JP5327204B2 - 無線通信装置及び無線通信システム - Google Patents

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本発明は、共通の通信チャンネルを利用して無線通信を行う通信装置として、定期送信機能を有する第1通信装置とランダム送信機能を有する第2通信装置との2種類の通信装置を備えた無線通信システム、及び、この無線通信システムの第2通信装置を構成するのに好適な無線通信装置に関する。
従来、CSMA方式の無線通信システムのように、複数の通信装置が共通の通信チャンネルを利用してランダムにデータ送信を開始する無線通信システムでは、特定の通信装置が重要性の高い情報(重要情報)を送信しようとしても、通信チャンネルで送信権を取得するのに時間がかかり、重要情報を速やかに送信することができないという問題があった。
そこで、この種の無線通信システムにおいては、CSMA等の通信方式でランダムにデータ送信を開始するランダム送信機能を有する通信装置(第2通信装置)とは別に、TDMA等による通信方式で重要情報を定期的に送信する定期送信機能を有する通信装置(第1通信装置)を設け、定期送信機能を有する第1通信装置が重要情報を定期送信する定期送信期間中は、第2通信装置によるランダム送信を禁止することが提案されている(例えば、特許文献1等参照)。
そして、この提案の無線通信システムでは、第1通信装置が重要情報を定期送信する際、定期送信の周期やその周期内で実際に定期送信を行う期間を表す定期送信期間情報を送信することで、第2通信装置に、ランダム送信を禁止すべき期間を通知するようにされている。
また、第2通信装置は、定期送信期間情報を受信すると、その受信した定期送信期間情報をランダム送信機能によって他の通信装置に転送することで、定期送信期間情報を広範囲に通知するようにされている。
このため、上記提案の無線通信システムによれば、第2通信装置がランダム送信を行うランダム送信期間を制限して、第1通信装置から周囲の第2通信装置に重要情報を優先的に送信させることができる。
特開2010−21870号公報
ところで、上記提案の無線通信システムでは、第2通信装置が、受信した定期送信期間情報を他の通信装置に転送し、しかも、その転送は、ランダム送信にて本来送信すべき送信データに定期送信期間情報を付与することにより行う。
このため、上記提案の無線通信システムにおいて、第2通信装置が定期送信期間情報を転送する際には、定期送信期間情報を転送しない場合に比べて、ランダム送信1回当たりのデータ長が長くなる。
そして、第1通信装置からの電波が届く領域内に第2通信装置が複数存在する場合、その領域内の複数の第2通信装置が第1通信装置から取得した定期送信期間情報を転送し、更に、その転送された定期送信期間情報を受信した第2通信装置も、定期送信期間情報を転送しようとするので、第1通信装置の周囲では、第2通信装置1台当たりのデータ送信期間が長くなる。
従って、上記提案の無線通信システムでは、ランダム送信期間内にランダム送信を行うことのできる第2通信装置の数が少なくなる(換言すれば、ランダム送信期間内に送信機会を得ることのできない第2通信装置が発生しやすくなる)という問題が発生する。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、定期送信機能を有する第1通信装置とランダム送信機能を有する第2通信装置とが混在し、第2通信装置が第1通信装置の定期送信期間情報を取得すると、その情報から得られる定期送信期間内にランダム送信を実行するのを禁止する無線通信システムにおいて、第2通信装置が定期送信期間情報を取得した際、その情報をランダム送信にて周囲の通信装置に転送するのを制限することで、ランダム送信期間内に送信機会を得ることのできない第2通信装置が発生するのを抑制することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、上述した従来技術の無線通信システムと同様、定期送信機能を有する第1通信装置とランダム送信機能を有する第2通信装置とが混在し、第1通信装置が、定期送信期間情報を含む送信データを定期送信するよう構成された無線通信システムにおいて、第2通信装置として使用される無線通信装置に関する発明である。
そして、請求項1に記載の無線通信装置においては、受信手段が、第1通信装置若しくは他の第2通信装置からの送信信号を受信して受信データを復元し、その復元された受信データに定期送信期間情報が含まれている場合には、ランダム送信禁止期間設定手段が、その定期送信期間情報に基づき、定期送信期間を含むランダム送信禁止期間を設定する。
すると、送信手段は、ランダム送信禁止期間設定手段にて設定されたランダム送信禁止期間内では、送信要求が発生しても無線送信の実行を禁止し、ランダム送信禁止期間外にて、送信要求に対応したランダム送信を実行する。
また、本発明の無線通信装置には、受信手段にて復元された定期送信期間情報を送信データの一つとして送信手段に出力することで、送信手段によるランダム送信にて定期送信期間情報を他の通信装置に転送させる転送制御手段と、受信手段が受信した受信信号に基づき、複数の通信装置からの送信信号が衝突したことを検出する衝突検出手段とが備えられている。
そして、転送制御手段は、転送対象となる定期送信期間情報に対応した定期送信期間内に、衝突検出手段にて送信信号の衝突が検出されると、定期送信期間情報の転送条件が成立したと判断して、定期送信期間情報を他の通信装置に転送させ、転送条件が成立しなければ、定期送信期間情報の他の通信装置への転送を中止する。
つまり、本発明の無線通信装置(第2通信装置)が定期送信期間情報を他の通信装置に転送するのは、上記無線通信システムにおいて、第1通信装置からの送信電波(詳しくは定期送信期間情報)を直接受信することのできない他の第2通信装置に、第1通信装置が定期送信を行う定期送信期間を通知することで、他の第2通信装置が定期送信期間内にランダム送信を開始するのを防止するためである。
しかし、上記無線通信システムにおいて、第2通信装置が定期送信期間情報を転送しなくても、他の第2通信装置が第1通信装置の定期送信期間内にランダム送信を行い、そのランダム送信による送信信号と第1通信装置からの送信信号とが衝突するとは限らない。
そこで、本発明では、無線通信装置(第2通信装置)が定期送信期間情報を取得したときには、その情報から得られる定期送信期間内に送信信号の衝突が発生しているか否かを判断し、送信信号の衝突が発生している場合(換言すれば、他の第2通信装置に第1通信装置の定期送信期間を通知する必要がある場合)に限って、定期送信期間情報を転送するようにしているのである。
このように、本発明の無線通信装置によれば、定期送信期間情報の転送を、転送が必要なときに限って実施することから、定期送信期間情報の転送によってランダム送信時に送信するデータ長が長くなる確率を少なくすることができる。
このため、上記無線通信システムにおいて、本発明の無線通信装置を第2通信装置として利用すれば、第2通信装置が定期送信期間情報を不必要に転送するのを防止することができ、定期送信期間情報の転送により他の第2通信装置が送信機会を得ることができなくなるのを抑制できる。
よって、本発明の無線通信装置によれば、上記無線通信システムにおいて、効率的な無線通信を実現できることになる。
ところで、第2通信装置からの送信信号と第1通信装置からの送信信号との衝突は、受信手段において得られる受信信号の信号レベルの変化等から検出できるが、これら各信号が衝突した場合、受信データを復元できなくなるとは限らない。
つまり、例えば、上記無線通信システムにおいて、第1通信装置によるデータ送信中に他の第2通信装置がデータ送信を開始した際、当該無線通信装置(第2通信装置)の受信手段で得られる受信信号は、第1送信装置からの送信信号に第2通信装置からの送信信号が重畳されたものになるため、受信信号の信号レベルが急峻に増加する。このため、送信信号の衝突は、受信信号の信号レベルの変化から容易に検出できる。
しかし、このように送信信号が衝突して、受信信号の信号レベルが変化しても、衝突した受信信号にレベル差があるような場合(希望波対妨害波比:D/Uが大きい場合)には、レベルの高い受信信号(希望波)からデータを正常に復元できる。
このため、本発明の無線通信装置は、請求項2に記載のように、受信手段による受信データの復元時にエラーが発生したことを検出するエラー検出手段を設け、定期送信期間内に、衝突検出手段にて送信信号の衝突が検出され、しかも、エラー検出手段にて受信データのエラーが検出されたときに、転送制御手段が、定期送信期間情報の転送条件が成立したと判断して、定期送信期間情報を他の第2通信装置に転送させるように構成してもよい。
