JP5327173B2 - タッチパネル表示器のタッチ位置検出回路 - Google Patents

タッチパネル表示器のタッチ位置検出回路 Download PDF

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本発明は、例えばナビゲーション装置の表示画面などに使用されているタッチパネル表示器のタッチ位置検出回路に関するものである。
従来、タッチパネル表示器において、タッチ面を構成するタッチパッド(オーナメント)に荷重センサを設置し、ユーザがタッチ面を触ったときに加えられる荷重を荷重センサで検出することで、ユーザが触った位置(以下、タッチ位置という)の検出を行う接触感知表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような接触感知表示装置では、タッチパッドの四隅に荷重センサを設置し、四隅に設置した荷重センサそれぞれで荷重を検出すると共に、そのときの荷重に応じた各荷重センサの出力に基づいてタッチ位置を検出している。
特開平3−116220号公報
上記したタッチパッドの四隅に荷重センサを設置した形態とされる場合、タッチパネル表示器のタッチ位置検出回路では、各荷重センサに印加される荷重を電圧に変換した出力電圧を発生させ、その出力電圧の和を求めることにより、タッチ位置を検出することができる。例えば、タッチパッドの四隅のうち一つの位置を座標(0,0)と見立てたXY座標平面を想定し、各荷重センサの出力の比率に基づいてタッチ位置をXY座標として把握することができる。
ここで、荷重センサに加えられる荷重に対する出力電圧の特性は、図7に示されるような一次直線として表され、荷重に対して出力電圧が比例する関係となる。そして、荷重センサが歪みゲージなどで形成されることから、荷重と出力電圧との関係はタッチパネル表示器の温度(具体的には荷重センサの温度)に応じて変化する温特を有する。このため、例えば、室温(例えば25℃)と高温(例えば85℃)のとき、それぞれの場合での荷重と出力電圧の関係を求めておき、歪みゲージの出力を増幅するアンプにて、歪みゲージのゲインやオフセットを調整することで、各温度での特性が所望の特性となるように補正する。
しかしながら、タッチパッドをベース(基台)に組付ける際に、タッチパッドに対して締め付け力などが作用し、タッチパッドがタッチされていないにも拘わらず、荷重センサに荷重が掛かった状態となる。この荷重が組付け歪みとなって、組付け歪みに基づく特性変動が発生する。また、この締め付け力により、温特が変化するという組付け後温度歪みも発生する。すなわち、これら組付け歪みや組付け後温度歪みにより、タッチパッドに印加される荷重の大きさに対する出力電圧の関係、換言すればセンサ特性が所望の特性からずれてしまう。これにより、タッチ位置を正確に検出することができなくなるという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、タッチパッドによる組付け歪みや組付け後温度歪によって、タッチパネル表示器に備えられる荷重センサのセンサ特性が所望の特性からずれることで、タッチ位置が正確に検出できなくなることを防止することを目的とする。
上記目的を達成すべく、請求項1に記載の発明では、V=a(t)×F+b(t)と表せるF−V特性を有するひずみセンサをタッチパネルにm個配置したタッチパネルのタッチ位置検出装置において、それぞれの歪みセンサの少なくとも異なる第1温度t1と第2温度t2でのF−V特性の傾きai(t1)とai(t2)(ただし、i=1〜m)、および、それぞれの歪みセンサの少なくとも異なる第1温度t1と第2温度t2でのF−V特性のゼロ点bi(t1)、bi(t2)を、演算装置に記憶させ、 タッチパネルに供えられた温度検出装置から出力される温度t3と、タッチパネルに荷重を印加したときに得られるそれぞれの歪みセンサの出力電圧V1〜Vmから、温度t3のときの傾きai(t3)およびゼロ点b(t3)と、Vi=ai(t3)×Fi+bi(t3)の関係式を用いて、
X=(F3+F4)/F
Y=(F1+F4)/F
F=F1+F2+F3+F4
としてタッチパネルが押された位置、荷重を検出することを特徴としている。
このようにすれば、タッチパッド(2)から荷重センサに作用する組付け歪みや組付け後温度歪みの影響があっても、正確なタッチ位置を検出することが可能となる。したがって、タッチパッドから荷重センサに作用する組付け歪みや組付け後温度歪みによって、タッチパネル表示器に備えられる荷重センサ(S1〜S4)のセンサ特性が所望の特性からずれることで、タッチ位置が正確に検出できなくなることを防止することが可能となる。
例えば、請求項2に記載したように、温度t3のときの傾きai(t3)およびゼロ点bi(t3)は、傾きai(t3)=ai(t1)+(ai(t2)−ai(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)、ゼロ点bi(t3)=bi(t1)+(bi(t2)−bi(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)で表すことができる。
請求項3に記載の発明では、無負荷時の各センサの出力電圧Vi0と、任意の一点をF1で押したときの各センサにかかる荷重比A:B:C:Dと各センサの出力電圧Vi1から計算した荷重F、歪みセンサの2点以上の温度で第1温度t1、第2温度t2でのF−V特性の傾きai(t1)とai(t2)(ただし、i=1〜4)、歪みセンサの2点以上の第1温度t1、第2温度t2でのF−V特性のゼロ点bi(t1)、bi(t2)を演算装置に記憶してあり、第3温度t3でタッチパネルに荷重印加したときに得られる4つの歪みセンサの出力電圧V1〜V4と、温度検出装置からの出力温度t3から、温度t3での傾きai(t3)=ai(t1)+(ai(t2)−ai(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)、温度t3でのゼロ点bi(t3)=bi(t1)+(bi(t2)−bi(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)、Vi=ai(t3)×Fi+bi(t3)の関係式を用いて、
X=(F3+F4)/F
Y=(F1+F4)/F
F=F1+F2+F3+F4
としてタッチパネルが押された位置、荷重を演算することを特徴とする。
このようにしてタッチ位置などを求めることによっても、請求項1と同様の効果を得ることができる。また、F−V特性を取るときに、すべてを組みつけてからの無負荷時測定と任意の一点の荷重時測定だけで済むという効果も得ることができる。
この場合、請求項4に記載したように、任意の一点をF1で押したときの各センサにかかる荷重比A:B:C:Dを1:1:1:1とすることで、タッチ位置の演算の更なる簡素化を図ることが可能になる。
