JP5325262B2 - 溶接方法、溶接装置及び鋼床版 - Google Patents
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Description
U字状リブ20の縁とデッキプレート10とのすみ肉溶接部21、22については、疲労設計指針でU字状リブ20の溶け込み必要深さをU字状リブ20の板厚の75%以上とすることが必要とされる(非特許文献1)。
ところが、鋼床版100はデッキプレート10上に設けられるアスファルト製の舗装30(例えば厚さが80mm)を介して車両による輪荷重を繰り返して受けるので、疲労損傷に対して留意が必要である。特に、すみ肉溶接部21の溶け込み先端の延長線上の非溶接部Nに応力が集中して、図17(b)に示すように、比較的早期に疲労亀裂Fが生じる。
本発明者等は、U字状リブの内側(裏側)に当て金を配設しながら、U字状リブの外側から溶接することで、裏波ビードを応力集中の生じにくい形状に制御できることを知見した。ところが、U字状リブの長手方向の全長と同等の長さの当て金を用いることは、実際の施工を想定すると現実的ではない。溶接を行なう前にU字状リブをデッキプレートに仮止めするが、仮止めされたU字状リブの取り付け誤差が位置により相違する。したがって、U字状リブの長手方向(あるいは溶接線方向)の全長よりも十分に短い領域に対応する当て金を用いることが必要である。
この溶接方法は、第1縁部及び第2縁部をリブの外側から溶接することで、第1縁部及び第2縁部の各々を貫通してリブの内側に達する裏波ビードを形成しながら、一方端から他方端に向けて延びる溶接線に沿って連続的に溶接するものである。
この溶接の際に、リブの内側であって、第1縁部及び第2縁部のリブの外側から溶接している位置を含む領域(以下、溶接対応領域という)に、裏波ビードを支持する一対の当て金を鋼板と第1縁部及び鋼板と第2縁部の各々に押し付ける。
この溶接方法は、先行する第1ステップと、後続の第2ステップとを少なくとも含む。第1ステップは、第1領域に当て金を配置して第1領域を溶接する。第1領域の溶接が終了した後に行われる第2ステップは、当て金による押し付けを後続の第2領域に移行させて第2領域を溶接する。
本発明は、当て金による押し付けの第1領域から第2領域への移行が、裏波ビードと当て金の間に相対的な速度差を生じさることなく行われる、ことを特徴とする。また本発明は、一対の当て金の間に、幅方向の外側に向けて互いに離間する向きに一対の当て金を同時に押圧する押し付け機構を設け、かつ溶接に同期して一対の当て金を押し付け機構により押圧しながら溶接を行うことを特徴とする。
なお、本発明における「当て金による押し付けの第1領域から第2領域への移行」は、当て金が物理的に移動することを必須とするものではなく、当て金による押し付けが変遷することを意味している。また、本発明においては、第1ステップと第2ステップという二つのステップだけを規定しているが、これは最小限のステップを規定しているだけであり、さらに第3ステップ、第4ステップ、…、第nステップを行なうことを許容する。
また、本発明の溶接方法は、当て金による押し付けの第1領域から第2領域への移行が、裏波ビードと当て金の間に相対的な速度差を生じさることなく行われるので、当て金の移行に伴い当て金が裏波ビードに擦れて性状を壊すのが防止される。
一つ目の形態は、第1領域と第2領域に、独立して押し付けが行われる第1当て金と第2当て金を各々配置する。そして、第1ステップでは第1当て金を鋼板と第1縁部及び鋼板と第2縁部の各々に押し付け、第2ステップでは第2当て金を鋼板と第1縁部及び鋼板と第2縁部の各々に押し付ける。このように、第1領域に対応する第1当て金は溶接線方向の位置が固定され、第2領域に対応する第2当て金も溶接線方向の位置が固定されているので、当て金(第1、第2)が裏波ビードに擦れる心配がない。
そして、第1ステップでは第1領域において押し付け機構の当て金を鋼板と第1縁部及び鋼板と第2縁部の各々に押し付け、第2ステップでは当て金を走行させることで第2領域に移動した押し付け機構の当て金を鋼板と第1縁部及び鋼板と第2縁部の各々に押し付ける。
この二つ目の実施形態においても、押し付け機構全体としては溶接線方向に移動するが、各々の当て金は第1領域および第2領域に対して溶接線方向の位置が固定されているので、当て金が裏波ビードに擦れる心配がない。
