JP5327721B2 - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
今日、内燃機関に対してすぐれた排気浄化性能が求められている。例えばディーゼルエンジンにおいては、排気管の途中に、エンジンから排出される黒煙などのいわゆる排気微粒子(粒子状物質、PM:Particulate Matter)の除去のためにディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel Particulate Filter)を、あるいは排気中のNOxを浄化する目的でNOx吸蔵還元触媒(LNT:Lean NOx Trap)を装備する場合が多い。
DPFを装備した場合、DPFがPMを十分に捕集した度ごとに、DPFを昇温して捕集したPMを燃焼してDPFを再生する(DPF再生)。LNTを装備した場合、エンジンがリーン燃焼状態のときにLNTにNOxを吸蔵し、十分NOxを吸蔵したとみなされると、リッチ燃焼状態かつ高温状態としてNOxを無害な窒素に還元する(NOx還元)。またLNTを装備した場合には、燃料中の硫黄によりLNTが被毒した場合(S被毒)に、LNTを昇温して再生する(S再生)。
以上のDPF再生、NOx還元、S再生における昇温のために、DPFやLNTの上流側に燃料を添加する燃料添加弁を設置して、ここから排気管に燃料を添加する手法がある(例えば下記特許文献1)。この手法では、DPFやLNTよりも上流(かつ添加弁よりは下流)に装備された酸化触媒の作用によって、DPFやLNTに流入する排気が昇温する。
特開2004−239073号公報 特開2005−090434号公報 特開2005−83350号公報
上記特許文献1の手法においては、触媒不活性時、排気流速が大きい時、もしくは燃料添加しない時の排ガス空燃比が所定値を下回る時には、添加弁から添加された燃料が触媒で反応せず、未燃燃料のまま外気へ放出されてエミッションが悪化する場合がある。そこで上記特許文献2、3では、これを抑制するために、触媒不活性時、排気流速が大きい時、もしくは燃料添加しない時の排ガス空燃比が所定値を下回る時には添加燃料量を所定値以下に制限する技術が提案されている。
しかし、添加燃料量を制限した場合、燃料酸化による発熱量が不足する。このとき、酸化触媒で生じた熱が排気浄化装置(DPFやLNT)に伝わるまでには遅れ時間があるため、上記制限期間だけでなく制限解除後も排気浄化装置が温度不足となる可能性が生じていた。その様子が図4に示されている。
また温度不足を早期に解消するための方法として、触媒温度と目標温度との偏差をフィードバック(F/B)することが考えられる。しかし、燃料添加に対する触媒昇温の遅れにより、燃料量制限が解除された直後も触媒温度は目標温度に対して不足する分F/B量は過積算される。これにより触媒温度が大幅にオーバーシュートして触媒の劣化を招く可能性がある。そうした場合の例が図5に示されている。
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、DPF再生、NOx還元、S再生等の目的のために、排気管に装備された燃料添加弁から燃料を添加してDPFやLNTなどの排気浄化装置を昇温する制御を行う場合に、触媒不活性時等に添加燃料量を制限して未燃燃料が外気へ排出されることを適切に抑制しつつ、制限解除後に迅速に目標温度を回復し、かつ過昇温も回避できる内燃機関の排気浄化システムを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を達成するために、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムは、内燃機関の排気通路に配置されて排気を浄化する排気浄化部と、その排気浄化部の上流に配置された触媒と、その触媒の上流に配置されて、排気浄化の目的のために排気通路中に燃料を添加する添加弁と、前記添加弁から添加された燃料が前記触媒及び排気浄化部をすり抜けることを抑制するために、前記添加弁からの添加燃料量の制限を指令する制限指令手段と、その制限指令手段からの指令による添加燃料量の制限中に、その制限による前記排気浄化部の昇温不足量を積算する積算手段と、前記制限の解除後に、前記積算手段によって積算された昇温不足量を解消するために必要な添加燃料量が所定の上限値を超える場合は、その上限値を超えない範囲内で増量した添加燃料量を前記添加弁から添加するように指令する増量指令手段と、を備え、前記増量指令手段は、前記制限の解除後に、増量した添加燃料量を指令するごとに前記積算手段により積算された昇温不足量を前記増量によって解消された昇温不足量の分だけ減算し、昇温不足量がゼロとなるまで添加燃料量の増量を続けることを特徴とする。
