JP5327752B2 - 筒状構造体、成形型、および筒状構造体を製造する方法 - Google Patents
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Description
(A)石膏型のような成形型に、セラミック製品の原料となる粉末を含むスラリー(「泥しょう」とも言う)が注入される。通常の場合、成形型は、多数のポアを有する多孔質体で構成されており、いわゆる「吸水性」を有する。従って、スラリー中の液体成分は、成形型に吸い込まれ、スラリーは、成形型の壁面で固着するようになる。これにより、成形型内で筒状の成形体を成形することができる(例えば、特許文献1)。
(B)次に、得られた成形体が成形型から脱型される。さらにこの成形体は、次工程のため、セッターと呼ばれる耐熱部材の上に置載され、または収容される。
(C)次に、成形体は、セッターとともに加熱装置内に配置され、所定の温度で焼成される。これにより、所望の形状のセラミック製品が製造される。
当該成形型は、少なくとも3つ以上のセグメント板を前記延伸軸の方向に積層した第1の部分を有し、
各セグメント板は、貫通孔を有し、該貫通孔は、前記延伸軸の方向から見たとき、少なくとも3つの角部を有する多角形状を有し、
各セグメント板を前記延伸軸の方向に積層することにより、前記貫通孔が連通され、前記第1の部分に第1の収容部が形成され、
各セグメント板は、該セグメント板の貫通孔の少なくとも一つの角部が、前記延伸軸の方向において、隣接するセグメント板の貫通孔の角部と重ならないようにして配置されることを特徴とする成形型が提供される。
第1番目のセグメントの貫通孔の一つの角部を第1選択角部として選定し、第2番目のセグメントの貫通孔の角部のうち、前記第1選択角部に最も近接する角部を第2選択角部として選定し、以下同様にして、第1番目のセグメントの貫通孔から第n番目のセグメントの貫通孔まで、n個の選択角部を選択し、各選択角部を順次結んだとき、前記延伸軸を中心とした螺旋状の軌跡が得られても良い。
前記第2のセグメント板の各々は、第2の貫通孔を有し、該第2の貫通孔は、前記延伸軸の方向から見たとき、少なくとも3つの角部を有する多角形状を有し、
前記第2のセグメント板の各々を前記延伸軸方向に積層することにより、前記第2の貫通孔が連通されて、前記第2の部分に、前記第1の収容部と連通する第2の収容部が形成され、
前記第2の部分において、前記第2のセグメント板の各々は、該第2のセグメント板の貫通孔の少なくとも一つの角部が、前記延伸軸の方向において、隣接する第2のセグメント板の貫通孔の角部と重ならないようにして配置され、
前記第1の収容部と前記第2の収容部は、形状および/または寸法が異なっていても良い。
当該筒状構造体は、前記延伸軸の方向に対して垂直な方向の断面が多角形状の外表面を有するセグメント段が少なくとも3段以上積層された第1の部分を有し、
該第1の部分において、各セグメント段は、隣接するセグメント段に対して少なくとも一つの角部の位置がずれるように配置されていることを特徴とする筒状構造体が提供される。
第1番目のセグメントの一つの角部を第1選択角部として選定し、第2番目のセグメントの角部のうち、前記第1選択角部に最も近接する角部を第2選択角部として選定し、以下同様にして、第1番目のセグメントから第n番目のセグメントまで、n個の選択角部を選択し、各選択角部を順次結んだとき、前記延伸軸を中心とした螺旋状の軌跡が得られても良い。
該第2の部分において、第2のセグメント段の各々は、隣接する第2のセグメント段に対して少なくとも一つの角部の位置がずれるように配置され、
前記第1の部分と第2の部分は、形状または寸法が異なっていても良い。
該第3の部分は、前記延伸軸の方向に対して垂直な方向の断面が円または楕円形状の外表面を有しても良い。
(a)収容部を有する成形型を組み立てるステップと、
(b)前記成形型の収容部で、成形体を形成するステップと、
を有し、
前記成形型は、前述のような特徴を有する成形型であることを特徴とする方法が提供される。
図1には、本発明による筒状構造体の一例を模式的に示す。また、図2には、本発明による筒状構造体の上部の拡大図を示す。さらに、図3には、筒状構造体の簡略化された上面図を示す。