請求項5に記載の発明では、V=a(t)F+b(t)と表せるF−V特性を有する歪みセンサをタッチパネルの4隅に配置し、歪みセンサ単体の第1温度t1、第2温度t2でのF−V特性の傾きai(t1)とai(t2)(ただし、i=1〜4)、タッチパネルに歪みセンサを組み付けた状態での歪みセンサの第1温度t1、第2温度t2でのF−V特性のゼロ点bi(t1)、bi(t2)を演算装置に記憶してあり、第3温度t3でタッチパネルに荷重印加したときに得られる4つの歪みセンサの出力電圧V1〜V4と、温度検出装置からの出力温度t3から、 温度t3での傾きai(t3)=ai(t1)+(ai(t2)−ai(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)、 温度t3でのゼロ点bi(t3)=bi(t1)+(bi(t2)−bi(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)、Vi=ai(t3)×Fi+bi(t3)の関係式を用いて、
X=(F3+F4)/F
Y=(F1+F4)/F
F=F1+F2+F3+F4
としてタッチパネルが押された位置、荷重を演算することを特徴としている。
このように、4つの歪みセンサをタッチパネルの4隅に配置することができる。このような場合にも、請求項1と同様の構成とすることで、同様の効果を得ることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかるタッチパネル表示器の斜視図である。 図1に示すタッチパネル表示器のタッチ位置検出回路の回路図である。 荷重と出力電圧との関係を示した特性図である。 荷重と出力電圧との関係を示した特性図である。 荷重と出力電圧との関係を示した特性図である。 荷重と出力電圧との関係を示した特性図である。 射影変換のイメージを示した模式図である。 温度と傾きaiの関係を示したマップである。 温度と切片biの関係を示したマップである。 荷重センサに加えられる荷重に対する出力電圧の特性を示した図である。 サーミスタ10aの電位とサーミスタ10aの検出温度との関係を示した図である。 荷重位置を示すX,Y座標のタッチパッド上の位置を示した図である。 本発明の第2実施形態で説明するVi=ai×Fi+biの変化の様子を示すマップである。 温度と傾きaiの関係を示したマップである。 温度と切片biの関係を示したマップである。 本発明の第3実施形態にかかるタッチパネル表示器のタッチ位置検出回路の回路図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図に基づいて説明する。図1は、本実施形態にかかるタッチパネル表示器の斜視図である。また、図2は、図1に示すタッチパネル表示器のタッチ位置検出回路の回路図である。以下、これらの図を参照して、タッチパネル表示器およびそのタッチ位置検出回路について説明する。
図1に示すように、本実施形態にかかるタッチパネル表示器は、表示画面が備えられるベース1の上に、タッチパッド2を配置することで構成されている。ベース1およびタッチパッド2は、例えば長方形とされており、タッチパッド2を透明部材等で構成することで、ベース1に備えられた表示画面がタッチパッド2を透過して視認できるように構成される。そして、タッチパッド2とベース1の間におけるタッチパッド2の四隅(4箇所)には、荷重センサS1〜S4が備えられている。このため、ユーザがタッチパッド2の所望位置をタッチした時に、荷重センサS1〜S4にて荷重を検出できるようになっている。荷重センサS1からS4は、タッチパッド2、ベース1それぞれに対して、ねじで締め付けられる、あるいは、接着剤で貼り付けられるなどの方法で固定されている。
図2に示すように、タッチ位置検出回路は、荷重センサS1〜S4と、アンプA1〜A4と温度検出部10とマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)20とを有した構成とされている。
荷重センサS1〜S4は、例えば半導体式の歪みゲージ(ゲージ抵抗)などの歪みセンサで構成される。各荷重センサS1〜S4は、例えば図2に示すように、ゲージ抵抗をホイートストンブリッジ状に配置した構成とされ、ホイートストンブリッジに対して5V電源等から駆動電圧Vccが印加されることで、ホイートストンブリッジの2つの中間点の電圧(以下、中間電圧という)を出力として発生させる。すなわち、中間電圧が荷重センサS1〜S4に加わる荷重に応じて変化するため、この中間電圧を出力として発生させている。例えば、一方の中間電位は、上流側のゲージ抵抗が引張応力を受けると共に下流側のゲージ抵抗が圧縮応力を受けることで変化し、他方の中間電圧は、上流側のゲージ抵抗が圧縮応力を受けると共に下流側のゲージ抵抗が引張応力を受けることで変化する。このため、2つの中間電圧を出力することでそれらの差、すなわち、荷重に応じた出力をアンプA1〜A4に入力させている。
アンプA1〜A4は、各荷重センサS1〜S4の2つの中間電圧を入力し、2つの中間電圧の電位差を差動増幅した出力を発生させる。より詳しくは、アンプA1〜A4では、予め記憶させられたゲイン調整値およびオフセット補正値(ゼロ点補正値)のデータに基づいて、各荷重センサS1〜S4の2つの中間電圧のゲイン調整およびオフセット補正を行い、それらを行ったのち出力電圧としてマイコン20に出力している。
温度検出部10は、タッチパネル表示器の温度、つまり荷重センサS1〜S4の温度に応じた検出信号をマイコン20に伝えるものである。温度検出部10は、例えばサーミスタ10aと抵抗10bにて構成され、サーミスタ10aの抵抗値が温度に応じて変化することから、サーミスタ10aと抵抗10bの間の電位を温度検出信号としてマイコン20に入力することで、マイコン20に荷重センサS1〜S4の温度を伝えている。つまり、サーミスタ10aの電位から温度に変換する変換マップ(図8のようなサーミスタ10aの電位が低いほど検出温度が高い値となるような相関を有するマップ)をマイコン20に持たせておけば、サーミスタ10aの電位から温度をマイコンが認識できる。
マイコン20は、各荷重センサS1〜S4の出力をアンプA1〜A4で差動増幅した出力電圧および温度検出部10の温度検出信号に基づいて、タッチ位置の検出を行う。このマイコン20には、後述するようなタッチパッド2をベース1に組付けた後の温度特性の変化に応じた荷重と出力電圧との関係を表したマップ(もしくは関係式)が記憶されている。このため、マイコン20は、温度検出部10の温度検出信号に基づいて荷重センサS1〜S4の温度を検出し、予め記憶しておいたマップなどに基づいて、検出した温度におけるアンプA1〜A4の出力電圧と対応するタッチ位置を求めている。
このような構成のタッチ位置検出回路では、上述したように、アンプA1〜A4のゲイン調整値やオフセット補正値を求め、それを予めアンプA1〜A4にデータとして記憶しておくことで、各荷重センサS1〜S4の2つの中間電圧のゲイン調整およびオフセット補正を行っている。また、タッチ位置検出回路では、タッチパッド2をベース1に組付けた後の温度特性の変化に応じた荷重と出力電圧との関係を表したマップ(もしくは関係式)をマイコン20に記憶しておき、その記憶したマップなどに基づいて、タッチ位置の検出を行うようにしている。これらの具体的な手法について、以下に説明する。
まず、上記の説明に先立ち、タッチパネル表示器におけるタッチ位置検出回路での基本的なタッチ位置検出手法について説明する。
タッチ位置検出回路では、荷重センサS1〜S4の出力する2つの中間電圧をアンプA1〜A4で差動増幅し、それをセンサ出力に相当する出力電圧として発生させている。ここで、タッチパッド2の所定位置をユーザがタッチした場合に各荷重センサS1〜S4の出力に応じて発生させられた出力電圧A〜Dが、α[V]、β[V]、γ[V]、δ[V]であったとする。いま、一般に荷重センサS1〜S4に加えられた荷重をF1[N]〜F4[N]とすると、F1とα、F2とβ、F3とγ、F4とδの関係はそれぞれ1次関数で表される。
