JP5325973B2 - 分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は血液などの生体サンプルを質量分析を用いて分析する分析装置に係り、特に固相抽出などの前処理を行う前処理装置を備えた分析装置に関する。
臨床検査における普及した検査手法の一つに免疫法がある。免疫法は、サンプル中の測定対象成分を特異的に認識する抗体(抗原)を応用し、例えば液体中の測定対象成分を抗体(一次抗体)で補足した後に、その一次抗体をさらに選択的に補足する二次抗体を利用して検出する。このときの検出は、高感度化を図るために二次抗体に標識を付加している。標識は、例えば蛍光物質の場合や、酵素化学発光に必要な物質などの場合がある。免疫法は、簡便に高感度検出可能な技術であることから、検体中の微量成分の定量測定に適している。一方、免疫法では交差反応性が問題となっている。交差反応性は、一次抗体が本来認識すべき測定対象成分だけではなく、例えば測定対象成分の代謝物のように類似した構造を有する分子をも捕捉してしまう現象である。このことは、定量結果が真値よりも高くなり、測定対象成分を正確に定量できないことを意味している。特に低分子化合物の場合は交差反応性が顕著になる傾向があり、抗体作製の際に測定対象成分へのキャリアタンパク質の付加により高分子化する必要があるため、その付加位置以外の部位のみエピトープとなり得ることから、位置によっては代謝物との構造差異の識別が不可能となることが原因の一つである。この交差反応を抑制するためには、各種類似構造分子の差異を識別できる一次抗体の作製が求められるが、作製は困難であるとともにコストと労力がかかるため、非効率的である。
免疫法に対して質量分析法は、測定対象成分の質量に基づいて測定するため、例えば代謝物などの類似構造分子との識別が可能な測定技術である。特にMS/MS解析やMSn解析の手法は、測定対象成分をフラグメント信号化することにより、類似構造成分どうしの高精度識別を可能にする技術である。このように質量分析法は免疫法に比べて、選択性及び正確性に優れていることから、臨床に応用する動きが広まっている。
例えば、特許文献1では、濾紙血を検体とし、液/液抽出により測定対象成分を抽出し、質量分析計で測定することにより、アラニンやバリンのアミノ酸やアシルカルニチン類を定量し、生体内での対象物質の代謝反応の度合いを検査する代謝異常スクリーニングを行っている。MSモードは、選択性の高い三連四重質量分析計のMRM(Multiple Reaction Monitoring)モード用いている。MRMは、一段目の四重極でプリカーサ信号のみを通し、その信号を次のコリジョンセルで開裂させ、生成した化合物に特異的なプロダクト信号のみを二段目の四重極でモニターする方法である。この方法では、化合物の特異的な質量情報で同定が可能となる。また、この質量情報を利用することで実試料中の夾雑成分から測定対象成分を質量数で分離することが可能となる。定量方法は、従来のように、先ず、幾つかの濃度で標準物質を分析する。そして、その標準物質由来のm/z(質量/電荷)の信号に対し、信号強度の時間変化(マスクロマトグラム)を取得し、マスクロマトグラムのピーク面積を求める。この面積と標準物質濃度との関係より、検量線を作成する。次に、濃度が不明の同一物質を分析して、マスクロマトグラムのピーク面積を求める。そして、作成された検量線に基づき、マスクロマトグラムのピーク面積に対応する物質濃度を決定する。測定全体の補正には内部標準物質を用いており、内部標準物質には、測定対象成分ごとに安定同位体標識物質を採用している。この内部標準物質は、濾紙血を液/液抽出する際の溶出溶液に添加している。非特許文献1では、検体に有機溶媒を添加しタンパク質沈殿した後、液体クロマトグラフ/質量分析装置(LC/MS)で分離を行いながら質量分析計に導入することで、生体中に低濃度しか含まれないエストラジオールやテストステロンなどの12種類のホルモン類を同時に検出している。内部標準物質には、測定対象成分ごとの安定同位体標識物質を用いている。この内部標準物質は、タンパク質沈殿する際のバーファー溶液に添加している。特許文献2では、血清や尿などの生体試料を96穴の固相抽出プレートで処理し、質量分析計で測定することにより、アミノ酸,カルニチン類,糖及び免疫抑制剤などの定量を行っている。内部標準物質には、安定同位体標識物質の他に、化学構造の似通った擬似化合物を用いている。この内部標準物質は、タンパク質沈殿する際のバーファー溶液に添加している。