以上の本発明による溶接方法を適用して作製される鋼床版は、裏波ビードを基点とする亀裂発生を抑制できるとともに、溶接熱影響部および境界部の結晶粒を微細化することによって、溶接継手部の靭性が向上される。
また、本発明によると、当て金による押し付けの第1領域から第2領域への移行が、裏波ビードと当て金の間に相対的な速度差を生じさることなく行われるので、当て金の移行に伴い当て金が裏波ビードに擦れて性状を壊すのが防止される。
以下、添付する図1、図12〜図16を参照しながら、本発明の溶接方法を鋼床版100(図17)の作製に適用する実施形態に基づいて説明する。ただし、本発明に係る溶接方法が鋼床版100以外の用途にも適用できることは言うまでもない。
鋼床版100を作製する場合には、図1(a)に示すように、デッキプレート10上の予め定められた位置にU字状リブ20が配置される。溶接は、デッキプレート10を舗装30が施工される側の面を下向きにしたデッキプレート10に、U字状リブ20を一対のフランジ24の先端(縁部)が対向するように配置した状態で行われる。なお、フランジ24が本発明の縦板を、また、デッキプレート10が本発明の鋼板をなし、両者が溶接されることで、略T字型継ぎ手を構成する。
ここで、溶接に伴ってU字状リブ20は加熱されるため、U字状リブ20の動きを拘束しないと、溶接の進行にともなってU字状リブ20に大きな反りが生じてしまい、U字状リブ20を所定位置に溶接できなくなるおそれがある。したがって、溶接に先立って、U字状リブ20をデッキプレート10に仮止めすることが好ましい。仮止めするには、U字状リブ20の長手方向を間欠的に溶接すればよい。
それぞれのフランジ24の先端の外側には、レ形開先25が形成される。このレ形開先25は、デッキプレート10の表面となす角度αが50°±30°、ルートフェイスを2mm±2mm(図12ではゼロ)とすることが好ましい。
なお、ここではレ形開先25を設けた例を示しているが、レ形開先が設けられていない縦板を用いることを本発明は許容し、この場合も後述する当て金1による効果を享受できる。
当て金1は、図12に示すように、六面のうちの一面がフランジ24と当接される第1当接面3を構成し、また、他の一面がデッキプレート10と当接される第2当接面5を構成する。第1当接面3と第2当接面5とがなす角度γ(図示省略)は、フランジ24とデッキプレート10とがなす角度βと等しく(∠β=∠γ)設定される。したがって、U字状リブ20の内側において、第2当接面5をデッキプレート10に対向させ、また、第1当接面3をフランジ24に対向させて配置し、さらに、第1当接面3をフランジ24に、また、第2当接面5をデッキプレート10に押し付ける。ただし、図12では、理解しやすくするために、フランジ24と第1当接面3を、またデッキプレート10と第2当接面5を、意図的に離間させている。当て金1がこの当接状態にあることを、当て金1がセットされる、ということにする。そして、当て金1は、フランジ24の外側から溶接が行われている際に、U字状リブ20の内側であって、溶接される部分を含む所定領域に亘って配置される。
当て金1は、溶接により内側に到達した溶融金属を裏波ビードから支持することで溶融金属が自由に流動するのを拘束しながら、溶融金属を冷却・固化させる。つまり、内側に達した溶融金属は、面取りCにより形成される溶金規制空隙の内部でのみ流動が許され、溶金規制空隙の外部に流出することなく固化される。したがって、この面取りCの形状、寸法を特定すれば、裏波ビードの形状を制御できる。
このような特徴を有する裏波ビードの形状は、当て金1をセットした際に形成される溶金規制空隙に近似したものであり、当て金1により溶融金属の流動が規制されることが確認された。
実際にミクロ組織を観察した(図15、図16参照)。その結果、当て金1を用いることで、HAZの結晶粒を微細化できるとともに、溶接金属と母材の境界部の結晶粒を微細化できることが明らかとなった。このように、HAZおよび境界部の結晶粒を微細化することによっても、溶接継手部の靭性を向上できる。
この過程で、裏波ビードを所望する形状に安定して形成できるとともに、溶接継手部の靭性を向上できることに加え、以下の効果を奏する。
当て金1が、U字状リブ20の全長をn等分した長さしか有していない。したがって、デッキプレート10に対するU字状リブ20の取り付け誤差が位置により相違していても、U字状リブ20の全長に比べて相当に短尺の当て金1を押し付けるので、所望する溶金規制空隙を容易に形成できる。