α = a1×F1+b1 (1)
β = a2×F2+b2 (2)
γ = a3×F3+b3 (3)
δ = a4×F4+b4 (4)
ただし、a1〜a4、b1〜b4は温度によって変化する。
さらに、例えば図1中におけるタッチパッド2の左下の荷重センサS2の配置場所をXY座標の原点(0,0)とし、X座標、Y座標を図9のように想定した場合に、タッチ位置のXY座標は、
((F3+F4)/F,(F1+F4)/F) (5)
で表すことができる。ただし、
F=F1+F2+F3+F4 (6)
とする。
(1)〜(4)の式をそれぞれF1,F2,F3,F4について解いた式を(5)に代入することによって、タッチ位置のXY座標がα,β,γ,δ,a1〜a4,b1〜b4を用いて表される。
以上のことより、ある温度における上の(1)〜(4)の一次関数がわかっていれば、(5)、(6)の式により、タッチ位置を検出することが可能となる。このように、出力電圧A〜Dに基づいて、タッチ位置の検出を行っているため、タッチ位置を検出する上で、出力電圧A〜Dを増幅するアンプA1〜A4でのゲイン調整やオフセット補正が的確に行えるようにすることは重要である。
続いて、アンプA1〜A4のゲイン調整やオフセット補正の手法やタッチパッド2をベース1に組付けた後の温度特性の変化に応じた荷重F1〜F4の演算手法について説明する。
上述したように、タッチパッド2をベース1に組付ける際に、タッチパッド2に対して締め付け力などが作用し、タッチパッド2がタッチされていないにも拘わらず、荷重センサS1〜S4に荷重が掛かった状態となる。この荷重が組付け歪みとなって、組付け歪みに基づく特性変動が発生する。また、タッチパッド2やベース1が温度によって伸縮することによって、タッチパッド2がタッチされていないにも拘わらず、荷重センサS1〜S4に掛かった荷重は温度が変化することによって変化する。これを組付け後温度歪みと呼ぶことにする。温度変化に伴って、この組付け後温度歪みも変化する。すなわち、これら組付け歪みや組付け後温度歪みにより、タッチパッド2に印加される荷重の大きさに対する出力電圧の関係、換言すればセンサ特性がセンサ単体でタッチパッド2に組み付けられる前の特性からずれてしまう。このセンサ特性のずれについて、図3(a)から図3(d)に示す荷重と出力電圧との関係を示した特性図を参照して説明する。
まず、図3(a)に示すように、タッチパッド2をベース1に組付ける前のSi(i=1〜4)の荷重−アンプAi(i=1〜4)の出力電圧(以下、F−Vという)特性は、XY座標軸を基準とした特性として表される。そして、室温(ここでは25℃としている)時において荷重が0[N]のときに出力電圧が1.5[V]となり、所定の荷重F0[N]を加えたときに出力電圧が3.5[V]となるような、アンプAi(i=1〜4)のゲイン調整値やオフセット補正値のデータを求める。ゲイン調整やオフセット補正については、外部に備えられた調整装置(図示せず)によって行い、各荷重センサS1〜S4に対して個々に無荷重のときと荷重F0を掛けたとき、それぞれの出力電圧A〜Dをモニタすることで行っている。このときのゲイン調整値やオフセット補正値は、室温において、荷重センサS1〜S4の製造誤差等の影響を無くすことができる値となる。
次に、高温(ここでは85℃としている)時において荷重が0[N]のときのアンプAi(i=1〜4)の出力電圧Vi2と、所定の荷重がF0[N]のときのアンプAi(i=1〜4)の出力電圧Vi3を測定しておく。タッチパッド2をベース1に組付ける前における高温時のF−V特性はFi=0[N]、Vi=Vi2[V]とFi=F0[N]、Vi=Vi3[V]を通る。
次に、タッチパッド2を組付けた後、室温(25℃)時においてタッチパッドへの荷重が0[N]のときのアンプAi(i=1〜4)の出力電圧Vi4[V]を測定する。このとき、タッチパッド2を組付けるための締め付け力により、タッチパッド2がタッチされていない状態であっても締め付け力によって荷重センサS1〜S4に荷重が掛かった状態となる。
このため、組付け後室温時にセンサSiにかかるタッチ荷重FiとアンプAiからの出力電圧ViのF−V特性は、図3(b)に示すように、組付け後室温時のF−V特性のXY座標軸(図中で一転鎖線で示された軸)で、組付け前のセンサSiのF−V特性を見た状態となる。組付け後室温時のF−V特性のXY軸は、組付け前のF−V特性のXY座標軸(図3(b)中の実線で示された軸)よりも、組付けによる歪み分、紙面右側(X軸方向)にずれた状態となる。
続いて、タッチパッド2を組付けた後、高温(85℃)時において荷重が0[N]のときのアンプAi(i=1〜4)の出力電圧Vi5[V]を測定する。図3(c)に示すように、組付け後高温時のF−V特性のXY軸を、組付け前高温時のF−V特性のVi=Vi5[V]のところを通るように紙面右側(X軸方向)にずらした状態とする。すると、組付け後高温時のSiにかかるタッチ荷重FiとアンプAiの出力電圧の特性は、この組付け後高温時のV−F特性のXY軸から組付け前高温時のF−V特性を見た特性となる。
これまでの測定により、タッチパッド2をベース1に組付けた後にSiにかかるタッチ荷重Fi[N]とアンプAiからの出力電圧Vi[V]は、室温のときには、Fi=0[N]でVi=Vi4[V]を通り、傾きが(3.5−1.5)/F0[V/N]である直線になり、高温のときには、Fi=0[N]でVi=Vi5[N]をとおり、傾きが(Vi3−Vi2)/F0[V/N]である直線になる(図3(d))。
すなわち、アンプA1〜A4の出力電圧ViがセンサSiへのタッチ荷重Fiを変数として、傾きai、切片(ゼロ点)biの次の数式1のような一次関数にて表せ、かつ、傾きaiおよび切片biが荷重センサS1〜S4の温度に基づいて変化するという関係がある。なお、添え字のiは、荷重センサS1〜S4やアンプA1〜A4のいずれかと対応した値であることを総括的に表した記号であって1〜4のいずれかの数字を表しており、ViはV1〜V4、aiはa1〜a4、biはb1〜b4を表している。以下の説明においても、添え字のiは、同様の意味を表しているものとする。
(数1)
Vi=aiFi+bi
そして、上記のようにタッチパッド2の組付け後のF−V特性の変化が温度によって生じることを踏まえて、温度検出部10にて検出される荷重センサS1〜S4の温度に基づいて、その温度に応じた傾きaiおよび切片biを計算することができる。このため、次式で表すような数式1をFiに基づく式に変換した数式2に対して傾きaiおよび切片biと出力電圧Viを代入すれば、各荷重センサS1〜S4に加えられている荷重を正確に検出することができる。
(数2)
Fi=(Vi−bi)/ai
傾きaiは室温で(3.5−1.5)/F0[V/N]、高温で(Vi3−Vi2)/F0[V/N]になるが、その間の温度で、aiが温度に対して直線的に変わっていくとすると、傾きaiと温度の関係は、図5のようになる。また、切片biが室温でVi4[V]、高温でVi5[V]になるが、その間の温度で、biが温度に対して直線的に変わっていくとすると、切片biと温度の関係は図6のようになる。
上記のような知見に基づいて、アンプA1〜A4のゲイン調整やオフセット調整、および、タッチパッド2をベース1に組付けた後の温度特性の変化に応じた荷重F1〜F4の演算の手順を次に記述する。