そして、無線通信装置をこのように構成すれば、第1通信装置の定期送信期間内に第1通信装置からの送信信号と第2通信装置からの送信信号とが衝突し、その衝突により受信エラーが発生したときにだけ、定期送信期間情報を転送することになるため、請求項1に記載のものに比べて、定期送信期間情報を転送する確率をより低くすることができる。
一方、本発明の無線通信装置では、受信手段にて定期送信期間情報が復元されないときには、転送対象となる定期送信期間情報が存在しないので、ランダム送信により定期送信期間情報を送信することはない。
しかし、受信手段にて定期送信期間情報が復元されていないときであっても、第1通信装置による定期送信が開始されて、その定期送信と他の第2通信装置からのランダム送信とが重なることも考えられる。
そして、第1通信装置による定期送信と他の第2通信装置によるランダム送信とが重なり、当該無線通信装置にこれら各装置からの送信信号が届くと、衝突検出手段にて両送信信号の衝突が検出される。また、請求項2に記載の無線通信装置では、この衝突により、受信信号から受信データを復元できなくなると、エラー検出手段にて、その旨が検出される。
このように、衝突検出手段にて送信信号の衝突が検出され、エラー検出手段にて受信データのエラーが検出された場合、受信手段にて定期送信期間情報が復元されていなくても、第1通信装置からの定期送信による送信信号が届き、この送信信号が他の第2通信装置からの送信信号と衝突している可能性が高い。
そして、この場合には、他の第2通信装置に、第1通信装置からの定期送信が実施されていることを通知して、その定期送信期間中に他の第2通信装置がランダム送信を実施するのを防止することが望ましい。
そこで、請求項2に記載の無線通信装置においては、請求項3に記載のように、仮想定期送信期間情報生成手段を設けるとよい。
つまり、請求項3に記載の無線通信装置において、仮想定期送信期間情報生成手段は、受信手段にて復元された受信データに含まれる定期送信期間情報に対応した定期送信期間以外の期間内に、衝突検出手段にて送信信号の衝突が検出され、しかも、エラー検出手段にて受信データのエラーが検出されると、当該受信データの受信開始タイミングを一つのパラメータとして定期送信期間情報を仮想的に生成し、その生成した定期送信期間情報を送信手段に出力することで他の通信装置に向けて送信させる。
従って、請求項3に記載の無線通信装置によれば、受信手段にて定期送信期間情報が復元されていない場合であっても、第1通信装置からの定期送信と他の第2通信装置からのランダム送信とが重なり、両送信信号の衝突、及びその衝突に伴うエラーが発生しているときには、定期送信期間情報を仮想的に生成して、周囲の第2通信装置に通知することで、その後、第1通信装置からの定期送信を受信できなくなるのを防止できる。
なお、仮想定期送信期間情報生成手段において、定期送信期間情報を仮想的に生成する際には、定期送信による送信時間が予め設定されていれば、衝突及びエラーが検出された受信データの受信開始タイミングとその送信時間とを用いて定期送信期間情報を設定するようにすればよく、定期送信による送信時間が設定されていない場合(換言すれば変動する場合)には、衝突及びエラーが検出された受信データの受信開始タイミングと受信終了タイミングとを用いて定期送信期間情報を設定するようにすればよい。
また、受信手段における受信データの受信開始タイミングは、受信信号の復調処理や電波伝搬等により、第1通信装置からの送信開始タイミングよりも遅れるので、仮想定期送信期間情報生成手段において定期送信期間情報を仮想的に生成する際には、その遅れ時間を考慮して定期送信期間情報を生成するようにするとよい。
ところで、本発明(請求項1〜3)の無線通信装置に、請求項4に記載の時刻同期手段を設けた場合、受信手段にて定期送信期間情報が復元された際に、同期時刻手段が、その定期送信期間情報を含む受信データに付与された送信時刻に基づき、当該無線通信装置に設けられた時計の時刻を、定期送信期間情報の送信元の時計の時刻と同期するように自動調整することになるため、無線通信装置側では、自身の時計を用いて、第1通信装置による定期送信期間を正確に把握することができる。
しかし、この場合、無線通信装置が、他の第2通信装置にて仮想的に生成された定期送信期間情報を受信したときには、時刻同期手段が、定期送信を行わない他の第2通信装置の時刻と一致するように、時計の時刻を自動調整することになる。
このため、仮想的送信期間情報生成手段を設けた請求項3に記載の無線通信装置に、時刻同期手段を設ける場合には、請求項4に記載のように、仮想定期送信期間情報生成手段を、生成した定期送信期間情報に対し、仮想的に生成したものであることを表す識別情報を付与するように構成し、時刻同期手段を、受信手段にて復元された定期送信期間情報にその識別情報が付与されているときには、時計の時刻同期を中止するように構成するとよい。
そして、このようにすれば、無線通信装置が他の第2通信装置にて仮想的に生成された定期送信期間情報(以下、仮想定期送信期間情報ともいう)を受信した際、時刻同期手段が、自身の時計の時刻を、仮想定期送信情報を生成した(換言すれば定期送信を行わない)他の第2通信装置の時刻と一致させるのを防止することができる。
また、請求項5に記載のように、転送制御手段が、定期送信期間情報が第1通信装置から送信されてから第2通信装置にて転送された回数を表す転送回数情報を定期送信期間情報に付与し、しかも、受信手段にて復元された定期送信期間情報に付与されている転送回数情報が予め設定された上限値に達しているときには、その定期送信期間情報の他の通信装置への転送を中止するように構成されている場合、仮想定期送信期間情報生成手段は、生成した定期送信期間情報に、転送回数が上限値に設定された転送回数情報を付与するように構成するとよい。
つまり、転送制御手段を請求項5に記載のように構成すれば、無線通信システムにおいて、定期送信期間情報を受信した第2通信装置が、定期送信期間情報の転送回数を更新しつつ、その転送回数が上限値に達するまで、定期送信期間情報を転送することになるため、第1通信装置が送信した定期送信期間情報を、転送回数の上限値で決まる所望エリア内に広範囲に通知することができる。
しかし、仮想定期送信期間情報生成手段にて生成される仮想定期送信期間情報は、第1通信装置が実際に定期送信を行う定期送信期間を推定して設定したものであることから、転送制御手段を上記のように構成して、仮想定期送信期間情報についても通常の定期送信期間情報と同様に広範囲に通知するようにすると、第1通信装置から送信される定期送信期間情報とは異なる誤った定期送信期間情報によって、多数の第2通信装置からのランダム送信を制限してしまうことが考えられる。
そこで、請求項5に記載の無線通信装置においては、仮想定期送信期間情報生成手段にて仮想的に生成した定期送信期間情報に対し、転送回数を上限値に設定した転送回数情報を付与することで、仮想定期送信期間情報を受信した第2通信装置が仮想定期送信期間情報を転送するのを禁止するのである。
この結果、請求項5に記載の無線通信装置によれば、仮想定期送信期間情報生成手段により生成された仮想定期送信期間情報が、その情報を受信した他の第2通信装置を介して順次転送されることにより、広範囲に広がるのを防止し、その広範囲のエリア内の多数の第2通信装置が、実際の定期送信期間とは対応しない仮装定期送信期間情報にて、ランダム送信を誤って制限してしまうのを防止できる。
一方、請求項6に記載の発明は、所定の通信チャンネルを利用して、予め設定された一定周期毎に、該周期よりも短い定期送信期間内にて無線送信を行う定期送信機能を有し、しかも、定期送信時には、定期送信期間を表す定期送信期間情報を含む送信データを送信するよう構成された第1通信装置と、送信要求が発生した際、前記通信チャンネルが空いているか否かを判定して、前記通信チャンネルが空いているときに無線送信を行う、ランダム送信機能を有する第2通信装置との2種類の通信装置が混在する無線通信システムにおいて、第2通信装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の無線通信装置にて構成されていることを特徴とする。
このため、請求項6に記載の無線通信システムによれば、第2通信装置が定期送信期間情報を転送するのを必要最小限に抑え、第2通信装置がランダム送信を行う時間を短くして、ランダム送信可能期間中にランダム送信を実施し得る第2通信装置の数を増加させることができ、延いては、第2通信装置間のデータ通信を効率的に実施させることが可能となる。