また、溶接の開始から完了までの間を通じて、各々の当て金1はU字状リブ20の長手方向yに対して固定されるので、溶接金属(裏波ビード)と当て金1の間に擦れが生じることがない。例えば、当て金1を長手方向yに一つだけ配置し、溶接に同期して長手方向yに移動させることもできるが、この場合、凝固過程の裏波ビートと当て金1が擦れる。これに伴って、裏波ビードの性状が崩れるおそれがある。これに対して、第1実施形態は、裏波ビートと当て金1が擦れることがなく、裏波ビードを所望する形状により安定して形成できる。
以上の通りであり、第1実施形態により得られる裏波ビードは、当て金1を用いない裏波ビードはもちろん、当て金1を用いても擦れが生じた裏波ビードと目視により判別ができる。
ベースプレート51は、U字状リブ20(レ形開先25は省略)に比べて幅が小さいが長さが同等の鋼板により形成される。ベースプレート51は、デッキプレート10の上面に載せられ、U字状リブ20の幅方向xの中央に位置する。
ベースプレート51には、幅方向xの両縁にピン52が立設される。ピン52は、ベースプレート51の長手方向yに所定の間隔を空けて配置される。当て金1(面取りCは省略)には幅方向xに沿って長孔1aが形成されており、ピン52に長孔1aを挿入することで、当て金1をベースプレート51に対して幅方向xに往復動可能に保持する。
ベースプレート51は平板状に限るものでなく、剛性を向上させるために、一部を上向きに突出するコ字状部分を形成できる。
第1支持体61は、当て金1と同等の長さを有する矩形の鋼板から構成され、第1移動体60の基礎となる部分である。
第1ばね支持体64は、L字アングルからなり、固定部64aとばね支持部64bを備える。
第1ばね支持体64は、固定部64aを介して、第1支持体61の長手方向yの両端に一つずつ配置される。第1ばね支持体64は、ばね支持部64bが第2ばね支持体74のばね支持部74bに対向するように配置される。
ばね支持部64bは第2ばね支持体74のばね支持部74bとともに、コイルばね80を挟持する部分である。また、ばね支持部64bには、連結ピン81が貫通する貫通孔が空けられる。
このように長手方向yの両端に第1走行車輪65を一台ずつ配置することは、当て金1をフランジ24に偏りなく押し付けるために好ましい形態であるが、第1走行車輪65を一台にすることを排除するものではない。後述する第2走行車輪75についても同様である。
なお、当て金1をフランジ24に押し付ける部材として当て金1との摩擦が小さい車輪を用いているが、本発明はこれに限定されない。摩擦係数の小さい材料から構成される部材であって、当て金1に摺動されるようなものの使用を本発明は許容する。
第1押し付け車輪67は、ピン68で第1支持体61の下側に回転軸が鉛直方向となるように支持される。第1押し付け車輪67は、第1支持体61の長手方向yの両端に配置される。
また、第1押し付け車輪67は、小径部67aと、小径部67aの上側に配置される大径部67bと、を備える。小径部67aは、当て金1の側面に接して、当て金1をフランジ24に水平方向から押し付ける。大径部67bは、当て金1の上面に接して、当て金1をフランジ24に鉛直方向から押し付ける。そうすることで、当て金1をフランジ24へより確実に押し付けることができる。
第2移動体70は、第2支持体71と、第2ガイド体72と、第2ばね支持体74と、第2走行車輪75と、第2押し付け車輪77と、を備える。
第2支持体71は、当て金1と同等の長さを有する矩形の鋼板から構成され、第2移動体70の基礎となる部分である。第2支持体71は、第1支持体61に比べて幅が狭く設定される。また、第2支持体71は、第1支持体61と同一平面上に、内側同士が対向するように、所定の間隔を空けて配置される。
第2ばね支持体74は、第1ばね支持体64と同様に、固定部74aとばね支持部74bを備える。
第2ばね支持体74は、固定部74aを介して、第2支持体71の長手方向yの両端に一つずつ配置される。第2ばね支持体74は、ばね支持部74bが第1ばね支持体64のばね支持部64bに対向するように配置される。
ばね支持部74bは第1ばね支持体64のばね支持部64bとともに、コイルばね80を挟持する部分である。また、ばね支持部74bには、連結ピン81が貫通する貫通孔が空けられる。
