き出され、最終的にフィルターアセンブリ140に到達する。フィルターアセンブリ140により、ナノ粒子材料112がキャリヤ流れから取り出される。次いで、キャリヤ流れは、濾過したキャリヤ流れ168として周囲の雰囲気中に放出される。フィルターアセンブリ140を、時々採集して、捕獲されたナノ粒子材料12を取り出してもよい。
生成物収集系126において利用されるブロワ又はポンプ142は、当技術分野においてよく知られており商業的に容易に入手可能な広い範囲のエアーポンプ装置のいずれかであってもよい。例として、一の好ましい態様においては、ポンプ142は、約8500(例えば、8495)リットル毎分の能力を有する遠心ブロワである。別法として、ポンプ142は、ナノ粒子製造装置110の意図される製造能力に依存して、大きい能力か又は小さい能力を有することができる。別の態様においては、使用者がポンプ142の流速を変更して、ナノ粒子材料112の大きさに一定の変化をより簡単に与えることができるように、ポンプ142には可変性能が提供されていてもよい。
フィルターアセンブリ140は、小さい粒子を空気流れから取り出すのに適する広い範囲の装置のいずれかであってもよい。例として、本明細書中に示し説明する態様において、フィルターアセンブリ140は、ゴアテックス(登録商標)から二次加工された微粒子フィルター媒体である。フィルター材料は、収集マニホルド144を出るナノ粒子材料112のすべてを捕獲するように、充分に細かいものとする。しかし、かかるナノ寸法の粒子を捕獲するためのフィルターは当技術分野においてよく知られており、当技術分野において通常の技術を有する者にとっては本発明の教示を熟知すれば容易に提供することができるだろうことから、本発明の一の好ましい態様において利用されるフィルターは本明細書中に更に詳細には説明しない。
代替的な配列において、フィルターアセンブリ140は、キャリヤ流れとナノ粒子材料12を、他の液体を使用してもよいが、液体(例えば、アルコール)に通して泡立たせることによりナノ粒子材料12を収集する、液体スクラバー型フィルターであってもよい。液体はナノ粒子材料を捕獲し、ナノ粒子材料は、その後、慣用的な手法により液体から取り出すことができる。更に他のフィルター装置及び方法が可能であり、当技術分野において通常の技術を有する者にとっては本発明の教示を熟知すれば明らかであろうが、それらを使用してキャリヤ流れからナノ粒子生成物112を捕獲し取り出すことができる。結果として、本発明は、本明細書中に示し説明する特定の生成物収集装置に限定されると考えるべきではない。
MoOのナノ粒子112を製造するため、以下の方法にしたがって、装置110を運転することができる。前駆体材料114は、連続的な様式か又はバッチかのいずれかで昇華炉116へと供給することができる。本明細書中に示し説明した態様においては、前駆体材料114は、スクリュータイプのコンベア系(例えば、図1のコンベア系60)により連続的な様式で炉116へと供給する。一旦、前駆体材料114が昇華炉116に送り出されると、昇華炉116により、前駆体材料114は、MoO前駆体材料114を昇華させるのに充分である少なくとも約800℃の温度(約1093°〜1260℃の温度範囲内で最適な結果が得られる)に加熱され、蒸発又は昇華した前駆体材料136が得られる。前駆体材料114の昇華により、高度に純粋なナノ粒子材料112の製造が可能となる。
昇華又は蒸発した前駆体材料136は、空気又はいずれかの他の所望な雰囲気などのキャリヤガス138と組み合わせて、昇華又は蒸発した前駆体材料136が沈殿導管120の入口端122へと流れるのを助けてもよい。沈殿導管120の入口端122へと抜き出されると、蒸発した前駆体材料136は分離チャンバー128に入る。分離チャンバー128により、蒸発した前駆体材料136は領域118から分離される。蒸発した前駆体材料136は、沈殿導管120の下流へと移動すると、最終的に、クエンチ流体チューブ154のJ型出口端158上に提供されるクエンチ流体口130により放出されるクエンチ流体流れ134と接触する。