これにより、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムでは、排気浄化の目的のために添加弁から燃料を添加する際に、触媒及び排気浄化部をすり抜ける可能性がある場合は、添加燃料量を制限し、さらに添加燃料量の制限解除後には、添加燃料量を基本添加量よりも増量しつつ、それが上限値を超えることはないように設定する。したがって添加された燃料が触媒及び排気浄化部をすり抜けてエミッションが悪化することを抑制すること、制限解除後に迅速に昇温不足を解消すること、オーバーシュートの発生は抑制することをともに達成できるとの複合的な効果を奏する。
また前記増量指令手段は、前記制限の解除後に、増量した添加燃料量を指令するごとに前記積算手段により積算された昇温不足量を前記増量によって解消された昇温不足量の分だけ減算し、昇温不足量がゼロとなるまで添加燃料量の増量を続けるとしてもよい。
これにより、制限解除後に添加燃料量を増量するたびに、それに相当する分だけ制限期間中の昇温不足量を減算していき、それがゼロとなるまで増量を続けるので、数値的に求められた昇温不足量の積算値に基づいて、制限期間中の昇温不足を制限解除後に精度よく解消することができる。
また前記積算手段は、前記昇温不足量を、添加燃料量の上限値、排気流量、前記排気浄化部へ流入する排気の温度、目標温度から算出して積算するとしてもよい。
これにより、添加燃料量の制限期間中の昇温不足量を、添加燃料量がどれだけの昇温量に変化するかを示す数式によって、簡易にかつ精度よく算出することができる。
また前記増量指令手段は、添加燃料量の増量値の算出のために排気温度のフィードバック制御を実行しないとしてもよい。
これにより、フィードバック制御を用いた場合のオーバーシュートの可能性が回避できるので、迅速に目標温度を回復するときに過昇温の発生を抑制できる。
また前記増量指令手段は、所定時間後の排気温度の予測値と目標温度との偏差が所定範囲内にあるときは添加燃料量の増量を停止するとしてもよい。
これにより、昇温不足が解消されたとみなされる場合は添加燃料量の増量を強制的に終了させることができるので、昇温不足量の計算と平行して行えば、より適切な時点で添加燃料量の増量が終了できる。
また前記上限値を前記制限時における前記昇温不足量の積算の時間波形に応じて設定する第1設定手段を備えたとしてもよい。
これにより、昇温不足量がどのような時間波形をたどって積算されたかに応じて、制限解除後の添加燃料量の上限値を決めるので、柔軟に上限値を決定して迅速な目標値への回復と過昇温の抑制を図ることができる。
また前記第1設定手段は、前記上限値を、前記制限の期間長と、前記制限の解除時における前記昇温不足量の積算値とに応じて設定するとしてもよい。
これにより、制限解除時の昇温不足量と制限期間長とに応じて、制限解除後の添加燃料量の上限値を決めるので、柔軟に上限値を決定して迅速な目標値への回復と過昇温の抑制を図ることができる。
また前記第1設定手段は、前記制限の解除時における前記昇温不足量の積算値を前記制限の期間長で除算した数値が大きいほど、前記上限値を大きい数値に設定するとしてもよい。
これにより、添加燃料量の制限期間中により急激に昇温不足量が増加した場合ほど、制限解除後の添加燃料量の上限値をより大きくするので、急激に生じた昇温不足を、より大きな添加燃料量の増量で迅速に解消することができる。また昇温不足が緩やかに増加した場合には、添加燃料量の増量を抑制して緩やかに解消することができる。
また前記制限の解除後における排気流量が大きいほど前記上限値を小さい数値に設定する第2設定手段を備えたとしてもよい。
これにより、制限の解除後において、排気流量が大きいほど、添加燃料量の増量を抑制するので、排気流量が大きく、排気から排気浄化部への熱伝達率が大きい場合に、添加燃料量の増量を抑制して、過昇温を適切に回避できる。
本発明における内燃機関の排気浄化システムの実施例の構成図。 添加燃料量制御のフローチャート。 本発明による昇温量、添加燃料量、排気浄化装置に流入する排気温度などの時間波形の例を示す図。 従来技術(添加燃料量増量なし)による添加燃料量、排気浄化装置に流入する排気温度などの時間波形の例を示す図。 フィードバック制御使用時における添加燃料量、排気浄化装置に流入する排気温度などの時間波形の例を示す図。 補正上限値の設定例を示す図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明に係る内燃機関の排気浄化システム1の実施例1における装置構成の概略図である。