第2押し付け車輪77は、ピン78で第2支持体71の下側に回転軸が鉛直方向となるように支持される。第2押し付け車輪77は、第2ガイド体72を挟んで長手方向yの両側に配置される。
また、第2押し付け車輪77も、第1押し付け車輪67と同様に、小径部77aと大径部77bを備える。小径部77aは当て金1をフランジ24に水平方向から押し付け、大径部67bは、当て金1をフランジ24に鉛直方向から押し付ける。
コイルばね80は、第1ばね支持体64のばね支持部64bと第2ばね支持体74のばね支持部74bの間に、圧縮された状態で挟持される。したがって、コイルばね80は、第1ばね支持体64および第2ばね支持体74を外側に向けて押す。なお、第1ばね支持体64および第2ばね支持体74を外側に向けて押すことができれば、コイルばね80以外の弾性体を用いることもできるし、弾性体以外の手段を用いることもできる。
連結ピン81は、第1ばね支持体64ばね支持部64bに形成される貫通孔と、第2ばね支持体74のばね支持部74bの貫通孔を貫通することで、第1ばね支持体64と第2ばね支持体74が離間しないように連結する。
すなわち、図1(b)において、領域1に対応する部分を溶接する間は押圧移動体50を領域1に対応する長手方向yの位置に配置する。押圧移動体50の第1移動体60、第2移動体70は当て金1と同等の長さを有しているので、領域1に対応する当て金1だけがフランジ24に押し付けられる。領域1の溶接が終了すると、次に領域2に対応する部分を溶接するために、図示しない溶接トーチを領域2に移動させるのに同期して押圧移動体50を領域2に対応する部分に移動させる。そうして、領域2に対応する当て金1だけがフランジ24に押し付けられた状態で、領域2に対応する部分を溶接する。領域2の溶接が終了すると、以上の手順を領域nに対応する部分の溶接が終了するまで繰り返すことで、デッキプレート10へのU字状リブ20の溶接が完了する。同様にして必要な数のU字状リブ20の溶接を行うことで、鋼床版100を作製できる。なお、押圧移動体50の移動は、牽引装置を用いてもよいし、第1走行車輪65、第2走行車輪75をモータで駆動するようにしてもよい。
なお、以上では当て金1と押圧移動体50(第1移動体60、第2移動体70)の長さが同等としているが、本発明はこれに限定されない。押圧移動体50を当て金1よりも短くしてもよいし長くしてもよい。U字状リブ20の取り付け誤差に応じて、当て金1の長さ、さらには押圧移動体50の長さを設定することが好ましい。例えば、押圧移動体50を二つの当て金1を加えた長さとして、隣接する二つの当て金1を一度に押し付けることもできる。さらに、当て金1を押し付ける機構を溶接線方向に移動する形態をここでは示しているが、本発明はこれに限らない。各々の当て金1に対応して押し付け機構を設け、この押し付け機構を順次作動させるようにしてもよい。
なお、浮き上がり防止機構80はあくまで一例であり、他の構成を採用できることは言うまでもない。例えば、浮き上がりを防止できる程度の重量物を押圧移動体50に載せるといった方策を採ることもできる。
次に、本発明の第2実施形態について図6〜図8を参照して説明する。
第2実施形態も、第1実施形態と同様に、溶接金属と当て金1の間に相対的な速度差がでないようにして両者が擦れるのを防止する点で共通する。しかし、第1実施形態は複数の短尺の当て金1を長手方向yに並べて固定することで擦れを生じさせないのに対して、第2実施形態は当て金1を長手方向yに移動させつつも溶接金属と当て金1の間に相対的な速度差を生じさせないことを趣旨とする。第2実施形態による押圧移動体150(押し付け機構)は、以下説明するように、無限軌道上を複数の当て金1が走行することを要旨とする。
当て金駆動機構161は、長手方向yに所定の間隔を隔てて配置される一対のスプロケット162を備えている。一対のスプロケット162は、各々の回転軸163を介して長手方向yに延びるスプロケット連結体164に回転可能に支持される。回転軸163は、デッキプレート10に対して傾斜して設けられている。一対のスプロケット162にはチェーン165が掛け回されるとともに、一方のスプロケット162の回転軸163を回転させる駆動モータ166が設けられる。チェーン165には複数の当て金1が微小の隙間を隔ててなく固定される。当て金1は、チェーン165が走行する軌跡で描かれる周回の無限軌道の外側を向くようにチェーン165に固定される。当て金駆動機構161は、押し付け力伝達体167を介して第1支持体61に固定される。押し付け力伝達体167は、第1支持体61とスプロケット連結体164の長手方向yの中央部同士を繋いでいる。