流体口130により放出されるクエンチ流体流れ134は、蒸発した前駆体材料136より相当冷たい。このことにより、蒸発した前駆体材料136が迅速に(すなわち、実質的に断熱的に)冷却されることとなる。迅速な冷却により、蒸発した前駆体材料136からナノ粒子材料112の沈殿が得られる。得られる沈殿(ナノ粒子生成物112の形態)とキャリヤ流れ(例えば、空気、又は、不活性若しくは他のガス雰囲気)の混合物は、沈殿導管120の下流へと運ばれ続け、そこで、収集マニホルド144へと放出される。その後、ナノ粒子生成物112は、最終的に生成物収集系126のフィルター140により捕獲される。残りのキャリヤ流れはポンプ142を通過し、濾過されたキャリヤ流れ168として周囲の雰囲気へと放出される。
これまでに説明したように、クエンチ流体口130により放出されるクエンチ流体流れ134は、(例えば、第一の供給200からの)気体状態のクエンチ流体132と(例えば、第二の供給202からの)液体状態のクエンチ流体132を、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156で混合することにより形成される。加えて、ナノ粒子生成物112を含有するキャリヤ流れの温度と、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156に入るクエンチ流体132の圧力を制御するため、バルブ制御系220によりバルブ139及び137を作動させる。より具体的には、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156に入ることを許容された(例えば、第二の供給202からの)液体状態のクエンチ流体132の量は、沈殿導管120中を流れる、ナノ粒子生成物112を含有するキャリヤ流れの温度に影響を及ぼす。したがって、バルブ制御系220は、温度センサー155からの出力信号171を利用して、バルブ137の位置を制御することにより、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156に入る液体状態のクエンチ流体132の量を変化させる。一般的に言えば、液体状態のクエンチ流体132の量が多いと、ナノ粒子材料112を含有するキャリヤ流れの温度は低くなるが、液体状態のクエンチ流体132の量が少ないと、ナノ粒子材料112を含有するキャリヤ流れの温度は高くなる。制御系220は、ナノ粒子材料112を含有するキャリヤ流れの温度を本明細書中に具体的に示される範囲内に維持するのに必要なだけ、バルブ137を作動させる。
クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156中のクエンチ流体132の圧力は、分枝入口端156に入ることを許容された(例えば、供給200からの)気体状態のクエンチ流体132の量を変化させることにより制御する。バルブ制御系220は、圧力センサー159からの出力信号173を利用して、バルブ139の位置を制御することにより、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156に入る気体状態のクエンチ流体132の量を変化させる。一般的に言えば、気体状態のクエンチ流体132の量が多いと、圧力は高くなるが、気体状態のクエンチ流体132の量が少ないと、圧力は低くなる。制御系220は、クエンチ流体チューブ154の分枝入口端156中のクエンチ流体132の圧力を本明細書中に具体的に示される範囲内に維持するのに必要なだけ、バルブ139を作動させる。この点に関して、分枝入口端156中のクエンチ流体132の圧力は、ある程度、分枝入口端156に入ることを許容された液体状態のクエンチ流体132の量によっても影響を受けることは銘記すべきものとする。すなわち、バルブ137の作動は、分枝入口端156中のクエンチ流体132の圧力にも影響を及ぼす。しかし、分枝入口端156中のクエンチ流体132の圧力の主たる制御は、バルブ139を制御することによりなされる。