図1の排気浄化システム1は、4気筒のディーゼルエンジン2(以下では単にエンジンと称する)に対して構成されている。エンジン2及び排気浄化システム1は、吸気管3、排気管4、EGR管5を備える。排気管4には、上流側から酸化触媒6(DOC:Diesel Oxicidation Catalyst)、排気浄化部7が配置されている。そしてこれらを制御する電子制御装置9(ECU:Electronic Control Unit)が装備されている。エンジン2及び排気浄化システム1は自動車に装備されているとすればよい。
吸気管3を通じてエンジン2に空気が供給される。吸気管3にはエアフロメータ31、吸気スロットル32が配置されている。エアフロメータ31は吸気量を計測する。ここでの吸気量は例えば単位時間当たりの質量流量とすればよい。また吸気スロットル32の開度が調節されることによってエンジン2に供給される吸気量が増減する。
エンジン2にはインジェクタ21、エンジン回転数センサ22が装備されている。インジェクタ21からの噴射によってシリンダ内に燃料が供給される。エンジン回転数センサ22によってエンジン2の(単位時間あたりの)回転数が計測される。エンジン回転数センサ22は、例えばエンジン2から連結されたクランクの回転角度を計測するクランク角センサとして、その検出値がECU9へ送られてエンジンの回転数が算出されるとすればよい。
またエンジン2に接続された排気管4へ排気が排出される。排気管4には、酸化触媒6よりも上流側に、上流側から燃料添加弁40(添加弁)、排気温センサ41が配置されている。燃料添加弁40によって排気管4内に燃料が添加される。また排気温センサ41によって酸化触媒6へ流入する排気の温度が計測される。
EGR管5は、排気管4から吸気管3への排気再循環(EGR:Exhaust Gas Recirculation)を行うために装備されている。EGR管5にはEGRバルブ51が装備されている。EGRバルブ51の開閉によって排気の還流量が調節される。
排気浄化システム1において、排気浄化部7は、DPF7a(Diesel Particulate Filter)としてもよく、LNT7b(Lean NOx Trap)としてもよい。あるいはDPF7aとLNT7bとの両方が併置される(一方が上流側、他方が下流側のかたちで)としてもよい。排気浄化部7がDPF7aの場合には、DPF7aの入口側(上流側)と出口側(下流側)の圧力差(差圧、圧損)を計測する差圧センサ70が装備される。排気浄化部7がLNT7bの場合は差圧センサ70を装備しなくともよい。
図1に示された点線は情報の伝達を示している。上で述べたエアフロメータ31、エンジン回転数センサ22、排気温センサ41、差圧センサ70の計測値はECU9へ送られる。またECU9によりインジェクタ21によるエンジン2への燃料噴射のタイミングや噴射量、添加弁41による排気管4無内への燃料添加のタイミングや添加量、吸気スロットル32とEGRバルブ51との開度が調節、制御される。ECU9は通常のコンピュータと同様の構造を有するとして、各種演算をおこなうCPUや各種情報を記憶するメモリ90を備えるとすればよい。
排気浄化部7がDPF7aの場合、DPF7aは、例えば代表的な構造として、いわゆるハニカム構造において入口側と出口側を交互に目詰めした構造とすればよい。エンジン2の運転中に排出される排気にはPM(粒子状物質)が含まれ、このPMはDPF7aの上記構造のDPF壁を排気が通過するときに、このDPF壁の内部あるいは表面に捕集される。DPF7aは酸化触媒が担持された酸化触媒付きDPFであるとすればよい。
DPF7aにおけるPM堆積量の推定方法としては、例えばDPF差圧とPM堆積量との関係を示したマップを予め求めておいてメモリ90に記憶しておき、このマップと実際のDPF差圧の計測値とからPM堆積量を推定するとすればよい。このマップでは、代表的な特性としては、前後差圧とPM堆積量とをそれぞれ縦軸横軸とした関係がほぼ平行四辺形の形状となり、PMが堆積し、燃焼することによりその平行四辺形を1周する。
