JP5326758B2 - カメラ、画像処理装置、および画像処理プログラム - Google Patents
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Description
ここで言うあおり補正とは、ティルト・シフトレンズあるいは大判カメラにより撮影レンズをシフトさせた場合と同様な撮影画像を得るための画像補正(すなわち、シフト補正)をいう。
請求項7に記載の発明は、撮影済み画像から高周波成分を除去してローパス処理画像を形成する高域除去手段と、前記撮影済み画像および前記ローパス処理画像に対してアルファブレンド処理を行うためのアルファ値群をマスク画像情報として出力するマスク画像情報出力手段と、前記撮影済み画像に付されている情報に基づいて、複数ある前記マスク画像情報のいずれか一つを選択するマスク画像情報選択手段と、前記マスク画像情報選択手段から出力されたマスク画像情報と、前記撮影済み画像と、前記ローパス処理画像とに基づいてアルファブレンド処理を行う合成手段とを備え、逆ティルト撮影効果を持たせた合成画像を前記合成手段から出力する画像処理装置である。
請求項9に記載の発明は、撮影済み画像から高周波成分を除去してローパス処理画像を形成する高域除去工程と、前記撮影済み画像および前記ローパス処理画像に対してアルファブレンド処理を行うためのアルファ値群をマスク画像情報として出力するマスク画像情報出力工程と、前記撮影済み画像に付されている情報に基づいて、複数ある前記マスク画像情報のいずれか一つを選択するマスク画像情報選択工程と、前記マスク画像情報選択工程により選択されたマスク画像情報と、前記撮影済み画像と、前記ローパス処理画像とに基づいてアルファブレンド処理を行うことにより、逆ティルト撮影効果を持たせた合成画像を形成する合成工程とを、コンピュータにより実行させる画像処理プログラムである。
本発明に係る画像処理装置によれば、撮影完了後の画像に対して所望の逆ティルト撮影効果を与えることができる。
本発明に係る画像処理プログラムによれば、撮影完了後の画像に対して所望の逆ティルト撮影効果を与えるための画像処理を実現することができる。
図1は、本発明を適用したデジタルカメラの断面構成図である。本図において、100は脱着可能なレンズ鏡筒、200はカメラ本体である。本実施の形態1では、撮影レンズを実際に逆ティルトさせることなく、後に詳述する画像処理により逆ティルト撮影効果を得ているので、通常の交換レンズを使用することができる。
ここでいう逆ティルト撮影効果とは、撮影した画面のうち特定領域内の画像は焦点が合った画像とするが、それ以外の領域にある画像については所謂ピンボケの状態にすることをいう。なお、焦点が合っている画像と所謂ピンボケの画像との境界は、徐々に変化させていく場合のみならず、段階的に変化させる場合も含む。
なお、逆ティルト設定スイッチ40として、一般的なメニュー設定を行うための十字キー(図示せず)を兼用してもよい。
CCD10,アナログ信号処理回路11,A/D変換回路12を介してASIC13に入力された撮像信号P1は、バッファメモリ301内の入力画像記憶領域M1に蓄積される。その後、入力画像記憶領域M1から読み出された撮像信号P2は画像処理部305に入力され、所定の補間処理・色処理・輪郭処理などが施されて現像画像信号P3となり、バッファメモリ301内の現像画像記憶領域M2に保存される。
現像画像記憶領域M2から読み出された現像画像信号P4はローパスモジュール302に入力され、高周波成分が除去されたローパス処理画像(所謂ピンボケ画像)P5として出力される。このローパス処理画像(所謂ピンボケ画像)P5は、バッファメモリ301内のローパス処理画像記憶領域M3に蓄積される。
まず、図1に示した逆ティルト設定スイッチ40の設定内容を、CPU18を介してASIC13内のマスク画像処理部306に取り込む。この設定内容は、既述の通り、「逆ティルト撮影モードA」または「逆ティルト撮影モードB」のどちらがユーザにより選択されたかを示している。
αが0〜1の値をとるとき、現像画像の画素ごとに次式による演算を行うことをいう。
αブレンド処理後の合成画素値Xij=(現像画像の画素値Aij)×α+(ローパス処理画像の画素値Bij)×(1−α) ・・・(式1)
αブレンドモジュール303は、バッファメモリ301内の現像画像記憶領域M2から読み出した現像画像信号P4と、バッファメモリ301内のローパス処理画像記憶領域M3から読み出したローパス処理画像信号P7と、マスク画像処理部306から読み出したマスク画像信号P6とを入力し、上記の(式1)を演算して合成画像を求める。その合成画像は、αブレンドモジュール303から合成画像信号P8としてバッファメモリ301に送られ、合成画像記憶領域M4に保存される。