第1実施形態の無線通信システムの構成及び動作の概要を表す説明図である。 第1実施形態のランダム送信端末の構成を表すブロック図である。 パケット衝突検出部によるパケット衝突の検出動作を説明する説明図である。 ランダム送信端末にて実行される定期送信情報更新・時刻同期処理、定期送信情報転送処理、及び定期送信情報転送判断処理を表すフローチャートである。 ランダム送信端末による車車間パケットの送信状態を従来技術と比較して表す説明図である。 第2実施形態のランダム送信端末の構成を表すブロック図である。 第2実施形態のランダム送信端末にて実行される定期送信情報転送判断処理を表すフローチャートである。 第2実施形態の効果を説明する説明図である。 第3実施形態のランダム送信端末の構成を表すブロック図である。 仮想定期送信情報生成部による定期送信情報の生成動作を説明する説明図である。 第3実施形態のランダム送信端末にて実行される定期送信情報更新・時刻同期処理及び定期送信情報転送判断処理を表すフローチャートである。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
(無線通信システム全体の構成)
図1は、本発明が適用された実施形態の無線通信システムの構成及び動作の概要を表す説明図である。なお、本実施形態の無線通信システムは、上述した特許文献1に記載の実施形態と略同様に構成されている。
図1(a)に示すように、本実施形態の無線通信システムは、路側機として自動車の走行路付近に分散して設置される複数の定期送信端末1と、自動車に搭載され、路側機や他の車両との間で無線通信を行う複数のランダム送信端末2(図に示す2a、2b)と、から構成されている。
定期送信端末1は、本発明の第1通信装置に相当するものであり、交通情報等の各種情報を周囲の自動車に定期的に送信する定期送信機能を有する。
また、ランダム送信端末2は、本発明の第2通信装置(換言すれば本発明の無線通信装置)に相当するものであり、自動車に搭載された制御装置からの送信要求を受けて、自車両の状態等を路側機や他の車両に送信するランダム送信機能を有する。
そして、定期送信端末1とランダム送信端末2との間の路車間通信、及び、ランダム送信端末2同士の車車間通信には、共通の通信チャンネルが使用され、ランダム送信端末2がランダム送信する際には、CSMA方式のアクセス制御によって通信チャンネルが空いているか否かを判断し、通信チャンネルが空いているときにデータ送信を開始する。
また、定期送信端末1は、定期送信を行うが、この定期送信の周期は、予め決められており、定期送信端末1には、定期送信一周期内のどの期間を定期送信に利用するかが割り当てられている。
そして、定期送信端末1は、その割り当てられた定期送信期間を表す定期送信期間情報を、定期送信によって周囲のランダム送信端末2に通知し、ランダム送信端末2は、その通知された定期送信期間中、ランダム送信を禁止する。
つまり、本実施形態では、定期送信機能を有する定期送信端末1が、定期送信期間中に、図1(b)に示す定期送信情報を、単独或いは他の送信データに付与して、周囲に定期送信する。
なお、定期送信情報は、図1(b)に示すように、定期送信期間の開始タイミングと定期送信期間の長さ(期間長)を表す定期送信期間情報に、自己の識別情報である装置ID(例えばMACアドレス等)と後述の転送回数Cとを付与することにより構成される。
また、ランダム送信端末2は、定期送信端末1が送信した定期送信情報を受けると、その定期送信情報に基づき、図1(c)に示すように、定期送信端末1の定期送信期間内にランダム送信を開始してしまうことのないよう、自らのランダム送信禁止期間を設定し、そのランダム送信禁止期間以外の期間(ランダム送信期間)内に、ランダム送信を行う。
なお、ランダム送信端末2は、自身のランダム送信禁止期間を設定する際、定期送信端末1が実際に定期送信を行う定期送信期間に所定のガードタイムを加えた期間を設定するが、この設定方法等については上記特許文献1に詳細に説明されているため、説明は省略する。
ところで、図1(a)に示すように、ランダム送信端末2aが、定期送信端末1からの送信電波が届くエリア(図に斜線で示す領域)内に位置し、ランダム送信端末2bがそのエリア外に位置する場合には、ランダム送信端末2bに、定期送信端末1から送信された定期送信情報が届かない。
このため、ランダム送信端末2bが定期送信端末1の定期送信期間内にランダム送信を開始し、ランダム送信端末2aには、定期送信端末1からの送信電波と、ランダム送信端末2bからの送信電波とが同時に届き、それぞれの送信データを受信できなくなることが考えられる。
そこで、本実施形態では、ランダム送信端末2が定期送信情報を受信したときには、その定期送信情報を再送信することにより、定期送信端末1から離れた他のランダム送信端末2に定期送信情報を通知するようにされている。
そして、ランダム送信端末2が定期送信情報を再送信する際には、定期送信情報に含まれる転送回数Cを更新(+1)することで、定期送信情報を受信したランダム送信端末2側で、その定期送信情報が、定期送信端末1が最初に送信してから何度目の転送で届いたのかを識別できるようにする。
また、ランダム送信端末2側で、定期送信情報に基づきランダム送信禁止期間を設定するには、定期送信端末1側で認識されている定期送信の周期と、ランダム送信端末2側で認識されている定期送信の周期とを一致させる必要がある。
このため、本実施形態では、定期送信端末1が定期送信情報を送信するときや、ランダム送信端末2が定期送信情報を転送するときには、その送信時刻を自らの時計30(図2参照)から読み出して定期送信情報に付与する(図1(b)参照)。
そして、定期送信情報を受信したランダム送信端末2側では、定期送信情報に付与されている送信時刻と、自らの時計30から読み出した受信時刻とを比較することで、時計30の時刻を、定期送信情報を送信してきた定期送信端末1若しくはランダム送信端末2側の時刻と同期させる。
つまり、例えば、図1(a)において、定期送信端末1から送信された定期送信情報はランダム送信端末2aに届き、ランダム送信端末2aは、その定期送信情報をランダム送信端末2bに転送することになるが、ランダム送信端末2a,2bは、定期送信情報を受信した際に、自らの時計30の時刻を、定期送信情報を送信してきた定期送信端末1又はランダム送信端末2aの時計と同期させることで、定期送信情報を受信した各ランダム送信端末2a,2bの時計30が、全て、定期送信端末1の時計と同一時刻となるように時刻同期させるのである。
従って、定期送信情報を受信したランダム送信端末2(2a、2b)は、自らの時計30を用いて、定期送信端末1が定期送信を行う定期送信期間を正確に把握することができる。
(ランダム送信端末の構成)
次に、図2は、本実施形態の無線通信システムを構築するのに用いられるランダム送信端末2の構成を表すブロック図である。
図2に示すように、ランダム送信端末2には、車両に搭載された制御装置(図示せず)から入力される送信データにヘッダ等の付加情報を付与して出力するデータ送信部12と、データ送信部12から出力された送信データを所定の通信チャンネルでの送信信号(高周波信号)に変換して通信アンテナ(図示せず)に出力する変調処理部14と、通信アンテナにて受信された受信信号を取り込み、他の送信端末(定期送信端末1又は他のランダム送信端末2)からの送信データを復元する復調処理部16と、復調処理部16にて復元された受信データからヘッダ等の付加情報を抽出し、受信データが当該ランダム送信端末2に向けて送信されたものであれば、その受信データを車両に搭載された制御装置に出力するデータ受信部18と、が設けられている。
また、ランダム送信端末2には、定期送信端末1若しくは他のランダム送信端末2から取得した定期送信情報を記憶するための定期送信期間テーブル(具体的にはメモリ)20と、ランダム送信禁止期間を、定期送信期間テーブル20内の定期送信情報(詳しくは定期送信期間情報)に基づき決定し、データ送信部12に出力するランダム送信禁止期間決定部40と、が設けられている。
そして、データ送信部12は、ランダム送信禁止期間決定部40からランダム送信禁止期間情報が入力されると、その情報に対応したランダム送信禁止期間だけ、送信データのランダム送信を禁止する。
また、上述したように、ランダム送信端末2には、内部クロックをカウントすることにより時刻を計時する時計30が設けられており、データ送信部12は、この時計30による計時時刻に基づき、ランダム送信禁止期間を検知する。
また、ランダム送信端末2には、マイクロコンピュータ(図示せず)によるソフトウェア処理により実現される機能ブロックとして、定期送信期間更新部50、パケット衝突検出部60、定期送信情報転送判断部70、及び、時刻同期補正部32が備えられている。
ここで、定期送信期間更新部50は、データ受信部18にて受信データから抽出された定期送信情報に基づき、定期送信期間テーブル20内の定期送信情報を更新するものである。そして、この定期送信期間更新部50としての機能は、マイクロコンピュータが後述の定期送信情報更新・時刻同期処理及び定期送信情報転送処理を実行することにより実現される。