次に、前述のような筒状構造体を製作する際に使用される成形型について説明する。
次に、本発明による筒状構造体の製造方法の一例について説明する。なお、以降の説明では、前述のような特徴を有する多孔質セラミック製の成形型を使用して、セラミック製の筒状構造体を製造する方法について述べる。ただし、本発明がそのような態様に限られないことは、当業者には明らかである。
まず最初に、前述のような特徴を有する多孔質セラミック製の成形型が製作される。
(i)各セグメント板を同一配置で積層した際に、隣接するセグメント間で、貫通孔の配置が所定の角度だけ回転されるように、予め各セグメント板の貫通孔の位置を規定しておく。このような設計は、CADまたは他のコンピュータソフトウェア等を使用することにより、容易に行うことができる。
(ii)各セグメント板に設置されている貫通孔の寸法および形状を実質的に同一にしておき、セグメント板を隣接するセグメント板に対して、所定の角度だけ回転させ、貫通孔の配置をずらしながら、セグメント板を順次積層する(図4の構成)。これにより、隣接するセグメント同士の間で、貫通孔の多角形の頂点が重なり合っていない状態が得られる。
次に、成形型の収容部に、構造体用のスラリーが注入される。このスラリーは、収容部を構成する内壁部に接触した状態で、乾燥、固化されるため、成形型の収容部に対応した外表面を有する筒状成形体が得られる。換言すれば、成形型の収容部、すなわち、セグメント板の貫通孔を適正に設計することにより、薄肉、大型、および/または複雑形状の筒状成形体を、容易に形成することが可能になる。
次に、必要に応じて、得られた筒状成形体が焼成処理される。
以下の方法により、図4に示す構造の成形型を製作した。
次に、実施例1で組み立てた成形型を用いて、セラミック製の筒状構造体を製作した。
実施例1で組み立てた成形型を用いて、セラミック製の筒状構造体を製作した。
外表面が略正六角形状の断面を有する第1の部分と、外表面が略円形の断面を有する第2の部分と、外表面が略正六角形状の断面を有する第3の部分と、外表面が略円形の断面を有する第4の部分とが順次接続された、セラミック製の筒状構造体を製作した。
101 延伸軸
103 上面
105 貫通流路
109 下面
110 内表面
125 角部
130(130−1〜130−n) セグメント段
140 外表面
150(150−1〜150−6) 螺旋状の軌跡
200 本発明による成形型
203 上面
209 下面
220 貫通孔
225 頂点
230(230−1〜230−n) セグメント板
230A、230B 部材
240 外表面
250(250−1〜250−6) 螺旋状の軌跡
260 収容部
270 内壁部。
Claims (33)
- 延伸軸を有する筒状構造体を成形するための成形型であって、
当該成形型は、少なくとも3つ以上のセグメント板を前記延伸軸の方向に積層した第1の部分を有し、
各セグメント板は、貫通孔を有し、該貫通孔は、前記延伸軸の方向から見たとき、少なくとも3つの角部を有する多角形状を有し、
各セグメント板を前記延伸軸の方向に積層することにより、前記貫通孔が連通され、前記第1の部分に第1の収容部が形成され、
各セグメント板は、該セグメント板の貫通孔の少なくとも一つの角部が、前記延伸軸の方向において、隣接するセグメント板の貫通孔の角部と重ならないようにして配置されることを特徴とする成形型。 - 各セグメント板は、該セグメント板の貫通孔の全ての角部が、前記延伸軸の方向において、隣接するセグメント板の貫通孔の角部と重ならないようにして配置されることを特徴とする請求項1に記載の成形型。
- 各セグメント板の貫通孔は、前記延伸軸の方向から見たとき、寸法および形状が実質的に同一の多角形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の成形型。
- 前記第1の部分において、各セグメント板の貫通孔は、隣接するセグメント板の貫通孔に対して、前記延伸軸の周りにある角度(α)だけ回転することにより、位置がずれるように配置されることを特徴とする請求項3に記載の成形型。
- 前記角度(α)は、1゜〜25゜の範囲であることを特徴とする請求項4に記載の成形型。