最初に、荷重センサS1〜S4をベース1に設置し、荷重センサS1〜S4に対してアンプA1〜A4をそれぞれ接続する。また、調整装置をアンプA1〜A4およびマイコン20に接続しておき、アンプA1〜A4のゲイン調整値やオフセット調整値の設定が行えるようにすると共に出力電圧V1〜V4がモニタできるようにし、かつ、マイコン20に対して荷重Fの演算に用いるデータの記憶が行えるようにしておく。
次に、アンプA1〜A4それぞれのゲイン調整値、オフセット調整値をG10、Vz10に設定する。これらゲイン調整値、オフセット調整値G10、Vz10は、調整初期の値として任意に定められる値である。
そして、室温(25℃)において、各荷重センサS1〜S4に対して荷重を0とした状態(以下、無荷重という)でのアンプA1〜A4の出力電圧Vi0(V10、V20、V30、V40)を調整装置にてモニタする。また、室温(25℃)において、各荷重センサS1〜S4に所定の荷重F0を加えたときの各アンプA1〜A4の出力電圧Vi1(V11、V21、V31、V41)を調整装置にて計測する。そして、調整装置にて、このときの各出力電圧Vi0(V10〜V40)、Vi1(V11〜V41)を記憶しておく。
この後、アンプA1〜A4のゲイン調整値、オフセット調整値を変化させて、無荷重のときの出力電圧Vi0が1.5[V]となり、各荷重センサS1〜S4に対して所定の荷重F0を加えたときの出力電圧Vi1が3.5[V]となるようにする。そして、調整装置にて、このときのこれらゲイン調整値、オフセット調整値をGi1、Vzi1として記憶しておく。
続いて、高温(85℃)において、各荷重センサS1〜S4に対して無荷重の状態でのアンプA1〜A4の出力電圧Vi2(V12、V22、V32、V42)を調整装置にてモニタする。また、高温(85℃)において、各荷重センサS1〜S4に所定の荷重F0を加えたときの各アンプA1〜A4の出力電圧Vi3(V13、V23、V33、V43)を調整装置にて計測する。そして、調整装置にて、このときの各出力電圧Vi2(V12〜V42)、および、Vi3(V13〜V43)を記憶しておく。
今度は、タッチパッド2をベース1に組付けたのち、室温(25℃)において、各荷重センサS1〜S4に対して無荷でのアンプA1〜A4の出力電圧Vi4(V14、V24、V34、V44)を調整装置にてモニタする。このとき、実際にはタッチパッド2をベース1に組付けたときの組付け歪みが発生しているため、出力電圧Vi4はその組付け歪みに応じた値となる。
次に、高温(85℃)において、各荷重センサS1〜S4に対して無荷重の状態でのアンプA1〜A4の出力電圧Vi5(V15、V25、V35、V45)を調整装置にてモニタする。
このようにして、図3(b)に示したような組付け前の室温時、および、高温時のF−V特性、図3(d)に示したような組付け後室温時のF−V特性および組付け後高温時のF−V特性を得ることが可能となる。そして、上記した数式1のように、出力電圧Viが荷重Fを変数として傾きai、切片biが数式1のような一次関数にて表せることから、次のようにして各荷重センサS1〜S4および各アンプA1〜A4に対応する出力電圧Viと荷重Fiの関係を表す一次関数を演算する。
すなわち、図3(d)に示すように、室温(25℃)のときの一次関数の傾きaiは、無荷重のときから荷重F0を加えた時の出力電圧Viの変化であるため、(3.5−1.5)/F0となる。同様に、高温(85℃)のときの一次関数の傾きaiも、無荷重のときから荷重F0を加えた時の出力電圧Viの変化であるため、(Vi3−Vi2)/F1となる。また、室温(25℃)および高温(85℃)のときの切片biは、組付け後のF−V特性の室温時の切片biがVi4となり、組付け後のF−V特性の高温時の切片biはVi5となる。
これらをまとめると、傾きaiと切片biについて、図5や図6に表すマップとすることができる。つまり、X軸を温度、Y軸を傾きaiとして、室温時と高温時の傾きaiを直線で結んだマップおよび、X軸を温度、Y軸を切片biとして、組付け後の室温時と高温時の切片biを直線で結んだマップを得ることができる。
したがって、図5や図6で示されるマップ、もしくは、その関係を示した関数式を利用することで荷重センサS1〜S4の温度tに応じた傾きaiおよび切片biを求めることができ、その温度tのときの荷重センサS1〜S4の荷重Fiに対する出力電圧Viの一次関数を求めることができる。このため、数式1を荷重Fiの式に変換した数式2に対して出力電圧Viと傾きaiおよび切片biを代入することにより、各荷重センサS1〜S4に加えられている荷重Fiを演算することができる。
そして、上述の基本的なタッチ位置検出手法として説明したように、各荷重センサS1〜S4に加えられている荷重Fiの総和ΣFiがタッチパッド2に加えられた荷重Fとなり、さらに、各荷重センサS1〜S4に加えられた荷重F1〜F4に基づいて、タッチ位置のXY座標(X’、Y’)は、((F3+F4)/F,(F1+F4)/F)で表すことができる。ここで、F=F1+F2+F3+F4である。
しおり
続いて、射影変換を行うための処理を行う。図4は、射影変換のイメージを示した模式図である。この図に示されるように、タッチパッド2の平面上における任意の4箇所のXY座標を(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)として、これら各所を順番に所定の荷重F0で押すと、センサS1〜S4が意図した取り付け位置から誤差なく、取り付けられていれば、図4(a)に示すように、荷重F0で押したときの出力電圧から求められるタッチ場所が上記4箇所のXY座標通りとなる。
しかしながら、たとえばセンサS1〜S4の取り付け位置に位置ズレがあると、図4(b)に示すように、荷重F0で押したときの出力電圧から求められるタッチ場所が上記4箇所のXY座標通りにならない。このため、本処理で、図4(b)のように求められた4箇所のXY座標を図4(a)に示した4箇所のXY座標に合わせ込む必要がある。これをこの実施形態では射影変換によって行う。
つまり、組付け位置ズレなどの何らかの歪みの影響により、図4(b)のようにタッチ場所が実際のタッチ場所である図4(a)の状態からずれることになる。このため、歪が無い場合とある場合それぞれの場合の各格子の対応付けを行っておけば、例えば、タッチ場所が図4(b)においてXY座標における最も左下側の格子(図中ハッチングを示した場所)と検出された場合に、実際のタッチ場所が図4(a)中のXY座標における最も左下側の格子(図中ハッチングを示した場所)であるとマッピングすることができる。
したがって、まず、タッチパッド2の平面上における任意の4箇所のXY座標をそれぞれ(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)として、それら各所を順番に所定の荷重F1で押す。そして、調整装置にて、このときの各アンプA1〜A4の出力電圧(A15,A25,A35,A45)、(A16,A26,A36,A46)、(A17,A27,A37,A47)、(A18,A28,A38,A48)を順番に計測する。このときの出力電圧(A15,A25,A35,A45)、(A16,A26,A36,A46)、(A17,A27,A37,A47)、(A18,A28,A38,A48)が図4(b)に示される歪みの影響を受けた4箇所それぞれの各出力電圧となる。そして、このときの出力電圧(A15,A25,A35,A45)、(A16,A26,A36,A46)、(A17,A27,A37,A47)、(A18,A28,A38,A48)から計算した歪みの影響を受けている状態での4箇所のタッチ位置(X1’,Y1’)、(X2’,Y2’)、(X3’,Y3’)、(X4’,Y4’)を検出する。