なお、定期送信期間更新部50は、定期送信期間テーブル20に登録された定期送信情報が所定時間以上受信されない場合には、自車両が、その登録された定期送信情報に対応する定期送信端末1から離れたものと判断して、その定期送信情報をランダム送信禁止期間の設定に用いることのない非同期情報に書き換える非同期設定処理も実行するが、この非同期設定処理については、上述の特許文献1に記載されているので、説明は省略する。
次に、パケット衝突検出部60は、復調処理部16にて選局された通信チャンネルの受信信号の信号レベルの変化から、他の送信端末(定期送信端末1又は他のランダム送信端末2)からの送信パケットの衝突を検出する。
つまり、図3に例示するように、定期送信端末1からの送信信号である路車間パケットの受信中に、他のランダム送信端末2がランダム送信を開始して、その送信信号である車車間パケットが通信アンテナに入力されると、復調処理部16で選局される受信信号の信号レベル(RSSI:受信信号強度)は急峻に変化する。
このため、パケット衝突検出部60は、例えば、マイクロコンピュータが、復調処理部16によるパケット受信中に、復調処理部16からRSSI信号を所定サンプリング周期(例えば、100ns周期)で取り込み、RSSI信号の単位時間(例えば、8μs)当たりの変化量が所定のしきい値を越えたときに、パケットが衝突したことを検出する、といった手順でパケット衝突検出処理を実行することにより、実現される。
次に、定期送信情報転送判断部70は、パケット衝突検出部60による検出結果に基づき、データ受信部18にて受信された定期送信情報の転送条件が成立したか否かを判断し、転送条件が成立したときに、定期送信情報をデータ送信部12に出力することにより、定期送信情報を他のランダム送信端末2へ転送させるものである。そして、この定期送信情報転送判断部70としての機能は、マイクロコンピュータが後述の定期送信情報転送判断処理を実行することにより実現される。
また、時刻同期補正部32は、データ受信部18が受信データから抽出した定期送信情報の送信時刻やその受信データの受信時刻を取り込み、これらの時刻差(受信時刻−送信時刻)に基づき時計30による計時時刻を補正するものである。そして、この時刻同期補正部32としての機能は、マイクロコンピュータが後述の定期送信情報更新・時刻同期処理を実行することにより実現される。
(定期送信情報更新・時刻同期処理)
図4(a)は、上述の定期送信期間更新部50及び時刻同期補正部32としての機能を実現するためにマイクロコンピュータにて実行される、定期送信情報更新・時刻同期処理を表すフローチャートである。
図4(a)に示すように、この処理が開始されると、まずS110(Sはステップを表す)にて、データ受信部18が定期送信情報を含むデータを受信したか否かを判断することにより、他の送信端末(定期送信端末1又は他のランダム送信端末2)から定期送信情報が送信されてくるのを待つ。
そして、データ受信部18にて定期送信情報を含むデータが受信されると、S120に移行して、その定期送信情報は、定期送信期間テーブル20に既に登録されているものであるか否かを判定する。なお、この判定は、定期送信情報の装置IDに基づき行われる。
S120にて、定期送信情報は未登録であると判断されると、S130に移行して、その未登録の定期送信情報を定期送信期間テーブル20に新規登録した後、S140に移行し、逆に、S120にて、定期送信情報は定期送信期間テーブル20に既に登録されていると判断されると、そのままS140に移行する。
S140では、今回受信した定期送信情報の転送回数C(受信転送回数C)は、定期送信期間テーブル20に登録されている定期送信情報(詳しくは装置IDが同じ定期送信情報)の転送回数C(登録転送回数C)よりも小さいか否かを判断し、受信転送回数Cが登録転送回数Cよりも小さい場合には、S160に移行する。
なお、今回受信した定期送信情報が定期送信期間テーブル20に登録されておらず、S130にて新規登録されたものである場合、S140では、登録転送回数Cは最大値(後述の転送要否判定用のしきい値Cmax よりも大きい値)であるとして、受信転送回数Cと登録転送回数Cとを比較する。この結果、今回受信した定期送信情報が新規登録されたものであれば、S140からS160の処理に移行することになる。
次に、S140にて、受信転送回数Cが登録転送回数C以上であると判断された場合には、S150に移行して、受信転送回数Cと登録転送回数Cとが同一で、且つ、今回受信した定期送信情報の装置IDが、前回時計30の時刻同期に用いた定期送信情報の装置ID以下であるか否かを判断する。
なお、装置IDの比較は、装置IDの値から時刻同期を行うのに用いる定期送信情報の優先順位を判定するために行われる。
そして、今回受信した定期送信情報の転送回数Cと定期送信期間テーブルに記憶されている定期送信情報の転送回数Cとが同じで、その装置IDが前回時刻同期に用いた定期送信情報の装置IDよりも小さい場合には、S160に移行し、そうでなければ、当該処理を一旦終了して、再度S110に移行する。
次にS160では、今回受信された定期送信情報の送信時刻と、その定期送信情報の受信時刻とを、データ受信部18から取り込み、その取り込んだ送信時刻と受信時刻との時刻差を、時計30の同期ずれ量として算出する。
なお、S160において、同期ずれ量を算出する際には、他の送信端末(定期送信端末1又は他のランダム送信端末2)が定期送信情報の送信を開始してから、復調処理部16及びデータ受信部18を介して、その定期送信情報を取得するのに要するオフセット量が用いられ、同期ずれ量は、「同期ずれ量=受信時刻−送信時刻−オフセット量」として算出される。
次に、S160にて、時計30の同期ずれ量が算出されると、今度はS170に移行して、その算出された同期ずれ量は、予め設定された許容範囲内にあるか否かを判断し、同期ずれ量が許容範囲内にあれば、当該処理を一旦終了して、再度S110に移行する。
また、S170にて、同期ずれ量が許容範囲内にないと判断されると、S180に移行し、時計30の時刻を同期ずれ量分だけ補正することにより、時計30の時刻を、定期送信情報を送信してきた送信端末(定期送信端末1又は他のランダム送信端末2)側の時計と同期させる。
そして、S180にて時計30の時刻を補正すると、S190に移行し、S160、S180の処理にて、今回、時計30の時刻同期に用いた定期送信情報に基づき、定期送信期間テーブル20に登録された定期送信情報を更新し、その後、当該処理を一旦終了して、再度S110に移行する。
なお、S190による定期送信情報の更新は、定期送信情報の転送回数Cを書き換えることにより実行される。
(定期送信情報転送処理)
次に図4(b)は、上述の定期送信期間更新部50としての機能を実現するために、上記定期送信情報更新・時刻同期処理と共にマイクロコンピュータにて実行される定期送信情報転送処理を表すフローチャートである。
この処理は、データ受信部18にて受信された定期送信情報を定期送信情報転送判断部70に出力するために実行される処理であり、処理が開始されると、まずS210にて、データ受信部18が定期送信情報を含むデータを受信したか否かを判断することにより、他の送信端末(定期送信端末1又は他のランダム送信端末2)から定期送信情報が送信されてくるのを待つ。
そして、データ受信部18にて定期送信情報を含むデータが受信されると、S220に移行して、定期送信情報の転送回数Cを読み込む。なお、データ受信部18にて、装置IDが同じで転送回数Cが異なる定期送信情報が略同時(例えば定期送信の一周期内)に受信されている場合、S220においては、その複数の定期送信情報の中から転送回数Cが小さい定期送信情報を選択し、転送回数Cを読み込む。
次に、続くS230では、S220にて読み込んだ定期送信情報の転送回数Cが、転送要否判定用として予め設定されたしきい値Cmax よりも小さいか否かを判断し、転送回数Cがしきい値Cmax 以上である場合には、そのまま当該定期送信情報転送処理を一旦終了し、再度S210以降の処理を実行する。
一方、S230にて、転送回数Cがしきい値Cmax よりも小さいと判断された場合には、S240に移行して、定期送信情報の転送回数Cを更新(+1)し、S250に移行する。そして、S250では、転送回数更新後の定期送信情報を、定期送信情報転送判断部70に出力し、当該定期送信情報転送処理を一旦終了し、再度S210以降の処理を実行する。
このように、定期送信情報転送処理では、データ受信部18にて抽出された定期送信情報の転送回数Cを、しきい値Cmax を上限として更新(+1)した後、定期送信情報転送判断部70に出力する。
(定期送信情報転送判断処理)
次に図4(c)は、定期送信情報転送判断部70としての機能を実現するためにマイクロコンピュータにて実行される定期送信情報転送判断処理を表すフローチャートである。