バッファメモリ301内の合成画像記憶領域M4に保存されている合成画像は、所定の圧縮処理を施した後に圧縮画像記憶領域M5に保存し、その後、記録モジュール309に転送する。本実施の形態1では、図示しないライブビュー処理回路により、合成画像から表示用画像を作成し、表示器21に表示させている。その結果として、ユーザは逆ティルト撮影された画像(すなわち、合成画像)をリアルタイムで確認することができる。なお、表示器21には通常のライブビュー画像を表示させておき、撮影完了後にアルファブレンド処理された合成画像を所定時間だけ表示させてもよい。
実施の形態1によれば、以下のような作用・効果を奏することができる。
(変形例1)
上述した実施の形態1では、ユーザが設定する撮影モードとして逆ティルト撮影モードA,Bについて説明したが、図1のカメラにより表示されるAFフレームの位置に対応したマスク画像を自動選択することも可能である。
図7は、AFエリア位置とマスク画像との関係を示した図である。本図の左列はαブレンド処理に使用されるマスク画像を、右列は撮影時の画像に対するAFエリアの位置を示している。図7から明らかなように、AFエリアの位置がα=1となるようにマスク画像の中心位置(α=1となる位置)を変更している。
実施の形態1では、カメラのメニュー画面を選択することにより2種類の逆ティルト撮影モードA,Bを設定可能としたが、より細かな逆ティルト撮影モードAn,Bnを設定することも可能である。ここで、例えばn=1,2,3とする。より具体的には、図6のA1に示したマスク画像を上方向に僅かだけ移動させるときには逆ティルト撮影モードA1とし、逆に図6のA1に示したマスク画像を下方向に僅かだけ移動させるときには逆ティルト撮影モードA3とする。図6のB1に示したマスク画像を左・右の方向に微動させるときも同様である。
図1に示した傾斜センサ206は、カメラの姿勢が水平であるか縦であるか(図2参照)を検出するものであった。しかし、検出角度の分解能を45度とすることにより、マスク画像を45度だけ回転させることができる。その結果、さまざまなカメラアングルに適合した逆ティルト撮影を行うことができる。
これまで説明してきたマスク画像は、予め記憶させてあったが、所定の演算式に基づいて画素ごとのα値を算出することができる。その結果、複数の演算式を用意しておくことにより、多種多様なマスク画像を生成することができる。
αブレンド処理を行う際に、撮影レンズの焦点距離を変更することにより、合成画像のボカシ領域を変化させることが可能である。すなわち、ある特定のマスク画像を選択した場合にも、レンズ自体が有する本来の結像特性を利用してα値の分布を事実上変更したのと同じ効果を得ることができる。
このように焦点距離に応じて、左右のボケ領域の範囲を(a:ワイド端)<(b)<(c:テレ端)とすることが可能である。実施の形態1において述べた「逆ティルト撮影モードB」のマスク画像についても同様のことがいえる。
実施の形態2では、撮影済みの写真データを入力し、逆ティルト撮影効果を与えた画像を得るための画像処理装置を提供する。この画像処理装置は、図4に示したASIC13を備えており、図5に示した処理手順を実行する。すなわち、実施の形態2による画像処理装置は、
撮影済み画像から高周波成分を除去してローパス処理画像を形成する高域除去部と、
撮影済み画像およびローパス処理画像に対してアルファブレンド処理を行うためのアルファ値群をマスク画像情報として出力するマスク画像情報出力部と、
撮影済み画像に付されている情報に基づいて、複数あるマスク画像情報のいずれか一つを選択するマスク画像情報選択部と、
マスク画像情報選択部から出力されたマスク画像情報と、撮影済み画像と、ローパス処理画像とに基づいてアルファブレンド処理を行う合成部とを備え、逆ティルト撮影効果を持たせた合成画像を合成部から出力する。
このような構成を採ることにより、撮影完了後の画像を入力し、逆ティルト撮影効果を与える画像を出力する画像処理装置を実現することができる。
実施の形態3では、撮影済みの写真データを入力し、逆ティルト撮影効果を与えた画像を得るための画像処理プログラムを提供する。この画像処理プログラムは、図4に示したASIC13内のプログラム記憶領域(図示せず)に記憶されており、図5に示した処理手順を実行する。すなわち、実施の形態3による画像処理プログラムは、
撮影済み画像から高周波成分を除去してローパス処理画像を形成する高域除去ステップと、
撮影済み画像およびローパス処理画像に対してアルファブレンド処理を行うためのアルファ値群をマスク画像情報として出力するマスク画像情報出力ステップと、
撮影済み画像に付されている情報に基づいて、複数あるマスク画像情報のいずれか一つを選択するマスク画像情報選択ステップと、
マスク画像情報選択ステップにより選択されたマスク画像情報と、撮影済み画像と、ローパス処理画像とに基づいてアルファブレンド処理を行うことにより、逆ティルト撮影効果を持たせた合成画像を形成する合成ステップとを、コンピュータにより実行させるものである。