図6は、本明細書中に示し説明した装置110により製造されたナノ粒子材料112の透過型電子顕微鏡による像である。本発明の方法及び装置を使用して、BET分析手法にしたがって測定して約15〜68平方メートル/グラム(m2/g)(55m2/gが好ましい)の大きさを有するナノ粒子材料を製造した。別法として、他のタイプの測定法を使用して、粒子寸法を測定してもよい。
実施例2
実施例2においては、前駆体材料114は、約24〜260ミクロンの典型的寸法を有する「工業用等級」の酸化モリブデン(MoO)粉末であった。かかる工業用等級の酸化モリブデン粉末は、アイオワ州フォートマディソンのClimax Molybdenum Companyにより製造されており、そこから容易に商業的に入手可能である。前駆体材料114は、およそ284kg/hrの前駆体材料を昇華又は蒸発させる能力を有するこれまでに説明したタイプの電気的に加熱された昇華炉(例えば、116)へと提供された。昇華炉の能力は、この実施例2に説明した量のナノ粒子材料112を製造するのに必要とされるよりも相当大きいものであったことは銘記すべきである。このことは、昇華炉を慣用的な様式で使用して、慣用的な方法にしたがって高度に純粋な昇華MoO材料を製造することを理由とする。慣用的に製造された昇華MoO材料粒子は、本発明にしたがって製造されたナノ寸法の粒子よりもはるかに大きい粒子を含んでなる。したがって、この炉により製造された昇華又は蒸発したMoOの殆どを、慣用的な方法において使用し、ごく少量部を沈殿導管120から抜き出して、本発明の方法及び装置にしたがってナノ粒子材料を製造した。
図5に示し本明細書中に説明した沈殿導管120の配置及び寸法を有する沈殿導管を、昇華炉の内部に含有された蒸気領域の内部に取り付けた。沈殿導管を収集マニホルドに接続し、収集マニホルドを生成物収集装置に接続した。工業用等級のMoO前駆体材料を連続的な様式でスクリュータイプのコンベア系により昇華炉へと供給した。一旦、炉の内部に入ると、MoO前駆体材料は、MoO前駆体材料を昇華させるのに充分である、約1100℃の温度まで加熱された。次いで、生成物収集装置と関連しているポンプを作動させた。これまでに説明したように、ポンプは、約8495リットル/分の性能を有する。クエンチ流体チューブの分枝入口端を、本明細書中に提供した説明にしたがって気体状態及び液体状態の窒素クエンチ流体132を供給する、クエンチ流体供給装置190に接続した。バルブ制御系220を使用して、分枝入口端156中のクエンチ流体132の圧力を約4.13バール(0.413MPa)に維持した。一旦、液体及び気体の窒素流れを組み合わせはじめると、装置はナノ粒子材料を製造しはじめ、その後、ナノ粒子材料を生成物収集装置と関連しているフィルターアセンブリにより捕獲した。バルブ制御系220を使用して、ナノ粒子生成物112を含有するキャリヤ流れの温度を約48℃で維持した。装置をこの様式で約480分間運転して、約29kgのナノ粒子材料を製造した。
本明細書中に説明した装置及び方法を使用して、より簡単な装置を用い、一定の方法制御パラメータに対して過度に敏感であるということなく、多量のMoOを製造してもよいことは明らかである。結果として、特許請求の範囲に記載する発明は、一般にナノ粒子技術において、特にモリブデンナノ粒子技術に対する特定の重要な発展を示す。本発明の好ましい態様を本明細書中に示してきたが、本発明に対して適する修飾をなし得ることが予期され、かかる修飾はなお本発明の範囲内のものである。したがって、添付する特許請求の範囲は、従来技術により限定される範囲を除いて本発明の代替的な態様を含むと解釈すべきものと意図される。
図1は、本発明の一態様にしたがったナノ粒子を製造するための装置の概略図である。 図2は、その中でナノ粒子が形成される沈殿導管の正面図における断面図である。 図3は、生成物収集マニホルドの正面図における断面図である。 図4は、本発明により製造されたMoOナノ粒子性生物の透過型電子顕微鏡像である。 図5は、本発明の別の態様にしたがったナノ粒子を製造するための装置の概略図である。 図6は、図5に示す本発明の態様により製造されたMoOナノ粒子の透過型電子顕微鏡像である。