図4(c)に示すように、この処理では、まずS310にて、パケット衝突検出部60からパケット衝突検出時に出力されるパケット衝突検出情報が入力されたか否かを判断することにより、パケット衝突が発生するのを待つ。
そして、S310にて、パケット衝突検出情報が入力されたと判断されると、S320に移行して、パケット衝突検出部60によるパケット衝突の検出タイミング(時刻)は、定期送信期間更新部50から入力された定期送信情報に対応した定期送信期間内であるか否かを判断する。
S320にて、パケット衝突の検出タイミングが定期送信期間内にないと判断された場合には、定期送信情報の転送条件は成立していないと判断して、当該定期送信情報転送判断処理を一旦終了し、再度S310に移行する。
一方、S320にて、パケット衝突の検出タイミングが定期送信期間内であると判断された場合には、定期送信情報の転送条件が成立したと判断して、S330に移行し、定期送信期間更新部50から入力された定期送信情報をデータ送信部12に出力する。
そして、S330にて、データ送信部12に定期送信情報を出力した後は、当該定期送信情報転送判断処理を一旦終了し、再度S310に移行する。
なお、S330にて、データ送信部12に定期送信情報を出力すると、データ送信部12は、この定期送信情報をランダム送信する他の送信データのヘッダ等に付与することで、次回、その送信データをランダム送信する際に、定期送信情報を他のランダム送信端末2に転送させる。
(第1実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態のランダム送信端末2においては、定期送信期間更新部50が、データ受信部18にて受信・復元された定期送信情報に基づき、定期送信期間テーブル20内の定期送信期間情報を更新し、ランダム送信禁止期間決定部40が、その定期送信情報(詳しくは定期送信情報に含まれる定期送信期間情報)に基づき、データ送信部12によるランダム送信禁止期間を設定することで、データ送信部12が定期送信期間内にランダム送信を行うのを禁止する。
また、定期送信期間更新部50は、データ受信部18にて受信・復元された定期送信情報に含まれる転送回数Cがしきい値Cmax に達していなければ、転送回数Cをカウントアップ(+1)した後、その定期送信情報を定期送信情報転送判断部70に出力する。
すると、定期送信情報転送判断部70は、その定期送信情報から得られる定期送信端末1の定期送信期間内に、パケット衝突検出部60にてパケット衝突が検出されたか否かを判定して、定期送信期間内にパケット衝突が検出されていれば、定期送信情報をデータ送信部12に出力することで、次回のランダム送信時に他の送信データと共に定期送信情報を送信させる。
従って、本実施形態のランダム送信端末2によれば、他の送信端末から受信した定期送信情報の転送回数Cがしきい値Cmax 未満(C<Cmax )で、しかも、その定期送信情報から得られる定期送信期間内にパケット衝突が発生しているときにだけ、その定期送信情報を他のランダム送信端末2へ転送し、定期送信期間内にパケット衝突が発生していなければ、定期送信端末1から送信された定期送信情報を直接受信したとき(換言すれば転送回数Cが0)であっても、その定期送信情報を他のランダム送信端末2へ転送するのを禁止することになる。
このため、本実施形態の無線通信システムによれば、定期送信端末1からの送信電波が届く領域内にランダム送信端末2が多数存在しても、各ランダム送信装置2が定期送信端末1から取得した定期送信情報を不必要に転送するのを防止することができる。
従って、本実施形態の無線通信システムによれば、ランダム送信端末2が定期送信情報を転送することにより他のランダム送信端末2が送信機会を得ることができなくなるのを抑制することができる。
つまり、図5(a)に示すように、定期送信情報を転送する際、ランダム送信端末2は、通常の送信データ(車車間通信データ)のヘッダ部分に、転送対象となる定期送信情報を付与する。
一方、路車間通信および車車間通信は、100msを単位とし、その中で1回は送信することが安全アプリケーション実現のために必要とされている。
このため、ランダム送信端末2を、他の送信端末から取得した定期送信情報を必ず転送するようにすると、ランダム送信1回当たりの送信パケット(車車間パケット)のデータ長が定期送信情報の分だけ長くなることから、図5(b)に例示すように、100ms内に定期送信端末1からの路車間パケットを避けてランダム送信可能な車車間パケットの数が、各ランダム送信端末2からの定期送信情報の送信時間を加算した時間分だけ少なくなり、車両が混在すると、送信機会を得ることができないランダム送信端末2の数が増加する。
これに対し、本実施形態によれば、各ランダム送信端末2が、定期送信期間内にパケット衝突が発生したときに、転送条件が成立したと判断して、定期送信情報を転送することから、図5(c)に示すように、各ランダム送信端末2が定期送信情報を転送するのを必要最小限に抑えて、定期送信周期内でランダム送信可能な車車間パケット数を増加させることができる。
よって、本実施形態の無線通信システムによれば、各ランダム送信端末2が効率的に無線通信(本実施形態では車車間通信)を行うことができるようになり、100ms内に送信機会を得ることができないランダム送信端末2の数を少なくすることができる。
以下、この効果をより具体的に説明する。
例えば、定期送信端末1を備えた路側機1台の路車間通信エリア内に、ランダム送信端末2を搭載した車両が160台存在し、路車間通信エリア外に存在する車両に搭載されたランダム送信端末2がランダム送信を行い、路車間通信エリア内で路車間パケットを受信中にパケット衝突が発生した車両台数が10台であるとする。
また、路側機である定期送信端末1は路車間パケットを定期送信し、車載器であるランダム送信端末2は車車間パケットをランダム送信(CSMA/CA)し、それらの送信要求は、全て100msの周期で発生するものとする。
また、定期送信端末1による路車間通信の1パケット当りのデータ量は1036bytesであり、ランダム送信端末2による車車間通信の1パケット当りのデータ量は136bytesであるとし、定期送信端末1による路車間通信では100ms当り7パケット送信され、ランダム送信端末2による車車間通信では100ms当り1パケット送信されるものとする。
また、定期送信情報のデータ量は30bytesとし、そのデータが上記データに追加されて送信されるものとする。
そして、無線通信の変調方式は、IEEE802.11pのBW=10MHzの方式を使用し、1次変調方式としてQPSK、16QAM(符号化率はいずれも1/2)を使用するものとする。また路車間通信では16QAM、車車間通信ではQPSKを使用するものとする。
この場合、本実施形態では、160台の車両(詳しくはランダム送信端末2)のうち10台しか定期送信情報を転送しないため、150台分の定期送信情報データ分の送信時間を節約できる。節約できる送信時間は、1台当り40usであるため、150台分では6msとなる。
ここで、100ms当りのランダム送信端末2の送信機会について考える。
路車間通信での送信時間は、1066bytes×7パケットで5.32msになる。
また、路車間通信エリアの周囲に他の路側機(他の定期送信端末1)が存在し、合計8台分の路車間通信送信時間(定期送信期間)が必要な場合、その送信時間は42.6msとなる。
従って、この場合、100msの間に車車間通信に割り当てられる送信時間(ランダム送信期間)は57.4msとなる。
この時間内でアクセス制御方式としてCSMA/CA(DIFS=58us、平均バックオフ時間97.5us)を用いると、車両1台あたりに必要な送信時間は、定期送信情報無しで329.5us、定期送信情報有りで369.5usとなる。
従来方式では、369.5us×160台=59.1msとなるため、割り当てられた車車間通信の送信時間をオーバーし、送信機会が得られない車両が発生する。
これに対し、本実施形態では、329.5us×150台+369.5us×10台=53.1msとなり、割り当てられた車車間通信の送信時間内に全ての車両が送信することができる。
このように、本実施形態の無線通信システムによれば、車両に搭載されたランダム送信端末2において、複数の定期送信端末1によりランダム送信期間が制限され、しかも、車両が混雑してトラフィックが高い状態になったときに、大きな効果を発揮することができる。
なお、本実施形態においては、定期送信端末1が本発明の第1通信装置に相当し、ランダム送信端末2(2a、2b)が本発明の第2通信装置に相当する。また、ランダム送信端末2において、復調処理部16及びデータ受信部18は、本発明の受信手段に相当し、ランダム送信禁止期間決定部40は、本発明のランダム送信禁止期間設定手段に相当し、データ送信部12及び変調処理部14は、本発明の送信手段に相当し、パケット衝突検出部60は、本発明の衝突検出手段に相当し、定期送信期間更新部50及び定期送信情報転送判断部70は、本発明の転送制御手段に相当し、時刻同期補正部32は、本発明(請求項4に記載)の時刻同期手段に相当する。