そして、検出されたタッチ位置(X1’,Y1’)、(X2’,Y2’)、(X3’,Y3’)、(X4’,Y4’)から実際のタッチ位置(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)への射影変換を求める。そして、この射影変換に関するデータをマイコン20に記憶しておく。これにより、マイコン20にて、組付け位置ズレなどの歪みを加味した補正を行うことが可能となる。
射影変換は、
X=(C1×X’+D1×Y’+E1)/(C0×X’+D0×Y’+E0)
Y=(C2×X’+D2×Y’+E2)/(C0×X’+D0×Y’+E0)
により表される。(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)を順番に所定の荷重F0で押したとき、センサS1〜S4への荷重F1〜F4から計算されたタッチ位置のXY座標が(X’1,Y’1)、(X’2,Y’2)、(X’3,Y’3)、(X’4,Y’4)である。これらの対応する4点の射影変換の係数C0〜C2,D0〜D2,E0〜E2を求めればよい。
以上のようにして求められたXY座標(X’、Y’)は、組付け位置ズレなど歪みの影響を受けた図4(b)に示される座標であるが、これを射影変換することにより、図4(a)に示される座標(X,Y)に変換される。これにより、正確なタッチ位置を検出することができる。
この実施例では、(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)を任意の4点としたが、この4点を(0,1)、(0,0)、(1,0)、(1,1)としてもよい。
したがって、調整装置で室温時と高温時の傾きaiや図5に示したマップもしくはこのマップを示す関数式や、組付け後の室温時と高温時の切片biや図6に示したマップもしくはこのマップを示す関数式を演算し、それをマイコン20に記憶させている。このため、マイコン20は、温度検出部10の温度検出信号(この例では、サーミスタ10aの電位)に基づいて荷重センサS1〜S4の温度tを検出すると、その温度tに対応する傾きaiや切片biを図5や図6に示したマップもしくはそのマップを示す関数式から求める。また、求めた傾きaiや切片biと出力電圧Viを数式2に代入することで、各荷重センサS1〜S4に加えられている荷重Fiを演算し、その荷重Fiに基づいてタッチ位置の座標(X’,Y’)を演算する。そして、その座標(X’,Y’)を射影変換することで正確なタッチ位置の座標(X,Y)を求めることができる。
以上説明した本実施形態のタッチ位置検出回路により、タッチパッド2からセンサS1〜S4への組付け歪みなどの影響や温度変化によるセンサ特性への影響があっても、正確なタッチ位置を検出することが可能となる。したがって、組み付け歪みに基づいてタッチパネル表示器に備えられる荷重センサS1〜S4のセンサ特性が所望の特性からずれることで、タッチ位置が正確に検出できなくなることを防止することが可能となる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、荷重センサSiをベース1に取り付けた状態で、常温(25℃)において、荷重センサSiが無負荷のときと所定の荷重F0印加のとき、アンプAiの出力電圧が1.5V、3.5Vとなるように設定し、高温(85℃)において、荷重センサSiが無負荷の状態と所定の荷重F0印加の状態で、アンプAiの出力電圧Vi2、Vi3を測定していた。また、荷重センサSiをベース1に取り付け、タッチパッド2を取り付けた状態で、常温(25℃)において、無負荷のときのアンプAiの出力電圧Vi4を測定し、高温(85℃)において、無負荷のときのアンプAiの出力電圧Vi5を測定していた。これにより、荷重センサSiにベース1とタッチパッド2を取り付けた状態で、荷重センサSiにかかる荷重FiとアンプAiの出力電圧Viの関係、Vi=ai(t)×Fi+bi(t)の変化の様子、図3(d)、および、ai(t)、bi(t)の温度に対する変化の様子、図5、図6を得ていた。
これに代わり、次のような方法をとり、Vi=ai×Fi+biの変化の様子、図10、ai、biの温度に対する変化の様子、図11、図12(図6と同じ)を得る。
荷重センサSiをベース1に取り付け、さらにタッチパッド2を取り付けて、タッチパッド2上に荷重をかけたときに荷重センサSiへの荷重比がわかっている点をPとする.(この例では、タッチパッドが長方形なので、荷重センサS1〜S4が長方形の頂点を長方形の2本の対角線の交点に対して縦横を均等に縮小した4点に取り付けてあるとし、タッチパッドの長方形の2本の対角線の交点をPとすれば、この点を押した時には荷重センサSiに均等に力がかかる。)長方形の荷重センサSiをベース1に取り付け、さらにタッチパッド2を取り付けた状態で、常温と高温における、Pに4×F0の荷重をかけたときのアンプAiの出力電圧Vi6V、i7、および、無負荷のときのアンプAiの出力電圧Vi4、Vi5を測定する.これにより、荷重センサSiにベース1とタッチパッド2を取り付けた状態で、荷重センサSiにかかる荷重FiとアンプAiの出力電圧Viの関係、Vi=ai(t)×Fi+bi(t)のai(t)、bi(t)の温度に対する変化の様子は図11、図12のようになる。
ここで、アンプA1〜A4のゲイン調整やオフセット調整、および、タッチパッド2をベース1に組付けた後の温度特性の変化に応じた荷重F1〜F4の演算の手順を次に記述する。
最初に、荷重センサS1〜S4をベース1に設置し、荷重センサS1〜S4に対してアンプA1〜A4をそれぞれ接続する。また、調整装置をアンプA1〜A4およびマイコン20に接続しておき、アンプA1〜A4のゲイン調整値やオフセット調整値の設定が行えるようにすると共に出力電圧V1〜V4がモニタできるようにし、かつ、マイコン20に対して荷重Fの演算に用いるデータの記憶が行えるようにしておく。
次に、アンプA1〜A4それぞれのゲイン調整値、オフセット調整値をG10、Vz10に設定する。これらゲイン調整値、オフセット調整値G10、Vz10は、調整初期の値として任意に定められる値である。
そして、室温(25℃)において、各荷重センサS1〜S4に対して荷重を0とした状態(以下、無荷重という)でのアンプA1〜A4の出力電圧Vi0(V10、V20、V30、V40)を調整装置にてモニタする。また、室温(25℃)において、各荷重センサS1〜S4に所定の荷重F0を加えたときの各アンプA1〜A4の出力電圧Vi1(V11、V21、V31、V41)を調整装置にて計測する。そして、調整装置にて、このときの各出力電圧Vi0(V10〜V40)、Vi1(V11〜V41)を記憶しておく。
この後、アンプA1〜A4のゲイン調整値、オフセット調整値を変化させて、無荷重のときの出力電圧Vi0が1.5[V]となり、各荷重センサS1〜S4に対して所定の荷重F1を加えたときの出力電圧Vi1が3.5[V]となるようにする。そして、調整装置にて、このときのこれらゲイン調整値、オフセット調整値をGi1、Vzi1として記憶しておく。