ところで、質量分析法を臨床応用する場合、質量分析法の固有のイオンサプレッションが問題になる。質量分析法は、成分を信号化する必要があり、その信号化効率阻害(イオンサプレッション)が定量精度を左右することから、通常は、同一のイオンサプレッションを生じるとみなすことができる安定同位体標識物質を用いている。また、質量分析法は、測定対象成分ごとに数ms間隔で測定が可能であるため、多成分の定量を高スループットで行うことが可能であるが、その成分数と同数の安定同位体標識物質が必要となる。しかし、安定同位体標識物質の合成にはコストがかかるだけではなく、合成できない成分については安定同位体標識物質を作製できない問題がある。特許文献2のように、内部標準物質に擬似化合物を用いる場合もあるが、この場合、マトリックス成分(夾雑物)の影響が、測定対象物質と内部標準物質とで等価ではなく、補正をおこなっても正確な値が得られる保証はない。そこで、内部標準物質に擬似化合物を用いる場合には、マトリックス成分と測定対象物質とを分離するために、例えばLCや固相抽出処理の前処理を行い、マトリックスの影響を軽減させている。また、非特許文献2では、ポストカラムインヒュージョンにより、マトリックスを質量分析計に導入しつつ、別経路からインヒュージョンで測定対象成分を送液し、どの時間帯にマトリックス効果が大きいか事前にデータを取得し、その時間帯に測定対象成分が質量分析に導入されないようにLCの条件を工夫している。しかし、これらの方法だと、時間,コストが増大し、操作も煩雑になる。
また、質量分析法を臨床に応用する場合、施設ごと及び使用者によるデータの変動があってはならない。つまり、できるだけ簡便で使い勝手の良い質量分析計を提供することが重要である。すなわち、前処理工程,MS測定及びデータ解析の各工程でできるだけ手技操作を排除し、全自動検査が行える質量分析計が望まれる。この場合、イオンサプレッションと同様に、前処理工程の安定性及び回収率がデータ精度に大きな影響を与える。
US2006/0008922 A1 US2007/0004044 A1
T. Guo, R. L. Taylor, R. J. Singh, S. J. Soldin, Simultaneous determination of 12 steroids by isotope dilution liquid chromatography-photospray ionization tandem mass spectrometry, Clinica. Chemica. Acta., 372, 76-82, 2006 T. M. Annesley, Ion Suppression in Mass Spectrometry, Clin. Chem. 49:7, 1041-1044, 2003
このように質量分析計を用いて定量解析する場合、内標準法を用いている。内部標準物質には理想的には測定対象物質と物性が同様の安定同位体物質を用い補正を行っている。分光光度計やUV検出器とは異なり質量分析計を用いた場合はマトリックス中の夾雑物によるイオンサプレッションが著しくデータ精度に影響する。そこで内部標準物質に安定同位体物質ではなく擬似化合物を用いる場合にはマトリックス中の夾雑物によるイオンサプレッションが起こらないようにLCやGC等で十分に分離、精製を行っている。また、夾雑物の影響により、イオンサプレッションに加えて、試料の前処理もデータ精度に影響するため、データ再現性も他測定系に比べて低い。そこで質量分析計を用いて定量解析する場合、従来法は測定毎に検量線を作成し、内標準法を用いて試料中の測定対象物質の濃度を算出している。このため、測定対象物質に安定同位体物質を用いる場合は、コスト面で課題があった。一方、測定対象物質に擬似化合物を用いた場合は、分離,精製を行う手間,分離溶媒のコストおよびスループットに問題があった。また、測定毎に検量線を作成する必要があったため試薬コストおよびスループットに問題があった。
本発明は手間、コストおよびスループットの問題を鑑み、質量分析計ではマトリックス中の夾雑物がデータ精度に影響する点に着目し、簡易的ながらも実用に耐えうるデータ補正方法を考案した。具体的には、多成分の測定対象物質が混在したサンプルについて、個々の内部標準物質を用いなくてもひとつ以上の擬似化合物を用いての正確な補正ができることを特徴とする。被検液を通液させて特定成分を選択的に分離させる固相抽出カートリッジ101と、内部に分離剤を保持するカートリッジ保持容器102と、収容部を複数保持でき無限軌道を持つカートリッジ搬送手段103と、収容部内に継続的かつランダムアクセス的に圧力を負荷できる圧力負荷部107と、収容部内に収容された分離剤からの抽出溶液を選択的に受ける抽出溶液受機構108とを備えた前処理装置と、前記前処理装置から前処理試料搬送手段109と、全自動で分析測定が可能な質量分析部111とデータ処理部112を提供することで、多数の検体を同時並行的に処理可能にし、検査結果を得ることができる。