あるいはPM堆積量はエンジン2の運転履歴から推定するとしてもよい。具体的には、エンジン2の運転状態、すなわちエンジン回転数と負荷からエンジン2が排出するPM量への関係を表すマップをメモリ90に予め記憶しておいて、そのマップと時々刻々のエンジン回転数と負荷の数値とから、エンジン2が排出するPM量を算出する。そして、このエンジン2が排出するPM量を積算した数値をDPF7aに堆積したPM量とする。なお、その際エンジン回転数はエンジン回転数センサ22で検出し、負荷は例えばインジェクタ21への噴射量指令値とすればよい。
DPF7aに堆積したPMの堆積量が十分大きくなった度ごとに、堆積したPMを燃焼することによって除去し、DPF7aを再生する。DPF7aの再生方法としては例えば、添加弁40から排気管4内に燃料を添加する。添加弁40から添加された燃料が酸化触媒6に達して、酸化触媒6に担持された触媒の作用で昇温して、DPF7aに流入する排気を昇温させ、これにより堆積したPMが燃焼する。
排気浄化部7がLNT7bの場合、LNT7bは例えばセラミック製の基材上に担体の層が形成されて、担体上に吸蔵剤と触媒とが担持された構造であるとすればよい。担体としては例えばガンマアルミナを用いれば表面の凹凸による大きな表面積によって多くの吸蔵剤、触媒が担持できて好適である。また吸蔵剤としては例えばバリウム、リチウム、カリウムなど、触媒としては例えば白金などを用いればよい。
LNT7bにおいては、理論空燃比よりも燃料が希薄な(通常、A/F値(空燃比値)は17以上)リーン雰囲気時に排気中のNOxが吸蔵剤に吸蔵される。そして理論空燃比よりも燃料が過剰な(通常、A/F値は14.5以下)リッチ雰囲気に空燃比が調節され、上述のように所定の温度条件が満たされると、吸蔵剤に吸蔵されていたNOxが、燃料中の成分から生成された還元剤によって還元されて無害な窒素となって排出される。リッチ雰囲気を形成し、昇温条件を満たすためには例えば、添加弁40から燃料を添加して酸化触媒6の作用で、LNT7bに流入する排気を昇温させる手法がある。
LNTの使用では、硫黄成分による被毒の問題(硫黄被毒あるいはS被毒)に対する対策が必要である。硫黄被毒とは、触媒(あるいは吸蔵剤)が燃料中の硫黄と結合してしまうことであり、その結果、触媒が排気浄化のための機能を果たせなくなる現象のことで、特定の条件下でS被毒前の状態に戻すことが可能である。
硫黄被毒(S被毒)から触媒を再生する(S被毒再生あるいはS再生)ためには、リッチ雰囲気とし、かつ所定の温度条件(例えば650度以上)を満たす必要がある。この目的のために、例えば排気管4へ添加弁40から燃料を添加する等の方策がとられる。LNT7bにおいてS被毒が進行したとみなされる毎に、通常こうしたS再生を行って、触媒の機能を維持し続ける。
本実施例では、DPF再生、S再生、NOx還元のために排気温度を上昇させる目的で、添加弁40から排気管4内に燃料を添加するが、NOx還元が排気浄化のために行われることは言うに及ばず、DPF再生、S再生もDPF7aやLNT7bが正常な排気浄化機能を保持するために行うのであるから、この燃料添加は全て排気浄化の目的で行われると言ってよいことは自明である。
本実施例では、以上で述べた装置構成のもとで、DPF再生、S再生、NOx還元等を実行するために添加弁40から燃料を添加して排気浄化部7に流入する排気を昇温させるが、その際に、触媒不活性時等にエミッション悪化回避のために添加燃料量を制限し、かつ制限解除後に過昇温を回避しつつ目標温度を迅速に回復することを考慮した制御を行う。その処理手順は図2に示されている。図2の処理手順はプログラム化されて例えばメモリ90に予め記憶しておき、ECU9がそれを呼び出して自動的に実行するとすればよい。図2のフローチャートは、例えば車両の運転中常に処理し続ければよい。
図2の処理ではまずECU9は、S10で温度制御(すなわちDPF再生、S再生、NOx還元等のために排気浄化部7に流入する排気を昇温する制御)の要求が出されているか否かを判断する。ECU9は、温度制御の要求が出されている場合(S10:YES)はS20に進み、出されていない場合(S10:NO)は図2の処理を終了する。
DPF再生の場合、例えばDPF7aにおけるPM堆積量を、差圧センサ70の計測値と、差圧―堆積量間の関係を示すマップとから推定して、その推定値が所定値を超えたら、CPU9が温度制御の要求を出せばよい。またS再生の場合、LNT7bがS被毒になる条件(例えば走行距離など)を予め求めておいて、その条件を満たしたらCPU9が温度制御の要求を出せばよい。またNOx還元の場合も、LNT7bが十分にNOxを吸蔵した条件(例えば走行距離など)を予め求めておいて、その条件を満たしたらCPU9が温度制御(及びリッチ制御)の要求を出せばよい。