今度は、タッチパッド2をベース1に組付けたのち、室温(25℃)において、各荷重センサS1〜S4に対して無負荷でのアンプA1〜A4の出力電圧Vi4(V14、V24、V34、V44)を調整装置にてモニタする。このとき、実際にはタッチパッド2をベース1に組付けたときの組付け歪みが発生しているため、出力電圧Vi4はその組付け歪みに応じた値となる。
次に、タッチパッド上に荷重をかけたときにセンサSiに均等に力がかかる点Pに4×F0(N)の荷重を印加したときの、アンプA1〜A4の出力電圧Vi6(i=1〜4)を調整装置にてモニタする。このとき、実際にはタッチパッド2をベース1に組み付けたときの組み付けひずみが発生しているため、出力電圧Vi6はその組み付け歪みとF0の和に応じた値となる。
次に、高温(85℃)において、各荷重センサS1〜S4に対して無荷重の状態でのアンプA1〜A4の出力電圧Vi5(V15、V25、V35、V45)を調整装置にてモニタする。
次に、タッチパッド上に荷重をかけたときにセンサSiに均等に力がかかる点Pに4×F0(N)の荷重を印加したときの、アンプA1〜A4の出力電圧Vi7(i=1〜4)を調整装置にてモニタする。このとき、実際にはタッチパッド2をベース1に組み付けたときの組み付けひずみが発生しているため、出力電圧Vi7はその組み付け歪みとF0の和に応じた値となる。
このようにして、図10に示したような組付け後の室温時、および、高温時のF−V特性を得ることが可能となる。そして、上記したように、出力電圧Viが荷重Fを変数として傾きai、切片biが数式1のような一次関数にて表せることから、次のようにして各荷重センサS1〜S4および各アンプA1〜A4に対応する出力電圧Viと荷重Fiの関係を表す一次関数を演算する。
すなわち、図10に示すように、室温(25℃)のときの一次関数の傾きaiは、無荷重のときから荷重F0を加えた時の出力電圧Viの変化であるため、(Vi6−Vi4)/F0となる。同様に、高温(85℃)のときの一次関数の傾きaiも、無荷重のときから荷重F0を加えた時の出力電圧Viの変化であるため、(Vi7−Vi5)/F0となる。また、室温(25℃)および高温(85℃)のときの切片biは、組付け後のF−V特性の室温時の切片biがVi4となり、組付け後のF−V特性の高温時の切片biはVi5となる。
これらをまとめると、傾きaiと切片biについて、図11や図12に表すマップとすることができる。つまり、X軸を温度、Y軸を傾きaiとして、室温時と高温時の傾きaiを直線で結んだマップおよび、X軸を温度、Y軸を切片biとして、組付け後の室温時と高温時の切片biを直線で結んだマップを得ることができる。
したがって、図11や図12で示されるマップ、もしくは、その関係を示した関数式を利用することで荷重センサS1〜S4の温度tに応じた傾きaiおよび切片biを求めることができ、その温度tのときの荷重センサS1〜S4の荷重Fiに対する出力電圧Viの一次関数を求めることができる。このため、数式1を荷重Fiの式に変換した数式2に対して出力電圧Viと傾きaiおよび切片biを代入することにより、各荷重センサS1〜S4に加えられている荷重Fiを演算することができる。
そして、上述の基本的なタッチ位置検出手法として説明したように、各荷重センサS1〜S4に加えられている荷重Fiの総和ΣFiがタッチパッド2に加えられた荷重Fとなり、さらに、各荷重センサS1〜S4に加えられた荷重F1〜F4に基づいて、タッチ位置のXY座標(X’、Y’)は、((F3+F4)/F,(F1+F4)/F)で表すことができる。ここで、F=F1+F2+F3+F4である。
続いて、射影変換を行うための処理を行う。図4は、射影変換のイメージを示した模式図である。この図に示されるように、タッチパッド2の平面上における任意の4箇所のXY座標を(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)として、これら各所を順番に所定の荷重F0で押すと、センサS1〜S4が意図した取り付け位置から誤差なく、取り付けられていれば、図4(a)に示すように、荷重F0で押したときの出力電圧から求められるタッチ場所が上記4箇所のXY座標通りとなる。
しかしながら、たとえばセンサS1〜S4の取り付け位置に位置ズレがあると、図4(b)に示すように、荷重F0で押したときの出力電圧から求められるタッチ場所が上記4箇所のXY座標通りにならない。このため、本処理で、図4(b)のように求められた4箇所のXY座標を図4(a)に示した4箇所のXY座標に合わせ込む必要がある。これをこの実施形態では射影変換によって行う。
つまり、組付け位置ズレなどの何らかの歪みの影響により、図4(b)のようにタッチ場所が実際のタッチ場所である図4(a)の状態からずれることになる。このため、歪が無い場合とある場合それぞれの場合の各格子の対応付けを行っておけば、例えば、タッチ場所が図4(b)においてXY座標における最も左下側の格子(図中ハッチングを示した場所)と検出された場合に、実際のタッチ場所が図4(a)中のXY座標における最も左下側の格子(図中ハッチングを示した場所)であるとマッピングすることができる。
したがって、まず、タッチパッド2の平面上における任意の4箇所のXY座標をそれぞれ(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)として、それら各所を順番に所定の荷重F1で押す。そして、調整装置にて、このときの各アンプA1〜A4の出力電圧(A15,A25,A35,A45)、(A16,A26,A36,A46)、(A17,A27,A37,A47)、(A18,A28,A38,A48)を順番に計測する。このときの出力電圧(A15,A25,A35,A45)、(A16,A26,A36,A46)、(A17,A27,A37,A47)、(A18,A28,A38,A48)が図4(b)に示される歪みの影響を受けた4箇所それぞれの各出力電圧となる。そして、このときの出力電圧(A15,A25,A35,A45)、(A16,A26,A36,A46)、(A17,A27,A37,A47)、(A18,A28,A38,A48)から計算した歪みの影響を受けている状態での4箇所のタッチ位置(X1’,Y1’)、(X2’,Y2’)、(X3’,Y3’)、(X4’,Y4’)を検出する。
そして、検出されたタッチ位置(X1’,Y1’)、(X2’,Y2’)、(X3’,Y3’)、(X4’,Y4’)から実際のタッチ位置(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)への射影変換を求める。そして、この射影変換に関するデータをマイコン20に記憶しておく。これにより、マイコン20にて、組付け位置ズレなどの歪みを加味した補正を行うことが可能となる。
射影変換は、
X=(C1×X’+D1×Y’+E1)/(C0×X’+D0×Y’+E0)
Y=(C2×X’+D2×Y’+E2)/(C0×X’+D0×Y’+E0)
により表される。(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)を順番に所定の荷重F0で押したとき、センサS1〜S4への荷重F1〜F4から計算されたタッチ位置のXY座標が(X’1,Y’1)、(X’2,Y’2)、(X’3,Y’3)、(X’4,Y’4)である。これらの対応する4点の射影変換の係数C0〜C2、D0〜D2、E0〜E2を求めればよい。