内部標準物質による補正は、データ処理部112に、事前に物性の異なるマトリックスに既知濃度の測定対象物質及び内部標準物質を添加し、マトリックスの物性と感度との相関データを格納しておく。ここでいう感度とは、信号強度を濃度で除算した値である。また、前処理、例えば固相抽出の回収率についてもマトリックスの物性における測定対象物質回収率のデータを格納しておく。次に、既知濃度の内部標準物質と測定対象物質を添加した検体を測定し、内部標準物質の信号強度の実測値から、マトリックスの物性の値を算出する。内部標準物質は、前処理試料搬送手段109で質量分析部111に搬送する直前に、回転アーム105により抽出溶液受機構108へ添加される。つまり、濃度が既知の内部標準物質を質量分析部111で信号強度を実測した時点で、データ処理部112にアクセスし、格納したデータからマトリックスの各物性の値を算出する。次に、測定対象物質を質量分析部111で実測して信号強度が得られた後に、データ処理部112にアクセスし、格納したデータから算出したマトリックスの各物性の値と測定対象物質の信号強度から測定対象物質の濃度を算出する。ここで、検体の物性のパラメーターは、例えばリン脂質濃度,粘度(濃さ,希釈率),pH及び総タンパク質量である。最後に、マトリックスの物性における測定対象物質の前処理の回収率を反映させることで測定対象物の濃度が算出される。このように濃度既知の内部標準物質を用いて、データ処理部112に格納した相関データから測定対象物質の濃度を用いることができる。この補正方法を用いることで、原理的にはたったひとつの内部標準物質で複数の測定対象成分を、検量線を作成することなしに補正することができる。
本発明により、従来法で問題になっていたイオンサプレッション及び前処理、例えば固相抽出の回収率を簡便に正確に補正できる。多成分の測定対象物質が混在したサンプルについて、個々の測定対象物質の内部標準物質を用いなくても補正できる。また、従来法のように既知濃度の測定対象物質及び内部標準物質として安定同位体標識物質を幾つか調製し、検量線を作成する必要もなく、時間及びコストの効率化につながる。これらのことから、操作の煩雑な前処理も省略することが可能であるので、装置構成がより簡素化でき、簡便かつ高精度の臨床検査装置を実現できる。
装置構成の概略図。 測定の流れの概略図。 補正方法の概略図。 マトリックスの物性に関する値に対する信号強度依存性(感度)の概念図。 マトリックスの物性に関する値に対する信号強度依存性(感度)の概念図。 測定の流れの概略図。 補正方法の概略図。 データ処理部の入力値及び出力値の概要図。 マトリックスの物性に関する値に対する信号強度依存性(感度)の概念図。 マトリックスの物性に関する値に対する信号強度依存性(感度)の概念図。
本発明の実施例を、図面を用いてより詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
質量分析を用いた臨床応用の目的は、血中濃度モニタリング(Therapeutic Drug Monitoring,TDM)である。TDMの一例として、薬物体内動態観察が挙げられる。医療の現場で患者に薬剤を投与する際には、適用する患者の症状に合わせて個別に投与計画することが、有効性・安全性を保障するうえで重要である。同一容量の薬剤を服用しても人によって治療効果の異なる原因として、薬物体内動態の個人差によって血中濃度に違いが出てくることがある。そこで、個々の患者の血中濃度を測定することにより、治療域に収まるように容量・用法を最適化する技術、つまり、TDMが行われている。例えば、移植した臓器に対する拒絶反応の抑制に用いられる免疫抑制剤は必ずTDMが行われる薬剤である。免疫抑制剤は治療域が数ng/mLから数百ng/mLと低濃度である。加えて血中濃度が治療域を超えると高血圧,異脂肪血症,高血糖,消化性潰瘍,肝臓や腎臓の機能障害などの重大な副作用を引き起こす場合もある。そこで一般的には、副作用を軽減させるためにカクテル投与が行われ、数種類の免疫抑制剤とステロイドを併用し、投与する。また、免疫抑制剤は化学合成が難しいため、内部標準物質となる安定同位体標識物質が存在しないことから、内部標準物質として一般的に擬似化合物が用いられる。
本実施例では、前処理に固相抽出を、検出部に質量分析を用いた自動分析装置の事例である。
装置構成について図1を用いて説明する。被検液を通液させて特定成分を選択的に分離できる固相抽出カートリッジ101と、内部に分離剤を保持するカートリッジ保持容器102と、収容部を複数保持でき無限軌道を持つカートリッジ搬送手段103と、全血の精製処理ができる全血処理部113と、複数の試薬を保管できる試薬槽104と、試薬槽から試薬を固相抽出カートリッジに搬送できる回転アーム105と、試薬槽から試薬を全血処理部に搬送できる回転アーム106と、収容部内に継続的かつランダムアクセス的に圧力を負荷できる圧力負荷部107と、収容部内に収容された分離剤からの抽出溶液を選択的に受ける抽出溶液受機構108とを備えた前処理装置と、前記前処理装置から前処理試料搬送手段109と、試料をイオン化し質量分析部に導入しイオン化部110と、分析測定が可能な質量分析部111及びデータ処理部112からなる。本実施例では、質量分析部111は三連四重極質量分析計(Teiple QMS)を用いたが、その他、単連四重極質量分析計(QMS),飛行時間質量分析計(TOFMS),イオントラップ質量分析計(ITMS)及びフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計(FT−ICRMS)を用いることもできる。