次にECU9は、S20で温度制御が許可されているか否かを判断する。許可されている場合(S20:YES)はS25に進み、許可されていない場合(S20:NO)は再びS10に戻り上記手順を繰り返す。温度制御の許可は、温度制御に適した所定の条件(例えば運転条件など)が満たされたらECU9が出すとすればよい。
S25に進んだ場合は、昇温制御が要求され、許可も出されている場合であり、ECU9は、S25で温度制御を実行する。すなわち添加弁40から排気管4内に燃料を添加する。添加された燃料は酸化触媒6の作用で排気を昇温させ、昇温した排気が排気浄化部7(DPF7aあるいはLNT7b)に流入して、DPF再生、S再生、NOx還元の一部あるいは全てが達成される。その際に、目的(すなわちDPF再生、S再生、NOx還元)及び現在の状況に応じて、排気浄化部7に流入する排気の目標温度が設定される。
次にS30でECU9は、ガス流量(排気流量)Ga、及び酸化触媒6の上流側でのガス温度を取得する。ガス流量は例えばエアフロメータ31の計測値とすればよい。酸化触媒6の上流側でのガス温度は排気温センサ41で検出すればよい。
S40でECU9は、添加弁40から添加した燃料が排気浄化装置7をすり抜けてエミッションを悪化させることを抑制するための添加燃料量の上限値(ガード値)Quを取得する。このQuは、例えば運転条件を含む様々な条件に応じた数値をマップのかたちでメモリ90に記憶しておいて、これをS40で呼び出すとすればよい。
この上限値Quは、触媒不活性時、排気流量が大きい時、燃料添加しない時の排気の空燃比が所定値を下回る場合には、そうでない場合より小さな数値に設定するようにする。これにより、添加弁40から添加した燃料が排気浄化部7をすり抜けることが抑制できる。
次にS50でECU9は、基本添加燃料量Q0を算出する。基本添加燃料量Q0は、排気浄化部7に流入する排気温度を目標温度(上述)にするための添加燃料量である。具体的には次の式(E1)により算出する。
Q0=c・Ga・ΔT0/k (E1)
式(E1)でcはガス(排気)の比熱、GaはS30で求めた排気流量、ΔT0は基本要求昇温量(すなわち目標温度とS30で求めた酸化触媒6の上流側でのガス温度との差分値)、kは単位体積の燃料により発生する熱量を示す比例定数である。式(E1)により基本添加燃料量Q0を簡易かつ精度よく算出することができる。
次にS60でECU9は、S50で算出したQ0がS40で取得したQuより大きいか否かを判断する。Q0がQu以下の場合(S60:YES)は、S70へ進み、Q0がQuより大きい場合(S60:NO)は、S100へ進む。
S70に進んだ場合、ECU9は、Tsumがゼロであるか否かを判断する。Tsumの詳細は後述のS100で説明するが、基本的には、Tsumは添加燃料量をQuに制限することによる昇温不足量を制限期間中に積算した値である。Tsumがゼロである場合(S70:YES)は、S120へ進み、Tsumがゼロでない場合(S70:NO)は、S80へ進む。
S80でECU9は、昇温不足が解消しているか否かを判断する。昇温不足が解消している場合(S80:YES)はS120に進み、昇温不足が解消していない場合(S80:NO)はS90に進む。昇温不足が解消しているか否かの判定条件は、例えば現時点までの添加燃料量から排気浄化部7へ流入する今後の排気温度を予測する数式モデルを予め求めておいて、そのモデルから得た排気温度の予測値と目標温度との差分が所定範囲内に収まっていれば昇温不足が解消していると判定すればよい。
次にS90へ進んだらECU9は、制限解除後の添加燃料量の増量する補正において用いる補正上限値Tsum_uを設定する。この上限値Tsum_uは、制限解除後に添加燃料量を大きく増量する補正を行うことによって排気浄化部7が過昇温することを回避するために設定する。上限値Tsum_uの設定の方法は後述する。
結局以上の処理によってS100、S110、S120の3つのどれかのステップに進むように場合分けされた。S100へ進んだ場合は、添加燃料すり抜けの抑制のために添加燃料量がQuに制限された場合であり、図3ではT1からT2の期間に相当する。