押圧移動体150は、チェーン165に固定される複数の当て金1の中で無限軌道の直線部分であって下側(図6)に位置するものが、フランジ24およびデッキプレート10に押し付けられる。
この状態で第3移動体160および第4移動体170の各々の駆動モータ166を同期して駆動させる。そうすると、一対のスプロケット162の周囲の軌道上をチェーン165が周回移動するのに伴って複数の当て金1も周回移動する。当て金1は、コイルばね80の弾性力によりフランジ24およびデッキプレート10に押し付けられているので、フランジ24およびデッキプレート10との間に摩擦力が生じる。そのため、当て金1が周回移動するのに伴って、当て金駆動機構161を一体として相対的に長手方向yに移動させることができる。この移動は、デッキプレート10へのU字状リブ20の溶接のための溶接トーチの移動に合わせて、デッキプレート10の長手方向yに沿って接線Lの一端から他端まで行われる。このように、当て金駆動機構161は、クローラ(Crawler)として機能する。また、当て金駆動機構161は、第1実施形態の当て金1と同等の長さを有しているものと理解すればよい。
なお、以上では押圧移動体150が間欠的に移動することとしているが、図示しない溶接トーチの移動に同期して連続的に移動してもよい。
また、押圧移動体150の長さをU字状リブ20の全長に比べて相当に短尺にすれば、デッキプレート10に対するU字状リブ20の取り付け誤差が位置により相違していても、所望する溶金規制空隙を容易に形成できる。
さらに、押圧移動体150は、駆動モータ166を回転駆動させることにより長手方向yに移動する自走式のものであるので、他に移動手段を設ける必要がない。
例えば、以上の説明では省略したが、U字状リブ20の一対のフランジ24をデッキプレート10に同時に溶接するために、一対の溶接トーチを備える。溶接トーチは、U字状リブ20の長手方向yに沿って設けられるガイドレールに案内されながら移動し、フランジ24をデッキプレート10に溶接することができる。溶接トーチの上記動作および移動は、制御部からの指示に従って行なわせることができるし、作業員が手動で行なわせることもできる。溶接トーチの種類は限定されず、公知の溶接方法に基づいて適宜定めることができる。また、溶接トーチを移動させる手段も同様である。
3 第1当接面
5 第2当接面
10 デッキプレート
20 U字状リブ
23 ウェブ
24 フランジ
50,150 押圧移動体(押し付け機構)
51 ベースプレート
60 第1移動体
61 第1支持体
62 第1ガイド体
64 第1ばね支持体
65 第1走行車輪
67 第1押し付け車輪
70 第2移動体
71 第2支持体
72 第2ガイド体
74 第2ばね支持体
75 第2走行車輪
77 第2押し付け車輪
80 コイルばね
81 連結ピン
100 鋼床版
160 第3移動体
161 当て金駆動機構
162 スプロケット
163 回転軸
164 スプロケット連結体
165 チェーン165
166 駆動モータ
167 押し付け力伝達体
168 押し付け部
170 第4移動体
B 裏波ビード
Claims (10)
- 平板状の鋼板の表面に、開口部を下側にしてその幅方向の両側に平行に配列される第1縁部及び第2縁部を突合せたU字状のリブを、前記第1縁部及び前記第2縁部を前記リブの外側から溶接することで、前記第1縁部及び前記第2縁部の各々を貫通して前記リブの内側に達する裏波ビードを形成しながら、一方端から他方端に向けて延びる溶接線に沿って連続的に溶接し、
前記リブの前記内側であって、前記第1縁部及び前記第2縁部の前記外側から溶接している位置を含む領域に、前記裏波ビードを支持する一対の当て金を前記鋼板と前記第1縁部及び前記鋼板と前記第2縁部の各々に押し付けて溶接を行う方法であって、
先行する第1領域に前記当て金を配置して前記第1領域を溶接する、第1ステップと、
前記第1領域の溶接が終了した後に、前記当て金による押し付けを後続の第2領域に移行させて前記第2領域を溶接する、第2ステップと、
を少なくとも含み、
前記当て金による押し付けの前記第1領域から前記第2領域への移行が、
前記裏波ビードと前記当て金の間に相対的な速度差を生じさることなく行われ、