測定の流れについて図2を用いて説明する。全血処理部113には、免疫抑制剤を投与した100μLの患者検体が分注されており、試薬槽104にストックされている200μLの0.2Mの硫酸亜鉛を含むメタノール溶液が回転アーム106により全血処理部113の各セルに分注される。全血処理装置113には超音波発生機能が搭載されており、1分間程度、超音波を負荷することにより赤血球の細胞膜が崩壊(溶血)する。この時、70℃〜80℃の高温下で超音波を負荷することにより溶血の効率が飛躍的に向上し、10秒程度の短時間での処理が可能となる。硫酸亜鉛を添加することで除タンパクの作用がある。次に、遠心分離を行い、約200μLの上清が回転アーム106により固相抽出カートリッジ101に分注される。免疫抑制剤は血球移行性があり、この溶血操作が必須となる。一方、例えば、抗てんかん剤や抗菌剤のような血球移行性のない薬剤について溶血操作は必要なく、全血処理部113に分注した100μLの患者検体を遠心分離し、上清である血清または血漿成分が回転アーム106により固相抽出カートリッジ101に分注される。
固相抽出カートリッジ101は、前述の溶血操作後の処理液が分注される前に、活性化及び平衡化処理が行われる。具体的には、試薬槽104にストックされている200μLの100%メタノール溶液が、回転アーム105により固相抽出カートリッジ101に分注され、カートリッジ搬送手段103により、少なくとも一箇所存在する圧力負荷部107の位置まで搬送され、圧力が印加されカートリッジ内を通液することで充填剤の活性化が行われる。同様に、試薬槽104にストックされている200μLの100%水溶液が回転アーム105により固相抽出カートリッジ101に分注され、カートリッジ搬送手段103により、圧力負荷部107の位置まで搬送され、圧力が印加されカートリッジ内を通液することで充填剤の平衡化が行われる。この後、溶血操作後の処理液が回転アーム106が固相抽出カートリッジ101に分注され、同様に圧力が印加されることで、測定対象物質及び内部標準物質が充填剤に補足される。次に、200μLの100%水溶液を通液することで洗浄が行われる。最後に、100μLの100%メタノール溶液を通液し、固相抽出された処理液が抽出溶液受機構108に溶出される。処理液は、前処理試料搬送手段109により搬送され、イオン化部110でイオン化されることで質量分析部111に導入され、測定が行われる。前処理試料搬送手段109で搬送する前に、試薬槽104にストックされている内部標準物質を回転アーム105により抽出溶液受機構108に分注し、処理液に添加する。また、洗浄工程及び溶出工程で用いた溶媒の組成は、内部標準物質と測定対象物質の組合せによって変わる。つまり、固相抽出工程でできるだけ夾雑物を精製するために、例えば洗浄工程では40%のメタノールを用い、溶出工程では90%のメタノールを用いる場合もある。精製手段は、固相抽出の他、液/液抽出,除タンパク質,限外濾過膜及び抗体磁気ビーズを用いることも可能である。
ここで、補正方法について説明する。前処理で固相抽出を用い、MSに導入する本自動分析装置は、前処理の回収率及びイオンサプレッションがデータ再現性及び精度に大きく影響する。一般的には、幾つかの既知濃度の内部標準物質及び測定対象物質を前処理前の検体に添加しMS測定することで、横軸に測定対象物質濃度,縦軸に内部標準物質及び測定対象物質のm/zの各信号に対応する信号強度比をプロットした検量線を作成する。そして患者検体を実測し、内部標準物質及び測定対象物質のm/zの各信号に対応する信号強度比と作成した検量線から濃度を算出する。この方法では、試薬代コスト,検量線を作成する時間及び操作が煩雑になる。また、内部標準物質及び測定対象物質のイオンサプレッションが同等である必要があり、内部標準物質には測定対象物質の安定同位体標識物質が必須であった。本発明での補正方法について図3を用いて説明する。予め、物性の異なるマトリックスに既知濃度の測定対象物質及び内部標準物質を添加し、横軸にマトリックスの物性に関する値を、縦軸にマトリックスの物性に関する値に対する測定対象物質及び内部標準物質のm/zの各信号に対応する信号強度依存性(感度)の相関データをデータ処理部112に格納しておく(図4)。ここでいう感度とは、m/zの各信号に対応する信号強度を濃度で除算した値であり、マトリックスの物性に関する値とは、リン脂質濃度である。リン脂質は、グリセロリン脂質類やスフィンゴリン脂質類があるが、本実施例では、グリセロリン脂質類であるレシチン(ホスファチジルコリン)をマトリックスに添加