実施の形態と変形例の一つとを組み合わせること、もしくは、実施の形態と変形例の複数とを組み合わせることも可能である。
変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
さらに、本発明の技術的思想の範囲内で考えられる他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
11 アナログ信号処理回路
12 A/D変換回路
13 ASIC(画像処理回路)
16 CCDドライバ
17 タイミングジェネレータ
25 測光装置
26 焦点検出装置
100 レンズ鏡筒
200 カメラ本体
201 メインスイッチ
204 レリーズボタン
205 カメラ制御部
206 傾斜センサ
301 バッファメモリ
302 ローパスモジュール
303 αブレンドモジュール
305 画像処理部
306 マスク画像処理部
309 記録モジュール
Claims (9)
- 撮像素子から得られた画像信号に基づいて現像画像を形成する現像手段と、
前記現像画像の高周波成分を除去してローパス処理画像を形成する高域除去手段と、
前記現像画像および前記ローパス処理画像に対してアルファブレンド処理を行うためのアルファ値群をマスク画像情報として出力するマスク画像情報出力手段と、
カメラの撮影状態に応じて複数ある前記マスク画像情報のいずれか一つを選択するマスク画像情報選択手段と、
前記マスク画像情報選択手段から出力されたマスク画像情報と、前記現像画像と、前記ローパス処理画像とに基づいてアルファブレンド処理を行う合成手段とを備え、
逆ティルト撮影効果を持たせた合成画像を前記合成手段から出力することを特徴とするカメラ。 - 請求項1に記載のカメラにおいて、
前記マスク画像情報出力手段は、画素位置に対応するアルファ値を記憶した基準マスク画像備えており、
前記マスク画像情報選択手段は、カメラの撮影状態に応じて前記基準マスク画像を所定の角度だけ回転させることにより特定のマスク画像情報を出力することを特徴とするカメラ。 - 請求項1に記載のカメラにおいて、
前記マスク画像情報出力手段は、画素ごとのアルファ値を演算により算出して前記マスク画像情報を形成するプロセッサであり、
前記マスク画像情報選択手段は、カメラの撮影状態に応じて前記プロセッサから特定のマスク画像情報を出力することを特徴とするカメラ。 - 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
マスク画像情報選択手段は、ユーザが予め設定した撮影条件およびカメラの姿勢に応じて、複数ある前記マスク画像情報のいずれか一つを選択することを特徴とするカメラ。 - 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記マスク画像情報選択手段は、選択されたAFエリア位置に応じて、複数ある前記マスク画像情報のいずれか一つを選択することを特徴とするカメラ。 - 請求項1ないし4のいずれか一項に記載のカメラにおいて、
前記合成画像をライブビュー画面として表示することを特徴とするカメラ。 - 撮影済み画像から高周波成分を除去してローパス処理画像を形成する高域除去手段と、
前記撮影済み画像および前記ローパス処理画像に対してアルファブレンド処理を行うためのアルファ値群をマスク画像情報として出力するマスク画像情報出力手段と、
前記撮影済み画像に付されている情報に基づいて、複数ある前記マスク画像情報のいずれか一つを選択するマスク画像情報選択手段と、
前記マスク画像情報選択手段から出力されたマスク画像情報と、前記撮影済み画像と、前記ローパス処理画像とに基づいてアルファブレンド処理を行う合成手段とを備え、
逆ティルト撮影効果を持たせた合成画像を前記合成手段から出力することを特徴とする画像処理装置。 - 請求項7に記載の画像処理装置において、
前記撮影済み画像に付されている情報としてExif情報を用いることを特徴とする画像処理装置。 - 撮影済み画像から高周波成分を除去してローパス処理画像を形成する高域除去工程と、
前記撮影済み画像および前記ローパス処理画像に対してアルファブレンド処理を行うためのアルファ値群をマスク画像情報として出力するマスク画像情報出力工程と、
前記撮影済み画像に付されている情報に基づいて、複数ある前記マスク画像情報のいずれか一つを選択するマスク画像情報選択工程と、
前記マスク画像情報選択工程により選択されたマスク画像情報と、前記撮影済み画像と、前記ローパス処理画像とに基づいてアルファブレンド処理を行うことにより、逆ティルト撮影効果を持たせた合成画像を形成する合成工程とを、
コンピュータにより実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
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