Claims (11)

  1. ナノ粒子を製造するための装置であって:
    その中に蒸気領域を規定する炉;
    入口端と出口端を有する沈殿導管であって、前記沈殿導管の該入口端が前記炉により規定された該蒸気領域に対して開放している、前記沈殿導管;
    クエンチ流体供給装置であって、気体状態のクエンチ流体の第一の供給と液体状態のクエンチ流体の第二の供給とを含んでなる、前記クエンチ流体供給装置;
    前記沈殿導管内部に配置されたクエンチ流体口であって、気体クエンチ流体入口と液体クエンチ流体入口を有する分枝入口端を有する細長い管を含むクエンチ流体口;
    気体状態のクエンチ流体の第一の供給と気体クエンチ流体入口との間に接続される第一のバルブ;
    液体状態のクエンチ流体の第二の供給と液体クエンチ流体入口との間に接続される第二のバルブ;
    第一のバルブ及び第二のバルブと機能的に関係しているバルブ制御系;
    沈殿導管の第一内部領域と機能的に関係している温度センサーであって、バルブ制御系にも機能的に接続し、前記温度センサーからの出力信号が前記バルブ制御系により使用されて第二のバルブを作動させて沈殿導管の温度を制御する、前記温度センサー;
    細長い管の分枝入口端と機能的に関係している圧力センサーであって、前記バルブ制御系にも機能的に接続し、前記圧力センサーからの出力信号が前記バルブ制御系により使用されて第一のバルブを作動させて分枝入口端のクエンチ流体の圧力を制御する、前記圧力センサー;及び
    前記沈殿導管の該出口端に接続された生成物収集装置であって、前記沈殿導管内部で製造されたナノ粒子を収集する、前記生成物収集装置
    を含む、装置。
  2. クエンチ流体が窒素を含んでなる、請求項1記載の装置。
  3. 沈殿導管が、前記沈殿導管の入口端とクエンチ流体口との間に配置された分離チャンバーをその中に規定する、請求項1記載の装置。
  4. クエンチ流体口の細長い管が、沈殿導管内部に配置されたJ型端を含んでなり、前記細長い管のJ型端がその中の出口穴が前記沈殿導管の出口端に向くように配置される、請求項1記載の装置。
  5. 細長い管のJ型端の出口穴が、沈殿導管の入口端から距離をおいて配置される、請求項4記載の装置。
  6. 沈殿導管の入口端から細長い管のJ型端の出口穴の距離が300mmである、請求項5記載の装置。
  7. ナノ粒子を前駆体材料から製造するための方法であって:
    該前駆体材料を蒸発させて蒸気を製造し;
    前記蒸気を分離チャンバーに向け;
    気体状態のクエンチ流体の第一の供給を気体クエンチ流体入口に供給し;
    液体状態のクエンチ流体の第二の供給を液体クエンチ流体入口に供給し;
    前記気体状態のクエンチ流体の前記第一の供給を前記液体状態のクエンチ流体の前記第二の供給と組み合わせて、クエンチ流体流れを形成し;
    前記分離チャンバー内に含有される前記蒸気を前記クエンチ流体流れと接触させ、前記クエンチ流体流れが前記蒸気を冷やして、キャリヤ流れ中にナノ粒子を製造し;
    キャリヤ流れの温度を検知し;
    クエンチ流体流れを形成するのに使用される液体状態のクエンチ流体の量を、キャリヤ流れの該検知温度に基づいて変更し;
    クエンチ流体流れの圧力を検知し;
    クエンチ流体流れを形成するのに使用される気体状態のクエンチ流体の量を、該検知圧力に基づいて変更し;
    前記ナノ粒子を前記分離チャンバーから取り出す
    ことを含んでなる方法。
  8. キャリヤ流れの温度が48℃に維持される、請求項7記載の方法。
  9. クエンチ流体流れの圧力が2〜5バール(0.2〜0.5MPa)の範囲内で変更される、請求項7記載の方法。
  10. 前駆体材料がMoOを含んでなる、請求項7記載の方法。
  11. MoO前駆体材料の昇華が1093℃〜1260℃の温度でおこる、請求項10記載の方法。
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