した。その他のリン脂質として、グリセロリン脂質では、リゾレシチン及びセファリン(フォスファチジルエタノールアミン)が、グリセロリン脂質では、スフィンゴミエリンが考えられる。マトリックスの物性に関する値は、この他、粘度,総タンパク質量及びpHが用いられる。具体的には、マトリックスの物性に関する値、ここではリン脂質であるレシチンの濃度pを変数とした測定対象物質及び内部標準物質の感度関数S0(p),SIS(p)を予め、データ処理部112に格納しておく。質量分析部111で実測した測定対象物質及び内部標準物質の信号強度をI0,IIS、測定対象物質に含まれるマトリックスの物性に関する値をX、内部標準物質の濃度をCIS、得られる測定対象物質の濃度をC0とすると、標準化合物の感度SIS(X)、は(数1)で表される。
IS(X)=IIS/CIS …(1)
(数1)で求められた結果とデータベースに予め格納されている関数SIS(p)から、マトリックスの物性に関する値Xが算出できる。次に、マトリックスの物性に関する値Xと予めデータ処理部112に格納された関数S0(p)から、測定対象物質の感度S0(X)が求まる。S0(X)と質量分析部111で実測した測定対象物質の信号強度をI0から測定対象物質の濃度C0は(数2)で求められる。
0=I0/S0(X) …(2)
以上の作業で、イオンサプレッションを補正することができる。なお、データ処理部112に格納するマトリックスの物性に関する値を変数とした測定対象物質及び内部標準物質の感度関数は、補正の精度を向上させるための施策として、イオンサプレッションに影響すると考えられる複数のマトリックスの物性に関する値を変数とした測定対象物質及び内部標準物質の多次元の感度関数を採用することもできる。
次に、前処理の回収率の補正について説明する。リン脂質濃度pを変数とした測定対象物質の回収率R(p)を予め、データ処理部112に格納しておく。ここでいう回収率R(p)とは、前処理した後にリン脂質濃度pになるマトリックスに測定対象物質を添加しMS測定した信号強度を、リン脂質濃度pのマトリックスに測定対象物質添加しMS測定した信号強度で除算したものである。前処理前の測定対象物質の濃度C00は(数3)で求められる。マトリックスの物性に関する値Xは、(数1)で求められた結果とデータベースに予め格納されている関数SIS(p)から算出することができる。
00=C0/R(X) …(3)
なお、回収率R(p)は、リン脂質濃度の他に、マトリックスの物性に関する値、例えば、レシチンの他のリン脂質,粘度,総タンパク質量及びpHにより変動する。また、固相抽出カートリッジ101の充填剤の種類によっても変動するため、これらの場合での回収率Rx(p)の関数がデータ処理部112に格納されていることになる。
このように検体に添加した濃度既知の内部標準物質を用いて、データ処理部112に格納した相関データから測定対象物質の濃度を用いることができる。この補正方法を用いることで、原理的にはたったひとつの内部標準物質で複数の測定対象物質を、検量線を作成することなしに補正することができる。
補正の方法に関して、マトリックスの物性の異なる物質をリアルタイムで実測しながら、補正フィードバックをかける方法について説明する。装置構成及び測定の流れは実施例と同様である。実施例1と異なる補正方法について説明する。実施例1では、物性の異なるマトリックスに既知濃度の測定対象物質及び内部標準物質を添加し、横軸にマトリックスの物性に関する値を、縦軸にマトリックスの物性に関する値に対する測定対象物質及び内部標準物質のm/zの各信号に対応する信号強度依存性(感度)の相関データをデータ処理部112に格納しおき、検体に添加した既知濃度の内部標準物質の質量分析部111での実測信号強度からマトリックスの物性に関する値を求める。次に、測定対象物質の実測信号強度及びマトリックスの物性に関する値から測定対象物質の濃度を求める。そして、データ処理部112に予め格納しておいたマトリックスの物性に関する値を変数とした前処理工程における測定対象物質の回収率から、前処理工程前の測定対象物質の濃度を求めていた。
実施例2では、マトリックスの物性に関する物質のm/zの信号強度に対する測定対象物質のm/zの各信号に対応する信号強度依存性(感度)の相関データ及び前処理工程における測定対象物質の回収率を事前にデータ処理部112に格納しておく。本実施例では、マトリックスの物性に関する物質としてレシチンの信号強度を変数とした信号強度依存性(感度)及び回収率をデータ処理部112に格納しておき(図8)、マトリックスの物性に関する物質及び測定対象物質を質量分析部111で数msec〜数百msecの間隔で交互に実測する。例えば、測定対象物質が免疫抑制剤のタクロリムスである場合、質量分析部111は三連四重極質量分析計を用いているので、m/zの値は、タクロリムス(Q1:Q3=821.5/768.5),レシチン(Q1:Q3=787/184)に設定し、イオン化は、ポジティブイオンで実測を行うことになる。そして、マトリックス中のレシチンの信号強度からタクロリムスの感度が算出される。そして、タクロリムスの実測の信号強度からタクロリムスの濃度が算出される。このように、マトリックス中のイオンサプレッションに影響する物質(ここでは、レシチン)及び測定対象物質(ここではタクロリムス)の信号強度とデータ処理部112に格納した相関データから測定対象物質の濃度が算出される。この方法を用いることで、理論的には内部標準物質を用いなくともイオンサプレッションの補正が可能であり、加えて測定毎に検量線を作成する必要もなく、容易に補正することができる。