[第2実施形態]
(ランダム送信端末の構成)
図6は、本発明が適用された第2実施形態のランダム送信端末2の構成を表すブロック図である。
本実施形態のランダム送信端末2は、図2に示した第1実施形態のランダム送信端末2と基本構成は同じであり、第1実施形態のものと異なる点は、パケット衝突検出部60とは別に、パケットエラー検出部62を設け、定期送信情報転送判断部70が定期送信情報を転送するか否かを判定する際に、パケット衝突検出部60からのパケット衝突検出情報に加えて、パケットエラー検出部62からのパケットエラー検出情報を用いるようにした点である。
そこで、以下の説明では、第1実施形態との相違点についてのみ説明し、第1実施形態と同一部分については説明を省略する。
まず、パケットエラー検出部62は、復調処理部16が他の送信端末(定期送信端末1又は他のランダム送信端末2)からの送信信号を受信し、その受信信号(受信パケット)から受信データを復元しているときに、受信データにエラー(パケットエラー)が発生したか否かを判断して、パケットエラー発生時に、その旨を表すパケットエラー検出情報を定期送信情報転送判断部70に出力する。
なお、パケットエラー検出部62は、パケット先頭のプリアンブルエラーにより、受信パケットが所望の受信パケット(他の送信端末からの送信パケット)であると判定できなかった場合や、他の送信端末からの送信パケットの受信が完了してCRCエラーが判定された場合に、パケットエラーが発生したと判断して、パケットエラー検出情報を定期送信情報転送判断部70に出力する。
従って、復調処理部16にて、他の送信端末からの送信パケットを受信し始めてから受信が終わってCRC判定処理が完了するまでの間に、パケット衝突及びパケットエラーがあれば、それらの検出情報が、パケット衝突検出部60及びパケットエラー検出部62から出力されることになる。
(定期送信情報転送判断処理)
次に、本実施形態の定期送信情報転送判断部70は、マイクロコンピュータが図7に示す手順で定期送信情報転送判断処理を実行することにより実現される。
すなわち、本実施形態の定期送信情報転送判断処理では、S310にて、パケット衝突検出情報が入力されたと判断され、S320にて、パケット衝突の検出タイミングが定期送信期間内であると判断されると、S322にて、パケットエラー検出部62から出力されるパケットエラー検出情報を一定期間(例えば、定期送信端末1による定期送信1回当たりの送信時間に基づき設定され、その送信時間よりもCRC判定処理時間以上長い一定時間)観測する。
そして、続くS324では、S322の観測結果に基づき、パケット衝突があった定期送信期間内でパケットエラーが検出されたか否かを判断し、パケットエラーが検出されていなければ、定期送信情報の転送条件は成立していないと判断して、そのまま当該定期送信情報転送判断処理を終了する。
一方、S324にて、パケット衝突があった定期送信期間内でパケットエラーが検出されたと判断された場合には、定期送信情報の転送条件が成立したと判断して、S330に移行する。
そして、S330では、上記実施形態と同様、定期送信期間更新部50から入力された定期送信情報をデータ送信部12に出力し、当該定期送信情報転送判断処理を一旦終了する。
(第2実施形態の効果)
このように構成された本実施形態のランダム送信端末2によれば、転送回数Cがしきい値Cmax 未満(C<Cmax )となっている定期送信情報から得られる定期送信期間内に、パケット衝突が発生し、しかも、その定期送信期間内にデータを正常に復元できないパケットエラーが発生したときにだけ、転送条件が成立したと判断されて、その定期送信情報が他のランダム送信端末2へ転送され、定期送信期間内にパケット衝突が発生しても、パケットエラーが発生していなければ、定期送信情報の転送が禁止される。
つまり、パケット衝突検出部60にてパケット衝突が検出されても、路車間パケットの信号レベルが車車間パケットの信号レベルに比べて充分高い場合(換言すれば、D/Uが大きい場合)には、路車間パケットを正常に復元できる。
そこで、本実施形態では、パケット衝突検出部60にてパケット衝突が検出されても、パケットエラー検出部62にてパケットエラーが検出されていなければ、定期送信情報の転送条件は成立していないと判断して、定期送信情報の転送を禁止するようにしているのである。
従って、本実施形態のランダム送信端末2を用いて、図1に示した無線通信システムを構築すれば、第1実施形態のランダム送信端末2を用いた場合に比べて、ランダム送信端末2が定期送信情報を転送する確率を低くして、各ランダム送信端末2が送信機会を得ることができなくなるのをより良好に抑制することができる。
以下、この効果をより具体的に説明する。
例えば、図8に示すように、定期送信端末1を備えた路側機からの送信信号(路車間パケット)が届く路車間通信エリア内に、ランダム送信端末2を搭載した車両A,Bが存在し、車両Aからの送信信号(車車間パケット)が届く車車間通信エリア内にランダム送信端末2を搭載した車両B,Cが存在する場合、従来技術では、車両A,Bは、定期送信情報をランダム送信にて転送し、車両Cは、この2つの車両A,Bから送信された定期送信情報を受信し、路側機の定期送信期間内ではランダム送信を実行しないようになる。
ここで、車両Aは、路側機からの送信信号(路車間パケット)の信号レベルが、車両Cからの送信信号(車車間パケット)よりも充分高く(換言すればD/Uが充分高く)、車両Cからの送信信号(車車間パケット)の影響を受けることなく路側機からの送信信号(路車間パケット)から受信データを復元できるD/U確保エリアに位置し、且つ、車両Bが存在しない場合を考える。
従来技術では、車両Aは路側機からの定期送信情報を転送し、車両Cは路側機の定期送信期間でのランダム送信を行わないが、本実施形態では、車両Aは、車両Cが路側機の定期送信期間中にランダム送信した信号を受信しても(換言すればパケット衝突が発生しても)、路側機から受信している路車間パケットに復調エラー(パケットエラー)が生じない場合は、定期送信情報の転送を行わない。
そのため、車両Cは路側機の送信期間中においてもランダム送信が可能となり、車両Cから見て路側機と反対側に車両の混雑が起きている場合においても、車両Cは送信機会に制約を受けないため、送信機会をより得やすくなる。
よって、本実施形態の無線通信システムによれば、従来技術や第1実施形態に記載のものに比べて、各ランダム送信端末2がより効率的に無線通信(車車間通信)を行うことができるようになり、送信機会を得ることができないランダム送信端末2が発生するのをより良好に抑制することができる。
なお、本実施形態において、パケットエラー検出部62は、本発明(請求項2)のエラー検出手段に相当する。
[第3実施形態]
(ランダム送信端末の構成)
図9は、本発明が適用された第3実施形態のランダム送信端末2の構成を表すブロック図である。
本実施形態のランダム送信端末2は、図6に示した第2実施形態のランダム送信端末2と基本構成は同じであり、第2実施形態のものと異なる点は、データ送信部12に定期送信情報を入力して転送させるものとして、定期送信情報転送判断部70とは別に、仮想定期送信情報生成部72を設け、パケット衝突検出部60及び同期時刻補正部32の動作を一部変更した点である。
そこで、以下の説明では、第2実施形態との相違点についてのみ説明し、第2実施形態と同一部分については説明を省略する。
ここでまず、仮想定期送信情報生成部72は、定期送信期間更新部50から入力された定期送信情報に対応した定期送信期間以外の期間内に、パケット衝突検出部60にてパケット衝突が検出され、パケットエラー検出部62にてパケットエラーが検出されると、パケット衝突検出時に受信したパケットの受信開始タイミング等から、定期送信端末1からの定期送信期間を表す定期送信情報(仮想定期送信情報)を仮想的に生成するものである。
つまり、図10(a)、(b)に示すように、データ受信部18にて定期送信情報が復元されていないときであっても、定期送信端末1からの定期送信期間中に他のランダム送信端末2がランダム送信を行い、自車両の位置で定期送信端末1からの路車間パケットと、他のランダム送信端末2からの車車間パケットとが衝突することがある。
そして、この場合、これら両パケットのD/Uが小さい場合には、パケットエラーが発生して、路車間パケットから受信データを復元できなくなってしまう。
そこで、本実施形態では、データ受信部18にて得られた定期送信情報に対応した定期送信期間以外の期間内に、パケット衝突検出部60にてパケット衝突が検出され、パケットエラー検出部62にてパケットエラーが検出された際には、仮想定期送信情報生成部72にて、パケット衝突検出部60から出力されるパケット時間情報に基づき仮想定期送信情報を仮想的に生成し、その生成した仮想定期送信情報をデータ送信部12に出力することで、他のランダム送信端末2に向けて送信させるのである。