以上のようにして求められたXY座標(X’、Y’)は、組付け位置ズレなど歪みの影響を受けた図4(b)に示される座標であるが、これを射影変換することにより、図4(a)に示される座標(X,Y)に変換される。これにより、正確なタッチ位置を検出することができる。
この実施例では、(X1,Y1)、(X2,Y2)、(X3,Y3)、(X4,Y4)を任意の4点としたが、この4点を(0,1)、(0,0)、(1,0)、(1,1)としてもよい。
したがって、調整装置で室温時と高温時の傾きaiや図11に示したマップもしくはこのマップを示す関数式や、組付け後の室温時と高温時の切片biや図12に示したマップもしくはこのマップを示す関数式を演算し、それをマイコン20に記憶させている。このため、マイコン20は、温度検出部10の温度検出信号(この例では、サーミスタ10aの電位)に基づいて荷重センサS1〜S4の温度tを検出すると、その温度tに対応する傾きaiや切片biを図11や図12に示したマップもしくはそのマップを示す関数式から求める。また、求めた傾きaiや切片biと出力電圧Viを数式2に代入することで、各荷重センサS1〜S4に加えられている荷重Fiを演算し、その荷重Fiに基づいてタッチ位置の座標(X’,Y’)を演算する。そして、その座標(X’,Y’)を射影変換することで正確なタッチ位置の座標(X,Y)を求めることができる。
以上説明した本実施形態のタッチ位置検出回路により、タッチパッド2から荷重センサS1〜S4への組付け歪みなどの影響や温度変化によるセンサ特性への影響があっても、正確なタッチ位置を検出することが可能となる。したがって、組み付け歪みに基づいてタッチパネル表示器に備えられる荷重センサS1〜S4のセンサ特性が所望の特性からずれることで、タッチ位置が正確に検出できなくなることを防止することが可能となる。
(第3の実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態、あるいは、第2実施形態に対して、各荷重センサS1〜S4それぞれの温度を検出できるようにしたものであり、その他に関しては第1実施形態、あるいは、第2実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図13は、本実施形態にかかるタッチパネル表示器のタッチ位置検出回路の回路図である。本実施形態では、第1実施形態の図2に示したタッチ位置検出回路の回路構成を図13のように変更する。その他の構成は第1実施形態と同様である。図13において、温度検出部10は、抵抗10b、10d、10f、10hとサーミスタ10a、10c、10e、10gからなる。それぞれ、サーミスタ10aおよび抵抗10bはセンサS1の温度を、サーミスタ10cおよび抵抗10dはセンサS2の温度を、サーミスタ10eおよび抵抗10fはセンサS3の温度を、サーミスタ10gおよび抵抗10hはセンサS4の温度を検出するように配置されている。たとえば、サーミスタ10aは荷重センサS1に、サーミスタ10cは荷重センサS2に、サーミスタ10eは荷重センサS3に、サーミスタ10gは荷重センサS4に接するように配置されている。各サーミスタ10a、10c、10e、10gは同じ温度特性のものを抵抗10b、10d、10f、10hは同じ抵抗値のものを用いるとすると、それぞれのサーミスタ10a、10c、10e、10gから出力される電位をVa、Vc、Ve、Vgとすると、Vaと荷重センサS1の温度ts1、Vcと荷重センサS2の温度ts2、Veと荷重センサS3の温度ts3、Vgと荷重センサS4の温度ts4の関係は、すべて図8の曲線を描く。第1実施形態で説明した温度tを検出する代わりに、本実施形態では各荷重センサS1〜S4の温度ts1〜ts4を検出する。
調整装置では、室温時と高温時の傾きaiや図5に示したマップもしくはこのマップを示す関数式や、組付け後の室温時と高温時の切片biや図6に示したマップもしくはこのマップを示す関数式を演算し、それをマイコン20に記憶させている。このため、マイコン20は、温度検出部10の温度検出信号(この例では、サーミスタ10a、10c、10e、10gの電位)に基づいて荷重センサS1〜S4の温度ts1〜ts4を検出すると、その温度tsiに対応する傾きaiや切片biを図5や図6に示したマップもしくはそのマップを示す関数式から求める。また、求めた傾きaiや切片biと出力電圧Viを数式2に代入することで、各荷重センサS1〜S4に加えられている荷重Fiを演算し、その荷重Fiに基づいてタッチ位置の座標(X’,Y’)を演算する。そして、その座標(X’,Y’)を射影変換することで正確なタッチ位置の座標(X,Y)を求めることができる。
以上により、第1実施形態と同様に、組み付け歪みに基づいてタッチパネル表示器に備えられる荷重センサS1〜S4のセンサ特性が所望の特性からずれることで、タッチ位置が正確に検出できなくなることを防止できるのに加えて、荷重センサS1〜S4の温度が異なっても正確なタッチ位置を検出することができるようになる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、第1温度として室温(25℃)、第2温度として高温(85℃)を例に挙げて説明したが、これらの温度以外であっても構わない。また、第1所定電圧を1.5V、第2所定電圧を3.5Vとしたが、これらの電圧以外であっても構わない。さらに、演算装置としてマイコン20を例に挙げて説明したが、各種データの記憶やそのデータを用いた演算やタッチ位置の検出が行える演算装置であれば、他のものであっても構わない。
1 ベース
2 タッチパッド(オーナメント)
10 温度検出部
20 マイコン
S1〜S4 荷重センサ
A1〜A4 アンプ

Claims (6)

  1. 温度tでの印加される荷重Fに対する出力電圧Vの関係が、温度tでの傾きa(t)とゼロ点b(t)を用いてV=a(t)F+b(t)と表せるF−V特性を有する歪みセンサをタッチパネルにm個配置したタッチパネルのタッチ位置検出装置において、
    それぞれの歪みセンサの少なくとも異なる第1温度t1と第2温度t2でのF−V特性の傾きai(t1)とai(t2)(ただし、i=1〜m)、および、
    それぞれの歪みセンサの少なくとも異なる第1温度t1と第2温度t2でのF−V特性のゼロ点bi(t1)、bi(t2)を、演算装置に記憶させ、
    前記タッチパネルに供えられた温度検出装置から出力される温度t3と、
    前記タッチパネルに荷重を印加したときに得られるそれぞれの歪みセンサの出力電圧V1〜Vmから、
    温度t3のときの傾きai(t3)およびゼロ点b(t3)と、
    Vi=ai(t3)×Fi+bi(t3)
    の関係式を用いて
    X=(F3+F4)/F
    Y=(F1+F4)/F
    F=F1+F2+F3+F4
    として前記タッチパネルが押された位置、荷重を検出するタッチパネルのタッチ位置検出回路。
  2. 前記温度t3での傾きai(t3)およびゼロ点bi(t3)は、
    傾きai(t3)=ai(t1)+(ai(t2)−ai(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)
    ゼロ点bi(t3)=bi(t1)+(bi(t2)−bi(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)