2種類の内部標準物質を添加し、より正確に、測定対象物質の濃度を算出する方法を説明する。2種類の内部標準物質は同様なイオン化効率をもつ物質を用いる。2種類のイオン化効率が同様な内部標準物質を用いることで前処理部の実測の回収率を算出することが可能であり、データベースに格納されている値との差異を把握することで、前処理部の異常を把握することができる。測定の流れについて実施例1と異なる点、つまり、第一の内部標準物質と第二の内部標準物質の添加方法について図6を用いて説明する。まず、全血処理部113には、採血管から分注された100μLの患者検体がストックされており、試薬槽104にストックされている10μLの第一の内部標準物質が回転アーム106により全血処理部113の各セルに分注される。第二の内部標準物質は実施例1のように、前処理後の溶液を前処理試料搬送手段109で搬送する前に、試薬槽104にストックされている内部標準物質を回転アーム105により抽出溶液受機構108に分注し、処理液に添加する。他の工程は、実施例1と同様である。なお、第一の内部標準物質は、患者から検体を採取する際に用いられる採血管に事前に添加しておくことも考えられる。この場合、内部標準物質ごとに採血管を準備しておく必要がある。
補正方法について図7を用いて説明する。予め、物性の異なるマトリックスに既知濃度の第一の内部標準物質、第二の内部標準物質及び測定対象物質を添加し、横軸にマトリックスの物性に関する値を、縦軸にマトリックスの物性に関する値に対する測定対象物質及び内部標準物質のm/zの各信号に対応する信号強度依存性(感度)の相関データをデータ処理部112に格納しておく。ここでいう感度とは、m/zの各信号に対応する信号強度を濃度で除算した値であり、マトリックスの物性に関する値とは、リン脂質濃度である。マトリックスの物性に関する値は、この他、粘度,総タンパク質量及びpHも用いられる。具体的には、リン脂質濃度pを変数とした第一の内部標準物質,第二の内部標準物質及び測定対象物質の感度関数S1(p),感度関数S2(p)及び感度関数S0(p)を予め、データ処理部112に格納しておく。
次に、既知濃度の第一の内部標準物質及び第二の内部標準物質を含むリン脂質濃度を未知のマトリックス成分(実試料)に添加し、質量分析部111で実測した第一の内部標準物質,第二の内部標準物質及び測定対象物質の信号強度をI1,I2及びI0とし、マトリックスの物性に関する値をX、同濃度である既知の第一の内部標準物質,第二の内部標準物質の濃度をC1,C2及びC0とすると、第二の内部標準物質感度S2(X)は(数1′)で表される。第一の内部標準物質及び第二の内部標準物質は同様なイオン化効率をもつため、m/zに対応する信号強度依存性(感度)の相関データも同様になる(数2′)。
2(X)=I2/C2 …(1′)
2(p)=S1(p) …(2′)
次に、第一の内部標準物質及び測定対象物質のリン脂質濃度pを変数とした測定対象物質の回収率R1(p)及びR0(p)を予め、データ処理部112に格納しておく。ここでいう回収率R1(p)及びR0(p)とは、前処理した後にリン脂質濃度pになるマトリックスに内部標準物質及び測定対象物質を添加しMS測定した信号強度を、リン脂質濃度pのマトリックスに第一の内部標準物質及び測定対象物質添加しMS測定した信号強度で除算したものである。(数1′)で求められた結果とデータベースに予め格納されている関数S2(p)から、マトリックスの物性に関する値Xが算出できる。次に、マトリックスの物性に関する値Xと予めデータ処理部112に格納された関数S0(p)から、測定対象物質の感度S0(X)が求まる。S0(X)と質量分析部111で実測した測定対象物質の信号強度をI0から測定対象物質の濃度C0は(数3′)で求められる。
0=I0/S0(X) …(3′)
以上の作業で、イオンサプレッションを補正することができる。
質量分析部111にて実測された第一の内部標準物質の信号強度I1は、前処理の回収率及びイオン化効率が反映された値であり、既知濃度C1と(数2′)及び感度関数S2(p)は横軸にマトリックスの物性に関する値を、縦軸にマトリックスの物性に関する値に対する第一の内部標準物質のm/zの各信号に対応する信号強度依存性(感度)であることから、前処理での回収率R1(p)において(数4′)が成り立つ。
1/S1(p)/C1=R1(p) …(4′)