一対の前記当て金の間に、前記幅方向の前記外側に向けて互いに離間する向きに一対の前記当て金を同時に押圧する押し付け機構を設け、かつ溶接に同期して一対の前記当て金を前記押し付け機構により押圧しながら溶接を行う、
ことを特徴とする溶接方法。 - 前記当て金は、裏波ビードに対応する領域に面取りCが施されている、
請求項1に記載の溶接方法。 - 前記第1領域と前記第2領域に、独立して前記押し付けが行われる第1当て金と第2当て金を各々配置し、
前記第1ステップでは、前記第1当て金を、前記鋼板と前記第1縁部及び前記鋼板と前記第2縁部の各々に押し付け、
前記第2ステップでは、前記第2当て金を、前記鋼板と前記第1縁部及び前記鋼板と前記第2縁部の各々に押し付ける、
請求項1または請求項2に記載の溶接方法。 - 前記第1ステップでは、前記押圧機構が前記第1領域において前記第1当て金を前記鋼板と前記第1縁部及び前記鋼板と前記第2縁部の各々に押し付け、
前記第2ステップでは、前記押圧機構が前記第2領域に移動して前記第2当て金を前記鋼板と前記第1縁部及び前記鋼板と前記第2縁部の各々に押し付ける、
請求項3に記載の溶接方法。 - 無限軌道上を走行する複数の前記当て金を有し、前記当て金を走行させることで前記溶接線方向に移動する前記押し付け機構を備え、
前記第1ステップでは、前記第1領域において前記押し付け機構の前記当て金を前記鋼板と前記第1縁部及び前記鋼板と前記第2縁部の各々に押し付け、
前記第2ステップでは、前記当て金を走行させることで前記第2領域に移動した前記押し付け機構の前記当て金を前記鋼板と前記第1縁部及び前記鋼板と前記第2縁部の各々に押し付ける、
請求項1または2に記載の溶接方法。 - 平板状の鋼板の表面に、開口部を下側にしてその幅方向の両側に平行に配列される第1縁部及び第2縁部を突合せたU字状のリブを、前記第1縁部及び前記第2縁部を前記リブの外側から溶接することで、前記第1縁部及び前記第2縁部の各々を貫通して前記リブの内側に達する裏波ビードを形成しながら、一方端から他方端に向けて延びる溶接線に沿って連続的に溶接し、
前記リブの前記内側であって、前記第1縁部及び前記第2縁部の前記外側から溶接している位置を含む領域に配置され、前記裏波ビードを支持する一対の当て金と、
一対の前記当て金の間に設けられ、前記幅方向の前記外側に向けて互いに離間する向きに一対の前記当て金を同時に押し付ける押し付け機構と、を備え、
先行する第1領域に前記当て金を配置して前記第1領域を溶接する、第1ステップと、
前記第1領域の溶接が終了した後に、前記当て金による押し付けを後続の第2領域に移行させて前記第2領域を溶接する、第2ステップと、
を少なくとも実行し、
前記当て金による押し付けの前記第1領域から前記第2領域への移行が、
前記裏波ビードと前記当て金の間に相対的な速度差を生じさることなく行われ、
溶接に同期して一対の前記当て金を前記押し付け機構に追従して移動させながら溶接を行う、
ことを特徴とする溶接装置。 - 一対の前記当て金は、各々、
前記第1領域と前記第2領域に、独立して前記押し付けが行われる第1当て金と第2当て金を備え、
前記押し付け機構は、
前記第1ステップでは、前記第1当て金を前記鋼板と前記縦板に押し付け、
前記第2ステップでは、前記第2当て金を前記鋼板と前記縦板に押し付ける、
請求項6に記載の溶接装置。 - 前記押し付け機構は、前記溶接線の方向に移動する押圧体を備え、
前記第1ステップでは、前記押圧体が前記第1領域において前記第1当て金を前記鋼板に押し付け、
前記第2ステップでは、前記押圧体が前記第2領域に移動して前記第2当て金を前記鋼板に押し付ける、
請求項7に記載の溶接装置。 - 前記押し付け機構は、
無限軌道上を走行する複数の前記当て金を備え、前記当て金を走行させることで前記溶接線方向に移動するものであり、
前記第1ステップでは、前記第1領域において前記押し付け機構の前記当て金を前記鋼板に押し付け、
前記第2ステップでは、前記当て金を走行させることで前記第2領域に移動した前記押し付け機構の前記当て金を前記鋼板に押し付ける、
請求項6に記載の溶接装置。 - 請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶接方法により得られ、
前記鋼板がデッキプレートに対応し、前記第1縁部及び前記第2縁部が前記リブのフランジに対応する、
ことを特徴とする鋼床版。
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