S110へ進んだ場合は、添加燃料量のQuへの制限は終了したが、過去にQuに制限したことによる昇温不足量の積算値Tsumがまだ残っている場合であり、図3ではT2からT3の期間に相当する。S120へ進んだ場合は、添加燃料量のQuへの制限は行っておらず、かつ昇温不足も解消して昇温不足量の積算値Tsumもゼロである場合であり、図3ではT1以前、T3以後の期間である。
S100へ進んだらECU9は、燃料添加量QをQuに制限する。そしてECU9は、燃料添加量がQuに制限された場合の実際の昇温量ΔTuを次の式(E2)で算出する。
ΔTu=k・Qu/(c・Ga) (E2)
S100では実際に添加される燃料量であるQuが基本燃料添加量Q0よりも小さいので、当然式(E2)で求めた実際の昇温量ΔTuは基本要求昇温量ΔT0よりも小さい。実際の昇温量ΔTuと基本要求昇温量ΔT0との差分が、昇温不足量を表している。この昇温不足量をTsumで表す。
S100でECU9は、燃料添加量がQuに制限されている期間中、次の式(E3)により昇温不足量Tsumを積算していく。なおhはサンプリング周期であり、iは整数値をとる。
Tsum(i*h)=Tsum((i−1)*h)+MAX(ΔT0(i*h)−ΔTu(i*h),0) (E3)
なお式(E3)でMAX(a,b)の形の演算が使われているが、これは周知のとおりa、bのうちで大きい方(小さくない方)を演算結果とする演算である。つまり式(E3)により、ΔT0(i*h)−ΔTu(i*h)が正の場合のみ積算されていき、結局Tsum(i*h)は昇温不足量の積算値となる。また以下でMIN(a,b)の形の演算も用いるが、これは周知のとおりa、bのうちで小さい方(大きくない方)を演算結果とする演算である。
次に、S110に進んだ場合は、添加燃料量をQuに制限することが終了した(解除された)場合であり、迅速に目標温度に戻るように、添加燃料量を増量する補正を行う。その増量値は制限時における昇温不足量に対応して決定する。ただしその際に、急激な添加燃料量の増量によって排気浄化部7の過昇温を回避するために、予め昇温不足量の上限値Tsum_u(i*h)を設定しておく。
具体的には、まず次の式(E4)により昇温不足量ΔT(i*h)を算出して、これを用いて添加燃料量Q(i*h)を式(E5)により算出する。このQ(i*h)を添加弁40から添加する。式(E4)により、昇温不足量ΔT(i*h)を基本要求昇温量ΔT0(i*h)から増加させる分は、上限値Tsum_u以下に抑えられるので、これにともない添加燃料量Qも抑制されて、過昇温回避の効果を奏することとなる。
ΔT(i*h)=ΔT0(i*h)+MIN(Tsum(i*h),Tsum_u(i*h)) (E4)
Q(i*h)=c・Ga・ΔT(i*h)/k (E5)
S110ではさらに、(E4)で昇温した分を、昇温不足量の積算値から減算していく。具体的には次の式(E6)で減算する。
Tsum(i*h)=MAX(Tsum((i−1)*h)−Tsum_u((i−1)*h),0) (E6)
S120では、添加弁40からの添加燃料量をS50で算出した基本添加燃料量Q0にする。そしてTsumの値は増加も減少もさせないでゼロのまま保持する。ECU9はS100、S110、S120のいずれかを処理したら、再びS10に戻り上記手順を繰り返す。以上が図2の処理手順である。
上記S90における上限値Tsum_uの設定方法の例が図6に示されている。図6の例では、添加燃料量の制限期間における、昇温不足量Tsumの平均増加率(すなわち制限解除時におけるTsumの値を制限期間の長さで除算した値)に応じて上限値を設定している。
そして、添加燃料量の制限期間におけるTsumの平均増加率が大きいほど、上限値Tsum_uをより大きい数値に設定している。これにより図6では制限期間中に急激にTsumが増加したパターンAの方が上限値Tsum_uが大きく設定される。これにより急激に昇温不足量が増加した場合ほど、制限解除後により多くの燃料を添加して迅速に目標温度を回復することができる。
またS90では、排気流量に応じて上限値Tsum_uを設定してもよい。具体的には、制限解除後の排気流量が大きいほど、上限値Tsum_uを小さい値に設定すれば、排気流量が多い場合に高い熱伝達率によりオーバーシュートが発生することが抑制できる。S90では上限値Tsum_uを、上記のTsumの平均増加率による設定方法と、排気流量を用いた設定方法を組み合わせて設定してもよい。
以上で述べた本実施例の処理手順による効果が図3に示されている。上記説明から明らかなように、本実施例では、添加燃料量の制限解除後(図3ではT2以降)に、添加燃料量Qを基本添加燃料量Q0よりも増量する補正を行っている。さらに制限解除後に上限値Tsum_uを設定して添加燃料量を過大にならないようにしている。そして添加燃料量を決定する際にフィードバック制御を用いていない。