(4′)の左項は実測値、右項はデータ処理部112に格納されている値である。しかし、前処理工程は、全血の溶血工程で攪拌,超音波処理,遠心分離及び分注といった複雑な操作からなり、誤差が生じる可能性がある。つまり(数4′)が成り立たず、(数4″)及び(数4′′′)のようになる。
1/S1(p)/C1>R1(p) …(4″)
1/S1(p)/C1<R1(p) …(4′′′)
これらの場合には、データ処理部112に格納されている値との差異に対する閾値を事前に設定しておき、「データ処理部112に格納されている値」,「実測値による補正」及び「再検査」を選択することで、より正確な測定対象物質の濃度を算出できる(図8)。例えば、実測値とデータ処理部112に格納されている値の差異が±3%以内の場合は「データ処理部112に格納されている値」、±3〜±10%の場合は「実測値による補正」及び±10%以上の場合は「再検査」に移行できるようアルゴリズムをデータ処理部112に格納しておく。具体的には、差異が±3%以内の場合は、データ処理部112に格納されている値、つまり回収率R0(p)で補正することとなり、(数5′)で前処理工程の補正を含めた測定対象成分濃度C00が算出される。
00=C0/R0(X) …(5′)
±3〜±10%の場合は実測値で補正することとなり、(数5″)で前処理工程の補正を含めた測定対象成分濃度C00が算出される。
00=(C0×R1(X))/{R0(X)×(I1/S1(p)/C1)} …(5″)
±10%以上の場合は再検査となる。
データ処理部112に格納されている値との差異に対する閾値を事前は測定者がパネル操作により設定可能である。
本自動分析装置に搭載されている測定対象物質に、ユーザーが新たに測定対象物質を追加する方法について説明する。臨床の現場では、患者ごとの疾患,年齢,性別,症状の進行度及び検査施設ごと(国,規模の大小)に投薬設計は異なり、従って検査項目も異なる。質量分析計(MS)を検出器に用いる手法は、従来のイムノアッセイが薬剤ごとに専用試薬(抗体試薬)が必要であるのに比べてm/z(質量/電荷)で選択するので多項目測定に優れている。つまり、測定対象物質の追加及び削除がフレキシブルに対応可能である。特に、本発明の補正方法は、従来法のように内部標準物質に測定対象物質の安定同位体標識物質を用いて、検査毎に検量線を作成する必要がなく、測定対象物質の追加及び削除が容易である。マトリックスの各物性の値に対する複数の測定対象物質及び少なくともひとつの内部標準物質のm/zの各信号に対応する信号強度依存性(感度)の相関データ及び、上記マトリックスに対する測定対象物質の回収率をデータ処理部201に格納し、測定対象物質及び少なくともひとつの内部標準物質の信号強度から、測定対象物質の濃度を算出する。新たに測定対象物質を追加する場合、既にデータ処理部201に登録されている内部標準物質及び測定対象物質の情報に、マトリックスの各物性の値に対する新たに追加する測定対象物質のm/zの各信号に対応する信号強度依存性(感度)の相関データ、上記マトリックスに対する新たに追加する測定対象物質の回収率及び新たに追加する測定対象物質のm/zの3つの情報を登録することで、測定対象物質の追加が可能となる。原理的には、複数の測定対象物質を追加することができる。これらの3つの情報は、質量分析部202で自動測定により得ることが可能である。測定対象具体的には、新たに追加する測定対象物質を事前に質量分析部202でインヒュージョン測定を行い、m/zのデータを取得しておく。次に、データ処理部201のスクリーン上に測定対象物質のm/zをm/z入力部204に入力し、自動演算ボタン205をクリックすることで、パラメーターを変化させながら質量分析部111で実測し、そのデータをもとにしてデータ処理部112で測定対象物質に関する質量分析に必要な条件(イオン化条件及び解裂電圧など)が算出され、その後に、マトリックスの各物性の値に対する新たに追加する測定対象物質のm/zの各信号に対応する信号強度依存性(感度)の相関データが出力部206に出力され、また上記マトリックスに対する新たに追加する測定対象物質の回収率が算出され、出力部207に出力される。この工程中に得られた全ての情報(各時間における検出された全てのm/z及びそのm/zの信号強度データ)は保存されており、随時出力することができる。つまり、何らかの検査の不具合が起こった場合、設定した条件のデータを見直し、条件を修正することが可能となり、再度条件設定を行う時間,コスト,労力のロスが軽減される。以上のように新たに測定対象物質の追加が行われ、原理的には、どのような内部標準物質に対しても、自動的に、複数の測定対象物質の追加が可能となる。
101 固相抽出カートリッジ
102 カートリッジ保持容器
103 カートリッジ搬送手段
104 試薬槽
105,106 回転アーム
107 圧力負荷部
108 抽出溶液受機構
109 前処理試料搬送手段
110 イオン化部