- 前記第1の部分において、各セグメント板は、隣接するセグメント板に対して、前記延伸軸の周りに回転した状態で配置されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の成形型。
- 各セグメント板の前記延伸軸に対して垂直な面の形状および寸法は、実質的に等しいことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の成形型。
- 各セグメント板の前記貫通孔は、前記延伸軸の方向から見たとき、四角形、五角形、六角形、八角形、または十二角形の形状を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の成形型。
- 前記第1の収容部は、前記延伸軸の方向から見たとき、5mm〜500mmの円と内接または外接する寸法を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の成形型。
- 前記第1の部分において、最上部のセグメント板を第1番目のセグメントとし、該第1番目のセグメントの直下のセグメント板を第2番目のセグメントとし、以下同様に、第3番目のセグメント、第4番目のセグメント...第i番目のセグメント...を規定し、最下部のセグメント板を第n番目のセグメントとしたとき、
第1番目のセグメントの貫通孔の一つの角部を第1選択角部として選定し、第2番目のセグメントの貫通孔の角部のうち、前記第1選択角部に最も近接する角部を第2選択角部として選定し、以下同様にして、第1番目のセグメントの貫通孔から第n番目のセグメントの貫通孔まで、n個の選択角部を選択し、各選択角部を順次結んだとき、前記延伸軸を中心とした螺旋状の軌跡が得られることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載の成形型。 - 当該成形型は、さらに、少なくとも3つ以上の第2のセグメント板を前記延伸軸方向に積層した第2の部分を有し、
前記第2のセグメント板の各々は、第2の貫通孔を有し、該第2の貫通孔は、前記延伸軸の方向から見たとき、少なくとも3つの角部を有する多角形状を有し、
前記第2のセグメント板の各々を前記延伸軸方向に積層することにより、前記第2の貫通孔が連通されて、前記第2の部分に、前記第1の収容部と連通する第2の収容部が形成され、
前記第2の部分において、前記第2のセグメント板の各々は、該第2のセグメント板の貫通孔の少なくとも一つの角部が、前記延伸軸の方向において、隣接する第2のセグメント板の貫通孔の角部と重ならないようにして配置され、
前記第1の収容部と前記第2の収容部は、形状および/または寸法が異なることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載の成形型。 - 前記第2のセグメント板は、該第2のセグメント板の貫通孔の全ての角部が、前記延伸軸の方向において、隣接する第2のセグメント板の貫通孔の角部と重ならないようにして配置されることを特徴とする請求項11に記載の成形型。
- 各第2のセグメント板の貫通孔は、前記延伸軸の方向から見たとき、寸法および形状が実質的に同一の多角形状を有することを特徴とする請求項11または12に記載の成形型。
- 前記第2の部分において、各第2のセグメント板の貫通孔は、隣接する第2のセグメント板の貫通孔に対して、前記延伸軸の周りにある角度(β)だけ回転することにより、位置がずれるように配置されることを特徴とする請求項13に記載の成形型。
- さらに、略円柱状の第3の収容部を有する第3の部分を有し、前記第3の収容部は、前記第1の収容部と連通されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一つに記載の成形型。
- 延伸軸を有するセラミックまたは金属製の筒状構造体であって、
当該筒状構造体は、前記延伸軸の方向に対して垂直な方向の断面が多角形状の外表面を有するセグメント段が少なくとも3段以上積層された第1の部分を有し、
該第1の部分において、各セグメント段は、隣接するセグメント段に対して少なくとも一つの角部の位置がずれるように配置されていることを特徴とする筒状構造体。 - 各セグメント段は、隣接するセグメント段に対して、全ての角部の位置がずれるように配置されていることを特徴とする請求項16に記載の筒状構造体。