    で表されることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルのタッチ位置検出回路。
  3. 温度tでの印加される荷重Fに対する出力電圧Vの関係が、温度tでの傾きa(t)とゼロ点b(t)を用いてV=a(t)F+b(t)と表せるF−V特性を有する歪みセンサをタッチパネルに複数個配置し、
    無負荷時の各センサの出力電圧Vi0と、
    任意の一点をF1で押したときの各センサにかかる荷重比A:B:C:Dと各センサの出力電圧Vi1から計算した荷重F、
    前記歪みセンサの2点以上の温度で第1温度t1、第2温度t2でのF−V特性の傾きai(t1)とai(t2)(ただし、i=1〜4)、および、
    前記歪みセンサの2点以上の第1温度t1、第2温度t2でのF−V特性のゼロ点bi(t1)、bi(t2)を演算装置に記憶してあり、
    第3温度t3でタッチパネルに荷重印加したときに得られる4つの歪みセンサの出力電圧V1〜V4と、温度検出装置からの出力温度t3から、
    温度t3での傾きai(t3)=ai(t1)+(ai(t2)−ai(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)、
    温度t3でのゼロ点bi(t3)=bi(t1)+(bi(t2)−bi(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)
    Vi=ai(t3)×Fi+bi(t3)
    の関係式を用いて、
    X=(F3+F4)/F
    Y=(F1+F4)/F
    F=F1+F2+F3+F4
    として前記タッチパネルが押された位置、荷重を演算するタッチパネルのタッチ位置検出回路。
  4. 前記任意の一点をF1で押したときの各センサにかかる荷重比A:B:C:Dを1:1:1:1とすることを特徴とする請求項3に記載のタッチパネルのタッチ位置検出回路。
  5. 温度tでの印加される荷重Fに対する出力電圧Vの関係が、温度tでの傾きa(t)とゼロ点b(t)を用いてV=a(t)F+b(t)と表せるF−V特性を有する歪みセンサをタッチパネルの4隅に配置し、
    前記歪みセンサ単体の第1温度t1、第2温度t2でのF−V特性の傾きai(t1)とai(t2)(ただし、i=1〜4)、および、
    前記タッチパネルに前記歪みセンサを組み付けた状態での歪みセンサの第1温度t1、第2温度t2でのF−V特性のゼロ点bi(t1)、bi(t2)を演算装置に記憶してあり、
    第3温度t3でタッチパネルに荷重印加したときに得られる4つの歪みセンサの出力電圧V1〜V4と、温度検出装置からの出力温度t3から、
    温度t3での傾きai(t3)=ai(t1)+(ai(t2)−ai(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)、
    温度t3でのゼロ点bi(t3)=bi(t1)+(bi(t2)−bi(t1))/(t2−t1)×(t3−t1)
    Vi=ai(t3)×Fi+bi(t3)
    の関係式を用いて、
    X=(F3+F4)/F
    Y=(F1+F4)/F
    F=F1+F2+F3+F4
    として前記タッチパネルが押された位置、荷重を演算するタッチパネルのタッチ位置検出回路。
  6. 表示画面が備えられるベース(1)の上に、該ベース(1)の4箇所それぞれに荷重センサ(S1〜S4)を介してタッチパッド(2)を組み付けてなるタッチパネル表示器のタッチ位置検出回路であって、
    前記ベース(1)の4箇所に配置された前記荷重センサ(S1〜S4)それぞれに対応して備えられ、該荷重センサ(S1〜S4)が加えられた荷重に対応して出力する電圧を増幅するアンプ(A1〜A4)と、
    前記荷重センサ(S1〜S4)の温度に対応する温度検出信号を出力する温度検出部(10)と、
    前記アンプ(A1〜A4)にて増幅された電圧を出力電圧(Vi)として、該出力電圧(Vi)が入力されると共に、前記温度検出部(10)の出力する前記温度検出信号を入力し、前記ベース(1)の4箇所に配置された前記荷重センサ(S1〜S4)それぞれに加えられた荷重を演算すると共に、その演算結果に基づいて前記タッチパッド(2)のタッチ位置を検出する演算装置(20)とを有し、
    前記アンプ(A1〜A4)のゲイン調整値、および、オフセット調整値は、前記タッチパッド(2)を前記ベース(1)に組み付ける前の状態において、第1温度時における前記ベース(1)の4箇所それぞれに配置された前記荷重センサ(S1〜S4)に対して荷重を加えていない無荷重状態のときの出力電圧(Vi0)が第1所定電圧となり、かつ、前記第1温度時における前記荷重センサ(S1〜S4)それぞれに対して所定の荷重(F0)を加えた荷重印加状態のときの出力電圧(Vi1)が前記第1所定電圧より大きな第2所定電圧となるように設定され、
    前記演算装置(20)は、前記荷重センサ(S1〜S4)に加えられる荷重(Fi)に対する前記出力電圧(Vi)の関係として、荷重(Fi)を変数とし、傾きがaiで切片がbiの一次関数として表される特性を記憶しており、
    前記第1温度時における前記傾きaiとして前記第2所定電圧と前記第1所定電圧との差を前記荷重印加状態のときに加えられる荷重(F0)で割った値として記憶していると共に、前記第1温度よりも高温な第2温度時における前記傾きaiとして前記第2温度時に前記荷重印加状態としたときの出力電圧(Vi3)と前記第2温度時に前記無荷重状態としたときの出力電圧(Vi2)との差を前記荷重印加状態のときに加えられる荷重(F0)で割った値として記憶し、これら第1温度時における前記傾きaiと前記第2温度時における前記傾きaiとにより表される温度と傾きaiとの関係と前記温度検出信号とに基づいて、該温度検出信号が表す温度での傾きaiを演算し、
    かつ、前記演算装置(20)は、前記第1温度時における前記切片biとして前記タッチパッド(2)を前記ベース(1)に組付けた後の状態において、前記第1温度における前記ベース(1)の4箇所それぞれに配置された前記荷重センサ(S1〜S4)に対して荷重を加えていない無荷重状態のときの出力電圧(Vi4)を記憶していると共に、前記第2温度時における前記切片biとして前記タッチパッド(2)を前記ベース(1)に組み付けた後の状態で前記第2温度時に前記無荷重状態としたときの出力電圧(Vi5)を記憶し、これら第1温度時における前記切片biと前記第2温度時における前記切片biとにより表される温度と切片biとの関係と前記温度検出信号とに基づいて、該温度検出信号が表す温度での切片biを演算し、
    さらに、前記一次関数を前記荷重(Fi)に対する式に変換した式に対して、前記温度検出信号が表す温度での傾きaiおよび切片biと前記アンプ(A1〜A4)が出力する出力電圧(Vi)を代入することにより、前記荷重センサ(S1〜S4)に加えられている荷重(Fi)を演算すると共に、該荷重(Fi)に基づいて前記タッチパッド(2)が押されたときのタッチ位置の検出を行うことを特徴とするタッチパネル表示器のタッチ位置検出回路。
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