また、仮想定期送信情報生成部72は、自らが生成した仮想定期送信情報と、定期送信端末1にて生成された定期送信情報とを識別可能にするため、生成した仮想定期送信情報には、仮想定期送信情報であることを表す識別情報を付与する。
具体的には、本実施形態では、図10(c)に示すように、定期送信情報が、図1(c)に示した定期送信情報に1ビットの仮想フラグを追加した構成となっており、定期送信端末1が定期送信情報を送信する際には、仮想フラグをリセット(値0)状態に設定するようになっている。
このため、仮想定期送信情報生成部72では、生成した定期送信情報の仮想フラグを、通常とは異なるセット(値1)状態にすることで、当該定期送信情報が仮想定期送信情報であることを表す識別情報を付与するようにされている。
また、仮想定期送信情報生成部72は、生成した仮想定期送信情報には、この仮想定期送信情報を受信した他のランダム送信端末2から転送されることのないよう、転送回数Cとして最大値(本実施形態では、転送要否判定用のしきい値Cmax )を設定する。
そして、仮想定期送信情報生成部72は、自らが生成した仮想定期送信情報を定期送信期間テーブルに書き込むことで、仮想定期送信情報に対応した定期送信期間内にデータ送信部12からランダム送信がなされるのを禁止する。
なお、この仮想定期送信情報生成部72の機能は、マイクロコンピュータが後述の図11(b)に示す定期送信情報転送判断処理を実行することにより、実現される。
次に、本実施形態のパケット衝突検出部60は、パケット衝突を検出してパケット衝突検出情報を出力するだけでなく、復調処理部16にて受信されたパケットの受信開始タイミングとその受信継続時間を表すパケット時間情報を出力する。
このパケット時間情報は、パケット衝突検出部60(詳しくはパケット衝突検出部60としての機能を実現するマイクロコンピュータの処理)により、例えば、復調処理部16から出力されるRSSI信号がパケット判定用のしきい値を上回ったタイミングを受信開始タイミングt1、RSSI信号がパケット判定用のしきい値を下回ったタイミングを受信終了タイミングt2として検出し(図10(a)、(b)参照)、これら検出結果t1,t2に基づきパケットの受信継続時間(t2−t1)を求める、といった手順で生成される。
また次に、本実施形態の時刻同期補正部32は、上記実施形態のものと同様、定期送信情報の送信時刻と受信時刻との時刻差(受信時刻−送信時刻)に基づき、時計30による計時時刻を補正するものであるが、定期送信情報に仮想定期送信情報であることを表す仮想フラグが付与されているときには、その定期送信情報の送信時刻と受信時刻とに基づく時刻補正を実行しないようになっている。
(定期送信情報更新・時刻同期処理)
つまり、時刻同期補正部32としての機能は、上記実施形態のものと同様、マイクロコンピュータが後述の定期送信情報更新・時刻同期処理を実行することにより実現されるが、本実施形態では、この定期送信情報更新・時刻同期処理を、図11(a)に示す手順で実行するようにされている。
すなわち、図11(a)に示すように、本実施形態の定期送信情報更新・時刻同期処理は、図4(a)に示したものと略同様に実行されるが、定期送信情報の送信時刻と受信時刻との時刻差を時計30の同期ずれ量として算出するS160の処理に移行する前に、S155の判定処理を実行する点が異なる。
このS155の判定処理は、今回受信した定期送信情報に付与されている仮想フラグが、リセット状態(値0)であるか否かを判断することにより、定期送信情報が定期送信端末1から送信されたものであるか、ランダム送信端末2の仮想定期送信情報生成部72にて生成されたものであるかを判定する処理である。
そして、S155にて、定期送信情報に付与された仮想フラグがリセット状態である(換言すれば、定期送信情報が定期送信端末1から送信されたものである)と判断された場合には、S160に移行し、そうでなければ、定期送信情報更新・時刻同期処理をそのまま終了する。
この結果、データ受信部18にて復元された定期送信情報が、仮想定期送信情報生成部72にて仮想的に生成された仮想定期送信情報である場合に、時計30の時刻を、仮想定期送信情報に付与された送信時刻(換言すれば仮想定期送信情報を生成したランダム送信端末2の時計30の時刻)に補正してしまうのを防止できる。
(定期送信情報転送判断処理)
次に、図11(b)は、本実施形態の仮想定期送信情報生成部72としての機能を実現するためにマイクロコンピュータにて実行される、定期送信情報転送判断処理を表すフローチャートである。
この定期送信情報転送判断処理は、定期送信情報転送判断部70としての機能と、仮想定期送信情報生成部72としての機能を実現するためのものであり、図7に示した第2実施形態のものにS340〜S360の処理を追加したものである。
すなわち、本実施形態の定期送信情報転送判断処理では、S310にて、パケット衝突検出情報が入力されたと判断され、S320にて、パケット衝突の検出タイミングが定期送信期間内であると判断された際には、第2実施形態と同様、S322にて、パケットエラー検出部62から出力されるパケットエラー検出情報を一定期間観測し、S324にて、その観測結果に基づき、パケット衝突があった定期送信期間内でパケットエラーが検出されたか否かを判断する。
そして、パケット衝突があった定期送信期間内でパケットエラーが検出された場合には、定期送信情報の転送条件が成立したと判断して、S330に移行し、定期送信期間更新部50から入力された定期送信情報をデータ送信部12に出力し、当該定期送信情報転送判断処理を一旦終了する。
一方、S310にて、パケット衝突検出情報が入力されたと判断され、S320にて、パケット衝突の検出タイミングが定期送信期間内であると判断されなかった場合には、S340に移行して、パケット衝突検出部60から、現在受信中のパケットの受信開始タイミング及び受信継続時間を表すパケット時間情報を読み込む。
そして、続くS350では、S340で読み込んだパケット時間情報に含まれている受信継続時間が、予め定期送信判定用として設定されたしきい値以上か否かを判断し、パケットの受信継続時間がしきい値以上であれば、今回パケット衝突が検出された受信パケットは、定期送信端末1からの送信パケットであると判断して、S360に移行し、パケットの受信継続時間がしきい値以上であければ、当該定期送信情報転送判断処理を一旦終了し、再度S310に移行する。
次に、S360では、S340で読み込んだパケット時間情報を構成する受信開始タイミングと受信継続時間とに基づき、転送回数Cを最大値Cmax とする定期送信情報(仮想定期送信情報)を仮想的に生成する。
具体的には、復調処理部16での復調処理や電波伝搬などの遅延量tdを考慮して、定期送信端末1からのパケットの送信開始タイミングを「受信開始タイミングt1−遅延量td」として算出し、その算出した送信開始タイミングと、受信継続期間(つまり、期間長)とからなる定期送信期間情報を生成し、更に、その生成した定期送信期間情報に、ランダム送信端末2自身の識別情報である装置IDと、値1の仮想フラグと、最大値Cmax に設定された転送回数Cを付与することで、図10(c)に示す定期送信情報(仮想定期送信情報)を仮想的に生成する。
次に、S360にて仮想定期送信情報を生成すると、S322に移行して、パケットエラー検出部62から出力されるパケットエラー検出情報を一定期間観測し、S324にて、その観測結果に基づき、パケット衝突があった定期送信期間(この場合、仮想定期送信期間)内でパケットエラーが検出されたか否かを判断する。
そして、パケット衝突があった定期送信期間(仮想定期送信情報)内でパケットエラーが検出された場合には、定期送信情報の転送条件(この場合、仮想定期送信情報の送信条件)が成立したと判断して、S330に移行し、定期送信期間更新部50から入力された定期送信情報(仮想定期送信情報)をデータ送信部12に出力し、当該定期送信情報転送判断処理を一旦終了する。
また、S330では、データ送信部12に出力する定期送信情報がS360にて生成した仮想定期送信情報である場合には、その仮想定期送信情報を定期送信期間テーブル20に登録することで、仮想定期送信情報に対応した定期送信期間内にデータ送信部12がランダム送信を開始するのを禁止する。
(第3実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態のランダム送信端末2によれば、定期送信期間更新部50から入力された定期送信情報に対応した定期送信期間以外の期間内に、パケット衝突検出部60にてパケット衝突が検出され、パケットエラー検出部62にてパケットエラーが検出された際には、パケット衝突検出時に受信したパケットの受信開始タイミング等から仮想的に生成した仮想定期送信情報を、他のランダム送信端末2に向けて送信する。