- 各セグメント段は、前記延伸軸の方向に対して垂直な方向から見たとき、寸法および形状が実質的に同一の多角形状の外表面を有することを特徴とする請求項16または17に記載の筒状構造体。
- 前記第1の部分において、各セグメント段は、隣接するセグメント段に対して、前記延伸軸の周りにある角度(α)だけ回転することにより、位置がずれるように配置されることを特徴とする請求項18に記載の筒状構造体。
- 前記角度(α)は、1゜〜25゜の範囲であることを特徴とする請求項19に記載の筒状構造体。
- 当該筒状構造体は、少なくとも100段以上のセグメント段を前記延伸軸の方向に積層した構成を有することを特徴とする請求項16乃至20のいずれか一つに記載の筒状構造体。
- 各セグメント段は、貫通孔を有し、該貫通孔の形状および寸法は、実質的に等しいことを特徴とする請求項16乃至21のいずれか一つに記載の筒状構造体。
- 各セグメント段の外表面の前記延伸軸の方向に垂直な断面は、四角形、五角形、六角形、八角形、または十二角形の形状を有することを特徴とする請求項16乃至22のいずれか一つに記載の筒状構造体。
- 各セグメント段の外表面は、前記延伸軸の方向から見たとき、直径が5mm〜500mmの円と内接または外接することを特徴とする請求項16乃至23のいずれか一つに記載の筒状構造体。
- 各セグメント段は、実質的に同一の厚さを有することを特徴とする請求項16乃至24のいずれか一つに記載の筒状構造体。
- 前記第1の部分において、最上部のセグメント段を第1番目のセグメントとし、該第1番目のセグメントの直下のセグメント段を第2番目のセグメントとし、以下同様に、第3番目のセグメント、第4番目のセグメント...第i番目のセグメント...を規定し、最下部のセグメント段を第n番目のセグメントとしたとき、
第1番目のセグメントの一つの角部を第1選択角部として選定し、第2番目のセグメントの角部のうち、前記第1選択角部に最も近接する角部を第2選択角部として選定し、以下同様にして、第1番目のセグメントから第n番目のセグメントまで、n個の選択角部を選択し、各選択角部を順次結んだとき、前記延伸軸を中心とした螺旋状の軌跡が得られることを特徴とする請求項16乃至25のいずれか一つに記載の筒状構造体。 - 当該筒状構造体は、前記第1の部分の内表面に、前記第1の部分の外表面の形状に対応する凹凸面を有することを特徴とする請求項16乃至26のいずれか一つに記載の筒状構造体。
- 当該筒状構造体は、さらに、前記延伸軸の方向に対して垂直な方向の断面が多角形状の外表面を有する第2のセグメント段が、前記延伸軸の方向に少なくとも3段以上積層された第2の部分を有し、
該第2の部分において、第2のセグメント段の各々は、隣接する第2のセグメント段に対して少なくとも一つの角部の位置がずれるように配置され、
前記第1の部分と第2の部分は、形状または寸法が異なることを特徴とする請求項16乃至27のいずれか一つに記載の筒状構造体。 - 各第2のセグメント段は、隣接する第2のセグメント段に対して、全ての角部の位置がずれるように配置されていることを特徴とする請求項28に記載の筒状構造体。
- 各第2のセグメント段は、前記延伸軸の方向に対して垂直な方向から見たとき、寸法および形状が実質的に同一の多角形状の外表面を有することを特徴とする請求項28または29に記載の筒状構造体。
- 前記第2の部分において、各第2のセグメント段は、隣接する第2のセグメント段に対して、前記延伸軸の周りにある角度(β)だけ回転することにより、位置がずれるように配置されることを特徴とする請求項30に記載の筒状構造体。
- さらに、前記第1の部分と一体化された第3の部分を有し、
該第3の部分は、前記延伸軸の方向に対して垂直な方向の断面が円または楕円形状の外表面を有することを特徴とする請求項16乃至31のいずれか一つに記載の筒状構造体。 - セラミックまたは金属製の筒状構造体を製造する方法であって、
(a)収容部を有する成形型を組み立てるステップと、
(b)前記成形型の収容部で、成形体を形成するステップと、
を有し、
前記成形型は、請求項1乃至15のいずれか一つに記載の成形型であることを特徴とする方法。
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