111 質量分析部
112 データ処理部
113 全血処理部

Claims (16)

  1. 固相抽出機構を含む前処理装置と、該前処理装置で前処理されたサンプルをイオン化した後、質量分析する質量分析装置を備えた分析装置において、
    前記サンプル中のイオン化を阻害する物質の濃度に対する測定対象物質及び内部標準物質の信号強度依存性に関する情報を記憶する記憶部を備え、
    前記サンプル、及び前記内部標準物質の測定結果を前記記憶部に記憶された前記情報に基づき補正する補正部を備えたことを特徴とする分析装置。
  2. 請求項1に記載の分析装置において、
    前記イオン化を阻害する物質がリン脂質であることを特徴とする分析装置。
  3. 請求項2に記載の分析装置において、
    前記リン脂質が、グリセロリン脂質またはスフィンゴリン脂質の少なくともいずれかであることを特徴とする分析装置。
  4. 請求項3記載の分析装置において、
    前記グリセロリン脂質が、
    レシチン(ホスファチジルコリン),リゾレシチン及びセファリン(フォスファチジルエタノールアミン)の中から選ばれた少なくとも何れかであることを特徴とする分析装置。
  5. 請求項3記載の分析装置において、
    前記スフィンゴリン脂質が、スフィンゴミエリンであることを特徴とする分析装置。
  6. 固相抽出機構を含む前処理装置と、該前処理装置で前処理されたサンプルをイオン化した後、質量分析する質量分析装置を備えた分析装置において、
    前記サンプル中の粘度,総タンパク質量,pHの少なくともいずれかの物性に対する測定対象物質及び内部標準物質の信号強度依存性に関する情報を記憶する記憶部を備え、
    前記サンプル、及び前記内部標準物質の測定結果を前記記憶部に記憶された前記情報に基づき補正する補正部を備えたことを特徴とする分析装置。
  7. 固相抽出カートリッジと、内部に分離剤を保持するカートリッジ保持容器と、収容部を複数保持でき無限軌道を持つカートリッジ搬送手段と、全血の精製処理ができる全血処理部と、複数の試薬を保管できる試薬槽と、試薬槽から試薬を固相抽出カートリッジに搬送できる回転アームと、試薬槽から試薬を全血処理部に搬送できる回転アームと、収容部内に継続的かつランダムアクセス的に圧力を負荷できる圧力負荷部と、収容部内に収容された分離剤からの抽出溶液を選択的に受ける抽出溶液受機構とを備えた前処理装置と、前記前処理装置から前処理試料搬送手段と、試料をイオン化し質量分析部に導入しイオン化部と、分析測定が可能な質量分析部及びデータ処理部を有する分析装置において、
    少なくともひとつ内部標準物質を用い、上記データ処理部に予め、含有するリン脂質濃度が異なるマトリックスに対する測定対象物質及び内部標準物質のm/zの各信号に対応する信号強度依存性の相関情報をデータ処理部に格納し、質量分析部で実測された測定対象物質及び内部標準物質の信号強度から、測定対象物質の濃度を算出することを特徴とする分析装置。
  8. 請求項7に記載の分析装置において、
    前記リン脂質がレシチンホスファチジルコリンリゾレシチンセファリンフォスファチジルエタノールアミンスフィンゴミエリンの少なくとも何れかであることを特徴とする分析装置。
  9. 請求項7に記載の分析装置において、
    少なくともひとつの内部標準物質を全血処理部に搬送されてきた検体に添加する第1の内部標準物質添加機構と、少なくともひとつの前記内部標準物質を前記抽出溶液受機構に分注されている抽出溶液に添加する第2の内部標準物質添加機構と、を備えたことを特徴とする分析装置。
  10. 請求項7に記載の分析装置において、
    前記内部標準物質は、測定対象物質の安定同位体標識物質または擬似化合物であることを特徴とする分析装置。
  11. 請求項1に記載の分析装置において、
    前記前処理装置の固相抽出機構が、液/液抽出機構であることを特徴とする分析装置。
  12. 請求項1に記載の分析装置において、
    前記前処理装置の固相抽出機構が、除タンパク質機構であることを特徴とする分析装置。
  13. 請求項1に記載の分析装置において、
    前記前処理装置の固相抽出機構が、限外濾過膜機構であることを特徴とする分析装置。
  14. 請求項1に記載の分析装置において、
    前記前処理装置の固相抽出機構が、抗体磁気ビーズを用いることを特徴とする分析装置。
  15. 請求項7に記載の分析装置において、
    前記全血処理部は、超音波発生機構,遠心分離機構,攪拌機構及び溶液の分注機構を有しており、処理液を前記固相抽出カートリッジに分注できる機構を有することを特徴とする分析装置。
  16. 請求項15に記載の分析装置において、
    前記超音波発生機構は温度調整機能を備えたことを特徴とする分析装置。
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