従って、データ受信部18にて、定期送信端末1からの定期送信情報が受信されていない場合でも、その定期送信端末1からの送信パケット(路車間パケット)と他のランダム送信端末2からの送信パケット(車車間パケット)とが衝突して、パケットエラーが発生したときには、その定期送信情報に対応した仮想定期送信情報を生成して、他のランダム送信端末2に送信することで、他のランダム送信端末2が定期送信端末1の定期送信期間内にランダム送信を行うのを防止できる。
また、仮想定期送信情報生成部72は、転送回数Cが最大値(換言すれば転送要否判定用のしきい値)Cmax となるように、仮想定期送信情報を生成することから、この仮想定期送信情報を受信したランダム送信端末2は、仮想定期送信情報を転送することはない。
このため、仮想定期送信情報生成部72にて生成した仮想定期送信情報が、定期送信端末1が実際に定期送信を行う定期送信期間からずれていても、そのずれが広範囲に広がるのを防止することができる。
また、本実施形態のランダム送信端末2を用いて無線通信システムを構築すれば、仮想定期送信情報生成部72が、生成した仮想定期送信情報の仮想フラグをセット状態(値1)にし、その仮想定期送信情報を受信したランダム送信端末2側では、仮想フラグがセット状態(値1)であるので、仮想定期送信情報の送信時刻と受信時刻とに基づき時計30の時刻を補正するのを禁止することになる。
このため、各ランダム送信端末2が、定期送信端末1側の送信時刻とは関係のない時刻に基づき時計30の時刻を補正してしまうのを防止できる。
なお、本実施形態においては、仮想定期送信情報生成部72が、本発明の仮想定期送信期間情報生成手段に相当する。
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて種々の態様をとることができる。
例えば、第3実施形態において、仮想定期送信情報生成部72において、仮想定期送信情報を生成する際には、受信パケットの受信開始タイミング(t1)と受信継続時間(t2−t1)とからなるパケット時間情報を用いるものとして説明したが、定期送信端末1が定期送信を行う定期送信期間が決まっていれば、受信開始タイミング(t1)とその定期送信期間(固定値)とから仮想定期送信情報を生成するようにすればよい。
また、上記実施形態では、定期送信端末1が路側機として車両の走行路に沿って配置され、ランダム送信端末2が車両に搭載される無線通信システムについて説明したが、本発明は、例えば、定期送信端末1が緊急車両等の重要情報を送信する移動体に搭載され、ランダム送信端末2が一般車両に搭載された無線通信システムであっても、上記実施形態と同様に適用して、同様の効果を得ることができる。
1…定期送信端末(第1通信装置)、2,2a,2b…ランダム送信端末(第2通信装置)、12…データ送信部、14…変調処理部、16…復調処理部、18…データ受信部、20…定期送信期間テーブル、30…時計、32…時刻同期補正部、40…ランダム送信禁止期間決定部、50…定期送信期間更新部、60…パケット衝突検出部、62…パケットエラー検出部、70…定期送信情報転送判断部、72…仮想定期送信情報生成部。

Claims (6)

  1. 所定の通信チャンネルを利用して、予め設定された一定周期毎に、該周期よりも短い定期送信期間内にて無線送信を行う定期送信機能を有し、しかも、定期送信時には、前記定期送信期間を表す定期送信期間情報を含む送信データを送信するよう構成された第1通信装置と、
    送信要求が発生した際、前記通信チャンネルが空いているか否かを判定して、前記通信チャンネルが空いているときに無線送信を行うランダム送信機能を有する第2通信装置と、
    の2種類の通信装置が混在する無線通信システムにおいて、前記第2通信装置として使用される無線通信装置であって、
    前記第1通信装置若しくは他の第2通信装置からの送信信号を受信し、受信データを復元する受信手段と、
    該受信手段にて復元された受信データに前記定期送信期間情報が含まれている場合に、該定期送信期間情報に基づき、前記定期送信期間を含むランダム送信禁止期間を設定するランダム送信禁止期間設定手段と、
    前記ランダム送信禁止期間設定手段にて設定されたランダム送信禁止期間内では、前記送信要求が発生しても無線送信の実行を禁止し、前記ランダム送信禁止期間外にて、前記送信要求に対応したランダム送信を実行する送信手段と、
    前記受信手段にて復元された定期送信期間情報を送信データの一つとして前記送信手段に出力することで、前記送信手段によるランダム送信にて前記定期送信期間情報を他の通信装置に転送させる転送制御手段と、
    前記受信手段が受信した受信信号に基づき、複数の通信装置からの送信信号が衝突したことを検出する衝突検出手段と、
    を備え、
    前記転送制御手段は、
    前記転送の対象となる定期送信期間情報に対応した定期送信期間内に、前記衝突検出手段にて送信信号の衝突が検出されると、転送条件が成立したと判断して、前記定期送信期間情報を他の通信装置に転送させ、前記転送条件が成立しなければ、前記定期送信期間情報の他の通信装置への転送を中止することを特徴とする無線通信装置。
  2. 前記受信手段による前記受信データの復元時にエラーが発生したことを検出するエラー検出手段を備え、
    前記転送制御手段は、
    前記定期送信期間内に、前記衝突検出手段にて送信信号の衝突が検出され、しかも、前記エラー検出手段にて受信データのエラーが検出されると、前記転送条件が成立したと判断して、前記定期送信期間情報を他の通信装置に転送させることを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
  3. 前記受信手段にて復元された受信データに含まれる前記定期送信期間情報に対応した定期送信期間以外の期間内に、前記衝突検出手段にて送信信号の衝突が検出され、しかも、前記エラー検出手段にて受信データのエラーが検出されると、当該受信データの受信開始タイミングを一つのパラメータとして前記定期送信期間情報を仮想的に生成し、該生成した定期送信期間情報を前記送信手段に出力することで他の通信装置に送信させる仮想定期送信期間情報生成手段、を備えたことを特徴とする請求項2に記載の無線通信装置。
  4. 前記受信手段にて前記定期送信期間情報が復元されると、該定期送信期間情報を含む受信データに付与された送信時刻に基づき、当該無線通信装置に設けられた時計の時刻を、前記定期送信期間情報の送信元の時計の時刻と同期させる時刻同期手段を備え、
    前記仮想定期送信期間情報生成手段は、前記生成した定期送信期間情報に対し、仮想的に生成したものであることを表す識別情報を付与し、
    前記時刻同期手段は、前記受信手段にて復元された定期送信期間情報に前記識別情報が付与されているときには、前記時計の時刻同期を中止することを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
  5. 前記転送制御手段は、前記送信手段に出力して他の通信装置に転送させる定期送信期間情報に対し、前記定期送信期間情報が前記第1通信装置から送信されてから第2通信装置にて転送された回数を表す転送回数情報を付与すると共に、前記受信手段にて復元された定期送信期間情報に付与された転送回数情報が予め設定された上限値に達しているときには、該定期送信期間情報の他の通信装置への転送を中止し、
    前記仮想定期送信期間情報生成手段は、前記生成した定期送信期間情報には、前記転送回数が上限値に設定された転送回数情報を付与することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の無線通信装置。
  6. 所定の通信チャンネルを利用して、予め設定された一定周期毎に、該周期よりも短い定期送信期間内にて無線送信を行う定期送信機能を有し、しかも、定期送信時には、前記定期送信期間を表す定期送信期間情報を含む送信データを送信するよう構成された第1通信装置と、
    送信要求が発生した際、前記通信チャンネルが空いているか否かを判定して、前記通信チャンネルが空いているときに無線送信を行うランダム送信機能を有する第2通信装置と、
    の2種類の通信装置が混在する無線通信システムにおいて、
    前記第2通信装置は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の無線通信装置にて構成されていることを特徴とする無線通信システム。
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