これらの措置によって本発明では、図3の一番下のプロットに示されているように、補正なしの場合のように制限解除後に長く昇温不足が続くことがなく、F/B制御を用いた場合のように過昇温が生じることもなく、迅速に目標温度に回復している。
上記実施例において、S100の手順とECU9とが制限指令手段を構成する。S100の手順とECU9とが積算手段を構成する。S110の手順とECU9とが増量指令手段を構成する。S90の手順とECU9とが第1設定手段及び第2設定手段を構成する。なお上記実施例では内燃機関としてディーゼルエンジンを用いたが、これを例えばリーンバーンガソリンエンジンに変更しても同様の効果を奏する。
1 排気浄化システム
2 ディーゼルエンジン(内燃機関)
4 排気管(排気通路)
6 酸化触媒(触媒)
7 排気浄化部
7a ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF、フィルタ、排気浄化部)
7b NOx吸蔵還元触媒(LNT、排気浄化部)
9 電子制御装置(ECU)
40 添加弁

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に配置されて排気を浄化する排気浄化部と、
    その排気浄化部の上流に配置された触媒と、
    その触媒の上流に配置されて、排気浄化の目的のために排気通路中に燃料を添加する添加弁と、
    前記添加弁から添加された燃料が前記触媒及び排気浄化部をすり抜けることを抑制するために、前記添加弁からの添加燃料量の制限を指令する制限指令手段と、
    その制限指令手段からの指令による添加燃料量の制限中に、その制限による前記排気浄化部の昇温不足量を積算する積算手段と、
    前記制限の解除後に、前記積算手段によって積算された昇温不足量を解消するために必要な添加燃料量が所定の上限値を超える場合は、その上限値を超えない範囲内で増量した添加燃料量を前記添加弁から添加するように指令する増量指令手段と、
    を備え、前記増量指令手段は、前記制限の解除後に、増量した添加燃料量を指令するごとに前記積算手段により積算された昇温不足量を前記増量によって解消された昇温不足量の分だけ減算し、昇温不足量がゼロとなるまで添加燃料量の増量を続けることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記積算手段は、前記昇温不足量を、添加燃料量の上限値、排気流量、前記排気浄化部へ流入する排気の温度、目標温度から算出して積算する請求項に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記増量指令手段は、添加燃料量の増量値の算出のために排気温度のフィードバック制御を実行しない請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  4. 前記増量指令手段は、所定時間後の排気温度の予測値と目標温度との偏差が所定範囲内にあるときは添加燃料量の増量を停止する請求項1ないしのいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  5. 前記上限値を前記制限時における前記昇温不足量の積算の時間波形に応じて設定する第1設定手段を備えた請求項に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  6. 前記第1設定手段は、前記上限値を、前記制限の期間長と、前記制限の解除時における前記昇温不足量の積算値とに応じて設定する請求項に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  7. 前記第1設定手段は、前記制限の解除時における前記昇温不足量の積算値を前記制限の期間長で除算した数値が大きいほど、前記上限値を大きい数値に設定する請求項に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  8. 前記制限の解除後における排気流量が大きいほど前記上限値を小さい数値に設定する第2設定手段を備えた請求項に記載の内燃機関の排気浄化システム。
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